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技術 積層体

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 小林裕
出願日 2006年2月22日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2006-044950
公開日 2007年9月6日 (13年2ヶ月経過) 公開番号 2007-223101
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 積層体(2)
主要キーワード セラミック薄膜層 高運動エネルギ ロールツウロール方式 密着性向上層 静電気除去材 積層体製造装置 透過波長範囲 導電層付き
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年9月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

スパッタリング法および真空蒸着法の両方を用いてフイルム基材上に薄膜を積層した積層体に関する。詳しくは、実用上の耐久性を有した積層体に関する。

解決手段

プラスチック基材上の少なくとも片側に少なくともスパッタリング法および真空蒸着法のそれぞれを用いた2層以上のセラミック薄膜が形成された積層体において、スパッタリング法で形成したセラミック薄膜の相対密度かさ密度理論密度)が95%以下であることを特徴とする積層体。

概要

背景

フイルム基材上に薄膜を積層する真空成膜法のうち、物理的方法で薄膜を形成する方法としてはスパッタリング法真空蒸着法が挙げられる。

そして、スパッタリング法はアルゴンイオンターゲット材料衝突させ、弾き出された高運動エネルギーを持った材料を基材上に形成させる方法で、一般的に高密度な薄膜が形成される。そして、均一性再現性が良い。

また、真空蒸着法は熱エネルギーにより蒸発した材料を基材上に形成する方法で、高速成膜が可能である。そして、従来から、ディスプレイ表面反射を防止する透明で、且つ、導電性を有する層を形成した反射防止積層体が知られている。

前記反射防止積層体の形成が、酸化インジウム酸化スズ等をベースとしたものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。

さらに、反射防止積層体の形成が、非常に薄い金属膜を利用しているものも知られている。(例えば、特許文献2参照。)。

以下に先行技術文献を示す。
特開平5−323101号公報
特開昭64−80904号公報

概要

スパッタリング法および真空蒸着法の両方を用いてフイルム基材上に薄膜を積層した積層体に関する。詳しくは、実用上の耐久性を有した積層体に関する。プラスチック基材上の少なくとも片側に少なくともスパッタリング法および真空蒸着法のそれぞれを用いた2層以上のセラミック薄膜が形成された積層体において、スパッタリング法で形成したセラミック薄膜の相対密度かさ密度理論密度)が95%以下であることを特徴とする積層体。

目的

本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、スパッタリングと真空蒸着法の両者の長所を組み合わせ、且つ、実用上の耐久性を有した積層体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

プラスチック基材上の少なくとも片側に少なくともスパッタリング法および真空蒸着法のそれぞれを用いた2層以上のセラミック薄膜が形成された積層体において、スパッタリング法で形成したセラミック薄膜の相対密度かさ密度理論密度)が95%以下であることを特徴とする積層体。

請求項2

前記セラミック薄膜が形成された積層体は高屈折率セラミック薄膜と低屈折率セラミック薄膜を組み合わせて積層され、光学機能を有することを特徴とする請求項1記載の積層体。

請求項3

前記セラミック薄膜の少なくとも1層が導電性を有するセラミック薄膜であることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。

請求項4

前記セラミック薄膜の密着性を向上させる目的で該セラミック薄膜形成前に密着性向上層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の積層体。

請求項5

プラスチック基材の少なくとも片側にハードコートが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の積層体。

請求項6

前記積層体の少なくとも片側の最表面に防汚および/あるいは易滑層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の積層体。

請求項7

前記積層体の少なくとも片面に粘着層あるいは接着層が形成され、他のデバイスに貼り付けることにより、機能性付与が可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の積層体。

請求項8

前記セラミック薄膜積層体がロールツウロールにより搬送されるフィルム基材上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の積層体。

技術分野

0001

本発明は、スパッタリング法および真空蒸着法の両方を用いてフイルム基材上に薄膜を積層した積層体に関する。詳しくは、実用上の耐久性を有した積層体に関する。

背景技術

0002

フイルム基材上に薄膜を積層する真空成膜法のうち、物理的方法で薄膜を形成する方法としてはスパッタリング法と真空蒸着法が挙げられる。

0003

そして、スパッタリング法はアルゴンイオンターゲット材料衝突させ、弾き出された高運動エネルギーを持った材料を基材上に形成させる方法で、一般的に高密度な薄膜が形成される。そして、均一性再現性が良い。

0004

また、真空蒸着法は熱エネルギーにより蒸発した材料を基材上に形成する方法で、高速成膜が可能である。そして、従来から、ディスプレイ表面反射を防止する透明で、且つ、導電性を有する層を形成した反射防止積層体が知られている。

0005

前記反射防止積層体の形成が、酸化インジウム酸化スズ等をベースとしたものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)。

0006

さらに、反射防止積層体の形成が、非常に薄い金属膜を利用しているものも知られている。(例えば、特許文献2参照。)。

0007

以下に先行技術文献を示す。
特開平5−323101号公報
特開昭64−80904号公報

発明が解決しようとする課題

0008

前記スパッタリング法は均一性と再現性の良い薄膜が得られる方法として一般的であるが、ターゲット冷却性能を超えて電力印加すると熱によりターゲットが破壊されてしまう。このため、ある一定以上の成膜速度を得ることができない。

0009

また、真空蒸着法は材料を熱により気化させる方法であるため、成膜速度が速いが、材料が長時間安定して蒸発するように均一な材料を成形する必要がある。

0010

このため、使用できる材料が限定され、多大な開発時間を要することも多い。そして、両者の長所を適宜組み合わせることにより、短期間に生産性が高く、均一で再現性の良好な積層体が開発されている。

0011

然るに、スパッタリング法を用いて形成された薄膜と真空蒸着法を用いて形成された薄膜を比較すると、一般に、前者の密度が高く、応力が大きいため、両者を積層した積層体に外部から力を加えると薄膜にクラックが生じたり、剥離したりする問題がある。

0012

本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、スパッタリングと真空蒸着法の両者の長所を組み合わせ、且つ、実用上の耐久性を有した積層体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明は上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、プラスチック基材上の少なくとも片側に少なくともスパッタリング法および真空蒸着法のそれぞれを用いた2層以上のセラミック薄膜が形成された積層体において、スパッタリング法で形成したセラミック薄膜の相対密度かさ密度理論密度)が95%以下であることを特徴とする積層体である。

0014

本発明の請求項2に係る発明は、前記セラミック薄膜が形成された積層体は高屈折率セラミック薄膜と低屈折率セラミック薄膜を組み合わせて積層され、光学機能を有することを特徴とする請求項1記載の積層体である。

0015

本発明の請求項3に係る発明は、前記セラミック薄膜の少なくとも1層が導電性を有するセラミック薄膜であることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体である。

0016

本発明の請求項4に係る発明は、前記セラミック薄膜の密着性を向上させる目的で該セラミック薄膜形成前に密着性向上層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の積層体である。

0017

本発明の請求項5に係る発明は、プラスチック基材の少なくとも片側にハードコートが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の積層体。

0018

本発明の請求項6に係る発明は、前記積層体の少なくとも片側の最表面に防汚および/あるいは易滑層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の積層体である。

0019

本発明の請求項7に係る発明は、前記積層体の少なくとも片面に粘着層あるいは接着層が形成され、他のデバイスに貼り付けることにより、機能性付与が可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の積層体である。

0020

本発明の請求項8に係る発明は、前記セラミック薄膜積層体がロールツウロールにより搬送されるフィルム基材上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の積層体である。

発明の効果

0021

本発明の積層体は以上の構成からなるので、スパッタリング法で形成したセラミック薄膜の相対密度(かさ密度/理論密度)を低下させることにより、応力の低い真空蒸着法で形成したセラミック薄膜とのバランスがとれる。そして、外部からの力に対して耐久性の高い積層体が得られる。

0022

さらに、高屈折率セラミック薄膜と低屈折率セラミック薄膜を組み合わせて積層することにより、透過率反射率高低、あるいは透過波長範囲を制御するような光学機能を付与できる。

0023

さらに、導電性を有するセラミック薄膜を用いることにより、該積層体を電極材や、静電気除去材として用いることが可能となる。

0024

さらに、プラスチック基材とセラミック薄膜層との間に密着性向上層を設けることにより、セラミック薄膜層の剥離が抑えられる。そして、一層耐久性の高い積層体となる。

0025

また、本発明の積層体は、セラミック薄膜層の積層により、外部からの力に対し、セラ
ミック薄膜層のクラックと言ったミクロ的な破壊を抑制することができる。

0026

さらに、ハードコート層を設けることにより、例えば積層体の表面からプラスチック基材まで及ぶようなスクラッチ傷等、マクロ的な破壊に対する耐久性が向上する。

0027

積層体の最表面に防汚・易滑層が形成されていることにより、表面の汚染防止、拭き取り性向上、さらに滑り性向上によるスクラッチ防止等の効果がある。

0028

さらに、本発明の積層体はロールから巻き出し、ロールで巻き取られる、ロールツウロール方式で製造することにより、生産性の向上が計れる。

発明を実施するための最良の形態

0029

以下、日本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の積層体の一実施例の断面を示す概略図である。また、図2は本発明の積層体の他の一実施例の断面を示す概略図である。

0030

さらに、図3および図4は本発明の積層体の他の一実施例の断面を示す概略図である。

0031

図1図4に示すように本発明の積層体1に使用されるプラスチック基材2としては、耐熱性表面平滑性、透明性等、積層体1を形成するデバイスに必要な特性を満たしていれば特に限定されるものではない。

0033

次に、図1図4に示す本発明の積層体1に形成されるセラミック薄膜層3、31、32、4、41、42は、無機化合物からなる。そして、酸化物硫化物フッ化物、窒化物等を用いることができる。

0034

また、スパッタリングおよび真空蒸着法で成膜する薄膜材料は特に限定されるものではない。しかし、スパッタリング法に比べ真空蒸着法を用いると成膜レートが著しく高くなる材料がある。例えば、SiO2等を真空蒸着法で形成すれば生産性が向上する。

0035

また、スパッタリング法に比べ、膜厚分布を均一にすることが難しい真空蒸着法を用いる場合は、成膜条件確立されている材料が好ましい。

0036

また、スパッタリングの方法に関しては特に限定されないが、ターゲット材料により、直流高周波など電源を適宜選択することが好ましい。

0037

さらに、低密度のセラミック薄膜は、セラミック薄膜層3、31、32、4、41、42自体が実用性に耐えうる程度の強度を有する必要がある。そして、スパッタリング法を用いて低密度のセラミック薄膜を形成するには、例えばプラスチック基板13温度を低くするか、あるいは成膜圧力を高くするなどの方法がある。

0038

次に、多層に積層されたセラミック薄膜の密度の測定方法としては、X線反射率法(XRR)を用い、X線全反射臨界角から膜の密度を非破壊で求めることができる。そして、測定されたかさ密度をセラミック薄膜の理論密度で除して相対密度を算出することができる。

0039

また、真空蒸着法の、材料の加熱方式に関しては特に限定されないが、抵抗加熱方式電子銃加熱方式等から適宜選択する。また、プラスチック基材13側に負のバイアスをかけ、セラミック薄膜にイオンボンバード効果を付与したり、反応性蒸着では、反応ガスイオン化反応性を高めたりしてもよい。

0040

無機化合物からなる薄膜は、その材料により屈折率が異なり、その屈折率の異なるセラミック薄膜を特定の膜厚複数層積層することにより、積層体1に光学機能性を付与することが可能となる。

0041

前記屈折率の低い材料としては、酸化マグネシウム(屈折率=1.6)、二酸化珪素(1.5)、フッ化マグネシウム(1.4)、フッ化カルシウム(1.3〜1.4)などが挙げられる。そして、屈折率の高い材料としては、二酸化チタン(2.4)、二酸化ジルコニウム(2.0)、硫化亜鉛(2.3)、酸化タンタル(2.1)、酸化亜鉛(2.1)、酸化インジウム(2.0)が挙げられる。

0042

具体的に導電性を有するセラミック薄膜層3、31、32、4、41、42の例としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズの何れか、または、それらの2種類もしくは3種類の混合酸化物や、窒化チタンなどの金属窒化物が挙げられる。そして、目的や用途などにより、いかなる導電性材料を用いても良い。

0043

また、本発明の積層体1には、図2図4に示すように、場合により密着性向上層5、ハードコート層6、防汚層7、粘着層8の何れか、または、それらの複数の層を設けてもよい。

0044

さらに、図3に示す、ハードコート層6としては、例えば、紫外線硬化型アクリル等が挙げられる。また、膜厚は3μm以上あれば十分な強度が得られる。そして、透明性または塗工精度あるいは取り扱い等から、5〜10μm程度の膜厚範囲が好ましい。

0045

また、ハードコート層6は用途に応じて形成するが、基本的には積層体1をデバイスに貼り付けた際の表面となる側に形成する。そして、図3に示すようにプラスチック基材2のセラミック薄膜層が形成されている反対側方向面に形成される。

0046

次に、図2に示す密着性向上層5は、セラミック薄膜層3、4とプラスチック基材2との密着性を高めるものである。そして、密着性の仕様を満たすものであれば、いかなる材料であっても制限されるものではない。

0047

また、代表的な材料としては、例えば、真空成膜においては、クロムシリコン等の金属亜酸化物からなるものが挙げられる。そして、透明性が要求される場合は、透明度阻害しないように膜厚を設定しなければならない。

0048

さらに、膜厚は10nm以下が好ましい。また、コロイダルシリカなどを分散させた樹脂コーティングするウェットプロセスを用いても良い。

0049

次に、図4に示す防汚層7は、撥水性および/または撥油性であることにより、セラミック薄膜層3、4の表面を保護し、さらに防汚性を高めるものである。そして、要求性能を満たすものであれば、いかなる材料であっても制限されるものではない。

0050

例えば、代表的な例として、有機化合物、好ましくはフッ素含有有機化合物が適している。また、撥水性を有するものとして、例えば、疎水基を有する化合物がよく、フルオロ
カーボンパーフルオロシラン等が挙げられる。さらに、これらの高分子化合物等が適している。

0051

これらの材料は、材料に応じて真空蒸着法やプラズマCVD法などの真空成膜プロセスあるいは、マイクログラビアスクリーン印刷等のウェットプロセスの各種コーティング方法を用いて、防汚層7を形成することができる。

0052

そして、膜厚は光学デバイスに用いる場合、光学機能を損なわないように設定しなければならず、50nm以下、さらには10nm以下にすることが好ましい。

0053

これらの積層体1に接着剤あるいは粘着剤を用いた接着層あるいは粘着層8を設ける。そして、ラミネートに代表される、貼り合わせ技術等で、他のデバイスに貼り合せることにより、積層体1の機能をデバイスに付与することができる。

0054

次に、図5巻取式積層体成膜装置の一実施例の概略を示す概略図である。

0055

図5に示すように巻取式積層体成膜装置10内に、少なくともスパッタリング法および真空蒸着法の2種類の成膜が可能な成膜室12a、12b、12cを有し、プラスチック基材13をロールツウロールで搬送させながら各セラミック薄膜層を順次積層する。

0056

また、成膜速度の遅い工程については2個以上の製膜ユニットを設け、他方の成膜速度の高い工程とマッチングをとることにより、複層のセラミック薄膜層をインラインで一度に成膜することも可能となる。

0057

前記インラインで複数の薄膜を一度に成膜する場合、各薄膜層で相互に不純物が混合しないように、成膜室12a、12b、12c間のコンダクタンスをできる限り小さくする。また、必要に応じて成膜室12a、12b、12c間に中間室を設けることにより、成膜室間差圧が1:100以上を実現できることが好ましい。

0058

以下に本発明の具体的実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。

0059

<実施例1>
透明プラスチック基材にPETフィルム188μm原反を用い、紫外線硬化性アクリル系ハードコート層を10μmの膜厚でマイクログラビアを用いて塗布した。次に巻取式真空装置内で、密着性向上層としてSiOx(x<2)を膜厚5nm成膜した後に、所定の膜厚でスパッタリング法によりITOを、真空蒸着法によりSiO2を交互に2回繰り返し積層し、合計4層のセラミック薄膜を形成した。さらに、防汚層としてフルオロアルキルシラン7nmを塗布形成し、導電層付き反射防止積層体を作製した。なお、ITO成膜において、所定の割合でArとO2を混合したのち、真空ポンプバルブのコンダクタンスを小さくし、成膜室内の圧力を2Paとして成膜した。

0060

<比較例1>
実施例1において、真空ポンプのバルブのコンダクタンスを小さくし、成膜室内の圧力を0.5Paとして成膜した以外は実施例1と同様にして反射防止積層体を作製した。

0061

<評価結果1>
実施例1と比較例1で成膜したそれぞれの、積層体のITOの密度をXRR(X線回析装置)で測定した結果、圧力が2.0Paで成膜したITOの密度は6.74g/cm3
(相対密度:93.9%)、圧力が0.5Paで成膜したITOの密度は7.06g/cm3(同98.3%)だった。

0062

次に、両サンプルにおいて鉛筆硬度試験を行ったところ、圧力が2.0Paで成膜した積層体では4H鉛筆kg荷重で傷が観られなかったが、圧力が0.5Paで成膜した積層体では、セラミック薄膜およびハードコートにクラックが生じた。

0063

<実施例2>
透明プラスチック基材にPETフィルム100μm原反を用い、巻取式真空装置内で真空蒸着法によりSiOx(x=1.7)バリア膜を20nm、さらにスパッタリング法によりITOを60nm成膜し、導電膜付きバリアフィルム積層体を作製した。なお、ITO成膜において、所定の割合でArとO2を混合したのち、真空ポンプのバルブのコンダクタンスを小さくし、成膜室内の圧力を2.0Paとして成膜した。

0064

<比較例2>
実施例2において、真空ポンプのバルブのコンダクタンスを小さくし、成膜室内の圧力を1.1Paとして成膜した以外は実施例1と同様にして反射防止積層体を作製した。

0065

<評価結果2>
実施例2と比較例2で成膜したそれぞれの、積層体のITOの密度をXRR
で測定した結果、圧力が2.0Paで成膜したITOの密度は6.74g/cm3(相対密度:93.9%)、圧力が1.1Paで成膜したITOの密度は6.95g/cm3(同96.7%)だった。

0066

次に、両サンプルをA4のサイズに断裁し、荷重1kg、30cmの金属ロールで膜面を10往復転がすという耐久試験を行い、その前後の水蒸気バリア性カップ法)および表面抵抗値の変化を測定した。圧力が2.0Paで成膜した積層体では、試験前は、2.7g/m3・day、86Ω/□であった。そして、試験後は、2.8g/m3・day、88Ω/□で、試験前と試験後の値は、ほとんど変わらず、劣化が無かった。

0067

一方、圧力が1.1Paで成膜した積層体は、試験前が、1.5g/m3・day、58Ω/□で、初期性能は良好だった。そして、試験後は、7.8g/m3・day、240Ω/□で、試験前と試験後の値は、大きくなり、劣化した。さらに、劣化した試験後のサンプルについて光学顕微鏡を用いて表面観察を行ったところ、マイクロクラックが多数生じていることが確認された。

0068

本発明の積層体はディスプレイ表面の反射を防止する反射防止積層体等に使用できる積層体として優れていることはもとより、医療分野包装分野等の広い分野で利用できる素晴らしい発明である。

図面の簡単な説明

0069

本発明の積層体の一実施例の断面を示す断面概略図である。
本発明の積層体の他の一実施例の断面を示す断面概略図である。
本発明の積層体の他の一実施例の断面を示す断面概略図である。
本発明の積層体の他の一実施例の断面を示す断面概略図である。
本発明の積層体を形成する巻取式積層体製造装置の一実施例の概略を示す概略図である。

符号の説明

0070

1…積層体
2…プラスチック基材
3…真空蒸着法により成膜したセラミック薄膜
4…スパッタリングにより成膜したセラミック薄膜
5…密着性向上層
6…ハードコート層
7…防汚層
8…粘着層
10…巻取式積層体製造装置
11a…巻出し巻取りロール
11b…巻出し/巻取りロール
12a…製膜室
12b…製膜室
12c…製膜室
13…プラスチック基材
14…コーティングドラム
15…ガイドローラ
31…真空蒸着法により成膜したセラミック薄膜
32…真空蒸着法により成膜したセラミック薄膜
41…スパッタリングにより成膜したセラミック薄膜
42…スパッタリングにより成膜したセラミック薄膜

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