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技術 鋳出し文字認識装置

出願人 株式会社アレフネット三菱自動車工業株式会社八光オートメーション株式会社
発明者 山本展弘松下直幹白水久利
出願日 2006年2月17日 (15年0ヶ月経過) 出願番号 2006-041206
公開日 2007年8月30日 (13年5ヶ月経過) 公開番号 2007-219943
状態 特許登録済
技術分野 イメージ分析 文字入力 画像処理 光学的手段による測長装置
主要キーワード 計測目標 鋳鉄素材 製造ロット情報 中間点付近 計測対象範囲 突起領域 運用レベル トレーサビリティ管理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年8月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

課題

鋳鉄シリンダーブロック等の鋳出し文字認識精度が高く、ライン上の計測許容時間内で計測でき、実際の製造ラインで使用し得るものを提供する。

解決手段

鋳物の鋳出しによる文字数字凹凸形状を計測する三次元計測手段と、得られた三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理して二次元画像データに変換後に更に2値化処理を行う画像データ変換手段と、得られた画像データを予め学習した情報に基づき文字数字を判別する文字数字判別手段とを備える。鋳出し文字は、文字表面が黒色で、有りや艶無しが混在し、鋳鉄に鋳出しされた文字の影はバックグラウンド同系色であり、また、鋳出し状態や潰れなどによって文字形状が不安定な文字であるため、測定対象物表面色、状態に影響を受けずに安定したセンシングが行える光切断法を三次元計測手段として用いた。

概要

背景

自動車シリンダーブロック等の鋳物部品には、製造ロット情報や型の組合工数など色々な情報が鋳出し文字(本明細書では、鋳出し文字は、文字のみならず数字記号、符号、マークを含む意味で用いている。)として鋳出しされている。これらは、砂型から転写してあり、製品になればその数字が現れてくるものである。この鋳出し文字の製造ロット情報は、トレーサビリティの観点から記録されているが、従来は人手で書いていた。

従来から、鋳物部品に鋳出しされた鋳出し文字をCCDカメラ静電結合素子カメラ)で撮像し、撮像した鋳出し文字を画像処理手段でパタ−ン化し、予め登録したパターン比較照合パターンマッチング処理)することにより文字を認識し、認識した文字に基づいて判定対象となる機種を判定するものが知られている。(例えば、特許文献1を参照。)

しかしながら、かかるパターンマッチング処理方法を用いた場合には、特に鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の認識誤差が大きく、実際の製造ラインで使用できるものではなかった。この理由としては、鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の場合には、錆びないように黒色塗装されており、筐体素地と文字部分の影が同系色であるため反射光による濃淡差が現れず、CCDカメラによる撮影画像濃淡処理によるパターンマッチング処理では適応できないからである。

また、鋳出し文字が日付を表す場合、毎日、型を変える必要があると共に、はめ込み式の樹脂を使用しているため、砂型に転写した段階では、文字の潰れ、変形が大きく、形状や成形精度不定量となり、パターンマッチング処理のマスターデータと個々の計測データとの差のバラツキが大きくなる。
また、鋳出し文字の形状や成形精度が不定量であるため、CCDカメラによる撮影画像文字について、何らかの特徴量(例えば、二値画像の重心位置、面積モーメント等)を抽出し、それらの特徴空間中でクラスタリングを行うといった方法で文字を認識しようとしても認識誤差が大きくなることが予想できる。

さらに、インラインにおいて定量的な照度対象物に対して保つことは現実的には困難であり、CCDカメラによる撮影画像の二値画像処理による特徴量抽出処理を行って、鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字を認識することも非常に困難である。

特開平10−198804号公報

概要

鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の認識精度が高く、ライン上の計測許容時間内で計測でき、実際の製造ラインで使用し得るものを提供する。鋳物の鋳出しによる文字数字凹凸形状を計測する三次元計測手段と、得られた三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理して二次元画像データに変換後に更に2値化処理を行う画像データ変換手段と、得られた画像データを予め学習した情報に基づき文字数字を判別する文字数字判別手段とを備える。鋳出し文字は、文字表面が黒色で、有りや艶無しが混在し、鋳鉄に鋳出しされた文字の影はバックグラウンドと同系色であり、また、鋳出し状態や潰れなどによって文字形状が不安定な文字であるため、測定対象物表面色、状態に影響を受けずに安定したセンシングが行える光切断法を三次元計測手段として用いた。

目的

上述の問題点に対応すべく、本発明の鋳出し文字認識装置は、鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の認識精度を高くすることを主目的とする。また、本発明の鋳出し文字認識装置は、鋳出し文字認識精度を高めることで、許容時間内での計測を可能とし、実際の製造ライン(インライン)で使用し得るものとすることを副次的な目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

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請求項1

鋳物の鋳出しによる文字数字凹凸形状を計測する三次元計測手段と、前記三次元計測手段により得られた三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理して二次元画像データに変換後に更に2値化処理を行う画像データ変換手段と、前記画像データ変換手段により得られた画像データを予め学習した情報に基づき文字数字を判別する文字数字判別手段とを備えたことを特徴とする鋳出し文字認識装置

請求項2

前記三次元計測手段が、計測対象の文字数字領域に線状光投影し、該文字数字領域の表面に描かれる線状光のなす像を撮像することにより該文字数字領域の三次元形状データを得る光切断法を用いていることを特徴とする請求項1に記載の鋳出し文字認識装置。

請求項3

前記三次元計測手段において、計測対象の文字数字領域の位置を検出するために、鋳物の突起領域を利用したことを特徴とする請求項2に記載の鋳出し文字認識装置。

請求項4

前記三次元計測手段において、計測対象の文字数字領域から各々の文字数字の仕切り位置を検出するために、a)光切断法により得られる変位データピーク値を算出し、b)算出された前記ピーク値が文字数字列方向にプロットされたプロファイルを取得し、c)前記プロファイルから各文字数字の重心位置を算定し、d)隣接する2つの文字数字の重心位置に対して略中間点に存在する変位データの谷底位置を算定することを特徴とする請求項2又は3に記載の鋳出し文字認識装置。

請求項5

前記三次元計測手段において、光切断法による計測対象の文字数字領域に投影する線状光の線幅が、100μm〜500μmであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の鋳出し文字認識装置。

請求項6

前記三次元計測手段において、光切断法による計測対象の文字数字領域に投影する線状光の波長が、650nm〜900nmであることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の鋳出し文字認識装置。

請求項7

記文字数字判別手段が、ニューラルネットワークによる学習法を用いていることを特徴とする請求項1に記載の鋳出し文字認識装置。

請求項8

前記ニューラルネットワークが、マルチレイヤーパーセプトロンであることを特徴とする請求項7に記載の鋳出し文字認識装置。

請求項9

前記三次元計測手段は、内燃機関シリンダーブロックの鋳出し文字数字の凹凸形状を計測することを特徴とする請求項1乃至8記載のいずれか1項に記載の鋳出し文字認識装置

技術分野

0001

本発明は、内燃機関シリンダーブロック等の鋳物部品の表面の鋳出し文字認識装置に関する技術である。

背景技術

0002

自動車のシリンダーブロック等の鋳物部品には、製造ロット情報や型の組合工数など色々な情報が鋳出し文字(本明細書では、鋳出し文字は、文字のみならず数字記号、符号、マークを含む意味で用いている。)として鋳出しされている。これらは、砂型から転写してあり、製品になればその数字が現れてくるものである。この鋳出し文字の製造ロット情報は、トレーサビリティの観点から記録されているが、従来は人手で書いていた。

0003

従来から、鋳物部品に鋳出しされた鋳出し文字をCCDカメラ静電結合素子カメラ)で撮像し、撮像した鋳出し文字を画像処理手段でパタ−ン化し、予め登録したパターン比較照合パターンマッチング処理)することにより文字を認識し、認識した文字に基づいて判定対象となる機種を判定するものが知られている。(例えば、特許文献1を参照。)

0004

しかしながら、かかるパターンマッチング処理方法を用いた場合には、特に鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の認識誤差が大きく、実際の製造ラインで使用できるものではなかった。この理由としては、鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の場合には、錆びないように黒色塗装されており、筐体素地と文字部分の影が同系色であるため反射光による濃淡差が現れず、CCDカメラによる撮影画像濃淡処理によるパターンマッチング処理では適応できないからである。

0005

また、鋳出し文字が日付を表す場合、毎日、型を変える必要があると共に、はめ込み式の樹脂を使用しているため、砂型に転写した段階では、文字の潰れ、変形が大きく、形状や成形精度不定量となり、パターンマッチング処理のマスターデータと個々の計測データとの差のバラツキが大きくなる。
また、鋳出し文字の形状や成形精度が不定量であるため、CCDカメラによる撮影画像文字について、何らかの特徴量(例えば、二値画像の重心位置、面積モーメント等)を抽出し、それらの特徴空間中でクラスタリングを行うといった方法で文字を認識しようとしても認識誤差が大きくなることが予想できる。

0006

さらに、インラインにおいて定量的な照度対象物に対して保つことは現実的には困難であり、CCDカメラによる撮影画像の二値画像処理による特徴量抽出処理を行って、鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字を認識することも非常に困難である。

0007

特開平10−198804号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上述の問題点に対応すべく、本発明の鋳出し文字認識装置は、鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の認識精度を高くすることを主目的とする。また、本発明の鋳出し文字認識装置は、鋳出し文字認識精度を高めることで、許容時間内での計測を可能とし、実際の製造ライン(インライン)で使用し得るものとすることを副次的な目的とする。

0009

また、本発明の鋳出し文字認識装置は、撮影画像に基づくパターンマッチング処理や特徴量抽出処理のような一般的な画像処理(濃淡処理や二値処理)を用いるのではなく、鋳出し文字の凹凸識別して三次元データ化し、鋳出し文字を擬似的にコンピュータ上で再現することにより文字認識できることを目的とする。

0010

さらに、本発明の鋳出し文字認識装置は、人間の文字認識ロジックに近い方法により、鋳出し文字を認識できることを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するため、本発明に係る鋳出し文字認識装置は、鋳物の鋳出しによる文字数字の凹凸形状を計測する三次元計測手段と、前記三次元計測手段により得られた三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理して二次元画像データに変換後に更に2値化処理を行う画像データ変換手段と、前記画像データ変換手段により得られた画像データを予め学習した情報に基づき文字数字を判別する文字数字判別手段とを備えたことを特徴とする。

0012

ここで、鋳物の鋳出しによる文字数字の凹凸形状を計測する三次元計測手段を用いているのは、以下の理由による。
一般的な文字認識方法としてはCCDカメラ等を用いた二次元画像処理が用いられるが、鋳鉄に鋳出しされた文字の影はバックグラウンドと同系色であり、かつ、形状がいびつであることから二次元情報のみでの認識精度は運用レベルに達しないからである。
また、CCDカメラで鋳出し文字を撮影し画像処理を施し、パターンマッチングで判別しようと試みても、計測対象範囲外乱光が入ってしまい、光の反射が一定せず、パターンマッチングが行える画像を得ることができないことを経験的に解っていたからである。

0013

次に、三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理して二次元画像データに変換する画像データ変換手段を用いている理由を説明する。
鋳出し文字が日付を表す場合、毎日、型を変える必要があり、はめ込み式の樹脂を使用しているため、上述した如く、砂型に転写した段階では、文字の潰れ、変形が大きく、形状や成形精度が不定量である。更に、鋳出し文字自体が表面に対し必ずしも直角に成形されているわけではない。このような理由から、この鋳出し段階で文字の輪郭は非常にばらつきがあるものになっている。
つまり、ある鋳出し文字は直角に成形され、文字の凹凸が文字全体にわたって均一で文字輪郭が明瞭である一方で、ある鋳出し文字は傾斜がついて成形され、文字の凹凸が文字全体にわたり不均一で文字輪郭が不明瞭であるものが存在する。従って、これらの鋳出し文字の三次元計測データについても、非常にばらつきのあるデータであり、文字認識に適したデータとは言えず、このデータに対する再加工が必要となる。
そこで、三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理して二次元画像データに変換することで、この鋳出し精度のばらつきによる文字輪郭の明瞭さをグレースケール明度情報に変換しデータ処理を行うことにしたのである。

0014

そして、三次元計測データから変換された二次元画像データを予め学習した情報に基づき文字数字を判別することにしたのは、上述のような特性を有する鋳鉄の表面に鋳出しされた文字であっても、人間の目(脳)では、これらの文字の殆どについて識別することが可能であるため、人間の文字認識ロジックである学習判断ロジック近似した方法で文字を判別することで認識精度を高めることができると考えたからである。事実、後述する実施例で述べるように、本発明の鋳出し文字認識装置を用いた文字認識精度は、従来のパターンマッチング処理による文字認識精度に比べて、非常に優れた文字認識精度を得られたのである。

0015

ここで、鋳物の鋳出しによる文字数字の凹凸形状を計測する三次元計測手段は、計測対象の文字数字領域に線状光投影し、該文字数字領域の表面に描かれる線状光のなす像を撮像することにより該文字数字領域の三次元形状データを得る光切断法を用いていることが好ましい。
鋳出し文字は上述したように、文字表面が黒色で、有りや艶無しが混在し、バックグラウンドも同色の塗装であり、また、鋳出し状態や潰れなどによって文字形状が不安定な文字である。このため、測定対象物表面色、状態に影響を受けずに安定したセンシングが行える光切断法が好ましいのである。
また、光切断法の処理アルゴリズムシンプルであり計測のリアルタイム性が確保できるため、実際のインラインでの使用が可能なことと、ロバスト性に優れており本計測対象の鋳出し文字の認識に適しているからである。更に、装置の構成要素となる光学系も安価に構築できることもメリットである。
なお、三次元計測手段には、立体物形状表面の状態を、傾斜・深度・距離などの連続した数値情報として取り込むことができる3Dスキャナーを用いてもよい。但し、3Dスキャナーを用いた場合、測定にある程度の時間を要することに注意が必要である。

0016

また、三次元計測手段において、計測対象の文字数字領域の位置を検出するために、鋳物の突起領域を利用したことを特徴とする。ここで、鋳物の突起領域とは、例えば、加工基準ボスなどが該当する。
上述した光切断法を用いた三次元計測において、光切断用のレーザー光スキャニングする範囲内に文字数字領域の位置を推定することができるように、鋳物の加工基準ボス等の突起領域を利用することにしたのである。

0017

また、三次元計測手段において、計測対象の文字数字領域から各々の文字数字の仕切り位置を検出するために、
a)光切断法により得られる変位データピーク値を算出し、
b)算出された前記ピーク値が文字数字列方向にプロットされたプロファイルを取得し、
c)前記プロファイルから各文字数字の重心位置を算定し、
d)隣接する2つの文字数字の重心位置に対して略中間点に存在する変位データの谷底位置を算定する
ことを特徴とする。
前述したような鋳出し文字の特性を加味して、計測対象の文字数字領域から各々の文字数字の仕切り位置を検出するために、三次元計測データの高さ情報を利用したのである。これについては、後述する実施例について詳細に説明することにする。

0018

また、三次元計測手段において、光切断法による計測対象の文字数字領域に投影する線状光の線幅が、100μm〜500μmであることを特徴とする。光切断法を用いたレーザー光はレンズにて線状に集光して線状光とするが、この線状光の線幅を細くすることで、鋳出し文字の段差を精度よく計測することができるのである。線状光の線幅が500μmより大きくなると、鋳鉄に鋳出しされた鋳出し文字の段差を計測することが困難である。また、線状光の線幅が100μmより小さくするのは、光学系の調整が困難となり実現的でないと言える。

0019

また、三次元計測手段において、光切断法による計測対象の文字数字領域に投影する線状光の波長が、650nm〜900nmであることを特徴とする。
光切断法による計測対象の文字数字領域に投影する線状光の波長が650nm〜900nmの赤色レーザーを用いることにより、外乱光による乱反射反射率の変動に左右されない環境を構築することができるのである。

0020

また、文字数字判別手段は、ニューラルネットワークによる学習法を用いていることを特徴とする。特に、ニューラルネットワークが、マルチレイヤーパーセプトロンであることが好ましい。ここで、マルチレイヤーパーセプトロンとは、ニューラルネットワークによる手書き文字認識等にも利用されているアルゴリズムであり、鋳出し文字の計測で得られるバラツキのあるデータ学習に対して効果的に作用する。
人間の文字認識ロジックである学習判断ロジックに近似したニューラルネットワークによる学習方法を用いて文字判別することで認識精度を高めることができたのである。

発明の効果

0021

本発明の鋳出し文字認識装置によれば、鋳鉄のシリンダーブロック等の鋳出し文字の認識精度が高く、また、ライン上の計測許容時間内で計測でき、実際の製造ライン(インライン)で使用し得る運用レベルを有するといった効果がある。

発明を実施するための最良の形態

0022

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明していく。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。

0023

図1に、実施例1の鋳出し文字認識装置の装置構成ブロック図を示す。
図1において、鋳鉄から成るシリンダーブロック2の表面には、文字が鋳出しされており、このシリンダーブロック2は、ベルトコンベア3によって、図の矢印方向に順次搬送されていく。
実施例1では、鋳物の鋳出しによる文字数字の凹凸形状を計測する三次元計測手段として、光切断法を用いており、レーザースキャニングセンサ8により三次元形状を計測している。このレーザースキャニングセンサ8から、計測対象であるシリンダーブロック2の文字領域にラインビーム照射され、その反射光を検知することで三次元形状を計測している。アクチュエータ9は、レーザー光をスキャニングするための駆動装置である。
レーザースキャニングセンサ8による三次元形状の計測精度を高めるために、ベルトコンベア3に、ストッパー6とプッシャー(7a,7b)を設けており、搬送されてくるシリンダーブロック2の計測時の位置を略一定状態にしている。また、ベルトコンベア3で搬送されてくるシリンダーブロック2の位置を検出するために位置検出センサA,B(4,5)が設けられている。

0024

これらベルトコンベア3のモータ制御、位置検出センサA,Bからの信号処理、プッシャー(7a,7b)の動作制御は、制御装置プログラマブルコントローラPLC)10で行っている。制御装置(プログラマブルコントローラ;PLC)10は通信ケーブルを介してコンピュータ13と接続され、コンピュータ13が制御装置(プログラマブルコントローラ;PLC)10の監視保守を行っている。ここでは、具体的な処理動作フロー運転フロー)は本発明のポイントではないため省略することにする。

0025

また、レーザースキャニングセンサ8は、レーザースキャニングセンサ用コントローラ11により、アクチュエータ9は、アクチュエータ用コントローラ12により分散制御している。レーザースキャニングセンサ8とレーザースキャニングセンサ用コントローラ11は専用ケーブル24で接続され、レーザースキャンで取得された三次元データは、USB(Universal Serial Bus)ケーブル21を介して、コンピュータ(PC)13に送られている。また、アクチュエータ9とアクチュエータ用コントローラ12も専用ケーブルで接続され、アクチュエータ用コントローラ12はRS−232Cケーブル22を介してコンピュータ(PC)13で制御されている。
レーザースキャニングセンサ8は1ラインのデータを取り込むと、レーザースキャニングセンサ用コントローラ11からコンピュータ13にデータが送られ、コンピュータ13からアクチュエータ用コントローラ12に移動信号が出されて、アクチュエータ9が移動し、アクチュエータ用コントローラ12からレーザースキャニングセンサ用コントローラ11に対して、1ラインデータの取り込みタイミングを指示するトリガー信号が出力される。
アクチュエータ9は、予め設定された移動ピッチで、ピッチ移動を行い、1ピッチ移動完了する度に、アクチュエータ用コントローラ12からレーザースキャニングセンサ用コントローラ11に対して、1ラインデータの取り込みタイミングを指示するトリガー信号が出力される。全ラインデータの取り込みが完了すると、コンピュータ13は、レーザースキャニングセンサ用コントロコントローラ11より、全データを受信する。

0026

次に、この光切断法を用いた三次元計測手段により得られた三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理(2値化処理)して二次元画像データに変換する画像データ変換手段としては、コンピュータ13内のプログラムで処理している。

0027

以下に鋳出し文字の光切断法による三次元計測処理における鋳鉄上に鋳出しされた文字領域の抽出方法に関して説明する。
図2は、光切断法による鋳鉄上のスキャン範囲を説明する図である。また、図3は、文字領域の推定の仕方を説明する図である。
図2において、レーザースキャニングセンサから照射されたレーザー光が、ラインピーム(線状光)31で示されている。ラインピーム(線状光)31の線の長さは、約100mmである。このラインピーム(線状光)31がスキャンしていくことで、図2中に例示されたスキャン範囲(点線で示している)の鋳出し文字の三次元形状を計測している。
本実施例では、計測目標の鋳出し文字は、各文字領域矩形)33の3文字である。
また、この各文字領域(矩形)33の存在するおおよその矩形領域を推定するために、シリンダーブロック表面の加工基準ボス32を計測対象に設けている。
次に、図3を用いて文字領域の推定の仕方を説明する。先ず、加工基準ボス32を含む最小の矩形を求めて、その中心を加工基準ボス32の中心としている。次に、加工基準ボス32の中心を通るy軸に平行な直線と、加工基準ボス32の中心からの相対位置により、3つの各文字領域(矩形)33を含むおおよその矩形領域を求めている。

0028

次に、図4図8を用いて、文字領域から3つの鋳出し文字の三次元形状データを取得する方法について順を追って説明する。
図4には、文字領域の中心に位置する文字「C」について、文字「C」の中心をレーザースキャニングセンサで取り込んだ変位データ列を示している。図4グラフ横軸z軸は凹凸の高さ方向であり、縦軸y軸は文字の縦方向を示している。図4に示されるように文字「C」の中心は、上下に突出した部位があり、中央はへこんでいることが、プロットされたデータに現れている。
先ず、この変位データの文字の縦方向であるy方向の全てのラインのピーク値を計算する。ただし、ラインのピーク値は、ラインデータをソートし、上位から予め設定された個数分をノイズとして除外した後、さらに上位からこれも予め指定された個数分の平均値をピーク値としている。
図5に、得られたピーク値を文字列方向であるx方向にプロットしたグラフを示す。グラフプロットが滑らかにするために、ノイズ除去処理を行っている。
次に、図6に示されるように、得られたx方向のノイズ除去後のプロファイルに対し、B幅(文字幅相当)の面積Sを、x方向に順次移動させながら求め、Sがピーク値を取る位置を、文字領域の重心位置として求めている。
そして、図7に示されるように、得られた2つの文字領域の重心位置(図7中のG1,G2)に対し、その中間点付近において、谷底(V1)をサーチし、V1を左文字と中文字領域の境界点とする。中文字と右文字領域の境界点(V2)は、G2より中文字の領域幅の1/2離れた付近の谷底をサーチすることにより求める。また左文字領域の左境界V0は、V1より、左文字の領域幅(D1;仮に設定値を+2.0mmとしている)だけ左の位置として求めている。同様に、右文字領域の右境界V4は、V2より右文字の領域幅(D3;仮に設定値を+2.0mmとしている)だけ右の位置として求めている。
以上の方法で、3つの文字領域(矩形)のx方向の境界を検出している。

0029

次に、3つの文字領域(矩形)のy方向の境界を検出する方法を説明する。先ず、x方向の境界検出方法と同様のやり方を用いて、変位データのx方向の全てのラインのピーク値を計算する。
そして、図8に示されるように、得られたピーク値をプロットしたグラフにおいて、左端から凹部の面積が予め指定された値より大きくなる位置(ピーク点)を検索する。検索されたピーク点から予め指定された個数分のデータ中、高さが最小となる点(極小点)を検索し、3つの文字領域(矩形)の下境界とする。求めた下境界から文字領域(矩形)の高さ分の位置を3つの文字領域(矩形)の上境界とする。このようにして、3つの文字領域(矩形)のy方向の境界が検出する。

0030

図9に、光切断法による鋳出し文字の3次元計測の様子を示す。(a)は、実際の鋳鉄のエンジンブロックシリンダーブロックの表面に鋳出しされた文字「4A9」をレーザースキャニングセンサで読み取っている様子の写真である。なお、図9で示される様子は、レーザースキャニングセンサのラインビーム41が横方向(x方向)のもので、文字領域(矩形)の縦方向(y方向)の向きにスキャンしている場合を示している。上述した実施例では、ラインビームが縦方向(y方向)のもので、文字領域(矩形)の横方向(x方向)の向きにスキャンする場合で、図9で示される様子とラインビームの向きが、90°異なっている。
また、(b)は、表面に鋳出しされた文字「4A9」の外観写真である。
これを上述の三次元計測手段で測定したものが、図10の(A−1)と(B−1)に示している。鋳出し文字の凹凸がコンピュータグラフィックで再現されているのが理解できるものである。
このコンピュータグラフィックで再現された鋳出し文字の凹凸の三次元計測データの高さ方向のデータをグレースケール化処理して二次元画像データに変換したものが、図10の(A−2)と(B−2)である。シリンダーブロック表面に鋳出しされた文字の鋳出し高さが、グレースケール化した場合において明度表現されており、二次元画像データに変換した場合においても鋳出し文字の輪郭がわかり、文字認識が十分に行えることが理解できる。
これら画像データを、ニューラルネットワークにより予め学習した情報に基づき文字数字を判別したテストでは、文字種類によらず読取率が100%に近い値となった。

0031

本発明の鋳出し文字認識装置は、車両、船舶用発電機用建機用などの内燃機関のシリンダーブロック、エンジンカムシャフト配管ナックル等の車輌足回り部品マンホール等の鋳鉄素材に鋳出しされた製造ロット等の文字、数字、記号を認識し、これらの部品等のトレーサビリティ管理に利用できる。

図面の簡単な説明

0032

実施例1の鋳出し文字認識装置の装置構成を示したブロック図
光切断法による鋳鉄上のスキャン範囲を説明する図
文字領域の推定の仕方を説明する図
各文字領域のラインデータのプロットの例図
文字領域の文字の縦方向(y方向)の全てのラインのピーク値を文字列方向(x方向)にプロットした例図
各文字領域の重心位置を算出する仕方を説明する図
各文字領域の文字列方向(x方向)の境界ラインを算出する仕方を説明する図を示す。
各文字領域の文字の縦方向(y方向)の境界ラインを算出する仕方を説明する図を示す。
光切断法による鋳出し文字の3次元計測の様子を示す。
三次元データをグレースケール化し、二次元画像データに変換したものの例を示す。

符号の説明

0033

1 鋳出し文字認識装置
2シリンダーブロック
3ベルトコンベア
物体検出センサ
5 物体検出センサB
6ストッパー
7a,7bプッシャー
8レーザースキャニングセンサ
9アクチュエータ
10制御装置(プログラマブルコントローラ;PLC)
11 レーザースキャニングセンサ用コントローラ
12 アクチュエータ用コントローラ
13コンピュータ(PC)
21 USB(Universal Serial Bus)ケーブル
22 RS−232Cケーブル
23通信ケーブル
24,25専用ケーブル
31ラインピーム(線状光)
32加工基準ボス
33各文字領域(矩形)
41 レーザースキャニングセンサのラインビーム

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