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技術 テーブル位置決め装置

出願人 シグマテック株式会社
発明者 市川宗次増田富雄
出願日 2006年2月16日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2006-039573
公開日 2007年8月30日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2007-219832
状態 特許登録済
技術分野 位置、方向の制御
主要キーワード 後進限位置 レザー光線 点検調整 寸法短縮 往復相対移動 偏差許容 組合せ方式 収斂後
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

高精度位置決めを迅速かつ安定して行なえるようにする。

解決手段

ボールねじ軸リード1mm)を利用した全域回転駆動型でかつテーブルを最小1nmずつ移動可能で、3つの光学格子(明・暗線が2μm)を用い信号分割数を2000として1nm/1パルス移動変位量検出信号を生成でき、オープンループ制御による高速回転クローズドループ制御による中速回転および低速回転をこの順序切換え位置決めでき、低速回転中に発生した機械的振動に起因する見掛けモータ回転制御信号を無視可能とされている。

概要

背景

上位概念的には対象物を高精度で位置決めするための技術的手段として共通するも、具体的(下位概念的)には、例えばレザー光線を利用した半導体露光装置(大型・高価)と、例えば光ファイバー試験研究用の位置決め装置(小型・廉価)とは、技術的に相容れない事項が多い。

本出願人らは、後者に関して、まず、産業上の利用性確立および普及拡大のために、大幅な小型軽量化低コスト化および取扱い容易化を達成するための移動変位検出器つまり光学的変位検出装置(特許文献1を参照)を提案した。この装置は、3つの光学格子を用いたスリグレーチング方式で、高精度化および検出高速化も達成できる。

次に、かかる光学的変位検出装置を、ステージ内ベースとテーブルとの間)に収容させてテーブルの移動変位量検出部として利用するとともに、テーブル移動機構部を粗動マイクロヘッドおよび微動用ピエゾアクチュエータ直列配設した手動式の位置決め装置(特許文献2)を提案した。

さらに、粗動用をモータ駆動型ねじ軸としかつ微動用のピエゾアクチュエータとねじ軸とをテーブルの移動方向に直列配設した自動式位置決め装置(特許文献3)を提案した。引続き応動変位許容手段等を設けることで、一段の高精度化等を企図した自動式位置決め装置(特許文献4)を提案した。さらにまた、構成要素ごとの改善も図った。例えば、回路逓倍回路および分割回路)を含む移動変位量検出部(特許文献5)を提案した。かくして、全体として超薄型(小型・軽量)で、テーブルを高精度(例えば、0.1μm)で位置決めすることができた。

さらに、これらの技術的積み重ねの上に、ピエゾアクチュエータ駆動型の不利(不連続性、長時間駆動性)を解消(連続化、短時間駆動化)するものとして、ピエゾアクチュエータを排した全域テーブル移動範囲)を1つのねじ軸で駆動可能に形成したいわゆる全域ねじ駆動型のテーブル位置決め装置(特許文献6)を提案した。この提案装置によれば、連続駆動により比較的短時間で高精度位置決めすることができる。
特開平7−286816号公報
特開平8−185238号公報
特開平9−192956号公報
特開平10−58267号公報
特開2000−235417号公報
特開2004−101320号公報

概要

高精度位置決めを迅速かつ安定して行なえるようにする。ボールねじ軸リード1mm)を利用した全域回転駆動型でかつテーブルを最小1nmずつ移動可能で、3つの光学格子(明・暗線が2μm)を用い信号分割数を2000として1nm/1パルスの移動変位量検出信号を生成でき、オープンループ制御による高速回転クローズドループ制御による中速回転および低速回転をこの順序切換えて位置決めでき、低速回転中に発生した機械的振動に起因する見掛けモータ回転制御信号を無視可能とされている。

目的

本発明の目的は、1nm以下の高精度位置決めを迅速かつ安定して行なえる全域ねじ駆動型のテーブル位置決め装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

ステージを構成するテーブルをベースに対して移動可能なテーブル移動機構部と、このテーブル移動機構部に移動用動力を付与する動力付与部と、テーブルの移動変位量を検出する移動変位量検出部と、テーブルを目標位置位置決めするための位置決め制御信号を動力付与部へ生成出力する位置決め制御回路部とを具備するテーブル位置決め装置において、前記テーブル移動機構部が、ねじ軸を利用したね回転駆動型とされかつねじリードが1mm以下に選択され、前記動力付与部が、ステッピングモータおよびモータドライバを含むモータ回転駆動型とされかつ該ステッピングモータをねじ軸に直結または減速機を介して連結するとともに前記位置決め制御回路部から生成出力されたモータ回転制御信号に基づきねじ軸を回転駆動して前記テーブルを最小で1nmずつ移動可能に形成され、前記移動変位量検出部が、3つの光学格子および信号分割回路を含み各光学格子の明線および暗線がそれぞれ2μmとされかつ信号分割回路の信号分割数が2000以上とされるとともに1パルス当たり1nmの移動変位量検出信号を生成出力可能に形成され、前記位置決め制御回路部が、オープンループ制御による高速回転用クローズドループ制御による中速回転用および低速回転用のモータ回転制御信号をこの順序切換え出力可能であるとともに高速回転速度最大回転速度としかつ低速回転速度オーバーラン発生防止可能な最小回転速度として回転制御可能に形成され、該低速回転中に前記ステージに発生した機械的振動に起因して生成された見掛けモータ回転制御信号を無視する見掛け信号無視手段を設けた、ことを特徴とするテーブル位置決め装置。

請求項2

請求項1のテーブル位置決め装置において、前記ねじ軸がリード1mmのボールねじ軸とされかつ前記ステッピングモータを減速比が1/50の減速機を介してボールねじ軸に連結するとともに前記信号分割回路の信号分割数が2000に選択形成されている、テーブル位置決め装置。

請求項3

請求項1または2のテーブル位置決め装置において、前記見掛け信号無視手段が、低速回転中の前記ステージの機械的振動周波数を検出する振動周波数検出手段と,検出された振動周波数が予め設定された基準周波数を超える周波数であるか否かを判別する周波数比較判別手段と,検出振動周波数設定基準周波数を超えると判別された場合に位置決め制御回路部で生成された低速回転用のモータ回転制御信号が前記モータドライバに出力されることを阻止する信号出力阻止制御手段とから形成されている、テーブル位置決め装置。

請求項4

請求項3のテーブル位置決め装置において、前記基準周波数が25Hzに選択されている、テーブル位置決め装置。

請求項5

請求項3または4のテーブル位置決め装置において、前記周波数比較判別手段は低速回転による位置決め終了間際判別動作可能に形成されている、テーブル位置決め装置。

技術分野

0001

本発明は、テーブル移動機構部と動力付与部と移動変位量検出部と位置決め制御回路部とを具備し、テーブルを迅速かつ高精度で位置決めするためのテーブル位置決め装置に関する。

背景技術

0002

上位概念的には対象物を高精度で位置決めするための技術的手段として共通するも、具体的(下位概念的)には、例えばレザー光線を利用した半導体露光装置(大型・高価)と、例えば光ファイバー試験研究用の位置決め装置(小型・廉価)とは、技術的に相容れない事項が多い。

0003

本出願人らは、後者に関して、まず、産業上の利用性確立および普及拡大のために、大幅な小型軽量化低コスト化および取扱い容易化を達成するための移動変位検出器つまり光学的変位検出装置(特許文献1を参照)を提案した。この装置は、3つの光学格子を用いたスリグレーチング方式で、高精度化および検出高速化も達成できる。

0004

次に、かかる光学的変位検出装置を、ステージ内ベースとテーブルとの間)に収容させてテーブルの移動変位量検出部として利用するとともに、テーブル移動機構部を粗動マイクロヘッドおよび微動用ピエゾアクチュエータ直列配設した手動式の位置決め装置(特許文献2)を提案した。

0005

さらに、粗動用をモータ駆動型ねじ軸としかつ微動用のピエゾアクチュエータとねじ軸とをテーブルの移動方向に直列配設した自動式位置決め装置(特許文献3)を提案した。引続き応動変位許容手段等を設けることで、一段の高精度化等を企図した自動式位置決め装置(特許文献4)を提案した。さらにまた、構成要素ごとの改善も図った。例えば、回路逓倍回路および分割回路)を含む移動変位量検出部(特許文献5)を提案した。かくして、全体として超薄型(小型・軽量)で、テーブルを高精度(例えば、0.1μm)で位置決めすることができた。

0006

さらに、これらの技術的積み重ねの上に、ピエゾアクチュエータ駆動型の不利(不連続性、長時間駆動性)を解消(連続化、短時間駆動化)するものとして、ピエゾアクチュエータを排した全域テーブル移動範囲)を1つのねじ軸で駆動可能に形成したいわゆる全域ねじ駆動型のテーブル位置決め装置(特許文献6)を提案した。この提案装置によれば、連続駆動により比較的短時間で高精度位置決めすることができる。
特開平7−286816号公報
特開平8−185238号公報
特開平9−192956号公報
特開平10−58267号公報
特開2000−235417号公報
特開2004−101320号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、普及拡大に伴い具体的な運用態様が多様化している。例えば、電子細線の測定・位置決めにおいては連続性が求められ、光ファイバーの調芯に際しては高精度域でのストローク(テーブルの移動範囲)の拡大が求められる。また、近接場に対するプローブ下向き荷重)の位置決めに際しピエゾアクチュエータでその荷重負荷)を引上げ駆動することはその構造・特性上から至難である。すなわち、ねじ軸駆動とピエゾアクチュエータ駆動の組合せ方式は、これらの位置決め態様の場合は不適当である。

0008

かかる位置決め態様には、全域ねじ軸駆動型が望ましい。しかし、先提案の位置決め装置(特許文献6)は、位置決め時間の短縮を図れるものの位置決め精度は0.01μm(10nm)程度であり、一段の高精度[例えば、0.001μm(1nm)以下]の位置決め精度を保証することはできない。

0009

ここにおいて、位置決め精度を一段と向上させるためには、構成要素(例えば、ねじ軸のリードモータステップ角度減速機の有無、スケールピッチ、移動変位量検出信号分割数等々)をできるだけ小さくあるいは多くすることが必要である。しかし、個々の構成要素を独立して小数化あるいは大数化を図っても、それらの組合せに機械的、光学的・電気・電子的な整合性がなければ、何の意味もない。つまり、製作コストを含む経済的負担が増大する割には実用性欠ける。

0010

かくして、各構成要素の適正化を慎重に吟味・実験し、丁度遺伝子組換え等の如く幾多の構成要素とそれらのランク別値の中から整合性あるものを選択しかつそれらの組合せをもって構築しなければならない。しかも、多くの検証を行なわなければならずかつ膨大な時間・労力を必要とする。特に、装置構築上、上設計的に幾ら高精度でも実用において安定動作担保できなければ意味がない。以上の諸問題から未だ1nm以下の高精度位置決めを行なえる小型で安価な位置決め装置は出現していない。

0011

本発明の目的は、1nm以下の高精度位置決めを迅速かつ安定して行なえる全域ねじ駆動型のテーブル位置決め装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、駆動系並びに検出系および制御系を1nm以下の位置決め精度を確立可能な整合性ある特定の構成要素の組合せから構成し、さらに、かかる構成に内在する不安定要因を捉えかつこれを自動的に解消できるように構築したものである。

0013

具体的には、請求項1の発明に係るテーブル位置決め装置は、ステージを構成するテーブルをベースに対して移動可能なテーブル移動機構部と、このテーブル移動機構部に移動用動力を付与する動力付与部と、テーブルの移動変位量を検出する移動変位量検出部と、テーブルを目標位置に位置決めするための位置決め制御信号を動力付与部へ生成出力する位置決め制御回路部とを具備するテーブル位置決め装置において、前記テーブル移動機構部がねじ軸を利用したね回転駆動型とされかつねじリードが1mm以下に選択され、前記動力付与部がステッピングモータおよびモータドライバを含むモータ回転駆動型とされかつステッピングモータをねじ軸に直結または減速機を介して連結するとともに前記位置決め制御回路部から生成出力されたモータ回転制御信号に基づきねじ軸を回転駆動して前記テーブルを最小で1nmずつ移動可能に形成され、前記移動変位量検出部が3つの光学格子および信号分割回路を含み各光学格子の明線および暗線がそれぞれ2μmとされかつ信号分割回路の信号分割数が2000以上とされるとともに1パルス当たり1nmの移動変位量検出信号を生成出力可能に形成され、前記位置決め制御回路部がオープンループ制御による高速回転用クローズドループ制御による中速回転用および低速回転用のモータ回転制御信号をこの順序切換え出力可能であるとともに高速回転速度最大回転速度としかつ低速回転速度オーバーラン発生防止可能な最小回転速度として回転制御可能に形成され、低速回転中に前記ステージに発生した機械的振動に起因して生成された見掛けモータ回転制御信号を無視する見掛け信号無視手段を設けた、ことを特徴とする。

0014

また、請求項2の発明は、前記ねじ軸がリード1mmのボールねじ軸とされかつ前記信号分割回路の信号分割数が2000に選択とされ、前記ステッピングモータを減速比が1/50の減速機を介してボールねじ軸に連結されている、ことを特徴とする。

0015

さらに、請求項3の発明に係るテーブル位置決め装置は、見掛け信号無視手段が、振動周波数検出手段と周波数比較判別手段と信号出力阻止制御手段とから形成されている。また、請求項4の発明では基準周波数が25Hzに選択され、さらに、請求項5の発明では、周波数比較判別手段が低速回転による位置決め終了間際判別動作可能に形成されている。

発明の効果

0016

請求項1の発明によれば、ピエゾアクチュエータ駆動型の不利(不連続性、長時間駆動性、引張り負荷の不適合性)の解消(連続化、短時間駆動化、引張り負荷の適合化)を担保しつつ1nm以下の高精度位置決めを迅速かつ安定して行なえるとともに、小型軽量なテーブル位置決め装置を提供できる。

0017

請求項2の発明によれば、請求項1の発明の場合に比較して、一段のコスト低減化および動作安定化を達成できる。

0018

請求項3の発明によれば、請求項1および2の各発明の場合と同様な効果を奏することができ、さらに機械的振動発生時にモータ回転制御信号をモータドライバに入力させないので、無駄なく外乱侵入を阻止することができかつ一段と確実で安定した位置決めを行なえる。見掛け信号無視手段の具現化も容易である。

0019

請求項4の発明によれば、基準周波数が25Hzであるから、請求項3の発明の場合に比較して、一段と検出が容易で迅速処理できる。また、請求項5の発明によれば、請求項3および4の各発明の場合に比較して、データ処理負担を大幅に軽減できる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。

0021

本テーブル位置決め装置は、図1図8に示す如く、ステージ10とテーブル移動機構部40と動力付与部50と移動変位量検出部60と位置決め制御回路部90とを具備し、テーブル移動機構部40が全域ねじ軸回転駆動型され、動力付与部50がモータ回転駆動型されかつ位置決め制御回路部90から出力されたモータ回転制御信号に基づきテーブル31を最小で1nmずつ移動可能とされ、移動変位量検出部60が3つの光学格子(61F、63S,63T)を含み1パルス当たり1nmの移動変位量検出信号Psdを生成出力可能で、位置決め制御回路部90をオープンループ制御による高速回転用,クローズドループ制御による中速回転用および低速回転用のモータ回転制御信号(Pdh,Pdm,Pdl)をこの順序で切換え出力可能に形成し、さらに見掛け信号無視手段100を設けて低速回転中に発生するステージ10の機械的振動に起因する見掛け信号(見掛けのモータ回転制御信号)Pdzを無視可能に形成されている。

0022

図1図5において、ステージ10は、ベース11とテーブル31とを含み、テーブル31は左右のクロスローラガイド21を介して基軸線(Z)方向に摺動(移動)可能に装着されている。ベース11およびテーブル31は、アルミニュウム合金製で軽量化され、テーブル31は平面四角(120mm×120mm)の薄平板形状で、平均板厚は12mmである。テーブル31の質量は、無負荷(テーブルのみの質量)時が0.5kgで、最大負荷(ワーク等の荷重を含む質量)時は10kgである。しかも、この実施の形態では、テーブル31とベース11とを基軸線(Z)を中心として幅方向左右対称形状とすることで、加工容易化および低コスト化を促進している。

0023

なお、テーブル31は、図2に2点鎖線で示した右側の後進限位置(31R)と左側の前進限位置(31L)との間(全域…テーブルの移動可能範囲:50mm)を往復移動できる。前進限位置(31L)および後進限位置(31R)は、図3に示すリミットセンサ29(29R,29L)で検出される。限位置検出信号lt(ltr,ltl)は、図6に示すように位置決め制御回路部90に送られ、緊急停止用信号として使用される。

0024

テーブル移動機構部40は、図4に示す如く、ベース11側に装着されたねじ軸41と,テーブル31側に装着されかつねじ軸41に螺合したナット部材45とを含み、モータ(ステッピングモータ51)から付与される移動用動力を用いてねじ軸41を回転駆動することでベース11に対してテーブル31をZ方向に移動(往復相対移動)可能な全域モータ駆動型である。この実施の形態では、ねじ軸41はバックラッシュ等が少ない精巧なボールねじ軸とされかつナット部材45はこれに対応する構造としてある。

0025

ボールねじ軸(41)の右端側はベアリング23を介してベース11に回転自在に支持され、ハニカム方式のカップリング24を介して減速機25(出力軸25S)に連結されている。減速機25の入力軸(図示省略)は、モータ51の出力軸に連結されている。

0026

この実施の形態では、信号分割や制御上の取扱い容易化および現今での装置経済優位化の観点から、ボールねじ軸(41)のねじリードを1mmとし、介する減速機25の減速比を1/50に選択してある。ステッピングモータ51は、つまみ28で手動回転させることもできる。

0027

なお、1mm以下のねじリード(例えば、0.5mm)として構築してもよい。モータ51とボールねじ軸(41)とは、詳細後記のドライブ分割数との関係によっては減速機25を介さないで直接(カップリング24は必要である。)に連結(直結)するように形成しても、本発明は実施することができる。

0028

動力付与部50は、モータ(ステッピングモータ51)およびモータドライバ93を含み、位置決め制御回路部90から出力されたモータ回転制御信号である回転駆動パルス信号Pd(高速回転駆動パルス信号Pdh,中速回転駆動パルス信号Pdm,低速回転駆動パルス信号Pdl)に基づきねじ軸41を回転駆動してテーブル31を最小で1nmずつZ方向に移動可能である。

0029

図6に示すモータドライバ93は、マイクロステップドライブ型であって、1パルス当りモータ回転角度をドライブ分割数(この実施形態では、“40”)に応じて細分する機能を持つ。この実施形態におけるモータ51のステップ角度が0.72(1/500)度であるので、1パルス(1パルス:モータ回転制御信号)当りのモータ回転角度は、0.018度[=0.72度×(1/40)]になる。なお、ドライブ分割数は、“800”程度まで選択可能である。この点からも、高精度(1nm以下)化でき得る。

0030

かくして、動力付与部50は、位置決め制御回路部90から出力されたモータ回転制御信号(回転駆動パルス信号Pd)に基づきボールねじ軸(41)を回転駆動してテーブル31をZ方向に最小で1nm[=リード(1mm)×ステップ角度(1/500)×減速比(1/50)×ドライバ分割数(1/40)]ずつ移動可能であると理解することができる。

0031

移動変位量検出部60は、3つの光学格子(61F、63Sおよび63T)および信号分割回路95を含み、(1nm/1パルス)の移動変位量検出信号Psdを生成出力可能に形成されている。

0032

詳しくは、移動変位量検出部60は、図4に示すテーブル31(ベース11側としてもよい。)に取付けられたメインスケール61(61F)と,ベース11(テーブル31側としてもよい。)に取付けられたインデックススケール63(63S,63T)と,図6に示す検出器(発光器受光器アンプ演算増幅器等を含む。)65と,信号分割回路95とからなり、ベース11に対するテーブル31の移動変位量を検出可能であるとともに、検出移動変位量Psdを位置決め制御回路部90にフィードバック可能かつCPU81に出力可能に形成されている。

0033

テーブル31側に、図4に示すねじ軸収容空間部35を設けるとともにナット部材45とメインスケール61とを取付ける。また、ベース11側に設けられた上下に貫通する図4図5の検出器収容空間部69内に基板68(インデックススケール63,検出器65が取付られている。)を外部から平面的姿勢変更可能に取付けてある。つまり、ベース11の下面側から、インデックススケール63の平面的姿勢を変更しつつ行なうモアレ調整および移動変位量検出部60(検出器65等)の点検調整を実行可能に構成されている。したがって、小型・軽量,低コストかつ取扱い容易で、検出可能有効長の拡大と自動位置決めが容易になる。

0034

さて、メインスケール61には、図4に示す第1光学格子61Fが設けられている。このスケール61は、全体としてガラス製平板形状を成しかつ幅方向形状左右対称とされている。加工歪左右バランスをとることで、一層の高精度検出ができる。テーブル31には光学格子面を下向き状態として取付けられている。

0035

インデックススケール63には、図3に示す第2光学格子63Sと第3光学格子63Tとが接近配設され、寸法短縮化と第1光学格子61Fに対する平行度の確立を容易化してある。このインデックススケール63も全体としてガラス製平板形状を成しかつ基板68に上向き状態で取付けられている。

0036

この基板68には、第3光学格子63Tの下方側に位置する図5に示し受光部66Jと、この手前側でかつ第2光学格子63Sの下方側に位置する発光部66Hとが取付けられている。

0037

発光部66Hは、図示しないLEDと集光レンズとからなり、所定傾斜角を持って基板68に取付けられている。拡散光の有効利用度を高めることができる。両スケール61,63間のギャップ図4で上下方向間隔)を大きくすることができる。また、受光部66Jは、1チップ受光素子図3に示した4つの第3光学格子63Tに対応させて4分割した受光素子からなる。したがって、温度特性等のバラツキを最小限に抑えられ、同一平面上の配設を自動的に保障できる。

0038

かかる移動変位量検出部60では、発光素子(LED)からの拡散光はそのレンズ集光されインデックススケール63上の第2光学格子63Sを透過し、メインスケール61上の第1光学格子61Fに光効率良く入射される。この際、光絶縁手段(図示省略)が設けられているので、各受光素子に拡散光が直接入射されることはない。

0039

メインスケール61側の第1光学格子61Fから反射された検出光は、インデックススケール63上の1箇所に集められかつ第2光学格子63Sに接近配設された4つの第3光学格子63Tを透過して、各受光素子(66J)に入射される。

0040

かくして、インデックススケール63とメインスケール61とを相対変位させれば、検出器65は、各受光素子からの光電変換信号出力信号)を解析しつつ図8に示すスケール信号φA,φBを出力することができる。

0041

第2光学格子63Sおよび各第3光学格子63Tが、インデックススケール63の長手(Z)方向に接近配設されているので、第2光学格子63Sおよび各第3光学格子63Tを含む平面と第1光学格子61Fを含む平面との平行度を比較的に簡単に調整できる。取扱いが容易で、装置の小型化および低コスト化も図れる。

0042

メインスケール61の第1光学格子61F並びにインデックススケール63の第2光学格子63Sおよび第3光学格子63Tの各明線(幅)および暗線(幅)は、それぞれ2μmとされている。つまり、第1光学格子61F,第2光学格子63Sおよび第3光学格子63Tの各明暗目盛ピッチ電子線描画後転写複製可能でコスト低減効果が大きな4μmとしてある。

0043

図8において、検出器65から出力されるスケール信号φA,φBの各1周期は2μmで、中心電圧Vrが2.5Vで、振幅電圧Vppが2Vである。信号分割回路95は、スケール信号(正弦波で90度の位相差を持つφA相およびφB相の検出信号)を2000分割した分割後検出パルス信号(移動変位量検出信号)Psdを生成出力する。つまり、移動変位量検出部60の最小検出分解能を1nmとすることができる。

0044

ここに、位置決め制御回路部90は、図示しない偏差カウンタ,信号切換素子等を含み、オープンループ制御による高速回転用のモータ回転制御信号(Pdh),クローズドループ制御による中速回転用のモータ回転制御信号(Pdm)および低速回転用のモータ回転制御信号(Pdl)を、この順序で切換えてモータドライバ93へ出力可能に形成されている。

0045

クローズドループ制御は、偏差カウンタ等を働かせ、運転制御部80(パルス信号制御部85)から入力される指令値指令パルス信号Psz)を目標位置信号としかつ移動変位量検出部60(信号分割回路95)から入力される移動変位量検出信号(分割後パルス信号Psd)をフィードバック信号として駆動パルス信号(PdmまたはPdl)を生成出力させる、ことで実行される。

0046

オープンループ制御は、運転制御部80(パルス信号制御部85)から入力される指令値(指令パルス信号Psz)を素通り状態でそのまま駆動パルス信号(Pdh)として生成出力させる、ことで実行される。

0047

高速回転用駆動パルス信号(モータ回転制御信号)Pdhに基づくモータ51の高速回転速度は、ステッピングモータ51の許容最大速度[f=500KHz]と同じ値つまり最大回転速度(fh=500KHz…0.500mm/s)に選択されている。そして、高速回転用のモータ回転制御信号は、高速回転用周波数fh(500KHz)の駆動パルス信号Pdhとして出力される。

0048

すなわち、テーブル移動時間の短縮化のために、ボールねじ軸(構造)41の累積代表リード誤差E[=(累積代表リード)−(累積基準リード)=800nm]に至る以前の行程(距離)については、許容最大速度で移動させるわけである。なお、“累積代表リード”とは、累積実リードの傾斜を代表する直線で、ボールねじ(41)の有効移動量(または、ねじ部有効長さ)に対する累積実リードを示す曲線から、最小二乗法(または、それに類する近似法)により求められる。“累積実リード”とは、連続測定による累積リード線図からその平均的傾向を求めたものである。また、“累積基準リード”とは、基準リードに従って任意の回転数で回転させたときの累積リードである。

0049

また、低速回転用駆動パルス信号(モータ回転制御信号)Pdlに基づくモータ51の低速回転速度は、オーバーランの発生を防止することのできる回転速度つまり最小速度(0.0002m/s)に選択されている。低速回転用モータ回転制御信号は、低速回転用周波数fl(200Hz)の駆動パルス信号Pdlとして出力される。

0050

そして、中速回転用駆動パルス信号(モータ回転制御信号)Pdmに基づくモータ51の中速用回転速度は、それらの中間の値とする。すなわち、高速制御用の偏差許容値Eh(=Max.800nm)を解消するためのテーブル移動動作を迅速に行い、その時間短縮を図ることを目的として選択される。中速回転用周波数fmは、低速回転用周波数f1(200Hz)の値の10倍以上の値(2KHz)に選択するのが好ましい。なお、中速回転駆動工程は複数(例えば、2段階)としても実施することができる。

0051

また、中速回転駆動範囲を、テーブル移動機構部(ボールねじ軸構造等)40の特性上の誤差E[相当距離(800nm)]の7.9%に相当する中距離範囲(Max.63nm)に選択し、低速回転駆動範囲を移動変位量検出部60の検出最小分解能(1nm)に相当する距離(1nm)の±100%に相当する小距離範囲(±1nm)に選択してある。

0052

かくして、図8に示すように、中速回転駆動時間(約0.37秒)と低速回転駆動時間(約0.31秒)の和である短時間(0.68秒)で最終位置決めすることができる。因みに、中速回転駆動を行なわずかつ低速回転駆動のみで誤差E(Max.800nm)を解消する場合は、10倍(=4.00秒=800nm/200Hz)の時間が掛かる。

0053

図6において、位置決め駆動制御ユニット70には、運転制御部80(CPU81,ROM82およびRAM83)とパルス信号制御部85と位置決め制御回路部90と動力付与部50の一部を構成するモータドライバ93と移動変位量検出部60の一部を構成する信号分割回路95とが組込まれている。なお、振動周波数検出手段101は、偏差カウンタ等を含む位置決め制御回路部90内に一体的に形成されているが、説明便宜上、位置決め制御回路部90外に表示してある。

0054

CPU81は、ROM82に格納された設定記憶制御プログラムに基づき設定部(PNL)71等を用いて設定入力された情報を受信しかつデータ処理するとともに、受信した記憶対象情報についてはRAM83のワークエリアに記憶する。

0055

なお、記憶対象情報ごとに複数の設定値を予めセットしておき、その中の1つを例えばディップスイッチを用いて選択してワークエリアに記憶するように構築してもよい。また、記憶対象情報(例えば、目標位置)は、ROM82に格納された固定値(例えば、低速回転用偏差許容値)を読み込みかつその値をそのままワークエリアに記憶するようにしてもよい。

0056

ワークエリアへの記憶対象情報としては、この実施の形態では、高・中・低速回転用周波数fh(500KHz)・fm(2KHz)・fl(200Hz)と、高・中・低速回転用目標位置と、移動変位量(目標位置…10mm)と、基準周波数fs(25Hz)、振動周波数検出タイミングである検出開始位置(10mm−10nm)等の各設定値である。なお、高・中低速回転速度制御用の目標位置は、高・中低速用偏差許容値Eh(Max.800nm)・Em(Max.63nm)以内の値にそれぞれ設定記憶しておけばよいが、以下ではオープンループ制御による高速回転用目標位置を800nm、クローズドループ制御用目標位置を[(63−α)]nmとして設定記憶した場合について説明する。αは、例えば6nmとする。もとより、クローズドループ制御に関する低速用目標位置つまり最終的な目標位置は低速回転用偏差許容値Elと等しい±1nmとして設定する。

0057

なお、固定値つまりモータドライバ93およびステッピングモータ51の特性で決まる最大回転用周波数fmax.(=500KHz=fh)や偏差許容値Eh(Max.800nm)等は、予めROM62に格納(記憶)されている。

0058

また、CPU81は、ROM82に格納された表示制御プログラムに基づき各種の表示対象情報を表示部(IND)72に送信して表示させる。表示対象情報としては、目標位置(設定移動変位量),現在位置(テーブルの実際移動変位量および現在偏差)等である。また、各種の設定値を選択的に表示することもできる。

0059

次に、パルス信号制御部85は、発振器等を含み運転制御部80(CPU81)からの指令に従って当該指令に対応する周波数(fh,fmまたはfl)のパルス信号Pszを位置決め制御回路部90に生成出力可能に形成されている。

0060

ここに、運転制御部80(CPU81)は、指令に従いRAM83から位置決め指令量(目標位置)を読込み[図7のST10でYES(Yと記してある。),ST11]、引続き高速オープンループ制御用の出力すべきパルス数および周波数の指定を含む位置決め指令信号OPNを出力する。この指令信号OPNを受信したパルス信号制御部85は、指令パルス信号Psz[高速回転用周波数fhおよび高速回転用目標位置(800nm)に対応する数の高速駆動パルス信号Pdh]を生成出力する。

0061

すると、位置決め制御回路部90が、オープンループ制御に切換えたままの状態で高速駆動パルス信号Pdhをモータドライバ93に送り(素通りさせ)、モータ51を高速回転させる(ST12)。テーブル31は、図8に示す高速(0.500mm/s)で図4のZ方向(例えば、右方向)に高速移動する。

0062

この高速回転中に、CPU81は移動変位量Psdを現在位置として読込み(ST13)、RAM83に記憶された高速回転用偏差許容値(Eh=Max.800nm)に相当するものとして設定記憶された高速回転用目標位置(800nm)に到達したか否かを判別する(ST14)。この場合の運転制御部80(CPU81,ROM82)は、移動変位量読込み制御手段,偏差判別手段として働く。

0063

そして、運転制御部80(CPU81,ROM82)は、テーブル31の移動変位量が(10mm−800nm)に至っていない場合つまり高速回転用目標位置(800nm)に到達していないと判別[図7のST14でNO(Nと記してある。)]した場合は、高速回転を続行させる。高速回転用目標位置(800nm)に到達していると判別(ST14でYES)できた場合には、オープンループ制御からクローズドループ制御への切換指令、中速クローズドループ制御用のパルス数および周波数の指定を含む位置決め指令信号CLSDを出力する。この指令信号CLSDを受信したパルス信号制御部85は、中速回転用周波数fmの指令パルス信号Pszを生成出力する。

0064

すると、位置決め制御回路部90は、移動変位量検出部60(95)から読込んだ移動変位量(分割後検出パルス信号Psd)をフィードバック信号とするクローズドループ制御に切換えかつ生成した中速駆動パルス信号Pdmをモータドライバ93に送り、モータ51を中速回転させる(ST15)。テーブル31は、図8に示す中速(0.002mm/s)で移動され、中速回転用の目標位置に向けて位置決めされる。

0065

この中速回転中に、CPU81は移動変位量Psdを連続読込み(ST16)しつつ、中速回転用の偏差許容値(Em=±63nm)に相応するものとしてRAM83に設定記憶されている目標位置(63−α)nm以内に到達しているか否かを判別する(ST17)。この場合も、運転制御部80(CPU81,ROM82)は、移動変位量読込み制御手段,偏差判別手段として働く。

0066

そして、目標位置(63−α)nmに到達していないと判別(ST17でNO)した場合は、中速回転を続行させる。到達していると判別(ST17でYES)できた場合、運転制御部80(81)は低速クローズドループ制御用のパルス数および周波数の指定を含む位置決め指令信号CLSD2を出力する。この指令信号CLSD2を受信したパルス信号制御部85は、低速回転用周波数flの指令パルス信号Pszを生成出力する。

0067

すると、位置決め制御回路部90は、移動変位量検出部60(95)から読込んだ移動変位量(分割後検出パルス信号Psd)をフィードバック信号とするクローズドループ制御に切換えたままの状態で低速駆動パルス信号Pdlをモータドライバ93に送り、モータ51を低速回転させる(ST18)。テーブル31は、図8に示す低速(0.0002mm/s)で移動され、低速回転用つまり最終の目標位置(±1nm)に向けて位置決めされる。

0068

この低速回転中に、CPU81は移動変位量Psdを連続読込み(ST19)しつつ、RAM83に記憶された低速回転用の偏差許容値(El=±1nm)以内であるか否かを判別する(ST25)。この場合も、運転制御部80(CPU81,ROM82)は、移動変位量読込み制御手段,偏差判別手段として働く。

0069

そして、偏差許容値(El=±1nm)以内でないと判別(ST25でNO)した場合は、低速回転を続行させる。偏差許容値(El=±1nm)以内であると判別(ST25でYES)できた場合には、位置決めを終了させる。

0070

ここで、見掛け発生信号無視手段とこれに関する動作(ST20〜ST24)について詳しく説明する。

0071

上述の通り、低速回転用周波数flの値を、オーバーラン発生を防止することができる低速度(0.0002mm/s)つまり200Hzに選択してあるから、低速回転駆動終了時には確実に移動変位量検出部60の最小分解能(1nm)および駆動パルス信号Pdlの移動量(1nm/1パルス)に相当する高精度(1nm)で位置決め停止できている筈である。

0072

しかし、この従来の考え方は、位置決め精度が10nm程度の位置決め装置[例えば、先提案(特許文献6)の装置]を確立する場合に有効(適合)であるが、特に1nm以下の高精度位置決めを保証する装置の場合は適合外と言える。

0073

すなわち、本発明を創生するに先立つ試験研究によれば、高精度(1nm以下)であるが故の固有的外乱の侵入に係る不安定要因が存在することが認められた。つまり、最終位置決め精度(1nm以下)を安定かつ確実に保証できない事態が生じている。すなわち、位置決め精度(1nm以下)を中心にハンチングが生じ最終位置決めができない事態、±1nmを超える精度で位置決め終了となる事態や、一旦位置決め終了した後に最終位置決め精度(1nm以下)を中心として変動してしまう事態等である。

0074

この原因は、クローズドループ制御による低速回転駆動終了時点において、微妙な機械的振動が発生する場合があり、高分解能(1nm)の移動変位量検出部60がその振動変位量として検出しかつ位置決め制御回路部(偏差カウンタ)90が偏差打消用の低速回転駆動パルス信号Pdlを生成出力することにある。この偏差打消用の低速回転駆動パルス信号Pdlは、本来的制御内容から外れた見掛け発生信号であって、位置決め制御上、無用であるばかりか有害なものである。

0075

かくして、低速回転駆動終了時点に機械的振動が発生しない構造を具現化すべく検討した。例えば、ステージ10の要所に重厚な防振ゴムを装着する。ステージ10(11,31等)の機械的な剛性を高くする等である。しかし、いずれも構造複雑化および装置大型化やコスト高を招来する欠点がある。これら欠点を忍受することとしあるいは例えば低速回転用速度を一段と低い値に設定したとしても、機械的振動を完全に払拭することは至難であった。

0076

しかしながら、この固有かつ特殊な問題を解消しなければ、装置の普及拡大は到底できない。そこで、心ならずも低速回転駆動終了時における機械的振動の発生を前提に詳細検証した結果、位置決め終了時に発生する機械的振動の振幅と振動周波数との間に一定の相関があることを見出した。

0077

具体的には、この実施形態に係るステージ10の構造(特に、テーブル31の大きさ…質量0.5kg)では、Z方向の振幅wzが±1nmを越える場合はその振動周波数fmzが25Hzを超える値のときであった。最大荷重は上記した10kgである。すなわち25Hz以下では、±1nmを越える値の振幅は認められなかった。これを中心としたステージ10(テーブル31)の大型化(例えば、テーブル31の平面形状を200mm×200mmとする。)あるいは小型化(例えば、100mm×100mmとする。)しても、この程度の大きさ(構造)の違いでは、やはり±1nmを越える振幅は認められなかった。テーブル質量の増減量が最大荷重10kgに対して非常に小さいからと思われる。

0078

そこで、上記の見掛け発生信号(見掛けモータ回転制御信号)を特定しかつハードウエアまたは/およびソフトウエアにより除外する技術を創生した。この実施の形態では、見掛け信号無視手段100を設け、機械的振動を検出した場合に見掛け発生信号(見掛けモータ回転制御信号)を無視(モータドライバ93側に出力しない。)するように構築してある。

0079

この見掛け信号無視手段100は、位置決め制御回路部90内に設けられた振動周波数検出手段101、周波数比較判別手段102および信号出力阻止制御手段103とから構成され、低速回転中にステージ10に発生した機械的振動に起因して生成された見掛け発生信号(1つの見掛けモータ回転制御信号…Pdl)を無視する手段である。

0080

振動周波数検出手段101は、低速回転中のステージ10の機械的振動周波数fmkを検出(図7のST21)する。この実施の形態では、低速回転駆動終了時(タイミング詳細は後記する。)における偏差カウンタの出力信号の立上りパルストリガをかけかつ振動の1周期の時間を計測することにより、機械的振動周波数fmkを検出するように形成されている。したがって、振動周波数検出手段101として他の形態[例えば、テーブル31(またはベース11)側に設けた振動センサ(101)…図6に2点鎖線で示した。]を用いる場合に比較して、取扱い容易でかつ低コストで具現化でき、信頼性も非常に高い。

0081

周波数比較判別手段102は、読み込み(ST22)された基準周波数(設定周波数)fsと検出された振動周波数fmkとを比較判別する。検出振動周波数fmkが設定基準周波数fs(25Hz)を超える周波数ではないと判別(ST23でNO)する。振動が発生しておらず検出できない場合もYES判断する。なお、基準周波数(設定周波数)は、CPU81から直接(図6では図示省略した)にまたはパルス信号制御部85を通して位置決め制御回路部90内に取り込まれる。

0082

そして、NO判断されかつ現在値が偏差許容値(El=±1nm)以内でないと判別(ST25でNO)された場合には、低速回転駆動が続行される(ST25でNO、ST18)。偏差許容値(El=±1nm)以内であると判別(ST25でYES)できた場合には、位置決めを終了する。

0083

ここに、周波数比較判別手段102によって検出振動周波数fmkが設定基準周波数fsを超える周波数であると判別(ST23でYES)された場合は、信号出力阻止制御手段103が働く。つまり、位置決め制御回路部90で生成された低速回転用のモータ回転制御信号Pdl(見掛けモータ回転制御信号)がモータドライバ93に出力されることを阻止する(ST24)。したがって、ハンチングを防止することができる。

0084

ところで、位置決め時間短縮化の観点からすると、低速回転駆動途中にあっては、仮に25Hzを超える機械的振動が何らかの原因で発生(誘発乃至付加)したとしても、モータ回転制御信号(Pdl)の出力阻止によりモータ回転を中断させるべきでない。また、低速回転駆動中に何時でも振動周波数検出手段101および周波数比較判別手段102を作動(ST21、ST23)させることも、データ処理負荷の増大を招く不利がある。

0085

かかる事態は、振動周波数検出手段101および周波数比較判別手段102を位置決め制御回路部90内の回路素子を利用した簡素回路(例えば、OR回路)で構築する場合においては、高速モータ回転制御中および中速モータ回転制御中でも当該モータ回転制御信号(Pdh,Pdm)の出力が阻止されモータ回転中断の虞があり得る。しかも、背景原点に戻れば、低速回転制御による位置決め終了時点に発生した機械的振動に伴う不具合一掃することを目的とする考え方に馴染まない。

0086

ここにおいて、周波数検出タイミング検出手段105を設け、周波数検出タイミングになったことが確認(ST20でYES)された以降に、ST21〜ST24に進行可能に形成してある。この実施の形態では、周波数検出タイミングを低速回転による位置決め終了間際(例えば、最後から数えて10番目の低速駆動パルス信号Pdlを出力した時点)として設定してある。最後から数えて1番(あるいは2番)目以降の低速駆動パルス信号Pdlが出力された時点等に選択設定してもよい。

0087

以上では、この周波数検出タイミング検出手段105,周波数比較判別手段102および信号出力阻止制御手段103を、ハードウエア(位置決め制御回路部90)により形成した場合について説明したが、ソフトウエア(例えば、当該各制御プログラムを格納させたROM82とこれを実行するCPU81)から形成してもよい。この場合、振動周波数検出手段101の検出信号はCPU81でも読込み可能に形成すればよい。

0088

さらに、周波数検出タイミング検出手段(105)は、位置決め駆動制御ユニット70内のその他電気信号の振動に伴う周波数変化を捉えて検出するように形成することもできる。

0089

なお、見掛け発生信号を無視する方法乃至手段としては、他の方法乃至手段をもって実施するようにしてもよい。例えば、機械的振動を検出した場合に移動変位量検出器60の全部又は一部の動作をロックして分割後検出パルス信号Psdの値をホールドさせる、検出振動周波数が25HZ以下の場合に低速回転駆動パルス信号Pdlを通過させるローパスフィルタを位置決め制御回路部90内に設ける等である。

0090

この実施形態に係る位置決め装置では、図7図8を参照して、オープンループ制御によりテーブル31はZ方向に当該装置(51等)の許容最高と同じ値の高速(0.500mm/s)で移動される。最小分解能が1nmである移動変位量検出部60を用いて検出したテーブル現在位置が偏差許容値(800nm)相当の設定目標位置内に入ると、クローズドループ制御に切換えら、中速(0.002mm/s)で移動される。引続き、現在値が偏差許容値(±63nm)相当の設定目標位置[(63−α)nm]内に入ると、クローズドループ制御のまま、オーバーランの心配がない低速(0.0002mm/s)で移動される。

0091

したがって、テーブル移動機構部40の誤差E(800nm)を打消して±1nmの高精度位置決めを終了するまでの時間を大幅に短縮(0.68秒=0.37+0.31)することができる。誤差打消工程を低速回転駆動のみで行なう場合の必要時間は4.00秒(=800/200)である。

0092

また、全域をモータ連続駆動により制御するので、粗動(ねじ軸駆動)および微動(ピエゾアクチュエータ駆動)の切換構造の欠点を一掃することができる。つまり、移動変位量を大きくでき、連続駆動による移動時間の短縮ができ、ボールねじ軸41を傾斜状態垂直状態としても使用でき、垂直状態でかつ負荷を引上げる態様でも使用できる。

0093

しかも、ステージ10(11,31)に±1nmを越える大きな機械的振動が発生している場合には見掛け発生信号無視手段100が働き、位置決め制御回路部90で生成された見掛けモータ回転制御信号(低速回転用駆動パルス信号Pdl)がモータドライバ55側に出力されてしまうことを阻止する。機械的振動の収斂後に必要によって最後の低速回転用駆動パルス信号Pdlを出力して±1nm内に追い込む。したがって、安定した位置決め制御を確実に担保できかつ何時でも何処で使用しても高精度(±1nm)位置決めを保障できる。

0094

この見掛け発生信号無視手段100は低速回転駆動の終了間際に動作するので、無用なモータ回転の中断やハンチングによる制御時間の長期化や不安定動作を一掃できる。

0095

しかして、この実施の形態によれば、テーブル移動機構部40をリード1mm以下のねじ軸41を利用した全域ねじ回転駆動型とし、動力付与部50をステッピングモータ51等を含むモータ回転駆動型としかつ位置決め制御回路部90から生成出力されたモータ回転制御信号(Pd)に基づきテーブル31を最小で1nmずつ移動可能に形成さし、移動変位量検出部60を明・暗線が2μmの3つの光学格子61f,63S,63Tおよび信号分割数が2000以上の信号分割回路95を含み1パルス当たり1nmの移動変位量検出信号(Psd)を生成出力可能に形成し、位置決め制御回路部90をオープンループ制御による高速回転,クローズドループ制御による中速および低速回転をこの順序で切換え出力可能かつ高速回転速度を最大回転速度としかつ低速回転速度をオーバーラン発生防止可能な最小回転速度として回転制御可能に形成し、低速回転中にステージ10に発生した機械的振動に起因する見掛けモータ回転制御信号(Pds)を無視する見掛け信号無視手段100を設けた構成であるから、1nm以下の高精度位置決めを迅速かつ安定して行なえる全域ねじ駆動型の小型軽量なテーブル位置決め装置を提供することができる。

0096

ねじ軸がリード1mmのボールねじ軸でかつ減速比が1/50の減速機25を介してステッピングモータ51に連結され、信号分割回路93の信号分割数が2000に選択形成されているので、一段のコスト低減化および動作安定化を達成できる。

0097

見掛け信号無視手段100が、低速回転中の機械的振動周波数を検出する振動周波数検出手段101と,検出振動周波数が設定基準周波数を超える周波数であるか否かを判別する周波数比較判別手段102と,位置決め制御回路部90で生成された低速回転用のモータ回転制御信号(Pdl)がモータドライバ93に出力されることを阻止する信号出力阻止制御手段103とから形成されているので、無駄なく外乱侵入阻止できかつ一段と確実で安定した位置決めを行なえる。当該手段の具現化が容易である。

0098

基準周波数が25Hzに選択されているので、一段と検出が容易で迅速処理できる。また、設定部71を用いて設定変更できるのでテーブル移動機構部40の構造および運用事項に対する適応性が広くかつ周波数比較判別手段102が低速回転による位置決め終了間際に判別動作可能に形成されているので、無駄なモータ回転の中断やハンチングの発生を防止でき、データ処理負担も軽減できる。

0099

また、移動変位量検出部60がステージ10内に収容されているので、テーブル31をベース11から分解取外ししなくても、モアレ調整等を外部から簡単に行なえるとともに、使用中は密閉状態となるから塵芥の侵入や付着を防止できる。

0100

また、各第3光学格子63Tが1箇所に集められかつインデックススケール63の長さ方向に接近配設されているので、Z方向の装置寸法をより小型化できるとともに、第1光学格子61Fを含む平面に対する平行度をより簡単かつ迅速に確立できる。

0101

本発明は、テーブルを高精度(±1nm)で迅速に位置決めできかつ安定動作を担保できる。特に、ナノテク試験研究(例えば、光ファイバーの調芯,微細近接場での測定等)で必要とするテーブル位置決めに極めて有効である。

図面の簡単な説明

0102

本発明の実施の形態に係るステージを説明するための平面図である。
同じく、ステージを説明するための側面図である。
同じく、テーブルを取外した状態のステージを説明するための示す平面図である。
同じく、図3の矢視線A−Aに基づく側断面図である。
同じく、図4の矢視線B−Bに基づく横断面図である。
同じく、位置決め駆動制御ユニットを説明するためのブロック図である。
同じく、位置決め駆動制御動作を説明するためのフローチャートである。
同じく、位置決め駆動制御動作を説明するためのタイミングチャートである。

符号の説明

0103

10ステージ
11ベース
25減速機
31 テーブル
40テーブル移動機構部
41 ねじ軸(ボールねじ軸)
45ナット部材
50動力付与部
51ステッピングモータ
55モータドライバ
60移動変位量検出部
61メインスケール
63インデックススケール
70位置決め駆動制御ユニット
80運転制御部
90位置決め制御回路部(偏差カウンタ込み)
93 モータドライバ
95信号分割回路
100見掛け信号無視手段
Z基軸線
Pd駆動パルス信号(モータ回転制御信号)
Pdh高速駆動パルス信号(高速回転用モータ回転制御信号
Pdm中速回転駆動パルス信号(中速回転用モータ回転制御信号)
Pdl低速駆動パルス信号(低速回転用モータ回転制御信号)
Pdz 見掛け駆動パルス信号(見掛けモータ回転制御信号)
Psd 分割後検出パルス信号(移動変位量検出信号)

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