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技術 難燃性光ファイバ素線

出願人 古河電気工業株式会社
発明者 桑崎悠介西口雅己
出願日 2006年2月17日 (14年10ヶ月経過) 出願番号 2006-041673
公開日 2007年8月30日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2007-219325
状態 特許登録済
技術分野 光ファイバ、光ファイバ心線 光ファイバの素線、心線
主要キーワード 密着性強度 最外層樹脂 突出し量 トリアジン誘導体化合物 肉厚比 ポリエーテルタイプ ポリアルキレンイソフタレート 表面無処理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年8月30日)のものです。
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図面 (4)

課題

外観が良好で、生産性に優れ、実使用時におけるファイバの突き出しが非常に少なく、エポキシ樹脂との接着性に優れ、高温多湿下でも使用可能で焼却時に多量の煙やハロゲンガスが発生しないノンハロゲン湿熱難燃性光ファイバ素線を提供する。

解決手段

光ファイバ1の外周に一次被覆層2が形成され、更にその外周に二次被覆層が形成されている光ファイバ素線5であって、前記二次被覆層は2層以上からなり、その内層3は熱可塑性エラストマーおよび/またはエチレン系共重合体からなるベース樹脂に対し特定量金属水和物および赤リンを含有する樹脂組成物により構成されているとともに、その外層4はベース樹脂がポリエステルエラストマーおよび/またはエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物からなるベース樹脂に対し、特定量の金属水和物および/またはトリアジン誘導体化合物および/またはクレーからなる組成物により構成する。

概要

背景

光ファイバ素線は、図3に示すように、ファイバ11の外周を一次被覆材12で被覆し、さらにその一次被覆材12の外周を二次被覆材13で被覆した構造になっている。そして、一次被覆層12は一般に2層以上のシリコーン樹脂紫外線硬化樹脂によって形成されている。この外周にポリエステルエラストマー等の樹脂を被覆して二次被覆層13が形成されている。
この光ファイバ素線はコネクタエポキシ樹脂等の接着剤等で固定され、コネクタを突き合わせて接合することが行われているが、光ファイバヒートサイクル等の使用環境によって突き出してしまうことのないよう、二次被覆層と一次被覆層を十分接着させることが行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。

光ファイバ素線には通常二次被覆層に難燃性樹脂組成物を使用することにより、難燃性が付与されるが、そのために含有される難燃剤としては、有害な重金属有機リン系化合物の他ハロゲン系化合物が使用されているのが現状である。ところが二次被覆材にハロゲン系の難燃剤を含む樹脂組成物を被覆した難燃素線を焼却した場合には、多量の煙や腐食性ガスの発生という問題が起こる。このため、ハロゲン系難燃剤を用いずに難燃性を発現させる技術の検討が盛んに行われている。一般的な難燃手法としては、金属水和物を含有する方法があるが、高い難燃性を付与するには大量に含有しなければならず、それによる力学的強度やその他の特性の著しい低下は避けられないものであった。

特開平5−157950号公報
特開2002−162543号公報

概要

外観が良好で、生産性に優れ、実使用時におけるファイバの突き出しが非常に少なく、エポキシ樹脂との接着性に優れ、高温多湿下でも使用可能で焼却時に多量の煙やハロゲンガスが発生しないノンハロゲン湿熱難燃性光ファイバ素線を提供する。光ファイバ1の外周に一次被覆層2が形成され、更にその外周に二次被覆層が形成されている光ファイバ素線5であって、前記二次被覆層は2層以上からなり、その内層3は熱可塑性エラストマーおよび/またはエチレン系共重合体からなるベース樹脂に対し特定量の金属水和物および赤リンを含有する樹脂組成物により構成されているとともに、その外層4はベース樹脂がポリエステルエラストマーおよび/またはエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物からなるベース樹脂に対し、特定量の金属水和物および/またはトリアジン誘導体化合物および/またはクレーからなる組成物により構成する。

目的

本発明は、外観が良好で、生産性に優れ、実使用時におけるファイバの突き出しが非常に少なく、エポキシ樹脂との接着性に優れ、高温多湿下でも使用可能で焼却時に多量の煙やハロゲンガスが発生しないノンハロゲン耐湿熱難燃性光ファイバ素線を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光ファイバの外周に一次被覆層が形成され、更に前記一次被覆層の外周に二次被覆層が形成されている光ファイバ素線であって、前記二次被覆層は少なくとも2層からなり、該二次被覆層の内層熱可塑性エラストマーおよび/またはエチレン系共重合体からなるベース樹脂100質量部に対し、金属水和物50〜200質量部および赤リン0〜15質量部を含有する樹脂組成物により構成されているとともに、該二次被覆層の最外層ポリエステルエラストマーおよび/またはエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物からなるベース樹脂100質量部に対し、金属水和物0〜70質量部、トリアジン誘導体化合物0〜60質量部およびクレー0〜30質量部からなる樹脂組成物により構成されていることを特徴とする難燃性光ファイバ素線

請求項2

前記最外層を構成する樹脂組成物中のフィラーの総質量が、該最外層のベース樹脂100質量部に対し0〜70質量部であることを特徴とする請求項1記載の難燃性光ファイバ素線。

請求項3

前記最外層を構成する樹脂組成物中のフィラーの総質量が、該最外層のベース樹脂100質量部に対し0〜45質量部であることを特徴とする請求項1または2記載の難燃性光ファイバ素線。

請求項4

前記内層のベース樹脂組成が熱可塑性エラストマー20〜70質量%およびエチレン系共重合体80〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線。

請求項5

前記内層を構成する樹脂組成物中の金属水和物が前記最外層を構成する樹脂組成物中のフィラーに対して質量比で2以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線。

請求項6

前記熱可塑性エラストマーがポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線。

請求項7

前記内層の前記最外層に対する肉厚比が1〜20であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線。

技術分野

0001

本発明は光ファイバ素線に関し、さらに詳しくは、高い難燃性を有し、エポキシ樹脂に対して優れた接着性を示し、更に高温多湿下でも使用可能な光ファイバ素線に関する。

背景技術

0002

光ファイバ素線は、図3に示すように、ファイバ11の外周を一次被覆材12で被覆し、さらにその一次被覆材12の外周を二次被覆材13で被覆した構造になっている。そして、一次被覆層12は一般に2層以上のシリコーン樹脂紫外線硬化樹脂によって形成されている。この外周にポリエステルエラストマー等の樹脂を被覆して二次被覆層13が形成されている。
この光ファイバ素線はコネクタにエポキシ樹脂等の接着剤等で固定され、コネクタを突き合わせて接合することが行われているが、光ファイバヒートサイクル等の使用環境によって突き出してしまうことのないよう、二次被覆層と一次被覆層を十分接着させることが行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。

0003

光ファイバ素線には通常二次被覆層に難燃性樹脂組成物を使用することにより、難燃性が付与されるが、そのために含有される難燃剤としては、有害な重金属有機リン系化合物の他ハロゲン系化合物が使用されているのが現状である。ところが二次被覆材にハロゲン系の難燃剤を含む樹脂組成物を被覆した難燃素線を焼却した場合には、多量の煙や腐食性ガスの発生という問題が起こる。このため、ハロゲン系難燃剤を用いずに難燃性を発現させる技術の検討が盛んに行われている。一般的な難燃手法としては、金属水和物を含有する方法があるが、高い難燃性を付与するには大量に含有しなければならず、それによる力学的強度やその他の特性の著しい低下は避けられないものであった。

0004

特開平5−157950号公報
特開2002−162543号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特に、光ファイバ素線で使用される二次被覆層には、一次被覆層やコネクタとの接着剤に使用されるエポキシ樹脂との接着性の著しい低下は致命的である。
そこで、難燃性を満足できる量だけの金属水和物を二次被覆層のポリエステルエラストマーに含有したところ、被覆層の力学的強度や接着強度が著しく低下し、使用できないことを確認した。またその場合には、耐湿熱性の維持が困難となり、通信機器に要求される代表的な規格であるテルコーディア規格に示される85℃85%で2000時間に対応する耐湿熱性を維持することは困難であった。

0006

本発明は、外観が良好で、生産性に優れ、実使用時におけるファイバの突き出しが非常に少なく、エポキシ樹脂との接着性に優れ、高温多湿下でも使用可能で焼却時に多量の煙やハロゲンガスが発生しないノンハロゲン湿熱難燃性光ファイバ素線を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは鋭意検討を行った結果、上記目的を達成するために、二次被覆層を異なる組成をもつ樹脂組成物で構成することを見出した。
すなわち本発明は、
(1)ファイバの外周に一次被覆層が形成され、更に前記一次被覆層の外周に二次被覆層が形成されている光ファイバ素線であって、前記二次被覆層は少なくとも2層からなり、該二次被覆層の内層熱可塑性エラストマーおよび/またはエチレン系共重合体からなるベース樹脂100質量部に対し、金属水和物50〜200質量部および赤リン0〜15質量部を含有する樹脂組成物により構成されているとともに、該二次被覆層の最外層はポリエステルエラストマーおよび/またはエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物からなるベース樹脂100質量部に対し、金属水和物0〜70質量部、トリアジン誘導体化合物0〜60質量部およびクレー0〜30質量部からなる樹脂組成物により構成されていることを特徴とする難燃性光ファイバ素線、
(2)前記最外層を構成する樹脂組成物中のフィラーの総質量が、該最外層のベース樹脂100質量部に対し0〜70質量部であることを特徴とする(1)記載の難燃性光ファイバ素線、
(3)前記最外層を構成する樹脂組成物中のフィラーの総質量が、該最外層のベース樹脂100質量部に対し0〜45質量部であることを特徴とする(1)または(2)記載の難燃性光ファイバ素線、
(4)前記内層のベース樹脂組成が熱可塑性エラストマー20〜70質量%およびエチレン系共重合体80〜30質量%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線、
(5)前記内層を構成する樹脂組成物中の金属水和物が前記最外層を構成する樹脂組成物中のフィラーに対して質量比で2以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線、
(6)前記熱可塑性エラストマーがポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線、および、
(7)前記内層の前記最外層に対する肉厚比が1〜20であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項記載の難燃性光ファイバ素線、
を提供するものである。

発明の効果

0008

本発明の難燃性光ファイバ素線は、ノンハロゲン材で構成されていることに加え、耐湿熱性やエポキシ樹脂との接着性を低下させることなく、優れた難燃性を維持させることができる。
本発明においては、二次被覆層が少なくとも2層からなり、最外層のベース樹脂がポリエステルエラストマーおよび/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物からなっているので、最外層で接着性を確保することができ、該二次被覆層の内層を構成する樹脂組成物は、熱可塑性エラストマーとエチレン系共重合体をベース樹脂として、十分な難燃性を確保できるよう金属水和物を含有しても、素線としての機械的特性や耐湿熱性を損なうことがないという効果を奏するものである。また、本発明においては該内層に赤リンを含有することにより、金属水和物の含有量を大幅に抑えることができ、金属水和物のみを大量に含有した場合よりも諸特性を向上させることができるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下、本発明の難燃性光ファイバ素線について詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の耐湿熱性難燃性光ファイバ素線5は光ファイバ1の外周に形成された一次被覆層2とその外側に形成された少なくとも2層からなる二次被覆層3、4からなる。
まず、光ファイバ1の外周に形成される一次被覆層2について説明する。
本発明の難燃性光ファイバ素線の一次被覆層は、好ましくは紫外線硬化型樹脂で形成される。紫外線硬化型樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエーテル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリブタジエン系のウレタンアクリレートを挙げることができる。
上記した紫外線硬化型樹脂を使用することにより、後述する二次被覆層との間の密着性強度が向上する。したがって、光ファイバ素線の使用時においてファイバが端面から突き出す突き出し量を抑制する働きをする。

0010

次に、本発明の難燃性光ファイバ素線の二次被覆層について説明する。
二次被覆層は、前記一次被覆層2の外側に被覆された少なくとも2層3、4で構成されている。これらは従来公知の方法で形成することができ、同時に押出被覆してもよいし、一度被覆層を形成した後さらに押出被覆してもよい。
このうち二次被覆層の内層3を構成する樹脂組成物のベース樹脂は、熱可塑性エラストマーおよび/またはエチレン系共重合体で構成される。ここで各成分について説明する。

0011

(1)熱可塑性エラストマー
本発明で使用される熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントおよびソフトセグメントを有するものであれば特に限定なく使用することができるが、そのうちでもポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマーが好ましく、これらのうちいずれか1種を単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。後述の二次被覆層の最外層に熱可塑性エラストマーを使用する場合には、特にポリエステルエラストマーを使用することが好ましい。その場合には、ソフトセグメントは次の一般式(1)で表されるポリアルキルグリコールのみからなっていることが好ましい。ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルを使用すると耐湿熱性が低下することがあるからである。

0012

0013

またポリエステルエラストマーのハードセグメントは、下記の一般式(2)に示すポリアルキレンテレフタレートでも、一般式(3)に示すポリアルキレンイソフタレートでもどちらを使用しても良い。また、どちらも含まれるものでも良い。

0014

0015

さらに二次被覆層の内層に熱可塑性エラストマーとしてポリエステルエラストマーを使用する場合には、その融点は200℃以下であることが好ましい。その場合には、耐湿熱性、配線時の加工性が良好で、被覆層を被覆する際に一次被覆層に発泡を生じたりすることが少ないからである。ポリエステルエラストマーの融点は好ましくは120℃〜195℃、さらに好ましくは150℃〜190℃である。融点があまり低いと配線性が逆に大幅に低下する場合があるからである。

0016

本発明において、内層のベース樹脂成分は熱可塑性エラストマーのみから構成されていても良いが、一次被覆層との接着性と難燃性の観点から、樹脂成分中、熱可塑性エラストマーが好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%含まれるのがよい。

0017

(2)エチレン系共重合体
本発明においては、二次被覆層の内層として使用される樹脂組成物のベース樹脂には熱可塑性エラストマーの他にエチレン系共重合体が使用される。
本発明に用いることのできるエチレン系共重合体として、具体的には例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリレート共重合体などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。難燃性向上の点からは、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。また、難燃性を向上させる上でエチレンに対し共重合させた共重合成分の含有量(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体ではVA含有量、エチレン−エチルアクリレート共重合体ではEA含有量)が40%以上のエチレン系共重合体が好ましく、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。

0018

本発明において内層の樹脂成分はエチレン系共重合体のみから構成されていても良いが、一次被覆層との接着性と難燃性の観点から、樹脂成分中、エチレン系共重合体が好ましくは80〜30質量%、さらに好ましくは70〜40質量%含まれるのがよい。
二次被覆内層には熱可塑性エラストマーおよび/またはエチレン系共重合体をベース樹脂に用いる。熱可塑性エラストマーは、一次被覆層、二次被覆最外層、各々との密着強度を向上させることができる。一方、エチレン系共重合体は、難燃性を発揮するために含有される金属水和物の含有量を低下させて、力学的強度の著しい低下を避けることができ、さらに耐加水分解性も向上させることができる。

0019

(3)金属水和物
本発明における二次被覆層の内層は、上記熱可塑性エラストマーおよび/またはエチレン系共重合体からなるベース樹脂100質量部に対し、金属水和物および赤リンを含有した樹脂組成物とされる。
本発明において用いることのできる金属水和物の種類には特に制限はないが、例えば、水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム水和珪酸アルミニウム水和珪酸マグネシウム塩基性炭酸マグネシウムオルト珪酸アルミニウムハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは結晶水を有する金属化合物が挙げられ、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの金属水和物のうち、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましい。

0020

上記金属水和物は未処理でも表面処理されていてもよい。本発明で用いることができる水酸化アルミニウムとしては、表面未処理のもの(ハイジライトH42M(商品名、昭和電工製)など)、ステアリン酸オレイン酸などの脂肪酸で表面処理されたもの(ハイジライトH42S(商品名、昭和電工製)など)などがあげられる。また、本発明で用いることができる水酸化マグネシウムとしては、表面無処理のもの(キスマ5(商品名、協和化学社製)など)、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸で表面処理されたもの(キスマ5A(商品名、協和化学社製)など)、リン酸エステル処理されたもの(キスマ5J(商品名、協和化学社製)など)、ビニル基またはエポキシ基末端に有するシランカップリング剤により表面処理されたもの(キスマ5L(商品名、協和化学社製)など)がある。

0021

難燃性の試験方法には水平難燃性、傾斜難燃性および垂直難燃性の試験があるが、垂直難燃性を維持させる場合、樹脂組成物中の金属水和物の含有量は内層のベース樹脂100質量部に対し、50〜200質量部、好ましくは80〜180質量部とすることが必要である。含有量が多すぎると、力学的強度や接着性の低下を招いたり、耐加水分解性が低下したり、外観が悪くなることがあり、少なすぎると難燃性に問題がある。
また、エポキシ樹脂との接着性を阻害しない程度であれば、二次被覆層の外層に金属水和物を含有してもよく、この場合、外層を構成する樹脂成分100質量部に対し、0〜70質量部程度加えることが好ましい。

0022

(4)赤リン
本発明においては、二次被覆層の内層に難燃助剤として赤リンを含有するのが好ましい。赤リンは金属水和物などの難燃剤と併用することにより、少量の含有量でも金属水和物の含有量を大幅に低減することができる。
本発明における赤リンの含有量は、内層ベース樹脂100質量部に対し0〜15質量部、好ましくは3〜10質量部である。赤リンの含有量が15質量部を超えると機械的強度が著しく低下してしまうからである。

0023

(5)ポリエステルエラストマー
本発明においては、二次被覆層の最外層を構成する樹脂組成物にはベースポリマーとして、ポリエステルエラストマーおよび/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物が使用される。
本発明におけるポリエステルエラストマーとは、一般的には結晶性ハードセグメントAと非結晶性(ソフト)セグメントBからなる(AB)n型のマルチブロック共重合体の構造を呈し、構造的にハードセグメントはポリブチレンテレフタレートポリブチレンイソフタレートなどのポリエステルであり、ソフトセグメントはポリエチレングリコールポリプロピレングリコール等のポリエーテルタイプと脂肪族ポリエステルなどのポリエステルタイプの2種類が挙げられ、そのいずれも使用することができる。

0024

二次被覆層の最外層に使用するポリエステルエラストマーは、ハードセグメント、ソフトセグメント共に特に限定はしないが、ソフトセグメントとしては前述の一般式(1)のみからなっているポリエステルエラストマーを使用することが好ましい。
さらに二次被覆層の最外層に使用するポリエステルエラストマーの融点は特に限定なく使用することができる。
本発明において、ポリエステルエラストマーは1種を単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。また、二次被覆層の最外層には下記エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物と混合して用いてもよく、その比率に特に限定はなく自由に混合することができる。

0025

(6)エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
本発明では、最外層に酢酸ビニル共重合体の酢酸基の一部あるいは全部を水酸基に置換した、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物を使用することができる。
本発明において、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物は1種を単独で用いても2種類以上を混合して用いてもよい。また、上記したように上記のポリエステルエラストマーと混合して用いてもよく、その混合比率に限定はなく自由に混合することができる。

0026

(7)トリアジン誘導体化合物
本発明の二次被覆層の最外層を構成する材料にトリアジン誘導体化合物を含有させることができる。ここで用いることができるトリアジン誘導体化合物の粒径はできるだけ粒径が細かい物が好ましい。平均粒径が好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。
また、本発明で用いることができるトリアジン誘導体化合物としては、特に限定はしないが、シアヌル酸メラミンメラミン誘導体メラミンシアヌレート化合物などが挙げられる。例えば、メラミンシアヌレート化合物としては、MCA−0、MCA−1(いずれも商品名、三菱化学社製)や、Chemie
Linz Gmbh社、日産化学株式会社より上市されているものがある。
また脂肪酸で表面処理されたメラミンシアヌレート化合物、シラン表面処理されたメラミンシアヌレート化合物としては、MC610、MC440、MC640(いずれも商品名、日産化学社製)などがある。メラミンシアヌレート化合物は樹脂中への分散性の面から表面処理なされたものの使用が好ましい。
さらに、トリアジン誘導体としては、STI−300(商品名、四国化成工業社製)等が上市されている。
なお、メラミンシアヌレート化合物は、例えば以下のような構造式で表される。

0027

0028

本発明において、二次被覆層の最外層を構成する樹脂組成物にはトリアジン誘導体化合物は含有されてもされなくてもよく、その含有量は、最外層樹脂成分100質量部に対して0〜60質量部、好ましくは5〜40質量部である。トリアジン誘導体化合物が少なすぎると難燃性向上にはあまり寄与しないが、多すぎると力学的強度や接着強度が低下し、ファイバ素線としたときの外観が著しく悪くなる。

0029

(8)クレー
本発明の二次被覆層の最外層はクレーを含有することができる。
クレー(粘土鉱物)とは、層状構造を持つ珪酸塩鉱物等で、多数のシートが積層することで構成された層状構造を有する物質である。上記シートの中で、あるものは珪酸で構成された四面体が平面方向に多数結合して形成された四面体シートであり、あるものはAlやMgなどを含む八面体が平面方向に多数結合して形成された八面体シートである。このシートによる層状構造やシートを構成する元素の種類等は個々のクレーによって様々である。本発明においては、このようなクレーのうち、例えば、モンモリロナイトサポナイトヘクトライトバイデライトスティブンサイトノントロナイトバーミキュライトハロイサイトマイカフッ素化マイカカオリナイトパイロフィライト等を使用することができる。また、クレーは天然物でも合成物でもよい。

0030

本発明の二次被覆層の外層を構成する樹脂組成物には、クレー(粘土鉱物)を有機化剤にて有機化した、有機化クレーを使用してもよい。上記有機化剤としては各種オニウムイオン等を使用することができる。この各種オニウムイオンは1〜4級のアンモニウムイオンで、例えば、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、ラウリルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジオタデシルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、トリオクタデシルアンモニウムイオン等を用いることができる。

0031

本発明において、クレーの含有量は最外層樹脂成分100質量部に対して、0〜30質量部、好ましくは3〜15質量部である。クレーの含有量が少なすぎると難燃助剤としての効果が発現せず、多すぎると力学的強度や接着強度が著しく低下する。
また、本発明では二次被覆層の外層に難燃剤として金属水和物の他にメラミンシアヌレート化合物、難燃助剤としてクレーを併用することにより、金属水和物による水の発生、メラミンシアヌレート化合物による窒素ガスの発生、さらに樹脂組成物中に均一に分散したクレーが樹脂組成物の燃焼速度を遅くする役割を果たすため、高い難燃性を有すると考えられる。また、この効果により金属水和物を減らしても高い難燃性を維持させることができるため、金属水和物を大量に含有する場合より機械的強度、一次被覆層及びエポキシ樹脂との接着強度を向上させることができる。

0032

本発明においては、樹脂組成物中のベース樹脂を除く含有物を総称してフィラーといい、内層の樹脂組成物で十分難燃性を保持できる場合には、最外層に難燃剤であるフィラーを含有する必要はないが、内層に含有される難燃剤によって難燃性を保持することが不十分な場合は、最外層にフィラーが充填される。フィラーの含有量は、最外層を構成する樹脂組成物中、ベース樹脂100質量部に対してその合計が、0〜70質量部が好ましく、さらには0〜45質量部が好ましい。そして内層による難燃・耐湿熱効果、最外層によるエポキシ樹脂との接着効果バランスよく満たすために特に好ましいのは、内層を構成する樹脂組成物中の金属水和物が最外層を構成する樹脂組成物中のフィラーに対して質量比で2以上になることである。

0033

本発明の被覆層を形成する樹脂組成物には、電線・ケ−ブルにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜含有することができる。またさらに特性を損なわない範囲で、ポリエステルエラストマー以外の樹脂を混合することができる。混合可能な範囲は特には限定しないが、一般的にベース樹脂中の30質量%以下である。

0034

酸化防止剤としては、4、4’‐ジオクチル・ジフェニルアミン、N、N’‐ジフェニルp‐フェニレンジアミン、2、2、4‐トリメチル‐1、2‐ジヒドロキノリン重合物などのアミン系酸化防止剤ペンタエリスリチルテトラキス(3‐(3、5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニルプロピオネート)、オクタデシル‐3‐(3、5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1、3、5‐トリメチル‐2、4、6‐トリス(3、5‐ジ‐t‐ブチル−4−ヒドロキシベンジルベンゼン等のフェノール系酸化防止剤ビス(2‐メチル‐4‐(3‐n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニルスルフィド、2‐メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩ペンタエリスリトール−テトラキス(3‐ラウリル‐チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤、などがあげられる。

0035

金属不活性剤としては、N、N’‐ビス(3‐(3、5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオニルヒドラジン、3‐(N-サリチロイルアミノ‐1、2、4‐トリアゾール、2、2’‐オキサミドビス‐(エチル3‐(3、5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などがあげられる。

0036

充填剤や上記以外の難燃剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛酸化錫酸化チタン酸化マグネシウム酸化モリブデン三酸化アンチモンシリコーン化合物石英タルク炭酸カルシウム炭酸マグネシウムホワイトカーボンなどがあげられる。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系アルコール系、金属石けん系などがあげられ、なかでも、ワックスE、ワックスOP(いずれも商品名、Clariant社製)などの内部滑性と外部滑性を同時に示すエステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。ただし、これらの滑剤や酸化防止剤、金属不活性剤をあまり加えると、下層のファイバ素線との密着が著しく低下し、実使用時にファイバが突き出したりするなどの問題が生じる。

0037

また、本発明では光ファイバ素線の製造方法として、上記の内層材外層材を同時に押出す方法を取ることにより、ダイスカスの問題が解決される。これは、ダイスカスに起因する金属水和物等の添加物が多く含有されている内層材が、相対的に添加物が少ない外層材により被覆された状態で押出成型されるためである。そして、内層の最外層に対する肉厚比は、1〜20、好ましくは2〜10であると内層による難燃・耐湿熱効果、最外層によるエポキシ樹脂との接着効果をバランスよく満たすことができ好ましい。

0038

実施例1〜22および比較例1〜9
直径0.125mmの光ファイバの外周に、ポリエーテル系ウレタンアクリレート紫外線硬化型樹脂(肉厚0.14mm)を塗布し、さらに300mJ/cm3の紫外線照射することによって一次被覆層を形成した。その後、表1〜表4に記載した各材料を表に示す含有量(表中の数値は質量部である)で210℃〜260℃の押出温度で肉厚0.25mm〜0.30mmの厚さで内層および外層の2層からなる二次被覆層をそれぞれ形成した光ファイバ素線を作製した。

0039

表中に示す各成分材料は以下のとおりである。
1)ハイトレル4777 (商品名:東レ・デュポン株式会社)
ポリエステルエラストマー融点:200℃
ハードセグメント:前記一般式(2)のみ
ソフトセグメント:ポリエチレングリコール
2)ハイトレル2551 (商品名:東レ・デュポン株式会社)
ポリエステルエラストマー 融点:164℃
ハードセグメント:前記一般式(2)および一般式(3)
ソフトセグメント:ポリエチレングリコール
3)ハイトレル4057 (商品名:東レ・デュポン株式会社)
ポリエステルエラストマー 融点:163℃
ハードセグメント:前記一般式(2)および一般式(3)
ソフトセグメント:ポリエチレングリコール
4)メルセンH6960 (商品名: 東ソー株式会社)
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
5)レザミンP−2288 (商品名:大日精化工業株式会社)
ポリウレタンエラストマー
6)ペバックス4033 (商品名:アトフィナ社
ポリアミドエラストマー
7)レバプレン800HV(商品名:バイエル社)
エチレン−酢酸ビニル共重合体
VA含有率:80%
8)キスマ5A (商品名:協和化学工業株式会社)
水酸化マグネシウム
9)ヒシガードLP−F (商品名:日本化学工業株式会社)
赤リン
10)メラミンシアヌレートMC860 (商品名:日産化学工業株式会社)
メラミンシアヌレート
11)SP33 (商品名:エンゲルハード社)
焼成クレー

0040

次に、得られた各光ファイバ素線について、下記の項目に関して評価を実施した。その結果を表1〜表4に示した。
(1)難燃性:
UL1581の垂直燃焼試験を5個のサンプルで行い、光ファイバ素線が自消するまでの時間の平均(単位:秒)を算出した。60秒以内を合格とした。
(2)接着性:
図2に示すように、光ファイバ素線5の片端穴開き冶具7にエポキシ樹脂6で包埋し、素線を引き抜く強度(単位:N)を測定した。5個のサンプルで行い、その平均を算出した。10N以上を合格とした。好ましくは20N、さらに好ましくは30Nである。
(3)耐湿熱性:
85℃、85%の湿熱下に1000時間および2000時間放置し、50mmのマンドレルに6回巻きつけ、被覆部にクラックが生じるか否かを確認した。1000時間放置後に巻付けてクラックが生じたものを「×」、1000時間放置後に巻付けてクラックが生じなかったものを「○」、2000時間後に巻付けてクラックが生じなかったものを「◎」とした。
(4)突出し:
光ファイバ素線を1.00mに切断し、その切断線に対し、−30℃/80℃のヒートショック試験を行った。サイクル数は100サイクル、各保持時間は2時間で行った。
断面からの突出し量が0.2mm未満のものを「○」、0.2mm以上のものを不良とし、「×」で表示した。

0041

0042

0043

0044

0045

表の結果からわかるように、二次被覆内層の金属水和物の含有量が200部を越える比較例1では耐湿熱性に問題があり、50部未満である比較例2では難燃性に問題を生じた。また、二次被覆内層の赤リンの含有量が15部を越える比較例3、外層の各フィラーの含有量が規定量を超える比較例4〜6でも耐湿熱性に問題があった。二次被覆層が1層のみからなる比較例7〜9では十分な接着性が得られなかった。
それに対して実施例1〜22では、いずれの項目にも問題はなく、難燃性光ファイバ素線として良好な特性を示した。

図面の簡単な説明

0046

本発明の光ファイバ素線の断面図である。
接着性試験方法を示す概略図である。
従来の光ファイバ素線の断面図である。

符号の説明

0047

1.光ファイバ
2.一次被覆層
3.二次被覆層(内層)
4.二次被覆層(外層)
5.光ファイバ素線
6.エポキシ樹脂
7.穴開き治具

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