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技術 オフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 加藤由憲渡部哲也岡田比斗志
出願日 2006年2月14日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2006-036070
公開日 2007年8月30日 (13年2ヶ月経過) 公開番号 2007-217800
状態 未査定
技術分野 紙(4)
主要キーワード 弾性樹脂製 最終プレス ワイヤ面 工程プレス 王研平滑度 密度ムラ 通紙処理 存在状況
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年8月30日)のものです。
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課題

オフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙に関し、更に詳しくは、低密度でありながら印刷適性に優れ、オフセット印刷により高精細な画像を印刷することができるオフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙の提供。

解決手段

パルプ中古紙パルプが10質量%以上であり、密度が0.4g/cm3以上0.9g/cm3以下であり、表裏両面においてJIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B 0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下であり、三次元表面粗さの標準偏差が2.0μm以上4.5μm以下であるオフセット印刷用紙。

概要

背景

近年、印刷技術の進歩に伴い、印刷品質の高度化が要求されている。現在の印刷方式の主流であるオフセット印刷は、ブランケットを介して印刷用紙に印刷する方式を採用するので、網点再現性欠陥が発生することは少なく、その結果、印刷品質の優れた印刷物を得ることができる。また、オフセット印刷においては、紙表面の平滑性に合わせたスクリーン線数を選ぶことができるので、非塗工紙などの比較的平滑度の粗い紙に印刷しても、優れた印刷品質を得ることができる。

しかし、より高精細印刷画像を得るためには、イン移転不良を改善すること、すなわち版あるいはブランケットの画線部分からの紙へのインキ転移率を向上させることが要求される。インキの転移率は、インキの性質、インキの供給量、紙表面の平滑性、紙のインキ受理性印圧などの条件によって決まる。したがって、オフセット印刷に用いられる平版が精度よく作成されていても、紙表面の平滑度が低いと、網点のサイズを小さくすることができず、網点の再現性が悪くなるので、高精細な画像を印刷することが困難になってしまう。

ツインワイヤ抄紙機の抄紙工程において、ドライヤパートを出た紙は表面が粗く、ラフな肌をしているため、印刷適性が悪い。このため、抄紙工程においては、紙表面の平滑性を向上させ、かつ、紙厚コントロールする目的で、紙を強い圧力下でカレンダーに通すカレンダー処理が行われている。一般的に、カレンダー処理には金属カレンダーが広く用いられているが、金属カレンダーによるカレンダー処理では平滑性は改善されるが、紙厚が減って密度が高くなってしまう。

カレンダー処理以外で紙表面の平滑性を向上させる方法として、ギャップタイプツインワイヤフォーマー抄紙機において、ギャップフォーマー部におけるウエットプレス装置により、所定の比率で原紙の両面から脱水し、平滑化する方法が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、この方法によって得られるオフセット用印刷塗被紙は、原紙の両面から脱水しているので、紙層中央部の微細繊維が減少し、紙表層部に微細繊維が多く集まる。この結果、表裏面の特性差は少なくなる。しかしながら、紙表層面から微細繊維が流出する恐れがあり、紙全体に対する微細繊維の数が減少するという問題がある。

また、紙表層部における微細繊維の数を増やす方法として、抄紙機のプレスパートにおいて懸濁液中の微細繊維の重量濃度が3.0〜5.0%である微細繊維懸濁液を湿紙表面に塗布し、次いでプレスニップに通過させて、湿紙表層を構成する繊維ネットワークに微細繊維懸濁液を含浸させることにより、紙表面の微細繊維を増やす方法が開示されている(特許文献2参照)。
この方法は、紙表層部における微細繊維の数を増加させる点で有効ではあるが、紙層内の繊維との絡み合いが生じないために紙表面に凹凸が発生し、その結果、優れた印刷品質を得ることができない。

さらに、古紙パルプ機械パルプを含む内層の両面に、化学パルプ主原料とする外層を形成したことを特徴とするオフセット印刷用紙が開示されている(特許文献3参照)。
このオフセット印刷用紙は多層構造であるため、装置の複雑化に伴う高コスト化および紙層内の強度低下が発生し、オフセット印刷用紙の製造方法としては適当ではない。

また、特開平7−3691号公報には、微細フィブリル化セルロース製紙用パルプに対し1〜30重量%添加してなる填料含有紙が開示されている(特許文献4参照)。この填料含有紙においては、微細フィブリル化セルロースの性質により、紙の空隙部で微細フィブリル化セルロースがミクロネットワークを良好に形成している。
しかしながら、オフセット印刷時に填料含有紙を用いると、微細フィブリル化セルロースが紙粉として版上に堆積する、いわゆるブランケットパイリングが発生する。したがって、印刷品質に悪影響を及ぼす恐れがあるため、填料含有紙は実用的ではない。

さらに、特開2004−91954号公報には、雑誌古紙を5%以上含有し、表面の残インク面積が100mm2/m2以下の範囲にあり、JIS−B 0601に規定される表面粗さが2.8μm以下である古紙配合新聞用紙が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、オフセット印刷用新聞用紙の場合には平滑性が高すぎると印刷作業性に問題を起こす場合もあり、またコールドオフセットのため乾燥装置がないことから、三次元表面粗さが小さな値となるような表面の状況になると表面の空隙が非常に少ない状況ではインキの浸み込みに悪影響を及ぼす恐れがあるため好ましくない。
特開平11−100789号公報
特開平10−331093号公報
特許第2845285号公報
特開平7−3691号公報
特開2004−91954号公報

概要

オフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙に関し、更に詳しくは、低密度でありながら印刷適性に優れ、オフセット印刷により高精細な画像を印刷することができるオフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙の提供。全パルプ中の古紙パルプが10質量%以上であり、密度が0.4g/cm3以上0.9g/cm3以下であり、表裏両面においてJIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B 0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下であり、三次元表面粗さの標準偏差が2.0μm以上4.5μm以下であるオフセット印刷用紙。

目的

本発明の解決しようとする課題は、低密度でありながら平滑性、インキ受理性、強度等に優れた印刷適性を有し、オフセット印刷により高精細な画像を印刷することができるオフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

パルプ中古紙パルプが10質量%以上であり、かつ、紙の密度が0.4g/cm3以上0.9g/cm3以下であるオフセット印刷用紙において、表裏両面におけるJIS−B0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下であり、かつ三次元表面粗さの標準偏差が2.0μm以上4.5μm以下であることを特徴とするオフセット印刷用紙。

請求項2

表裏両面における三次元表面粗さの標準偏差の差が0.5μm以下である請求項1に記載のオフセット印刷用紙。

請求項3

表裏両面最外層15質量%の紙層内数平均繊維長100μm以下の表面微細繊維率が20質量%以上含まれる請求項1または2に記載のオフセット印刷用紙。

請求項4

片面あたり乾燥重量で2.0g/m2以下の表面処理剤を設けてなる前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のオフセット印刷用紙。

請求項5

ソフトカレンダーまたはシューカレンダーによりカレンダー処理されてなり、該カレンダー処理条件線圧50〜250kN/mの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオフセット印刷用紙。

請求項6

全パルプ中の古紙パルプの含有量が40質量%以上であり、かつ、紙の密度が0.4g/cm3以上0.7g/cm3以下であり、JIS−B0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下であり、三次元表面粗さ標準偏差が2.9μm以上4.5μm以下であることを特徴とするオフセット印刷新聞用紙

請求項7

ソフトカレンダーまたはシューカレンダーによりカレンダー処理されてなり、該カレンダー処理条件が線圧25〜120kN/mの範囲であることを特徴とする請求項6に記載のオフセット印刷用新聞用紙

技術分野

0001

本発明はオフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙に関し、更に詳しくは、低密度でありながら印刷適性に優れ、オフセット印刷により高精細な画像を印刷することができるオフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙に関する。

背景技術

0002

近年、印刷技術の進歩に伴い、印刷品質の高度化が要求されている。現在の印刷方式の主流であるオフセット印刷は、ブランケットを介して印刷用紙に印刷する方式を採用するので、網点再現性欠陥が発生することは少なく、その結果、印刷品質の優れた印刷物を得ることができる。また、オフセット印刷においては、紙表面の平滑性に合わせたスクリーン線数を選ぶことができるので、非塗工紙などの比較的平滑度の粗い紙に印刷しても、優れた印刷品質を得ることができる。

0003

しかし、より高精細な印刷画像を得るためには、イン移転不良を改善すること、すなわち版あるいはブランケットの画線部分からの紙へのインキ転移率を向上させることが要求される。インキの転移率は、インキの性質、インキの供給量、紙表面の平滑性、紙のインキ受理性印圧などの条件によって決まる。したがって、オフセット印刷に用いられる平版が精度よく作成されていても、紙表面の平滑度が低いと、網点のサイズを小さくすることができず、網点の再現性が悪くなるので、高精細な画像を印刷することが困難になってしまう。

0004

ツインワイヤ抄紙機の抄紙工程において、ドライヤパートを出た紙は表面が粗く、ラフな肌をしているため、印刷適性が悪い。このため、抄紙工程においては、紙表面の平滑性を向上させ、かつ、紙厚コントロールする目的で、紙を強い圧力下でカレンダーに通すカレンダー処理が行われている。一般的に、カレンダー処理には金属カレンダーが広く用いられているが、金属カレンダーによるカレンダー処理では平滑性は改善されるが、紙厚が減って密度が高くなってしまう。

0005

カレンダー処理以外で紙表面の平滑性を向上させる方法として、ギャップタイプツインワイヤフォーマー抄紙機において、ギャップフォーマー部におけるウエットプレス装置により、所定の比率で原紙の両面から脱水し、平滑化する方法が開示されている(特許文献1参照)。
しかし、この方法によって得られるオフセット用印刷塗被紙は、原紙の両面から脱水しているので、紙層中央部の微細繊維が減少し、紙表層部に微細繊維が多く集まる。この結果、表裏面の特性差は少なくなる。しかしながら、紙表層面から微細繊維が流出する恐れがあり、紙全体に対する微細繊維の数が減少するという問題がある。

0006

また、紙表層部における微細繊維の数を増やす方法として、抄紙機のプレスパートにおいて懸濁液中の微細繊維の重量濃度が3.0〜5.0%である微細繊維懸濁液を湿紙表面に塗布し、次いでプレスニップに通過させて、湿紙表層を構成する繊維ネットワークに微細繊維懸濁液を含浸させることにより、紙表面の微細繊維を増やす方法が開示されている(特許文献2参照)。
この方法は、紙表層部における微細繊維の数を増加させる点で有効ではあるが、紙層内の繊維との絡み合いが生じないために紙表面に凹凸が発生し、その結果、優れた印刷品質を得ることができない。

0007

さらに、古紙パルプ機械パルプを含む内層の両面に、化学パルプ主原料とする外層を形成したことを特徴とするオフセット印刷用紙が開示されている(特許文献3参照)。
このオフセット印刷用紙は多層構造であるため、装置の複雑化に伴う高コスト化および紙層内の強度低下が発生し、オフセット印刷用紙の製造方法としては適当ではない。

0008

また、特開平7−3691号公報には、微細フィブリル化セルロース製紙用パルプに対し1〜30重量%添加してなる填料含有紙が開示されている(特許文献4参照)。この填料含有紙においては、微細フィブリル化セルロースの性質により、紙の空隙部で微細フィブリル化セルロースがミクロネットワークを良好に形成している。
しかしながら、オフセット印刷時に填料含有紙を用いると、微細フィブリル化セルロースが紙粉として版上に堆積する、いわゆるブランケットパイリングが発生する。したがって、印刷品質に悪影響を及ぼす恐れがあるため、填料含有紙は実用的ではない。

0009

さらに、特開2004−91954号公報には、雑誌古紙を5%以上含有し、表面の残インク面積が100mm2/m2以下の範囲にあり、JIS−B 0601に規定される表面粗さが2.8μm以下である古紙配合新聞用紙が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、オフセット印刷用新聞用紙の場合には平滑性が高すぎると印刷作業性に問題を起こす場合もあり、またコールドオフセットのため乾燥装置がないことから、三次元表面粗さが小さな値となるような表面の状況になると表面の空隙が非常に少ない状況ではインキの浸み込みに悪影響を及ぼす恐れがあるため好ましくない。
特開平11−100789号公報
特開平10−331093号公報
特許第2845285号公報
特開平7−3691号公報
特開2004−91954号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の解決しようとする課題は、低密度でありながら平滑性、インキ受理性、強度等に優れた印刷適性を有し、オフセット印刷により高精細な画像を印刷することができるオフセット印刷用紙およびオフセット印刷用新聞用紙を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、鋭意研究の結果、印刷ブランケット弾力性に追随することのできない、紙表面の細かい凹凸がオフセット印刷での高精彩印刷に重要な影響を及ぼすことを確認し、オフセット印刷により高精細な画像を得ることができる、特にオフセット印刷用新聞用紙に適したオフセット印刷用紙を見出した。

0012

本発明の課題を解決する手段は、
(1)全パルプ中の古紙パルプが10質量%以上であり、密度が0.4g/cm3以上0.9g/cm3以下であり、表裏両面においてJIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B 0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下であり、三次元表面粗さの標準偏差が2.0μm以上4.5μm以下であるオフセット印刷用紙。
(2)表裏両面における三次元表面粗さの標準偏差の差が0.5μm以下である前記(1)記載のオフセット印刷用紙。
(3)表裏面最外層15質量%の紙層内に数平均繊維長100μm以下の表面微細繊維率が20質量%以上含まれる(1)または(2)記載のオフセット印刷用紙。
(4)片面あたり乾燥重量で2.0g/m2以下の表面処理剤を設けてなる前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のオフセット印刷用紙。

0013

(5)ツインワイヤ抄紙機により1000m/分以上の抄速で製造され、フォーミング部における湿紙ドライネスが5%以上10%以下であり、かつ、紙のワイヤ面側の脱水量をフェルト面側の脱水量で除算した値が0.001以上0.15以下で製造された前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のオフセット印刷用紙。
(6)カレンダー処理前における紙の表面における三次元表面粗さの標準偏差が4.0μm以上6.0μm以下であり、かつ、ソフトカレンダーまたはシューカレンダーによりカレンダー処理されてなる前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のオフセット印刷用紙。
(7)ソフトカレンダーまたはシューカレンダーによりカレンダー処理されてなり、該カレンダー処理条件線圧25〜250kN/mの範囲である(1)〜(6)のいずれか1項に記載のオフセット印刷用紙。

0014

(8)全パルプ中の古紙パルプの含有量が40質量%以上であり、かつ、紙の密度が0.4g/cm3以上0.7g/cm3以下であり、JIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B 0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下であり、三次元表面粗さ標準偏差が2.9μm以上4.5μm以下であるオフセット印刷用新聞用紙。
(9)ツインワイヤ抄紙機により1000m/分以上の抄速で製造され、フォーミング部における湿紙ドライネスが5%以上10%以下であり、かつ、紙のワイヤ面側の脱水量をフェルト面側の脱水量で除算した値が0.001以上0.15以下である(8)記載のオフセット印刷用新聞用紙。
(10)ソフトカレンダーまたはシューカレンダーによりカレンダー処理されてなり、該カレンダー処理条件が線圧25〜120kN/mの範囲である(8)に記載のオフセット印刷用新聞用紙。

発明の効果

0015

本発明によれば、低密度でありながら、表面平滑性、強度、紙くせ等の印刷適性に優れたオフセット印刷用紙を提供することができるので、オフセット印刷により高精細な画像を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0016

本発明のオフセット印刷用紙は、全パルプ中の古紙パルプの含有量が10質量%以上であり、かつ、紙の密度が0.4g/cm3以上0.9g/cm3以下であるオフセット印刷用紙において、JIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B 0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下であり、三次元表面粗さの標準偏差が2.0μm以上4.5μm以下であることを特徴とする。JIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B 0601に規定される十点平均粗さが10.0μm以上25.0μm以下の範囲にあるのが好ましい。十点平均粗さは数字が小さければ小さいほど表面が平滑であることがいえるが密度0.4〜0.9g/cm3と低いところでは10.0μ未満とすることは難しい。また25μを越えて大きくなると印刷適性に影響を及ぼすため好ましくない。

0017

本発明では上記の十点平均粗さが10μm〜25μmの範囲にありかつ三次元表面粗さの標準偏差が2.0μm〜4.5μmであることが好ましい。本発明の三次元表面粗さとは紙の表裏それぞれの面を、レーザー変位計で測定したものである。本発明でいう三次元表面粗さの標準偏差とは16.43mm四方の紙表面の凹凸情報をレーザー変位計(キーエンス社製)を用いて解像度4μで測定し、周波数解析技術を用いて800μm以上の長波長帯成分を除去して求めた値であり、これにより、紙を構成する繊維自体存在状況の凹凸を評価することができる。なお、本明細書において、「紙表面」というときは、特に断りがない限り、紙の表裏表面をいう。
三次元表面粗さは、王研式平滑度計(JAPAN TAPPI No.5)またはベック平滑度計等の他の測定機器によっても測定可能であるが、他の測定機器は、広範囲にわたる紙表面の特性を測定すること、地合またはワイヤーマーク等が測定値に影響を及ぼすこと、微細な凹凸のみを計測することは困難であること等の点から好ましくない。

0018

紙表面の平滑性だけでなく、さらに紙表面を構成する繊維自体存在状況の凹凸を特定の範囲にすることによりさらに優れた印刷適性を達成することが可能となる。
三次元表面粗さの標準偏差が上記範囲内であれば、優れた平滑性を有するオフセット印刷用紙を得ることができるので、本発明の目的を達することができる。
また、紙の表裏面における三次元表面粗さの標準偏差の差は0.5μm以下であることが好ましい。表裏面の三次元表面粗さの標準偏差の差が0.5μmよりも大きいと、表裏面のうち片面のみについて印刷適性が悪化するので好ましくない。もちろん、表裏差が0.0μmであることが、最も好ましい。

0019

本発明のオフセット印刷用紙においては、紙の表面最外層15質量%の紙層内に含まれる数平均繊維長100μm以下の微細繊維の表面微細繊維率が20質量%以上であるのが好ましい。本発明において、紙の表面最外層15質量%の紙層とは、紙表面の面積と紙厚の15%に等しい厚さとの積で表される層をいう。この層内に表面微細繊維率が20質量%以上の微細繊維が含有されることにより、紙表面の空隙が埋まり平滑性が向上する。
本発明における表面微細繊維率とは、前記層に含まれる微細繊維の合計質量を前記層の全質量で除した値の百分率をいい、微細繊維の合計質量は、たとえば、紙の全質量の15%質量の紙層の質量とこの紙層中における微細繊維の数比率との積から求めることができる。前記表面微細繊維率は、20〜50質量%であるのが好ましい。紙表面に空隙を発生させないという点においては、表面微細繊維率は、50質量%以上であってもよいが、50質量%よりも大きいと、紙の表面強度が弱くなるため、強力な表面処理剤が必要となり、その結果、製造コストが高くなってしまうため好ましくない。
本発明のオフセット印刷用紙は0.4〜0.9g/m2と低密度であることが必要である。全体に均一な紙では表面の平滑性を出すことは難しく、剛性を出すことも難しい。
本発明では紙の層構成において表面に平滑性の向上に寄与する微細繊維を配置し、紙の中層に密度を低くし、剛性の出る繊維を配置することが好ましく。古紙パルプ中の微細繊維が表層付近に配置され機械パルプのような密度の低いパルプが中層に配置されることが好ましい。本発明のオフセット印刷用紙を構成する全パルプ中の含有率としては、特に、化学パルプ4〜50質量%、機械パルプ25〜40質量%、古紙パルプ10〜71質量%の範囲であるのが好ましい。古紙パルプとしては、新聞紙雑誌チラシ等から調成されたパルプを用いることができる。

0020

本発明のオフセット印刷用紙には、その表面に接着剤耐水化剤を含有する表面処理剤を塗工しても良い。塗工量としては、片面あたり乾燥重量で2.0g/m2以下であるのが好ましい。塗工量が2.0g/m2よりも大きいと、塗工量をこれ以上増やしても、紙の表面強度が向上せず、製造コストが高くなるので好ましくない。塗工装置に特に制限はない。前記接着剤としては、ポリアクリルアミドPVA、デンプンまたはラテックス等の1種またはこれらの混合物を挙げることができ、中でも、ポリアクリルアミドは少ない塗工量で高い表面強度を得られるため好ましい。
前記耐水化剤としては、耐水化効果があれば特に制限はなく、例えば、ロジン系サイズ剤合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤または中性サイズ剤等の1種またはこれらの混合物を挙げることができ、その中でも、耐水化効果の高い中性サイズ剤が好ましい。中性サイズ剤としては、例えば、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤アルキルケテンダイマーアルケニルケテンダイマー中性ロジン石油サイズ、オレフィン系樹脂またはスチレンアクリル系樹脂等を挙げることができる。

0021

本発明のオフセット印刷用紙は、ツインワイヤ抄紙機により抄造される。抄造時の抄速は、1000m/分以上であるのが好ましい。抄速が1000m/分よりも遅いと、フォーミングボード等の脱水機器による脱水圧力効果が高くなるので都合が良い。
ツインワイヤ抄紙機のフォーミング部において、固形分質量ウェット質量で除算した湿紙ドライネスが5%以上10%以下になるように脱水するのが好ましい。湿紙ドライネスが前記範囲内であれば、脱水による微細繊維の流出を防ぐことができる。
ツインワイヤ抄紙機のフォーミング部において、フェルト面に対するワイヤ面の脱水量の比率(ワイヤ面側の脱水量/フェルト面側の脱水量)が0.001以上0.15以下になるように脱水するのが好ましい。フェルト面に対するワイヤ面の脱水比率が前記範囲内であると、微細繊維の流出を防ぐことができ、また紙表層部における微細繊維の比率を向上させることができる。その結果、紙表面における空隙がなく、表面平滑性に優れ、かつ、表裏差の少ないオフセット印刷用紙を得ることができる。前記脱水比率が0.001よりも小さいと、ツインワイヤ抄紙機の操業性が悪化し、前記脱水比率が0.15よりも大きいと、ワイヤ面表層部からの微細繊維の流出が多くなり、その結果、表裏差が大きくなってしまう。

0022

本発明においては、カレンダー処理前の紙の表面における三次元表面粗さの標準偏差が、4.0μm以上6.0μm以下であるのが好ましい。詳細なメカニズムについては不明であるが、カレンダー処理前の紙の表面における三次元表面粗さが6.0μmよりも大きいと、カレンダー処理により紙の密度を0.9g/cm3以下にした場合、紙表面の空隙を充填することは困難になってしまう。

0023

前記カレンダー処理には、ソフトカレンダーまたはシューカレンダーを用いることができる。ソフトカレンダーまたはシューカレンダーを用いれば、密度を高めることなく平滑性を向上させることができる。その他の処理装置、例えば、マシンカレンダーを用いると、2本の金属ロールで紙の両面から紙を加圧するため、紙の厚い部分だけがつぶされてしまい、その結果、密度が高くなる。カレンダーでの処理条件は線圧25〜250kN/mの範囲で、さらに好ましくは50〜200kN/mであり、あることが望ましく。カレンダーでのロール温度が25〜120℃の範囲にあると、さらに望ましい。ソフトカレンダーを用いると、弾性ロール樹脂ロール)と金属ロールで紙の両面から紙を加圧するため、弾性ロールが接する面では、紙の厚い部分及び周辺部にも弾性ロールが接するので、圧力が分散する。その結果、マシンカレンダーと比較して紙の厚い部分の密度が高くなり難く、平滑性を高め、密度ムラを小さくできる。
また、シューカレンダーを用いると、弾性樹脂製エンドレスベルトが、紙表面の凹凸形状に応じて変形するため、紙表面の凹凸形状は、そのままの形状でニップ部を通過できる。したがって、カレンダー処理時に紙裏面の凸部が圧縮されることはなく、表面平滑性に優れ、かつ、うねりのないオフセット印刷用紙を得ることができる。

0024

本発明におけるオフセット印刷用紙は特に新聞用紙に適するものであり、その場合には古紙パルプの配合率が紙全体の40質量%以上であり、かつ、紙の密度が0.4g/cm3以上0.7g/cm3以下であり、JIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器で測定したJIS−B 0601に規定される十点平均粗さが10.0μm〜25.0μmの範囲であり、紙表面の三次元表面粗さ標準偏差が2.9μm〜4.5μmの範囲であることが好ましい。オフセット印刷用新聞用紙の場合には平滑性が高すぎると印刷作業性に問題を起こす場合もあり、またコールドオフセットのため乾燥装置がないことから、三次元表面粗さ標準偏差が2.9μより小さな値となるような表面の状況になると表面の空隙が非常に小さい状況ではインキの浸み込みに悪影響を及ぼす恐れがあるため好ましくない。

0025

本発明では紙表面の少なくともいずれか一方に接着剤、耐水化剤、顔料を含有する表面処理剤を塗工しても良い。塗工量としては、片面あたり乾燥重量で2.0g/m2以下であるのが好ましい。塗工量が2.0g/m2よりも大きいと、塗工量をこれ以上増やしても、紙の表面強度が向上せず、製造コストが高くなるので好ましくない。塗工装置に特に制限はない。前記接着剤としては、ポリアクリルアミド、PVA、デンプンまたはラテックス等の1種またはこれらの混合物を挙げることができ、中でも、ポリアクリルアミドは少ない塗工量で高い表面強度を得られるため好ましい。
前記耐水化剤としては、耐水化効果があれば特に制限はなく、例えば、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤または中性サイズ剤等の1種またはこれらの混合物を挙げることができ、その中でも、耐水化効果の高い中性サイズ剤が好ましい。中性サイズ剤としては、例えば、アルケニル無水コハク酸系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニルケテンダイマー、中性ロジン、石油サイズ、オレフィン系樹脂またはスチレン・アクリル系樹脂等を挙げることができる。

0026

本発明をオフセット印刷用新聞用紙へ適用する場合、カレンダーでの処理条件が線圧25〜120kN/m、さらに好ましくは25〜100kN/mの範囲であることが望ましい。カレンダーでのロール温度が25〜120℃の範囲にあると、さらに望ましい。
カレンダーでの通紙処理が1ニップ処理であり、且つ該ソフトカレンダーまたはシューカレンダーの金属ロール側に接する紙面が、抄紙工程プレスパートにおける最終プレスロールフェルトに接する面であれば、さらに望ましい。
オフセット印刷新聞用紙は、古紙パルプの配合率が紙全体の40質量%以上であればよいが、本発明のオフセット印刷用新聞用紙を構成する全パルプ中の配合率としては、特に、化学パルプ4〜20%、機械パルプ20〜40%、古紙パルプ40〜76%であるのが好ましい。

0027

以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例において、部は質量部を示す。

0028

[実施例1]
NBKP35部、TMP35部、脱墨新聞古紙パルプ30部からなる原料パルプを用いて、ツインワイヤ抄紙機で、抄速1050m/分、フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を10としたときにワイヤ面への脱水量を1とした条件下で抄紙した。次いで、得られた紙をオンラインソフトカレンダーで線圧55kN/m、ロール温度60℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用紙を得た。
得られたオフセット印刷用紙の密度は0.60g/cm3、王研平滑度は表面で29秒、裏面で25秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で4.15μm、裏面で4.28μmであった。

0029

[実施例2]
実施例1と同様の条件で抄紙して得られた紙をゲートロールコーターで、ポリアクリルアミド(商品名:「サンタックスNP−14」、三井化学社製)を片面当り乾燥重量で0.1g/m2になるように、紙両面に塗布し、シリンダードライヤーで乾燥した後、オンラインソフトカレンダーで線圧55kN/m、ロール温度65℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用紙を得た。
得られたオフセット印刷用紙の密度は0.65g/cm3、王研平滑度は表面で35秒、裏面で33秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で3.89μm、裏面で3.99μmであった。

0030

[実施例3]
NBKP30部、TMP30部、脱墨オフィス回収古紙パルプ40部からなる原料パルプを用いて、ツインワイヤ抄紙機で、抄速1200m/分、フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を10としたときにワイヤ面への脱水量を1.2とした条件下で抄紙した。次いで、得られた紙をメタリングサイズプレスコーターで、ポリビニルアルコール(商品名:「Rポリマー1130」、クラレ社製)を片面当り乾燥重量で1.5g/m2、耐水化剤(商品名:「NS−25」、荒川化学工業社製)を片面当り乾燥重量で0.3g/m2になるように、共に紙両面に塗布し、シリンダードライヤーで乾燥した後、オンラインソフトカレンダーで線圧100kN/m、ロール温度80℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用紙を得た。
得られたオフセット印刷用紙の密度は0.80g/cm3、王研平滑度は表面で50秒、裏面で45秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で2.93μm、裏面で3.18μmであった。

0031

[実施例4]
NBKP6部、TMP25部、脱墨新聞古紙パルプ69部からなる原料パルプを用いて、ツインワイヤ抄紙機で、抄速1300m/分、フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を10としたときにワイヤ面への脱水量を1とした条件下で抄紙した。次いで、得られた紙をオンラインソフトカレンダーで線圧60kN/m、ロール温度55℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用新聞用紙を得た。
得られたオフセット印刷用新聞用紙の密度は0.62g/cm3、王研平滑度は表面で25秒、裏面で22秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で4.45μm、裏面で4.23μmであった。

0032

[実施例5]
実施例4と同様の原料パルプを用いて、実施例4と同様の条件で抄紙した。次いで、得られた紙をオンラインシューカレンダーで、線圧40kN/m、ロール温度85℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用新聞用紙を得た。
得られたオフセット印刷用新聞用紙の密度は0.58g/cm3、王研平滑度は表面で24秒、裏面で23秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で4.05μm、裏面で4.03μmであった。

0033

[比較例1]
NBKP35部、TMP35部、脱墨新聞古紙パルプ30部からなる原料パルプを用いて、ツインワイヤ抄紙機で、抄速1050m/分、フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を10としたときにワイヤ面への脱水量を1.2とした条件下で抄紙してカレンダー処理をしないオフセット印刷用紙を得た。得られたオフセット印刷用紙の密度は0.39g/cm3、王研平滑度は表面で13秒、裏面で11秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で5.65μm、裏面で5.88μmであった。

0034

[比較例2]
フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を10としたときにワイヤ面への脱水量を2とした以外は、比較例1と同様にしてオフセット印刷用紙を得た。
得られたオフセット印刷用紙の密度は0.47g/cm3、王研平滑度は表裏面とも10秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で5.48μm、裏面で6.32μmであった。

0035

[比較例3]
フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を10としたときにワイヤ面への脱水量を2とした以外は、比較例1と同様に抄紙して得られた紙をオンラインソフトカレンダーで線圧80kN/m、ロール温度90℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用紙を得た。
得られたオフセット印刷用紙の密度は0.61g/cm3、王研平滑度は表裏面とも24秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で4.20μm、裏面で5.05μmであった。

0036

[比較例4]
比較例2と同様の条件で抄紙して得られた紙をオフラインスーパーカレンダーで線圧250kN/m、ロール温度105℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用紙を得た。
得られたオフセット印刷用紙の密度は0.91g/cm3、王研平滑度は表面で65秒、裏面で56秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で2.54μm、裏面で2.83μmであった。

0037

[比較例5]
NBKP35部、TMP35部、脱墨新聞古紙パルプ30部からなる原料パルプを用いて、オントップ型抄紙機で、抄速950m/分、フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を4としたときにワイヤ面への脱水量を6とした条件下で抄紙した。次いで、得られた紙をオンラインソフトカレンダーで線圧70kN/m、温度45℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用紙を得た。
得られたオフセット印刷用紙の密度は0.66g/cm3、王研平滑度は表面で25秒、裏面で18秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で3.98μm、裏面で5.43μmであった。

0038

[比較例6]
NBKP6部、TMP25部、脱墨新聞古紙パルプ69部からなる原料パルプを用いて、ツインワイヤ抄紙機で、抄速1050m/分、フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を10としたときにワイヤ面への脱水量を2とした条件下で抄紙した。得られた紙をオンラインシューカレンダーで線圧80kN/m、ロール温度90℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用新聞用紙を得た。
得られたオフセット印刷用新聞用紙の密度は0.61g/cm3、王研平滑度は表裏面とも23秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で4.42μm、裏面で5.35μmであった。

0039

[比較例7]
比較例6と同様の条件で抄紙して得られた紙をオンラインソフトカレンダーで線圧150kN/m、ロール温度105℃にてカレンダー処理してオフセット印刷新聞用紙を得た。得られたオフセット印刷用新聞用紙の密度は0.92g/cm3、王研平滑度は表面で60秒、裏面で52秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で2.81μm、裏面で3.08μmであった。

0040

[比較例8]
NBKP6部、TMP25部、脱墨新聞古紙パルプ69部からなる原料パルプを用いて、オントップ型抄紙機で、抄速950m/分、フォーミング部での湿紙ドライネスを8%とし、両面への脱水比率をフェルト面への脱水量を4としたときにワイヤ面への脱水量を6とした条件下で抄紙した。次いで、得られた紙をオンラインソフトカレンダーで線圧70kN/m、温度45℃にてカレンダー処理してオフセット印刷用新聞用紙を得た。
得られたオフセット印刷用新聞用紙の密度は0.66g/cm3、王研平滑度は表面で22秒、裏面で16秒、三次元表面粗さ標準偏差は表面で4.04μm、裏面で6.13μmであった。

0041

品質評価方法
実施例および比較例で得られたオフセット印刷用紙、オフセット印刷用新聞用紙を試料として、以下の手法を用いて、評価した。評価結果を表1に示す。

0042

<表面微細繊維率>
テープの質量を測定後、試料表面にテープを脱着させて、紙の表面最外層15質量%の紙層を採取し、紙層が付着したテープの質量とテープの質量とから紙層の質量を算出した。
次いで、採取した紙層を5重量%α−アミラーゼ水溶液に24時間浸漬することによりテープから剥離した。
テープから剥離した紙層を離解機で十分離解した後、500 mlの水を加え試料を調製した。この試料を、70℃に加熱し、30分間攪拌して、パルプ縣濁液を得た。
このパルプ縣濁液を、カヤーニ繊維長分布測定器(メッツオートメーション社製)に導入して、100μm以下の微細繊維の数比率を測定した。
紙の表面最外層15質量%の紙層の質量と数比率との積から、紙層内の微細繊維の質量を算出した。
次いで、紙層内の微細繊維の質量と紙層の質量とから表面微細繊維率を算出した。

0043

<三次元表面粗さ>
16.384mm四方の紙表面の凹凸情報を、レーザー変位計(キーエンス社製)を用いて解像度4μmで測定し、周波数解析技術を用いて800μm以上の長波長帯成分を除去して、標準偏差を求めた。

0044

<十点平均粗さ>
JIS−B 0651に規定される触針式表面粗さ測定器(小坂研究所社製)で、JIS−B 0601に従って十点平均粗さを測定した。

0045

印刷濃度
オフセット輪転印刷機で試料に印刷し、そのベタ印刷部の印刷濃度をマクベス濃度計(グレタグマクベス社製)で計測した。なお測定には、白黒モードを使用した。

0046

白紙面感
オフセット輪転印刷機でオフセット印刷用紙に印刷し、その白紙部の面感目視評価した。良好なものを◎、やや良好なものを○、明らかに劣るものを×とした。

0047

印刷仕上がり
オフセット輪転印刷機で試料に印刷し、6時間後にマクベス濃度を測定することで、印刷濃度とした。
また、墨ベタ印刷部の印刷仕上がりを目視評価した。良好なものを◎、やや良好なものを○、明らかに劣るものを×とした。

0048

<インキの浸み込み>
オフセット輪転印刷機で試料に印刷し、2分以内に墨ベタ印刷部紙面を木綿布で拭くことで、インキの浸み込みを評価した。
木綿布に付着したインキを目視評価した。インキの付着なく良好なものを◎、やや良好なものを○、明らかに劣るものを×とした。

0049

0050

0051

本発明のオフセット印刷用紙は、低密度でありながら、表面平滑性、強度、紙くせ等の印刷適性に優れるので、新聞紙、折込広告等の印刷用紙に適し、さらには高精細印刷を可能にするので、ポスターカタログパンフレットリーフレット、カレンダーまたは雑誌等として利用できる。また、本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、高精細印刷が可能なため多色カラー印刷に対応可能である。

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