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技術 細胞培養容器

出願人 アトー株式会社国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 近江谷克裕山岸和敏榎本敏照
出願日 2006年2月2日 (14年11ヶ月経過) 出願番号 2006-053759
公開日 2007年8月16日 (13年4ヶ月経過) 公開番号 2007-202542
状態 拒絶査定
技術分野 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 培養液容器 ペリスタルティック エアトラップ 基底面 シリンジ針 除去操作 培養液体 倒立型顕微鏡
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この項目の情報は公開日時点(2007年8月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

灌流培養において、培養液内への気泡蓄積による培養液量の減少を抑えることにより、培養液量を一定に維持し、長期間の灌流培養を可能にする細胞培養容器を提供する。

解決手段

培養液容器内の底部に培養液溜り部分を設け、該培養液容器内から容器外へと培養液を排出するための排出管の先端を該培養液溜りの液面と接するように配置することによって上記培養液溜りから気泡を除去する。

概要

背景

細胞を培養するための一手法である灌流培養は、送液ポンプなどを用いて連続的に培養液を流す培養方法であり、細胞への栄養分供給やガス交換老廃物の除去などを効率よく行うことができることが知られている。また、この培養方法は連続的に培養液を供給、排出できることから、細胞への薬剤投与による応答性を調べたり、細胞からの分泌物回収する目的などにも用いられている。

灌流培養用の細胞培養容器には目的に応じてさまざまな様式があるが、培養容器に外部からの配管を接続できるようになっているという基本構造は共通である。測定・観察用として一般的な灌流培養容器の一例を図2に示す。培養液容器9は、細胞を付着させるための平板状の基底面12と培養液を保持するための側壁13とで囲まれ、蓋14で密閉されるような構造になっている。また、培養液を培養液容器9に注ぎ入れるための注入管10と、培養液を培養液容器9から排出させるための排出管11とが側壁13に設けてある。

このような細胞培養容器を用いて実際に灌流培養する際には、始めは培養液容器9が培養液で完全に満たされた状態になるが、徐々に配管内で発生した気泡が培養液容器9へ混入する。混入した気泡は培養液容器9の上層に留まり排出管から出て行き難い。そして次第に気泡が培養液容器9に蓄積していくと共に培養液容器9内の培養液量は減ってしまう。培養液量の減少は、栄養分の供給の効率低下に因り細胞の生育の妨げにつながる。また最悪の場合、培養液容器9内がほとんど気体で占められるまでに達し、培養液は基底面の隅を側壁に沿ってわずかに流れていくのみとなってしまい細胞が死滅してしまう結果となる。

培養液体からの気泡の発生を防ぐ手段としては脱気があるが、細胞を生育させるためには酸素供給が不可欠であるため培養液を脱気することはできない。灌流培養液容器9の気泡の蓄積を防ぐ手段は、ある程度気泡が蓄積したところで培養液容器9に注射器を刺し込んで気泡を吸い出す方法や、培養容器へ接続する配管にエアトラップを設けて発生した気泡を除外する方法が採られている。しかし、前者の方法の場合は実験者が気泡の蓄積を監視してその都度除去操作を行わなければならず煩雑であり、後者の方法の場合はエアトラップと培養液溜りの間、および培養液容器内で発生した気泡は除外できない。

概要

灌流培養において、培養液内への気泡の蓄積による培養液量の減少を抑えることにより、培養液量を一定に維持し、長期間の灌流培養を可能にする細胞培養容器を提供する。培養液容器内の底部に培養液溜り部分を設け、該培養液容器内から容器外へと培養液を排出するための排出管の先端を該培養液溜りの液面と接するように配置することによって上記培養液溜りから気泡を除去する。

目的

本発明は、灌流培養において、培養液溜り内への気泡の蓄積による培養液量の減少を抑えることにより培養液量を一定に維持し、長期間の灌流培養を可能にする細胞培養容器を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

培養液灌流しながら細胞を培養するための細胞培養容器であって、上面は蓋で密閉し、外部から培養液を流し入れ上記容器内に培養液溜りを作るための注入管と、該培養液溜りから上方外部へと培養液を排出するための排出管を取り付け、培養液溜りの培養液液面と排出管の容器内の先端とが上方から接するように配置して、上記培養液溜り内で発生あるいは培養液溜り内に混入した気泡を上記培養液溜りから除去し、培養液容器の培養液を一定の液量に維持することを特徴とする細胞培養容器。

技術分野

0001

本発明は,細胞培養液薬剤を連続的に供給して灌流培養するための細胞培養容器に関する。

背景技術

0002

細胞を培養するための一手法である灌流培養は、送液ポンプなどを用いて連続的に培養液を流す培養方法であり、細胞への栄養分供給やガス交換老廃物の除去などを効率よく行うことができることが知られている。また、この培養方法は連続的に培養液を供給、排出できることから、細胞への薬剤の投与による応答性を調べたり、細胞からの分泌物回収する目的などにも用いられている。

0003

灌流培養用の細胞培養容器には目的に応じてさまざまな様式があるが、培養容器に外部からの配管を接続できるようになっているという基本構造は共通である。測定・観察用として一般的な灌流培養容器の一例を図2に示す。培養液容器9は、細胞を付着させるための平板状の基底面12と培養液を保持するための側壁13とで囲まれ、蓋14で密閉されるような構造になっている。また、培養液を培養液容器9に注ぎ入れるための注入管10と、培養液を培養液容器9から排出させるための排出管11とが側壁13に設けてある。

0004

このような細胞培養容器を用いて実際に灌流培養する際には、始めは培養液容器9が培養液で完全に満たされた状態になるが、徐々に配管内で発生した気泡が培養液容器9へ混入する。混入した気泡は培養液容器9の上層に留まり排出管から出て行き難い。そして次第に気泡が培養液容器9に蓄積していくと共に培養液容器9内の培養液量は減ってしまう。培養液量の減少は、栄養分の供給の効率低下に因り細胞の生育の妨げにつながる。また最悪の場合、培養液容器9内がほとんど気体で占められるまでに達し、培養液は基底面の隅を側壁に沿ってわずかに流れていくのみとなってしまい細胞が死滅してしまう結果となる。

0005

培養液体からの気泡の発生を防ぐ手段としては脱気があるが、細胞を生育させるためには酸素供給が不可欠であるため培養液を脱気することはできない。灌流培養液容器9の気泡の蓄積を防ぐ手段は、ある程度気泡が蓄積したところで培養液容器9に注射器を刺し込んで気泡を吸い出す方法や、培養容器へ接続する配管にエアトラップを設けて発生した気泡を除外する方法が採られている。しかし、前者の方法の場合は実験者が気泡の蓄積を監視してその都度除去操作を行わなければならず煩雑であり、後者の方法の場合はエアトラップと培養液溜りの間、および培養液容器内で発生した気泡は除外できない。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、灌流培養において、培養液溜り内への気泡の蓄積による培養液量の減少を抑えることにより培養液量を一定に維持し、長期間の灌流培養を可能にする細胞培養容器を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するため、培養液容器内の底部に培養液溜り部分を設け、該培養液容器内から培養液容器外へと培養液を排出するための排出管の先端を培養液溜りの液面と接するように配置することによって、培養液溜り内に発生あるいは培養液溜り内へ混入した気泡が蓄積するのを防ぐために培養液溜りから気泡を除去し、培養液溜り内の培養液を一定の液量に維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。

発明の効果

0008

本発明による細胞培養容器を用いることで、細胞の灌流培養において、培養液溜り内の気泡の蓄積による培養液量の減少を防ぐことができ、液位を一定に維持できる。そして、本発明による細胞培養容器があれば、他に特別な器具を用意したり、培養中に実験者が特別な操作をすることなく上記効果を得ることができるので簡便である。

発明を実施するための最良の形態

0009

図1は本発明実施による最良の形態の細胞培養容器を示したもので、図1(A)は上面図、図1(B)は縦断面図である。培養液溜り4は、細胞を付着させるための平板状の基底面5が底となり、培養液保持のための側壁で囲まれ、培養容器は、上から蓋6で密閉される。蓋6には注入管2および排出管3が設けてあり、これらの管を通じて培養液の注入、排出を行う。排出管の容器内先端8の位置は、培養液溜り4の液面に接するように調整する。
以上のように配置された排出管を備えることにより、培養液溜り4の培養液液面7が規定位置に維持されることを以下、詳細に説明する。

0010

図1に示す細胞培養容器1において、注入管2から培養液容器内に入り込む培養液は培養液溜り4の液位を上昇させる。そして、液面7が規定位置に達すると、その液面が排出管先端8と接し、排出管3から培養液容器外へ培養液が排出される。培養液を長時間流し入れていると、度々、培養液溜り4内の培養液に気泡が発生、あるいは注入管を通じて気泡が混入し始める。気泡は培養液溜り4の上方に浮き上がるか、あるいは培養液溜り4の側壁の表面に付着する。この付着した気泡も徐々に成長してある程度大きくなると上方へ浮き上がってくる。

0011

培養液容器1は密閉されているので、気泡の蓄積によって培養液の液面7が規定より押し下げられる。すると、排出管先端8と培養液面とが離れ、培養液が排出管3から排出されなくなる。一方で注入管2からの培養液の流入は継続しているので培養液溜り4の液面は上昇する。この上昇に押されて排出管3から培養液溜り4内の空気が排出される。培養液の液面7が上がると、排出管先端8と培養液面とが接するようになり、再び排出管3から培養液が排出されるようになる。これら挙動の繰り返しにより、培養液溜り4内への気泡の蓄積で増えた余分な空気が排出され、液面7を規定に維持することができる。

0012

次に、本発明による実施の一例を説明する。
まず、図1に示すような細胞培養容器1を作製するのに市販の12穴培養プレートを培養液溜り4として利用し、シリコーン栓をカットして蓋6とした。この蓋に穴を2箇所開け、これらの穴へ内径1mmのピークチューブを挿入し、それぞれ注入管2、排出管3とした。排出管先端8の高さ位置は、培養液溜り4として0.5mLの培養液を入れた際の液面に接するように調整した。また、以下の方法により培養液溜り4の基底面5にコラーゲンコーティングした。

0013

タイプIコラーゲンのpH3.0、1mM希塩酸溶液を培養液容器1に注いで基底面5に薄く引き伸ばし余分な液を吸い出した。そしてクリーンベンチで乾燥させた後、リン酸緩衝液で2回洗浄した。
次にこの細胞培養容器を用いて灌流培養を行うための準備を行った。まず2種類の培養液を以下のようにして調製した。
培養液(A):ダルベッコ改変イーグル培地ウシ胎仔血清を10%になるように加える。
培養液(B):培養液(A)にHEES(pH7.2)緩衝液を20mMになるように加える。
ラット繊維芽細胞株Rat1を1×105個/mLになるように培養液(A)に懸濁し、この細胞懸濁液0.5mLを細胞培養容器1に注いで培養液溜り4とし、37℃、5%CO2に設定した恒温槽静置培養した。

0014

2日間培養した後、細胞培養容器1を恒温槽から取り出し、培養液溜り4の培養液を培養液(B)0.5mLに交換した。また、灌流培養前後での細胞の状態を比較するため、倒立型顕微鏡で細胞を観察し、顕微鏡に接続したCCDカメラで画像を撮影した。その画像を図4(A)に示す。

0015

続いて、灌流培養を行うために、細胞培養容器1を図3に示すような装置内に接続し装置全体を37℃恒温槽内に設置した。細胞培養容器1の注入管、排出管にそれぞれシリコーン製で内径1mmの送液チューブ20を接続し、注入管側の送液チューブの先に培養液ボトル16を、排出管側の送液チューブの先に排液ボトル17を接続した。培養液ボトル16には培養液(B)を200mL入れ、雑菌などが混入しないよう密栓してエア・フィルタ18を接続した。また、排液ボトル17も同様に密栓してエア・フィルタ18を接続した。さらに、培養液ボトル16と細胞培養容器1の間の送液チューブ20にペリスタルティック型の送液ポンプ19を接続した。そして培養液が培養液ボトル16から細胞培養容器1の方向へ流速1mL/hで流れるように送液ポンプ19を設定し、送液を開始した。

0016

4日間灌流培養を継続させた後、細胞培養容器を観察すると、培養液溜り内の培養液は0.5mLに保たれていた。また、倒立顕微鏡で細胞を観察し、顕微鏡に接続したCCDカメラで画像を撮影した。図4(B)にその画像を示す。この画像から、衰弱や死による細胞の培養液溜りの底面からの剥離がほとんど見られず、4日間、細胞の生育が良好に維持されていたことが示された。

0017

次に性能の比較の為、図2に示すような従来型の細胞培養容器を用いて同様の培養実験を行った。まず、従来型の細胞培養容器9の作製について説明する。厚さ3mm、縦26mm×横40mmのシリコーン・シートの中央に直径16mmの穴をあけ、これを厚さ1mm、縦26mm×横76mmのスライドガラスの上面に密着させ培養容器9を作製した。また、以下の方法により培養容器9の基底面12にコラーゲンをコーティングした。

0018

タイプIコラーゲンのpH3.0、1mM希塩酸溶液を培養容器9に注いで薄く引き伸ばし、余分な液を吸い出した。そしてクリーンベンチで乾燥させた後、リン酸緩衝液で2回洗浄した。

0019

次に、ラット繊維芽細胞株Rat1を1×105個/mLになるように培養液(A)に懸濁し、この細胞懸濁液0.6mLを培養容器9に注いで、37℃、5%CO2に設定した恒温槽で静置培養した。2日間培養した後、細胞培養容器を恒温槽から取り出し、この培養液を培養液(B)0.6mLに交換した。そして、培養容器9に用いたものと同じサイズのスライドガラスを培養液上面に被せて密着させて細胞培養容器の蓋14とし、液漏れを防ぐために上下のスライドガラスをクリップで挟んだ。また、灌流培養前後での細胞の状態を比較するため、倒立型顕微鏡で細胞を観察し、顕微鏡に接続したCCDカメラで画像を撮影した。その画像を図5(A)に示す。

0020

続いて、内径0.7mmのシリンジ針を培養容器9の左右の側面から差し込み、それぞれ注入管10、排出管11とし、灌流培養を行うために、図3に示すような装置を組み立てた。ただし、図3に示す細胞培養容器15を図2に示す従来型の培養容器9に置き換えた。培養容器9の注入管側の送液チューブの先に培養液ボトル16を、排出管側の送液チューブの先に排液ボトル17を接続し、培養液ボトル16には培養液(B)を200mL入れ、雑菌などが混入しないよう密栓してエア・フィルタ18を接続した。また、排液ボトル17も同様に密栓してエア・フィルタ18を接続した。さらに、培養液ボトル16と培養容器9の間の送液チューブ20にペリスタルティック型の送液ポンプ19を接続し、装置全体を37℃恒温槽内に設置した。そして培養液が培養液ボトル16から培養容器9の方向へ流速1mL/hで流れるように送液ポンプ19を設定し、送液を開始した。

0021

4日間灌流培養を継続させた後、細胞培養容器を観察すると、培養容器内のほとんどが空気層で満たされており、培養液は基底面の隅を側壁に沿って流れていくのみであった。また、倒立顕微鏡で細胞を観察し、顕微鏡に接続したCCDカメラで画像を撮影した。図5(B)にその画像を示す。この画像から、細胞は当初の形態と大きく異なり小さく萎縮しており、剥離している箇所も多く見られ、ほとんど死滅していると判断できる状態であった。

図面の簡単な説明

0022

本発明による細胞培養容器の実施例を示す上面図(A)及び縦断面図(B)である。従来の灌流培養用細胞培養容器の一例を示す上面図(A)及び縦断面図(B)である。本発明による細胞培養容器を用いた灌流培養を示す装置全体の図である。本発明による細胞培養容器を用いた灌流培養前後の細胞の顕微鏡画像である。従来の細胞培養容器を用いた灌流培養前後の細胞の顕微鏡画像である。

符号の説明

0023

1細胞培養容器
2培養液注入管
3 培養液排出管
4培養液溜り
5基底面
6 蓋
7 培養液溜り液面
8 排出管先端
9培養液容器
10 培養液注入管
11 培養液排出管
12 基底面
13側壁
14 蓋
15 細胞培養容器
16 培養液ボトル
17排液ボトル
18 エア・フィルタ
19 送液ポンプ
20 送液チューブ
21 培養液
22 細胞

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