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技術 粉末充填装置及び粉末充填方法、並びに成形装置、成形方法、希土類焼結磁石の製造方法

出願人 TDK株式会社
発明者 國吉陽一大竹茂樹此本秀司坂元圭太郎佐藤和生
出願日 2006年1月24日 (14年10ヶ月経過) 出願番号 2006-015540
公開日 2007年8月9日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2007-196244
状態 特許登録済
技術分野 粉体及び可塑状体プレス コア、コイル、磁石の製造 粉末冶金 硬質磁性材料
主要キーワード 搬送ガス流 シャッタ構造 粉詰まり 回転フィーダ 充填対象 摺動ストローク 直交磁界 隔壁面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

シャッタ構造を採用した定量充填方式の粉末充填装置及び粉末充填方法において、シャッタ動作ストロークを最小限に抑え、装置の大型化を回避する。

解決手段

複数のキャビティ3A,3Bに成形用粉末を定量充填する粉末充填装置である。底面に開口部41a,42aを有するカップ部41,42が各キャビティ3A,3Bに対応してフィーダボックス4に複数設けられるとともに、少なくとも1つのカップ部の開口を開閉するシャッタが独立に動作可能に設置されている。例えば、各カップ部41,42にそれぞれシャッタ43,44が設置され、これらがキャビティ3A,3Bの配列方向において互いに反対方向に動作する。あるいは、一方のカップ部41にはシャッタ43が設置され、他方のカップ部42には開口51aを有する底面板51が固定され、前記シャッタ43のみが開閉される。

概要

背景

例えばNd−Fe−B磁石に代表されるR−T−B系(Rは、希土類元素の1種以上である。Tは、Feを必須とし、必要に応じてその他の遷移金属元素を含む。)焼結磁石(いわゆる希土類焼結磁石)は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。このような状況から、希土類焼結磁石の磁気特性を向上するための研究開発や、品質の高い希土類焼結磁石を製造するための製造方法の改良等が各方面において進められている。

希土類焼結磁石の製造方法としては、粉末冶金法が一般的であり、具体的には、所望組成原料合金を用い、粗粉砕→微粉砕成形焼結といった工程を経て製造されている。すなわち、前記希土類焼結磁石を作製するには、粉砕により形成した希土類合金原料粉末成形装置金型キャビティ内充填して所定の形状の成形体に成形し、これを焼結して焼結体とする。

前述の製造プロセスにおいて、金型キャビティ内への成形用粉末(希土類合金原料粉末)の充填性が成形体の密度等に影響を及ぼすことから、金型キャビティ内への成形用粉末の均一な充填が要望されており、いわゆる擦り切り充填法や定量充填法が検討されている。擦り切り充填法は、底面が開放されたフィーダボックス金型キャビティ上で往復動させ、金型キャビティ内に成形用粉末を擦り切りにより充填する方法である。定量充填法は、フィーダボックス内に一定量の成形用粉末を計量して供給し、これを全量金型キャビティ内に充填する方法である。

これらの中で、前者(擦り切り充填法)は、装置構成を簡略化できるというメリットを有するが、ロット内での重量ばらつき寸法ばらつき、密度ばらつきが大きくなる傾向にあり、前記希土類焼結磁石の製造に適用した場合、焼結時に変形やクラックを引き起こす危険性があるといった欠点を有する。

後者(定量充填法)は、キャビティ毎に成形用粉末を計量して充填するので、前記ロット内での重量ばらつきが少なく、焼結時の変形やクラックも抑制し得るという特徴を有する。ただし、一度に複数のキャビティに充填を行う多数個取りの定量充填を行う場合、これらキャビティに対応して複数のカップ部を設けるとともに、各カップ部の成形用粉末が対応するキャビティ内に正確に充填されるよう、何らかの工夫が必要となる。

そこで、例えばシャッタ構造を付加したり、ホッパ内に回転動作するフィーダを設置することが検討されている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。

特許文献1記載の発明は、高さ寸法や密度バラツキ精度の向上、生産性の増強等を目的とした多数個取り粉末成形プレスに関するものであり、その段落番号0020には、7個の給粉ホッパの直下にシャッタエアシリンダとが設けられることが記載されている。シャッタには、7個の給粉ホッパの底口と略同一の円形状に形成した7個の孔を底口と同じ配列パターンの位置に穿孔させていて、エアシリンダのロッド伸縮作動に伴ってシャッタを水平移動させ、7個の孔を各底孔に全て合致させる一斉開口状態と一斉閉口状態とに切り換え動作し得るようになっている。

特許文献2記載の発明は、キャビティ内の粉末の充填むらが生じない給粉装置給粉方法及びプレス装置を提供するものであり、給粉装置の給粉箱内には、キャビティに粉末を供給するためのホッパ、ホッパに粉末を供給するための回転フィーダ、ホッパを振動させる振動発生装置が設けられている。特許文献2記載の発明の給粉装置では、前記回転フィーダの回転によりホッパ内に粉末を供給するようにしている。
特開2004−130333号公報
特開2001−9595号公報

概要

シャッタ構造を採用した定量充填方式の粉末充填装置及び粉末充填方法において、シャッタの動作ストロークを最小限に抑え、装置の大型化を回避する。 複数のキャビティ3A,3Bに成形用粉末を定量充填する粉末充填装置である。底面に開口部41a,42aを有するカップ部41,42が各キャビティ3A,3Bに対応してフィーダボックス4に複数設けられるとともに、少なくとも1つのカップ部の開口を開閉するシャッタが独立に動作可能に設置されている。例えば、各カップ部41,42にそれぞれシャッタ43,44が設置され、これらがキャビティ3A,3Bの配列方向において互いに反対方向に動作する。あるいは、一方のカップ部41にはシャッタ43が設置され、他方のカップ部42には開口51aを有する底面板51が固定され、前記シャッタ43のみが開閉される。

目的

本発明は、前述のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、シャッタ構造を採用した定量充填方式の粉末充填装置及び粉末充填方法において、シャッタの動作ストロークを最小限に抑え、装置の大型化を回避することを目的とする。さらに、本発明は、装置構成を小型化、簡略化しながら成形用粉末を定量充填することができ、成形される成形体の密度の不均一化やクラックの発生を解消することが可能な成形装置及び成形方法を提供することを目的とし、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造し得る希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

複数のキャビティ成形用粉末定量充填する粉末充填装置であって、底面に開口を有するカップ部が各キャビティに対応してフィーダボックスに複数設けられるとともに、少なくとも1つのカップ部の開口を開閉するシャッタが独立に動作可能に設置されていることを特徴とする粉末充填装置。

請求項2

前記フィーダボックスが一対のキャビティの配列方向に沿って前進及び後退され、これら一対のキャビティに対応する各カップ部にそれぞれ独立に動作可能なシャッタが設置されていることを特徴とする請求項1記載の粉末充填装置。

請求項3

前記各シャッタは、前記キャビティの配列方向において互いに反対方向に動作することを特徴とする請求項2記載の粉末充填装置。

請求項4

前記フィーダボックスが一対のキャビティの配列方向に沿って前進及び後退され、前進時に後方に位置するカップ部の底面には、前記シャッタと略同一の厚さを有するとともにカップ部の開口に対応した開口を有する底面板が固定されていることを特徴とする請求項1記載の粉末充填装置。

請求項5

前記底面板は隣接するカップ部の開口の周囲まで延在されており、当該底面板により構成される凹部内において他方のカップ部のシャッタが動作されることを特徴とする請求項4記載の粉末充填装置。

請求項6

前記シャッタが設けられたカップ部の開口の開口縁から前記底面板までの距離が0.5mm〜10mmであることを特徴とする請求項5記載の粉末充填装置。

請求項7

各カップ部の隔壁が傾斜面とされていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の粉末充填装置。

請求項8

複数のキャビティに成形用粉末を定量充填する粉末充填装置であって、底面に開口を有するカップ部が各キャビティに対応してフィーダボックスに複数設けられるとともに、各カップ部の隔壁が傾斜面とされ、各カップ部が各キャビティ上に位置した成形用粉末充填状態でフィーダボックスが摺動されることを特徴とする粉末充填装置。

請求項9

複数のキャビティに成形用粉末を定量充填する粉末充填方法であって、フィーダボックスに各キャビティに対応して設けられ底面に開口を有する複数のカップ部にそれぞれ所定量の成形用粉末を計量して供給するとともに、少なくとも1つのカップ部の開口を独立に動作するシャッタの操作により開閉し、当該カップ部内の成形用粉末を対応するキャビティ内に充填することを特徴とする粉末充填方法。

請求項10

前記フィーダボックスを一対のキャビティの配列方向に沿って前進及び後退させることにより各キャビティ内の成形用粉末を各キャビティ内に充填するに際し、これら一対のキャビティに対応するカップ部に設置される各シャッタをそれぞれ独立に動作させ、各カップ部内の成形用粉末を各キャビティ内に充填することを特徴とする請求項9記載の粉末充填方法。

請求項11

一対のキャビティの配列方向に沿って前進及び後退させることにより各キャビティ内の成形用粉末を各キャビティ内に充填するに際し、前進時に前方に位置するカップ部においては、シャッタの動作による開閉操作によりカップ部内の成形用粉末をキャビティ内に充填し、前進時に後方に位置するカップ部においては、開放された開口がキャビティ上に位置することによりカップ部内の成形用粉末をキャビティ内に充填することを特徴とする請求項9記載の粉末充填方法。

請求項12

前記カップ部の隔壁を傾斜面とし、キャビティの間隔以上のストロークで前記フィーダボックスを摺動し、各カップ部内の成形用粉末を各キャビティ内に充填することを特徴とする請求項9から11のいずれか1項記載の粉末充填方法。

請求項13

複数のキャビティに成形用粉末を定量充填する粉末充填方法であって、フィーダボックスに各キャビティに対応して設けられ底面に開口を有する複数のカップ部にそれぞれ所定量の成形用粉末を計量して供給するとともに、当該カップ部内の成形用粉末を対応するキャビティ内に充填するに際し、前記カップ部の隔壁を傾斜面とし、キャビティの間隔以上のストロークで前記フィーダボックスを摺動し、各カップ部内の成形用粉末を各キャビティ内に充填することを特徴とする粉末充填方法。

請求項14

請求項1から8のいずれか1項記載の粉末充填装置を備えていることを特徴とする成形装置

請求項15

請求項14記載の成形装置により成形用粉末を成形することを特徴とする成形方法

請求項16

前記成形用粉末が希土類磁石原料合金粉末であることを特徴とする請求項15記載の成形方法。

請求項17

請求項14記載の成形装置により希土類磁石原料合金粉末を成形し、これを焼結して希土類焼結磁石とすることを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、成形用粉末金型キャビティ内定量充填するための粉末充填装置及び粉末充填方法に関するものであり、さらには、前記粉末充填装置を適用した成形装置成形方法希土類焼結磁石の製造方法に関する。

背景技術

0002

例えばNd−Fe−B磁石に代表されるR−T−B系(Rは、希土類元素の1種以上である。Tは、Feを必須とし、必要に応じてその他の遷移金属元素を含む。)焼結磁石(いわゆる希土類焼結磁石)は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。このような状況から、希土類焼結磁石の磁気特性を向上するための研究開発や、品質の高い希土類焼結磁石を製造するための製造方法の改良等が各方面において進められている。

0003

希土類焼結磁石の製造方法としては、粉末冶金法が一般的であり、具体的には、所望組成原料合金を用い、粗粉砕→微粉砕成形焼結といった工程を経て製造されている。すなわち、前記希土類焼結磁石を作製するには、粉砕により形成した希土類合金原料粉末を成形装置の金型キャビティ内に充填して所定の形状の成形体に成形し、これを焼結して焼結体とする。

0004

前述の製造プロセスにおいて、金型キャビティ内への成形用粉末(希土類合金原料粉末)の充填性が成形体の密度等に影響を及ぼすことから、金型キャビティ内への成形用粉末の均一な充填が要望されており、いわゆる擦り切り充填法や定量充填法が検討されている。擦り切り充填法は、底面が開放されたフィーダボックス金型キャビティ上で往復動させ、金型キャビティ内に成形用粉末を擦り切りにより充填する方法である。定量充填法は、フィーダボックス内に一定量の成形用粉末を計量して供給し、これを全量金型キャビティ内に充填する方法である。

0005

これらの中で、前者(擦り切り充填法)は、装置構成を簡略化できるというメリットを有するが、ロット内での重量ばらつき寸法ばらつき、密度ばらつきが大きくなる傾向にあり、前記希土類焼結磁石の製造に適用した場合、焼結時に変形やクラックを引き起こす危険性があるといった欠点を有する。

0006

後者(定量充填法)は、キャビティ毎に成形用粉末を計量して充填するので、前記ロット内での重量ばらつきが少なく、焼結時の変形やクラックも抑制し得るという特徴を有する。ただし、一度に複数のキャビティに充填を行う多数個取りの定量充填を行う場合、これらキャビティに対応して複数のカップ部を設けるとともに、各カップ部の成形用粉末が対応するキャビティ内に正確に充填されるよう、何らかの工夫が必要となる。

0007

そこで、例えばシャッタ構造を付加したり、ホッパ内に回転動作するフィーダを設置することが検討されている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。

0008

特許文献1記載の発明は、高さ寸法や密度バラツキ精度の向上、生産性の増強等を目的とした多数個取り粉末成形プレスに関するものであり、その段落番号0020には、7個の給粉ホッパの直下にシャッタエアシリンダとが設けられることが記載されている。シャッタには、7個の給粉ホッパの底口と略同一の円形状に形成した7個の孔を底口と同じ配列パターンの位置に穿孔させていて、エアシリンダのロッド伸縮作動に伴ってシャッタを水平移動させ、7個の孔を各底孔に全て合致させる一斉開口状態と一斉閉口状態とに切り換え動作し得るようになっている。

0009

特許文献2記載の発明は、キャビティ内の粉末の充填むらが生じない給粉装置給粉方法及びプレス装置を提供するものであり、給粉装置の給粉箱内には、キャビティに粉末を供給するためのホッパ、ホッパに粉末を供給するための回転フィーダ、ホッパを振動させる振動発生装置が設けられている。特許文献2記載の発明の給粉装置では、前記回転フィーダの回転によりホッパ内に粉末を供給するようにしている。
特開2004−130333号公報
特開2001−9595号公報

発明が解決しようとする課題

0010

これら技術の中で、特許文献2に記載されるような回転フィーダを設置する構成では、装置構造が煩雑なものとなり、充填動作も複雑で、さらには計量された粉末が回転フィーダとホッパの2段階の落下を経ることになり、各段階での損失が累積されて最終的に充填される粉末量にばらつきが生ずる可能性もある。

0011

これに対して、特許文献1に記載されるようなシャッタ構造による底口の開閉は、比較的簡単な構成で多数個取りの定量充填が可能であるという利点を有している。ただし、特許文献1記載の発明のように複数の底口を一斉に開口あるいは閉口するようなシャッタ構造を採用した場合、シャッタの動作ストロークを大きくしたり、あるいはキャビティ間の距離を大きくする必要が生じ、装置の大型化を招くという問題がある。

0012

本発明は、前述のような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、シャッタ構造を採用した定量充填方式の粉末充填装置及び粉末充填方法において、シャッタの動作ストロークを最小限に抑え、装置の大型化を回避することを目的とする。さらに、本発明は、装置構成を小型化、簡略化しながら成形用粉末を定量充填することができ、成形される成形体の密度の不均一化やクラックの発生を解消することが可能な成形装置及び成形方法を提供することを目的とし、希土類焼結磁石を歩留まり良く製造し得る希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

前述の目的を達成するために、本発明の粉末充填装置は、複数のキャビティに成形用粉末を定量充填する粉末充填装置であって、底面に開口を有するカップ部が各キャビティに対応してフィーダボックスに複数設けられるとともに、少なくとも1つのカップ部の開口を開閉するシャッタが独立に動作可能に設置されていることを特徴とする。

0014

また、本発明の粉末充填方法は、複数のキャビティに成形用粉末を定量充填する粉末充填方法であって、フィーダボックスに各キャビティに対応して設けられ底面に開口を有する複数のカップ部にそれぞれ所定量の成形用粉末を計量して供給するとともに、少なくとも1つのカップ部の開口を独立に動作するシャッタの操作により開閉し、当該カップ部内の成形用粉末を対応するキャビティ内に充填することを特徴とする。

0015

本発明の粉末充填装置及び粉末充填方法においては、シャッタ構造を採用し、キャビティに対応して設置されたカップ部の計量供給された成形用粉末を、シャッタの開閉動作によりキャビティ内に充填するようにしている。したがって、例えばカップ部に回転フィーダのような煩雑な機構を設ける必要がなく、装置構成が簡略化される。

0016

2つのカップ部のシャッタを一括して動作させる場合、キャビティ間隔を大きくして、これらキャビティ間に一方のカップ部のシャッタが配置されるようにすれば、動作ストロークを抑えることが可能である。しかしながら、キャビティ間の隙間にシャッタを配置して成形用粉末を充填する構造は、多数個取り(例えば2個取り)で得られる効率等のメリット以上に、装置全体を大きくしてしまうデメリットの方が圧倒的に大きく、現実的ではない。例えば、金型磁場印加のための磁気回路等、全てを大きくする必要があり、甚だ非効率となる。特に、磁気回路への影響は大きく、広い面積に対して所定の磁場を印加する必要が生じ、コイル電源を大きくする必要が生ずる。本発明では、キャビティ間の隙間にシャッタを配置する構造を採る必要がないので、装置全体を大きくしてしまうデメリットが回避され、小さな動作ストロークでの開閉操作や装置の大型化の抑制が実現され、現実に即した構成と言える。

0017

前述のように、各カップ部のシャッタを独立に動作させる場合、成形用粉末の噛み込みを最小限に抑え、いわゆる粉詰まりによる動作不良を解消することが望まれる。この粉詰まり対策としての構成が本願の請求項4から6記載の発明である。すなわち、本願の請求項4記載の発明は、前記フィーダボックスが一対のキャビティの配列方向に沿って前進及び後退され、前進時に後方に位置するカップ部の底面には、前記シャッタと略同一の厚さを有するとともにカップ部の開口に対応した開口を有する底面板が固定されていることを特徴とするものであり、請求項5記載の発明は、前記底面板は隣接するカップ部の開口の周囲まで延在されており、当該底面板により構成される凹部内において他方のカップ部のシャッタが動作されることを特徴とするものであり、請求項6記載の発明は、前記シャッタが設けられたカップ部の開口の開口縁から前記底面板までの距離が0.5mm〜10mmであることを特徴とするものである。これらの構成を採用することにより、成形用粉末のシャッタ間、あるいはシャッタとフィーダボックス間の噛み込みが最小限に抑えられ、粉詰まりによる動作不良が解消される。

0018

一方、正確な定量充填を可能とするという目的を達成するために、本発明の粉末充填装置は、複数のキャビティに成形用粉末を定量充填する粉末充填装置であって、底面に開口を有するカップ部が各キャビティに対応してフィーダボックスに複数設けられるとともに、各カップ部の隔壁が傾斜面とされ、各カップ部が各キャビティ上に位置した成形用粉末充填状態でフィーダボックスが摺動されることを特徴とし、さらに、本発明の粉末充填方法は、複数のキャビティに成形用粉末を定量充填する粉末充填方法であって、フィーダボックスに各キャビティに対応して設けられ底面に開口を有する複数のカップ部にそれぞれ所定量の成形用粉末を計量して供給するとともに、当該カップ部内の成形用粉末を対応するキャビティ内に充填するに際し、前記カップ部の隔壁を傾斜面とし、キャビティの間隔以上のストロークで前記フィーダボックスを摺動し、各カップ部内の成形用粉末を各キャビティ内に充填することを特徴とする。

0019

カップ部の隔壁を傾斜面とすることで、キャビティ間隔以上の摺動ストロークでの摺動が可能になり、その結果、摺動ストロークが十分に確保され、成形用粉末のカップ部内への残存が確実に解消される。

0020

前述の各粉末充填装置及び粉末充填方法を、成形装置及び成形方法に適用することで、成形装置の小型化、簡略化にも繋がり、また均一且つ安定な成形が実現され、クラック等の問題も回避される。さらにまた、希土類焼結磁石の製造方法に適用することで、作製される希土類焼結磁石の寸法精度や磁気特性が確保され、また歩留まりも向上する。

発明の効果

0021

本発明の粉末充填装置及び粉末充填方法によれば、成形用粉末を確実に全量充填することができ、かつキャビティ間にて均一に充填することが可能である。また、回転フィーダ等の複雑な機構が不要であるので、装置構成を簡略化することができ、シャッタの動作ストロークを抑えることができるので、装置の大型化を抑制することも可能である。さらに、シャッタの動作ストロークの削減は、動作の円滑化や充填時間の短縮にも繋がり、生産性の向上や動作不良の減少等の効果も得ることができる。また、シャッタ周辺を適正に設計することにより、成形用粉末の噛み込みを最小限に抑えることができ、粉詰まりによる動作不良を解消することができる。さらにまた、カップ部の隔壁を傾斜面とし、成形用粉末充填時に十分なストロークで摺動操作することにより、成形用粉末のカップ部内への残存を解消し、正確な定量充填を行うことが可能になり、なお且つキャビティ内にても均一に充填することができる。

0022

一方、本発明の成形装置及び成形方法によれば、装置構成の簡略化や装置の小型化を図りながら、成形される成形体において密度の不均一化を防止することができ、クラックの発生等を防止することができる。また、本発明の希土類焼結磁石の製造方法によれば、寸法精度に優れ、組み付けが容易な希土類焼結磁石を歩留まり良く製造することが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明を適用した粉末充填装置及び粉末充填方法、さらには成形装置及び成形方法、希土類焼結磁石の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。

0024

(第1の実施形態)
先ず、図1に、成形用粉末を成形して所定の形状の成形体とするための成形装置の一例を示す。

0025

先ず、図1は、成形用粉末を成形して所定の形状の成形体とするための成形装置の一例を示すものである。成形工程では、臼型(ダイ)と称される金型1に下パンチ2が挿入されることにより構成されるキャビティ3内に粉末供給装置であるフィーダボックス4内の成形用粉末5を充填し、上パンチ6を下降させることで加圧成形を行う。動作としては、先ず、金型1に下パンチ2を挿入した後、フィーダボックス4が金型1のキャビティ3上まで前進し、キャビティ3内に成形用粉末5を充填する。成形用粉末5の充填の後、フィーダボックス4をキャビティ3上から後退させ、金型1の上から上パンチ6を挿入し、加圧する。これにより、成形用粉末5の加圧成形が行われる。また、成形の際には、磁場発生用コイル(図示は省略する。)により垂直方向(図中上下方向)あるいは水平方向(図中横方向)の磁場が印加され、成形時に成形用粉末5が磁場印加方向に配向される。

0026

前記金型1のキャビティ3内への成形用粉末5の供給は、前記の通り、粉末供給装置であるフィーダボックス4によって行われる。フィーダボックス4には、キャビティの数に応じてカップ部が設けられており、これらカップ部に計量供給された成形用粉末をシャッタの開放によりキャビティ3内へ落下させ、充填を行う。以下、2つのキャビティに成形用粉末を定量充填するフィーダボックスの構造について説明する。

0027

本実施形態のフィーダボックス4は、定量充填を行うものであり、図2に示すように、充填対象となる2つのキャビティに対応して2つのカップ部41,42が設けられている。前記フィーダボックス4は、これら2つ(一対)のキャビティの配列方向に沿って前進及び後退され、各キャビティに対応する各カップ部41,42から成形用粉末の充填が行われる。なお、各カップ部各カップ部41,42は、定量供給される成形用粉末を収容するに足る大きさ(容積)とされ、その底面は開放されて開口部41a,42aとされている。

0028

前記各カップ部41,42の底面の開口部41a,42aは、各カップ部41,42がキャビティ上に位置した際に開放し、カップ部41,42への成形用粉末の計量供給時には閉じておく必要がある。そこで、シャッタにより前記カップ部41,42の開口部41a,42aの開閉操作を行う構造とされているが、本実施形態においては、カップ部41の開口部41aの開閉操作を行うシャッタ43と、カップ部42の開口部42aの開閉操作を行うシャッタ44が、独立に動作するように設置されている。

0029

図3は、前記フィーダボックス4の底面図であり、2枚のシャッタ43,44が各カップ部41,42の開口部41a,42aに対応して設けられている。各シャッタ43,44は、例えばエアシリンダ45,46等の駆動機構によって開閉動作が行われ、本例の場合、各シャッタ43,44は、2つのキャビティの配列方向において互いに反対方向(互いに離れる方向)に動作し、各開口部41a,42aを開放する。開放操作時の各シャッタ43,44の操作方向は、図3中の矢印方向である。

0030

前記フィーダボックス4の動作について説明すると、成形用粉末のキャビティ3A,3Bへの充填に際しては、図4(A)に示すように、先ず、前記フィーダボックス4が各キャビティ3A,3Bから後退した位置で成形用粉末の供給が行われる。成形用粉末47は、例えば成形用粉末供給配管48、49によりフィーダボックス4の各カップ部41,42に供給されるが、各カップ部41,42には、計量により一定量の成形用粉末47が供給される。また、この時点では、各シャッタ43,44は閉じた状態である。

0031

フィーダボックス4の各カップ部41,42への成形用粉末の供給が終わったら、図4(B)に示すように、フィーダボックス4の各カップ部41,42が前記キャビティ3A,3Bに位置するように、フィーダボックス4を前進させる。そして、フィーダボックス4の各カップ部41,42が前記キャビティ3A,3B上に位置したところで、図4(C)に示すように、エアシリンダ45,46によってシャッタ43,44を矢印方向にスライドさせて各カップ部41,42の開口部41a,42aを開放し、各カップ部41,42内の成形用粉末47を各キャビティ3A,3B内に充填する。充填に際しては、成形用粉末を落とし易くするために、キャビティ3A,3B間で充填される成形用粉末が混ざらない程度に摺動させても良い

0032

以上のような成形装置においては、各シャッタ43,44をキャビティ3A,3B間の隙間に設置する必要がなく、装置の大型化を回避することができる。例えば、金型1や磁場印加のための磁気回路(磁場発生用コイル)等を大きくする必要がなく、コイルや電源を大きくする必要もない。また、各カップ部41,42内の成形用粉末は、シャッタ43,44の開閉操作によってキャビティ3A,3B内に落下させ、充填を行っているので、カップ部41,42内に回転フィーダ等の複雑な機構を設置する必要がなく、装置構成(フィーダボックス4の構成)を複雑化することもない。さらに、前記動作ストロークを小さくするためにキャビティ3A,3B間の距離を拡大する必要もないので、この点でもフィーダボックス4の大型化や、成形装置の大型化を抑制することができる。前記キャビティ3A,3B間の距離を拡大した場合、コイルや電源を大きくする必要が生ずるが、本発明ではその必要がないので、設備投資を抑えることができ、製造コストも抑えられる。

0033

前述の粉末充填装置、粉末充填方法、さらには成型装置成型方法を用いた成形は、例えば希土類焼結磁石の製造に際して、希土類合金原料粉末の成形に適用して好適である。そこで次に、希土類焼結磁石の製造方法について説明する。

0034

ここで製造対象となる希土類焼結磁石は、希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bを主成分とするものであり、磁気特性に非常に優れることから、各種デバイスに用いた場合、その小型化、高性能化を実現することができる。

0035

製造する希土類焼結磁石の磁石組成は特に限定されず、用途等に応じて任意に選択すればよい。例えば、希土類元素Rとは、具体的にはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuのことをいい、これらの中から1種又は2種以上を選択して用いることができる。中でも、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。また、遷移金属元素Tは、従来から用いられている遷移金属元素をいずれも用いることができ、例えばFe、Co、Ni等から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中では、焼結性の点からFe、Coが好ましく、特に磁気特性の点からFeを主体とすることが好ましい。また、前記希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bの他、例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素窒素炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を7000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。

0036

勿論、これら組成に限らず、希土類焼結磁石として従来公知の組成全般に適用可能であることは言うまでもない。

0037

前述の希土類焼結磁石を製造するには、粉末冶金法が採用される。粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造プロセスは、基本的には、合金化工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、磁場中成形工程、焼結工程、時効工程、加工工程、及び表面処理工程とにより構成される。なお、酸化防止のために、時効後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは非酸化性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。

0038

合金化工程では、原料となる金属、あるいは合金を磁石組成に応じて配合し、真空あるいは不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温液体金属回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法連続鋳造法)が生産性等の観点から好適であるが、それに限られるものではない。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金純鉄フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。

0039

合金は、ほぼ最終磁石組成である単一の合金を用いても良いし、最終磁石組成になるように、組成の異なる複数種類の合金を混合しても良い。混合は、合金・原料粗粉原料微粉のどの工程でもよいが、混合性を考慮すると合金での混合が望ましい。

0040

粗粉砕工程では、先ず、鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等をある程度粉砕して、合金塊とし、水素吸蔵に供する。合金塊の寸法、形状に特に制限はないが、5〜100mm角程度とすることが好ましい。この粉砕は、例えばジョークラッシャ等により行えばよい。

0041

次に、前記合金塊に対して水素吸蔵させ、粉砕を行う。原料合金塊水素吸蔵させると、相によって水素吸蔵量が異なり、これにより表面から自己崩壊的に粉砕が進行する。粗粉砕工程では、前記水素吸蔵処理の後、熱処理により合金粉末脱水素を行い、脱水素後の合金粉末を冷却して取り出す。

0042

前述の粗粉砕工程が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粗粉粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4質量%とすることが好ましい。この範囲内で粉砕助剤を添加した場合、希土類焼結磁石の磁気特性の低下を抑制させつつ、粉砕性や成形性を向上させることができる。

0043

粗粉砕工程の後、微粉砕工程を行う。微粉砕工程は、例えばジェットミルを使用した気流粉砕により行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉末平均粒径が1〜10μm程度、例えば2〜6μmとなるまで微粉砕する。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速ガス流を発生させ、この高速の搬送ガス流により粉体粒子加速し、粉体の粒子同士の衝突や、衝突板あるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。その他、トルエン等の溶媒を用い、ボールミルアトライタ等による湿式粉砕にて微粉砕を行っても良い。その場合、溶媒を気化させる乾燥工程が必要となる。

0044

以上の微粉砕工程の後、磁場中成形工程において、希土類合金原料粉末を磁場中にて成形する。この成形工程は、図2及び図3に示すフィーダボックス4を備え、且つ図1に示すような構成を有する成形装置を用いて行う。具体的には、微粉砕工程にて得られた希土類合金原料粉末を、前記フィーダボックス4を用いて磁界発生用コイルを配置した金型キャビティ3(3A,3B)内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、平行磁界成形、直交磁界成形のいずれであってもよい。この磁場中成形は、例えば400〜1600kA/mの磁場中で、30〜300MPa前後の圧力で行えばよい。磁場配向にはパルス磁界を用いても良く、また静磁界とパルス磁界の組み合わせでも良い。パルス磁界としては2400kA/m以上が望ましい。

0045

希土類合金原料粉末の充填に際しては、各カップ部41,42に希土類合金原料粉末を計量して供給した後、前記フィーダボックス4を図4(B)に示すように前進させ、図4(C)に示すようにシャッタ43,44をスライドさせ、カップ部41,42の底面の開口部41a,42aからキャビティ3(3A,3B)内へと希土類合金原料粉末を充填する。充填は、フィーダを摺動させて行っても、重量による自然落下により行っても良い。摺動させて行う場合は、キャビティ3A,3Bにそれぞれ充填される希土類合金原料粉末が他のキャビティに入り込むことがない程度の摺動とする必要がある。

0046

前記成形工程において、本発明の粉末充填装置及び粉末充填方法を適用することにより成形用粉末である希土類合金原料粉末の定量充填が可能となり、密度バラツキ、寸法ばらつき、重量ばらつきを抑制することができることから、結果としてカケやクラック等の不具合の発生を低減することが可能である。また、前記密度バラツキの抑制により焼結後の焼結体の変形も抑制することができ、その後の加工工程の負荷低減にも繋がる。

0047

(第2の実施形態)
本実施形態は、フィーダボックスの前進時に後方に位置するカップ部の底面にシャッタと略同一の厚さを有し、且つカップ部の開口に対応した開口を有する底面板を固定した実施形態に関するものである。

0048

前記第1の実施形態では、シャッタ43,44を互いに反対方向にスライドし、各カップ部41,42の開口部41a,42aを開放するようにしているが、本実施形態の場合、図5に示すように、前進時に後方に位置するカップ部42の底面に、前記シャッタ43と略同一の厚さを有するとともにカップ部42の開口部42aに対応した開口51aを有する底面板51が固定されている。前進時に前方に位置するカップ部41の底面には、先の第1の実施形態と同様、エアシリンダ45によって開閉操作されるシャッタ43が設置されている。

0049

前記構成のフィーダボックス4においては、先の図4(A)に示すのと同様の位置まで後退させて成形用粉末を計量して各カップ部41,42に供給する。このとき、シャッタ43はカップ部41の底面の開口部41aを閉じた状態である。カップ部42の底面の開口部42aは、前記底面板51の開口51aと連通して開放された状態のままであるが、この時点では金型上面によって塞がれた形になり、供給される成形用粉末が排出されることはない。

0050

次いで、フィーダボックス4を前進させるが、この時、先ずカップ部41がキャビティ3B上を通過し、次にキャビティ3A上へと前進する。カップ部41については、シャッタ43により底面の開口部41aが閉じられているので、カップ部41内の成形用粉末がキャビティ3B内に充填されることはない。カップ部41がキャビティ3A上に位置した時点でシャッタ43を開放し、カップ部41内の成形用粉末をキャビティ3A内に充填する。

0051

一方、カップ部42については、フィーダボックス4の前進時に後方に位置するので、キャビティ3A上を通過することなく、キャビティ3B上に配置される。キャビティ3B上に位置するまでは、前記金型上面によって塞がれた状態が維持されるので、カップ部42がキャビティ3B上に位置した時点で底面の開口部42aが開放された形になり、カップ部42内の成形用粉末がキャビティ3B内に充填される。

0052

本実施形態のフィーダボックス4では、開閉動作するシャッタが1枚で済み、さらに装置構成を簡略化することができる。また、後列のシャッタ構造を省略することで、動作不良や詰まり等の不良を低減することができる。第1の実施形態のように、2枚のシャッタ43,44を互いに反対方向にスライドする構造の場合、シャッタ43,44を閉じる際にシャッタ43,44間に成形用粉末が入り込み、いわゆる噛み込みが発生することがある。本実施形態にように、一方のシャッタを省略して底面板51に変更することで、前記噛み込みが大幅に改善された。

0053

(第3の実施形態)
本実施形態では、底面板の形状を変更することで、成形用粉末の噛み込みのより一層の低減を試みた。図6に示すように、フィーダボックス4の構成は、先の第2の実施形態と同様であるが、底面板51がシャッタ43の両側にまで拡張されており、スライドガイド部51bが形成されている。したがって、本実施形態においては、カップ部42に対応して設置される底面板51が隣接するカップ部41の開口部41aの周囲まで延在されており、当該底面板51により構成される凹部内において他方のカップ部41のシャッタ43が動作されることになる。

0054

このような構成を採用した場合には、カップ部41の開口部41aの開口縁から前記底面板51までの距離を適正に設定することが好ましく、これにより成形用粉末の噛み込みを効果的に抑えることができる。具体的には、図7に示すカップ部41の開口部41aの開口縁から前記底面板51のスライドガイド部51bまでの距離d1,d2や、シャッタ43のスライド方向におけるカップ部41の開口部41aの開口縁から前記底面板51までの距離d3を0.5mm〜10mmとすることが好ましい。

0055

前記距離d1,d2,d3が10mm以上であると、カップ部41の開口部41aと周囲の底面板51の間の空間に成形用粉末が入り込み、噛み込みの原因となるおそれがある。逆に、前記距離d1,d2,d3が0.5mm未満であると、精度上の問題等から、シャッタ43による確実な閉塞状態を維持することが難しくなるおそれがある。

0056

本発明者らは、実際、前記距離d1,d2,d3を変更したフィーダボックス(例1〜例5)を作製し、噛み込み状態(噛み込み発生までのショット数)及び重量ばらつき(キャビティ3A,3B間の重量差)を調べた。前記距離d1,d2,d3と噛み込み発生までのショット数、及び重量ばらつきの関係を表1に示す。

0057

0058

この表1から明らかなように、前記距離d1,d2,d3が10mmを越えると、31ショット目で噛み込みが発生している。これに対して、前記距離d1,d2,d3を10mm以下とすることで、100ショット以上で噛み込みが発生しており、噛み込みによる動作不良の発生が大きく改善されることがわかる。特に、前記距離d1,d2,d3を5mm以下とすることにより、1000ショット以上でも噛み込みが発生しない。一方、重量ばらつきについては、前記距離d1,d2,d3が0mmの場合に若干発生しているが、それ以上であれば問題のないレベルである。例2〜例5では、いずれも重量ばらつきが0.5%程度であり、前記距離d1,d2,d3が5mmの場合に最も小さな値となっている。

0059

(第4の実施形態)
本実施形態は、各カップ部の隔壁の形状を変更した例である。シャッタ構造等については任意であり、前記第1の実施形態から第3の実施形態のシャッタ構造がいずれも採用可能である。

0060

図8は、本実施形態のフィーダボックス4におけるカップ部41,42の隔壁構造を模式的に示すものである。各カップ部41,42において、隔壁61,62は、それぞれ傾斜面とされている。

0061

成形用粉末の定量充填を行うフィーダボックスでは、一般的にはシャッタの開閉等により成形用粉末の自然落下による充填を行い、擦り切り充填の際のようなキャビティ上での摺動は行われていない。しかしながら、ただ単にシャッタを開閉操作しただけでは、各カップ部41,42の隔壁面に成形用粉末が付着して残存する等、全ての成形用粉末を充填することは難しい。前記成形用粉末のカップ部41,42内への残存は、成形用粉末の充填量の変動につながり、正確な定量充填が実現されないことになる。

0062

前記成形用粉末のカップ部41,42内への残存を回避する方法としては、例えばカップ部41,42の隔壁にノッカー等で衝撃を与えるという方法も考えられるが、この場合には衝撃を与えるための機構が必要となり、装置構造が複雑化する。

0063

そこで、本実施形態においては、フィーダボックス4をキャビティ上で摺動操作することにより、成形用粉末のカップ部41,42内への残存を解消することとする。前記摺動操作により、キャビティ内に成形用粉末を均一に充填するという効果を得ることもできる。自然落下充填の場合、キャビティの中心部に成形用粉末が入り易く、周辺部(エッジ)や端部(コーナー)の充填が悪くなる。その結果、キャビティ内(一つの成形体)に密度ばらつき等が生ずる。前記摺動操作することにより、そのような場所にも成形用粉末が行き渡り易くなり、均一充填が達成され成形体の均一性が向上する。

0064

前記摺動操作における留意点としては、摺動ストロークを挙げることができる。フィーダボックス4においては、各カップ部41,42の成形用粉末が混ざり合ってしまうと定量充填ができず、充填対象以外のキャビティ上に移動することは許されない。したがって、複数のキャビティに成形用粉末を充填する場合、キャビティ間の距離が小さいと摺動可能なストロークを小さくせざるを得ず、摺動操作の効果が小さくなるおそれがある。

0065

このような状況から、本実施形態では、各カップ部41,42において、隔壁61,62を傾斜面としている。前記隔壁61,62を傾斜面とすることで、図9(A)に示す位置から図9(B)に示す位置まで摺動可能となり、キャビティ間隔以上の摺動ストロークでの摺動が可能になる。その結果、摺動ストロークが十分に確保され、成形用粉末のカップ部41,42内への残存が確実に解消される。

図面の簡単な説明

0066

成形装置の一例を示す概略図である。
粉末充填装置(フィーダボックス)の一例を模式的に示す側面図である。
図2に示す粉末充填装置の底面図である。
図2及び図3に示すフィーダボックスによる粉末充填方法を示す模式図であり、(A)はカップ部への成形用粉末計量供給工程、(B)はフィーダボックス前進工程、(C)はシャッタ開放工程を示す。
フィーダボックスの他の例を示す底面図である。
フィーダボックスのさらに他の例を示す底面図である。
図6に示すフィーダボックスの底面の一部を拡大して示す図である
カップ部の隔壁を模式的に示す図である。
フィーダボックスの摺動範囲を示す図である。

符号の説明

0067

1金型、2 下パンチ、3キャビティ、4,50,60フィーダボックス、5成形用粉末、6上パンチ、7支持台、8,9磁場発生用コイル、41,42カップ部、41a,42a 開口部、43,44シャッタ、45,46エアシリンダ、51底面板、51a 開口、51bスライドガイド部、61,62 隔壁

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