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技術 マイクロバースト検出装置およびその観測手順設定方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 若山俊夫藤坂貴彦
出願日 2007年4月9日 (13年7ヶ月経過) 出願番号 2007-101631
公開日 2007年7月19日 (13年4ヶ月経過) 公開番号 2007-183295
状態 未査定
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード 仮想マイク 真ん中付近 空間分布データ 空間スケール マイクロバースト 速度保持 ウィンドシア 初期ビーム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年7月19日)のものです。
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図面 (18)

課題

観測中受信光結合効率劣化することはなく、全観測領域を短時間で観測することを可能とする。

解決手段

放射部001と、送受信部002と、送受信部から出力された受信信号信号処理を施してドップラ速度の算出と、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する信号処理部003と、放射される電磁波の放射方向を走査する駆動部005と、各部を制御、監視する制御部006と、観測領域内で現在観測中のビーム方向での最大距離を抽出する最大距離抽出部201と、最大距離となる観測領域中の点で結合効率が許容値以内となるように走査速度を設定する角速度設定部202とを備え、現在観測中のビーム方向に応じて、角速度設定部202で設定された角速度に基づいてビーム走査速度可変にしてビーム走査する。

概要

背景

風の急変場であるウィンドシアは、航空機飛行する際の安全性を低下させるものであるため、これを監視する装置が必要となっている。マイクロバーストシアラインなどのウィンドシアを検出する装置としては、例えば「津他、低層ウィンドシヤー検出用ドップラーレーダの開発、電子情報通信学会論文誌 Vol.J83-B No.6 pp.894-909 2000年6月」に紹介されているようなドップラ気象レーダが従来からある。
図16は、従来のマイクロバースト検出装置の典型的な構成を簡略に示したものである。図16において、001は放射部、002は送受信部、003は信号処理部、004は表示・記録部、005は駆動部、006は制御部である。

次に、動作について説明する。
送受信部002で生成された電磁波は放射部001から大気中へ放射される。大気で反射された電磁波は放射部001で受信され、信号処理部003でドップラ速度が算出されるとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する。表示・記録部004では、駆動部005は放射部001を駆動することにより、放射される電磁波のビーム走査する。制御部006では、マイクロバースト検出装置の各部分を制御および監視している。

前述の文献「低層ウィンドシヤー検出用ドップラーレーダの開発」で紹介されている装置は電波を送受信するレーダである。この装置では、電波を反射する物体として降水粒子仮定しており、晴天時に風速計測を行うことは困難であった。

それに対し、電波の代わりに光波を送受信する光波レーダの利用が有望視されている。このような装置の例としては、例えば「浅香他、風速計測用光波レーダの開発、電子情報通信学会 信学技報SANE2000-39, 2000.」に紹介されている。
この場合、大気中に分布しているエアロゾルによって光波が反射するため、そのエアロゾルのドップラ速度を計測すれば、それが即ち大気のドップラ速度となり、風速を計測することができる。

このように光波レーダでは、晴天時にも風速計測が可能であるという長所があるが、一方でビーム走査高速に行うことができないという短所がある。これは、ビーム走査において大気からの散乱光が光波レーダに到達するまでに受信視野送信視野にずれが生じるためである。光波レーダにおけるビーム走査速度結合効率に対する影響の例を図17に示す。この図からも分かるように、観測距離が長くなるほど、あるいはビーム走査速度が速くなるほど結合効率は低下する。したがって、結合効率を1に保つ、即ち損失を0に近くするためには、走査速度を遅くする必要がある。

概要

観測中受信光の結合効率が劣化することはなく、全観測領域を短時間で観測することを可能とする。放射部001と、送受信部002と、送受信部から出力された受信信号に信号処理を施してドップラ速度の算出と、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する信号処理部003と、放射される電磁波の放射方向を走査する駆動部005と、各部を制御、監視する制御部006と、観測領域内で現在観測中のビーム方向での最大距離を抽出する最大距離抽出部201と、最大距離となる観測領域中の点で結合効率が許容値以内となるように走査速度を設定する角速度設定部202とを備え、現在観測中のビーム方向に応じて、角速度設定部202で設定された角速度に基づいてビーム走査速度を可変にしてビーム走査する。

目的

この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、光波レーダでウィンドシア、特に空間スケールの小さいマイクロバーストを監視する場合に、短時間で観測領域全体を観測するマイクロバースト検出装置およびその観測手順設定方法を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

空間に電磁波を放射し、かつ大気反射された電磁波を受信する放射部と、送信波を生成して上記放射部へ出力し、かつ該波放射部で受信した反射波を入力して増幅および周波数変換を行う送受信部と、上記送受信部から出力された受信信号信号処理を施すことによりドップラ速度を算出するとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する信号処理部と、上記放射部から放射される電磁波の放射方向を走査する駆動部と、上記放射部、送受信部、信号処理部および駆動部の各部を制御および監視する制御部と、観測領域内で現在観測中ビーム方向最大距離となる点の距離を抽出する最大距離抽出部と、上記最大距離抽出部で抽出された最大距離において、最大距離となる観測領域中の点で結合効率許容値以内となるように走査速度を設定する角速度設定部とを備え、現在観測中のビーム方向に応じて、上記角速度設定部で設定された角速度に基づいて上記駆動部がビーム走査速度可変にしてビーム走査することを特徴とするマイクロバースト検出装置

請求項2

上記角速度設定部および最大距離抽出部に代えて、観測時のビーム走査速度を予め保持しておく角速度保持部を備え、該角速度保持部は、観測領域内で現在観測中のビーム方向で最大距離となる点において、結合効率が許容値以内となるような走査速度を保持し、現在観測中のビーム方向に応じて、保持された走査速度に基づいて上記駆動部がビーム走査速度を可変にしてビーム走査することを特徴とする請求項1記載のマイクロバースト検出装置。

請求項3

最大距離の点において所定の検出性能を得るのに必要な以上のインコヒーレント積分数を設定するインコヒーレント積分数設定部を備え、該インコヒーレント積分数設定部で設定されたインコヒーレント積分数に基づいて上記信号処理部でのインコヒーレント積分が行われることを特徴とする請求項1記載のマイクロバースト検出装置。

請求項4

上記角速度設定部および最大距離抽出部に代えて、インコヒーレント積分数をビーム方向毎に予め保持しているインコヒーレント積分数保持部を備え、該インコヒーレント積分数保持部は、想定する最大直径を持ち監視領域内の任意の位置に存在するマイクロバーストの内部全体を覆うような領域を観測領域として設定した場合に、観測領域内の任意の点で所定の検出性能を得るに必要な以上のインコヒーレント積分数をビーム方向毎に保持し、現在観測中のビーム方向に応じて、保持されたインコヒーレント積分数に基づいて上記駆動部がビーム走査速度を可変にしてビーム走査することを特徴とする請求項2記載のマイクロバースト検出装置。

請求項5

空間に電磁波を放射し、かつ大気で反射された電磁波を受信し、受信信号に信号処理を施すことによりドップラ速度を算出するとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出するマイクロバースト検出装置の観測手順を設定する方法であって、駆動部から現在のビーム方位角を読み出す第1のステップと、上記ビーム方位角の方向でかつ観測領域内に存在する点と上記マイクロバースト検出装置の間の距離のうちで最大のもの(最大距離)を抽出する第2のステップと、上記最大距離において結合効率が許容値と等しくなる角速度(最大許容角速度)を算出する第3のステップと、上記現在観測中のビーム方位角に応じて、上記最大許容角速度を超えない角速度を実際に用いる角速度として設定し、上記第1のステップへ戻る第4のステップとを含むことを特徴とするマイクロバースト検出装置の観測手順設定方法

請求項6

上記第4のステップで角速度を設定した後、上記最大距離において許容検出性能を得るのに必要なインコヒーレント積分数を算出する第5のステップと、該必要なインコヒーレント積分数以上のインコヒーレント積分数を信号処理装置に設定し、上記第1のステップへ戻る第6のステップとを含むことを特徴とする請求項5記載のマイクロバースト検出装置の観測手順設定方法。

技術分野

0001

この発明は、航空交通障害を及ぼすマイクロバーストを検出するマイクロバースト検出装置およびその観測手順設定方法に関するものである。

背景技術

0002

風の急変場であるウィンドシアは、航空機飛行する際の安全性を低下させるものであるため、これを監視する装置が必要となっている。マイクロバーストやシアラインなどのウィンドシアを検出する装置としては、例えば「津他、低層ウィンドシヤー検出用ドップラーレーダの開発、電子情報通信学会論文誌 Vol.J83-B No.6 pp.894-909 2000年6月」に紹介されているようなドップラ気象レーダが従来からある。
図16は、従来のマイクロバースト検出装置の典型的な構成を簡略に示したものである。図16において、001は放射部、002は送受信部、003は信号処理部、004は表示・記録部、005は駆動部、006は制御部である。

0003

次に、動作について説明する。
送受信部002で生成された電磁波は放射部001から大気中へ放射される。大気で反射された電磁波は放射部001で受信され、信号処理部003でドップラ速度が算出されるとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する。表示・記録部004では、駆動部005は放射部001を駆動することにより、放射される電磁波のビーム走査する。制御部006では、マイクロバースト検出装置の各部分を制御および監視している。

0004

前述の文献「低層ウィンドシヤー検出用ドップラーレーダの開発」で紹介されている装置は電波を送受信するレーダである。この装置では、電波を反射する物体として降水粒子仮定しており、晴天時に風速計測を行うことは困難であった。

0005

それに対し、電波の代わりに光波を送受信する光波レーダの利用が有望視されている。このような装置の例としては、例えば「浅香他、風速計測用光波レーダの開発、電子情報通信学会 信学技報SANE2000-39, 2000.」に紹介されている。
この場合、大気中に分布しているエアロゾルによって光波が反射するため、そのエアロゾルのドップラ速度を計測すれば、それが即ち大気のドップラ速度となり、風速を計測することができる。

0006

このように光波レーダでは、晴天時にも風速計測が可能であるという長所があるが、一方でビーム走査高速に行うことができないという短所がある。これは、ビーム走査において大気からの散乱光が光波レーダに到達するまでに受信視野送信視野にずれが生じるためである。光波レーダにおけるビーム走査速度結合効率に対する影響の例を図17に示す。この図からも分かるように、観測距離が長くなるほど、あるいはビーム走査速度が速くなるほど結合効率は低下する。したがって、結合効率を1に保つ、即ち損失を0に近くするためには、走査速度を遅くする必要がある。

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、上述の従来のマイクロバースト検出装置の場合には、走査速度が遅くなると、ウィンドシア監視に必要な領域全体を観測するのに必要な時間が長くなる。例えば、想定する最大の観測距離での結合効率を維持するために4度/秒のビーム走査速度が必要となる場合、360度全周の方位角を観測するのに90秒を要する。しかし、ウィンドシアは時間変化が早いため、60秒周期で観測を繰り返す必要があると言われている。そのため、光波レーダで観測する場合に観測周期を短くすることが課題となっている。

0008

この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、光波レーダでウィンドシア、特に空間スケールの小さいマイクロバーストを監視する場合に、短時間で観測領域全体を観測するマイクロバースト検出装置およびその観測手順設定方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

この発明に係るマイクロバースト検出装置は、空間に電磁波を放射し、かつ大気で反射された電磁波を受信する放射部と、送信波を生成して上記放射部へ出力し、かつ該波放射部で受信した反射波を入力して増幅および周波数変換を行う送受信部と、上記送受信部から出力された受信信号に信号処理を施すことによりドップラ速度を算出するとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する信号処理部と、上記放射部から放射される電磁波の放射方向を走査する駆動部と、上記放射部、送受信部、信号処理部および駆動部の各部を制御および監視する制御部と、観測領域内で現在観測中ビーム方向最大距離となる点の距離を抽出する最大距離抽出部と、上記最大距離抽出部で抽出された最大距離において、最大距離となる観測領域中の点で結合効率が許容値以内となるように走査速度を設定する角速度設定部とを備え、現在観測中のビーム方向に応じて、上記角速度設定部で設定された角速度に基づいて上記駆動部がビーム走査速度を可変にしてビーム走査するものである。

0010

また、この発明に係るマイクロバースト検出装置の観測手順設定方法は、空間に電磁波を放射し、かつ大気で反射された電磁波を受信し、受信信号に信号処理を施すことによりドップラ速度を算出するとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出するマイクロバースト検出装置の観測手順を設定する方法であって、駆動部から現在のビーム方位角を読み出す第1のステップと、上記ビーム方位角の方向でかつ観測領域内に存在する点と上記マイクロバースト検出装置の間の距離のうちで最大のもの(最大距離)を抽出する第2のステップと、上記最大距離において結合効率が許容値と等しくなる角速度(最大許容角速度)を算出する第3のステップと、上記現在観測中のビーム方位角に応じて、上記最大許容角速度を超えない角速度を実際に用いる角速度として設定し、上記第1のステップへ戻る第4のステップとを含むものである。

発明の効果

0011

この発明のマイクロバースト検出装置によれば、空間に電磁波を放射し、かつ大気で反射された電磁波を受信する放射部と、送信波を生成して上記放射部へ出力し、かつ該波放射部で受信した反射波を入力して増幅および周波数変換を行う送受信部と、上記送受信部から出力された受信信号に信号処理を施すことによりドップラ速度を算出するとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する信号処理部と、上記放射部から放射される電磁波の放射方向を走査する駆動部と、上記放射部、送受信部、信号処理部および駆動部の各部を制御および監視する制御部と、観測領域内で現在観測中のビーム方向で最大距離となる点の距離を抽出する最大距離抽出部と、上記最大距離抽出部で抽出された最大距離において、最大距離となる観測領域中の点で結合効率が許容値以内となるように走査速度を設定する角速度設定部とを備え、現在観測中のビーム方向に応じて、上記角速度設定部で設定された角速度に基づいて上記駆動部がビーム走査速度を可変にしてビーム走査するので、観測領域が狭い方向において、観測領域内での結合効率を維持したままビーム走査速度を速くすることにより、観測領域全体を観測するのに必要な時間を短縮できるという効果がある。

0012

また、この発明のマイクロバースト検出装置の観測手順設定方法によれば、空間に電磁波を放射し、かつ大気で反射された電磁波を受信し、受信信号に信号処理を施すことによりドップラ速度を算出するとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出するマイクロバースト検出装置の観測手順を設定する方法であって、駆動部から現在のビーム方位角を読み出す第1のステップと、上記ビーム方位角の方向でかつ観測領域内に存在する点と上記マイクロバースト検出装置の間の距離のうちで最大のもの(最大距離)を抽出する第2のステップと、上記最大距離において結合効率が許容値と等しくなる角速度(最大許容角速度)を算出する第3のステップと、上記現在観測中のビーム方位角に応じて、上記最大許容角速度を超えない角速度を実際に用いる角速度として設定し、上記第1のステップへ戻る第4のステップとを含むので、観測領域内での結合効率を維持したままビーム走査速度を速くすることにより、観測領域全体を観測するのに必要な時間が短縮される観測手順を得ることができるという効果がある。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、この発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。

0014

実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるマイクロバースト検出装置の構成を示すブロック図である。
図1において、001は空間に電磁波を放射し、かつ大気で反射された電磁波を受信する放射部、02は送信波を生成して放射部001へ出力し、かつ放射部001で受信した反射波を入力して増幅および周波数変換を行う送受信部、003は送受信部002から出力された受信信号に信号処理を施すことによりドップラ速度を算出するとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する信号処理部、004は信号処理部003で検出されたマイクロバーストを表示、記録する表示・記録部、005は放射部001から放射される電磁波の放射方向を走査する駆動部、006は各部を制御および監視する制御部、101は電磁波の放射方向を決定するビーム方向設定部である。

0015

次に、動作について説明する。
送受信部002で生成された電磁波は放射部001から大気中へ放射される。大気で反射された電磁波は放射部001で受信され、送受信部002で受信した反射波を入力して増幅および周波数変換して信号処理部003に出力し、信号処理部003でドップラ速度が算出されるとともに、ドップラ速度の空間分布からマイクロバーストを検出する。表示・記録部004では、駆動部005は放射部001を駆動することにより、放射される電磁波のビームを走査する。制御部006では、マイクロバースト検出装置の各部分を制御および監視している。ビーム方向設定部101では、監視対象となるマイクロバーストの最小直径監視領域とから、ビーム方向を離散的に設定する。

0016

ここで、この発明における監視領域と観測領域の定義を説明する。図13滑走路と監視領域の関係を示す。この図において、901は滑走路、902は監視領域である。この発明では、監視領域として、この領域内に位置するマイクロバーストが発生した場合に、マイクロバースト検出装置の検出対象とする。通常、監視領域としては、滑走路を含む1海里の幅を持ち、滑走路の両端から2海里ないし3海里延長した長さを持つ領域を監視領域とする。

0017

マイクロバーストはある大きさを持つため、監視領域内に位置するという定義はいく通りかで行うことができる。例えば、図14では、監視領域内に接するようにマイクロバーストが存在する場合にも、監視領域内にマイクロバーストが位置すると定義している例である。この図で904aから904dは監視領域に接するマイクロバーストである。監視対象となったマイクロバーストは、その大きさを計測するためにも、マイクロバースト領域の全てで風速計測を行うことが望ましいため、903のような観測領域で風速計測を行うことになる。

0018

図15では、別の方法で観測領域を定義した例である。この図では、マイクロバーストの中心が監視領域内に存在する場合にそのマイクロバーストを監視対象とするとしている。この図で905aから905dは監視領域境界に中心を持つマイクロバーストである。この場合、観測領域903は図14より狭くなる。

0019

このように、観測領域の定義は複数とおり考えられるが、この発明では観測領域の定義方法については特に限定はしない。ただし、共通して言えることとしては、観測領域は監視領域と同じあるいはより広い領域となることである。

0020

マイクロバーストの監視では、単にマイクロバーストの存在を検出するだけでなく、マイクロバーストの空間的な大きさ、すなわち直径を計測することも必要である。そのため、マイクロバーストの領域を複数のビーム方向で観測できるように、ビーム方向の設定を行う。

0021

ビーム方向設定部101でのビーム方向設定の手順として、例えば図2のようなフローを用いることが考えられる。
まず、ステップst001では、初期ビーム方向を設定し、続いてステップst002ではインコヒーレント積分時間だけビームを初期ビーム方向に固定して観測する。以降も観測を継続する場合には、ステップst003を経てステップst004へ移る。

0022

ステップst004では、監視領域の境界に位置し、かつ現在のビーム方向を表す線分上に中心を持ち、かつ監視対象とする最小直径を持つマイクロバーストを仮想的に配置する。ステップst005では、配置した仮想マイクロバーストの領域を表す円への接線をマイクロバースト検出装置の位置から引き、その線分の表す方向を次の観測方向のビーム方向に設定する。その後、ステップst002へと戻る。ステップst002では、ステップst005で設定されたビーム方向にビームを固定して、インコヒーレント積分時間だけ観測を行う。後はステップst002からステップst005までのループを繰り返すことにより、方位角全周分あるいは予め設定した方位角範囲の観測が行われる。

0023

このようにしてビーム方向を設定すると、最小直径を持つ仮想マイクロバーストの中心をはさんだ両側で、少なくとも1本ずつのビーム方向をマイクロバースト内部に通すことが可能となる。
インコヒーレント積分時間としては、想定する最大距離において、大気エコーの検出を所定の性能で行うために必要な数のインコヒーレント積分が行えるような値を固定値として用いる。

0024

このようにして、本実施の形態では、それぞれのビーム方向ではビームを固定して観測を行うため、観測中に受信光の結合効率が劣化することはなく、かつ観測方向を離散的な方向に限定しているため、観測時間を短くすることが可能となる。

0025

なお、図1のマイクロバースト検出装置では、図2の手順を用いて観測中に離散的なビーム方向を決定していたが、図2の手順を観測開始前に擬似的に実行することにより、観測に用いるビーム方向を予め決めておくことも考えられる。図3はそのようなマイクロバースト検出装置の構成を示す図である。この図において、102は観測するビーム方向を予め保持しておくビーム方向保持部である。その他の構成は、図1の場合と同様である。

0026

ビーム方向保持部102では、図2の手順を予め擬似的に実行して得られたビーム方向が保持されており、このビーム方向の情報は制御部006を経由して駆動部005に伝達され、それに基づいて駆動部がビーム走査を行う。その結果、図1と同じ効果を得ることができる。

0027

なお、この発明では、ウィンドシアとしてマイクロバーストのみを考慮して、ビーム走査をはじめとする観測手順の設定を行っている。これは、マイクロバーストが面積平方キロメートルという狭い空間領域で発生するために、他の種類のウィンドシアと比べて、小さな空間スケールの対象を検出するための観測手順が必要なためである。したがって、マイクロバーストを想定した観測を行えば、シアラインなど他のウィンドシアを検出するのにも特に問題は生じない。

0028

実施の形態2.
上記実施の形態1では、ビーム方向を離散的に設定することにより、結合効率を低下させることなく、短時間で全体の観測を可能にしたものであるが、本実施の形態では、観測方向によってインコヒーレント積分時間を調整することにより、さらに観測時間を短縮することを考える。

0029

図4は、この発明の実施の形態2によるマイクロバースト検出装置の構成を示すブロック図である。なお、図4において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図4において、103は観測領域内で現在観測中のビーム方向で最大距離となる点の距離を抽出する最大距離抽出部、104はインコヒーレント積分数を設定するインコヒーレント積分数設定部である。

0030

次に、動作について説明する。
ビーム方向設定部101によってビーム方向を設定し、駆動部005により離散的に走査を行う点までは、前述の実施の形態1と同じである。新たに加わった最大距離抽出部103とインコヒーレント積分数設定部104により、観測方向毎にインコヒーレント積分数を設定する。図14または図15のような観測領域を想定し、マイクロバースト検出装置を滑走路の真ん中付近に置いたとする。滑走路に平行な方向を計測する場合には、観測領域内での最大距離は大きくなる。しかし、滑走路と垂直な方向については、最大距離はそれほど大きくならない。そこで、滑走路と垂直な方向については、インコヒーレント積分数を小さくすることが可能となり、その結果、観測時間をさらに短縮できるという効果がある。

0031

ビーム方向設定部101、最大距離抽出部103、インコヒーレント積分数設定部104での観測手順とは、例えば図5のようなフローが考えられる。
この図において、ステップst001からステップst005までのフローは図2と同じである。
ステップst006では、次の観測のビーム方向でかつ観測領域に含まれる点とマイクロバースト検出装置との間の距離の最大値(最大距離)を抽出する。ステップst007では、最大距離において所定の検出性能を得るのに必要な最小インコヒーレント積分数を算出する。ステップst008では、最小インコヒーレント積分数以上のインコヒーレント積分が可能となる時間をインコヒーレント積分時間として設定する。
このようにして、本実施の形態では、観測方向によってインコヒーレント積分時間を調整することにより、さらに観測時間を短縮することができる。

0032

なお、図4のマイクロバースト検出装置では、図5の手順を用いて観測中に離散的なビーム方向とインコヒーレント積分時間を決定していたが、図5の手順を観測開始前に擬似的に実行することにより、観測に用いるビーム方向を予め決めておくことも考えられる。図6はそのようなマイクロバースト検出装置の構成を示す図である。この図において、105はインコヒーレント積分数をビーム方向毎に予め保持しているインコヒーレント積分数保持部である。その他の構成は、図3の場合と同様である。

0033

ビーム方向保持部102では、図5の手順を予め擬似的に実行して得られたビーム方向が保持されており、このビーム方向の情報は制御部006を経由して駆動部005に伝達され、それに基づいて駆動部がビーム走査を行う。また、インコヒーレント積分数保持部105は、図5の手順を予め擬似的に実行して得られたインコヒーレント積分数が保持されており、このインコヒーレント積分数が制御部006を経由して信号処理部に伝達される。その結果、図4と同じ効果を得ることができる。

0034

実施の形態3.
以上の実施の形態では、複数の離散的に設定されるビーム方向について、ビームを固定して観測するのであるが、本実施の形態は、可変角速度でビームを連続的に変更することにより観測時間短縮の効果を得るものである。
図7は、この発明の実施の形態3によるマイクロバースト検出装置の構成を示す図である。なお、図7において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図7において、201は観測領域内で現在観測中のビーム方向で最大距離となる点の距離を抽出する最大距離抽出部、202は最大距離抽出部201で抽出された最大距離において、最大距離となる観測領域中の点で結合効率が許容値以内となるように走査速度を設定する角速度設定部である。

0035

次に、動作について説明する。
放射部001から制御部006までの基本的な機能は前述と同様であり、それと異なる内容だけ、ここでは特に説明する。
最大距離抽出部201では、駆動部005から現在のビーム方向を制御部006を経由して読み出す。そして、その方向に存在し、かつ観測領域に含まれる点とマイクロバースト検出装置の位置との間の距離の最大値、すなわち最大距離を抽出する。角速度設定部202では、最大距離において、予め設定した結合効率の許容値を超えない角速度を設定し、制御部006を経由して駆動部005へと渡される。

0036

最大距離抽出部201および角速度設定部202での観測手順とは、例えば図8のようなフローが考えられる。この図において、ステップst201では観測継続中かどうかを確認し、継続であればステップst202へ移る。ステップst202では、観測諸元が変更可能であるかどうかを確認する。例えば、インコヒーレント積分実行中は観測諸元を変更しないということを予め決めている場合には、インコヒーレント積分が終了した時点でステップst203へ移る。

0037

ステップst203では、駆動部005から現在のビームの方位角を読み出す。ステップst204では、現在のビームの方向で、観測領域内の点でレーダから距離が最大となる場合の距離(最大距離)を抽出する。
ステップst205では、最大距離において結合効率が許容値と等しくなる角速度(最大許容角速度)を算出する。ステップst206では、最大許容角速度を超えない角速度を実際に用いる角速度として設定し、ステップst201以降の観測手順を繰り返す。

0038

このようにして、本実施の形態では、観測領域が狭い方向、具体的には滑走路と垂直な方向において、観測領域内での結合効率を維持したままビーム走査速度を速くすることにより、観測領域全体を観測するのに必要な時間を短縮できる。

0039

なお、図7のマイクロバースト検出装置では、図8の手順を用いて観測中にビーム走査速度を決定していたが、図8の手順を観測開始前に擬似的に実行することにより、観測に用いるビーム走査速度を予め決めておくことも考えられる。図9はそのようなマイクロバースト検出装置の構成を示す図である。この図において、204は観測時のビーム走査速度を予め保持しておく角速度保持部である。その他の構成は、図3の場合と同様である。

0040

角速度保持部204では、図11の手順を予め擬似的に実行して得られたビーム走査速度が保持されており、このビーム走査速度の情報は制御部006を経由して駆動部005に伝達され、それに基づいて駆動部がビーム走査を行う。その結果、図7と同じ効果を得ることができる。

0041

実施の形態4.
前述の実施の形態3では、観測領域が狭い方向において観測距離が短くなるために、その方向でのビーム走査速度を速くすることにより、観測時間を短縮していた。本実施の形態では、ビーム速度を速くすることに加えて、観測距離が短い方向においてインコヒーレント積分を短くする実施の形態を述べる。

0042

図10は、この発明の実施の形態4によるマイクロバースト検出装置の構成を示す図である。なお、図10において、図7と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図10において、203は最大距離の点において所定の検出性能を得るのに必要な以上のインコヒーレント積分数を設定するインコヒーレント積分数設定部である。

0043

次に、動作について説明する。
最大距離抽出部201が、駆動部005から現在のビーム方向の値を制御部006を介して入力し、最大距離を抽出する部分は前述の図7の動作と同じである。図10では、抽出された最大距離は、角速度設定部202だけでなくインコヒーレント積分数設定部203にも出力される。観測対象までの距離が短くなるほど、同じ検出性能を得るのに必要となるインコヒーレント積分数は少なくなる。そこで、最大距離に応じて必要なインコヒーレント積分数をインコヒーレント積分数設定部203で設定する。設定されたインコヒーレント積分数は制御部206を介して、信号処理部003へと転送され、実際の信号処理に反映される。

0044

最大距離抽出部201、角速度設定部202、インコヒーレント積分数設定部203での観測手順とは、例えば図11のようなフローが考えられる。この図において、ステップst201からステップst206までのフローは図8と同じである。ステップst207では、インコヒーレント積分数設定部203が、最大距離抽出部201で得られた最大距離において許容検出性能を得るのに必要なインコヒーレント積分数(必要インコヒーレント積分数)を算出する。
さらにステップst208において、必要インコヒーレント積分数以上のインコヒーレント積分数を設定し、制御部006を介して信号処理部003でのインコヒーレント積分数の設定を変更し、以後の観測に反映させる。

0045

このようにして、本実施の形態では、上記実施の形態3の効果に加えて、走査速度の大きくなる観測方向、すなわち最大距離の短くなる観測方向において、インコヒーレント積分時間が短くなるため、走査速度が大きくなってもインコヒーレント積分後のドップラ速度空間分布データ方位角方向分解能が低下しないという効果がある。

0046

なお、図10のマイクロバースト検出装置では、図11の手順を用いて観測中に離散的なビーム方向を決定していたが、図11の手順を観測開始前に擬似的に実行することにより、観測に用いるビーム方向を予め決めておくことも考えられる。図12はそのようなマイクロバースト検出装置の構成を示す図である。この図において、205はインコヒーレント積分数をビーム方向毎に予め保持しているインコヒーレント積分数保持部である。その他の構成は、図9の場合と同様である。

0047

角速度保持部204では、図11の手順を予め擬似的に実行して得られたビーム走査速度が保持されており、このビーム走査速度の情報は制御部006を経由して駆動部005に伝達され、それに基づいて駆動部005がビーム走査を行う。また、インコヒーレント積分数保持部205は、図11の手順を予め擬似的に実行して得られたインコヒーレント積分数が保持されており、このインコヒーレント積分数が制御部006を経由して信号処理部003に伝達される。その結果、図7と同じ効果を得ることができる。

図面の簡単な説明

0048

この発明の実施の形態1によるマイクロバースト検出装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態1における観測手順設定方法の流れを示すフロー図である。
この発明の実施の形態1によるマイクロバースト検出装置の別の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態2によるマイクロバースト検出装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態2における観測手順設定方法の流れを示すフロー図である。
この発明の実施の形態2によるマイクロバースト検出装置の別の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態3によるマイクロバースト検出装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態3における観測手順設定方法の流れを示すフロー図である。
この発明の実施の形態3によるマイクロバースト検出装置の別の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態4によるマイクロバースト検出装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態4における観測手順設定方法の流れを示すフロー図である。
この発明の実施の形態4によるマイクロバースト検出装置の別の構成を示すブロック図である。
この発明における滑走路と監視領域の関係を示す図である。
この発明における監視領域に一部領域でも含まれるマイクロバーストを監視対象とする場合の観測領域を示す図である。
この発明における監視領域内に中心を持つマイクロバーストを監視対象とする場合の観測領域を示す図である。
従来のマイクロバースト検出装置の典型的な構成を示すブロック図である。
光波レーダにおけるビーム走査速度の結合効率に対する影響を示す図である。

符号の説明

0049

001放射部、002送受信部、003信号処理部、004 表示・記録部、005 駆動部、006制御部、101ビーム方向設定部、102 ビーム方向保持部、103、201最大距離抽出部、104、203インコヒーレント積分数設定部、105、205 インコヒーレント積分数保持部、202 角速度設定部、204 角速度保持部。

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