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技術 エアバッグモジュールの製造方法

出願人 タカタ株式会社
発明者 三輪和也小ヶ口晃中澤亘
出願日 2005年12月28日 (14年11ヶ月経過) 出願番号 2005-379263
公開日 2007年7月12日 (13年5ヶ月経過) 公開番号 2007-176422
状態 特許登録済
技術分野 エアバッグ
主要キーワード 真空引き処理 断面範囲 開口袋 断続線状 開口平面 取り付け空間 拘束対象 減圧度合い
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

所定の態様で折り畳まれた車両用エアバッグエアバッグ収容体に収容したエアバッグモジュールを、簡便な手法によって小型化するのに有効な技術を提供する。

解決手段

車両に搭載されるエアバッグ装置100の製造方法において、複数の樹脂層フィルム断面方向に関し積層状とされた袋形状エアバッグ保持体160によって、初期折り畳み状態のエアバッグ110の外表面全体包むとともに、当該エアバッグ保持体160を介して付与される圧縮力によって初期折り畳み時よりもエアバッグ容量減容化させる。

概要

背景

従来、例えば下記特許文献1には、車両事故の際に、インフレータから展開膨張用ガスが供給されたエアバッグ乗員拘束領域において展開膨張する構成のエアバッグ装置が公知である。この種のエアバッグ装置の設計に際しては、とりわけ装置の小型化に対する要請が高く、その要請に応えるためには、エアバッグを構成するエアバッグ基布仕様、エアバッグの折り畳み構造、インフレータの構造、その他の構成部材の構造等を工夫する手法を用いるのが一般的である。しかしながら、当該手法の実践に際しては、エアバッグ装置の基本構造の見直しを要することとなり、多大な費用と長期間にわたる開発が必要となるという問題が生じる。
特開平8−156733号公報

概要

所定の態様で折り畳まれた車両用のエアバッグをエアバッグ収容体に収容したエアバッグモジュールを、簡便な手法によって小型化するのに有効な技術を提供する。 車両に搭載されるエアバッグ装置100の製造方法において、複数の樹脂層フィルム断面方向に関し積層状とされた袋形状エアバッグ保持体160によって、初期折り畳み状態のエアバッグ110の外表面全体包むとともに、当該エアバッグ保持体160を介して付与される圧縮力によって初期折り畳み時よりもエアバッグ容量減容化させる。

目的

そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、所定の態様で折り畳まれた車両用のエアバッグをエアバッグ収容体に収容したエアバッグモジュールを、簡便な手法によって小型化するのに有効な技術を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

所定の態様で折り畳まれた車両用エアバッグエアバッグ収容体に収容されたエアバッグモジュールの製造方法であって、前記エアバッグを所定の態様で折り畳む第1のステップと、複数の樹脂層フィルム断面方向に関し積層状とされた袋形状フィルム成形体によって、前記第1のステップにて得られた初期折り畳み状態の前記エアバッグの外表面全体包む第2のステップと、前記第2のステップに次いで、初期折り畳み状態の前記エアバッグを、袋形状の前記フィルム成形体を介して付与される圧縮力によって初期折り畳み時よりもエアバッグ容量減容化させた状態で前記エアバッグ収容体に収容する第3のステップと、を有することを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

請求項2

請求項1に記載のエアバッグモジュールの製造方法であって、袋形状の前記フィルム成形体は、熱収縮性樹脂層を含む構成であり、前記第3のステップにおいて、袋形状の前記フィルム成形体を熱収縮処理することでこのフィルム成形体を介して初期折り畳み状態の前記エアバッグを圧縮し、これによってエアバッグ容量を初期折り畳み時よりも減容化させることを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

請求項3

請求項1に記載のエアバッグモジュールの製造方法であって、袋形状の前記フィルム成形体は、熱溶着性樹脂層を含むフィルムシートを用いて構成されており、前記第2のステップにおいて、二片の前記フィルムシートを熱溶着性樹脂層側が内方に配設されるように互いに対向させ、これらフィルムシートによって初期折り畳み状態の前記エアバッグを挟んだうえで、各フィルムシートの外縁部同士をこの熱溶着性樹脂層における熱溶着にて接合して密閉状態の袋形状とし、前記第3のステップにおいて、袋形状の前記フィルム成形体を密閉状態にて減圧化処理することでこのフィルム成形体を介して初期折り畳み状態の前記エアバッグを圧縮し、これによってエアバッグ容量を初期折り畳み時よりも減容化させることを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

請求項4

請求項2または3に記載のエアバッグモジュールの製造方法であって、初期折り畳み状態の前記エアバッグを圧縮する袋形状の前記フィルム成形体自体を、前記エアバッグ収容体として用いることを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

請求項5

請求項2または3に記載のエアバッグモジュールの製造方法であって、初期折り畳み状態の前記エアバッグを圧縮する袋形状の前記フィルム成形体自体を、当該エアバッグの折り畳み形状を保持するエアバッグ保持体として用いることを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

請求項6

請求項3に記載のエアバッグモジュールの製造方法であって、前記フィルム成形体の複数の樹脂層はいずれも透光性の樹脂層として構成されており、更に、前記第3のステップにて得られた前記エアバッグの状態を、袋形状の前記フィルム成形体を透して確認する第4のステップを有することを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

請求項7

請求項6に記載のエアバッグモジュールの製造方法であって、前記第4のステップに次いで、前記フィルム成形体を、当該フィルム成形体よりも大きく、且つ初期折り畳み時の前記エアバッグよりも小さい収容空間を有する前記エアバッグ収容体に収容する第5のステップと、前記第5のステップに次いで、前記第3のステップにおいて施した減圧化処理を弱めることで、前記エアバッグに付与される圧縮力を弱めて当該エアバッグを前記エアバッグ収容体の収容空間にしたがって膨張させる第6のステップと、を有することを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

請求項8

請求項7に記載のエアバッグモジュールの製造方法であって、前記フィルム成形体は、当該フィルム成形体の内外を連通する連通部と、この連通部を塞いだ状態と当該被覆解除した状態を形成可能な被覆部材を備え、前記第3のステップにおいて、前記フィルム成形体の減圧化処理に際しては前記連通部を前記被覆部材によって塞いだ状態に設定する一方、前記第6のステップにおいて、この減圧化処理を弱める際には前記被覆部材による前記連通部の被覆を解除した状態に設定することを特徴とするエアバッグモジュールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、車両に搭載されるエアバッグモジュールの製造技術に関するものである。

背景技術

0002

従来、例えば下記特許文献1には、車両事故の際に、インフレータから展開膨張用ガスが供給されたエアバッグ乗員拘束領域において展開膨張する構成のエアバッグ装置が公知である。この種のエアバッグ装置の設計に際しては、とりわけ装置の小型化に対する要請が高く、その要請に応えるためには、エアバッグを構成するエアバッグ基布仕様、エアバッグの折り畳み構造、インフレータの構造、その他の構成部材の構造等を工夫する手法を用いるのが一般的である。しかしながら、当該手法の実践に際しては、エアバッグ装置の基本構造の見直しを要することとなり、多大な費用と長期間にわたる開発が必要となるという問題が生じる。
特開平8−156733号公報

発明が解決しようとする課題

0003

そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、所定の態様で折り畳まれた車両用のエアバッグをエアバッグ収容体に収容したエアバッグモジュールを、簡便な手法によって小型化するのに有効な技術を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0004

前記課題を解決するために、本発明が構成される。なお、本発明は、自動車車両をはじめ、トラックバス電車船舶オートバイ等の各種の車両に搭載されるエアバッグモジュールの製造技術に適用され得る。

0005

(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法であって、第1のステップ、第2のステップ及び第3のステップを少なくとも有する。また、本発明におけるエアバッグモジュールは、所定の態様で折り畳まれた車両用のエアバッグがエアバッグ収容体に収容された構成を少なくとも備える。このエアバッグモジュールをエアバッグ装置と称呼することもできる。

0006

第1のステップは、車両用のエアバッグを所定の態様で折り畳むステップ(「工程」ともいう)として規定される。これにより、所定の態様で折り畳まれた初期折り畳み状態のエアバッグが得られる。このエアバッグは、車両事故の際に所定の展開膨張領域に展開しつつ膨張し、車両内外の人を拘束するエアバッグとして構成される。このエアバッグによって拘束される拘束対象には、運転席着座する乗員をはじめ、助手席に着座する乗員、後部席のように運転席や助手席以外の席に着座する乗員、或いは車外歩行者などが含まれる。従って、本発明のエアバッグが展開膨張する展開膨張領域には、拘束対象である乗員が存在する車内領域のみならず、拘束対象である歩行者が存在する車外領域が広く包含される。また、エアバッグ収容体は、所定の態様で折り畳まれた折り畳み状態のエアバッグを収容する構成とされる。ここでいう「所定の態様」としては、エアバッグをロール状に巻き取るようなロール折り態様、エアバッグを蛇腹状に折り畳むような蛇腹折り態様、拡げられた空のエアバッグに対し確定された高さ方向成形断面範囲内でエアバッグ中心に向かって襞寄せを施し、特定の形状及び方向をもたない折襞を形成させる態様(「機械折り」ともいう)、またこれらを複合した折り態様等が挙げられる。

0007

第2のステップは、複数の樹脂層フィルム断面方向に関し積層状とされた袋形状フィルム成形体によって、第1のステップにて得られた初期折り畳み状態のエアバッグの外表面全体包むステップとして規定される。
第3のステップは、この第2のステップに次いで行うステップであり、初期折り畳み状態のエアバッグを、袋形状のフィルム成形体を介して付与される圧縮力によって初期折り畳み時よりもエアバッグ容量減容化させた状態でエアバッグ収容体に収容するステップとして規定される。この第3のステップを遂行することによって、所定の態様で折り畳まれた車両用のエアバッグを、初期折り畳み時よりもエアバッグ容量を減容化させた状態でエアバッグ収容体に収容したエアバッグモジュールが提供されることとなる。

0008

なお、本発明において、折り畳み状態のエアバッグに対しフィルム成形体を介して圧縮力を付与する方法に関しては、フィルム成形体の収容空間を減圧化処理することでこのフィルム成形体を介して折り畳み状態のエアバッグを圧縮する方法、熱収縮性樹脂フィルムを含むフィルム成形体を熱収縮処理することでこのフィルム成形体を介して折り畳み状態のエアバッグを圧縮する方法などを用いることができる。

0009

また、本発明において、折り畳み状態のエアバッグの外表面全体を包む袋形状のフィルム成形体の構成に関しては、折り畳み状態のエアバッグを複数の樹脂フィルム片にて挟み込んだうえで、各樹脂フィルム片の外縁部同士を熱溶着接着などによって接合して袋形状とする方法、予め準備された開口袋状或いはチューブ状(筒状)の樹脂フィルム体の開口を通じて折り畳み状態のエアバッグを投入したうえで開口部分を束ね留め具にて密封することで袋形状と方法などを適宜採用することができる。

0010

また、本発明において、袋形状のフィルム成形体がエアバッグ収容体を兼ねてもよいし、或いは袋形状のフィルム成形体とは別個でエアバッグ収容体を準備することもできる。袋形状のフィルム成形体とは別個でエアバッグ収容体を準備する場合には、フィルム成形体を折り畳み状態のエアバッグとともにエアバッグ収容体に収容してもよいし、或いはフィルム成形体を折り畳み状態のエアバッグとともにエアバッグ収容体に収容した後、当該フィルム成形体のみをエアバッグ収容体から除去してもよい。

0011

以上のように、請求項1に記載のエアバッグモジュールの製造方法によれば、エアバッグ基布の仕様、エアバッグの折り畳み構造、インフレータの構造などを工夫することなく、初期折り畳み状態のエアバッグをフィルム成形体を介して圧縮する簡便な手法によってエアバッグモジュールを小型化することが可能となる。

0012

(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法である。請求項2に記載のこの製造方法では、請求項1に記載の袋形状のフィルム成形体は、複数の樹脂層のうちに熱収縮性樹脂層を含む構成とされる。すなわち、フィルム成形体の複数の樹脂層の全部或いは一部が熱収縮性樹脂層によって構成される。そして、請求項1に記載の第3のステップにおいて、袋形状のフィルム成形体を熱収縮処理、典型的には加熱処理することでこのフィルム成形体を介して初期折り畳み状態の前記エアバッグを圧縮し、これによってエアバッグ容量を初期折り畳み時よりも減容化させる。

0013

請求項2に記載のエアバッグモジュールのこのような製造方法によれば、熱収縮性樹脂層を含むフィルム成形体を用いることによって、フィルム成形体の熱収縮処理による簡便な手法によってエアバッグモジュールを小型化することが可能となる。

0014

(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法である。請求項3に記載のこの製造方法では、袋形状のフィルム成形体は、熱溶着性樹脂層を含むフィルムシートを用いて構成される。そして、請求項1に記載の第2のステップにおいて、二片のフィルムシートを熱溶着性樹脂層側が内方に配設されるように互いに対向させ、これらフィルムシートによって初期折り畳み状態のエアバッグを挟んだうえで、各フィルムシートの外縁部同士をこの熱溶着性樹脂層における熱溶着にて接合して密閉状態の袋形状とする。また、請求項1に記載の第3のステップにおいて、袋形状のフィルム成形体を密閉状態にて減圧化処理することでこのフィルム成形体を介して初期折り畳み状態のエアバッグを圧縮し、これによってエアバッグ容量を初期折り畳み時よりも減容化させる。なお、減圧化処理に関しては、減圧化された容器内で袋形状のフィルム成形体によって折り畳み状態のエアバッグを包んだのち、当該減圧化を解除して大気圧に戻すことによって袋形状のフィルム成形体の内部を減圧化する方法や、袋形状のフィルム成形体によって折り畳み状態のエアバッグを包んだのち当該フィルム成形体の内部のエアを吸引することによって当該フィルム成形体の内部を減圧化する方法などを用いることができる。また、減圧化処理における圧力に関しては、大気圧から真空までの間の圧力を適宜採用することができる。

0015

請求項3に記載のエアバッグモジュールのこのような製造方法によれば、フィルム成形体の減圧化処理による簡便な手法によってエアバッグモジュールを小型化することが可能となる。特に、減圧化処理における圧力を真空付近に設定することによって、エアバッグモジュールの更なる小型化が図られる。

0016

(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法である。請求項4に記載のこの製造方法では、請求項2または請求項3に記載の製造方法において、初期折り畳み状態のエアバッグを圧縮する袋形状のフィルム成形体自体を、エアバッグ収容体として用いる。

0017

請求項4に記載のエアバッグモジュールのこのような製造方法によれば、袋形状のフィルム成形体に対し、初期折り畳み状態のエアバッグを圧縮する機能と、折り畳み状態のエアバッグを収容するエアバッグ収容体としての機能を付与することができるため合理的である。

0018

(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法である。請求項5に記載のこの製造方法では、請求項2または請求項3に記載の製造方法において、初期折り畳み状態のエアバッグを圧縮する袋形状のフィルム成形体自体を、当該エアバッグの折り畳み形状を保持するエアバッグ保持体として用いる。

0019

請求項5に記載のエアバッグモジュールのこのような製造方法によれば、袋形状のフィルム成形体に対し、折り畳み状態のエアバッグを圧縮する機能と、エアバッグの折り畳み形状を保持するエアバッグ保持体としての機能を付与することができるため合理的である。

0020

(本発明の第6発明)
前記課題を解決する本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法である。請求項6に記載のこの製造方法では、請求項3に記載の製造方法において、フィルム成形体の複数の樹脂層はいずれも透光性の樹脂層として構成されている。そして、本発明では、第3のステップに次いで遂行される第4のステップを有する。この第4のステップは、第3のステップにて得られたエアバッグの状態を、袋形状のフィルム成形体を透して確認するステップとして規定される。ここでいう透光性の樹脂層に関しては、その透光度合いの大小は問わず、その樹脂層を透して視認が可能であればよい。この透光性の樹脂層としては、透明のフィルムシートをはじめ半透明のフィルムシート(乳白色状や着色状のもの)を適宜用いることができる。

0021

請求項6に記載のエアバッグモジュールのこのような製造方法によれば、フィルム成形体内のエアバッグが所望の形状に保持されているか、或いはフィルム成形体内のエアバッグがフィルムシートの熱溶着部分に挟み込まれていないか等について透光性の樹脂層を透して視認することができ、エアバッグに関し品質の安定化を図ることが可能となる。

0022

(本発明の第7発明)
前記課題を解決する本発明の第7発明は、請求項7に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法である。請求項7に記載のこの製造方法では、請求項3に記載の製造方法において、第4のステップに次いで更に第5のステップ及び第6のステップを行う。
第5のステップは、第4のステップに次いで行われるステップであり、フィルム成形体を、当該フィルム成形体よりも大きく、且つ初期折り畳み時のエアバッグよりも小さい収容空間を有するエアバッグ収容体に収容するステップとして規定される。
また、第6のステップは、第5のステップに次いで行われるステップであり、第3のステップにおいて施した減圧化処理を弱めることで、エアバッグに付与される圧縮力を弱めて当該エアバッグをエアバッグ収容体の収容空間にしたがって膨張させるステップとされる。エアバッグは、フィルム成形体から付与される圧縮力が弱まることによって、エアバッグ自身の展開力によって膨張し、当該エアバッグが占めるエアバッグ容量が増える。この第6のステップにおいては、減圧度合い下げることによって減圧化処理を弱めてもよいし、或いは減圧化処理自体を解除することによって減圧化処理を弱めてもよい。

0023

請求項7に記載のエアバッグモジュールのこのような製造方法によれば、折り畳み状態のエアバッグをフィルム成形体に収容してエアバッグ容量を一旦減容化させたのち、折り畳み状態のエアバッグに付与される圧縮力を弱めてエアバッグ収容体の収容空間にしたがって膨張させることができる。このときのエアバッグの膨張動作は、エアバッグ収容体の収容空間によって規制されるため、膨張後の当該エアバッグの大きさがこの収容空間の大きさを上回ることはない。すなわち、膨張後の当該エアバッグの大きさは、必ず初期折り畳み時よりも小さい状態に維持されることとなる。

0024

(本発明の第8発明)
前記課題を解決する本発明の第8発明は、請求項8に記載されたとおりのエアバッグモジュールの製造方法である。請求項8に記載のこの製造方法では、請求項7に記載のフィルム成形体は、当該フィルム成形体の内外を連通する連通部と、この連通部を塞いだ状態と当該被覆を解除した状態を形成可能な被覆部材を備える。そして、第3のステップにおいて、フィルム成形体の減圧化処理に際しては連通部を被覆部材によって塞いだ状態に設定する。一方、第6のステップにおいて、この減圧化処理を弱める際には被覆部材による連通部の被覆を解除した状態に設定する。

0025

請求項8に記載のエアバッグモジュールのこのような製造方法によれば、第3のステップにおいては、連通部を被覆部材によって塞いだ状態に設定することで、連通部を通じたエアの流れを遮断してフィルム成形体の減圧化状態を維持することが可能となる。一方、第6のステップにおいては、被覆部材による連通部の被覆を解除した状態に設定することで、連通部を通じてフィルム成形体内へとエアを導入してフィルム成形体の減圧化状態を弱めることが可能となる。このように、本発明によれば、フィルム成形体の減圧化状態を維持する設定と、この減圧化状態を弱める設定を、連通部及び被覆部材を用いて簡便に行うことが可能となる。

発明の効果

0026

以上のように、本発明によれば、所定の態様で折り畳まれた車両用のエアバッグがエアバッグ収容体に収容されたエアバッグモジュールを製造するに際し、特に複数の樹脂層がフィルム断面方向に関し積層状とされた袋形状のフィルム成形体によって、初期折り畳み状態のエアバッグの外表面全体を包むとともに、当該フィルム成形体を介して付与される圧縮力によって初期折り畳み時よりもエアバッグ容量を減容化させた状態でエアバッグ収容体に収容する手法を用いることによって、エアバッグモジュールを簡便な手法によって小型化することが可能とされる。

発明を実施するための最良の形態

0027

以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1図4を参照しながら、本実施の形態のエアバッグ装置100の構成を説明する。このエアバッグ装置100は、特に図示しないものの、自動車車両の運転席に着座する乗員(以下、「車両乗員」という)に対応して装着されるエアバッグ装置であり、車両操舵用ステアリングホイールに組み込まれる構成とされる。

0028

本発明に係るエアバッグ装置100の断面構造図1に示される。このエアバッグ装置100は、その基本的な構成要素として、エアバッグ110、インフレータ120、制御ユニット130、リテーナー140、エアバッグカバー150、エアバッグ保持体160を少なくとも備える。

0029

エアバッグ110は、車両事故発生の際に車両乗員を拘束するべく展開膨張する袋状のバッグであり、合成繊維からなるエアバッグ基布の1片または複数片を袋状に縫製することによって形成される。また、このエアバッグ110は、予め所定の態様にて折り畳まれた折り畳み状態でリテーナー140に収容される。ここでいう「所定の態様」としては、エアバッグ110をロール状に巻き取るようなロール折り態様、エアバッグ110を蛇腹状に折り畳むような蛇腹折り態様、またこれらを複合した折り態様等が典型的である。ここでいうエアバッグ110が、本発明における「車両用のエアバッグ」に相当する。

0030

インフレータ120は、袋状に構成されたエアバッグ110の内部空間に展開膨張用のガスを発生するガス発生部122を内蔵する。ガス発生部122は、ハーネス124を介して制御ユニット130と接続されており、制御ユニット130からの制御信号の出力によって作動して展開膨張用のガスを発生させる。このガス発生部122にて発生したこの展開膨張用のガスは、ガス流通経路(図示省略)を通じてエアバッグ110の内部に供給されることとなる。この制御ユニット130は、既知の構成のCPU(演算装置)、ROM、RAM、入出力装置及び周辺装置(いずれも図示省略)等を用いて構成される。また、この制御ユニット130は、車両側の構成要素である車両情報検知手段170に接続されており、この車両情報検知手段170からの情報に基づいてガス発生部122に対し制御信号を出力する。車両情報検知手段170として典型的には、車両に作用する加速度等に基づいて車両衝突発生を検知する衝突検知センサが用いられる。

0031

リテーナー140は、前記構成のエアバッグ110及びインフレータ120を収容する機能を有する有底箱状ケース体として構成される。具体的には、リテーナー140の収容空間142において、その下部にインフレータ120が収容され、収容されたこのインフレータ120の上方にエアバッグ110が収容される。このリテーナー140の上部には、収容状態のエアバッグ110の展開膨張を許容するべく開口するエアバッグ開口144が形成され、当該エアバッグ110は、車両事故発生の際にこのエアバッグ開口144を通じて展開膨張しつつ図1中の矢印10方向へと突出する。このリテーナー140は、金属材料樹脂材料からなる成形品を用いて構成される。ここでいうリテーナー140が、本発明における「エアバッグ収容体」に相当する。

0032

エアバッグカバー150は、エアバッグ110がリテーナー140に収容された収容状態において、このリテーナー140のエアバッグ開口144を上方から覆う樹脂材料製の部材として構成とされる。これにより、エアバッグ110の車両乗員側がエアバッグカバー150によって覆われる。このエアバッグカバー150は、具体的には、エアバッグ開口144の開口平面に沿って水平状に延在する平板部152と、この平板部152からリテーナー140の壁部分に沿って立設する立設部154を備え、立設部154にてリテーナー140側に取り付け固定される。また、特に図示しないものの、このエアバッグカバー150には、平板部152或いは立設部154における板厚が相対的に減肉された減肉部分、いわゆるテアラインが設けられている。このエアバッグカバー150は、車両衝突のような車両事故の際、エアバッグ110の展開膨張時の加重によってテアラインにて開裂してエアバッグ開口144を開放状態とし、エアバッグ110がこのエアバッグ開口144を通じてリテーナー140外へと突出するのを許容する。

0033

エアバッグ保持体160は、所定の態様にて折り畳まれた折り畳み状態のエアバッグ110の外表面に透光性のフィルム被着状に設けることで、このエアバッグ110の折り畳み形状を保持(「維持」ともいう)する機能を有する部材である。このエアバッグ保持体160は、下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162を互いに接合して袋状とし、これら下部フィルムシート161と上部フィルムシート162との間に折り畳み状態のエアバッグ110を挟み込むことによって構成される。ここで、本実施の形態の折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状がエアバッグ保持体160によって保持される様子が図2に示される。また、図2中のエアバッグ保持体160のA−A線に関する断面構造が図3に示され、図2中のエアバッグ保持体160のB−B線に関する断面構造が図4に示される。

0034

図2に示すように、本実施の形態のエアバッグ保持体160を構成する二片の下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162は、いずれも透光性を有するシート状のフィルムからなる。このエアバッグ保持体160は、下部フィルムシート161の外周縁部と上部フィルムシート162の外周縁部とが互いに重ね合わせられ熱溶着部163にて互いに熱溶着(接合)されて袋形状とされる。本実施の形態では、折り畳み状態のエアバッグ110をこれら下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162にて挟み込んだうえで、各フィルムの外縁部同士を熱溶着して密封する。これによって、エアバッグ保持体160は、これら下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162が、折り畳み状態のエアバッグ110の外表面全体を包んだエアバッグ梱包状態(「密封状態」、「密閉状態」、「パック状態」ともいう)とされる。このエアバッグ保持体160によるエアバッグ梱包状態においては、折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状がエアバッグ保持体160によって確実に保持されることとなる。

0035

図3に示すように、本実施の形態のエアバッグ保持体160では、下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162は、いずれもそのフィルム断面方向に関し第1樹脂層及び第2樹脂層が積層状に配された二層構造のフィルムとされる。また、このエアバッグ保持体160では、下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162は、下部フィルムシート161側の第1樹脂層161aと、上部フィルムシート162の第1樹脂層162aが対向するように配設される。

0036

第1樹脂層161a,162aは、エアバッグ110が直に接触するエアバッグ側の樹脂層であり、成形状態において透光性であり、且つ熱溶着性の樹脂層として構成される。一方、第2樹脂層161b,162bは、第1樹脂層161a,162aの外側に設けられてエアバッグ110とは直接的に接触しない樹脂層であり、成形状態において透光性であり、且つ高強度性の樹脂層として構成される。なお、本実施の形態のエアバッグ保持体160としてのフィルムは、第1樹脂層160aの部位と、第2樹脂層160bの部位を有する一体成形状の単一のフィルムであってもよいし、或いは第1樹脂層160aからなるフィルムと、第2樹脂層160bからなるフィルムを互いに積層状に重ね合わせた構成のものであってもよい。

0037

また、本実施の形態では、図2に示すようにリテーナー140にて収容状態のエアバッグ110の上方に位置する上部フィルムシート162の上面に、フィルム断面方向に関する薄肉部分(「脆弱部分」或いは「減肉部分」ともいう)が連続線状或いは断続線状に形成された部位、いわゆるテアライン164が設けられる構成になっている。この場合、テアライン164のフィルム断面方向に関する減肉深さは、第2樹脂層162bの肉厚の範囲内で適宜設定することが可能である。例えば、テアライン164における強度、すなわちテアライン164における開裂に要する力が、折り畳み状態のエアバッグ110に対するエアバッグ保持体160のエアバッグ保持力(実質的には熱溶着部163における溶着強度)を下回るように、テアライン164のフィルム断面方向に関する減肉深さを設定するのが好ましい。

0038

上記構成のエアバッグ装置100によれば、折り畳み状態のエアバッグ110の外表面全体を包む袋形状とされたフィルムからなるエアバッグ保持体160を用いることによって、折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状が形崩れするのを防止して、この折り畳み形状を確実に保持することが可能となる。これにより、エアバッグ110の折り畳み形状の保持に関し品質の安定化を図ることが可能となる。また、本実施の形態では、エアバッグ110の外表面全体をフィルムが包む構成ゆえ、エアバッグ保持体側の構造に影響されてエアバッグ110の折り畳み態様が制限されるようなことがない。また、折り畳み状態のエアバッグ110を袋形状とされたフィルムによって密封することによって、エアバッグ110の劣化を抑えることが可能となる。

0039

また、本実施の形態によれば、エアバッグ保持体160の予め規定された位置に薄肉部であるテアライン164を設け、このテアライン164にて当該エアバッグ保持体160が開裂するように構成しているため、エアバッグ保持体160が不特定な箇所にて開裂してエアバッグ110の展開性能に悪影響を及ぼすのを抑え、これによってエアバッグ110の展開性能の適正化を図ることが可能とされる。

0040

また、本実施の形態では、エアバッグ保持体160が透光性のフィルムからなるため、折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状を保持する本来の機能に加えて、エアバッグ保持体160の装着時及び装着後にて当該エアバッグ110の折り畳み状態を視認可能とする機能を併せ持つ。フィルムの透光性に関しては、その透光度合いの大小は問わず、そのフィルムを透して視認が可能であればよい。このフィルムとしては、透明のフィルムをはじめ半透明のフィルム(乳白色状や着色状のもの)を適宜用いることができる。エアバッグ装置100のこのような構成によれば、折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状が形崩れすることなく保持(維持)されているかを必要に応じエアバッグ保持体160を透して視認することができるため、このエアバッグ110の折り畳み形状の保持に関し品質の安定化を図ることが可能となる。

0041

上記構成のエアバッグ装置100において、車両事故発生時にエアバッグ110が展開膨張する際、この展開膨張力がエアバッグ保持体160の内周面に作用する。この場合、エアバッグ保持体160のテアライン164における強度が、折り畳み状態のエアバッグ110に対するフィルムの保持力を下回るように構成することによって、当該エアバッグ保持体160はテアライン164にて開裂してエアバッグ110の折り畳み形状の保持を解除するとともに、エアバッグカバー150側へと向かうこのエアバッグ110の展開膨張動作及び突出動作を許容する。このような構成によれば、エアバッグ保持体160がテアライン164にて開裂するまでの間は、折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状を確実に保持することが可能となる。また、本実施の形態のエアバッグ保持体160では、外側に高強度性の第2樹脂層161b及び第2樹脂層162bを配することによってエアバッグ保持体160自体のフィルム強度を確保することが可能となるため、エアバッグ保持体160の装着後においても折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状を、より確実に保持するのに効果的である。

0042

そして、エアバッグ110は、その展開膨張時の加重によってエアバッグカバー150をテアラインにて開裂させて、エアバッグ開口144を通じてリテーナー140外へと突出する。かくして、予定の乗員拘束領域にて展開膨張したエアバッグ110が車両乗員を拘束することとなる。

0043

次に、上記構成のエアバッグ装置100に関し、折り畳み状態のエアバッグ110をモジュール化したエアバッグモジュール品の製造方法につき、図5〜16を参照しながら説明する。なお、本発明における「エアバッグモジュール」としてのこのエアバッグモジュール品の製造方法に関しては、下記の第1及び第2実施の形態を少なくとも用いることができる。

0044

(第1実施の形態)
第1実施の形態のエアバッグモジュール化工程のフローチャート図5に示され、図5に対応した処理過程の様子が図6図10に示される。

0045

図5に示すように、第1実施の形態のエアバッグモジュール化工程では、まずステップS101によってエアバッグ110を所定の態様(ロール折り、蛇腹折り、また拡げられた空のエアバッグ110に対し確定された高さ方向成形断面範囲内でエアバッグ中心に向かって襞寄せを施し、特定の形状及び方向をもたない折襞を形成させる態様など)で折り畳む処理を行う。このステップS101が、本発明における「第1のステップ」に相当する。次いで、図5中のステップS102によって、所定の大きさにカットされた前述の下部フィルムシート161の成形を行う。なお、このステップS101におけるエアバッグ110の折り畳み処理は、本実施の形態のように、ステップS101以降の後段の処理に先立って行うこともできるし、或いは後段の処理と並行して行うこともできる。

0046

ここで、第1実施の形態において下部フィルムシート161の成形に用いる第1処理装置10の概略構成図6に示される。図6に示すように、この第1処理装置10は、下部成形面11aを有する金型11、金型11の内部空間に連通する連通孔12,13、金型11内に配設される加熱器ヒーター)14を主体に構成される。ステップS102に際しては、図6に示すように金型11内に下部フィルムシート161を取り付け、この下部フィルムシート161を加熱器14によって熱加工する。第1実施の形態において下部フィルムシート161の熱加工の様子が図7に示される。図7に示すように、連通孔12を通じて金型11内にエアを導入する一方、連通孔13を通じて金型11内のエアを排出する。これにより、平板状(シート状)の下部フィルムシート161は、下部成形面11aに沿って成形され、成形後には収容空間を有する形状の下部フィルムシート161となる。

0047

次に、図5中のステップS103によって、折り畳み状態のエアバッグ110を、ステップS102において成形された成形後の下部フィルムシート161の収容空間に収容したのち、図5中のステップS104によって、金型11の室内を真空化する。第1実施の形態において真空化処理に用いる第2処理装置20の概略構成が図8に示される。図8に示すように、この第2処理装置20は、金型21、金型21の内部空間に連通する連通孔22,23、金型21内に配設される熱溶着器24を主体に構成される。ステップS104に際しては、図8に示すように成形後の下部フィルムシート161の収容空間に折り畳み状態のエアバッグ110を収容した状態で、金型21の室内を真空化状態とするべく連通孔22,23を通じてエアを排出する(真空引き処理)。金型21の室内を真空化状態とする処理が、本発明における「減圧化処理」に相当する。なお、本実施の形態においては、金型21の室内を真空化状態とする処理を行うが、本発明では金型21の室内の減圧処理がなされればよく、この減圧処理における圧力は、大気圧から真空までの間の圧力を適宜設定可能である。

0048

また、金型21の室内を真空化した状態で、図5中のステップS105によって、下部フィルムシート161に対し上部フィルムシート162を熱溶着する。第1実施の形態において下部フィルムシート161に対し上部フィルムシート162を熱溶着する様子が図9に示される。図9に示すように、この熱溶着では、下部フィルムシート161上に前述の上部フィルムシート162を配設した状態で、溶着予定部位を熱溶着器24によって溶着シールする。具体的には、下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162を、熱溶着性樹脂層側が内方に配設されるように互いに対向させ、これらフィルムシートによって初期折り畳み状態のエアバッグ110を挟んだうえで、各フィルムシートの外縁部同士をこの熱溶着性樹脂層における熱溶着にて接合する。これによって、下部フィルムシート161と上部フィルムシート162との間に熱溶着部(図10中の熱溶着部163)が形成され、初期折り畳み状態のエアバッグ110の外表面全体が袋形状のエアバッグ保持体160によって密閉状態とされる。上記のステップS102〜ステップS105が、本発明における「第2のステップ」を構成する。

0049

そして、図5中のステップS106によって、金型21の室内の真空化を解除して大気圧に戻すべく、連通孔22,23を通じてエアを導入する。第1実施の形態において金型21の室内の真空化解除処理の様子が図10に示される。図10に示すように、下部フィルムシート161及び上部フィルムシート162からなる袋形状のエアバッグ保持体160が、折り畳み状態のエアバッグ110を保持した状態で当該エアバッグ110を圧縮し、ステップS101における初期折り畳み時よりもエアバッグ容量を減容化させた状態が形成されることとなる。このステップS106が、本発明における「第3のステップ」に相当する。また、ここでいうエアバッグ保持体160は、初期折り畳み状態のエアバッグ110を圧縮する袋形状のフィルム成形体であるとともに、エアバッグ形状を保持する保持体であり、このエアバッグ保持体160が、本発明における「フィルム成形体」及び「エアバッグ保持体」に相当する。

0050

なお、真空化処理をはじめとする減圧化処理に関しては、本実施のように減圧化された容器内で袋形状のフィルム成形体(エアバッグ保持体160)によって折り畳み状態のエアバッグ110を包んだのち、当該減圧化を解除して大気圧に戻すことによって袋形状のフィルム成形体(エアバッグ保持体160)の内部を減圧化する方法のみならず、袋形状のフィルム成形体によって折り畳み状態のエアバッグを包んだのち当該フィルム成形体の内部のエアを吸引することによって当該フィルム成形体の内部を減圧化する方法などを用いることができる。

0051

その後、図5中のステップS107によってエアバッグ保持体160の上部フィルムシート162に対しテアライン加工を施して、前述のテアライン164を設けることによって、折り畳み状態のエアバッグ110が袋形状のエアバッグ保持体160によって保持されたエアバッグモジュール品(「エアバッグ梱包品」ともいう)が製造されることとなる。このテアライン164の形成方法に関しては、第2樹脂層162bにレーザー加工を施すことによってフィルムを脆弱化させる方法、アイロンなどによる加熱によって第2樹脂層162bを脆弱化させる方法、上部フィルムシート162自体を部分的に薄肉化させる方法、上部フィルムシート162に対しミシン目加工スリット加工エンボス加工などを施す方法等を適宜採用することができる。
なお、下部フィルムシート161に熱溶着される前の上部フィルムシート162にテアライン加工を施す場合や、エアバッグ保持体を熱溶着部において開裂させる構成(テアラインを要しない構成)の場合には、このステップS107は省略される。

0052

なお、図5に示す上記エアバッグモジュール化工程にて得られたエアバッグモジュール品は、作業者によって一旦チェックされる。具体的には、エアバッグ保持体160内のエアバッグ110が所望の形状に保持されているか、或いはエアバッグ保持体160内のエアバッグ110がフィルムシート161,162の熱溶着部163に挟み込まれていないか等について透光性の樹脂層からなるエアバッグ保持体160を透して確認される。これにより、エアバッグに関し品質の安定化を図ることが可能となる。この確認ステップが、本発明における「第4のステップ」に相当する。

0053

また、図5に示す上記エアバッグモジュール化工程にて得られたエアバッグモジュール品は、エアバッグ装置100の製造過程において、リテーナー140の収容空間142に収容し取り付けることができる。本実施の形態のエアバッグモジュール品を、リテーナー140の収容空間142に収容し取り付ける様子が図11に示される。このエアバッグモジュール品の取り付けに関しては、図11に示すように、真空化処理した状態の当該エアバッグモジュール品をそのままリテーナー140の収容空間142に収容する方法を用いてもよいし、或いは別の収容方法を用いることもできる。

0054

ここで、本実施の形態のエアバッグモジュール品の収容方法に関し、図11とは別の収容方法が図12及び図13に示される。図12及び図13に示す収容方法では、真空化処理した状態のエアバッグモジュール品をリテーナー140の収容空間142に収容した後に、当該エアバッグモジュール品の真空化状態を解除する。具体的には、上部フィルムシート162に予めミシン目状に構成されたテアライン164を設け、更にこのテアライン164の連通部を塞いだ状態と当該被覆を解除した状態を形成可能な被覆部材165をテアライン164に被着させる。この被覆部材165は、典型的には貼り付けシールテープなどによって構成される。これらテアライン164の加工及び被覆部材165の被着は、図5中のステップS104よりも前に行うことができる。

0055

そして、ステップS104の真空化処理に際しては、図12に示すように、テアライン164を被覆部材165よって塞いだ状態に設定し、真空化処理した状態のエアバッグモジュール品をリテーナー140の収容空間142に収容する(本発明における「第5のステップ」に相当する)。その後、図12中の二点鎖線で示すように、被覆部材165によるテアライン164の被覆を解除した状態に設定する(本発明における「第6のステップ」に相当する)。被覆部材165によるテアライン164の被覆が解除されると、エアバッグ保持体160内が大気圧に戻るため、エアバッグ110は、エアバッグ保持体160による保持力が弱められて、折り畳みを解除しようとするエアバッグ自身の展開力によってリテーナー140の収容空間142にしたがって膨張する。これにより、エアバッグ110が占めるエアバッグ容量は増えるものの、ステップS101での初期折り畳み時よりも減容化した状態でリテーナー140の収容空間142に収容することが可能となる。この場合、折り畳み状態のエアバッグ110は、リテーナー140の内壁面から圧縮力が付与されることとなる。ここでいうテアライン164が、本発明における「連通部」に相当し、ここでいう被覆部材165が、本発明における「被覆部材」に相当する。

0056

また、この場合には、エアバッグ保持体160をリテーナー140の収容空間142に収容したままの状態とする第1の構成を用いてもよいし、或いはエアバッグ保持体160をリテーナー140の収容空間142から取り除く第2の構成を用いてもよい。第1の構成を用いる場合には、エアバッグ保持体160は、依然としてエアバッグ110の折り畳み形状を保持するための手段とされる。また、この場合には、エアバッグ保持体160の真空化処理が解除されてもエアバッグ保持体160によるエアバッグ110の保持力は継続して付与されるため、エアバッグ保持体160の真空化処理が解除された分だけエアバッグ110が膨張し、例えば図13中の二点鎖線で示すような膨張エアバッグ110aが形成されることとなる。一方、第2の構成を用いる場合には、エアバッグ保持体160は、エアバッグ110を減容化した状態でリテーナー140の収容空間142に収容するまでの間で、当該エアバッグ110を一時的に保持する手段とされる。この場合には、エアバッグ保持体160による圧縮力のみならずエアバッグ110の保持力が除去されるため、第1の構成のときよりも大きくなるようにエアバッグ110が膨張し、例えば図13中の二点鎖線で示すような膨張エアバッグ110bが形成されることとなる。

0057

なお、自動車車両のサイドルーフレールのような箇所に装着されるエアバッグ装置、いわゆるカーテンエアバッグ装置などに本構成を適用する場合には、折り畳み状態のエアバッグ110が袋形状のエアバッグ保持体160によって保持されたエアバッグモジュール品を、リテーナー140のような収容部に収容することなく、そのまま設置箇所に装着することができる。このような場合には、エアバッグ保持体160は、折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状を、初期折り畳み時よりもエアバッグ容量を減容化させた状態で保持する機能と、当該エアバッグ110を収容する機能を併せ持つこととなる。従って、この場合のエアバッグ保持体160は、初期折り畳み状態のエアバッグ110を圧縮する袋形状のフィルム成形体であるとともに、エアバッグ形状を保持する保持体であり、更にエアバッグ110を収容する収容体であり、このエアバッグ保持体160が、本発明における「フィルム成形体」、「エアバッグ保持体」及び「エアバッグ収容体」に相当する。

0058

(第2実施の形態)
第2実施の形態のエアバッグモジュール化工程のフローチャートが図14に示され、図14に対応した処理過程の様子が図15及び図16に示される。

0059

図14に示すように、第2実施の形態のエアバッグモジュール化工程では、まずステップS201によってエアバッグ110を所定の態様(ロール折り、蛇腹折り、また拡げられた空のエアバッグ110に対し確定された高さ方向成形断面範囲内でエアバッグ中心に向かって襞寄せを施し、特定の形状及び方向をもたない折襞を形成させる態様など)で折り畳む処理を行う。このステップS201が、本発明における「第1のステップ」に相当する。次いで、図14中のステップS202によって、折り畳み状態のエアバッグ110を、所定の大きさにカットされた熱収縮チューブ200の収容空間201に収容する(図15参照)。このステップS202が、本発明における「第2のステップ」に相当する。なお、この熱収縮チューブ200は、熱収縮性樹脂フィルムを含むフィルム成形体として構成され、典型的には熱収縮率が30〜60%、耐熱温度が−40〜100℃、耐湿度が90%(85℃)、剥離強度が500N以上のフィルム特性を有するものを用いることができる。

0060

次いで、図14中のステップS203によって、折り畳み状態のエアバッグ110を収容した熱収縮チューブ200を、例えば90℃程度の条件にて加熱処理する。この加熱処理が、本発明における「熱収縮処理」に相当する。これにより、図16に示すように、収容空間201に収容された折り畳み状態のエアバッグ110は、加熱処理によって収縮する熱収縮チューブ200によって圧縮されて、ステップ201における初期折り畳み時よりも減容化されることとなる。このステップS203が、本発明における「第3のステップ」に相当する。また、ここでいう熱収縮チューブ200は、初期折り畳み状態のエアバッグ110を圧縮する袋形状のフィルム成形体であるとともに、エアバッグ形状を保持する保持体であり、この熱収縮チューブ200が、本発明における「フィルム成形体」及び「エアバッグ保持体」に相当する。

0061

その後、図14中のステップS204によって熱収縮チューブ200に対しテアライン加工を施すことによって、折り畳み状態のエアバッグ110が熱収縮チューブ200によって保持されたエアバッグモジュール品(「エアバッグ梱包品」ともいう)が製造されることとなる。なお、熱収縮チューブ200に対し予めテアライン加工を施す場合には、このステップS204は省略される。
また、図14に示す上記エアバッグモジュール化工程にて得られたエアバッグモジュール品は、エアバッグ装置100の製造過程において、リテーナー140の収容空間142に収容し取り付けることができる。

0062

なお、自動車車両のサイドルーフレールのような箇所に装着されるエアバッグ装置、いわゆるカーテンエアバッグ装置などに本構成を適用する場合には、折り畳み状態のエアバッグ110が熱収縮チューブ200によって保持されたエアバッグモジュール品を、リテーナー140のような収容部に収容することなく、そのまま設置箇所に装着することができる。このような場合には、熱収縮チューブ200は、折り畳み状態のエアバッグ110の折り畳み形状を、初期折り畳み時よりもエアバッグ容量を減容化させた状態で保持する機能と、当該エアバッグ110を収容する機能を併せ持つこととなる。従って、この場合の熱収縮チューブ200は、初期折り畳み状態のエアバッグ100を圧縮する袋形状のフィルム成形体であるとともに、エアバッグ形状を保持する保持体であり、更にエアバッグ110を収容する収容体であり、この熱収縮チューブ200が、本発明における「フィルム成形体」、「エアバッグ保持体」及び「エアバッグ収容体」に相当する。

0063

以上のように、上記第1実施の形態や第2実施の形態に記載の方法によって、折り畳み状態のエアバッグ110を圧縮梱包によって減容化することで、簡便な手法によってエアバッグモジュール品を小型化することができ、エアバッグ装置100全体を小型化することが可能となる。これにより、エアバッグ装置やその周辺に配置される構成体デザインの自由度が拡大するとともに、車両に対するエアバッグ装置の取り付け空間に関し省スペース化を図ることが可能となる。

0064

(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。

0065

上記実施の形態では、第1樹脂層及び第2樹脂層が積層状に配された二層構造のフィルムを用いてエアバッグ保持体160を構成する場合について記載したが、本発明では、単層構造のフィルム、或いは二層構造のフィルムに更に別の樹脂層が積層状に配された多層構造のフィルムを用いてエアバッグ保持体を構成してもよい。この場合、追加される樹脂層として、透光性であり、且つ耐環境劣化性の樹脂層を用いることができる。ここでいう耐環境劣化性の樹脂層とは、耐熱性耐湿性耐光性などの耐候性能に優れた樹脂層として規制される。このような耐環境劣化性の樹脂層は、車両のように屋外環境に曝され易い箇所に設置されるエアバッグ装置において特に効果的である。

0066

また、上記実施の形態では、自動車の運転席に着座する車両乗員に対応して装備されるエアバッグ装置について記載したが、運転席以外の車両乗員、例えば助手席や後部席に着座する車両乗員、更には車外の歩行者に対応して装備されるエアバッグ装置の製造方法に対して本発明を適用することもできる。車外の歩行者を拘束するエアバッグ装置に関しては、典型的には当該エアバッグ装置を車両ボンネット部やカウル部、Aピラー部等に装着することができる。

0067

また、上記実施の形態では、自動車車両に搭載されるエアバッグ装置について記載したが、自動車以外の車両、例えばトラック、バス、電車、船舶、オートバイ等におけるエアバッグ装置の構成に対して本発明を適用することもできる。

図面の簡単な説明

0068

本発明に係るエアバッグ装置100の断面構造を示す図である。
本実施の形態の折り畳み状態のエアバッグ110がエアバッグ保持体160によって保持される様子を示す図である。
図2中のエアバッグ保持体160のA−A線に関する断面構造を示す図である。
図2中のエアバッグ保持体160のB−B線に関する断面構造を示す図である。
第1実施の形態のエアバッグモジュール化工程のフローチャートである。
第1実施の形態において下部フィルムシート161の成形に用いる第1処理装置10の概略構成を示す図である。
第1実施の形態において下部フィルムシート161の熱加工の様子を示す図である。
第1実施の形態において真空化処理に用いる第2処理装置20の概略構成を示す図である。
第1実施の形態において下部フィルムシート161に対し上部フィルムシート162を熱溶着する様子を示す図である。
第1実施の形態において金型21の室内の真空化解除処理の様子を示す図である。
本実施の形態のエアバッグモジュール品を、リテーナー140の収容空間142に収容し取り付ける様子を示す図である。
本実施の形態のエアバッグモジュール品の収容方法に関し、図11とは別の収容方法を示す図である。
本実施の形態のエアバッグモジュール品の収容方法に関し、図11とは別の収容方法を示す図である。
第2実施の形態のエアバッグモジュール化工程のフローチャートである。
図14に対応した処理過程の様子を示す図である。
図14に対応した処理過程の様子を示す図である。

符号の説明

0069

10 第1処理装置
11,21金型
11a 下部成形面
12,13,22,23連通孔
14加熱器
20 第2処理装置
24熱溶着器
100エアバッグ装置
110エアバッグ
110a,110b膨張エアバッグ
120インフレータ
122ガス発生部
124ハーネス
130制御ユニット
140リテーナー
142 収容空間
144エアバッグ開口
150エアバッグカバー
152平板部
154 立設部
160エアバッグ保持体
161 下部フィルムシート
161a,162a 第1樹脂層
161b,162b 第2樹脂層
162 上部フィルムシート
163 熱溶着部
164テアライン
165被覆部材
170車両情報検知手段
200熱収縮チューブ
201 収容空間

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