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技術 回転検出装置の信号処理回路

出願人 株式会社デンソー
発明者 近藤健治
出願日 2005年12月20日 (14年3ヶ月経過) 出願番号 2005-366973
公開日 2007年7月5日 (12年8ヶ月経過) 公開番号 2007-170922
状態 拒絶査定
技術分野 運動の有無または方向の指示または記録 感知要素の出力の伝達及び変換
主要キーワード 信号処理態様 能動信号 着磁ロータ 同回転体 電流流路 位相シフト信号 Dフリップフロップ 同磁気センサ
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重要な関連分野

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図面 (11)

課題

被検出回転体の制限を受けることなく回転検出信号論理レベル推移忠実再現しつつ、被検出回転体の回転方向をも含めた回転情報を安定して得ることのできる回転検出装置信号処理回路を提供する。

解決手段

信号処理回路は、逆転判定部10を通じて回転検出信号SaおよびSbの相対位相入れ替わりに基づきロータの回転方向が逆転したことを判定しつつ、エッジ抽出部20を通じて信号Sa側についての全てのエッジを抽出する。次に、レベル切替禁止部30を通じて、逆転判定部10によるロータの逆転判定後における信号Saの最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングに同期した信号レベルの切替を禁止する切替非能動信号Ceを生成する。そして、出力信号生成部40を通じて、この切替非能動信号Ceに基づきロータの逆転判定直後における信号Saの1パルス分をマスクすることで、出力信号UT1を生成出力する。

概要

背景

従来、この種の信号処理回路としては、例えば図8に模式的に例示する回路が知られている。同図8に示されるように、この信号処理回路100は、例えば磁気抵抗素子ホール素子のような磁電変換素子を備える2つの磁気センサ、すなわち第1および第2の磁気センサ1および2からそれぞれ回転検出信号SaおよびSbとして取り込まれるパルス信号を処理して被検出回転体であるロータ80の回転方向をも含めた回転情報を生成する回路である。

ここで、上記ロータ80は磁性体からなって、その外周には歯車状に歯山部80aと歯谷部80bとが交互に設けられており、上記磁気センサ1および2は、こうしたロータ80に対向してかつ、その周方向に所定の間隔を隔てるかたちでそれぞれ配設されている。このため、ロータ80が回転すると、上記歯山部80aと歯谷部80bとが各磁気センサ1および2の近傍を交互に通過し、それに伴う周囲の磁界の変化が上記磁電変換素子を通じて電気信号に変換される。この変換された電気信号は、それらセンサ内で二値化などの波形整形が施されることでパルス信号化され、それぞれ位相の異なる回転検出信号SaおよびSbとして同磁気センサ1および2から信号処理回路100に入力される。

信号処理回路100は上述のように、これら入力される回転検出信号SaおよびSbに基づいてロータ80の回転方向をも含めた回転情報を生成する回路である。ここではまず、回転情報生成部101を通じて上記信号Saのエッジ毎信号レベル論理レベル)が切り替わる回転情報を生成しつつ、逆転判定部102を通じて上記信号SaおよびSbの相対位相入れ替わりの有無を監視する。そして、これら信号SaおよびSbの相対的な位相関係が入れ替わったことに基づいてロータ80の回転方向が逆転したことを判定し、該判定時にはエッジマスク部103を通じて上記回転情報生成部101に取り込まれる信号Saの直後のエッジマスクする。これにより、同回転情報生成部101を通じて生成される回転情報に回転方向が変化した旨の情報が付与される。

図9は、上記信号処理回路100によるこうした回転検出信号の処理態様の一例をタイミングチャートとして示したものであり、このうち図9(a)は、上記磁気センサ1から入力される回転検出信号Saの推移例を、また図9(b)は同回路100を通じて処理された回転情報としての出力信号UTの推移例をそれぞれ示している。

図9(a)に示されるように、磁気センサ1による回転検出信号Saは、上記ロータ80の歯山部80aの近接に応じて、高電位側の信号レベルである論理Hレベルとなり、また同ロータ80の歯山部80aの離間、すなわち歯谷部80bの近接に応じて低電位側の信号レベルである論理Lレベルを示すパルス信号として推移する。一方、図9(b)に示されるように、上記出力信号OUTは、上記回転情報生成部101を通じて、上記信号Saのエッジが検出される毎にその信号レベル(論理レベル)が切り替わる信号として出力される。そして、他方の磁気センサ2による回転検出信号Sb(図9においては図示略)との相対位相の監視のもと、上記逆転判定部102を通じて上記ロータ80の逆転が判定されると、上記信号Saの逆転判定直後のエッジが上記エッジマスク部103を通じてマスクされる。これにより上記出力信号OUTは、同じく図9(b)に示されるように、このマスクによって当該エッジに基づく信号レベルの切り替え禁止され、以降は上記信号Saに対して論理レベルが反転された信号として推移する。すなわち、こうした論理レベルの反転を通じてロータ80の逆転が識別される。

なお、この図9の例は、ロータ80の歯形状に対応して、ほぼデューティ比50%となる回転検出信号が出力される場合について上記信号Saと出力信号OUTとの関係を示したものであるが、信号処理回路100としてのこうした動作は、対象とするロータ形状が変わるなどして上記デューティ比が異なる場合でも基本的には同様である。ちなみに図10(a)、(b)は、上記回転検出信号Sa(Sb)がデューティ比25%のパルス信号として入力されるようなロータを被検出回転体とした場合の上記信号処理回路100による信号処理態様を図9に対応するかたちで示したものである。この場合も、ロータ逆転判定直後の上述したエッジマスクの実行により、上記出力信号OUTは、以降の論理レベルが上記信号Saの論理レベルに対して反転するかたちで出力されるようになる。そしてこの場合には、こうした論理レベルの反転に伴って、図10(b)に示されるようにそのデューティ比も併せて変化するようになる。
特開平10−332725号公報

概要

被検出回転体の制限を受けることなく回転検出信号の論理レベル推移を忠実再現しつつ、被検出回転体の回転方向をも含めた回転情報を安定して得ることのできる回転検出装置の信号処理回路を提供する。信号処理回路は、逆転判定部10を通じて回転検出信号SaおよびSbの相対位相の入れ替わりに基づきロータの回転方向が逆転したことを判定しつつ、エッジ抽出部20を通じて信号Sa側についての全てのエッジを抽出する。次に、レベル切替禁止部30を通じて、逆転判定部10によるロータの逆転判定後における信号Saの最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングに同期した信号レベルの切替を禁止する切替非能動信号Ceを生成する。そして、出力信号生成部40を通じて、この切替非能動信号Ceに基づきロータの逆転判定直後における信号Saの1パルス分をマスクすることで、出力信号OUT1を生成出力する。

目的

この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、被検出回転体の制限を受けることなく回転検出信号の論理レベル推移を忠実に再現しつつ、被検出回転体の回転方向をも含めた回転情報を安定して得ることのできる回転検出装置の信号処理回路を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

回転検出装置から被検出回転体回転態様に応じたパルス信号として出力される回転検出信号を取り込んで、同被検出回転体の回転方向をも含む回転情報生成出力する回転検出装置の信号処理回路であって、前記回転検出信号の立ち上がりおよび立ち下がりの双方に同期して信号レベル切り替えつつ前記回転情報を構成するパルス信号を出力信号として生成出力する出力信号生成部と、前記被検出回転体の回転方向の逆転を判定する逆転判定部と、前記逆転判定部による前記被検出回転体の逆転判定後における前記回転検出信号の最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングについて、前記出力信号生成部でのそれらタイミングに対応した信号レベルの切替禁止するレベル切替禁止部と、を備えることを特徴とする回転検出装置の信号処理回路。

請求項2

前記レベル切替禁止部は、前記逆転判定部による前記被検出回転体の逆転判定後における前記回転検出信号の最初の立ち上がりから最初の立ち下がりまでを含む期間にわたって前記出力信号生成部による前記信号レベルの切替を無効とする非能動信号を生成してこれを前記出力信号生成部に印加するものであり、前記出力信号生成部は、同レベル切替禁止部からこの非能動信号が印加されている期間だけ前記信号レベルの切替を禁止する請求項1に記載の回転検出装置の信号処理回路。

請求項3

前記非能動信号は、その非能動期間を適正化すべく波形整形されて前記出力信号生成部に印加される請求項2に記載の回転検出装置の信号処理回路。

請求項4

前記回転検出装置からは前記回転検出信号として位相の異なる2種のパルス信号が取り込まれるものであり、前記逆転判定部は、それら2種のパルス信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングの少なくとも一方についての相対的な位相関係が入れ替わることに基づいて前記被検出回転体の逆転を判定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。

請求項5

前記被検出回転体の回転方向が正転状態にある期間は第1の論理レベルに維持され、同被検出回転体の回転方向が逆転状態にある期間は前記第1の論理レベルとは異なる第2の論理レベルに維持される方向指示信号を生成出力する方向指示信号生成部をさらに備え、該生成される方向指示信号と前記出力信号生成部を通じて生成される出力信号とによって前記回転情報が構成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。

請求項6

前記出力信号と前記方向指示信号との論理演算に基づき、前記回転情報として前記被検出回転体の正転時と逆転時とでパルス高さの異なる単一の信号を生成出力する回転情報処理部をさらに備える請求項5に記載の回転検出装置の信号処理回路。

請求項7

前記被検出回転体は、磁性体からなってその周方向歯山部が断続的に形成された磁性体ロータ、および周方向に交互に磁化された着磁ロータ、のいずれかからなり、前記回転検出信号は、前記被検出回転体の近傍に設けられた磁電変換素子を通じて磁電変換された信号が2値化された信号として取り込まれる請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。

請求項8

前記被検出回転体は、その周方向にスリットが断続的に形成されたスリットロータからなり、前記回転検出信号は、同被検出回転体の前記スリットを通過した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子を通じて光電変換された信号として取り込まれる請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。

技術分野

0001

この発明は、回転検出装置を通じて取り込まれる各種被検出回転体回転検出信号に基づいて同回転体の回転方向をも含めた回転情報を生成する回転検出装置の信号処理回路に関する。

背景技術

0002

従来、この種の信号処理回路としては、例えば図8に模式的に例示する回路が知られている。同図8に示されるように、この信号処理回路100は、例えば磁気抵抗素子ホール素子のような磁電変換素子を備える2つの磁気センサ、すなわち第1および第2の磁気センサ1および2からそれぞれ回転検出信号SaおよびSbとして取り込まれるパルス信号を処理して被検出回転体であるロータ80の回転方向をも含めた回転情報を生成する回路である。

0003

ここで、上記ロータ80は磁性体からなって、その外周には歯車状に歯山部80aと歯谷部80bとが交互に設けられており、上記磁気センサ1および2は、こうしたロータ80に対向してかつ、その周方向に所定の間隔を隔てるかたちでそれぞれ配設されている。このため、ロータ80が回転すると、上記歯山部80aと歯谷部80bとが各磁気センサ1および2の近傍を交互に通過し、それに伴う周囲の磁界の変化が上記磁電変換素子を通じて電気信号に変換される。この変換された電気信号は、それらセンサ内で二値化などの波形整形が施されることでパルス信号化され、それぞれ位相の異なる回転検出信号SaおよびSbとして同磁気センサ1および2から信号処理回路100に入力される。

0004

信号処理回路100は上述のように、これら入力される回転検出信号SaおよびSbに基づいてロータ80の回転方向をも含めた回転情報を生成する回路である。ここではまず、回転情報生成部101を通じて上記信号Saのエッジ毎信号レベル論理レベル)が切り替わる回転情報を生成しつつ、逆転判定部102を通じて上記信号SaおよびSbの相対位相入れ替わりの有無を監視する。そして、これら信号SaおよびSbの相対的な位相関係が入れ替わったことに基づいてロータ80の回転方向が逆転したことを判定し、該判定時にはエッジマスク部103を通じて上記回転情報生成部101に取り込まれる信号Saの直後のエッジマスクする。これにより、同回転情報生成部101を通じて生成される回転情報に回転方向が変化した旨の情報が付与される。

0005

図9は、上記信号処理回路100によるこうした回転検出信号の処理態様の一例をタイミングチャートとして示したものであり、このうち図9(a)は、上記磁気センサ1から入力される回転検出信号Saの推移例を、また図9(b)は同回路100を通じて処理された回転情報としての出力信号UTの推移例をそれぞれ示している。

0006

図9(a)に示されるように、磁気センサ1による回転検出信号Saは、上記ロータ80の歯山部80aの近接に応じて、高電位側の信号レベルである論理Hレベルとなり、また同ロータ80の歯山部80aの離間、すなわち歯谷部80bの近接に応じて低電位側の信号レベルである論理Lレベルを示すパルス信号として推移する。一方、図9(b)に示されるように、上記出力信号OUTは、上記回転情報生成部101を通じて、上記信号Saのエッジが検出される毎にその信号レベル(論理レベル)が切り替わる信号として出力される。そして、他方の磁気センサ2による回転検出信号Sb(図9においては図示略)との相対位相の監視のもと、上記逆転判定部102を通じて上記ロータ80の逆転が判定されると、上記信号Saの逆転判定直後のエッジが上記エッジマスク部103を通じてマスクされる。これにより上記出力信号OUTは、同じく図9(b)に示されるように、このマスクによって当該エッジに基づく信号レベルの切り替え禁止され、以降は上記信号Saに対して論理レベルが反転された信号として推移する。すなわち、こうした論理レベルの反転を通じてロータ80の逆転が識別される。

0007

なお、この図9の例は、ロータ80の歯形状に対応して、ほぼデューティ比50%となる回転検出信号が出力される場合について上記信号Saと出力信号OUTとの関係を示したものであるが、信号処理回路100としてのこうした動作は、対象とするロータ形状が変わるなどして上記デューティ比が異なる場合でも基本的には同様である。ちなみに図10(a)、(b)は、上記回転検出信号Sa(Sb)がデューティ比25%のパルス信号として入力されるようなロータを被検出回転体とした場合の上記信号処理回路100による信号処理態様図9に対応するかたちで示したものである。この場合も、ロータ逆転判定直後の上述したエッジマスクの実行により、上記出力信号OUTは、以降の論理レベルが上記信号Saの論理レベルに対して反転するかたちで出力されるようになる。そしてこの場合には、こうした論理レベルの反転に伴って、図10(b)に示されるようにそのデューティ比も併せて変化するようになる。
特開平10−332725号公報

発明が解決しようとする課題

0008

このように、上記従来の信号処理回路によれば、その出力信号OUTとしての論理レベルの推移、あるいはデューティ比の変化を通じて被検出回転体の回転方向をも含めた回転情報が生成されるようになる。ただし近年は、こうした回転情報として、その入力信号である回転検出信号のデューティ比も含めた論理レベル推移を忠実再現したいとの要求も少なからずある。例えば上記ロータ80がエンジンクランク軸に設けられたロータであるとするときに、こうした信号処理回路を通じてエンジン停止時のロータ位置、すなわち上記歯山部80aおよび歯谷部80bのいずれで停止しているかを特定しようとしても、電源投入直後などには、上記出力信号OUT自体その論理レベルの対応が不明であるためである。すなわちこのような信号処理回路では、同条件下で、どのようなロータ位置をもってエンジンが停止されているかを正確に特定することができない。そしてこのことは、エンジンの始動性向上を阻害する一因ともなっている。また、回転検出信号としてのパルス幅を捕らえてこれを回転速度等に基づき変調するなどの用途においては、出力信号OUTとしての上述したデューティ比の変化は致命的でもある。

0009

なお従来、信号処理回路としてのこのような不都合を回避すべく、例えば特許文献1に見られるような回路も提案されている。ただし、この特許文献1に記載の信号処理回路は、2つの回転検出装置から取り込まれる回転検出信号に基づきいわば人工的に2種の異なる波形を有するパルス信号を生成し、これら生成したパルス信号を適宜に選択出力することによって回転方向をも含めた回転情報を得る構成でしかない。このため、結局は、上記回転検出信号の論理レベル推移を忠実に再現することができず、その用途もしくは被検出回転体の選択にかかる自由度等も自ずと制限されざるを得ないものとなっている。

0010

この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、被検出回転体の制限を受けることなく回転検出信号の論理レベル推移を忠実に再現しつつ、被検出回転体の回転方向をも含めた回転情報を安定して得ることのできる回転検出装置の信号処理回路を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、回転検出装置から被検出回転体の回転態様に応じたパルス信号として出力される回転検出信号を取り込んで、同被検出回転体の回転方向をも含む回転情報を生成出力する回転検出装置の信号処理回路として、前記回転検出信号の立ち上がりおよび立ち下がりの双方に同期して信号レベルを切り替えつつ前記回転情報を構成するパルス信号を出力信号として生成出力する出力信号生成部と、前記被検出回転体の回転方向の逆転を判定する逆転判定部と、前記逆転判定部による前記被検出回転体の逆転判定後における前記回転検出信号の最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングについて、前記出力信号生成部でのそれらタイミングに対応した信号レベルの切替を禁止するレベル切替禁止部とを備える構成とした。

0012

上記信号処理回路としてのこのような構成によれば、被検出回転体の回転方向の逆転が判定されるたびに、上記出力信号生成部での回転検出信号の最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングに対応した、正確にはほぼ同期した信号レベルの切替が上記レベル切替禁止部を通じて禁止されるようになる。すなわち、被検出回転体の逆転判定時には、回転検出信号の1パルス分がそっくりマスクされることとなり、上記出力信号生成部を通じて生成される出力信号も、この逆転判定時を除き、その論理レベル推移は回転検出信号の論理レベル推移がそのまま踏襲されるようになる。このため、従来の信号処理回路による前述した不都合は好適に回避されるとともに、その用途、さらには被検出回転体の選択にかかる自由度も高められるようになる。また、従来の信号処理回路のように1エッジのみをマスクする回路では、例えば被検出回転体の正転/逆転が短時間のうちに交互に繰り返されるいわゆるチャタリング等が生じた場合、それら回転検出信号の立ち下がりエッジに対応して、本来不要であるいわば不正パルスが生成されることともなるが、このように回転検出信号の1パルス分がマスクされる上記信号処理回路によれば、こうした不正パルスの生成も的確に回避されるようになる。

0013

また、上記請求項1に記載の信号処理回路において、請求項2に記載の発明によるように、前記レベル切替禁止部を、前記逆転判定部による前記被検出回転体の逆転判定後における前記回転検出信号の最初の立ち上がりから最初の立ち下がりまでを含む期間にわたって前記出力信号生成部による前記信号レベルの切替を無効とする非能動信号を生成してこれを前記出力信号生成部に印加するものとして構成するとともに、前記出力信号生成部を、同レベル切替禁止部からこの非能動信号が印加されている期間だけ前記信号レベルの切替を禁止するものとして構成することとすれば、上述したマスク処理がより的確に実行されるようになり、ひいては上記不正パルスの生成もより的確に回避されるようになる。

0014

なお、上記非能動信号は、論理回路等を通じた生成の仕方によっては、そのエッジ部にいわゆるヒゲと称される尖塔波形が生じることがある。そこでこのような場合には、請求項3に記載の発明によるように、前記非能動信号の非能動期間を適正化すべくこれを波形整形して前記出力信号生成部に印加する構成を採用することが有効であり、これによって上記マスク処理にかかる処理精度や上記不正パルスの回避精度もさらに向上されるようになる。ちなみにここで行う波形整形としては、例えば複数段インバータ論理反転回路)による信号遅延等が有効であり、論理回路としてその実現も容易である。

0015

一方、上記請求項1〜3のいずれかに記載の信号処理回路において、請求項4に記載の発明では、前記回転検出装置からは前記回転検出信号として位相の異なる2種のパルス信号が取り込まれることとし、前記逆転判定部では、それら2種のパルス信号の立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングの少なくとも一方についての相対的な位相関係が入れ替わることに基づいて前記被検出回転体の逆転を判定するようにする。

0016

被検出回転体の正転/逆転を判定する手段としては、例えば専用のセンサを設けるなどして、被検出回転体の正転/逆転の別を直接判定することも可能である。ただし、ここでの逆転判定部のように、回転検出信号として位相の異なる2種のパルス信号を並列に取り込み、それらパルス信号の相対的な位相関係が入れ替わることに基づいて同被検出回転体の正転/逆転の別を判定することとすれば、例えば同一の回転検出装置を所定の間隔だけ隔てて配設する等の最小限の資源を利用して、簡易に、しかも効率よく、このような逆転判定を行うことができるようになる。

0017

また一方、上記請求項1〜4のいずれかに記載の信号処理回路において、請求項5に記載の発明では、前記被検出回転体の回転方向が正転状態にある期間は第1の論理レベルに維持され、同被検出回転体の回転方向が逆転状態にある期間は前記第1の論理レベルとは異なる第2の論理レベルに維持される方向指示信号を生成出力する方向指示信号生成部をさらに備えることとし、該生成される方向指示信号と前記出力信号生成部を通じて生成される出力信号とによって前記回転情報を構成するようにする。

0018

被検出回転体の回転方向が逆転する毎に1パルス分がマスクされる上記構成によれば、上記出力信号生成部を通じて生成される出力信号の論理レベル推移を追跡することでも、その回転方向の識別は基本的に可能である。ただし、上記態様にて方向指示信号を生成出力する方向指示信号生成部をさらに備えることとすれば、この方向指示信号を参照することで即座に被検出回転体の回転方向が識別可能となり、当該信号処理回路としての汎用性もさらに高められるようになる。

0019

また、この場合には特に、請求項6に記載の発明によるように、前記出力信号と前記方向指示信号との論理演算に基づき、前記回転情報として前記被検出回転体の正転時と逆転時とでパルス高さの異なる単一の信号を生成出力する回転情報処理部をさらに備えることとすれば、この単一のパルス信号のみから被検出回転体の回転方向をも含めた回転情報が得られることとなり、この回転情報を処理する以降の装置でのさらなる利便性の向上が図られるようになる。

0020

他方、こうした信号処理回路にとって、その処理対象、すなわち被検出回転体の回転に伴うパルス信号として取り込まれる回転検出信号は任意であるが、例えば請求項7に記載の発明によるように、回転検出装置として磁気センサを利用したもの、すなわち
(イ)前記被検出回転体が磁性体からなってその周方向に歯山部が断続的に形成された磁性体ロータ、および周方向に交互に磁化された着磁ロータのいずれかからなるときに、被検出回転体の近傍に設けられた磁電変換素子を通じて磁電変換された信号が2値化された信号を回転検出信号として当該信号処理回路に取り込む構成。
あるいは請求項8に記載の発明によるように、回転検出装置として光センサを利用したもの、すなわち
(ロ)前記被検出回転体がその周方向にスリットが断続的に形成されたスリットロータからなるときに、同被検出回転体の前記スリットを通過した光を受光して電気信号に変換する光電変換素子を通じて光電変換された信号を回転検出信号として当該信号処理回路に取り込む構成。
等々に採用して特に有効である。このような構成自体、エンジンのクランク軸やカム軸等の回転態様の検出や、その他の各種機械等に設けられた回転体についての回転態様の検出に多く用いられており、特にこのような用途において、当該信号処理回路としての自由度の高さや汎用性がより活かされることともなる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、この発明にかかる回転検出装置の信号処理回路の一実施の形態について、図1図6を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態にかかる回転検出装置の信号処理回路も、図8に例示した従来の信号処理回路と同様、磁気センサ1および2を通じて生成されるロータ(図示略)の回転に対応した回転検出信号SaおよびSbを取り込んでこれを処理する回路として構成されている。

0022

図1は、この実施の形態にかかる信号処理回路についてその具体的な構成を示したものである。同図1に示すこの実施の形態にかかる信号処理回路では基本的に、逆転判定部10を通じて上記回転検出信号SaおよびSbの相対位相の入れ替わりに基づきロータの回転方向が逆転したことを判定しつつ、エッジ抽出部20を通じて上記信号Sa側についての全てのエッジを抽出する。次に、レベル切替禁止部30を通じて、上記逆転判定部10によるロータの逆転判定後における上記信号Saの最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングに同期した信号レベルの切替を禁止する切替非能動信号Ceを生成する。そして、上記出力信号生成部40を通じて、同出力信号生成部40に取り込まれる上記信号Saについて、この生成される切替非能動信号Ceに基づきロータの逆転判定直後の1パルス分をマスクすることで、同出力信号生成部40を通じて生成される回転情報に回転方向が変化した旨の情報を付与する。

0023

以下、図2に例示するタイミングチャートを併せ参照しつつ、この信号処理回路を構成する各部の具体構成、並びに信号処理態様について順に詳述する。
まず、逆転判定部10は上述のように、磁気センサ1および2から入力される回転検出信号SaおよびSbの相対的な位相関係が入れ替わったことに基づいてロータの回転方向が逆転したことを判定する部分である。具体的には、これら入力される回転検出信号SaおよびSb(図2(a)、(b))をそれぞれDフリップフロップ11のクロック端子およびD端子に取り込み、その出力信号(ラッチ信号)Q1としてまずは図2(c)に示される信号を得る。この信号Q1は、同図2(c)に示されるように、上記信号Saの立ち上がりエッジに同期して上記Sbの論理レベルがラッチされ、ロータの正転時には論理「0」レベル、逆転時には論理「1」レベルを維持するかたちで推移する。一方、上記回転検出信号Saのインバータ12による反転信号と上記回転検出信号Sbとを同様にそれぞれDフリップフロップ13のクロック端子およびD端子に取り込み、その出力信号(ラッチ信号)をインバータ14により反転することで図2(d)に示される信号Q2Bを得る。この信号Q2Bは、同図2(d)に示されるように、上記信号Q1に対して上記回転検出信号Saの1パルス分に相当する分だけその位相が遅れる信号として推移する。そして、これら信号Q1および信号Q2Bを否定論理和NOR)回路15に入力することで信号Qm1(図2(f))を得るとともに、同様にこれら信号Q1および信号Q2Bを否定論理積NAND)回路16に入力することで信号Qm2(図2(g))を得る。このうち、信号Qm1は、図2(f)に示されるように、ロータの回転方向が正転状態から逆転状態に変化した後における回転検出信号Saの最初の立ち上がりタイミングで論理レベルが切り替わるとともに、ロータの回転方向が逆転状態から正転状態に変化した後における同信号Saの最初の立ち下がりタイミングで論理レベルが切り替わるかたちで推移する。また、信号Qm2は、図2(g)に示されるように、ロータの回転方向が正転状態から逆転状態に変化した後における回転検出信号Saの最初の立ち下がりタイミングにて論理レベルが切り替わるとともに、ロータの回転方向が逆転状態から正転状態に変化した後における同信号Saの最初の立ち上がりタイミングにて論理レベルが切り替わるかたちで推移する。その後、こうして得られる信号Qm1および信号Qm2を、排他的論理和(ExOR)回路17に入力することで、ロータの回転方向を判定する逆転判定信号Ra(図2(h)を得る。この逆転判定信号Raは、図2(h)に示されるように、ロータの回転方向が逆転した後における回転検出信号Saの最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングにて論理レベルが切り替わるかたちで推移する。すなわち、この逆転判定信号Raにより、ロータの回転方向の逆転が判定されるようになる。そしてこの逆転判定部10は、この得られた逆転判定信号Raを、次段のレベル切替禁止部30に対して出力する。また、この逆転判定部10では、上記得られる信号Qm1および信号Qm2を否定論理積(NAND)回路18に入力することで、後述するリバース信号Revを生成するための信号Rb(図2(o))も併せて出力する。ちなみにこの信号Rbは、図2(o)に示されるように、ロータの回転方向が正転から逆転に変化した後における回転検出信号Saの最初の立ち上がりタイミングにて論理レベルが切り替わるとともに、ロータの回転方向が逆転から正転に変化した後における回転検出信号Saの最初の立ち下がりタイミングにて論理レベルが切り替わるかたちで推移する。

0024

また、上記エッジ抽出部20は、磁気センサ1から取り込まれる回転検出信号Saの全ての立ち上がりおよび立ち下がりエッジを抽出する部分である。具体的には、上記回転検出信号Saと、この回転検出信号Saを遅延回路21により例えば10μ秒だけ遅延させた信号とを排他的論理和(ExOR)回路22に入力することで、同回転検出信号Saの全ての立ち上がりおよび立ち下がりエッジに同期してそれぞれ例えば10μ秒幅のパルス幅を有する図2(e)に示すクロック信号CLKaを得る。

0025

また、上記レベル切替禁止部30は、上記逆転判定部10から出力される逆転判定信号Raと上記エッジ抽出部20を通じて得られるクロック信号CLKaとに基づいて、ロータの逆転判定後における回転検出信号Saの最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングに同期した信号レベルの切替を禁止する部分である。具体的には、上記逆転判定信号Raを遅延回路31により例えば5μ秒だけ遅延させた信号RaD(図2(i))と、上記クロック信号CLKa(図2(e))とをそれぞれDフリップフロップ32のD端子およびクロック端子に取り込み、その出力信号(ラッチ信号)RaSとしてまずは図2(j)に示される信号を得る。この信号RaSは、同図2(j)に示されるように、上記クロック信号CLKaの立ち上がりエッジに同期して上記信号RaDの論理レベルがラッチされることにより得られるものであり、結果として、上記逆転判定信号Ra(図2(h))がその1パルス分だけ位相が遅れる信号となる。そして、この信号RaSと上記信号RaDとを否定論理和(NOR)回路33に入力することで、図2(k)に示されるような切替非能動信号Ceを得る。この切替非能動信号Ceは、同図2(k)に示されるように、上記逆転判定信号Raの遅延信号Rad(図2(i))が立ち上がっている(論理「1」レベルにある)期間とその位相シフト信号である上記信号RaS(図2(j))が立ち上がっている(論理「1」レベルにある)期間とにわたって論理「0」レベルを維持するかたちで推移する。この切替非能動信号Ceが論理「0」レベルに維持されている期間だけ、次に説明する出力信号生成部40での出力信号レベルの切替が禁止される。

0026

そして、上記出力信号生成部40は、基本的に上記レベル切替禁止部30から印加される切替非能動信号Ceと上記回転検出信号Saとに基づいてロータの回転方向を含む回転情報を構成するパルス信号である出力信号OUT1を生成出力する部分である。具体的にはまず、上記切替非能動信号Ceを遅延回路41により例えば2μ秒だけ遅延させて、その非能動期間が適正化されるように波形整形する。ちなみにこのような論理回路にあっては、上記生成された切替非能動信号Ceのエッジ部にヒゲと称される尖塔波形が生じることがある。そこでここでは、上記遅延回路41を例えば10個のインバータによる直列回路として構成することによって上記切替非能動信号Ceをフィルタリングし、こうした尖塔波形による影響を回避するようにしている。一方、同出力信号生成部40では、上記クロック信号CLKaを遅延回路42によりさらに例えば10μ秒だけ遅延させたクロック信号CLKb(図2(l))を併せて生成する。ちなみに、この遅延回路42も例えば20個のインバータによる直列回路として構成されている。そして、こうして得られる切替非能動信号Ce(図2(k))の遅延信号とクロック信号CLKbとを否定論理積(NAND)回路43に入力した後、その出力をインバータ44を通じて論理反転することで、クロック信号CLKcとして図2(m)に示される信号を得る。このクロック信号CLKcは、同図2(m)に示されるように、上記クロック信号CLKb(図2(l))のうち、上記切替非能動信号Ce(正確にはその遅延信号)が論理「0」レベルに維持される期間だけキャンセルされるクロック信号となる。また、図2に期間CTとして示すように、ロータの正転/逆転の切り替わり時期には、これら正転と逆転とが短期間のうちに交互に繰り返されるいわゆるチャタリングが生じることもある。この点、この実施の形態の信号処理回路では、上記切替非能動信号Ceを通じてこの期間も非能とされるため、このようにチャタリングが生じている期間CTも同クロック信号CLKcの生成はキャンセルされる。このようなクロック信号CLKcを得た同出力信号生成部40はさらに、このクロック信号CLKcと上記回転検出信号SaとをそれぞれDフリップフロップ45のクロック端子およびD端子に取り込むことにより、出力信号OUT1として図2(h)に示されるような信号を得る。この出力信号OUT1は、同図2(n)に示されるように、上記クロック信号CLKcの立ち上がりエッジに同期して回転検出信号Saの論理レベルがラッチされることにより得られる信号である。その結果として、クロック信号CLKcが上記切替非能動信号Ceの遅延信号によってキャンセル(無効化)された分、回転検出信号Saの1パルス分に相当するパルス信号がマスクされた信号となる。すなわち、同回転検出信号Sa(図2(a))が、ロータの回転方向の逆転が判定された直後の1パルス分だけマスクされたかたちの信号となる。また、上記チャタリングが生じている期間CTには上記クロック信号CLKcの生成自体がキャンセルされるため、同チャタリングに起因した不正なパルスが生成出力されることもない。

0027

ところで、こうして得られる出力信号OUT1は上記回転検出信号Saによる回転情報とロータの回転(逆転)情報を併せて有する信号として出力されるが、この信号OUT1からロータの回転方向、すなわち正転状態あるいは逆転状態のいずれの状態にあるかを正確に判断することは難しい。このため、この実施の形態にかかる信号処理回路ではさらに、図1に併せて示すようなロータの回転方向が逆転状態にあることを示す情報であるリバース信号Revを生成するリバース信号生成部50を備えている。

0028

このリバース信号生成部50は、上記逆転判定部10から出力される信号Rb(図2(o))および上記出力信号生成部40に印加される切替非能動信号Ce(正確にはその遅延信号)に基づいて、ロータの回転方向が逆転状態にある期間のみ論理「1」レベルを維持するリバース信号Revを生成出力する部分である。具体的には、上記信号Rbと上記切替非能動信号Ceの遅延信号のインバータ51による論理反転信号CeDB(図2(p))とを否定論理積(NAND)回路52に入力し、その出力信号をインバータ53にて論理反転することで、このリバース信号Revとして図2(q)に示される信号を得るようにしている。このリバース信号Revは、同図2(q)に示されるように、そして上述のように、ロータの回転方向が正転状態にあるときには論理「0」レベルを維持し、同回転方向が逆転状態にあるときに論理「1」レベルを維持するかたちで推移する。

0029

このように、信号処理回路として、図2(n)に示されるような出力信号OUT1と、同じく図2(q)に示されるようなリバース信号Revとを併せて出力する構造としたことで、回転検出信号Saの論理レベル推移を忠実に再現しつつ、ロータの回転方向をも含めた回転情報が安定して得られるようになる。

0030

一方、図1に示すこの信号処理回路において、上記出力信号OUT1およびリバース信号Revが入力される回転情報処理部60は、これら出力信号OUT1とリバース信号Revとの論理演算に基づきトランジスタスイッチング制御を行い、上記回転情報としてロータの正転時と逆転時とでパルス高さの異なる単一の信号を生成出力する部分である。具体的には、上記出力信号OUT1と上記リバース信号Revのインバータ61による論理反転信号とを否定論理積(NAND)回路62に入力してその出力信号をさらにインバータ63にて論理反転することで得られる信号を通じてトランジスタTr1のオンオフを制御する。他方、上記出力信号OUT1と上記リバース信号Revとを否定論理積(NAND)回路64に入力してその出力信号をさらにインバータ65にて論理反転することで得られる信号を通じてトランジスタTr2のオン/オフ制御する。ここで、この回転情報処理部60には定電圧「+V」が常時印加されているため、これらトランジスタTr1およびTr2がこうしてオン/オフ制御されることにより、抵抗R1およびR2への電流流路が切り替えられる。そして、このような電流流路の切替に応じて、その出力信号OUT2は、論理的に「H(ハイ)」レベル、「M(ミドル)」レベル、および「L(ロー)」レベルの3値の値をとるようになる。

0031

図3は、このような回転情報処理部60での信号処理態様を一覧して示したものであり、また図4は、同回転情報処理部60でのこうした信号処理態様を、出力信号生成部40から出力される上記出力信号OUT1およびリバース信号Revの推移を踏まえてタイミングチャートとして総括したものである。

0032

すなわち、先の図2(a)、(h)、(k)、(n)および(q)にそれぞれ対応して図4(a)〜(e)、特に図4(d)および(e)に示される態様で上記出力信号OUT1およびリバース信号Revが得られたとすると、上記回転情報処理部60では、図3に一覧する態様で上記トランジスタTr1およびTr2のオン/オフ制御を実行する。そしてその結果、リバース信号Revが論理「0」レベルにあるロータの正転状態では、その出力信号OUT2は図4(f)に示されるように、出力信号OUT1の論理レベルに対応して、出力信号OUT1が論理「0」レベルにある期間は論理「H」レベルに、また出力信号OUT1が論理「1」レベルにある期間は論理「L」レベルになる態様をもってその論理レベルが推移する。他方、リバース信号Revが論理「1」レベルにあるロータの逆転状態では、同回転情報処理部60の出力信号OUT2はこれも図4(f)に示されるように、出力信号OUT1の論理レベルに対応して、出力信号OUT1が論理「0」レベルにある期間は論理「H」レベルに、また出力信号OUT1が論理「1」レベルにある期間は論理「M」レベルになる態様をもってその論理レベルが推移する。このように、出力信号OUT2は、ロータの正転時と逆転時とでパルス高さ(パルスレベル)が異なる信号として出力されるため、たとえ単一の信号であっても、それらパルスレベルを併せて監視することによって、回転方向を含めたロータの回転情報が的確に認識できるようになる。

0033

図5および図6は、それぞれ先の図9および図10に対応して、この実施の形態の信号処理回路による信号処理態様、特に回転検出信号Saと上記出力信号OUT1との関係をタイミングチャートとして示したものである。

0034

例えば、図5(a)に例示するように、回転検出信号Saがデューティ比50%のパルス信号として入力される場合、この信号処理回路では図5(b)に示されるように、ロータ逆転判定直後の1パルス分をマスクするかたちで出力信号OUT1を生成出力する。このため、回転検出信号Saと出力信号OUT1との間で先の図9(a)および(b)に示されるような論理レベルの反転が生じるようなことはなく、回転検出信号Saの論理レベル推移を忠実に再現するかたちで出力信号OUT1が得られるようになる。

0035

また、図6(a)に例示するように、同信号処理回路を通じて同様にロータ逆転判定直後の1パルス分がマスクされることで、図6(b)に示されるように、この場合も回転検出信号Saの論理レベル推移が忠実に再現されるかたちで出力信号OUT1が得られるようになる。すなわち、先の図10(a)および(b)に示されるようなデューティ比の変化(反転)が起こるようなこともない。

0036

以上説明したように、この実施の形態にかかる回転検出装置の信号処理回路によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)回転検出信号Saの立ち上がりおよび立ち下がりの双方に対応(ほぼ同期)して信号レベルを切り替えつつ回転情報を構成する出力信号OUT1を生成出力する出力信号生成部40と、ロータの回転方向の逆転を判定する逆転判定部10とを備える構成とした。また、この逆転判定部10によるロータの逆転判定後における回転検出信号Saの最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングについて、出力信号生成部40でのそれらタイミングに対応した信号レベルの切替を禁止するレベル切替禁止部30を備える構成とした。これにより、ロータの回転方向の逆転が判定されるたびに、上記出力信号生成部40での回転検出信号Saの最初の立ち上がりおよび最初の立ち下がりの双方のタイミングに対応した信号レベルの切替が上記レベル切替禁止部30を通じて禁止されるようになる。すなわち、ロータの逆転判定時には、回転検出信号Saの1パルス分がそっくりマスクされることとなり、上記出力信号生成部40を通じて生成される出力信号OUT1も、この逆転判定時を除き、その論理レベル推移デューティ比も含めては回転検出信号Saの論理レベル推移がそのまま踏襲されるようになる。このため、こうしたロータをはじめとする被検出回転体の選択にかかる自由度も高められるようになる。また、例えばロータの正転/逆転が短時間のうちに交互に繰り返されるいわゆるチャタリング等が生じる場合であれ、回転検出信号Saの1パルス分がマスクされるこの信号処理回路によれば、こうしたチャタリング等に起因する不正パルスの生成も的確に回避されるようになる。

0037

(2)上記レベル切替禁止部30では、ロータの逆転判定後における回転検出信号Saの最初の立ち上がりから最初の立ち下がりに対応する期間にわたって出力信号生成部40による信号レベルの切替を無効とする切替非能動信号Ceを生成してこれを出力信号生成部40に印加するようにした。また、上記出力信号生成部40では、レベル切替禁止部30から切替非能動信号Ceが印加されている期間だけ信号レベルの切替を禁止する構成とした。これにより、上述したマスク処理がより的確に実行されるようになり、ひいては上記不正パルスの生成もより的確に回避されるようになる。

0038

(3)上記切替非能動信号Ceの非能動期間を適正化すべくこれを波形整形(遅延)して上記出力信号生成部40に印加することとした。これにより、同切替非能動信号Ceのエッジ部にいわゆるヒゲと称される尖塔波形が生じる場合であってもその影響は回避され、上記マスク処理にかかる処理精度や上記不正パルスの回避精度もさらに向上されるようになる。

0039

(4)回転検出信号SaおよびSbとして位相の異なる2種のパルス信号を取り込み、上記逆転判定部10では、それら回転検出信号SaおよびSbの立ち上がりタイミングの相対的な位相関係が入れ替わることに基づいてロータの逆転を判定するようにした。これにより、同一の回転検出装置を所定の間隔だけ隔てて配設する等の最小限の資源を利用して、簡易に、しかも効率よくロータの逆転判定を行うことができる構成ともなっている。

0040

(5)ロータの回転方向が正転状態にある期間は論理「0」レベルに維持され、逆転状態にある期間は論理「1」レベルに維持されるリバース信号Revを生成出力するリバース信号生成部50を備え、リバース信号Revと上記出力信号生成部40を通じて生成される出力信号OUT1とによって回転情報を構成するようにした。このように、リバース信号Revを生成出力するリバース信号生成部50を備えることにより、このリバース信号Revを参照することで即座にロータの回転方向が識別可能となり、当該信号処理回路としての汎用性もさらに高められるようになる。

0041

(6)出力信号OUT1とリバース信号Revとの論理演算に基づき、回転情報としてロータの正転時と逆転時とでパルス高さの異なる単一の信号を生成出力する回転情報処理部60を備える構成とした。これにより、この単一のパルス信号のみからロータの回転方向をも含めた回転情報が得られることとなり、この回転情報を処理する以降の装置でのさらなる利便性の向上が図られるようになる。

0042

なお、この発明にかかる回転検出装置の信号処理回路は、上記実施の形態として示した構成に限らず、これらを適宜変更した、以下に例示する態様にて実施することもできる。
・上記実施の形態では、出力信号生成部40に設けられた遅延回路41にて、レベル切替禁止部30から印加される切替非能動信号Ceに波形整形を施すこととしたが、こうした波形整形はレベル切替禁止部30および出力信号生成部40のいずれで行うようにしてもよい。また、こうした波形整形を複数段のインバータの直列回路による信号遅延により行うこととしたが、要は、フィルタリングによってそのエッジ部に生じる尖塔波形を排除することのできる回路であればその選択は任意である。さらに、こうしたエッジ部に尖塔波形が生じない、もしくは生じてもこれが無視できる程度であれば、上記遅延回路41、あるいはそれに代わる波形整形回路自体を割愛することもできる。また、上記遅延回路41も含めて各遅延回路21、31、42に設定する遅延時間も、図2に準じた信号処理が実現される範囲で任意に設定することができる。

0043

・上記実施の形態では、回転情報処理部60を備えることによって単一の信号(出力信号OUT2)からロータの回転方向の情報が出力されるようにしたが、基本的に上記出力信号OUT1やリバース信号Revさえ得られれば、この回転情報処理部60は割愛することもできる。

0044

・上記実施の形態では、リバース信号生成部50にて、ロータの回転方向が正転状態にある期間は論理「0」レベルに維持され、逆転状態にある期間は論理「1」レベルに維持される、いわばロータの逆転状態を示すリバース信号Revを生成出力することとしたが、これに代えてロータの正転状態を示す信号を生成出力するようにしてもよい。すなわち、ロータの回転方向が正転状態にある期間では論理「1」レベルに維持され、逆転状態にある期間は論理「0」レベルに維持される信号としてもよい。要は、方向指示信号生成部として、ロータの正転状態あるいは逆転状態のいずれの状態にあるかを示す方向指示信号を生成出力する回路を備えるものであればよい。

0045

・上記実施の形態では、リバース信号生成部50にてロータの正転/逆転状態を識別することとしたが、ロータの回転方向が逆転する毎に1パルス分がマスクされることから、前述したチャタリング等が生じない環境であれば出力信号OUT1の論理レベルを追跡することによってもその回転方向の識別は可能である。すなわち、そうした環境では上記リバース信号生成部50を割愛することも可能である。

0046

・上記実施の形態では、逆転判定部10は、位相の異なる回転検出信号SaおよびSbの立ち上がりタイミングの相対的な位相関係が入れ替わることに基づいてロータの逆転を判定するようにしたが、これら回転検出信号SaおよびSbの立ち下がりタイミングの相対的な位相関係の入れ替わりに基づいて判定するようにしてもよい。その他、例えば専用のセンサを設けるなどしてロータの正転/逆転の別を直接判定するようにしてもよい。

0047

・上記実施の形態では、回転検出装置の被検出回転体として磁性体ロータを用い、例えば磁気抵抗素子やホール素子などの磁電変換素子を通じて磁電変換された信号が2値化された回転検出信号SaおよびSbを取り込む例について示したが、被検出回転体としては周方向に交互に着磁された着磁ロータを用いるようにしてもよい。また、こうした磁電変換にて回転検出を行う回転検出装置に代えて、光学式電気接点式あるいは静電式ロータリーエンコーダを通じて回転検出を行う回転検出装置を回転検出信号の信号源とすることもできる。図7は、例えば光学式のロータリーエンコーダの検出原理を模式的に示したものである。同図7に示されるように、この回転検出装置では、被検出回転体であるスリット円板90の周方向にスリット90aが断続的に形成されている。このスリット円板90は回転軸91に固定されるとともに、その両側には受光素子、すなわち光を電気信号に変換する光電変換素子であるフォトトランジスタ92aおよび92bと、発光素子である発光ダイオード93とがそれぞれ配置されている。そして、上記発光ダイオード93から発せられる光がレンズ94により拡大されて上記スリット90aを通過すると、その通過光が2つのフォトトランジスタ92aおよび92bにて受光されてそれぞれ電気信号に変換される。この電気信号が増幅器95aおよび95bにて各々増幅されることにより、それぞれ回転検出信号SAおよびSBが出力されるようになる。そして、これら回転検出信号SAおよびSBはスリット円板90の回転方向に応じた位相差をもって推移する二値化信号(パルス信号)として得られることから、これら回転検出信号SAおよびSBを上記実施の形態の信号処理回路に取り込んで上述の処理を行うことで、上記スリット円板90の回転方向をも含む回転情報を得ることができる。

図面の簡単な説明

0048

この発明にかかる回転検出装置の信号処理回路の一実施の形態について、その構成を示す回路図。
(a)〜(q)は、同実施の形態の信号処理回路による信号処理態様を示すタイミングチャート。
同実施の形態の信号処理回路の回転情報処理部における信号処理態様を一覧して示す図。
(a)〜(f)は、同実施の形態の信号処理回路の主に回転情報処理部における具体的な信号処理態様を示すタイミングチャート。
(a)および(b)は同実施の形態の信号処理回路による信号処理態様を総括して示すタイミングチャート。
(a)および(b)は同実施の形態の信号処理回路による信号処理態様を総括して示すタイミングチャート。
この発明にかかる信号処理回路に適用可能な回転検出装置の他の例についてその構成を模式的に示す斜視図。
従来の回転検出装置の信号処理回路の構成を模式的に示すブロック図。
(a)および(b)は、上記従来の信号処理回路による信号処理態様例を示すタイミングチャート。
(a)および(b)は、同従来の信号処理回路による信号処理態様例を示すタイミングチャート。

符号の説明

0049

1、2…磁気センサ、10…逆転判定部、11…Dフリップフロップ、12…インバータ、13…Dフリップフロップ、14…インバータ、15…NOR回路、16…NAND回路、17…ExOR回路、18…NAND回路、20…エッジ抽出部、21…遅延回路、22…ExOR回路、30…レベル切替禁止部、31…遅延回路、32…Dフリップフロップ、33…NOR回路、40…出力信号生成部、41…遅延回路、42…遅延回路、43…NAND回路、44…インバータ、45…Dフリップフロップ、50…リバース信号生成部、51…インバータ、52…NAND回路、53…インバータ、60…回転情報処理部、61…インバータ、62…NAND回路、63…インバータ、64…NAND回路、65…インバータ、80…ロータ、80a…歯山部、80b…歯谷部、90…スリット円板、90a…スリット、91…回転軸、92a、92b…フォトトランジスタ、93…発光ダイオード、94…レンズ、95a、95b…増幅器、100…信号処理回路、101…回転情報生成部、102…逆転判定部、103…エッジマスク部、Tr1、Tr2…トランジスタ、R1、R2…抵抗。

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