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技術 熱硬化性樹脂組成物及び半導体装置

出願人 積水化学工業株式会社
発明者 渡部功治江南俊夫
出願日 2005年12月21日 (13年8ヶ月経過) 出願番号 2005-368738
公開日 2007年7月5日 (12年2ヶ月経過) 公開番号 2007-169448
状態 拒絶査定
技術分野 高分子組成物 ダイボンディング
主要キーワード 長短径比 接着エリア 接合間隔 樹脂モールド層 ベンゾオキサジン系樹脂 球状充填剤 不溶不融性 ワイヤボンディング用パッド
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年7月5日)のものです。
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図面 (1)

課題

スペーサ機能を有する粒子を含有し、例えば半導体チップ基板もしくは他の半導体チップに所定の間隔で接合することができ、半導体チップが汚染されることなく、信頼性に優れた接合を与え得る熱硬化性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる半導体装置を提供する。

解決手段

熱硬化性樹脂と、スペーサ機能を有する有機系粒子と、平均粒径が1μm以下である無機系粒子とを含有し、回転数1rpmで測定した25℃における粘度η1が50〜750Pa・sの範囲にあり、かつ前記粘度η1を回転数10rpmで測定した25℃における粘度η2で除した粘度比(η1/η2)が2.0以上である、熱硬化性樹脂組成物。

概要

背景

半導体装置は、例えば基板上に半導体チップが積層され、該半導体チップの電極が基板上の電極等に接続された構造を有する。このような半導体装置では、半導体チップを基板に接合するのに導電ペーストエポキシ樹脂接着剤が用いられている。他方、半導体チップの損傷を招くことなく、半導体チップを基板に所定の間隔で接合するために、接着剤微粒子が配合されることがあった。

下記の特許文献1には、平均粒径が10〜100μmであり、かつ長短径比が1.0〜1.5である球状充填剤重量単位で1〜900ppm含有する硬化性ポリマー組成物からなり、半導体チップを該チップ取付部に接合するのに用いられる接着剤が開示されている。この接着剤を用いれば、半導体チップと該チップ取付部材とを一定の間隔で接合し、該半導体チップへの機械的応力を十分に緩和することができるとされている。

他方、下記の特許文献2には、平均粒径10〜500μmの樹脂微粒子を含有する半導体チップ接合用ペースト状接着剤が開示されている。このペースト状接着剤を用いると、半導体チップを損傷することなく、半導体チップを水平に積層できるとされている。
特開2001−19928号公報
特開2005−244188号公報

概要

スペーサ機能を有する粒子を含有し、例えば半導体チップを基板もしくは他の半導体チップに所定の間隔で接合することができ、半導体チップが汚染されることなく、信頼性に優れた接合を与え得る熱硬化性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる半導体装置を提供する。熱硬化性樹脂と、スペーサ機能を有する有機系粒子と、平均粒径が1μm以下である無機系粒子とを含有し、回転数1rpmで測定した25℃における粘度η1が50〜750Pa・sの範囲にあり、かつ前記粘度η1を回転数10rpmで測定した25℃における粘度η2で除した粘度比(η1/η2)が2.0以上である、熱硬化性樹脂組成物。なし

目的

本発明は、上述した従来技術の現状に鑑み、スペーサ機能を有する有機系粒子を含有し、例えば半導体チップを基板もしくは他の半導体チップに所定の間隔で接合することができ、半導体チップが汚染されることなく、信頼性に優れた接合を与え得る熱硬化性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる半導体装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

熱硬化性樹脂と、スペーサ機能を有する有機系粒子と、平均粒径が1μm以下である無機系粒子とを含有し、回転数1rpmで測定した25℃における粘度η1が50〜750Pa・sの範囲にあり、かつ前記粘度η1を回転数10rpmで測定した25℃における粘度η2で除した粘度比(η1/η2)が2.0以上であることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物

請求項2

前記有機系粒子は、主鎖がジビニルベンゼン骨格である化合物からなる、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。

請求項3

前記無機系粒子が親水性の表面を有する、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。

請求項4

前記熱硬化性樹脂が疎水性である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。

請求項5

前記熱硬化性樹脂がエポキシ系樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。

請求項6

半導体チップ基板、または複数の半導体チップを接合するためのダイアタッチペーストとして用いられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて、半導体チップと基板、または複数の半導体チップが接合されていることを特徴とする、半導体装置

技術分野

0001

本発明は、例えば半導体チップ基板もしくは複数の半導体チップを接合するのに用いられる熱硬化性樹脂組成物に関し、より詳細には、スペーサ機能を有する有機系粒子を含有し、信頼性に優れた接合を与え得る熱硬化性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる半導体装置に関する。

背景技術

0002

半導体装置は、例えば基板上に半導体チップが積層され、該半導体チップの電極が基板上の電極等に接続された構造を有する。このような半導体装置では、半導体チップを基板に接合するのに導電ペーストエポキシ樹脂接着剤が用いられている。他方、半導体チップの損傷を招くことなく、半導体チップを基板に所定の間隔で接合するために、接着剤微粒子が配合されることがあった。

0003

下記の特許文献1には、平均粒径が10〜100μmであり、かつ長短径比が1.0〜1.5である球状充填剤重量単位で1〜900ppm含有する硬化性ポリマー組成物からなり、半導体チップを該チップ取付部に接合するのに用いられる接着剤が開示されている。この接着剤を用いれば、半導体チップと該チップ取付部材とを一定の間隔で接合し、該半導体チップへの機械的応力を十分に緩和することができるとされている。

0004

他方、下記の特許文献2には、平均粒径10〜500μmの樹脂微粒子を含有する半導体チップ接合用ペースト状接着剤が開示されている。このペースト状接着剤を用いると、半導体チップを損傷することなく、半導体チップを水平に積層できるとされている。
特開2001−19928号公報
特開2005−244188号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1、2に記載の接着剤では、球状充填剤もしくは樹脂微粒子が含有されているため、その接着剤を構成する際に流動性を制御することが困難であり、接着剤の流動性が高すぎることがあった。

0006

特許文献1、2に記載の接着剤を用いて、例えば表面に回路パターン及びワイヤボンディング用パッドが形成されている基板上に半導体チップを載置すると、半導体チップの側面から、基板上の回路パターン及びワイヤボンディング用パッドに接着剤が回り込むことがあった。また、基板上のワイヤボンディング用パッドが、押し広げられたペースト状接着剤により被覆されることがあった。

0007

基板上のワイヤボンディング用パッドが接着剤で被覆されると、上記ワイヤボンディング用パッドにおいてワイヤーボンディングが行い得なくなる。また、半導体チップが接着剤により汚染されたりすることとなる。

0008

一方、近年、半導体装置の小型化及び高性能化に伴って、半導体チップの厚みを薄くし、複数の半導体チップを積層してなる半導体装置も用いられてきている。このような複数の半導体チップが積層された半導体装置では、特に基板もしくは半導体チップのワイヤボンディング用パッドが接着剤で被覆され易く、ワイヤーボンディングが行い得ないことがあった。

0009

本発明は、上述した従来技術の現状に鑑み、スペーサ機能を有する有機系粒子を含有し、例えば半導体チップを基板もしくは他の半導体チップに所定の間隔で接合することができ、半導体チップが汚染されることなく、信頼性に優れた接合を与え得る熱硬化性樹脂組成物及び該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる半導体装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、スペーサ機能を有する有機系粒子と、平均粒径が1μm以下である無機系粒子とを含有し、回転数1rpmで測定した25℃における粘度η1が50〜750Pa・sの範囲にあり、かつ前記粘度η1を回転数10rpmで測定した25℃における粘度η2で除した粘度比(η1/η2)が2.0以上であることを特徴とする。

0011

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物のある特定の局面では、有機系粒子は、主鎖がジビニルベンゼン骨格である化合物からなる。

0012

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の他の特定の局面では、無機系粒子は親水性の表面を有する。

0013

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物のさらに他の特定の局面では、熱硬化性樹脂は疎水性である。

0014

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物のさらに他の特定の局面では、熱硬化性樹脂はエポキシ系樹脂である。

0015

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、好ましくは、半導体チップと基板、または複数の半導体チップを接合するためのダイアタッチペーストとして用いられる。

0016

本発明に係る半導体装置は、本発明に従って構成された熱硬化性樹脂組成物を用いて、半導体チップと基板、または複数の半導体チップが接合されていることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、スペーサ機能を有する有機系粒子と、平均粒径が1μm以下である無機系粒子とを含有する。さらに、本発明では、回転数1rpmで測定した25℃における粘度η1が50〜750Pa・sの範囲にあり、かつ粘度η1を回転数10rpmで測定した25℃における粘度η2で除した粘度比(η1/η2)が2.0以上である。従って、例えば半導体装置を構成するのに用いられると、スペーサ機能を有する有機系粒子により被接合体同士を所定の間隔で接合することができる。さらに、熱硬化性樹脂組成物が濡れ広がり難いので、熱硬化性樹脂組成物により半導体チップが汚染されたりすることなく、信頼性に優れた接合を与えることができる。

0018

また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物を用いて、例えば表面に回路パターン及びワイヤボンディング用パッドが形成されている基板上に半導体チップを載置すると、半導体チップの側面から、基板上の回路パターン及びワイヤボンディング用パッドに熱硬化性樹脂組成物が回り込むことがなく、確実にワイヤーボンディングを行うことができる。

0019

主鎖がジビニルベンゼン骨格である化合物からなる有機系粒子が用いられた場合には、有機系微粒子における不純物含有量が低減されているので、信頼性により一層優れた接合を与えることができる。

0020

無機系粒子が親水性の表面を有する場合には、該無機系粒子は増粘効果が高く、適度な流動性を有する熱硬化性樹脂組成物を容易に構成することができる。よって、熱硬化性樹脂組成物の濡れ広がりを効果的に抑制し得るので、半導体チップが汚染されたりすることなく、信頼性に優れた接合を与えることができる。

0021

熱硬化性樹脂が疎水性である場合には、熱硬化性樹脂組成物がより一層濡れ広がり難くなるので、半導体チップの汚染を防止でき、信頼性に優れた接合を与えることができる。

0022

熱硬化性樹脂がエポキシ系樹脂である場合には、硬化性に優れ、硬化後にはクラック等が発生し難く、接合の信頼性を高めることができる。

0023

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物が、半導体チップと基板、または複数の半導体チップを接合するためのダイアタッチペーストとして用いられる場合には、所定の間隔で接合することができ、かつ半導体チップの汚染を防止でき、確実にワイヤーボンディングを行うこともできる。

0024

本発明に従って構成された熱硬化性樹脂組成物を用いて、半導体チップと基板、または複数の半導体チップが接合されている半導体装置では、半導体チップと基板、または複数の半導体チップが所定の間隔で接合されており、また半導体チップの汚染が防止されているため、信頼性に優れている。

発明を実施するための最良の形態

0025

以下、本発明の詳細を説明する。

0026

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、スペーサ機能を有する有機系粒子と、平均粒径が1μm以下である無機系粒子とを含有する。

0027

上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂熱硬化型ポリイミド系樹脂ユリア系樹脂、アリル系樹脂、ケイ素系樹脂ベンゾオキサジン系樹脂フェノール系樹脂不飽和ポリエステル系樹脂ビスマレイミドトリアジン系樹脂アルキド系樹脂フラン系樹脂メラミン系樹脂ポリウレタン系樹脂アニリン系樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ系樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、熱硬化型ポリイミド系樹脂、ユリア系樹脂、アリル系樹脂、ケイ素系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、フェノール系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビスマレイミドトリアジン系樹脂等が好適に用いられる。これらの熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0028

熱硬化性樹脂とは、常温では液状、半固形状又は固形状等であって常温下又は加熱下において流動性を示す比較的低分子量の物質からなり、この物質が硬化剤触媒又は熱の作用によって硬化反応架橋反応等の化学反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成して不溶不融性となる樹脂を意味する。

0029

本発明では、熱硬化性樹脂は疎水性であることが好ましい。熱硬化性が疎水性であると、熱硬化性樹脂組成物も疎水性となり、熱硬化性樹脂組成物がより一層濡れ広がり難くなる。よって、半導体チップの汚染を防止でき、信頼性に優れた接合を与えることができる。

0030

本発明では、熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂がより好ましく用いられる。エポキシ系樹脂を用いた場合には、冷熱サイクル信頼性、接続信頼性をより一層向上させることができる。本発明に係る熱硬化性樹脂組成物において、熱硬化性樹脂であるエポキシ系樹脂とは、少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物をいうものとする。

0031

上記エポキシ系樹脂としては、疎水性の基をもつものが好ましく、例えば、ジシクロペンタジエン骨格を有するもの、ナフタレン骨格を有するエポキシ等が挙げられる。また、その他の材料としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂ナフタレン型エポキシ樹脂ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、並びにこれらの水添化物臭素化物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレートビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノンメタジオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル商品名「EHPE−3150」(軟化温度71℃、ダイセル化学工業社製)等のような脂環族エポキシ樹脂;1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールポリテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールポリグリシジルエーテル等のような脂肪族エポキシ樹脂フタル酸ジグリシジルエステルテトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸サリチル酸グリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;トリグリシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等のようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマーとの共重合体エポキシ化ポリブタジエン等のような、共役ジエン化合物主体とする重合体またはその部分水添物の重合体の不飽和炭素二重結合エポキシ化したもの;エポキシ化SBS等のような、「ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック」と「共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロック」とを同一分子内にもつブロック共重合体の、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化したもの;上記各種エポキシ基含有化合物にNBR、CTBN、ポリブタジエンアクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂;等、従来公知の各種エポキシ基含有化合物が挙げられる。上記エポキシ系樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0032

上記エポキシ系樹脂の中でも、少なくとも、エポキシ基を多量に含むポリマーを用いると、硬化されたエポキシ系樹脂組成物耐熱性飛躍的に高めることができ、望ましい。上記エポキシ基を多量に含むポリマーとしては特に限定されないが、エポキシ基含有アクリル系ポリマーが好適に用いられる。

0033

エポキシ基含有ポリマー重量平均分子量は、5000〜200000の範囲が好ましく、より好ましくは10000〜100000の範囲である。重量平均分子量が5000未満であると、耐熱性を向上させる効果が十分に得られないことがあり、200000を超えると貯蔵安定性が低下することがある。

0034

上記エポキシ基含有ポリマーを用いる場合、上記エポキシ系樹脂全体100重量部に対して、1重量部〜10重量部の範囲で用いることが望ましい。1重量部よりも少ないと、耐熱性向上効果が十分に得られないことがあり、10重量部を超えると、エポキシ系樹脂組成物からなるペーストを作製した際の粘度が高くなりすぎ、また糸引などの不具合が生じ易くなるおそれがある。上記エポキシ基含有ポリマーのエポキシ当量としては200〜1000の範囲が好ましい。エポキシ当量が200〜1000の範囲であるエポキシ基含有ポリマーは、他のエポキシ系モノマーと相溶性に優れているので、硬化物の耐熱性を高めることができ、望ましい。

0035

上記熱硬化性樹脂を硬化させる硬化剤としては、使用される熱硬化性樹脂と相溶性を有しない限り特に限定されず、従来から熱硬化性樹脂の硬化剤として知られている適宜の硬化剤を用いることができる。

0036

上記硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤酸無水物系硬化剤ジシアンジアミドなどの潜在性硬化剤ジアミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤三級アミン系硬化剤、ホスフィン系硬化剤などが挙げられる。上記硬化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。

0037

上記硬化剤は、一般に、熱硬化性樹脂と当量反応する硬化剤である付加反応型の硬化剤、例えばフェノール酸無水物、ジシアンジアミドまたはジアミンなどの硬化剤と、重合反応、すなわち熱硬化性樹脂とイオン反応を起こす例えばイミダゾール、三級アミンまたはホスフィンなどの硬化剤とに大別することができる。後者の硬化剤は、熱硬化性樹脂と当量反応する硬化剤としての硬化促進効果をも併せ持つ。

0038

上記付加反応型の硬化剤のみを用いた場合には、熱硬化性樹脂の硬化速度は非常に遅いが、硬化物では、エステルやアミンなどの官能基が残存することとなり、また架橋点間距離も適度な長さとなる。従って、硬化系のバランスがとれ、硬化物の接着強度が高められる。

0039

他方、上記重合反応型の硬化剤のみを用いた場合には、硬化速度は速いものの、硬化物の主鎖はエーテル結合となり、この距離が非常に短くなる。従って、硬化物の応力緩和性が低く、接着信頼性に劣ることがある。

0040

従って、好ましくは、上記付加反応型の硬化剤と、重合反応型の硬化剤とを組み合わせて用いることが望ましい。

0041

上記付加反応型の硬化剤と、重合反応型の硬化剤とを組み合わせるに際しては、硬化物のpHを調整するためには、フェノールや酸無水物などの酸性の付加反応型の硬化剤と、イミダゾールや三級アミンなどのような塩基性の重合反応型の硬化剤とを組み合わせて用いることが好ましい。中でも、作業性に優れ、かつ材料選択性の幅が広いため、酸無水物からなる硬化剤と、イミダゾールからなる硬化剤とを併用することが最も好ましい。

0042

上記硬化剤は、使用される熱硬化性樹脂と相溶性を有しないことが好ましい。もっとも、使用される熱硬化性樹脂と相溶性を有する硬化剤を、上記相溶性を有しない硬化剤と併用してもよい。熱硬化性樹脂と相溶性を有する硬化剤のみを用いた場合には、硬化剤による短絡不良の問題は生じ難いが、貯蔵時に安定性が低いという問題点が生じることがある。

0043

上記相溶性を有しない硬化剤としては、潜在性を引き出すために一般的に用いられている硬化剤を挙げることができる。潜在性の硬化剤としては、より具体的には、ジシアンジアミド、ヒドラジド系硬化剤アミンアダクト型硬化剤、マイクロカプセル型硬化剤またはイミダゾール系硬化剤などが挙げられる。中でも、多くの種類の硬化剤が知られているため、イミダゾール系硬化剤が好適に用いられる。

0044

上記付加反応型の硬化剤の配合割合は、好ましくは、熱硬化性樹脂100等量に対し、30〜95等量、より好ましくは50〜90等量の範囲とされる。付加反応型の硬化剤の配合割合が30等量未満では、十分な接着強度を有する硬化物を得ることが困難となることがあり、95等量を超えると、可使時間が長くなるとともに、硬化物の物性が低下するおそれがある。

0045

また、上記重合型の硬化剤、すなわち狭い意味での硬化促進剤の配合割合は、硬化物及び上記付加反応型の硬化剤の合計100重量部に対し、0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは1〜15重量部である。重合型の硬化剤の配合割合が0.1重量部未満では、硬化速度が遅くなり良好な硬化物が得られないことがあり、30重量部を超えると、可使時間が短くなりすぎ、かつ上記重合型の硬化剤の残存による電気的特性劣化を引き起こすおそれがある。

0046

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、有機系粒子を含有する。熱硬化性樹脂組成物に含まれる有機系粒子は、例えば半導体チップを基板もしくは他の半導体チップと接合したときに、この間隔を規制するギャップ材として機能するものである。

0047

上記有機系粒子としては、例えば、ポリエチレンポリプロピレンポリメチルペンテンポリ塩化ビニルポリテトラフルオロエチレンポリスチレンポリメチルメタクリレートポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリアミドポリイミドポリスフォンポリフェニレンオキサイドポリアセタール等の樹脂からなるものが挙げられる。なかでも、粒子の柔軟性と回復率を調整しやすく耐熱性も向上することから、有機系粒子は架橋樹脂粒子であることが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂メラミン樹脂不飽和ポリエステル樹脂ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体ジアリルフタレート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体ベンゾグアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂からなることがより好ましい。なお、これらの樹脂のうち、特に好ましいものは、主鎖がジビニルベンゼン骨格である化合物である、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体等の網目構造を有する樹脂である。

0048

上記主鎖がジビニルベンゼン骨格である化合物からなる有機系粒子は、該有機系粒子を製造する際に、イオン不純物混入するおそれが少ない。よって、得られた有機系粒子では、例えばナトリウムカリウムマグネシウム、銅、鉄、塩素等の含有量が少ないため、信頼性に優れた接合を与えることができる。

0049

上記有機系粒子の粒径は、5〜150μmの範囲が好ましい。粒径が150μmを超えると、例えば複数の半導体チップの接合に用いられた場合にその接合間隔が大きすぎることがあり、5μm未満であると、接合間隔が小さすぎることがある。

0050

上記有機系粒子のCV値は、10%以下であることが好ましい。有機系粒子のCV値が10%以下であると、有機系粒子の粒径のばらつきが非常に小さく、例えば複数の半導体チップの接合に用いられた場合にそのギャップを高精度に制御することができる。よって、例えば基板上に半導体チップを水平に積層することができる。

0051

上記無機系粒子としては、ガラスビーズ合成シリカ粒子等が挙げられる。なかでも、耐熱性に優れているため、分球された合成球状シリカ粒子が好ましく用いられる。

0052

本実施形態の特徴は、上記熱硬化性樹脂と有機系粒子とに加えて、平均粒径が1μm以下である無機系粒子を含有していることにある。この無機系粒子が含有されていることによって、熱硬化性樹脂組成物が適度な流動性を有し、熱硬化性樹脂組成物が濡れ広がるのを抑制することができる。よって、熱硬化性樹脂組成物により半導体チップが汚染されたりすることなく、信頼性に優れた接合を与えることが可能となる。

0053

無機系粒子の平均粒径が1μmを超えると、増粘効果が低く、熱硬化性樹脂組成物の流動性に劣ることあり、また熱硬化性樹脂組成物中での分散性も悪くなる。

0054

無機系粒子は親水性の表面を有することが好ましい。特に、熱硬化性樹脂が疎水性であり、熱硬化性樹脂組成物が疎水性である場合に、親水性の表面を有する無機系粒子がより好ましく用いられる。無機系粒子が親水性の表面を有する場合には、該無機系粒子は増粘効果が高いので、適度な流動性を有する熱硬化性樹脂組成物を構成することができる。よって、熱硬化性樹脂組成物が濡れ広がるのをより一層抑制することができる。

0055

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物には、本発明の課題達成阻害しない範囲で、必要に応じて他の添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、導電性粉末脂肪族水酸基含有化合物熱可塑性樹脂シランカップリング剤密着性向上剤充填材補強材軟化剤可塑剤粘度調整剤揺変剤、安定剤、酸化防止剤着色剤脱水剤難燃剤帯電防止剤発泡剤防黴剤などが挙げられる。これらの添加剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が添加されてもよい。

0056

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物には、他の樹脂成分として各種熱可塑性樹脂の1種または2種以上が配合されてもよい。また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物には、シランカップリング剤が配合されてもよい。シランカップリング剤を配合すると、耐湿接着性を高めることができる。

0057

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、上記各種成分を均一に分散・混合することにより得ることができる。この分散・混合方法は特に限定されないが、例えば、三本ロール、らいかい機、プラネタリーミキサーなどによる分散・混練方法を挙げることができる。混合に際し、必要に応じて減圧してもよい。また、遊星式の攪拌機を用いることにより、各成分を混合することが望ましく、それによって金属物の混入を避けつつ、各成分を均一にかつ容易に混合することができる。

0058

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、回転数1rpmで測定した25℃における粘度η1が50〜750Pa・sの範囲にあり、かつ粘度η1を回転数10rpmで測定した25℃における粘度η2で除した粘度比(η1/η2)が2.0以上である。粘度η1及び粘度η2は、例えばE型粘度計によって測定される。

0059

粘度η1が50Pa・sより小さいと、流動性が高すぎて熱硬化性樹脂組成物が濡れ広がり易く、半導体チップが汚染されたり、ワイヤーボンディングが行い得ないことがあり、750Pa・sを超えると、流動性が低すぎて、塗布作業が困難であったり、接合界面に熱硬化性樹脂組成物が均一に塗布され難くなる。粘度比(η1/η2)が2.0より小さいと、塗布時や接合時に熱硬化性樹脂組成物が流動し、半導体チップが汚染されたり、ワイヤーボンディングが行い得ないことがある。

0060

図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置を略図的に示す正面断面図である。

0061

半導体装置1では、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物がダイアタッチペーストとして用いられている。半導体装置1では、該熱硬化性樹脂組成物を硬化させて形成された接着剤層2,3を介して、複数の半導体チップ4、5が基板6上に積層され、かつ接合された構造を有する。半導体装置1では、接着剤層2中の複数の有機系粒子7を介して基板6と半導体チップ4との間隔が規制されており、接着剤層3中の複数の有機系粒子8を介して半導体チップ4と半導体チップ5との間隔が規制されている。なお、接着剤層2,3中には、図示しないが、複数の無機系粒子が含有されている。

0062

基板4は、回路パターンが上面に形成された回路基板からなる。上記半導体チップ2は、通常、シリコン系半導体などの適宜の半導体材料により構成されている。半導体素子チップの4,5の上面には、外部と電気的に接続するための電極4a,4b,5a,5bが形成されている。半導体チップ4の電極4a,4bが、金属ワイヤ9,10を介して基板6の上面に形成された電極パッド6a,6bに電気的に接続されている。半導体チップ5の電極5a,5bが、金属ワイヤ11,12を介して基板6の上面に形成された電極パッド6c,6dに電気的に接続されている。半導体チップ4,5を覆うように、基板6上に樹脂モ−ルド層13が形成されている。

0063

以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を説明することにより本発明を明らかにする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0064

(使用した材料)
(1)エポキシ化合物(熱硬化性樹脂)
ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物:大日本インキ社製、品番:HP7200
ナフタレン型エポキシ:大日本インキ社製、品番:HP4032D
(2)硬化剤
トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸:JER社製、品番:YH−307
(3)硬化促進剤
イミダゾール系硬化剤:四国化成工業社製、品番:2MAO
(4)粘度調整用粒子(無機系粒子)
クセリカSE−1(シリカ、トクヤマ社製、平均粒径1μm、比表面積15m2/g)
SE−5(シリカ、トクヤマ社製、平均粒径5μm、2.2m2/g)
レオシールMT−10(平均粒径10nm、表面トリクロロメチルシラン処理した,疎水化品、比表面積120m2/g)
QS102(平均粒径10nm、表面未処理気層中作成、比表面積200m2/g)
(5)スペーサー機能粒子(有機系粒子)
SP280:ジビニルベンゼン骨格、球状スペーサー粒子(平均粒径80μm、CV値1%)
(実施例1及び比較例)
下記の表1に示す組成で各成分を配合し、混合した。この混合物遊星式攪拌機を用いて攪拌、混合、脱泡することにより実施例1〜5及び比較例1〜6の熱硬化性樹脂組成物を得た。

0065

(実施例及び比較例の評価)
(1)熱硬化性樹脂組成物の粘度の評価
E型粘度計(東機産業社製、型番VE22H)を用いて、25℃における回転数1rpmの粘度η1、及び回転数10rpmの粘度η2を測定した。

0066

粘度η1を粘度η2を除して粘度比(η1/η2)を求めた。

0067

(2)その他評価
熱硬化性樹脂組成物をシリンジ充填し、シリンジ先端に武蔵エンジニアリング社製精密ノズルノズル先端径0.3mm)を取り付けた。しかる後、ディスペンサー装置(武蔵エンジニアリング社製「SHOT MASTER300」)を用いて、ガラスエポキシ基板の半導体チップ接着エリア内に塗布量が約40mgになるように、熱硬化性樹脂組成物を塗布した。塗布後、厚さ100μmの半導体チップ(10mm×10mm角アルミ配線厚み0.7μmがL/S=15/15でメッシュ状にパターンニングされ、表面に窒化シリコン膜が1.0μm、ペリフェラル状に110μmのパッド開口部を172個もつ)を上記ガラスエポキシ基板上に、フリップチップボンダー(澁谷工業社製「DB−100」)を用いて荷重196kPaで圧着して搭載した。半導体チップを積層した後、熱風乾燥炉内にて150℃で60分間、熱硬化性樹脂組成物を硬化させ半導体装置を作製した。更に、得られた半導体装置において、ワイヤーボンディングにより基板と半導体チップとを接続した。

0068

このときのディスペンス性光学観察による染み出し性を下記評価基準で評価した。さらに、接触式厚み計により半導体チップ傾きを評価した。

0069

(ディスペンス性)
〇:塗出可能
△:困難であるが、塗出可能
×:塗出不可能
(染み出し性)
〇:ワイヤーボンディングパットが汚染されていなかった
△:ワイヤーボンディングパットがわずかに汚染されていた
×:ワイヤーボンディングパットが汚染されていた
結果を下記の表1、2に示す。

0070

0071

図面の簡単な説明

0072

本発明の一実施形態に係る半導体装置を略図的に示す正面断面図。

符号の説明

0073

1…半導体装置
2,3…接着剤層
4,5…半導体チップ
4a,4b,5a,5b…電極
6…基板
6a〜6d…電極パッド
7,8…有機系粒子
9〜12…金属ワイヤ
13…樹脂モールド層

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