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技術 熱交換器伝熱管の閉塞診断方法及び装置

出願人 株式会社IHI荏原工業洗浄株式会社
発明者 斉藤修杉山泉田坂瑞明中原勇神山和訓田中敏和
出願日 2005年12月13日 (13年9ヶ月経過) 出願番号 2005-358528
公開日 2007年6月28日 (12年2ヶ月経過) 公開番号 2007-163003
状態 未査定
技術分野 熱交換管の清掃
主要キーワード 所要直径 ウォーターボックス 自動装填装置 エア供給ライン 熱交換器伝熱管 流体噴射機構 引掛る エア出口
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年6月28日)のものです。
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図面 (5)

課題

伝熱管閉塞の有無の診断に要する手間と時間を削減できるようにする。

解決手段

熱交換器19の伝熱管2の一端部に、スポンジボール20を詰め込んだ後、エアガン27より噴き出させる所要圧力加圧エア23を用いてスポンジボール20を伝熱管2内へ撃ち込み、撃ち込まれたスポンジボール20が伝熱管2の他端部より排出されるか否かを観察して、スポンジボール20が排出される伝熱管2は健全であると診断する。一方、スポンジボール20が排出されない伝熱管2は、内部に異物等による閉塞が生じているものと診断するようにする。一本の伝熱管2についての閉塞の有無の診断を、一端部より撃ち込むスポンジボール20が他端部より排出されるか否かで直ちに判断して、すべての伝熱管2の閉塞診断に要する時間を削減させる。

概要

背景

一般に用いられている多管式熱交換器の1つとして、伝熱管熱膨張対策を図るために、U字状に屈曲形成された伝熱管を備えてなる形式熱交換器がある。

図3は上記U字状の伝熱管を備えてなる形式の熱交換器の基本的な構成を示すもので、熱交換器の胴1内に多数本のU字状の伝熱管2を配して、該各伝熱管2の一端部と他端部を、上記胴1の開口側端部を閉止するように配置してある管板3に貫通させて支持させるようにしてある。上記管板3の胴1に対する反対側面には、上記各伝熱管2の入口側と出口側とを仕切るように仕切板4を取り付けると共に、該仕切板4によって内部が入口室5aと出口室5bに二分される水室ウォーターボックス)5を設けてなる構成としてある(たとえば、特許文献1参照)。これにより、上記水室5の入口室5aへ導かれる第1の流体、たとえば、冷却水6を、上記各伝熱管2内を流通させて出口室5bまで送る間に、上記胴1内へ導く第2の流体、たとえば、被冷却流体7と熱交換させて、該被冷却流体7の冷却を行うことができるようにしてある。

かかるU字状の伝熱管2を具備してなる熱交換器のうち、原子力発電所におけるプール水冷却系の熱交換器や復水器として用いられる熱交換器、あるいは、使用済燃料貯蔵施設内で用いられる熱交換器としては、上記伝熱管2を逆U字状に配置してなる縦型の熱交換器が多く使用されており、このような原子力発電所や使用済燃料貯蔵施設で使用されている熱交換器では、1基当たり、上記伝熱管2の本数が数百本〜数千本に達するものがある。

ところで、上記のような多管式の熱交換器に供給される冷却水6に異物混入した場合には、該異物が水室5の入口室5aより冷却水6の流れに乗って上記伝熱管2に進入する虞があり、この進入した異物が伝熱管2の内部に付着したり、引掛ることによって該伝熱管2を閉塞させる可能性がある。

上記のような異物による伝熱管2の閉塞は、圧力損失の増加につながるため、該閉塞が生じた伝熱管2については、その内部を清掃して異物を除去することによって閉塞を解消させる必要がある。そのために、上記多管式熱交換器では、所要メンテナンス時等に、個々の伝熱管2について異物による閉塞の有無を診断する必要がある。更に、伝熱管2の異物による閉塞の有無の診断作業の後に、別途、伝熱管2の異物による閉塞部分清掃作業を行う場合には、その清掃作業対象となる異物によって閉塞された伝熱管2を、多数の伝熱管2の中から特定できるようにする必要がある。

上記の如き多管式熱交換器について伝熱管2内における異物による閉塞の有無を診断する場合、従来は、各伝熱管2の1本ずつに対してファイバースコープ等を挿入し、目視点検を行うようにしていた。

又、発電所にて、蒸気タービンの駆動に供した後の蒸気復水させるための発電所復水器は、一般に、図4に示す如く、シェルアンドチューブ型の熱交換器としての発電所復水器8を用いるようにしてあり、復水器細管(伝熱管)9に、入口循環水配管11を通して導いた海水12を通水させることにより、シェル(胴)10内へ導入される蒸気(図示せず)を冷却して復水させるようにしてあり、該蒸気の冷却に供した後の海水12は、出口循環水配管13を経て、放水口14より海洋15へ散水させるようにしてある。

更に、上記発電所復水器8の細管9は、冷却用の海水12を通過させているものであるため、適切な保守を行わないと、水垢や海洋生成物等が管内壁に付着し、該細管9が閉塞されて冷却効率の低下を招く虞がある。そのために、上記発電所復水器8においては、復水器細管9内を定期的に洗浄(清掃)する必要があり、かかる復水器細管9の洗浄手法としては、近年では、通常運転を継続したままのボール洗浄が多く実施されるようになってきている。

これは、上記入口循環水配管11の途中位置にて、復水器細管9へ導かれる海水12に所要の柔軟性を有するスポンジボールの如き洗浄用ボール16を予め混合して、該洗浄用ボール16を含んだ海水12を上記復水器細管9へ流通させることにより、復水器細管9の内壁に付着した水垢や海洋生成物等を、上記復水器細管9内を通過する海水12に含まれている洗浄用ボール16によって掻き落とさせて、各復水器細管9内を洗浄するようにしている。なお、復水器細管9を通過した後の洗浄用ボール16は、ボール捕集器17にて、海洋15へ散水される海水12より捕集した後、再循環又はボール回収器18に回収するようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。

実開昭63−197988号公報
特開平11−118389号公報

概要

伝熱管の閉塞の有無の診断に要する手間と時間を削減できるようにする。熱交換器19の伝熱管2の一端部に、スポンジボール20を詰め込んだ後、エアガン27より噴き出させる所要圧力加圧エア23を用いてスポンジボール20を伝熱管2内へ撃ち込み、撃ち込まれたスポンジボール20が伝熱管2の他端部より排出されるか否かを観察して、スポンジボール20が排出される伝熱管2は健全であると診断する。一方、スポンジボール20が排出されない伝熱管2は、内部に異物等による閉塞が生じているものと診断するようにする。一本の伝熱管2についての閉塞の有無の診断を、一端部より撃ち込むスポンジボール20が他端部より排出されるか否かで直ちに判断して、すべての伝熱管2の閉塞診断に要する時間を削減させる。

目的

ところが、前述したように、原子力発電所や使用済燃料貯蔵施設で用いられる熱交換器のように1基当たりの伝熱管2の数が数百本〜数千本にも達する熱交換器について、伝熱管2の1本ずつに対し、ファイバースコープ等による目視点検をそれぞれ実施して、各伝熱管2の閉塞状況の診断を行うには、たとえば、一日に数十本の診断しか行えない等、伝熱管2の閉塞診断作業に多大な労力と時間が必要となる。しかも、検査対象となる熱交換器が原子力発電所や使用済燃料貯蔵施設における放射線管理区域内に設置されている場合には、放射線管理区域における作業時間はできるだけ短縮化することが好ましい。そのために、上記のような数百本〜数千本もの伝熱管2を具備してなる熱交換器においても伝熱管2の異物による閉塞の有無の診断を効率よく実施できるようにして、該診断に要する作業時間の短縮化を図ることが望まれている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱交換器における伝熱管に一端部より所要直径の柔軟な材質ボール所要流体の圧力により撃ち込み、該撃ち込まれたボールが上記伝熱管の他端部より排出されるか否かにより上記伝熱管が健全であるか、又は、異物による閉塞の虞がある状態かを診断することを特徴とする熱交換器伝熱管の閉塞診断方法

請求項2

熱交換器におけるすべての伝熱管に一端部より所要直径の柔軟な材質のボールを所要流体の圧力を用いて撃ち込み、各伝熱管のうち、他端部よりボールが排出されない伝熱管を検出することにより、異物による閉塞の虞がある伝熱管を特定することを特徴とする熱交換器伝熱管の閉塞診断方法。

請求項3

ボールの直径及び該ボールを伝熱管に撃ち込むときの流体の圧力の条件を、予め該伝熱管に閉塞を生じさせることが想定される閉塞状態の伝熱管のモデルを用いてボールが閉塞部に引掛るときと通過するときの境界条件を基に設定するようにする請求項1又は2記載の熱交換器伝熱管の閉塞診断方法。

請求項4

ボールを伝熱管へ撃ち込むための流体として加圧エアを用いるようにする請求項1、2又は3記載の熱交換器伝熱管の閉塞診断方法。

請求項5

熱交換器の伝熱管へ挿入するための所要直径の柔軟な材質のボールと、伝熱管内へ所要流体を所要の圧力で噴き込むことができるようにして、伝熱管の一端部に挿入した上記ボールに上記所要流体の圧力を作用させることにより該ボールを伝熱管内に撃ち込むことができるようにしてある流体噴射装置と、伝熱管に撃ち込まれたボールを他端部より回収するためのボール回収器とを備えてなる構成を有することを特徴とする熱交換器伝熱管の閉塞診断装置

請求項6

ボールの直径及び流体噴射装置より噴射させてボールを伝熱管に撃ち込むための流体の圧力の条件を、予め該伝熱管に閉塞を生じさせることが想定される閉塞状態の伝熱管のモデルを用いてボールが閉塞部に引掛るときと通過するときの境界条件を基に設定するようにした請求項5記載の熱交換器伝熱管の閉塞診断装置。

請求項7

流体噴射装置を、加圧エアを導くエア供給ライン上に圧力調整弁圧力計とを備え、更に、該エア供給ラインの先端に、熱交換器の伝熱管の一端部に密着させて加圧エアを噴き込むためのノズルと、加圧エアの供給開始及び停止を操作するための操作部とを具備してなるエアガンを取り付けてなる構成とした請求項5又は6記載の熱交換器伝熱管の閉塞診断装置。

技術分野

0001

本発明は、多管式熱交換器、特に、原子力発電所使用済燃料貯蔵施設内の熱交換器のような非常に多くの伝熱管具備してなる熱交換器の伝熱管に、閉塞が生じているか否かを診断するために用いる熱交換器伝熱管の閉塞診断方法及び装置に関するものである。

背景技術

0002

一般に用いられている多管式熱交換器の1つとして、伝熱管の熱膨張対策を図るために、U字状に屈曲形成された伝熱管を備えてなる形式の熱交換器がある。

0003

図3は上記U字状の伝熱管を備えてなる形式の熱交換器の基本的な構成を示すもので、熱交換器の胴1内に多数本のU字状の伝熱管2を配して、該各伝熱管2の一端部と他端部を、上記胴1の開口側端部を閉止するように配置してある管板3に貫通させて支持させるようにしてある。上記管板3の胴1に対する反対側面には、上記各伝熱管2の入口側と出口側とを仕切るように仕切板4を取り付けると共に、該仕切板4によって内部が入口室5aと出口室5bに二分される水室ウォーターボックス)5を設けてなる構成としてある(たとえば、特許文献1参照)。これにより、上記水室5の入口室5aへ導かれる第1の流体、たとえば、冷却水6を、上記各伝熱管2内を流通させて出口室5bまで送る間に、上記胴1内へ導く第2の流体、たとえば、被冷却流体7と熱交換させて、該被冷却流体7の冷却を行うことができるようにしてある。

0004

かかるU字状の伝熱管2を具備してなる熱交換器のうち、原子力発電所におけるプール水冷却系の熱交換器や復水器として用いられる熱交換器、あるいは、使用済燃料貯蔵施設内で用いられる熱交換器としては、上記伝熱管2を逆U字状に配置してなる縦型の熱交換器が多く使用されており、このような原子力発電所や使用済燃料貯蔵施設で使用されている熱交換器では、1基当たり、上記伝熱管2の本数が数百本〜数千本に達するものがある。

0005

ところで、上記のような多管式の熱交換器に供給される冷却水6に異物混入した場合には、該異物が水室5の入口室5aより冷却水6の流れに乗って上記伝熱管2に進入する虞があり、この進入した異物が伝熱管2の内部に付着したり、引掛ることによって該伝熱管2を閉塞させる可能性がある。

0006

上記のような異物による伝熱管2の閉塞は、圧力損失の増加につながるため、該閉塞が生じた伝熱管2については、その内部を清掃して異物を除去することによって閉塞を解消させる必要がある。そのために、上記多管式熱交換器では、所要メンテナンス時等に、個々の伝熱管2について異物による閉塞の有無を診断する必要がある。更に、伝熱管2の異物による閉塞の有無の診断作業の後に、別途、伝熱管2の異物による閉塞部分清掃作業を行う場合には、その清掃作業対象となる異物によって閉塞された伝熱管2を、多数の伝熱管2の中から特定できるようにする必要がある。

0007

上記の如き多管式熱交換器について伝熱管2内における異物による閉塞の有無を診断する場合、従来は、各伝熱管2の1本ずつに対してファイバースコープ等を挿入し、目視点検を行うようにしていた。

0008

又、発電所にて、蒸気タービンの駆動に供した後の蒸気復水させるための発電所復水器は、一般に、図4に示す如く、シェルアンドチューブ型の熱交換器としての発電所復水器8を用いるようにしてあり、復水器細管(伝熱管)9に、入口循環水配管11を通して導いた海水12を通水させることにより、シェル(胴)10内へ導入される蒸気(図示せず)を冷却して復水させるようにしてあり、該蒸気の冷却に供した後の海水12は、出口循環水配管13を経て、放水口14より海洋15へ散水させるようにしてある。

0009

更に、上記発電所復水器8の細管9は、冷却用の海水12を通過させているものであるため、適切な保守を行わないと、水垢や海洋生成物等が管内壁に付着し、該細管9が閉塞されて冷却効率の低下を招く虞がある。そのために、上記発電所復水器8においては、復水器細管9内を定期的に洗浄(清掃)する必要があり、かかる復水器細管9の洗浄手法としては、近年では、通常運転を継続したままのボール洗浄が多く実施されるようになってきている。

0010

これは、上記入口循環水配管11の途中位置にて、復水器細管9へ導かれる海水12に所要の柔軟性を有するスポンジボールの如き洗浄用ボール16を予め混合して、該洗浄用ボール16を含んだ海水12を上記復水器細管9へ流通させることにより、復水器細管9の内壁に付着した水垢や海洋生成物等を、上記復水器細管9内を通過する海水12に含まれている洗浄用ボール16によって掻き落とさせて、各復水器細管9内を洗浄するようにしている。なお、復水器細管9を通過した後の洗浄用ボール16は、ボール捕集器17にて、海洋15へ散水される海水12より捕集した後、再循環又はボール回収器18に回収するようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。

0011

実開昭63−197988号公報
特開平11−118389号公報

発明が解決しようとする課題

0012

ところが、前述したように、原子力発電所や使用済燃料貯蔵施設で用いられる熱交換器のように1基当たりの伝熱管2の数が数百本〜数千本にも達する熱交換器について、伝熱管2の1本ずつに対し、ファイバースコープ等による目視点検をそれぞれ実施して、各伝熱管2の閉塞状況の診断を行うには、たとえば、一日に数十本の診断しか行えない等、伝熱管2の閉塞診断作業に多大な労力と時間が必要となる。しかも、検査対象となる熱交換器が原子力発電所や使用済燃料貯蔵施設における放射線管理区域内に設置されている場合には、放射線管理区域における作業時間はできるだけ短縮化することが好ましい。そのために、上記のような数百本〜数千本もの伝熱管2を具備してなる熱交換器においても伝熱管2の異物による閉塞の有無の診断を効率よく実施できるようにして、該診断に要する作業時間の短縮化を図ることが望まれている。

0013

なお、特許文献2に記載されたものは、発電所復水器8の復水器細管9の内壁に付着する水垢や海洋生成物等を洗浄して除去するためのものであって、上記復水器細管9内における異物等による閉塞の有無を診断できるものではない。

0014

すなわち、上記特許文献2に記載されたものでは、入口循環水配管11にて海水に混合させた洗浄用ボール16を、発電所復水器8の復水器細管9の全体に対し海水12の流れに乗せて供給するようにしてあるため、各復水器細管9へ導かれる洗浄用ボール16の数を厳密にコントロールすることができるものではなく、又、各復水器細管9を通過した後の洗浄用ボール16を含む海水12は、まとめて出口循環水配管13へ導かれるため、個々の復水器細管9における洗浄用ボール16の通過状況を確認するための手段は全く具備していない。したがって、復水器細管9のいずれかに異物による閉塞が生じて、該復水器細管9における海水12及び洗浄用ボール16の流通が阻害されるようになったとしても、海水12や洗浄用ボール16は、上記異物による閉塞が生じている復水器細管9を避けて、他の閉塞が生じていない復水器細管9を通過するようになるため、個々の復水器細管9に閉塞が生じているか否かを診断したり、すべての復水器細管9のうち、閉塞の生じている復水器細管9を特定することができるものとはなっていないのである。

0015

そこで、本発明は、多管式熱交換器のすべての伝熱管について、閉塞が生じていない健全な状態か、あるいは、異物による閉塞が懸念される状態かを容易に診断できて、診断作業に要する時間を短縮でき、更に、多数の伝熱管のうちの異物による閉塞が生じている伝熱管を容易に特定できるようにするための伝熱管の閉塞診断方法及び装置を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0016

本発明は、上記課題を解決するために、熱交換器における伝熱管に一端部より所要直径の柔軟な材質のボールを所要流体の圧力により撃ち込み、該撃ち込まれたボールが上記伝熱管の他端部より排出されるか否かにより上記伝熱管が健全であるか、又は、異物による閉塞の虞があるかを診断する熱交換器伝熱管の閉塞診断方法、及び、熱交換器の伝熱管へ挿入するための所要直径の柔軟な材質のボールと、伝熱管内へ所要流体を所要の圧力で噴き込むことができるようにして、伝熱管の一端部に挿入した上記ボールに上記所要流体の圧力を作用させることにより該ボールを伝熱管内に撃ち込むことができるようにしてある流体噴射装置と、伝熱管に撃ち込まれたボールを他端部より回収するためのボール回収器とを備えてなる構成を有する熱交換器伝熱管の閉塞診断装置とする。

0017

又、熱交換器におけるすべての伝熱管に一端部より所要直径の柔軟な材質のボールを所要流体の圧力を用いて撃ち込み、各伝熱管のうち、他端部よりボールが排出されない伝熱管を検出することにより、異物による閉塞の虞がある伝熱管を特定する熱交換器伝熱管の閉塞診断方法とする。

0018

上記各構成において、ボールの直径及び該ボールを伝熱管に撃ち込むときの流体の圧力の条件を、予め該伝熱管に閉塞を生じさせることが想定される閉塞状態の伝熱管のモデルを用いてボールが閉塞部に引掛るときと通過するときの境界条件を基に設定するようにする方法、及び、ボールの直径及び流体噴射装置より噴射させてボールを伝熱管に撃ち込むための流体の圧力の条件を、予め該伝熱管に閉塞を生じさせることが想定される閉塞状態の伝熱管のモデルを用いてボールが閉塞部に引掛るときと通過するときの境界条件を基に設定するようにした装置とする。

0019

更に、上記各構成において、ボールを伝熱管へ撃ち込むための流体として加圧エアを用いるようにする方法、及び、流体噴射装置を、加圧エアを導くエア供給ライン上に圧力調整弁圧力計とを備え、更に、該エア供給ラインの先端に、熱交換器の伝熱管の一端部に密着させて加圧エアを噴き込むためのノズルと、加圧エアの供給開始及び停止を操作するための操作部とを具備してなるエアガンを取り付けてなる構成とした装置とする。

発明の効果

0020

本発明の熱交換器伝熱管の閉塞診断方法及び装置によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)熱交換器における伝熱管に一端部より所要直径の柔軟な材質のボールを所要流体の圧力により撃ち込み、該撃ち込まれたボールが上記伝熱管の他端部より排出されるか否かにより上記伝熱管が健全であるか、又は、異物による閉塞の虞があるかを診断する熱交換器伝熱管の閉塞診断方法、及び、熱交換器の伝熱管へ挿入するための所要直径の柔軟な材質のボールと、伝熱管内へ所要流体を所要の圧力で噴き込むことができるようにして、伝熱管の一端部に挿入した上記ボールに上記所要流体の圧力を作用させることにより該ボールを伝熱管内に撃ち込むことができるようにしてある流体噴射装置と、伝熱管に撃ち込まれたボールを他端部より回収するためのボール回収器とを備えてなる構成を有する熱交換器伝熱管の閉塞診断装置としてあるので、伝熱管の一端部より撃ち込んだ上記ボールが該伝熱管の他端部より排出されるか否かを観察するのみで、該伝熱管が健全であるか、閉塞の虞があるかを容易に診断できる。更に、伝熱管一本あたりの閉塞診断に要する時間を、たとえば、数秒〜数十秒程度と、従来のファイバースコープによる診断作業に比して大幅に短縮することができる。よって、数百本〜数千本もの伝熱管を具備してなる熱交換器であっても、その伝熱管における閉塞の有無を診断するために要する作業時間を大幅に削減できることから、診断対象となる熱交換器が放射線管理区域内に設置されている場合は、該放射線管理区域内での作業時間を大幅に短縮することが可能となる。
(2)熱交換器におけるすべての伝熱管に一端部より所要直径の柔軟な材質のボールを所要流体の圧力を用いて撃ち込み、各伝熱管のうち、他端部よりボールが排出されない伝熱管を検出することにより、異物による閉塞の虞がある伝熱管を特定するようにすることにより、すべての伝熱管のうち、閉塞の虞のある伝熱管を容易に特定することができる。 (3)ボールの直径及び該ボールを伝熱管に撃ち込むときの流体の圧力の条件を、予め該伝熱管に閉塞を生じさせることが想定される閉塞状態の伝熱管のモデルを用いてボールが閉塞部に引掛るときと通過するときの境界条件を基に設定するようにすることにより、上記ボールの伝熱管への撃ち込みによって該伝熱管の閉塞の有無の診断を適切に行うことができる。
(4)ボールを伝熱管へ撃ち込むための流体として加圧エアを用いることにより、利用を容易に行うことができると共に、伝熱管を通過するボールと一緒に排出される流体の後処理を容易なものとすることができる。更に、原子力発電所においては各所に常用のために供給されている加圧エアを利用することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。

0022

図1は本発明の熱交換器伝熱管の閉塞診断方法及び装置の実施の一形態を示すもので、閉塞診断対象となる熱交換器19の伝熱管2に挿入するための柔軟な材質のボール、たとえば、スポンジボール20と、伝熱管2の入口側又は出口側の一方の端部(一端部)より所要流体を所要の圧力で噴き込むことができるようにしてある流体噴射装置21と、上記伝熱管2を通過して他方の端部より排出されるスポンジボール20を回収するためのボール回収器22とからなる構成として、閉塞の診断を行うべき伝熱管2の一端部にスポンジボール20を挿入した後、上記流体噴射装置21により、上記伝熱管2の一端部側から所要流体を所要圧力で噴き込んで該伝熱管2への上記スポンジボール20の撃ち込みを行い、該撃ち込まれたスポンジボール20が上記伝熱管2の他端部よりボール回収器22へ向けて排出されるか否かに基づいて、該伝熱管2が異物等による閉塞の虞のない健全な状態か、あるいは、閉塞が懸念される状態であるかの診断を行うようにする。

0023

更に、上記熱交換器19におけるすべての伝熱管2に対して上記と同様にして一端部側からのスポンジボール20の撃ち込み作業を順次行い、すべての伝熱管2のうち、他端部よりスポンジボール20の排出が行われない伝熱管2を、異物による閉塞の発生が懸念される伝熱管2として特定するようにする。

0024

以下、詳述する。

0025

上記熱交換器は、図3に示したと同様の伝熱管2を配置が逆U字状となるように配置して縦型にしたものとして示してある。

0026

伝熱管2に対して上記スポンジボール20を撃ち込むために流体噴射装置21より噴射させる流体としては、利用の容易性、及び、スポンジボール20が伝熱管2を通過して他端側より排出されるときに該スポンジボール20と一緒に排出される流体の後処理を考慮して、たとえば、原子力発電所にて各所に常用のために供給されている加圧エア23を使用するようにする。

0027

上記流体噴射装置21は、図示しない加圧エア供給部より供給される加圧エア23を、所望する圧力に圧力調整した後、伝熱管2へのスポンジボール20の撃ち込みに供することができるようにするために、加圧エア供給部に接続して加圧エア23を導くためのエア供給ライン24上に、圧力調整弁25と圧力計26とを上流側より順に備える。更に、該エア供給ライン24の先端に、熱交換器19の伝熱管2の一端側開口部に押し当てて密着させた状態で該伝熱管2内へ加圧エア23を噴き込むためのノズル28と、加圧エア23の供給開始及び停止を操作するための操作部としての開閉レバー29とを具備してなるエアガン27を接続する。これにより、上記圧力調整弁25を操作して上記圧力計26にて検出されるエア圧力が所望する圧力となるよう調整した後、上記エアガン27のノズル28を伝熱管2の一端側開口部に密着させた状態で開閉レバー29を開操作することにより、上記伝熱管2内へ上記所望圧力の加圧エア23を噴き込むことができるようにしてある。更に、上記エアガン27には、ノズル28を伝熱管2の一端側開口部へ密着させる作業をより容易に行なえるようにするためのハンドル30を具備してなる構成とすることが好ましい。

0028

上記スポンジボール20の直径と、上記エアガン27より伝熱管2内へ噴き込む加圧エア23の圧力は、以下のように選定する。

0029

すなわち、伝熱管2内に異物等による閉塞が生じている場合、エアの流通が完全に遮断されるような完全な閉塞状態ではなく、上記伝熱管2の閉塞部位においてもエアの流通が多少確保できる状態であれば、該伝熱管2内へ、加圧エア23の圧力を利用してスポンジボール20を撃ち込むことが可能になる。

0030

この際、スポンジボール20の直径が伝熱管2の内径よりも小さいと、伝熱管2の内周面とスポンジボール20の外周との間に隙間が生じ、この隙間を通して加圧エア23が吹き抜けてしまう虞が生じるため好ましくない。そのため、上記スポンジボール20の直径は、少なくとも伝熱管2の内径よりも大きくなるよう設定して、伝熱管2内にスポンジボール20が圧縮された状態で挿入されるようにし、該スポンジボール20を伝熱管2の内周面に密着させることができるようにしてある。

0031

更に、上記のようにスポンジボール20の直径を少なくとも伝熱管2の内径よりも大となる範囲で設定する条件下において、スポンジボール20の大小は、伝熱管2の閉塞部分におけるスポンジボール20の挙動に影響する。すなわち、スポンジボール20の径が比較的小さい場合は、スポンジボール20を伝熱管2内に挿入したときにスポンジボール20の潰れかたが少ないことにより圧縮状態が弱い。この弱い圧縮状態のスポンジボール20は、更なる圧縮を容易に許容し得る状態であるため、該スポンジボール20を、エアガン27より噴き込まれる加圧エア23によって伝熱管2内に撃ち込むときに、該伝熱管2における閉塞部分に達したスポンジボール20が、該閉塞部分を通過し得るような形状に容易に圧縮されて変形されるので、該閉塞部分に引掛り難い傾向となる。

0032

一方、スポンジボール20の径が大きくなって行けば行くほど単に伝熱管2内に挿入したのみでも強く圧縮された状態となるため、更なる圧縮を許容し難くなり、このため、伝熱管2内に撃ち込むと該伝熱管2の閉塞部分に容易に引掛り易い傾向となる。なお、スポンジボール20の直径が大きすぎる場合には、伝熱管2内に詰め込んだスポンジボール20が加圧エア23の圧力では動かなくなる虞がある。

0033

又、伝熱管2内にスポンジボール20を撃ち込む際に使用する加圧エア23の圧力の変化も、上記伝熱管2内の閉塞部分におけるスポンジボール20の挙動に影響を与える。すなわち、加圧エア23の圧力が低い場合には、伝熱管2に撃ち込まれたスポンジボール20が閉塞部分に達したときに、該閉塞部分に対してスポンジボール20を押し込む力が弱いために、スポンジボール20が伝熱管2の閉塞部分に引掛り易い傾向となる。一方、加圧エア23の圧力が高い場合には、スポンジボール20は、上記閉塞部分に対して強く押し込まれるようになるため、該閉塞部分に引掛り難い傾向となり、加圧エア23の圧力が高すぎる場合には、伝熱管2内に閉塞が生じていても、スポンジボール20が該伝熱管2を通過してしまう。

0034

そこで、本発明では、予め閉塞診断対象となる熱交換器19の伝熱管2と同様の内径、湾曲形状としてある伝熱管2のモデルを用いて、該伝熱管のモデルに、実際に熱交換器19に進入して伝熱管2に閉塞を生じさせることが想定される異物、たとえば、ビニールシート針金保温材かけら、棒状の異物等による閉塞状態を形成させ、この閉塞状態下の伝熱管2にスポンジボール20を撃ち込んだときに該スポンジボール20が伝熱管2内の上記異物による閉塞部分に引掛るときと、該閉塞部分を通過するときの境界となるスポンジボール20の直径と加圧エア23の圧力の条件を求める一方、上記と同様の伝熱管2のモデルの他端に、流路面積を一部制限するための閉塞板、たとえば、図2(イ)に示す如く、伝熱管2の流路を外周側より絞るようにして流路面積を所定の割合で制限できるようにしてあるリング状の閉塞板31や、図2(ロ)に示す如く、伝熱管2の流路の一側寄りを弦に沿って閉塞させ、該弦の位置を変化させることにより流路面積を所定の割合で制限できるようにしてある形状の閉塞板32や、図2(ハ)に示す如く、伝熱管2の流路を縦横に十字状に横切る形状として該十字部分の太さを変化させることにより流路面積を所定の割合で制限できるようにした閉塞板33を、図示しない取付部材を介し取り付けることにより、伝熱管2の流路を既知の所定の閉塞率とした状態として、上記伝熱管2のモデルの一端部よりスポンジボール20を加圧エア23を用いて撃ち込むときに該スポンジボール20が上記閉塞板31,32,33の設置部分に引掛るときと、通過するときの境界となるスポンジボール20の直径と加圧エア23の圧力の条件を求めるようにする。しかる後、両条件を比較することにより、加圧エア23によって撃ち込まれるスポンジボール20が、上記伝熱管2内に異物による閉塞部分が発生している場合に該閉塞部分に引掛るようになるときのスポンジボール20の直径と加圧エア23の圧力の条件について、上記閉塞板31,32,33を用いて伝熱管2を面積比で何%の閉塞率とした場合と同様となるかを求めて、該各条件の定量化を行う。その結果、異物による閉塞部分をスポンジボール20が通過するときと引掛るときのスポンジボール20の直径と加圧エア23の圧力についての境界条件が、たとえば、閉塞率10%の閉塞板31,32,33を用いて伝熱管2を閉塞させた場合に、該閉塞部分をスポンジボール20が通過するときと引掛るときのスポンジボール20の直径と加圧エア23の圧力についての境界条件と同様になっているときには、伝熱管2内に異物による閉塞が生じているか否かを判断するための境界条件を、伝熱管2に閉塞率10%未満の閉塞板31,32,33を取り付けた場合にはスポンジボール20が伝熱管2を通過できるが、該伝熱管2に閉塞率10%以上の閉塞板31,32,33を取り付けた場合にはスポンジボール20が通過できなくなる、というようなスポンジボール20の直径と加圧エア23の圧力の条件であると定めるようにする。

0035

具体的には、たとえば、内径17mmの伝熱管2に対して、+1mm〜+10mm(約+6%〜+60%)程度の直径のスポンジボール20を用いると共に、使用する加圧エア23の圧力条件を、0.1MPa〜0.5MPaと設定するようにしてある。

0036

上記ボール回収器22は、伝熱管2を通過して該伝熱管2の他端部より排出されるスポンジボール20を、該スポンジボール20と一緒に伝熱管2の他端部より排出される加圧エア23より分離して回収できるようにする。たとえば、上端開放された所要の高さ寸法を有する箱型容器34内の上下方向中間部に、スポンジボール20の直径よりも十分に小さい所要メッシュスクリーン35を、該スクリーン35の4つの辺部のうち、1つの辺部の位置が低くなるよう傾斜させて取り付けるようにする。又、上記スクリーン35上に載るスポンジボール20の箱型容器34からの取り出しを容易にするために、スクリーン35の上記低位置としてある1つの辺部と対応する上記箱型容器34の一側壁におけるスクリーン35取付位置の直ぐ上方となる位置に、スポンジボール20を回収するための開閉扉付きのボール取出口36を設ける。更に、上記箱型容器34の下端部所要位置には、エア出口37を設けて局所排風機38を接続できる構成としてある。これにより、上記エア出口37に接続する局所排風機38を常時排気運転した状態とすると共に、箱型容器34の上端開口部を、閉塞診断を行う伝熱管2の他端部の下方位置に配置させた状態とするようにする。これにより、上記伝熱管2を通過して他端部より排出されるスポンジボール20と加圧エア23を上記箱型容器34内に導き、スポンジボール20は上記スクリーン35上に受けて、該スクリーン35を通過する加圧エア23と分離した後、スクリーン35の傾斜によってボール取出口36側に集められるスポンジボール20を、該ボール取出口36より回収できるようにしてある。一方、上記スクリーン35を通過した加圧エア23は、エア出口37より局所排風機38に導くことにより、逆流が生じる虞を防止できるようにしてある。

0037

その他、図3に示したものと同一のものには同一符号が付してある。

0038

以上の構成としてある本発明の熱交換器伝熱管の閉塞診断装置を使用する場合は、先ず、熱交換器19の水室5(図3参照)を空にした後、該水室内作業者入り、すべての伝熱管2の一端部にスポンジボール20をそれぞれ詰め込むように挿入する。次いで、伝熱管2の他端部の下方位置に、上記ボール回収器22を配置すると共に、該ボール回収器22に接続してある局所排風機38を運転して常時排気できる状態としておく。この状態にて、たとえば、作業者が二人一組となり、所要の通信手段を用いて、これからスポンジボール20の撃ち込み作業を行う或る伝熱管2を両者が確認した状態としてから、一方の作業者が、スポンジボール20を詰め込んである上記或る伝熱管2の一端部に、エアガン27のノズル28を押し付けた後、開閉レバー29を操作することにより加圧エア23による上記スポンジボール20の該伝熱管2への撃ち込みを行う。この際、他方の作業者は、同じ伝熱管2の他端部よりスポンジボール20が排出されるか否かを監視する。その結果、スポンジボール20が排出された場合には、該伝熱管2は閉塞率が10%以下かあるいは異物による閉塞のない健全な状態であると判断でき、一方、スポンジボール20が排出されない場合には、該伝熱管2に10%以上の閉塞率の閉塞が生じているか又は異物による閉塞の虞が懸念される状態であると判断できるようになる。なお、上記伝熱管2が健全な場合に、一端部より撃ち込まれるスポンジボール20が該伝熱管2を通過して他端部より排出されるのに要する時間は1秒以内である。

0039

又、上記他方の作業者が、スポンジボール20が排出されたか否かの結果について上記一方の作業者に連絡して、該一方の作業者が、そのスポンジボール20の撃ち込み作業を行った伝熱管2の一端部に、スポンジボール20が排出されたか否かの結果に応じて色分けされたゴム栓(図示せず)を差し込む等して印を付けるようにすれば、該印となるゴム栓等の色を基に、その伝熱管2が健全であるか、又は、閉塞の虞が懸念される伝熱管2であるかを容易に判断することができる。

0040

その後、すべての伝熱管2について、上記と同様に、一端部側からのスポンジボール20の撃ち込みを行い、該伝熱管2の他端部からスポンジボール20が排出されるか否かを監視して、その結果に応じた色のゴム栓等による印を該伝熱管2の一端部に付ける作業を順次繰返して実施するようにする。

0041

しかる後、上記各伝熱管2の一端部に付されたゴム栓等の印の色を目視すれば、該印の色に基づいて、すべての伝熱管2のうち、閉塞の虞のある伝熱管2を一目で容易に特定することができるようになる。更に、上記のように、伝熱管2の一端部側よりエアガン27を用いてスポンジボール20の撃ち込み作業を行う上記一方の作業者が、スポンジボール20の撃ち込みを実施した伝熱管2ごとに上記スポンジボール20の排出結果に応じて色分けされたゴム栓等による印をつけるようにすれば、どの伝熱管2に対してスポンジボール20の撃ち込み作業を実施したかを容易に確認できるため、すべての伝熱管2について、閉塞診断作業を確実に実施することができるようになる。

0042

このように、本発明によれば、伝熱管2の一端部より、所要直径のスポンジボール20を所要エア圧の加圧エア23により撃ち込んで、該各伝熱管2の他端部より上記撃ち込まれたスポンジボール20が排出されるか否かを観察するのみで、該伝熱管2が健全であるか、閉塞の虞があるかを容易に診断でき、この際、スポンジボール20が伝熱管2の通過に要する時間は1秒以内であるため、伝熱管2一本あたりの閉塞診断に要する時間を、たとえば、数秒〜数十秒程度と、従来のファイバースコープによる診断作業に比して大幅に短縮することができる。よって、数百本〜数千本もの伝熱管2を具備してなる熱交換器19であっても、その伝熱管2における閉塞の有無を診断するために要する作業時間を大幅に削減できる。したがって、診断対象となる熱交換器19が放射線管理区域内に設置されている場合は、該放射線管理区域内での作業時間を大幅に短縮することが可能となる。

0043

上記閉塞診断作業を行った後、一端部側より撃ち込んだスポンジボール20が他端部より排出されずに閉塞の虞があると診断される伝熱管2が存在した場合には、該伝熱管2についてのみ、改めてファイバースコープを用いて、該伝熱管2の内部、特に、スポンジボール20が止まっている個所目視検査を行うようにして、スポンジボール20の通過が阻止された原因が、異物等の存在による閉塞のためか否かを確認するようにすればよい。
この目視検査によって異物の存在が確認でき、該異物が容易に除去できそうなものであるときは、たとえば、スポンジボール20に更に高圧のエア圧を作用させるようにして、該スポンジボール20によって異物を押し出させて排除するようにすればよい。又、該高圧を作用させたスポンジボール20によっても押し出せない異物であったり、ファイバースコープによる目視検査で発見された異物が、スポンジボール20に高いエア圧を作用させても押し出して除去できないようなものである場合は、上記伝熱管2の出口側から入口側へ水を流す等、配管内の異物除去のために従来行われている手法を適宜行って、上記伝熱管2内の異物を除去するようにすればよい。

0044

なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、スポンジボール20の撃ち込み作業に先立って、先ず、エアのみを伝熱管2内に噴き込んで該伝熱管2内におけるエアの流通状態を確認するようにしてもよく、このようにすれば、エアの流通が阻止されるほど完全な閉塞状態となっている伝熱管2に対し、更にスポンジボール20を押し込んでしまう虞を回避できる。

0045

スポンジボール20の径、及び、伝熱管2へのスポンジボール20の撃ち込みに使用する加圧エア23の圧力は、閉塞診断対象となる熱交換器19の伝熱管2の内径や、伝熱管2の長手方向のカーブ形状等の伝熱管2の形状、及び、該伝熱管2に進入して伝熱管2内を閉塞させる虞のある異物の種類、大きさ等を案して、予め、診断対象となる熱交換器19の伝熱管2のモデルを用いて該伝熱管2に異物が進入して閉塞が発生したときに該閉塞部をスポンジボール20が通過するときと引掛るときの境界条件を、既知の閉塞率の所要の閉塞板を用いて伝熱管2を閉塞した場合の条件と比較して定量化し、該定量化された所定の閉塞率を下回る場合には、スポンジボール20が通過できる一方、該閉塞率以上の場合には、スポンジボール20が引掛るように、スポンジボール20の直径及び加圧エア23の圧力を適宜選定するようにすればよい。更に、柔軟な材質のボールであれば、スポンジ以外の材質のものを使用してもよい。なお、材質がスポンジであっても上記スポンジボール20とは柔軟性が異なったり、上記スポンジボール20とは柔軟性の異なる材質のボールを用いる場合は、ボールの柔軟性も、伝熱管2内の閉塞部分における該ボールの挙動に影響し、柔軟性が高いほど閉塞部分を通過し易くなり、一方、柔軟性が低ければ閉塞部分に引掛り易くなる。そのため、実際に使用するボールを用いて上記と同様にして伝熱管2内に異物による閉塞が生じている場合に、該閉塞部分に引掛るようにさせるためのボール直径とエア圧力についての選定を行うようにすればよい。

0046

上記においては伝熱管2が逆U字状の配置となっていて該伝熱管2の両端の開口部が下向きとなる熱交換器19に適用する場合について示したが、伝熱管2が横向きのU字状の配置とされていたり、更には、U字状以外の伝熱管を備えた多管式熱交換器に適用してもよい。この場合、伝熱管2を通過したスポンジボール20と加圧エア23は、所用ダクト等を介してボール回収器22へ導くようにすればよい。

0047

放射線管理区域内に設置された熱交換器19の伝熱管20の閉塞診断を行なう場合には、放射線管理区域内に搬入する装置の構成は大型化、複雑化しないほうが好ましいが、一般の熱交換器19を閉塞診断対象とする場合には、エアガン27のノズル28部分に、スポンジボール20を1つずつ自動的に装填できるようにした自動装填装置を設けるようにしてもよい。又、スポンジボール20に、どの伝熱管2に撃ちこんだものか識別できるような符号、たとえば、通し番号のような符号を付しておくようにすれば、作業者が一人ですべての伝熱管2の一端部からのスポンジボール20の撃ち込み作業を終えた後、健全な伝熱管2を通過してボール回収器22に回収されているスポンジボール20の符号を確認し、欠落している符号を基に、スポンジボール20が排出されていない閉塞の虞のある伝熱管2を特定するようにしてもよい。又、ボール回収器22を、伝熱管2の他端部の配列に対応するよう個別に仕切られた区画を備えてなるものとして、すべての伝熱管2の一端部からのスポンジボール20の撃ち込み作業を終えた後、ボール回収器22にてスポンジボール20の回収されていない区画の位置から、スポンジボール20が排出されていない閉塞の虞のある伝熱管2を特定できるようにしてもよい。

0048

上記においては、伝熱管2へのスポンジボール20の撃ち込みに使用する流体として加圧エア23を示したが、伝熱管2を侵す等の不都合がなければ、加圧エア23以外のガスや、更には、水等の液体を用いるようにしてもよい。なお、液体を用いる場合には、ボール回収器22の底部に、該液体を回収するためのタンクを接続するようにすればよく、更に、該タンク内の液体を所要圧力でノズルから噴射させて伝熱管2へのスポンジボール20の撃ち込みのために循環使用できるような流体噴射機構装備するようにすればよい。

0049

原子力発電所や放射性廃棄物貯蔵施設以外に設けられる熱交換器にも適用してもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。

図面の簡単な説明

0050

本発明の熱交換器伝熱管の閉塞診断方法及び装置の実施の一形態を示す概要図である。
(イ)(ロ)(ハ)はいずれも図1の装置において使用するスポンジボールの直径と加圧エアの圧力の条件とを定めるために、伝熱管のモデルに人為的に閉塞状態を形成させるために用いる閉塞板の例を示すものである。
U字状の伝熱管を有する多管式熱交換器の一例を示す概略切断側面図である。
従来、発電所復水器の細管を洗浄するために用いられているボール洗浄方法を示す概要図である。

符号の説明

0051

2伝熱管
19熱交換器
20ボール(スポンジボール)
21流体噴射装置
23加圧エア(流体)
24エア供給ライン
25圧力調整弁
26圧力計
27エアガン
28ノズル
29開閉レバー(操作部)

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