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技術 静電荷像現像用トナーの製造方法

出願人 日本ゼオン株式会社
発明者 渡辺誠
出願日 2005年11月30日 (15年1ヶ月経過) 出願番号 2005-347364
公開日 2007年6月21日 (13年6ヶ月経過) 公開番号 2007-155860
状態 特許登録済
技術分野 電子写真における現像剤 電子写真における現像剤
主要キーワード 補助スクリュー 予備的混合 高速攪拌処理 真空作用 分級設備 逆円錐形 投入重量 ロータリーフィルター
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この項目の情報は公開日時点(2007年6月21日)のものです。
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図面 (2)

課題

湿式法による造粒工程を経て得られた着色樹脂粒子へ、乾燥工程中に外添剤を添加し、予備的に混合することによって外添工程の延べ所要時間を短縮し、且つ、外添剤を着色樹脂粒子の表面に均一且つ強固に付着させることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。

解決手段

分散安定剤を含有する水系分散媒体中で着色樹脂粒子の造粒を行う湿式法により結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、該着色樹脂粒子水分散液の洗浄工程、脱水工程、及び乾燥工程を含み、該乾燥工程において、該脱水工程において得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を含水率が15%以下となるまで乾燥した後、攪拌手段を有する乾燥機により、該着色樹脂粒子と該外添剤の全量の50重量%以上とを、該攪拌手段を作動させながら該含水率が3%以下となるまで乾燥し、該乾燥工程後、得られた着色樹脂粒子を、高速攪拌機により攪拌することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。

概要

背景

静電潜像静電荷像現像用トナー現像することで所望の画像を形成する方法が広く実施されている。例えば、電子写真法では、感光体に形成された静電潜像を、トナーで現像し、紙やOHPシート等の記録材転写した後、定着して印刷物を得る。

トナーは、主に着色樹脂粒子を含有し、必要に応じて外添剤キャリア等の他の粒子をさらに含有している。
トナーの主構成要素である着色樹脂粒子の製造方法は、着色樹脂粒子の造粒方法により乾式法湿式法に大別され、例えば、粉砕法重合法、溶解懸濁法等、幾つかの方法がある。
粉砕法は、結着樹脂着色剤溶融混練するか、又はモノマーと着色剤を含有する混合物を重合させることにより得た着色樹脂固形物粉砕分級することにより着色樹脂粒子を製造する方法であり、いわゆる乾式法に属する。
一方、重合法や溶解懸濁法は、着色樹脂粒子となる液滴を水系分散媒体中で形成する工程を含む方法であり、いわゆる湿式法に属する。
重合法としては、例えば、重合性単量体と着色剤を含有する重合性単量体組成物の液滴を形成し、該液滴を重合させて着色樹脂粒子を造粒する懸濁重合法や、乳化させた重合性単量体を重合し樹脂微粒子を得て、着色剤等と凝集させ、着色樹脂粒子を造粒する乳化重合凝集法などが挙げられる。重合法による造粒においては着色樹脂粒子となる液滴を水系分散媒体中で形成した後に重合を行なう。
また、溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分有機溶媒に溶解した溶液を水系分散媒体中で液滴形成した後、該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法である。溶解懸濁法による造粒においては、着色樹脂粒子となる液滴を形成した後で重合を行なう必要がない。

粉砕法で得られる着色樹脂粒子が不定形であるのに対して、懸濁重合法や乳化重合凝集法、溶解懸濁法等の湿式法で得られる着色樹脂粒子は、形状が球形に近く、小粒径シャープな粒径分布をもつ。
特に、画像再現性精細性等の画質を向上させる観点から、上記湿式法により得られるトナーのように、形状や粒径分布が高度に制御されたトナーが用いられるようになってきた。

湿式法による場合、着色樹脂粒子が造粒された後、着色樹脂粒子が水系分散媒体中に分散した分散液が得られる。得られた分散液を脱水し、次いで乾燥することによって、乾燥した着色樹脂粒子が得られる。
トナーの流動性耐ブロッキング性等の特性を改善するために、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることが有効であるが、着色樹脂粒子の表面に外添剤を均一且つ強固に付着させるためには、着色樹脂粒子に外添剤を添加し高速攪拌する必要がある。
湿式法による場合、外添剤を着色樹脂粒子に添加して、高速の攪拌により着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させる、いわゆる外添工程は、従来、乾燥工程の後に行われている。通常、乾燥工程において一括処理された着色樹脂粒子は、外添工程においては一括処理されず、適当量ずつ分けて分割処理される。生産性の観点からは、製造途中の各工程においては、前の工程でできる全量の材料又は中間製品を一括処理することが望ましい。しかし、外添工程で必要とされる高速攪拌を均一に行うことができる装置の規模が限られているために、乾燥工程で一括処理された大量の着色樹脂粒子を、外添工程では一括処理することが難しい。
そのため、外添剤を計量し投入するための所要時間や、高速攪拌を行うための所要時間が、外添工程における分割処理の回数分だけ増え、外添工程に長時間が費やされ生産性を低下させていた。高速攪拌機を2機以上設置して各着色樹脂粒子の分割処理を並行して行えば所要時間を短縮できるが、設置費用や設置空間が増大するため、このような並行処理も好ましくない。

特許文献1には、湿式法において、導電度50μmS/cm以下の水を用いて湿潤状態にしたトナー母粒子に、固体微粒子(外添剤)を混合して乾燥させることによって、トナー母粒子に対して外添剤を効率よく被覆できることが開示されている。また、この方法においては、乾燥工程前含水率は、10%以上35%以下であることが好ましいとされている。また、ろ過後の含水率が28〜30%の着色樹脂粒子に外添剤を添加した後、乾燥して得たトナーが開示されている(特許文献1の段落0053及び段落0085〜0093)。
しかし、この方法では、工業的な乾燥工程で一括処理されるような大量のトナー母粒子に外添剤を混合したときに、トナー母粒子の表面に外添剤を均一に付着させることができず、得られるトナーは、印字耐久性が不十分であった。

特許文献2には、重合により生成した重合トナー洗浄し、濾過した後、重合トナーの含水率を60%以下に調整し、次いで、該トナーに有機及び無機微粒子から選ばれる固体微粒子を添加し、混合しながら乾燥を行うことにより、乾燥工程における重合トナーの融着や凝集、重合トナーの乾燥装置への付着を防ぎながら効率よく乾燥工程を行えることが開示されている。さらに、この文献においても、乾燥工程前の含水率は20〜45%が好ましいとされており、脱水後の着色樹脂粒子を熱風乾燥により含水率38%に調整した後、一部の固体微粒子を添加して乾燥し、さらに外添工程で、残りの多くの外添剤を添加する方法が開示されている(特許文献2の段落0056)。
しかし、この文献に記載された方法では、外添剤の一部を乾燥工程において用いているだけであり、外添剤のほとんどは乾燥工程の後、外添工程において添加され、外添工程の効率に問題があった。

特開2005−221968号公報
特開2001−281928号公報

概要

湿式法による造粒工程を経て得られた着色樹脂粒子へ、乾燥工程中に外添剤を添加し、予備的に混合することによって外添工程の延べ所要時間を短縮し、且つ、外添剤を着色樹脂粒子の表面に均一且つ強固に付着させることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。分散安定剤を含有する水系分散媒体中で着色樹脂粒子の造粒を行う湿式法により結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、該着色樹脂粒子水分散液の洗浄工程、脱水工程、及び乾燥工程を含み、該乾燥工程において、該脱水工程において得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を含水率が15%以下となるまで乾燥した後、攪拌手段を有する乾燥機により、該着色樹脂粒子と該外添剤の全量の50重量%以上とを、該攪拌手段を作動させながら該含水率が3%以下となるまで乾燥し、該乾燥工程後、得られた着色樹脂粒子を、高速攪拌機により攪拌することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。

目的

本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、湿式法による造粒工程を経て得られた着色樹脂粒子へ、乾燥工程中に外添剤を添加、混合することによって外添工程の延べ所要時間を短縮し、且つ、外添剤を着色樹脂粒子の表面に均一且つ強固に付着させることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

分散安定剤を含有する水系分散媒体中着色樹脂粒子造粒を行う湿式法により結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、該着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を洗浄する工程、洗浄した着色樹脂粒子水分散液を脱水する脱水工程、及び脱水して得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥する乾燥工程を含み、着色樹脂粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、該乾燥工程において、該脱水工程において得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を、さらに攪拌手段を有する乾燥機により含水率3%以下となるまで乾燥すると共に、該乾燥機内において、該着色樹脂粒子を含水率15%以下とした後、該着色樹脂粒子と該外添剤の全量の50重量%以上とを、該攪拌手段により攪拌し、該乾燥工程により得られた着色樹脂粒子を、高速攪拌機により攪拌することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項2

該乾燥機の攪拌手段が、逆円錐形容器内でスクリュー自転公転を同時に行う混合装置であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項3

該乾燥工程において、該外添剤の全量を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

請求項4

分級工程を含まないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、電子写真法静電記録法、静電印刷法等において静電潜像現像するために用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。なお、以下において、「静電荷像現像用トナー」のことを単に「トナー」と称することがある。

背景技術

0002

静電潜像を静電荷像現像用トナーで現像することで所望の画像を形成する方法が広く実施されている。例えば、電子写真法では、感光体に形成された静電潜像を、トナーで現像し、紙やOHPシート等の記録材転写した後、定着して印刷物を得る。

0003

トナーは、主に着色樹脂粒子を含有し、必要に応じて外添剤キャリア等の他の粒子をさらに含有している。
トナーの主構成要素である着色樹脂粒子の製造方法は、着色樹脂粒子の造粒方法により乾式法湿式法に大別され、例えば、粉砕法重合法、溶解懸濁法等、幾つかの方法がある。
粉砕法は、結着樹脂着色剤溶融混練するか、又はモノマーと着色剤を含有する混合物を重合させることにより得た着色樹脂固形物粉砕分級することにより着色樹脂粒子を製造する方法であり、いわゆる乾式法に属する。
一方、重合法や溶解懸濁法は、着色樹脂粒子となる液滴を水系分散媒体中で形成する工程を含む方法であり、いわゆる湿式法に属する。
重合法としては、例えば、重合性単量体と着色剤を含有する重合性単量体組成物の液滴を形成し、該液滴を重合させて着色樹脂粒子を造粒する懸濁重合法や、乳化させた重合性単量体を重合し樹脂微粒子を得て、着色剤等と凝集させ、着色樹脂粒子を造粒する乳化重合凝集法などが挙げられる。重合法による造粒においては着色樹脂粒子となる液滴を水系分散媒体中で形成した後に重合を行なう。
また、溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分有機溶媒に溶解した溶液を水系分散媒体中で液滴形成した後、該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法である。溶解懸濁法による造粒においては、着色樹脂粒子となる液滴を形成した後で重合を行なう必要がない。

0004

粉砕法で得られる着色樹脂粒子が不定形であるのに対して、懸濁重合法や乳化重合凝集法、溶解懸濁法等の湿式法で得られる着色樹脂粒子は、形状が球形に近く、小粒径シャープな粒径分布をもつ。
特に、画像再現性精細性等の画質を向上させる観点から、上記湿式法により得られるトナーのように、形状や粒径分布が高度に制御されたトナーが用いられるようになってきた。

0005

湿式法による場合、着色樹脂粒子が造粒された後、着色樹脂粒子が水系分散媒体中に分散した分散液が得られる。得られた分散液を脱水し、次いで乾燥することによって、乾燥した着色樹脂粒子が得られる。
トナーの流動性耐ブロッキング性等の特性を改善するために、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることが有効であるが、着色樹脂粒子の表面に外添剤を均一且つ強固に付着させるためには、着色樹脂粒子に外添剤を添加し高速攪拌する必要がある。
湿式法による場合、外添剤を着色樹脂粒子に添加して、高速の攪拌により着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させる、いわゆる外添工程は、従来、乾燥工程の後に行われている。通常、乾燥工程において一括処理された着色樹脂粒子は、外添工程においては一括処理されず、適当量ずつ分けて分割処理される。生産性の観点からは、製造途中の各工程においては、前の工程でできる全量の材料又は中間製品を一括処理することが望ましい。しかし、外添工程で必要とされる高速攪拌を均一に行うことができる装置の規模が限られているために、乾燥工程で一括処理された大量の着色樹脂粒子を、外添工程では一括処理することが難しい。
そのため、外添剤を計量し投入するための所要時間や、高速攪拌を行うための所要時間が、外添工程における分割処理の回数分だけ増え、外添工程に長時間が費やされ生産性を低下させていた。高速攪拌機を2機以上設置して各着色樹脂粒子の分割処理を並行して行えば所要時間を短縮できるが、設置費用や設置空間が増大するため、このような並行処理も好ましくない。

0006

特許文献1には、湿式法において、導電度50μmS/cm以下の水を用いて湿潤状態にしたトナー母粒子に、固体微粒子(外添剤)を混合して乾燥させることによって、トナー母粒子に対して外添剤を効率よく被覆できることが開示されている。また、この方法においては、乾燥工程前含水率は、10%以上35%以下であることが好ましいとされている。また、ろ過後の含水率が28〜30%の着色樹脂粒子に外添剤を添加した後、乾燥して得たトナーが開示されている(特許文献1の段落0053及び段落0085〜0093)。
しかし、この方法では、工業的な乾燥工程で一括処理されるような大量のトナー母粒子に外添剤を混合したときに、トナー母粒子の表面に外添剤を均一に付着させることができず、得られるトナーは、印字耐久性が不十分であった。

0007

特許文献2には、重合により生成した重合トナー洗浄し、濾過した後、重合トナーの含水率を60%以下に調整し、次いで、該トナーに有機及び無機微粒子から選ばれる固体微粒子を添加し、混合しながら乾燥を行うことにより、乾燥工程における重合トナーの融着や凝集、重合トナーの乾燥装置への付着を防ぎながら効率よく乾燥工程を行えることが開示されている。さらに、この文献においても、乾燥工程前の含水率は20〜45%が好ましいとされており、脱水後の着色樹脂粒子を熱風乾燥により含水率38%に調整した後、一部の固体微粒子を添加して乾燥し、さらに外添工程で、残りの多くの外添剤を添加する方法が開示されている(特許文献2の段落0056)。
しかし、この文献に記載された方法では、外添剤の一部を乾燥工程において用いているだけであり、外添剤のほとんどは乾燥工程の後、外添工程において添加され、外添工程の効率に問題があった。

0008

特開2005−221968号公報
特開2001−281928号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、湿式法による造粒工程を経て得られた着色樹脂粒子へ、乾燥工程中に外添剤を添加、混合することによって外添工程の延べ所要時間を短縮し、且つ、外添剤を着色樹脂粒子の表面に均一且つ強固に付着させることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、湿式法によって着色樹脂粒子水分散液を作製し、それを脱水して得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥する工程において、該着色樹脂粒子の含水率が15%以下となった段階で外添剤を添加し、攪拌して、充分に乾燥した着色樹脂粒子を得て、高速攪拌を行うことによって、従来の外添工程で行われていた高速攪拌の所要時間よりも短い所要時間で外添剤を着色樹脂粒子に充分且つ均一に付着させることができるという知見を得た。

0011

本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で着色樹脂粒子の造粒を行う湿式法により結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、該着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を洗浄する工程、洗浄した着色樹脂粒子水分散液を脱水する脱水工程、及び脱水して得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥する乾燥工程を含み、着色樹脂粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
該乾燥工程において、該脱水工程において得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を、さらに攪拌手段を有する乾燥機により含水率3%以下となるまで乾燥すると共に、該乾燥機内において、該着色樹脂粒子を含水率15%以下とした後、該着色樹脂粒子と該外添剤の全量の50重量%以上とを、該攪拌手段により攪拌し、
該乾燥工程により得られた着色樹脂粒子を、高速攪拌機により攪拌することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法を提供するものである。

0012

本発明においては、乾燥工程の比較的緩和攪拌処理を利用して外添剤の全量の50重量%以上を添加して高速攪拌工程以前予備的に混合しておくことによって、その後に行われる高速攪拌の所要時間を従来の外添工程で行われてきた高速攪拌の所要時間よりも短くしても、外添剤を着色樹脂粒子に均一且つ強固に付着させることができる。乾燥工程で一括処理された着色樹脂粒子は、高速攪拌工程では数回分に分けて分割処理されるので、本発明においては分割された個々の高速攪拌工程の所要時間を短縮させることによって、着色樹脂粒子の全量を高速攪拌処理するのに必要となる延べ所要時間は大幅に短縮する。

0013

該乾燥機の攪拌手段としては、逆円錐形容器内でスクリュー自転公転を同時に行う混合装置を用いることが好ましい。

0014

該乾燥工程において、該着色樹脂粒子中に該外添剤の全量を添加する場合には、外添剤の全量を乾燥工程中に予備的に混合するので、分割された個々の高速攪拌工程において高速攪拌の所要時間がさらに短縮され、しかも、個々の高速攪拌工程において外添剤を投入する必要がないので、着色樹脂粒子の計量と高速攪拌機への投入にかかる所要時間も短縮される。従って、高速攪拌処理するのに必要となる延べ所要時間を、さらに短縮することができる。

0015

本発明の製造方法は、分級工程を含まないことが好ましい。本発明においては、乾燥工程中の着色樹脂粒子に多量の外添剤を添加するので、乾燥工程以後の着色樹脂粒子が非常に高い流動性をもち、着色樹脂粒子を分級処理する際に工程ライン漏れによるロスが生じやすくなる。これに対して、本発明の方法は、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で造粒を行う湿式法を基礎とし、粒径分布がシャープな着色樹脂粒子を形成することができるので、分級工程を省略することによって、分級工程における着色樹脂粒子及び外添剤のロスを防止することができる。

発明の効果

0016

上記の如き本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、外添処理の所要時間を短縮することによってトナーの生産性を向上させ、且つ、外添剤を着色樹脂粒子の表面に均一且つ強固に付着させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で着色樹脂粒子の造粒を行う湿式法により結着樹脂及び着色剤を含有する着色樹脂粒子を形成して着色樹脂粒子水分散液を得る工程、該着色樹脂粒子水分散液中の着色樹脂粒子を洗浄する工程、洗浄した着色樹脂粒子水分散液を脱水する脱水工程、及び脱水して得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥する乾燥工程を含み、着色樹脂粒子と外添剤とを含有する静電荷像現像用トナーを製造する方法であって、
該乾燥工程において、該乾燥工程において該脱水工程において得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を、さらに攪拌手段を有する乾燥機により含水率3%以下となるまで乾燥すると共に、該乾燥機内において、該着色樹脂粒子を含水率15%以下とした後、該着色樹脂粒子と該外添剤の全量の50重量%以上とを、該攪拌手段により攪拌し、
該乾燥工程により得られた着色樹脂粒子を、高速攪拌機により攪拌することを特徴とするものである。
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの構成材料及びその製造方法について詳しく説明する。

0018

(1)着色樹脂粒子水分散液を得る工程
本発明による静電荷像現像用トナーの製造方法は、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で造粒を行う工程を含む湿式法を基礎とするものである。着色樹脂粒子水分散液を得るまでの工程は、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、最終的に着色樹脂粒子となる液滴を形成する工程を経て造粒を行う限り、湿式法に属するいかなる方法であっても良い。上述したように、湿式法としては、懸濁重合法や乳化重合凝集法等の重合法や、溶解懸濁法がある。
以下、懸濁重合法により着色樹脂粒子水分散液を得る手順を説明する。懸濁重合法において着色樹脂粒子水分散液を得る工程は、少なくとも、重合性単量体組成物の調製工程、液滴形成工程、及び重合工程を含む。

0019

<重合性単量体組成物の調製工程>
先ず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて帯電制御剤やその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物を調製する。着色剤及びその他の添加物は、重合性単量体に溶解、または可能な限り均一且つ微細に分散されるように、混合が行なわれることが好ましい。このような混合を行なうため、メディア式分散機を用いることが好ましい。

0020

本発明で重合性単量体は、重合可能化合物をいう。重合性単量体を重合することによって、着色樹脂粒子の結着樹脂となる。

0022

結着樹脂の原料となる重合性単量体の主成分としては、モノビニル単量体を使用する。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体アクリル酸、及びメタクリル酸アクリル酸メチルアクリル酸エチル、アクリル酸プロピルアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステルメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステルアクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物アクリルアミドメタクリルアミド等のアクリル酸の誘導体、及びメタクリル酸の誘導体;エチレンプロピレン、及びブチレン等のオレフィン塩化ビニル塩化ビニリデン、及びフッ化ビニル等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等のビニルエステルビニルメチルエーテル、及びビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、及びメチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、及びN−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。

0023

重合性単量体の一部として、ホットオフセット改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼンジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等のジアクリレート化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等のその他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。

0024

また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、トナーの保存性低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマーまたはポリマーである。
マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のTgよりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーの量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部である。

0025

本発明では、着色剤を用いるが、カラートナー(通常、ブラックトナーシアントナーイエロートナーマゼンタトナーの4種類のトナーが用いられる。)を作製する場合、ブラック着色剤、シアン着色剤イエロー着色剤マゼンタ着色剤をそれぞれ用いることができる。

0026

本発明において、ブラック着色剤としては、カーボンブラックチタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛フェライト及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。

0027

シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用できる。具体的には、C.I.Pigmentブルー2、同3、同6、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17:1、及び同60等が挙げられる。

0028

イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigmentイエロー3、同12、同13、同14、同15、同17、同62、同65、同73、同74、同83、同93、同97、同120、同138、同155、同180、同181、同185、及び同186等が挙げられる。

0029

マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigmentレッド31、48、同57:1、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同144、同146、同149、同150、同163、同170、同184、同185、同187、同202、同206、同207、同209、同251、及びC.I.Pigmentバイオレット19等が挙げられる。

0030

それぞれの着色剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部である。

0031

帯電制御剤としては、各種の正帯電性または負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。例えば、カルボキシル基または含窒素基を有する有機化合物金属錯体含金属染料、及びニグロシン等の樹脂でない帯電制御剤;4級アンモニウム基又はその金属塩含有共重合体スルホン酸基又はその金属塩含有共重合体、及びカルボン酸基又はその金属塩含有共重合体等の帯電制御樹脂;等を用いることができる。中でも、トナーの印字耐久性が良好になることから、帯電制御剤は、帯電制御樹脂を含むことが好ましい。帯電制御剤のうち、樹脂でない帯電制御剤と、帯電制御樹脂を併用しても良いし、帯電制御樹脂を単独で用いても良い。帯電制御樹脂を単独で用いることがより好ましい。帯電制御樹脂として、4級アンモニウム基若しくは4級アンモニウム金属塩基含有共重合体、又はスルホン酸基若しくはスルホン酸金属塩基含有共重合体を用いることが、さらに、好ましい。
帯電制御剤は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜8重量部の割合で用いられる。

0032

その他の添加物として、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、t−ドデシルメルカプタンn−ドデシルメルカプタンn−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類が挙げられる。分子量調整剤は、重合開始前または重合途中に添加することができる。上記分子量調整剤の量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、更に好ましくは0.1〜5重量部である。

0033

更に、その他の添加物として、定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善できるので、離型剤を添加することが好ましい。
離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に限定されない。例えば、低分子量ポリエチレン低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス類;分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基置換した低分子量末端変性ポリプロピレン、これらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン、及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマー等の末端変性ポリオレフィンワックス類キャンデリラ、カルナウバライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックスパラフィンマイクロクリスタリン、及びペトロラクタム等の石油ワックス、並びにこれらの変性ワックス;モンタンセレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックスフィッシャートロプシュワックス等の合成ワックスペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートペンタエリスリトールテトラステアレート、及びペンタエリスリトールテトララウレート等のペンタエリスリトールエステルジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、及びジペンタエリスリトールヘキサラウレート等のジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化物;等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0034

上記離型剤の中でも、示差走査熱量計を用いて、昇温時のDSC曲線から測定される、吸熱ピーク温度が30〜150℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステルや、同吸熱ピーク温度が50〜80℃の範囲にあるジペンタエリスリトールエステル等の多価アルコールエステル化物が、定着−剥離性バランスの面で特に好ましい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部用いられ、更に好ましくは1〜20重量部用いられる。

0035

<液滴形成工程>
以上のようにして得られた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水系分散媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、液滴形成を行い、重合性単量体組成物の液滴を形成する。
液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサーMARKII型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。

0036

本発明において、水系分散媒体は、水単独でもよいが、水に溶解可能な溶剤を併用することもできる。水に溶解可能な溶剤としては、例えば、メタノールエタノールイソプロパノール等の低級アルコールジメチルホルムアミドテトラヒドロフランアセトンメチルエチルケトン等の低級ケトン類等が挙げられる。

0037

分散安定剤としては、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩リン酸カルシウム等のリン酸塩酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物水酸化アルミニウム水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の金属化合物等の酸又はアルカリに溶解する無機化合物が挙げられる。さらに、ポリビニルアルコールメチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子アニオン性界面活性剤ノニオン性界面活性剤両性界面活性剤;等の有機化合物を併用しても良い。上記分散安定剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定剤の中でも、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後の分散安定剤残存量が少ないので、得られる重合トナーは、画像を鮮明に再現することができ、環境安定性を悪化させないので好ましい。
分散安定剤は水系分散媒体100部に対して0.1〜20部、好ましくは0.2〜10部用いることが好ましい。

0038

本発明において、重合性単量体組成物の重合を行なう重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチルプロピオンアミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパンジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物ジ−t−ブチルパーオキシドベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレートジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物が挙げられる。また、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を用いてもよい。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久も良いことから、過酸化物を用いるのが好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系分散媒体中へ分散された後、液滴形成前に、添加されても良いが、重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、さらに好ましくは0.3〜15重量部であり、最も好ましくは1.0〜10重量部である。

0039

<重合工程>
上記の通り液滴形成工程で得られた、重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体を加熱し、重合を開始する。重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
なお、液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、重合工程において液滴を形成又は安定化するための分散処理を継続しながら重合反応を進行させても良い。

0040

着色樹脂粒子は、そのままで及び外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。

0041

上記コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法によって製造することができる。例えば、懸濁重合法又は他の湿式法により得られた着色樹脂粒子をコア層として、それにinsitu重合法、層分離法、スプレイドライ法界面反応法等、従来から知られた方法でシェル層を被覆する。重合法により製造した着色樹脂粒子に、in situ重合法や相分離法によりシェル層を被覆することが、製造効率の点から好ましい。

0042

insitu重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。

0043

シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビスヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等のアゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、好ましくは、0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。

0044

本発明を懸濁重合法以外の湿式法に適用する場合にも、上記と同様にして、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で造粒を行い着色樹脂粒子を得ることにより、形状が球形に近く、小粒径でシャープな粒径分布をもつ着色樹脂粒子が比較的容易に得られるので、画像再現性や精細性等の画質を向上させることができる。
しかも、粒径分布がシャープなため分級設備がなくてもよいため、分級装置の設置費用を節約できる。また、本発明においては、乾燥工程において外添剤を多量に添加するので、乾燥工程以後の着色樹脂粒子の流動性が非常に大きくなり、分級工程の際に着色樹脂粒子の工程ライン漏れによるロスが生じやすくなるが、分級処理を省略する場合には、そのような分級工程の際の着色樹脂粒子のロスを防止することができる。

0045

本発明の製造方法により形成される着色樹脂粒子(コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む)の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは5〜10μmであり、更に好ましくは6〜8μmである。Dvがこれらの範囲未満であると重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、カスレが発生したり、印字濃度が低下する場合があり、これらの範囲を超えると画像の解像度が低下する場合がある。
また、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dpとの比Dv/Dpが、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。比Dv/Dpが上記範囲から外れると、得られる重合トナーを用いて印字する際にカスレが発生したり、転写性、印字濃度及び解像度の低下が起こったりする場合がある。
着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、マルチサイザー(ベックマンコールター社製)等を用いて測定することができる。

0046

着色樹脂粒子の平均円形度(Ca)は、0.950〜0.995であることが好ましく、0.960〜0.990であることが更に好ましく、0.970〜0.990であることが特に好ましい。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度(Ca)は、まず0.4μm以上の円相当径粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下式よりそれぞれ求め、次いで、下記式により求める。
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長

0047

0048

上記式において、fiは円形度Ciの粒子の頻度である。
上記平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000」又は「FPIA−2100」を用いて測定することができきる。

0049

(2)洗浄工程
上記工程により得られた着色樹脂粒子水分散液は、通常、酸又はアルカリ洗浄工程、及び、それに続く水洗浄工程からなる。
(2−1)酸又はアルカリ洗浄工程
着色樹脂粒子水分散液は、分散安定剤として酸に可溶な無機水酸化物等の無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸の添加により、分散安定剤を水に溶解し除去する。分散安定剤が、アルカリに可溶な無機化合物である場合は、酸のかわりにアルカリを使用する。

0050

分散安定剤として、酸に可溶なものを使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液のpHを6.5以下となるように、酸を添加することが好ましい。より好適にはpH6以下となるようにする。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。

0051

(2−2)水洗浄工程
水洗浄工程では、酸又はアルカリ洗浄工程で得られた水分散液が先ず濾別され、次に洗浄装置により水洗浄される。水洗浄工程は、複数回繰り返し行うことも出来る。
洗浄装置としては、公知の種々の洗浄装置を使用できるが、ベルトフィルターロータリーフィルター、及びフィルタープレスのいずれかもしくは複数を組み合わせて用いることが好ましい。より好ましくは、ベルトフィルター又はロータリーフィルター用いる。

0052

ベルトフィルターは、ドレンネジベルト上に濾過材が配置され、ドレンネジベルトの下方には、耐摩耗性に優れたスライドプレートを介してバキュームパンが設置された構造を有している。水分散液は、濾過面の上部より濾過材上に供給され、真空作用により濾過、脱水される。濾液は、バキュームパンに集められ、濾液管より真空タンクへ送られる。濾過されたウエットケーキと濾過材は、ドレンネジベルトと共に走行し、その間に上部より洗浄水散布され、ケーキ中の溶解性物質が濾液と共に排出されるようになっている。
(3)脱水工程
上記の水洗浄工程では、濾過材上で着色樹脂粒子に洗浄水を供給しながら、同時に濾過材を通して除去するので、通常は、水洗浄工程の終了時に脱水工程も終了する。
例えば、ベルトフィルターを用いて洗浄工程を行う場合には、濾過材上のウエットケーキは、ディスチャージロールにより濾過材から剥離され、湿潤状態のウエットケーキ(着色樹脂粒子)が得られる。
ただし、水洗浄工程の後に、別個に脱水工程を行っても良い。

0053

(4)乾燥工程
本発明における乾燥工程では、脱水工程により得られたウエットケーキ(湿潤した着色樹脂粒子)が、攪拌手段を有する乾燥機により、乾燥され、また外添剤と予備的混合され、含水率が3%以下であり、外添剤が混合された着色樹脂粒子を得る。
通常、乾燥工程においては、乾燥時間の短縮や、乾燥処理による着色樹脂粒子の凝集防止等のために、高速攪拌と比べれば非常に緩和であるが、攪拌が行われる。この乾燥工程の緩和な攪拌処理を利用して、外添剤の全量の50重量%以上を添加して高速攪拌工程以前に予備的に混合しておくことによって、その後に行われる高速攪拌の所要時間を従来の外添工程で行われてきた高速攪拌の所要時間よりも短くしても、外添剤を着色樹脂粒子に均一且つ強固に付着させることができる。
乾燥工程で一括処理された着色樹脂粒子は、高速攪拌工程では数回分に分けて分割処理されるので、乾燥工程において予備的に混合しておくことによって、分割された個々の高速攪拌工程の所要時間を短縮させることが可能となり、その結果、着色樹脂粒子の全量を高速攪拌処理するのに必要となる延べ所要時間は大幅に短縮する。

0054

外添剤は、着色樹脂粒子の表面に付着、埋設等させることによって、トナーの帯電性、流動性、保存性などを調整することができる。
外添剤としては、従来からトナーに用いられている外添剤を何ら制限なく用いることができ、例えば、無機粒子有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛酸化錫チタン酸バリウム、及びチタン酸ストロンチウム等が挙げられ、有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、及びコアがメタクリル酸エステル重合体でシェルスチレン重合体で形成されたコアシェル型粒子等が挙げられる。これらのうち、無機酸化物粒子、特にシリカや酸化チタンが好適であり、粒子表面が疎水化処理されたものが好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。
外添剤の量は、特に限定されないが、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
外添剤の粒径は、2種類以上を組み合わせることが好ましい。組み合わせとしては、個数一次平均粒径5〜20nmの無機微粒子と同20〜1000nmの無機又は有機の微粒子の組み合わせが好ましい。

0055

乾燥工程において乾燥処理の方法としては、減圧送風、加温などが挙げられる。乾燥工程で用いられる乾燥機としては、限定されるわけではないが、トンネル型ベルト型ロール型ドラム型等の機械搬送式減圧乾燥機を用いることができる。このような減圧乾燥機としては、例えば、市販の神鋼パンテェック社製の商品名:SVミキサー、日本乾燥機社製の商品名:コニカルブレンダードライヤーホソカワミクロン社製の商品名:ナウターミキサーなどが、外添剤の混合性に優れているので特に好ましい。
乾燥工程で用いられる攪拌手段としては、例えば、リボン翼パドル翼スクリュー翼を用いることができるが、特に、逆円錐形乾燥容器内をスクリューが自転と公転を同時に行う混合装置を用い、減圧下に、湿潤状態にある着色樹脂粒子と外添剤とを機械的に混合しながら乾燥することが好ましい。そのような混合装置の一例を図1に示す。

0056

図1の混合装置は、逆円錐形の乾燥容器1内をスクリュー2が自転と公転を同時に行う混合装置であり、モーター6に直結したドライブユニット5により、スクリュー2を駆動させるように構成されている。逆円錐形乾燥容器1内は、ジャケット3により温度調整ができるようになっている。逆円錐形乾燥容器1は、支持部4により支持されている。
図1の混合装置では、逆円錐形乾燥容器1内をスクリュー2が自転と公転を同時に行い、内容物に対して、スクリューの自転により内容物を容器内壁面に沿って上部方向に運び、スクリュー終端では、その回転力により、内容物を周辺にまき散らし、スクリューの公転により内容物に水平の円運動を与え、スクリューにより内容物が上部方向に運ばれることにより生じた容器内下部の空間に、スクリューが通過していない部分の内容物が重力により落下するという3つの運動を引き起こすことができる。したがって、着色樹脂粒子と外添剤とは機械的に混合される。乾燥容器内壁に付着した着色樹脂粒子は、スクリューにより拡散混合させられる。乾燥後の着色樹脂粒子と外添剤との混合物は、通常、逆円錐形乾燥容器1の下部の出口(図示せず)から排出させることができる。逆円錐形乾燥容器1内を減圧にするには、減圧ライン(図示せず)に連結すればよい。なお、図1に示すような混合装置は、逆円錐形乾燥容器1の内壁面に沿うスクリュー2に加えて、逆円錐形乾燥容器1の上部中央から直下に延びるスクリューを補助的に設けてもよい。このような補助スクリューによって容器内の上部中央の比較的広い空間において充分に攪拌を行うことができる。

0057

本発明においては、外添剤の全量の50重量%以上を乾燥処理中の着色樹脂粒子へ添加すれば、高速攪拌工程の所要時間を充分に短縮できるが、乾燥工程で予備的に混合される外添剤の量が多くなるほど、外添処理を完了させるために必要となる高速攪拌の所要時間を短くすることができ、生産性が向上する。
そのため、外添剤の全量の50重量%以上、さらに外添剤の全量の80重量%以上、特に外添剤の全量を、乾燥工程中に添加することが好ましい。
特に、外添剤の全量を乾燥処理中の着色樹脂粒子へ添加する場合には、外添剤の全量が乾燥工程中に予備的に混合されるので、分割された個々の高速攪拌工程において外添処理を完了させるために必要となる高速攪拌の所要時間を、さらに短くすることができることができる。
さらに、外添剤の全量を乾燥処理中の着色樹脂粒子へ添加する場合には、個々の高速攪拌工程ごとに外添剤を計量し投入する必要がなくなるので、外添剤を計量及び投入する時間や、外添剤の計量設備が不要となる。また、個々の高速攪拌工程ごとに着色樹脂粒子を計量する際に、計量精度が低くてもよいので、着色樹脂粒子を計量する時間が短縮され、着色樹脂粒子の計量設備は安価なものを使用できる。従って、高速攪拌工程に必要となる延べ所要時間を、さらに短縮し、且つ、設備にかかる費用を節約することができる。

0058

外添剤は、脱水工程終了直後の、まだ含水率が高い状態の着色樹脂粒子に外添剤を添加すると、着色樹脂粒子に対する外添剤の付着性が大きすぎて分布が不均一となり、その後、充分な時間をかけて混合を行っても、最終的に均一に混合することが困難となる。また、脱水工程終了直後の、まだ含水率が高い状態の着色樹脂粒子に外添剤を添加し、予備的混合を行う時間が長くなりすぎると、外添剤は着色樹脂粒子と比べて微細なため、乾燥工程中に外添剤がバグフィルター等により捕捉され、添加量に対する付着量のロスが大きくなる。このような乾燥工程中の予備的混合による外添剤の不均一な付着と付着のロスを少なくするために、本発明においては、脱水工程において得られた湿潤状態の着色樹脂粒子の含水率が15%以下、好ましくは10%未満、より好ましくは5%以下となるまで乾燥処理が進んだ段階で、外添剤を添加する。なお、乾燥処理が終了した後に外添剤の予備的混合を行うこともできる。
本発明においては、乾燥工程により得られる着色樹脂粒子の含水率は、3%以下であり、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。

0059

本発明において着色樹脂粒子の含水率とは、乾燥処理前の着色樹脂粒子試料を0.1mgまで精し(w1)、該試料を105℃で1時間乾燥後、再度精秤し(w2)し、以下の計算式により算出される数値である。
<計算式>
含水率(%)=[(w1−w2)/w1]×100

0060

(5)高速攪拌工程
外添剤を着色樹脂粒子に均一且つ強固に付着させるためには、乾燥工程での比較的緩和な攪拌だけでは不充分なので、乾燥工程後に高速攪拌を行う。
ここで高速攪拌とは、攪拌部の回転速度が200rpm以上、好ましくは500rpm以上の攪拌をいい、攪拌部の周速で表わす場合には、好ましくは10m/s以上、より好ましくは20m/s以上の攪拌をいう。
高速攪拌装置としては、三井鉱山製の商品名:ヘンシェルミキサーカワタ製の商品名:スーパーミキサー、深江工業製の商品名:ハイスピードミキサー等が用いられる。

0061

(6)重合トナー
上記の着色樹脂粒子は、すでに外添剤を付着させたものであり、そのままで一成分重合トナーとして静電荷像の現像に用いることもできるが、重合トナーの帯電性、流動性、保存性等を調整するために、高速撹拌機を用いてその他の粒子を混合し一成分重合トナーとすることができる。

0062

また、着色樹脂粒子、外添剤及び必要に応じてその他の粒子に加えて、さらに、公知となっている種々の方法により、フェライトや鉄粉等のキャリア粒子を混合し、二成分重合トナーとすることもできる。着色樹脂粒子と混合するキャリアとしては、従来からトナーに用いられているものを何ら制限なく用いることができ、例えば、ガラスビーズや、その表面をフッ素系樹脂又はスチレン/アクリル系樹脂又はシリコーン樹脂等で表面処理したもの等が挙げられる。
成分トナーの場合は、トナー中の着色樹脂粒子濃度は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは3〜10重量%が望ましい。

0063

以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。

0064

試験方法
本実施例において行った試験方法は以下の通りである。
(1)印字耐久試験
温度23℃、相対湿度50%の条件で、市販の非磁性一成分現像方式プリンター(印字速度=16枚/分)を用いた。このプリンターの現像装置試験するトナーを入れ、5%印字濃度で初期から連続1万枚印字を行った後のカブリを測定した。
カブリは、具体的には以下のように測定した。先ず、リファレンス基準サンプル)として、粘着テープ(住友スリエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)を印字用紙に貼り付けて、白色計(日本電色工業(株)製)で白色度(A)(%)を測定した。次に、5%印字濃度で連続1万枚印字後にプリンターを停止させ、現像後、転写前における感光体上の非画像部に粘着テープを付着させてから剥すことにより、感光体の非画像部に存在するトナーを粘着テープに移し取り、この粘着テープを印字用紙に貼り付けて、白色度(B)(%)を測定した。
以下の計算式に従って、白色度(A)及び白色度(B)より算出してカブリとした。この値が小さいほどカブリが少なく、画質が良好であることを示す。本試験においては、この10,000枚連続印字後のカブリが1以下となった場合に、印字耐久性が良好であると判定した。
<計算式>
カブリ(%)=[(白色度(A)−白色度(B)/白色度(A)]×100

0065

(2)含水率
乾燥処理の開始時点から経時的に乾燥装置内トナー試料を約1gサンプリングし、0.1mgまで精秤した(w1)。105℃の乾燥機(乾燥機内における各部位での温度誤差1℃以下)に精秤した試料を入れて1時間乾燥し、冷却後、再度精秤した(w2)。これらの測定値を用い、以下の計算式により、各サンプリング時点での含水率を算出した。
<計算式>
含水率(%)=[(w1−w2)/w1]×100

0066

(3)外添剤の含有量
高速攪拌工程後のトナーに含有される外添剤の量は、蛍光X線分析法により求めた。具体的には、蛍光X線分析装置(理学電機工業(株)製、商品名:RIX3000)を使用し、添加剤の含有量既知のトナーにより、予め検量線を作成し、この検量線を用いて、実施例により得られたトナー中の外添剤含有量を測定した。

0067

〔実施例1〕
(1)重合性単量体組成物の調製
スチレン80.5部とn−ブチルアクリレート19.5部からなる重合性単量体(得られる共重合体の計算Tg=55℃)と、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25)7部、帯電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名:スピロンブラックTRH)0.8部、架橋性モノマーとしてジビニルベンゼン0.3部、及びポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.3部を通常の攪拌装置で攪拌、混合した後、メディア型分散機により、均一分散した。ここに、離型剤として、ジペンタエリスリトールテトラミリステート〔吸熱ピーク温度=63℃、スチレンに対する溶解量20(g/100gST:25℃)、酸価1(mgKOH/g)以下〕15部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を得た。

0068

(2)水系分散媒体の調製
室温でイオン交換水250部に塩化マグネシウム9.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム5.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。生成した上記コロイドの粒径分布を粒径分布測定器(島津製作所株式会社製、商品名:SALD2000A型)により測定したところ、粒径は、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.36μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が0.62μmであった。

0069

(3)シェル用重合性単量体の調製
メチルメタクリレート(得られる共重合体の計算Tg=105℃)3部と水100部を超音波乳化機にて微分散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。水分散液中のシェル用重合性単量体の液滴の粒径は、粒径分布測定器(島津製作所株式会社製、商品名:SALD2000A型)により測定したところ、D90が1.6μmであった。

0070

(4)液滴形成工程
上記(2)で得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記(1)で調製した重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこに重合開始剤のt−ブチルパーオキシイソブチレート(日本油脂社製、商品名:パーブチルIB)5部を添加し、インライン型乳化分散機(株式会社荏原製作所製、商品名:エバラマイルダー)を用いて30分間高剪断攪拌して、分散液中で重合性単量体組成物の液滴を形成した。

0071

(5)懸濁重合工程
上記(4)で液滴形成した重合性単量体組成物の分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、95℃で重合反応を開始させ、重合転化率がほぼ100%に達したときに、サンプリングし、コアシェル型着色樹脂粒子のコア層となる着色樹脂粒子(コア粒子)の体積平均粒径を測定した。その結果、コア粒子の体積平均粒径は、6.4μmであった。次に、前記(3)で調製したシェル用重合性単量体の水分散液及びシェル用重合開始剤(和光純薬社製、商品名:VA−086;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド))0.3部を蒸留水65部に溶解し、それを反応器に投入した。重合を3時間継続した後、反応を停止し、pH9.5の着色樹脂粒子の水分散液を得た。シェル用重合性単量体の使用量とコア粒子の粒径から算定したシェル厚は0.03μmで、球形度(Sc/Sr)は1.1であり、DSC測定では、63℃付近低軟化点物質吸熱ピークが現れた。

0072

(6)洗浄工程
上記(5)により得られたコアシェル構造の着色樹脂粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを4以下に調整して酸洗浄(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した。次いで、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化して、水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行って、固形分を濾過分離した。このようにして、含水率18.5%である湿潤状態の着色樹脂粒子(ウエットケーキ)を得た。

0073

(7)乾燥工程
この含水率18.5%のウエットケーキを、図1に示す構造の4,000Lの乾燥機(神鋼パンテェック社製、商品名:SVミキサー)に入れ、ジャケット温度50℃、乾燥機の容器内を圧力50torr(66.7×102Pa)として、含水率が0.2%になるまで乾燥した後、常温(約20℃)常圧(760torr(1013.2×102Pa))に戻し(乾燥処理を停止)、着色樹脂粒子の乾燥重量(含水率0%への換算値)1,000部に対して、外添剤として疎水化シリカ(日本アエロジル社製、商品名:R972;平均粒子径16nm)10部と疎水化処理したコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、商品名:RX−50;平均粒子径45nm)10部を添加し、攪拌機による外添剤との予備的混合を30分間行った。含水率が0.2%の予備的混合された着色樹脂粒子を得た。

0074

(8)静電荷現像用トナーの調製
上記(7)の乾燥工程で得られた着色樹脂粒子を50kgずつ計量して、20バッチ分に分割した。150Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、上羽根ST,下羽根Ao、回転数1,200rpm、ジャケット温度20℃)内に1バッチ分の着色樹脂粒子を投入し、1分間高速攪拌を行って混合し、静電荷像現像用トナーを調製した。この高速攪拌工程では、外添剤の添加は行わなかった。高速攪拌工程は、20バッチ実施した。
バッチ処理において、50kg計量に要した平均時間は1分、ヘンシェルミキサー内での高速攪拌処理に要した平均時間は1分、及び、ヘンシェルミキサーからの排出に要した平均時間は1分であった。従って、1バッチ分の高速攪拌工程の所要時間は3分間、20バッチ分の高速攪拌工程の延べ所要時間は1時間であった。
上記で得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ2.0重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは0.7%と極めて良好な画像が得られた。

0075

〔実施例2〕
高速攪拌工程の各バッチ処理において、ヘンシェルミキサー内での高速攪拌処理に要した平均時間を3分間としたこと以外は、実施例1と同様に行った。従って、1バッチ分の高速攪拌工程の所要時間は5分間、20バッチ分の高速攪拌工程の延べ所要時間は1.7時間であった。
この実施例により得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ2.0重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは0.5%と極めて良好な画像が得られた。

0076

〔実施例3〕
乾燥工程において、乾燥機によりウエットケーキの含水率が9.2%になった時点で、外添剤を添加したこと、及び、引き続き乾燥機の容器内の圧力50torr(66.7×102Pa)のままにし、予備的混合を5時間行ったこと、及び、高速攪拌工程の各バッチ処理において、ヘンシェルミキサー内での高速攪拌処理に要した平均時間を3分間としたこと以外は、実施例1と同様に行った。従って、1バッチ分の高速攪拌工程の所要時間は5分間、20バッチ分の高速攪拌工程の延べ所要時間は1.7時間であった。
この実施例により得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ1.8重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは0.6%と極めて良好な画像が得られた。

0077

〔実施例4〕
乾燥工程において、乾燥機によりウエットケーキの含水率が12.0%になった時点で、外添剤を添加したこと、及び、引き続き乾燥機の容器内の圧力50torr(66.7×102Pa)のままにし、予備的混合を6時間行ったこと以外は、実施例3と同様に行った。従って、1バッチ分の高速攪拌工程の所要時間は5分間、20バッチ分の高速攪拌工程の延べ所要時間は1.7時間であった。
この実施例により得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ1.7重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは0.9%と極めて良好な画像が得られた。

0078

〔比較例1〕
乾燥工程における外添剤の予備的混合を全く行わなかったこと、高速攪拌工程の各バッチ処理ごとに外添剤全量の20分の1ずつ計量しヘンシェルミキサー内へ投入したこと、その際の計量・投入に要した所要時間が3分間であったこと、及び、ヘンシェルミキサー内での高速攪拌処理に要した平均時間を3分間としたこと以外は、実施例1と同様に行った。従って、1バッチ分の高速攪拌工程の所要時間は7分間、20バッチ分の高速攪拌工程の延べ所要時間は2.3時間であった。
この比較例により得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ2.0重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは4.5%と、著しいカブリが発生した。

0079

〔比較例2〕
乾燥工程における外添剤の予備的混合を全く行わなかったこと、高速攪拌工程の各バッチ処理ごとに外添剤全量の20分の1ずつ計量しヘンシェルミキサー内へ投入したこと、その際の計量・投入に要した所要時間が3分間であったこと、及び、ヘンシェルミキサー内での高速攪拌処理に要した平均時間を5分間としたこと以外は、実施例1と同様に行った。従って、1バッチ分の高速攪拌工程の所要時間は9分間、20バッチ分の高速攪拌工程の延べ所要時間は3.0時間であった。
この比較例により得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ1.9重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは1.0%と、比較例1ほどではないが、実施例と比べて著しいカブリが発生した。

0080

〔比較例3〕
乾燥工程において、ウエットケーキを、その含水率が、まだ18.5%の時点で乾燥機に移して外添剤の全量を添加したこと、及び、乾燥機の容器内の圧力50torr(66.7×102Pa)にし、予備的混合を8時間行ったこと、及び、高速攪拌工程の各バッチ処理において、ヘンシェルミキサー内での高速攪拌処理に要した平均時間を3分間としたこと以外は、実施例1と同様に行った。従って、1バッチ分の高速攪拌工程の所要時間は5分間、20バッチ分の高速攪拌工程の延べ所要時間は1.7時間であった。
この比較例により得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ1.5重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは2.5%と、比較例1ほどではないが、実施例1と比べて著しいカブリが発生した。

0081

〔比較例4〕
実施例1と同様に乾燥工程まで行い、乾燥工程後に高速攪拌を行わず、乾燥工程により得られた着色樹脂粒子を静電荷像現像用トナーとした。
この比較例により得られた静電荷像現像用トナーの外添剤含有量を蛍光X線分析法により測定したところ2.0重量%であった。また、耐久印字10,000枚後のカブリは5.9%と、比較例1よりも、さらに著しいカブリが発生した。

0082

〔結果〕
試験結果を表1に示す。
なお、表1中の注記は以下の通りである。
*1:トナー組成添加重量部)
・結着樹脂:スチレン(80.5部)/アクリル酸ブチル(19.5部)/ジビニルベンゼン(0.3部)共重合体
マクロマー:AA6(0.3部)
・着色剤:カーボンブラック(7部)
・帯電制御剤:スピロンブラックTRH(0.8部)
・離型剤:ジペンタエリスリトールテトラミリステート(15部)
シェル用モノマー:MMA(3部)
*2:含水率
着色樹脂粒子の乾燥重量に対する水分量の百分率
*3:外添剤の商品名
・商品名「R972」:日本アエロジル社製の疎水化シリカ(平均粒子径16nm)
・商品名「RX−50」:日本アエロジル社製の疎水化処理したコロイダルシリカ(平均粒子径45nm)
*4:外添剤の投入量
着色樹脂粒子の乾燥重量に対する外添剤投入重量の百分率

0083

0084

〔結果のまとめ〕
実施例1〜4で得られた静電荷像現像用トナーは、外添剤のロスが少なく、且つ、カブリは、全て1.0以下となり、印字耐久性が良好な静電荷像現像用トナーが得られた。
実施例1及び2は、外添剤のロスが実質的にゼロであり、特に、実施例2においては、実施例1よりも高速攪拌による外添剤の混合を長い時間行ったので、実施例1よりもさらにカブリが少なくなり、印字耐久性に非常に優れた静電荷像現像用トナーが得られた。
実施例3及び4は、乾燥工程において、着色樹脂粒子の含水率がまだ比較的高いうちに外添剤を投入し、予備的混合を充分に行い、次いで、高速攪拌を行った。高速攪拌工程を20バッチ分行うための延べ処理時間は、実施例1の1.7倍(実施例2と同じ長さ)かかった。高速攪拌工程の延べ所要時間は、実施例2と同様であったが、実施例3及び4共に、外添剤のロスが生じ、カブリは、1.0以下で良好ではあったが、実施例2ほどではなかった。この結果は、乾燥工程において、含水率がまだ比較的高いうちに外添剤を投入したことに起因するものと考えられる。

0085

比較例1は、乾燥工程において外添剤の予備的混合を全く行わずに、高速攪拌工程において外添剤を投入し、付着させた。そのため、高速攪拌工程の各バッチごとに、外添剤を計量・投入する手間がかかり、且つ、予備的混合を行わなかった代わりに高速攪拌を長時間行う必要があったため、高速攪拌工程を20バッチ分行うための延べ処理時間は、実施例1の2.3倍かかった。また、高速攪拌を長い時間行ったにもかかわらず、実施例と比べて著しいカブリが発生したことから、外添剤の付着も不均一且つ弱かったと考えられる。
比較例2は、乾燥工程において外添剤の予備的混合を全く行わずに、高速攪拌工程において外添剤を投入し、付着させた。そのため、高速攪拌工程の各バッチごとに、外添剤を計量・投入する手間がかかり、且つ、高速攪拌を比較例1よりもさらに長時間行ったため、高速攪拌工程を20バッチ分行うための延べ処理時間は、実施例1の3.0倍かかった。また、高速攪拌を長い時間行ったにもかかわらず、カブリは、比較例1に比べ改善したものの、外添剤のロスが生じ、高速攪拌を長時間行っても実施例1ほどは外添剤を均一且つ強固に付着させることができなかったと考えられる。

0086

比較例3は、乾燥工程において着色樹脂粒子の含水率がまだ高いうちに外添剤を投入し、予備的混合を充分に行った。しかし、含水率が高いうちに外添剤を投入して予備的混合を充分に行い、さらに、高速攪拌による混合も長時間行って、高速攪拌工程を20バッチ分行うための延べ処理時間が、実施例1の1.7倍(実施例2〜4と同じ長さ)かかったにもかかわらず、カブリの発生が実施例2〜4よりもさらに著しかった。また、外添剤のロスも大きかった。このことから、含水率が高すぎるうちに外添剤を投入すると、外添剤を着色樹脂粒子に均一に付着させることができず、しかも乾燥工程における外添剤のロスも大きくなると考えられる。
比較例4においては、乾燥工程までは、実施例1と同様に外添剤の予備的混合を行ったが、乾燥工程後に高速攪拌は行わなかった。このため、高速攪拌工程に要していた時間は不要になったが、カブリにおいては、高速攪拌工程を行った実施例1〜4及び比較例1〜3に比べて、著しく高いカブリが発生した。このことから、高速攪拌工程を省略することは、外添剤が均一且つ強固に付着した静電荷像現像用トナーを得るためには適切ではないと考えられる。

図面の簡単な説明

0087

本発明の製造方法の乾燥工程において好適に使用できる混合装置の一例を説明する断面図である。

符号の説明

0088

1逆円錐形容器
2スクリュー
3ジャケット
4 支持部
5ドライブユニット
6 モーター

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