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課題

新規骨格からなる抗肥満活性を有する薬剤候補化合物を提供すること。

解決手段

下記式(I)で表される化合物等。

化1】

概要

背景

近年先進諸国において、エネルギーの過剰摂取による肥満症、またそれに起因する糖尿病高血圧症虚血性心疾患などいわゆる生活習慣病の増加が問題となっている。中性脂肪トリグリセリド:TG)は脂肪細胞における脂肪蓄積原料であり、そのため肥満に関して重要な役割を果たし、また高トリグリセリド血症心血管系疾患発症危険因子である(非特許文献1参照)。通常、食餌によりエネルギーが摂取されると、血液中中性脂肪含有量(血中TG値)が一過性に上昇し、一定時間経過後に食前のレベルまで戻るが、過剰のエネルギー摂取により、この食後血中TG値の正常レベルへの低下が起こらなくなり、定常的に血中TG値が高い状態となる。この血中の中性脂肪が脂肪細胞に蓄積されることにより肥満症が引き起こされると考えられている。これらの事実から、血中TG値(特に食後血中TG値)を減少させる治療法の開発が望まれている。現在までに、血中TG値を低下させる薬剤として、フィブレート系薬剤ニコチン酸製剤、エイコサペンタエン酸製剤等が知られている(非特許文献2)が、F−14329と類似した骨格を有する化合物がこのような活性を有することは知られていない。
Antonio M. GottoJr.著、“ジ・アメリカン・ジャーナルオブカルディオロジー(The American Journal of Cardiology)”、(1998), Volume 82, Issue 8, Supplement 2, p.22Q-25Q
Robert H. Knopp著、「Drug treatment of Lipid Disorders」, “ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal Of Medicine)”, (1999) Volume 341, pp.498-511

概要

新規骨格からなる抗肥満活性を有する薬剤候補化合物を提供すること。 下記式(I)で表される化合物等。なし

目的

これらの事実から、血中TG値(特に食後血中TG値)を減少させる治療法の開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

下記式(I)で表される化合物又はその塩。

請求項2

下記の1)乃至9)の物理化学的性質を示す化合物又はその塩:1)性質無色粉末;2)溶解性ジメチルスルホキシドメタノールクロロホルムに可溶;3)分子式:C21H27NO5;4)分子量:373;5)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(logε)メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次の通りである。281 (4.15)、225 (4.10);6)赤外線吸収スペクトルKBr):νmax cm−1KBrディスク法で測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3320、2964,2929、1693、1653,1601,1517,1452,1378,1354,1335,1269,1238,1217,1172,1090,1047,967;7)1H−核磁気共鳴スペクトル;δ (ppm)重クロロホルム溶液中で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。(TMSシグナルを0.00ppmとした。)メジャーピーク:0.84(3H,d,J=6.4Hz),1.04(3H,d,J=6.4Hz),1.13(1H,m),1.33(1H,d,J=5.4Hz),1.64(3H,d,J=5.4Hz),1.77(2H,m),1.95(1H,m),3.65(1H,m),4.03(1H,d,J=5.4Hz),4.81(1H,d,J=5.4Hz),5.37(1H,m),5.39(1H,m),6.58(2H,d,J=7.3Hz),6.88(1H,brs),7.07(2H,d,J=7.3Hz)マイナーピーク: 0.61(3H,d,J=5.9 Hz),1.11(3H,d,J=6.4 Hz),1.16(1H,d,J=8.3),1.33(1H,d,J=5.4 Hz),1.64(3H,d,J=5.4 Hz),1.77(2H,m),1.95(1H,m),3.65(1H,m),4.25(1H,brs),4.95(1H,brs),5.37(1H,m),5.39(1H,m),6.48(2H,d,J=7.3 Hz),6.74(1H,brs),7.00(2H,d,J=7.3 Hz)8)13C−核磁気共鳴スペクトル;δ (ppm)重クロロホルム溶液中で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。(重クロロホルムのシグナルを77.0ppmとした。)メジャーピーク:18.0,18.3,19.4,31.3,34.1,40.1.40.2,66.1,74.0,100.5,115.4,126.6,128.5,129.1,129.3,156.3,175.7,194.2,194.4マイナーピーク: 18.0,18.6,19.2,31.1,33.6,40.2,40.4,64,3,73.9,104,1,115.2,126.4,128.2,128.6,129.3,156.4,169.9,195.8,200.69)比旋光度;[α]D25−220°(c1.0、メタノール)。

請求項3

チョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する請求項1乃至2のいずれか1項に記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物より請求項1乃至2のいずれか1項に記載の化合物を回収することを特徴とする、請求項1乃至2のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。

請求項4

チョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する請求項1乃至2のいずれか1項に記載の化合物の生産菌がチョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnisalba)SANK21805株(FERMBP−10419)であることを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。

請求項5

チョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する請求項1乃至2のいずれか1項に記載の化合物を生産する微生物

請求項6

チョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnisalba)SANK21805株(FERMBP−10419)である請求項5に記載の微生物。

請求項7

請求項1乃至2のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬

請求項8

肥満症糖尿病高血圧症及び虚血性心疾患からなる群から選択される1つ又は2つ以上の疾患の治療薬及び/または予防薬である請求項7に記載の医薬。

技術分野

0001

本発明は肥満症若しくはそれに起因する生活習慣病治療薬として有用な新規化合物F−14329またはその塩、該化合物の製造方法、該化合物を生産する微生物、該化合物を含有する医薬等に関する。

背景技術

0002

近年先進諸国において、エネルギーの過剰摂取による肥満症、またそれに起因する糖尿病高血圧症虚血性心疾患などいわゆる生活習慣病の増加が問題となっている。中性脂肪トリグリセリド:TG)は脂肪細胞における脂肪蓄積原料であり、そのため肥満に関して重要な役割を果たし、また高トリグリセリド血症心血管系疾患発症危険因子である(非特許文献1参照)。通常、食餌によりエネルギーが摂取されると、血液中中性脂肪含有量(血中TG値)が一過性に上昇し、一定時間経過後に食前のレベルまで戻るが、過剰のエネルギー摂取により、この食後血中TG値の正常レベルへの低下が起こらなくなり、定常的に血中TG値が高い状態となる。この血中の中性脂肪が脂肪細胞に蓄積されることにより肥満症が引き起こされると考えられている。これらの事実から、血中TG値(特に食後血中TG値)を減少させる治療法の開発が望まれている。現在までに、血中TG値を低下させる薬剤として、フィブレート系薬剤ニコチン酸製剤、エイコサペンタエン酸製剤等が知られている(非特許文献2)が、F−14329と類似した骨格を有する化合物がこのような活性を有することは知られていない。
Antonio M. GottoJr.著、“ジ・アメリカン・ジャーナルオブカルディオロジー(The American Journal of Cardiology)”、(1998), Volume 82, Issue 8, Supplement 2, p.22Q-25Q
Robert H. Knopp著、「Drug treatment of Lipid Disorders」, “ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal Of Medicine)”, (1999) Volume 341, pp.498-511

発明が解決しようとする課題

0003

本発明者らは、糸状菌培養液中から新規化合物F−14329を見出し、該化合物を生産するチョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する微生物を単離同定し、該微生物の培養物を用いた該化合物の製造方法を確立した。更に、該化合物が食後血中TG値の上昇を抑制する活性を有することを見出し、本発明を完成した。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、
(1)下記式(I)で表される化合物又はその塩、

0005

0006

(2)下記の1)乃至9)の物理化学的性質を示す化合物又はその塩:
1)性質無色粉末
2)溶解性ジメチルスルホキシドメタノールクロロホルムに可溶;
3)分子式:C21H27NO5;
4)分子量:373;
5)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(logε)
メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、次の通りである。
281 (4.15)、225(4.10);
6)赤外線吸収スペクトルKBr):νmax cm−1
KBrディスク法で測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:
3320、2964,2929、1693、1653,1601,1517,1452,1378,1354,1335,1269,1238,1217,1172,1090,1047,967;
7)1H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。(TMSシグナルを0.00 ppmとした。)
メジャーピーク:0.84(3H,d,J=6.4 Hz),1.04(3H,d,J=6.4 Hz),1.13(1H,m),1.33(1H,d,J=5.4 Hz),1.64(3H,d,J=5.4 Hz),1.77(2H,m),1.95(1H,m),3.65(1H,m),4.03(1H,d,J=5.4 Hz),4.81(1H,d,J=5.4 Hz),5.37(1H,m),5.39(1H,m),6.58(2H,d,J=7.3 Hz),6.88(1H,brs),7.07(2H,d,J=7.3 Hz)
マイナーピーク: 0.61(3H,d,J=5.9 Hz),1.11(3H,d,J=6.4 Hz),1.16(1H,d,J=8.3),1.33(1H,d,J=5.4 Hz),1.64(3H,d,J=5.4 Hz),1.77(2H,m),1.95(1H,m),3.65(1H,m),4.25(1H,brs),4.95(1H,brs),5.37(1H,m),5.39(1H,m),6.48(2H,d,J=7.3 Hz),6.74(1H,brs),7.00(2H,d,J=7.3 Hz)
8)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。(重クロロホルムのシグナルを77.0 ppmとした。)
メジャーピーク:18.0, 18.3, 19.4, 31.3, 34.1, 40.1. 40.2, 66.1, 74.0, 100.5, 115.4, 126.6, 128.5, 129.1, 129.3, 156.3, 175.7, 194.2, 194.4
マイナーピーク: 18.0, 18.6, 19.2, 31.1, 33.6, 40.2, 40.4, 64,3, 73.9, 104,1, 115.2, 126.4, 128.2, 128.6, 129.3, 156.4, 169.9, 195.8, 200.6
9)比旋光度
[α]D25 −220° (c 1.0、メタノール)、

(3)チョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物より(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の化合物を回収することを特徴とする、(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の化合物の製造方法、

(4)チョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の化合物の生産菌がチョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnis alba) SANK 21805株(FERM BP−10419)であることを特徴とする、(3)に記載の製造方法、

(5)チョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の化合物を生産する微生物、

(6)チョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnis alba) SANK 21805株(FERM BP−10419)である(5)に記載の微生物、

(7)(1)乃至(2)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬、

(8)肥満症、糖尿病、高血圧症及び虚血性心疾患からなる群から選択される1つ又は2つ以上の疾患の治療薬及び/または予防薬である請求項7に記載の医薬、
に関する。

0007

本明細書において、「F−14329」とは、上記式(I)で表される構造からなる化合物、又は、上記(2)に記載の物理化学的性質を有する化合物をいう。本明細書では、F−14329を「本発明の化合物」と呼ぶこともある。

0008

F−14329は、種々の互変異性体を有する。上記式(I)で表される化合物の互変異性体としては、下記式(II)、(III)及び(IV)で表される化合物が挙げられる。これらの構造式で表される化合物は各々平衡状態にあり、これら4つの式は同一の化合物を表すものであることは、当業者が容易に認識するところであり、本発明のF−14329には、これら各種互変異性体を包含する。

0009

0010

0011

0012

本発明の化合物は、溶解条件に依存して、式(I)乃至(VI)のいずれか1つで表される化合物又は2つ以上で表される化合物の混合物として検出され得る。このように、本発明の化合物は、式(I)、式(II)、式(III)及び式(IV)からなる群から選択されるいずれか1つの式で表される化合物、又は2つ以上の式で表される化合物の混合物を包含する。
なお、式(I)で示される構造からなる化合物は上記(2)に示される物理化学的性質の核磁気共鳴スペクトルにおいてメジャーピークに帰属し、また、式(II)で示される構造からなる化合物は上記(2)に示される物理化学的性質の核磁気共鳴スペクトルにおいてマイナーピークに帰属するものである。これら2つの構造式で表される化合物は上述したように同一物質であると考えることができる。また、これら2つの化合物の混合物として考えることもできる。

0013

F−14329は、種々の異性体を有する。本発明においては、これらの異性体がすべて単一の式で表されているが、ラセミ化合物等それらの異性体ならびにそれらの異性体の混合物も全てF−14329に含まれる。立体特異的合成法、あるいは光学活性化合物原料化合物とする合成法により、本発明の化合物の各異性体直接製造することができる。また、先ず各異性体の混合物を製造し、次いで該混合物より所望の各異性体を公知の手法を用いて分離することができる。

0014

F−14329はフェノール性水酸基および、テトラミン酸等を有し、当業者に周知の方法を用いて塩にすることができる。本発明には、このようなF−14329の塩も包含される。F−14329の塩としては特に限定はないが、医薬の有効成分として用いられる場合は薬理学的に許容される塩が選択される。また、F−14329の塩が医薬以外の用途に用いられる場合、例えば中間体として使用される場合には、該用途に用いることのできるものであれば特に限定されない。F−14329の塩としては、例えば、アンモニウム塩のような無機塩ナトリウム塩カリウム塩リチウム塩のようなアルカリ金属塩カルシウム塩マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩アルミニウム塩鉄塩亜鉛塩銅塩ニッケル塩コバルト塩等の金属塩;t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩モルホリン塩、グルコサミン塩フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニア塩トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;および、グリシン塩リジン塩アルギニン塩オルニチン塩、アスパラギン塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。F−14329の好適な塩としては、薬理学的に許容される塩として好ましく使用されるもの、すなわち、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩等を挙げることができる。

0015

また、F−14329及び/又はその塩は溶剤和物になり得る。例えば、大気中での放置再結晶などを経て、吸着水の付加、水和物化等が時に生じ得る。それらの溶剤和物も本発明に包含される。

0016

さらに、本発明は、生体内において代謝されてF−14329及び/又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグも全て包含する。

0017

1.F−14329生産菌
F−14329を生産する微生物としては、F−14329を生産する限り特に限定されるものではないが、例えば、チョーノピクニス(Chaunopycnis)属に属する糸状菌等を挙げることができ、好適にはチョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnis alba)であり、より好適にはチョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnis alba) SANK 21805株(以下、単に「SANK 21805株」という。)である。SANK 21805株は、和山県の海岸で約4ヶ月間海に浸漬させた木片より分離された。

0018

SANK 21805株を4種類の培地(CMA培地、PCA培地、PDA培地、WSH培地)に接種して、菌学的性状を観察した。4種類の培地の組成は以下の通りである。
<CMA培地{コーンミール寒天(Corn Meal Agar)培地}>
コーンミールアガール「ニッスイ」(日水製薬(株)製) 17g、寒天5g、蒸留水1000ml。
<PCA培地{ポテトキャロット寒天(Potato Carrot Agar)培地}>
ジャガイモ20g、ニンジン20g、寒天 20g、蒸留水 1000ml、ジャガイモとニンジンは、煮出し後ろ過して調製。
<PDA培地{ポテトデキストロース寒天(Potato Dextrose Agar)培地}>
ポテトデキストロース寒天培地「ニッスイ」(日水製薬(株)製) 39g、寒天 5g、蒸留水 1000ml。
<WSH培地{改変ワイツマン・シルヒュトナー(Modified Weitzman and Silva−Hutner)培地}>
オートミール10g、硫酸マグネシウム七水和物1g、リン酸二水素カリウム1g
硝酸ナトリウム1g、寒天 20g、蒸留水 1000ml。

0019

色調の表示は「メチューンハンドブック・オブ・カラー」 (Kornerup, A. & Wanscher, J. H. 1978. Methuen handbook of colour (3rd. edition). Erye Methuen, London)に従った。

SANK 21805株の菌学的性状は以下の通りである。

0020

CMA培地上でのコロニーは、20℃、10日の培養で直径22−24mmである。コロニーは薄く白色を呈する。裏面は変化なし。

0021

PCA培地上でのコロニーは、20℃、10日の培養で直径24−28mmである。コロニーは羊毛状、厚く白色を呈する。裏面はパステルイエロー(3A4)乃至ペールイエロー(3A3)を呈する。

0022

PDA培地上でのコロニーは、20℃、10日の培養で直径14−15mmである。コロニーは羊毛状、厚く白色を呈する。裏面はペールオレンジ(5A3)乃至ライトオレンジ(5A4)を呈する。

0023

WSH培地上でのコロニーは、20℃、10日の培養で直径23mmである。コロニーは羊毛状、厚く白色を呈する。裏面は変化なし。

0024

培養を継続するとPCA培地とWSH培地上でコロニー全体に分生子果を形成する。気菌糸は幅0.5−1.5μm、平滑、無色である。分生子果は直径80−190μm、気菌糸体中に形成され、球形から不定形、白色を呈する。分生子果の外壁は、幅10−15μm、密着した菌糸の束で構成され、柔らかい。フィアライドは分生子果外壁の内側表面に形成され、長さ5−19μm、幅1−1.5μm、狭フラスコ形で先端が細くなる。分生子果を形成せずに、フィアライドが気菌糸から直接形成されることもある。分生子は直径1.5−2μm、1細胞、球形、平滑、無色、まれに卵形で直径3μmに達することもある。厚膜胞子は観察されない。

0025

以上の菌学的性状より、本菌に該当する菌を検索したところ、ガムスの文献(Gams, W. 1980. Chaunopycnis alba, gen. et sp. nov., a soil fungus intermediate between Moniliales and Sphaeropsidales. Persoonia 11:75-79)に記載されているチョーノピクニス・アルバの性状に、ほぼ一致した。よって、SANK 21805株をチョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnis alba)と同定した。なお、SANK 21805株は、チョーノピクニス・アルバ(Chaunopycnis alba) SANK 21805株として、平成17年9月27日付で独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国県つくば市東1−1−1 中央第6)に国際寄託され、受託番号 FERM BP−10419を付与された。

0026

2.培養
周知の通り、真菌類は自然界において、または人工的な操作(例えば、紫外線照射放射線照射化学薬品処理等)により、変異を起こしやすく、本発明の提供するSANK 21805株も同様である。本発明において、SANK 21805株は、F−14329を生産する性質を有する限り、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組み換え形質導入形質転換等によりえられたものも包含される。即ち、F−14329を生産する限り、SANK 21805株、それらの変異株およびそれらと明確に区別されない菌株は、全てSANK 21805株に包含される。

0027

F−14329の製造を目的とした該化合物生産菌の培養は、通常発酵生成物を生産するために使用される培地を用いて行うことができる。このような培地には、微生物が同化し得る炭素源窒素源および無機塩が含まれる。

0028

炭素源としては、グルコースフルクトースマルトースシュークロースマンニトールグリセリンデキストリン澱粉オート麦ライ麦、ジャガイモ、トウモロコシ粉綿実油糖蜜クエン酸酒石酸等を単一に、あるいは併用して用いることができる。培地の炭素源含量は、通常、培地量の1乃至10重量%で変量する。

0029

窒素源としては、蛋白質若しくはその加水分解物を含有する物質又は無機塩を用い、大豆粉フスマ落花生粉、綿実油、カゼイン加水分解物ファーマミン、魚粉コーンスチープリカーペプトン肉エキスイーストイーストエキスマルトエキスゼラチン、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム硫酸アンモニウム等を例示することができる。これらの窒素を単一であるいは併用して培地に含有せしめる場合の量は、通常培地量の0.2乃至10重量%の範囲で変量する。

0030

栄養無機塩としては、ナトリウムアンモニウムカルシウムフォスフェートサルフェートクロライドカーボネート等のイオンを得ることのできる通常の塩類を広く用いることができる。カリウム、カルシウム、コバルトマンガン、鉄、マグネシウム等の金属も培地に微量含まれ得る。
液体培養に際しては、シリコン油植物油界面活性剤等が、消泡剤として使用される。

0031

F−14329の製造を目的として該化合物生産菌を液体培養する際の液体培地のpHは、特に限定されるものではないが、通常4.0乃至7.0である。

0032

F−14329生産菌の生育温度は、特に限定されるものではないが、通常15乃至35℃であり、好適には20乃至30℃である。また、F−14329の製造を目的として該化合物生産菌を培養する際の温度は、特に限定されないが、通常20乃至30℃であり、好適には23℃乃至26℃である。F−14329の製造を目的としてSANK 21805株を培養する際のより好適な温度は、23℃である。

0033

F−14329は、該化合物生産菌を好気的な条件下で培養することにより製造することができる。好気的条件下培養方法としては、通常当該分野において使用される好気的培養方法であれば特に限定されないが、例えば、固体培養法振とう培養法、通気攪拌培養法等を挙げることができる。

0034

F−14329を比較的大量に製造するための該化合物生産菌の培養は、通常、小規模な培養から開始し、段階的に培養規模を拡大することが好ましい。まず、少量の種培地を用いた前培養から始め、段階的に培養の規模を拡大し、多量の栄養培地必要量前培養液を接種することにより本培養を行うことができる。例えば、SANK 21805株のスラントから、少量の種培地を入れた三角フラスコへ該株を接種し、23℃にて数日間振盪培養を行い、該株を十分成長させる。必要に応じ、該前培養の規模を段階的に拡大した後、得られた培養物の全量又は必要量を栄養培地へ接種し、本培養を行う。

0035

F−14329生産菌を大量に培養するに際し、攪拌機又は通気装置を有するタンクを使用すれば、本培養用の栄養培地をタンクの中で調製し、滅菌することが可能であり好ましい。通常、栄養培地の滅菌温度は121℃であり、滅菌後培地が十分冷却してから前培養物を接種し、前述の温度にて通気攪拌培養を行う。

3.F−14329の回収
培養終了後、珪藻土等を助剤とするろ過操作又は遠心分離操作により、培養物を可溶性画分培養上清)および不溶性画分菌体)に分別し、次いで得られた各画分中に存在するF−14329を、その物理化学的性状を利用して通常用いられる手法により抽出精製することによってF−14329を回収することができる。例えば、以下のような分離精製操作を挙げることができる。

0036

前述の培養により得られるF−14329生産菌の培養上清及び/又は菌体抽出液(例えばアセトン抽出液)を、n−ブタノール酢酸エチルなど水と混和しない有機溶媒の1つ又は2つ以上と混合し、得られた有機層画分からF−14329を精製することができる。

0037

得られた有機層画分を、各種吸着用樹脂を用いたクロマトグラフィーに供することができる。吸着剤としては、活性炭アンバーライトXAD−2、XAD−4(以上ロームアンドハース社製)、ダイヤイオンHP−10、HP−20、HP−50、CHP20P(以上三菱化学(株)社製)等を挙げることができる。前記の有機層画分をこれらの吸着剤と接触させてF−14329を吸着せしめた後、メタノール水、アセトン水等の含水溶媒を用いて所望のF−14329を溶出することにより、F−14329含有画分を得ることができる。反対に、前記の有機画分を、不純物を吸着させる目的で通常用いられる公知の吸着剤と接触させて不純物を吸着せしめ、所望のF−14329を素通り画分中に回収することによりF−14329含有画分を得ることもできる。

0038

得られたF−14329含有画分を、イオン交換クロマトグラフィーに供することができる。イオン交換樹脂としては、ダウエックス50Wx4、ダウエックス1x2、ダウエックスSBR−P(以上、ダウケミカル社製)等を挙げることができる。F−14329含有画分をイオン交換樹脂と接触させてF−14329を吸着せしめた後、塩酸アンモニア等の溶媒を用いて所望のF−14329を溶出することができる。反対に、前記の抽出物をこれらのイオン交換樹脂と接触させて不純物を吸着せしめ、所望のF−14329を素通り画分中に回収することもできる。

0039

得られたF−14329含有画分を、さらに、シリカゲル、マグネシウム−シリカゲル系のフロリジル等の担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー薄層クロマトグラフィー、TSKゲルトヨパールHW−40F(登録商標、トーソー(株)社製)、セファデックスLH−20(登録商標、アマシャムバイオサイエンス社製)等を用いた分配カラムクロマトグラフィーコスモシル140C18(登録商標、ナカライテスク社製)等を用いた逆相カラムクロマトグラフィー順相もしくは逆相カラムを用いたHPLC等により精製し、所望のF−14329を単離することができる。該精製工程において、前記のカラム分離又はクロマトグラフィー操作は単独で用いることもできるし、二つ以上の操作を組み合わせて用いてもよい。

0040

本発明のF−14329を精製する際の、各精製工程における該物質の挙動は、例えば、次の条件によるHPLCにより追跡することができる。
[F−14329を検出するためのHPLCの条件]
分離カラム: SunFire C18(5 μm、φ4.6 × 150 mm: Waters社製)
移動相: 50%アセトニトリル‐0.1%ギ酸水溶液
流速: 1.0 ml/分
検出波長: 230 nm
保持時間: F−14329:9分乃至10分(好適には9.5分)。

0041

4.F−14329の作用
本発明は、F−14329又はその塩を含むことからなる医薬組成物、並びに、該物質を有効成分として含有する肥満症および糖尿病の治療又は予防剤を提供する。食餌中に含まれる中性脂肪が腸で吸収されることにより、血中TG値は食後一過性に上昇する。この上昇した血中TG値は、通常は、その後低下し数時間後には元のレベルに戻る。しかし、過栄養摂取状態においては、食餌により上昇した血中TG値が食前のレベルまで下がらないうちに次の食餌を摂取することとなり、これが繰り返されることにより、血中TG値が常に高い状態(高トリグリセリド血症)となると考えられている。また、血中の中性脂肪が脂肪細胞に貯蓄されていき肥満が引き起こされると考えられている。さらに、このようにして引き起こされた肥満による体重増加は、糖尿病、高血圧症、虚血性心疾患等のいわゆる生活習慣病の原因又は悪化要因になり得ると考えられている。F−14329は、食餌後の中性脂肪の吸収を阻害し、血中TG値の上昇を抑制する作用を有することから、肥満症及び/又は肥満に起因する生活習慣病(肥満、高血圧症、又は虚血性心疾患)の治療薬及び/又は予防薬の有用成分として使用されうる。

0042

本発明のF−14329又はその塩は、医薬としてヒト又はヒト以外の動物投与されるに際し、種々の形態をとり得る。その投与形態は、製剤、年齢性別、疾患等に依存する。例えば、錠剤丸剤散剤顆粒剤シロップ剤液剤懸濁剤乳剤、顆粒剤、カプセル剤等は経口投与される。注射剤等は静脈内投与筋肉内投与、皮内投与、皮下投与又は腹腔内投与される。坐剤直腸内投与される。軟膏等は外用剤として使用される。

0043

F−14329を有効成分として含有する医薬製剤は、常法に従い、賦形剤結合剤崩壊剤滑沢剤溶解剤矯味矯臭剤コーティング剤等、医薬製剤分野において通常使用し得る公知の補助剤を用いて製造することができる。

0044

錠剤の形態に成形するに際しては、担体として当該分野で公知のものを広く使用することができ、例えば、乳糖白糖塩化ナトリウムブドウ糖尿素、澱粉、炭酸カルシウムカオリン結晶セルロース珪酸等の賦形剤、水、エタノールプロパノール単シロップブドウ糖液澱粉液ゼラチン溶液カルボキシメチルセルロースセラックメチルセルロースリン酸カリウムポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥澱粉アルギン酸ナトリウムカンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類ラウリル硫酸ナトリウムステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリンカカオバター水素添加油等の崩壊抑制剤第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、澱粉等の保湿剤、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイトコロイド状珪酸等の吸着剤、精製タルクステアリン酸塩硼酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を挙げることができる。錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多重錠とすることができる。

0045

丸剤の形態に成形するに際しては、担体として当該分野で公知のものを広く使用することができ、例えば、ブドウ糖、乳糖、澱粉、カカオ脂硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤を挙げることができる。

0046

注射剤として調製される場合、液剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であることが好ましく、これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に形成するに際しては、希釈剤として当該分野において公知のものを広く使用することができ、例えば、水、エチルアルコールプロピレングリコールエポキシ化イソステアリルアルコールポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げることができる。等張を維持するために充分な量の食塩、ブドウ糖又はグリセリンを含有せしめてもよい。溶解補助剤緩衝剤無痛化剤糖、着色剤保存剤香料風味剤甘味剤、他の薬剤等を含有せしめてもよい。

0047

なお、注射剤を静脈内投与する場合、単独で、ブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して、又は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等とのエマルジョンとして投与される。

0048

坐剤の形態に成形するに際しては、担体として当該分野で公知のものを広く使用することができ、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。

0049

軟膏等の外用剤の形態に成形するに際しては、賦型剤として、疎水性基剤(油脂性軟膏基剤)、吸水基剤親水性基剤クリーム)ならびに水溶性基剤(非グリース製軟膏基剤)のいずれか一つに属する、当該分野で公知のものを広く使用することができる。

0050

上述の医薬製剤に含有せしめるF−14329又はその塩の量は、特に限定されないが、上限は30乃至70重量%、下限は1重量%であり、好適な範囲は1乃至30重量%である。

0051

F−14329又はその塩の投与量は、症状、年齢、体重、投与方法剤形等に依存するが、通常成人に対して1日当たり投与するF−14329又はその塩の量は、上限が100乃至1000 mg、下限が1乃至10 mgであり、好適な範囲は10乃至100 mgである。

0052

F−14329又はその塩の投与回数は、数日に1回、1日1回、又は1日複数回である。

発明の効果

0053

本発明の提供するF−14329は中性脂肪吸収阻害作用を有することから、該化合物又はその塩を有効成分として含有する医薬は肥満症および糖尿病の予防薬または治療薬として有用である。

発明を実施するための最良の形態

0054

次に、実施例、試験例、製剤例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。

0055

(実施例1).F−14329生産菌の培養
SANK 21805株のスラントよりコロニー表面をかきとって、あらかじめ滅菌(121℃、20分間)した培地組成−1からなる種培養培地30mlを含む100ml容三角フラスコへ接種した。それを210rpm、23℃の回転振盪培養機で168時間培養したものを種培養液とした。次いで、培地組成−2で示される本培養培地80mlを500ml容三角フラスコ25本に入れ、121℃で20分間加熱滅菌した。これを冷却した後、各三角フラスコに種培養液約1mlを接種し、210rpm、23℃の回転振盪培養機で168時間本培養を行った。

[培地組成−1]
可溶性澱粉2.0 %
グリセリン3.0 %
グルコース3.0 %
大豆粉1.0 %
ゼラチン0.25 %
イーストエキス0.25 %
硝酸アンモニウム0.25 %
寒天0.3 %
消泡剤* 0.005 %
(pH無調製)
*ディスフォームCB−442(日本油脂(株)製)

[培地組成−2]
グリセリン 5.0 %
ポテトグラニュー** 1.0 %
マルトエキス0.5 %
イーストエキス 0.5 %
消泡剤CB−442 0.005 %
(pH無調製)
**ポテトグラニュー(カナダ・アグラウェスト社製)
(実施例2).F−14329の単離
実施例1で得られた培養物2 Lを遠心分離操作により、培養物を可溶性画分(培養上清)および不溶性画分(菌体)に分別した。得られた培養上清1.9 LをpH3.0に調整後、2.0 Lの酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を1 Lの0.2 Mリン酸水素二ナトリウム水溶液および、飽和食塩水洗浄後、無水硫酸ナトリウム脱水して脱脂綿でろ過後、減圧下濃縮乾固して、F−14329を含む抽出物680 mgを得た。

0056

次いで、コスモシルカラム・クロマトグラフィーを行った。すなわち、前記抽出物680 mgを20 mlのMeOHに溶解後、5 gのコスモシル(Cosmosil 75C18−OPN)を加え均一とした後、減圧下濃縮してメタノールを留去し、アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸緩衝液(pH3)=3:7、10 mlを加え、予めアセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸緩衝液(pH3)=3:7で平衡化したコスモシルカラム(Cosmosil 75C18−OPN、容積150 ml)に付した。該カラムを、アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸緩衝液(pH3)=3:7(300 ml)、アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸緩衝液(pH3)=4:6(400 ml)、アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸緩衝液(pH3)=5:5(400 ml)で順に展開し、20 mlずつ分画し、F−14329を含むフラクション11から42(640 ml)を回収した。減圧下で濃縮することによりアセトニトリルを留去後、300 mlの酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。それを脱脂綿でろ過後、減圧下濃縮乾固して、F−14329を含む部分精製物470 mgを得た。

0057

この部分精製物をHPLCカラム(SunFire C18 φ19×150 mm:Waters社製)で分離した。部分精製物470 mgをメタノール、5 mlに溶解したものを試料溶液とした。この試料溶液500 μlを、あらかじめアセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸緩衝液(pH3)=5:5で平衡化したカラムに注入後、アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸緩衝液(pH3)=5:5を溶媒として、流速15 ml/分で溶出した。検出波長210 nmで溶出液モニターし保持時間8.0から9.5分までに溶出されるF−14329画分を分取した。残りの試料溶液についても同様の操作を行い、230 mlのF−14329画分を得た。減圧下濃縮してアセトニトリルを留去後、200 mlの酢酸エチルで2回抽出し、その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水した。それを脱脂綿でろ過後、減圧下濃縮乾固して、F−14329の無色粉末120 mgを得た。

(試験例1).リンパ管中性脂肪吸収阻害試験
雄性C57BL/6Nマウス(7-15週令、体重17-35 g、日本チャールズリバー(株)より購入)に、F−14329(30 mg/kg)と20%中性脂肪含有エマルジョン(イントラリピッド20%:テルモ(株)製)の混合物を経口投与(0.3 mL/マウス)する。投与1時間後にイソフルラン(フォレンアボットジャパン(株)製)吸入麻酔下にて開腹し、小腸リンパ管より小腸リンパ液を1〜10 μL採取する。リンパ液中の中性脂肪濃度を市販のキット(トリグリセライドEテストワコー:和光純薬工業(株)製)を用いて測定し、F−14329投与群の20%エマルジョン投与群 (コントロール群)に対する中性脂肪濃度低下率を算出することにより、F−14329の有する食後中性脂肪吸収阻害活性を測定することができる。

(製剤例) F−14329含有経口カプセル剤
———————————————————————————————
F−14329 30 mg
乳糖170 mg
トウモロコシ澱粉150 mg
ステアリン酸マグネシウム2 mg
———————————————————————————————
合計 352 mg
———————————————————————————————
上記処方の粉末を混合し、60メッシュのふるいに通した後、この粉末をゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とする。

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