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技術 アルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインの速度同調システムおよびそれを用いたアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブの製造設備および製造方法

出願人 日本軽金属株式会社
発明者 敷根功東野和美
出願日 2005年12月8日 (15年0ヶ月経過) 出願番号 2005-354610
公開日 2007年6月21日 (13年6ヶ月経過) 公開番号 2007-152414
状態 特許登録済
技術分野 金属圧延一般 連続鋳造
主要キーワード 高分解能パルス 残留偏差 レーザー速度 回転ロール間 同調システム 凝固収縮率 線収縮 アルミニウム合金スラブ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

双ベルト式鋳造機スキンパス圧延機を有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインにおいて、健全アルミニウム合金連続鋳造圧延スラブを得るために、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度を適切に制御するライン速度同調システム、スラブ製造設備と製造方法を提供する。

解決手段

(1)双ベルト式鋳造機からスキンパス圧延機へ進行中のスラブ速度実測値ライン設定速度とを比較してスキンパス圧延機のロール速度をPI制御し、同時に、(2)ライン設定速度と鋳造対象であるアルミニウム合金の凝固収縮率とに基づいて双ベルト鋳造機のベルト速度を制御することにより、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度とを同調させる。

概要

背景

双ベルト鋳造法とは、上下に対峙水冷されている回転ベルト間に溶湯注湯してベルト外面からの冷却で溶湯を凝固させてスラブとし、ベルトの反注湯側より該スラブを連続して引き出してコイル状に巻き取る連続鋳造方法である。

特に、双ベルト式鋳造機スキンパス圧延機を有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインにおいて、健全アルミニウム合金連続鋳造圧延スラブを得るには、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度を適切に制御する必要がある。

アルミニウム溶湯連続鋳造する鋳造機の構造については、金属ストリップ連続ベルト鋳造におけるベルトの冷却ガイド装置(特許文献1)、金属連続鋳造の熱硫の制御(特許文献2)に記載がある。特許文献1は双ベルト式鋳造機の鋳造ベルトを冷却しガイドする装置及び方法に関し、特許文献2は表面欠陥鋳造キャビティーの歪みを回避するため熱を取り除く速度の制御しながら鋳造金属ストリップインゴットを作るために溶融金属を鋳造する方法に関する。特許文献1、2のいずれにも、双ベルト式鋳造機の速度制御、出側での薄スラブ速度制御についての記載は無い。

一方、鉄鋼連続鋳造機の速度については、例えば特許文献3に、一定の方向に回転する鋳造輪とその外周の一部に沿って該鋳造輪と同一方向に運動するベルトによって形成された鋳型の上部から溶鋼注入し、該鋳型の下部から鋳片を引き抜く連続式鋳造方法において、前記鋳型内に鋳片後端部が達した際に鋳片後端湯面が凝固し鋳片後端部から溶鋼が漏れない程度の速度に鋳片引抜速度を減少することを特徴とする、鋼用ベルトキャスタ式連続鋳造方法が開示されている。また、特許文献4には、鋳型内の溶鋼メニスカスから高さ方向150mmまでの鋳片の移動速度が2秒以内になるように、鋳片の引抜速度を調整することにより、特に板厚みの薄い広巾鋳片をコイル状に巻き取りつつ製造するのに好適でかつ、表面疵ならびに内部割れの極めて少ない高品質鋳片を得ることが可能な連続鋳造装置操業方法が開示されている。特許文献3、4には、鋳片引抜速度の制御方法あるいは調整方法は開示されているが、鋳片を引き続き熱間圧延する場合における双ベルト式鋳造機のベルト速度と熱間圧延機のロール速度の制御方法については開示が無い。

特表2004−505774
特表2004−508203
特開昭54−39321
特開昭59−24563

概要

双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインにおいて、健全なアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブを得るために、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度を適切に制御するライン速度同調システム、スラブ製造設備と製造方法を提供する。(1)双ベルト式鋳造機からスキンパス圧延機へ進行中のスラブ速度実測値ライン設定速度とを比較してスキンパス圧延機のロール速度をPI制御し、同時に、(2)ライン設定速度と鋳造対象であるアルミニウム合金の凝固収縮率とに基づいて双ベルト鋳造機のベルト速度を制御することにより、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度とを同調させる。

目的

本発明は、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインにおいて、健全なアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブを得るために、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度を適切に制御するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインの速度同調システムおよびそれを用いたアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブの製造設備および製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

双ベルト式鋳造機スキンパス圧延機とを有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインの速度同調システムにおいて、前記双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機との間に鋳造スラブ速度検出手段を設け、前記スラブ速度検出手段から算出したスラブ速度とライン設定速度とを比較して、前記スキンパス圧延機のロール速度PI制御し、同時に、前記ライン設定速度と前記アルミニウム合金凝固収縮率とから前記双ベルト式鋳造機の適正なベルト速度を算出してベルトドライブ装置を駆動させることにより、前記スキンパス圧延機のロール速度と前記双ベルト鋳造機のベルト速度とを同調させることを特徴とするアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ライン速度同調システム。

請求項2

前記スラブ速度検出手段としてレーザー速度計を使用することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ライン速度同調システム。

請求項3

前記スラブ速度検出手段としてピンチロールを使用することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ライン速度同調システム。

請求項4

前記スラブ速度検出手段としてレーザー速度計を、鋳造スラブの振動防止手段としてピンチロールを使用することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ライン速度同調システム。

請求項5

双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有する連続鋳造圧延ラインを含むアルミニウム合金スラブ製造設備において、請求項1から4までのいずれか1項に記載の連続鋳造圧延ライン速度同調システムを備えたことを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブの製造設備。

請求項6

双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有し、前記スキンパス圧延機の後方には圧延機が存在せず、スキンパス圧延されたスラブが直接コイラーで巻き取られる連続鋳造圧延ラインによってアルミニウム合金スラブを製造する方法において、請求項1から4までのいずれか1項に記載の連続鋳造圧延ライン速度同調システムを適用することを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、双ベルト式鋳造機スキンパス圧延機を有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインの速度同調システムおよびそれを用いたアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブ製造設備および製造方法に関する。

背景技術

0002

双ベルト鋳造法とは、上下に対峙水冷されている回転ベルト間に溶湯注湯してベルト外面からの冷却で溶湯を凝固させてスラブとし、ベルトの反注湯側より該スラブを連続して引き出してコイル状に巻き取る連続鋳造方法である。

0003

特に、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインにおいて、健全なアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブを得るには、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度を適切に制御する必要がある。

0004

アルミニウム溶湯連続鋳造する鋳造機の構造については、金属ストリップ連続ベルト鋳造におけるベルトの冷却ガイド装置(特許文献1)、金属連続鋳造の熱硫の制御(特許文献2)に記載がある。特許文献1は双ベルト式鋳造機の鋳造ベルトを冷却しガイドする装置及び方法に関し、特許文献2は表面欠陥鋳造キャビティーの歪みを回避するため熱を取り除く速度の制御しながら鋳造金属ストリップインゴットを作るために溶融金属を鋳造する方法に関する。特許文献1、2のいずれにも、双ベルト式鋳造機の速度制御、出側での薄スラブ速度制御についての記載は無い。

0005

一方、鉄鋼連続鋳造機の速度については、例えば特許文献3に、一定の方向に回転する鋳造輪とその外周の一部に沿って該鋳造輪と同一方向に運動するベルトによって形成された鋳型の上部から溶鋼注入し、該鋳型の下部から鋳片を引き抜く連続式鋳造方法において、前記鋳型内に鋳片後端部が達した際に鋳片後端湯面が凝固し鋳片後端部から溶鋼が漏れない程度の速度に鋳片引抜速度を減少することを特徴とする、鋼用ベルトキャスタ式連続鋳造方法が開示されている。また、特許文献4には、鋳型内の溶鋼メニスカスから高さ方向150mmまでの鋳片の移動速度が2秒以内になるように、鋳片の引抜速度を調整することにより、特に板厚みの薄い広巾鋳片をコイル状に巻き取りつつ製造するのに好適でかつ、表面疵ならびに内部割れの極めて少ない高品質鋳片を得ることが可能な連続鋳造装置操業方法が開示されている。特許文献3、4には、鋳片引抜速度の制御方法あるいは調整方法は開示されているが、鋳片を引き続き熱間圧延する場合における双ベルト式鋳造機のベルト速度と熱間圧延機のロール速度の制御方法については開示が無い。

0006

特表2004−505774
特表2004−508203
特開昭54−39321
特開昭59−24563

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインにおいて、健全なアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブを得るために、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度を適切に制御するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインの速度同調システムおよびそれを用いたアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブの製造設備および製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の目的を達成するために、本発明によれば、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機とを有するアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ラインの速度同調システムにおいて、
前記双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機との間に鋳造スラブ速度検出手段を設け、前記スラブ速度検出手段から算出したスラブ速度とライン設定速度とを比較して、前記スキンパス圧延機のロール速度をPI制御し、
同時に、前記ライン設定速度と前記アルミニウム合金の凝固収縮率とから前記双ベルト式鋳造機の適正なベルト速度を算出してベルトドライブ装置を駆動させることにより、
前記スキンパス圧延機のロール速度と前記双ベルト鋳造機のベルト速度とを同調させる
ことを特徴とするアルミニウム合金スラブ連続鋳造圧延ライン速度同調システムが提供される。

0009

更に、本発明によれば、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有する連続鋳造圧延ラインを含むアルミニウム合金スラブ製造設備において、本発明の連続鋳造圧延ライン速度同調システムを備えたことを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブの製造設備が提供される。

0010

更に、本発明によれば、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を有し、前記スキンパス圧延機の後方には圧延機が存在せず、スキンパス圧延されたスラブが直接コイラーで巻き取られる連続鋳造圧延ラインによってアルミニウム合金スラブを製造する方法において、本発明の連続鋳造圧延ライン速度同調システムを適用することを特徴とするアルミニウム合金連続鋳造圧延スラブの製造方法も提供される。

発明の効果

0011

本発明においては、(1)双ベルト式鋳造機からスキンパス圧延機へ進行中のスラブ速度の実測値とライン設定速度とを比較してスキンパス圧延機のロール速度をPI制御し、同時に、(2)ライン設定速度と鋳造対象であるアルミニウム合金の凝固収縮率とに基づいて双ベルト鋳造機のベルト速度を制御することにより、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度とを同調させるので、長時間の操業においても安定して高品質の連続鋳造圧延スラブを得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度は、オペレーター運転員)の設定するライン速度のみから算出して制御することできない。なぜならば、双ベルト式鋳造機の出側におけるスラブ速度は、スキンパス圧延機のロール速度のみならず、圧下率、スラブ合金組成スラブ温度圧延油の種類と量およびスラブの表面状態ロール表面状態等によって決まる動摩擦係数など多くの因子による影響を受けるためである。加えて、アルミニウム合金は双ベルト式鋳造機のキャビティー内において液体から固体に相変態するが、凝固による収縮の割合(体積凝固収縮率)が6〜7%と比較的大きく、この収縮分について考慮せずにベルト速度とロール速度の制御を行うと、スラブに割れが生じてしまい欠陥のない連続鋳造圧延スラブを得ることができない。

0013

そこで、本発明においては、(1)双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機の間にスラブ速度検出手段を設け、スラブ速度検出手段から算出したスラブ速度とライン設定速度とを比較して、スキンパス圧延機のロール速度をPI制御し、同時に、(2)ライン設定速度とアルミニウム合金の凝固収縮率から双ベルト式鋳造機の適正なベルト速度を算出してベルトドライブ装置を駆動させることにより、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度とを同調させる。

0014

図1に、双ベルト式連続鋳造圧延ラインに本発明のライン速度同調システムを適用してアルミニウム合金スラブを製造する設備概念図を示す。

0015

図示の設備は、双ベルト式連続鋳造圧延ライン100とその制御・駆動系200とから成る。双ベルト式連続鋳造圧延ライン100は、双ベルト式連続鋳造機10の一対の水冷回転ベルト12A、12Bの間に連続鋳造機10の左端から溶湯Aを注湯してベルト間で凝固させてスラブ14とし、ベルトの反注湯側(連続鋳造機10の右端)から引き出し、ピンチロール16、スキンパスロール18を経て、後面設備群19のエッジトリマー(図示せず)、シャー20、ブライドルロール(図示せず)、デフレクターロール22を経て、コイラー24で巻き取る。

0016

本発明の特徴として、双ベルト式連続鋳造機10とスキンパスロール18との間に、レーザー速度計26または前記ピンチロール16等のスラブ速度検出手段27を配置してある。

0017

本発明による制御・駆動系200は、一方の制御・駆動系統において、上記鋳造スラブ速度検出手段27(図示の例ではレーザー速度計26)の出力を変換機28、フィルタ30を介して取り込み(図中+値)、加算器32によりライン設定速度40(図中−値)と比較し、比較結果(すなわち〔スラブ速度実測値〕−〔ライン設定速度〕)をPID制御器34で処理し、処理結果を加算器36でライン設定速度40に加算し、得られた制御値によりスキンパス圧延機駆動装置38を制御する。

0018

同時に、他方の制御・駆動系統において、鋳造対称としているアルミニウム合金について既知凝固収縮係数42を取り込み、この係数42を乗算器44でライン設定速度40に乗じて、得られた制御値により双ベルト連続鋳造機10の一対の冷却回転ベルト12A、12Bの駆動装置46A、46Bを制御する。

0019

以下、本発明の各構成を詳細に説明する。

0020

〔双ベルト式鋳造機10〕
双ベルト式鋳造機10においては、上述のように、上下に対峙し水冷されている回転ベルト12A、12B間に溶湯Aを注湯してベルト外面(回転の外側)からの冷却で溶湯Aを凝固させてスラブ14とし、ベルトの反注湯側よりスラブ14を連続して引き出す。

0021

ベルト外面とは反対面である鋳造機本体側(回転の内側)には、複数の冷却ノズル所定位置に配置されており、鋳造中はこれら複数のノズルから噴出する冷却水によって、ベルト内面強制的に冷却される。回転ベルト間に連続的に溶湯を注湯することで、キャビティー内で溶湯がベルトに接した面から凝固を開始し、ベルトの反注湯側からスラブが引き出される際には、完全に凝固が完了する。

0022

双ベルト式鋳造機によって鋳造される鋳造スラブ厚さの範囲は、5〜30mmとするのが好ましい。5mm未満であると、単位時間当たりに鋳造機を通過するアルミニウム量が小さくなりすぎて、鋳造が困難になる。逆に厚さが30mmを超えると、スラブ厚み方向中央部の凝固速度が遅くなりすぎて、高品質スラブを得ることが難しくなる。

0023

〔スキンパス圧延機18〕
スキンパス圧延機18は、上下に対峙している回転ロール間に鋳造スラブ14を通して、数%程度までの軽圧下の圧延加工を施すための圧延機である。

0024

スキンパス圧延によって、双ベルト式鋳造機10から引き出されたスラブ14の方向のプロファイル平坦化されると同時に、スキンパス圧延機18より背後に位置するエッジトリマー(図示せず)、シャー20、ブライドルロール(図示せず)、デフレクターロール22、コイラー24など後面設備19の稼動によるスラブ張力変化の影響を遮断する。

0025

双ベルト式鋳造機10の出側における鋳造スラブ速度は、スキンパス圧延機18のロール速度のみならず、圧下率、スラブ合金組成、スラブ温度、圧延油の種類と量および鋳造スラブの表面状態とロール表面状態等によって決まる動摩擦係数など多くの因子による影響を受ける。

0026

スキンパス圧延機18によって圧延される鋳造スラブ14の圧下率は、1〜5%とするのが好ましい。圧下率1%未満であると、スキンパス圧延機18より背後に位置する後面設備19として熱間圧延機が存在しない場合、エッジトリマー(図示せず)、シャー20、ブライドルロール(図示せず)、デフレクターロール22、コイラー24などの稼動によるスラブ張力変化の影響を遮断することが困難となる。逆に圧下率が5%を超えると、鋳造スラブ剛性が低い合金種の場合、スキンパス圧延機入側で鋳造スラブが変形するなどの現象が生じ、鋳造スラブ速度の制御手段としてのスキンパス圧延機18の機能を発揮することが困難となる。

0027

〔スラブ速度検出手段27〕
本発明においては、双ベルト式鋳造機10とスキンパス圧延機18の間にスラブ速度検出手段27を設ける。スラブ速度検出手段27は、ピンチロール16であってもよいし、レーザー速度計26であってもよい。あるいはスラブ速度検出手段27としてレーザー速度計26とピンチロール16を併用してもよい。レーザー速度計26を採用することにより、非接触で高温の鋳造スラブ14の速度を正確に計測することが可能となった。

0028

レーザー速度計26には1波長式レーザー速度計と2波長式レーザー速度計があるが、どちらのレーザー速度計を使用してもよい。現在では、2波長式レーザーに限らず1波長式レーザー速度計にも優れた性能を有するレーザー速度計が市販されており、本発明においては、特にレーザー速度計の型式を限定する必要はない。

0029

ここでは、2波長式レーザー速度計を使用した場合についてその測定原理を説明する。
2波長式レーザー速度計では、2種類の異なる波長(λ1、λ2)の照射レーザーが、ある速度で移動する物体照射され、その物体から反射された2種類の異なる波長(λ1´、λ2´)の反射レーザーから得られる干渉縞の間隔を測定して、物体の速度(レーザー速度計と物体との相対速度)を算出する。

0030

図2に、レーザーによるスラブ速度検出のための各パラメータを示す。同図には、説明を簡潔化するために、照射レーザーKiと反射レーザーKrのベクトルの鋳造スラブ面14sに平行な成分方向が、鋳造スラブ速度ベクトルv方向と一致する場合を示した。レーザー速度検出計26の照射・検出装置Dから放出された照射レーザーKiはハーフミラーm1で下方へ偏向され、スラブ14の表面14sに照射される。スラブ表面14sからの反射レーザーKrはミラーm2で偏向されハーフミラーm1を通って照射・検出装置Dで検出される。

0031

鋳造スラブ14に照射されるレーザー光線Kiはスラブ面垂直方向Pに対してある角度θを有するようにレーザー速度計26が配設される。例えば、レーザー速度計26は鋳造スラブ表面14sから、550〜650mm離れた位置に配設される。レーザー速度計26は鋳造スラブ14の上面側または下面側のどちら側に配設されてもよい。2種類の異なる波長(λ1、λ2)の照射レーザーKi(Ki1、Ki2)が照射されるが、鋳造スラブ速度vにより生じたドップラー効果により反射レーザーKr(Kr1、Kr2)の波長は、光の速度をcとすると、それぞれ下式1、下式2で表されるように長波長側にシフトする。

0032

λ1´= λ1{1−(v×sinθ/c)}-1 (式1)
λ2´= λ2{1−(v×sinθ/c)}-1 (式2)
λ1´: λ1波長の照射レーザーKi1に対応する反射レーザーKr1の波長
λ2´: λ2波長の照射レーザーKi2に対応する反射レーザーKr2の波長
v :鋳造スラブ速度
θ :照射レーザー光線のスラブ面垂直方向に対する角度θ
c :光速度
2種類の照射レーザーによる干渉縞の間隔Lと2種類の反射レーザーKrによる干渉縞の間隔L´は、それぞれ以下の様な式で求めることができる。

0033

L = λ1λ2/(λ1−λ2) (式3)
L´= λ1´λ2´/(λ1´−λ2´)
= {λ1λ2/(λ1−λ2)}{1−(V×sinθ/c)}-1 (式4)
本発明では双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機の間に予め2波長式レーザー速度計が配設されており、λ1、λ2、θは予め判明しているため、レーザー速度計により反射レーザーの干渉縞の間隔L´を測定することで、(式4)によりスラブ速度を算出することができる。

0034

2波長式レーザー速度計の場合には、(式4)からも判るように、照射レーザー波長(λ1、λ2)を用途に応じて設定し、2種類の反射レーザーによる干渉縞の間隔を測定可能な範囲内に容易に納めることができる。

0035

本発明においては、鋳造スラブ速度が2〜15m/minの範囲であり、光の速度に比べ十分に遅いため、2波長式レーザー速度計を使用すると、照射レーザー波長(λ1、λ2)の差を比較的大きく設定することで、2種類の反射レーザーによる干渉縞の間隔を測定可能な範囲とすることができる。

0036

レーザー速度計を採用することにより、非接触で高温の鋳造スラブの速度を正確に計測することが可能となった。

0037

スラブ速度vを正確にオンライン計測するためには、レーザー速度計からの照射レーザーがスラブ面垂直方向に対して一定の角度θを保持するようスラブの振動を防止することが好ましい。したがって、スラブの振動防止手段としてピンチロールを使用してスラブの振動を防止しながら上記角度θを一定に保ちつつ、レーザー速度計を使用するとさらに正確なスラブ速度のオンライン測定を行うことができる。

0038

また、前述したようにスラブ速度検出手段としてレーザー速度計26とピンチロール16を併用することも考えられる。この場合には、レーザー速度計によるスラブ速度計測精度が高まるばかりでなく、レーザー速度計が故障した際にはピンチロールがバックアップとして機能する。ピンチロールには直流モーター発電機)が取り付けられており、ピンチロールの回転により発生する電圧の値をスラブ速度に換算できるよう、予め検量線が用意されている。この場合、直流モーターの代わりに、高分解能パルス発生器をピンチロールに取り付け、単位時間当たりの回転数により発生するパルス計数することで鋳造スラブ速度に換算する方式であってもよい。

0039

なお、レーザー速度計とピンチロールを併用する場合は、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機の間に設置されるが、これらの位置関係は、どちらがラインの前方または後方であっても構わない。ラインにおけるレーザー速度計とピンチロールとの距離は、鋳造スラブの振動防止によって上記角度θを一定に保つため、3m以内であることが望ましい。

0040

変換器28、フィルタ30〕
レーザー速度計26からの出力はパルス信号であるため、変換器28によってこのパルス信号を単位時間当たりのパルス数に換算してデジタル化する。さらにデジタル化された信号はフィルタ30によって平均化されノイズが除去される。

0041

〔スキンパス圧延機ロール速度のPI制御34〕
オペレーター(運転員)が調節するライン設定速度制御装置からのライン設定速度信号40と、変換器28、フィルタ30によってデジタル化された鋳造スラブ速度信号とを比較して、スキンパス圧延機18のロール速度をPI制御する。このPI制御によって、円滑かつ迅速なスキンパス圧延機のロール速度制御が可能となった。

0042

通常圧延機では圧延ロール速度補正は行わず、前後段補助ロールの速度補正を行うことが一般的である。通常の圧延機においてストリップ速度を一定に保つなどの目的で圧延ロール速度を積極的に補正すると被圧延材との接触面の動摩擦係数が変動し、圧下率の変化、すなわち板厚の変動を引き起こす要因となるため、圧延ロールの速度は一定であることが望ましい。本発明においては、速度偏差に対する比例補正量および積分補正量を最適に調整することで圧下率を変動させることなく安定した圧延ロールの速度補正を行うことが可能となった。

0043

このように本発明においてはPI制御すなわち比例制御積分制御を同時に行う。単純なON/OFF制御を行うと操作量の変化が大きすぎて、実際の目標値に対し、行き過ぎを繰り返すため、目標値の近辺ハンチングを繰り返す制御となってしまう。この欠点を補うため、操作量を目標値と現在値との差に比例した大きさとするようにして、徐々に調節する制御方法が比例制御である。比例制御によると目標値には近づくが、操作量が小さくなりすぎて、目標値に極めて近い状態で安定してしまい、いつまでも現在値は目標値に達しない状態となる。この欠点を補うため、目標値と現在値との残留偏差を時間的に累積し、ある大きさになった場合に操作量を増し偏差をなくすように調節する制御方法が積分制御である。

0044

本発明において、ライン設定速度(目標値)と鋳造スラブ速度(現在値)とを比較して、スキンパス圧延機のロール速度の操作量をその差に比例した大きさにするようにして、徐々にロール速度をライン設定速度(目標値)に近づける。さらに鋳造スラブ速度(現在値)とライン設定速度(目標値)との残留偏差を時間的に累積し、ある大きさになった場合に操作量を増して偏差をなくすように調節する。

0045

このPI制御において、速度偏差に対する比例補正量および積分補正量を最適に調整することで圧下率を変動させることなく安定した圧延ロールの速度補正を行うことが可能となった。

0046

〔双ベルト式鋳造機のベルト速度制御
アルミニウム合金は、双ベルト式鋳造機のキャビティー内において液体から固体に相変態(すなわち凝固)する際に、凝固による収縮の割合(体積凝固収縮率)が6〜7%と比較的大きく、この収縮分について考慮せずにベルト速度とロール速度の制御を行うと、凝固収縮に伴う引張応力が鋳造スラブの鋳造方向に発生してスラブに割れが生じてしまう。

0047

そこで、オペレーターが調節するライン設定速度にアルミニウム合金の凝固収縮に伴う線収縮(鋳造方向における収縮)の補正をするための係数{1−(1−ΔVs)1/3}を考慮して、適正なベルト速度を算出する。この補正されたベルト速度信号をもとにベルトドライブ装置(モーター)が稼動して、ベルト式鋳造機の上下のベルトが適正な速度で回転する。

0048

VB = VO × 〔1+{1−(1−ΔVs)1/3}〕
VO :ライン設定速度
VB :ベルト速度
ΔVs :アルミニウム合金の凝固体収縮率
通常、アルミニウム合金の凝固体積収縮率としては0.06を使用するが、合金種類によってはこの値を変化させて、VBを算出してもよい。因みに、ΔVsが0.06の場合、ベルト速度はライン設定速度の約102%の速度となる。ΔVsの設定値としては、0.04〜0.08の範囲が適切である。ΔVsが0.04未満であると鋳造スラブ割れを起こす可能性が高まり、ΔVsが0.08を越えると鋳造スラブにウネリを生じる原因となる。

0049

ライン設定速度とアルミニウム合金スラブの凝固収縮率から双ベルト式鋳造機の適正なベルト速度を算出してベルトドライブ装置を駆動させることにより、鋳造欠陥のない連続鋳造スラブを得ることが可能となった。

0050

〔スラブ連続鋳造圧延ライン〕
図1において、双ベルト鋳造機のキャビティーは水平方向に設置されているが、溶湯入側からスラブ出側方向に下向きの傾きが付いていてもよいものとする。すなわち、双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機の間の鋳造スラブは、そのスラブ表面が水平面に平行である必要はない。更に、双ベルト鋳造機のキャビティーが鉛直方向に設置されていてもよいものとする。このように双ベルト式鋳造機とスキンパス圧延機を配置して、それに合わせるようにピンチロール或いはレーザー速度計などを配設しても、前記速度同調システムは同様に機能するからである。

0051

連続鋳造圧延ラインにおいて、スキンパス圧延機以降の設備、いわゆる後面設備については特に限定しない。例えば、後面設備は4Hタンデムの熱間圧延機を備えた方式であってもよいし、圧延機が存在せずスキンパス圧延されたスラブが直接コイラーで巻き取られる方式であってもよい。

0052

本発明によれば、(1)双ベルト式鋳造機からスキンパス圧延機へ進行中のスラブ速度の実測値とライン設定速度とを比較してスキンパス圧延機のロール速度をPI制御し、同時に、(2)ライン設定速度と鋳造対象であるアルミニウム合金の凝固収縮率とに基づいて双ベルト鋳造機のベルト速度を制御することにより、双ベルト式鋳造機のベルト速度とスキンパス圧延機のロール速度とを同調させるので、長時間の操業においても安定して高品質の連続鋳造圧延スラブを得ることができる。

図面の簡単な説明

0053

本発明のライン速度同調システムを適用したアルミニウム合金スラブ製造設備の一例を示す配置図である。
レーザーによるスラブ速度検出のための各パラメータを示す断面図である。

符号の説明

0054

100 双ベルト式連続鋳造圧延ライン
200 双ベルト式連続鋳造圧延ライン100の制御・駆動系
10 双ベルト式連続鋳造機
12A、12B 一対の水冷回転ベルト
14スラブ
14sスラブ表面
16ピンチロール
18スキンパスロール
19 後面設備群
20シャー
22デフレクターロール
24コイラー
26レーザー速度計
27スラブ速度検出手段
28変換機
30フィルタ
32加算器
34PID制御器
36 加算器
38スキンパス圧延機駆動装置
40ライン設定速度
42凝固収縮係数
44乗算器
46A、46B冷却回転ベルト12A、12Bの駆動装置
D照射・検出装置
Ki照射レーザー
Kr反射レーザー
v鋳造スラブ速度ベクトル
m1ハーフミラー
m2ミラー
P スラブ面垂直方向(法線
θ スラブ面垂直方向との角度

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