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技術 超音波接合装置、超音波接合装置の制御装置及び超音波接合方法

出願人 株式会社東芝スズキ株式会社
発明者 大谷和巳末松睦相澤隆博丸山哲朗石田英伸北隅仁
出願日 2005年11月16日 (15年0ヶ月経過) 出願番号 2005-331927
公開日 2007年6月7日 (13年5ヶ月経過) 公開番号 2007-142049
状態 特許登録済
技術分野 ボンディング
主要キーワード 回転軸材 レーザドップラー計 波形変換回路 トラブル原因 レーザドップラー速度計 抜取り検査 振動態様 停止原因
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

接合状態リアルタイム全接合数にわたって監視することができ、これにより不良の発生を直ちに検出して超音波接合装置の停止などの制御が可能で、さらには、超音波振動状況をより正確に、確実に検出することのできる超音波接合装置とその制御装置

解決手段

超音波接合装置1は、ボンディングツール4と、このボンディングツール4の一端を支持し、ボンディングツール4に超音波振動を付与する超音波ホーン3と、ボンディングツール4の振動計測して、ボンディングツール4の振動の節の位置を算出する振動測定手段とを具備する。節の位置に基づいて超音波接合装置の接合動作続行又は停止する制御を行う。

概要

背景

ワイヤボンディング装置フリップチップボンディング装置などのように、金ワイヤバンプを有する電子部品などの被接合部材を、リードフレーム基板配線などの接合部材に対して、超音波振動を加えつつ加圧し、更に必要に応じて接合部近傍を加熱して、接合する超音波接合装置が知られている。

超音波接合装置は、超音波振動を発生させる超音波発生源と、この超音波発生源に連結して超音波振動を伝達する超音波ホーン部と、この超音波ホーンの先端部に固定されたボンディングツール部とを備え、このボンディングツール部の先端部に被接合部材、例えばワイヤ金属ボール吸着された半導体チップを形成又は吸着させ、接合部材、例えばリードフレームに向けて加圧しつつ、超音波発生源から超音波振動を被接合部材に伝達させて接合する。

超音波接合装置は、半導体装置実装ラインに設けられ、連続して供給される接合部材に対し、被接合部材の接合を順次に行う。この半導体装置の実装ラインにおいては、通常、定期的な抜取り検査を行って接合状態の確認を実施している。この抜取り検査において接合不良が発見されると、実装ラインを直ちに停止し、不良原因の究明が行われる。

不良原因の究明の際は、接合状態の良否に係る特に重要な条件の一つである超音波特性調査するために、レーザドップラー計に代表される、高周波、かつ微小振動計測することのできる測定器を用いて調査を行う。

従来の調査に用いられているレーザドップラー計と、超音波接合装置との位置関係について、図18に斜視図で示す。同図に示すように、超音波接合装置101は、基台102上において超音波振動子からの超音波振動を伝達する超音波ホーン103と、この超音波ホーン103の先端部に取り付けられたボンディングツール104と、この超音波ホーン103を支持する支持部材105と、この支持部材105が揺動可能に取り付けられたフレーム106と、このフレーム106を載置して水平面内で移動可能にするXYテーブル17とを備えている。この超音波接合装置101のボンディングツール104に超音波振動が伝達されて、接合材搬送装置108上の被接合材109との接合を行う。

レーザドップラー計110は、超音波接合装置101と同一床面上で超音波接合装置101及び搬送装置108とは離れて設置され、ボンディングツール104等の接合を行う加工点付近の超音波振動等を測定する。このようにレーザドップラー計110等の測定器が超音波接合装置101とは離れて、床面に固定して設けられているために、XYテーブル107により水平面内で自在に移動するボンディングツール104の動作に追従できない。よって、超音波振動等の測定は、一つの接合部材について、微小箇所での測定しか行うことができない。そのため、超音波振幅等の測定は間欠的な測定であった。

調査の結果、原因等が判明すれば、直ちに対策を行い、実装ライン稼動再開するが、従来は、不良発生の検出及び原因究明のための測定を、抜取り検査のタイミングでしか行うことができない。このために不良の発生から抜き取り検査までの時間は、不良品を製造することになり、発見が遅れた場合には大量の不良品を生産することになって歩留りが低下する。また、抜取り検査であって全量検査ではないことから、不良が発見できない場合も考えられる。さらには、調査の段階においても、間欠的な調査になるため連続動作時の超音波特性と完全に一致するとは限られず、突発的な不良を測定することは困難であり、調査と原因究明に時間と労力を要する。

このように従来の方法では、不良発見が遅れて歩留りを悪化させると共に、不良発生原因の調査に時間がかかるという課題があった。

特許文献1には、レーザドップラー振動計と、光ファイバーと、レーザ集光ヘッドとからなる測定システムの当該レーザ集光ヘッドが、移動するボンディングツールの先端部に焦点を固定するように取り付けられた超音波接合装置が開示されている。このレーザ集光ヘッドは軽量であり、移動する接合ヘッドに取り付け可能なものである。
特開平5−206224号公報

概要

接合状態をリアルタイム全接合数にわたって監視することができ、これにより不良の発生を直ちに検出して超音波接合装置の停止などの制御が可能で、さらには、超音波振動状況をより正確に、確実に検出することのできる超音波接合装置とその制御装置。 超音波接合装置1は、ボンディングツール4と、このボンディングツール4の一端を支持し、ボンディングツール4に超音波振動を付与する超音波ホーン3と、ボンディングツール4の振動を計測して、ボンディングツール4の振動の節の位置を算出する振動測定手段とを具備する。節の位置に基づいて超音波接合装置の接合動作続行又は停止する制御を行う。

目的

本発明は、これらの事情に基づいてなされたものであり、接合状態をリアルタイムに全接合数にわたって監視することができ、これにより不良の発生を直ちに検出して超音波接合装置の停止などの制御が可能で、さらには、超音波振動状況をより正確に、確実に検出することのできる超音波接合装置、超音波接合装置の制御装置及び超音波接合方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ボンディングツール部と、このボンディングツール部の一端を支持し、前記ボンディングツール部に超音波振動を付与する超音波ホーン部と、前記ボンディングツール部の振動計測して、前記ボンディングツール部の振動の節の位置を算出する振動測定手段とを具備することを特徴とする超音波接合装置

請求項2

前記振動測定手段は、ボンディングツール部の任意の点につき複数箇所にて同時期に振幅の測定を行う振幅測定部と、前記振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、前記ボンディングツール部の振動の節の位置を演算する振動態様算出部とを具備することを特徴とする請求項1記載の超音波接合装置。

請求項3

前記振動測定手段は、ボンディングツール部の任意の点と、超音波ホーン部の前記ボンディングツールを支持している領域近傍の任意の点とについて、同時期に振幅の測定を行う振幅測定部と、前記振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、前記ボンディングツール部の振動の節の位置を演算する振動態様算出部とを具備することを特徴とする請求項1記載の超音波接合装置。

請求項4

前記振幅測定部は、レーザ発振器と、このレーザ発振器から出射されたレーザ光測定点照射されるよう導光する光学部材と、前記測定点にて反射された前記レーザ光を受光して電気信号を出力する光検出部とを具備することを特徴とする請求項2又は3記載の超音波接合装置。

請求項5

前記振幅測定部は、超音波ホーン部に取り付けられたブラケットに対して固着され、超音波ホーン部の移動に対して相対的に固定されていることを特徴とする請求項2又は3記載の超音波接合装置。

請求項6

前記光学部材は、測定点を変更自在に移動する可動部を有することを特徴とする請求項2又は3記載の超音波接合装置。

請求項7

前記振動態様算出部は、前記振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、前記ボンディングツールの振動の近似曲線を算出し、さらに異なる時刻においても同様に、同時期の異なる箇所の振幅値の測定と近似曲線の算出を行い、結果として得られる異なる時刻の複数の近似曲線から、ボンディングツール部の振動の節の位置を演算するものである請求項2又は3記載の超音波接合装置。

請求項8

前記振動態様算出部により算出された振動の節の位置に関する値に基づいて、あらかじめ設定する所定値と比較し、前記所定値に対する所定の必要条件満足しない場合に接合動作を停止させる制御部を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の超音波接合装置。

請求項9

超音波接合装置のボンディングツール部の振動を計測してこの振動の節の位置を算出する振動測定手段に接続され、この振動測定手段から入力されたボンディングツール部の振動の節の位置の値に基づいて超音波接合装置の接合動作を停止する超音波接合装置の制御装置であって、前記振動測定手段により算出されたボンディングツール部の振動の節の位置の値を入力して、このボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較する演算部と、前記演算部で比較されたボンディングツール部の振動の節の位置の値が、あらかじめ設定された節の位置に達しないときに超音波接合装置の接合動作を停止させる装置制御部とを備えることを特徴とする超音波接合装置の制御装置。

請求項10

前記演算部が、所定の接合時間を経過した時点におけるボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較するものであることを特徴とする請求項9記載の超音波接合装置の制御装置。

請求項11

前記演算部の、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値が、接合強度と前記ボンディングツール部の振動の節の位置との相関関係に基づいて定められたものであることを特徴とする請求項9又は10記載の超音波接合装置の制御装置。

請求項12

前記演算部の、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値が、接合部材被接合部材との接合良否の統計データに基づいて定められたものであることを特徴とする請求項9又は10記載の超音波接合装置の制御装置。

請求項13

前記演算部が、所定の接合時間内にボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較するものであり、前記装置制御部が、前記演算部で比較されたボンディングツール部の振動の節の位置の値が、あらかじめ設定された節の位置に達しているときに、設定接合時間の経過を待たずに超音波接合装置の接合動作を停止させるものであることを特徴とする請求項9記載の超音波接合装置の制御装置。

請求項14

前記演算部が、所定の接合時間を経過した時におけるボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較するものであり、前記装置制御部が、設定接合時間までにボンディングツール部の振動の節の位置が設定された節の位置に達しないときに最大許容接合時間まで接合作業続行し、かつ、この最大許容接合時間までにボンディングツール部の振動の節の位置が、設定された節の位置に達しないときに超音波接合装置の接合動作を停止させるものであることを特徴とする請求項9記載の超音波接合装置の制御装置。

請求項15

接合部材と被接合部材とを超音波接合する際、接合中の超音波接合装置のボンディングツール部の振動を同時期に複数の領域で計測して、前記ボンディングツール部の振動態様を振動態様算出部により算出するステップと、前記振動態様算出部により算出された前記ボンディングツール部の振動態様に応じて、前記超音波接合装置の接合動作を続行もしくは停止するステップとを具備することを特徴とする超音波接合方法

技術分野

0001

本発明は、半導体装置電子部品配線基板実装等において超音波を併用して接合を行う超音波接合装置、超音波接合装置の制御装置及び超音波接合方法に関するものである。

背景技術

0002

ワイヤボンディング装置フリップチップボンディング装置などのように、金ワイヤバンプを有する電子部品などの被接合部材を、リードフレーム基板配線などの接合部材に対して、超音波振動を加えつつ加圧し、更に必要に応じて接合部近傍を加熱して、接合する超音波接合装置が知られている。

0003

超音波接合装置は、超音波振動を発生させる超音波発生源と、この超音波発生源に連結して超音波振動を伝達する超音波ホーン部と、この超音波ホーンの先端部に固定されたボンディングツール部とを備え、このボンディングツール部の先端部に被接合部材、例えばワイヤ金属ボール吸着された半導体チップを形成又は吸着させ、接合部材、例えばリードフレームに向けて加圧しつつ、超音波発生源から超音波振動を被接合部材に伝達させて接合する。

0004

超音波接合装置は、半導体装置の実装ラインに設けられ、連続して供給される接合部材に対し、被接合部材の接合を順次に行う。この半導体装置の実装ラインにおいては、通常、定期的な抜取り検査を行って接合状態の確認を実施している。この抜取り検査において接合不良が発見されると、実装ラインを直ちに停止し、不良原因の究明が行われる。

0005

不良原因の究明の際は、接合状態の良否に係る特に重要な条件の一つである超音波特性調査するために、レーザドップラー計に代表される、高周波、かつ微小振動計測することのできる測定器を用いて調査を行う。

0006

従来の調査に用いられているレーザドップラー計と、超音波接合装置との位置関係について、図18に斜視図で示す。同図に示すように、超音波接合装置101は、基台102上において超音波振動子からの超音波振動を伝達する超音波ホーン103と、この超音波ホーン103の先端部に取り付けられたボンディングツール104と、この超音波ホーン103を支持する支持部材105と、この支持部材105が揺動可能に取り付けられたフレーム106と、このフレーム106を載置して水平面内で移動可能にするXYテーブル17とを備えている。この超音波接合装置101のボンディングツール104に超音波振動が伝達されて、接合材搬送装置108上の被接合材109との接合を行う。

0007

レーザドップラー計110は、超音波接合装置101と同一床面上で超音波接合装置101及び搬送装置108とは離れて設置され、ボンディングツール104等の接合を行う加工点付近の超音波振動等を測定する。このようにレーザドップラー計110等の測定器が超音波接合装置101とは離れて、床面に固定して設けられているために、XYテーブル107により水平面内で自在に移動するボンディングツール104の動作に追従できない。よって、超音波振動等の測定は、一つの接合部材について、微小箇所での測定しか行うことができない。そのため、超音波振幅等の測定は間欠的な測定であった。

0008

調査の結果、原因等が判明すれば、直ちに対策を行い、実装ライン稼動再開するが、従来は、不良発生の検出及び原因究明のための測定を、抜取り検査のタイミングでしか行うことができない。このために不良の発生から抜き取り検査までの時間は、不良品を製造することになり、発見が遅れた場合には大量の不良品を生産することになって歩留りが低下する。また、抜取り検査であって全量検査ではないことから、不良が発見できない場合も考えられる。さらには、調査の段階においても、間欠的な調査になるため連続動作時の超音波特性と完全に一致するとは限られず、突発的な不良を測定することは困難であり、調査と原因究明に時間と労力を要する。

0009

このように従来の方法では、不良発見が遅れて歩留りを悪化させると共に、不良発生原因の調査に時間がかかるという課題があった。

0010

特許文献1には、レーザドップラー振動計と、光ファイバーと、レーザ集光ヘッドとからなる測定システムの当該レーザ集光ヘッドが、移動するボンディングツールの先端部に焦点を固定するように取り付けられた超音波接合装置が開示されている。このレーザ集光ヘッドは軽量であり、移動する接合ヘッドに取り付け可能なものである。
特開平5−206224号公報

発明が解決しようとする課題

0011

特許文献1に開示された超音波接合装置は、レーザを利用して振動を計測する光学系が、移動するボンディングツールの先端に焦点位置を固定して取り付けられるので、ボンディングツールの振動を常に正確に測定することができるとされている。

0012

しかしながら、超音波振動の計測は、接合部材と被接合部材とに対して行われ、これらの相対振動の減少により接合品質モニタリングするものであって、そのためにボンディングツールの先端部における振幅を測定している。この先端部の測定位置の特定が正確に行われないと、相対振動の減少を測定することが困難となるため、レーザ集光ヘッドの取り付け固定は、測定点ボンディングツール先端から1/32波長以内になるよう正確に行うことを要するが、特許文献1に開示された超音波接合装置は、レーザ集光ヘッドとレーザドップラー振動計とが光ファイバを介して接続されているため、この光ファイバの取り回しが煩雑となる。また、レーザ集光ヘッド以外のレーザドップラー振動計そのものは、従来同様に大型であって、超音波接合装置の小型化に寄与せず、結果として実用性がなかった。

0013

本発明は、これらの事情に基づいてなされたものであり、接合状態をリアルタイム全接合数にわたって監視することができ、これにより不良の発生を直ちに検出して超音波接合装置の停止などの制御が可能で、さらには、超音波振動状況をより正確に、確実に検出することのできる超音波接合装置、超音波接合装置の制御装置及び超音波接合方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

本発明の超音波接合装置は、ボンディングツール部と、このボンディングツール部の一端を支持し、このボンディングツール部に超音波振動を付与する超音波ホーン部と、このボンディングツール部の振動を計測して、このボンディングツール部の振動の節の位置を算出する振動測定手段とを具備することを特徴とする。

0015

本発明の超音波接合装置において、この振動測定手段は、ボンディングツール部の任意の点につき複数箇所にて同時期に振幅の測定を行う振幅測定部と、この振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、このボンディングツール部の振動の節の位置を演算する振動態様算出部とを具備するものとすることができる。

0016

また、この振動測定手段は、ボンディングツール部の任意の点と、超音波ホーン部のボンディングツールを支持している領域近傍の任意の点とについて、同時期に振幅の測定を行う振幅測定部と、この振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、このボンディングツール部の振動の節の位置を演算する振動態様算出部とを具備するものとすることもできる。

0017

本発明の超音波接合装置において、振幅測定部は、レーザ発振器と、このレーザ発振器から出射されたレーザ光を測定点に照射されるよう導光する光学部材と、この測定点にて反射されたレーザ光を受光して電気信号を出力する光検出部とを具備するものとすることができる。

0018

また、振幅測定部は、超音波ホーン部に取り付けられたブラケットに対して固着され、超音波ホーン部の移動に対して相対的に固定されていることが好ましい。

0019

さらに、光学部材は、測定点を変更自在に移動する可動部を有するものとすることもできる。

0020

本発明の超音波接合装置において、振動態様算出部は、振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、ボンディングツールの振動の近似曲線を算出し、さらに異なる時刻においても同様に、同時期の異なる箇所の振幅値の測定と近似曲線の算出を行い、結果として得られる異なる時刻の複数の近似曲線から、ボンディングツール部の振動の節の位置を演算するものとすることができる。

0021

また、本発明の超音波接合装置は、振動態様算出部により算出された振動の節の位置に関する値に基づいて、あらかじめ設定する所定値と比較し、この所定値に対する所定の必要条件満足しない場合に接合動作を停止させる制御部を具備するものとすることができる。

0022

本発明の超音波接合装置の制御装置は、超音波接合装置のボンディングツール部の振動を計測してこの振動の節の位置を算出する振動測定手段に接続され、この振動測定手段から入力されたボンディングツール部の振動の節の位置の値に基づいて超音波接合装置の接合動作を停止する超音波接合装置の制御装置であって、振動測定手段により算出されたボンディングツール部の振動の節の位置の値を入力して、このボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較する演算部と、この演算部で比較されたボンディングツール部の振動の節の位置の値が、あらかじめ設定された節の位置に達しないときに超音波接合装置の接合動作を停止させる装置制御部とを備えることを特徴とする。

0023

本発明の超音波接合装置の制御装置において、演算部が、所定の接合時間を経過した時点におけるボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較するものであることは、好ましい。

0024

また、本発明の超音波接合装置の制御装置は、演算部の、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値が、接合強度とボンディングツール部の振動の節の位置との相関関係に基づいて定められたものとすることができる。

0025

また、演算部の、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値が、接合部材と被接合部材との接合良否の統計データに基づいて定められたものとすることもできる。

0026

本発明の超音波接合装置の制御装置は、演算部が、所定の接合時間内にボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較するものであり、装置制御部が、この演算部で比較されたボンディングツール部の振動の節の位置の値が、あらかじめ設定された節の位置に達しているときに、設定接合時間の経過を待たずに超音波接合装置の接合動作を停止させるものとすることができる。

0027

また、本発明の超音波接合装置の制御装置は、演算部が、所定の接合時間を経過した時におけるボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較するものであり、装置制御部が、設定接合時間までにボンディングツール部の振動の節の位置が設定された節の位置に達しないときに最大許容接合時間まで接合作業続行し、かつ、この最大許容接合時間までにボンディングツール部の振動の節の位置が、設定された節の位置に達しないときに超音波接合装置の接合動作を停止させるものとすることもできる。

0028

本発明の超音波接合方法は、接合部材と被接合部材とを超音波接合する際、接合中の超音波接合装置のボンディングツール部の振動を同時期に複数の領域で計測して、このボンディングツール部の振動態様を振動態様算出部により算出するステップと、振動態様算出部により算出されたボンディングツール部の振動態様に応じて、超音波接合装置の接合動作を続行もしくは停止するステップとを具備することを特徴とする。

発明の効果

0029

本発明の超音波接合装置によれば、ボンディングツールの超音波振動の状態を、実装ラインを止めることなく全接合数にわたってリアルタイムで正確に計測することを可能とする。

0030

本発明の超音波接合装置の制御装置によれば、超音波接合装置による接合中に接合不良を検出して、直ちに接合作業を停止する制御をすることを可能とする。

0031

本発明の超音波接合方法によれば、接合中におけるボンディングツールの振動態様に基づいて超音波接合装置の運転を停止し、不良品の発生を抑制することを可能とする。

発明を実施するための最良の形態

0032

本発明の超音波接合装置及び超音波接合装置の制御装置の実施の形態を、図面を用いて説明する。

0033

図1は、本発明の超音波接合装置及び超音波接合装置の制御装置の一実施例の構成を示す図として、ワイヤボンディング装置とその制御装置の例を示している。ワイヤボンディング装置は、例えば半導体素子上の電極とリードフレームとを、ワイヤを用いて電気的に接合するものである。このワイヤボンディング装置では、電極とワイヤ又はワイヤ先端に形成された被接合部材とを、超音波振動、圧力、そして熱を加えて接合する、超音波併用熱圧着方式が主流である。

0034

図1に示す超音波接合装置1は、圧電素子などからなり、超音波振動を発生させる超音波振動子2と、この超音波振動子2と連結して水平方向に延設され、超音波振動を増幅伝達させる超音波ホーン3と、この超音波ホーンの先端部に取り付け固定されたボンディングツール4とを備え、このボンディングツール4に超音波振動子2からの超音波振動が超音波ホーン3を介して伝達される。

0035

超音波ホーン3は、支持部材5に支持固定されている。この支持部材5に、回転軸材6が軸線方向が水平方向に取り付けられ、この回転軸材6がフレーム7に対して回動可能に取り付けられ、この回転軸材6にモータ直結することにより、支持部材5は、回転軸材6を回転軸として揺動可能になっている。このような揺動させるための手段が、超音波ホーン3の先端部に取り付けられたボンディングツール4により接合される接合部材と非接合部材とを押圧する移動手段となっている。

0036

フレーム7は、XYテーブル8上に載置され、基台9上に取り付けられた当該XYテーブル8の移動により水平面内で自在に移動可能になっている。これにより、フレーム7に接続された超音波ホーン3及びこの超音波ホーン3の先端に取り付けられたボンディングツール4の水平面内の移動と位置決めを行うことができる。

0037

ボンディングツール4は、上記XYテーブル8により位置決めされるとともに、回転軸材6を回転軸として上下方向に揺動されて、ステージ31上に載置された被接合部材としてのリードフレーム32と、接合部材としての半導体素子33上の電極34とを、ワイヤ35を用いて電気的に接合する。この電気的接合のために、ボンディングツール4の先端部にはワイヤ35を溶融させてなる金属ボール36が形成され、この金属ボール36と電極34又はリードフレームとを、超音波振動子2から超音波ホーン3を経てボンディングツール4に伝達された超音波振動を印加しつつ、また、支持部材5の下向きの揺動により加圧しつつ、必要に応じて加熱することにより接合する。このような超音波接合の動作については、従来の超音波接合装置と同様である。

0038

そして、本実施例の超音波接合装置においては、ボンディングツール4の振動を計測して、このボンディングツール4の振動の節の位置を算出する振動測定手段を備えている。

0039

振幅そのものではなく、節の位置の変位を検出することで、接合状態をモニタすることにした結果、部品・部材の個体差の影響が少なく、超音波接合装置の設置環境に起因する外乱ノイズの影響受けにくい測定結果を得ることができるようになった。そのため、同じ品質の結果を得ようとする場合、従来の計測環境に比して、極めて簡素な構成で計測系を組むことができるようになった。

0040

この振動測定手段について、以下に説明する。フレーム7の上側には、超音波ホーン3と同一方向に延出するブラケット10が取り付け固定されている。このブラケット10は、ボンディングツール4の複数点の超音波振動状態を計測するための振動測定手段の構成要素の一つである振幅測定部を固着して、超音波ホーン3の移動に対して相対的に固定するためのものである。そのために図1に図示したブラケット10は、フレーム7の上側に取り付けられて超音波ホーン3と同一方向に延出する水平部分と、この水平部分の先端部と接続し垂直方向に延びるように形成されボンディングツール4近傍まで位置する垂直部分とを有する形状になっている。

0041

この振幅測定部は、レーザドップラー効果を利用して振幅を測定する構成とすることができ、具体的には、レーザ発振器と、このレーザ発振器から出射されたレーザ光を測定点に照射されるよう導光する光学部材と、この測定点にて反射されたレーザ光を受光して電気信号を出力する光検出部とを具備する構成とすることができる。図1に示した本実施形態の超音波接合装置では、レーザ発振器と光検出部とを一体的に具備するレーザヘッド11A及び11Bが、ブラケット10の水平部分上に突設された取り付け部に、レーザ光の出射方向を水平方向にして垂直方向に並べて固定されている。また、レーザヘッド11A、11Bからそれぞれ出射されたレーザ光をボンディングツール等の測定点まで導光するとともに測定点にて反射されたレーザ光をレーザヘッド11A、11Bまで導光するための光学部材として、第1のミラー13A及び13Bが、ブラケット10の垂直部の上端部に、それぞれレーザヘッド11A、11Bから出射されたレーザ光の出射方向に対して所定の角度をなして対面するように取り付け固定され、また、第2のミラー14A及び14Bが、ブラケット10の垂直部の下端部に、それぞれレーザヘッド11A及び11Bから出射され第1のミラー13A及び13Bで反射されたレーザ光がボンディングツール4までの光路pを形成するような角度をなして取り付け固定されている。

0042

ブラケット10にレーザヘッド11A、11Bが固定され、これに対応して第1のミラー13A及び13B、並びに第2のミラー14A及び14Bとを備えていることにより、レーザヘッド11Aとレーザヘッド11Bとから各々別々に出射されたレーザ光は、光軸が同一の仮想平面に存在する状態でボンディングツール4の相異なる点に照射される。これによりボンディングツール4の任意の点につき複数箇所にて同時期に振幅の測定を行うことができるようになる。複数箇所の振幅を同時期に測定することにより、ボンディングツール4の振動の節の位置を算出することができる。

0043

ボンディングツール4の振動の節の位置を算出するために、レーザヘッド11A及び11Bからの測定信号は、振幅算出部12に入力され、ボンディングツール4の特定点における速度が算出され、得られた速度データ、又は速度データを時間で積分したボンディングツール4の変位データ若しくは速度データを時間で微分したボンディングツール4の加速度データから、ボンディングツール4の特定点における振幅が算出される。したがって、振動測定手段には、ボンディングツール4の速度を測定するものに限られず、変位を測定するものや加速度を測定するもの等、いずれも用いることができる。

0044

振幅算出部12により算出されたボンディングツール4の特定点における速度速度データ等は、振動態様算出部21に出力される。この振動態様算出部21は、振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、ボンディングツール4の振動の節の位置を演算する。この振動態様算出部21については、後述する。

0045

図1に示したレーザヘッド11A、11Bについては、特公平7−69425号公報に開示されているレーザドップラー速度計を用いることができる。このレーザドップラー速度計は、図2にレーザヘッド11の一例を模式図を示すように、測定対象物であるボンディングツール4に対向するレンズ111と、このレンズ111に対向して設けられレーザ光を発光するレーザ共振器112と、レーザ共振器112の背後に設けられたフォトダイオード113と、このレーザ共振器112及びフォトダイオード113を収容し先端部にレンズ111が焦点位置の調整可能に取り付けられる外筒114とを備えていて、光学系が超小型でレーザヘッド11に全て備えられているものである。このレーザヘッド11では、レーザ共振器112により自らが発振するレーザ光と、このレーザ光の測定対象物であるボンディングツール4からの反射光とを、レーザ共振器112で混合した後、振動速度に比例した光強度変化を出力し、この光強度変化をフォトダイオード113で検知する自己混合型レーザドップラー振動計測方式を採用している。この計測方式を採用することにより、レーザヘッド11を半導体レーザ(レーザ共振器112)とレンズ111だけの簡便な光学系で構成することが可能となり、レーザヘッド11の超小型化を実現している。このレーザヘッド11の小型化により、速度計超音波振動系戴置されているXYテーブル8上の超音波接合装置の部材に一体的に搭載することが可能となっていて、図1に示した本実施例では、超音波接合装置1のフレーム7の上側に取り付け固定されているブラケット10に一体的に搭載されている。

0046

また、図1に示した超音波接合装置1では、ミラー13A、13B、14A及び14Bを用いてレーザ光を屈折させることで、レーザヘッド11A、11Bを設置する位置の自由度を増していて、超音波接合を妨げない位置で超音波振動系の振動を随時測定することが可能となっている。

0047

レーザヘッド11A、11Bから出力された信号が入力される振幅算出部12の一例について、図3に示すブロック図を用いて説明する。図3に示すブロック図は、レーザヘッド11に設けられたレーザ光源(レーザ共振器)112を駆動する駆動電流が、測定対象物の速度に比例して変動することを利用して、測定対象物(ボンディングツール4)の振動速度を算出し、ひいては振幅を算出するものである。図3において、振幅算出部12は、ドップラービート信号をレーザ共振器112からの信号から分離抽出するビート検出手段121と、レーザ共振器112を駆動するレーザ駆動回路122と、ビート検出手段121により検出されるドップラービート信号に基づいてボンディングツール4の振動速度を演算する速度演算手段123とを備えている。また、方向判別手段124を備えていて、ボンディングツール4の振動方向を必要に応じて判別することができるようになっている。

0048

振幅算出部12のレーザ駆動回路122は、レーザ共振器112を駆動するためのものである。このレーザ駆動回路122により駆動されるレーザ共振器112からレーザ光がボンディングツール4に向けて照射され、この照射されたレーザ光がボンディングツール4によって反射され、ドップラー周波数偏移を受けた反射戻り光がレーザ共振器112に戻ると、ドップラー偏移を受けていないレーザ光との間で自己混合作用がレーザ共振器112内部に生じ、ドップラービートが発生する。そして、レーザ共振器112の駆動電流には、ビート周波数に対応した鋸歯状波信号重畳される。

0049

振幅算出部12のビート検出手段121は、レーザ駆動回路122の出力端に併設され、レーザ共振器112を駆動する駆動電流中から当該駆動電流に重畳された鋸歯状波近似したドップラービート信号を抽出し出力する。

0050

速度演算手段124は、ビート検出手段121から出力されるドップラービート信号を所定のタイミング信号に変換する波形変換回路部と、この波形変換回路部から出力されるタイミング信号を信号処理して演算用速度信号を出力する信号処理回路部と、この信号処理回路部の出力に基づいて被測定物(ボンディングツール)の速度を算定する演算回路部とにより構成されていて、これらの回路部によりドップラービート信号からボンディングツールの速度信号を出力する。

0051

本実施例の超音波接合装置は、上述したレーザヘッド11A、11B及び振幅算出部12を用いて、超音波接合装置1の超音波振動系加工点付近であるボンディングツール4の複数箇所又はボンディングツール4を含めたその近傍の複数箇所の振動を測定する。これにより、その振動情報から後述するように超音波振動系の振動態様(以下、「振動モード」ともいう。)を導出することができ、かつ、その時の接合状態(接合強度)と関連付けることで、非破壊検査でリアルタイムに接合状態の判別が可能となる。

0052

また、ボンディングツール4の超音波振動を、複数の位置で測定することにより、ボンディングツール4の超音波振動の振動モード及びこの振動モードの接合中における変化を、正確に測定することができる。

0053

振動測定手段が測定を行う複数箇所の測定位置の例として、図1に示した実施例では、ボンディングツール4の長手方向に沿った任意の2点で計測している。また、ボンディングツール4の任意の2点を計測する例に限られず、ボンディングツール4の任意の点と、このボンディングツール4を支持する超音波ホーン3におけるボンディングツール4近傍の任意の点とを同時期に振幅の測定を行うこともできる。

0054

測定点の具体例を図4及び図5に示すボンディングツール4近傍の模式図で説明する。図4(a)は、ボンディングツール4の中間部の2点を測定する例、図4(b)は、ボンディングツール4の中間部と先端部とを測定する例、図4(c)は、ボンディングツール4の中間部とボンディングツールを固定している超音波ホーン3の先端部とを測定する例、図4(d)は、図4(a)とは180°反対の方向からボンディングツール4の中間部の2点を測定する例である。また、図5(a)は、ボンディングツール4の長手方向に沿った4点を測定する例、図5(b)は、ボンディングツール4の2点と、振動方向と直角な方向から超音波ホーン3の先端部を測定する例、図5(c)は、ボンディングツール4の振動方向と平行な2点と、振動方向と直角な方向の2点とを測定する例である。いずれの測定においても、またこれら複数の組合せにおいても超音波振動系の振動状態測定が可能である。

0055

ボンディングツール4又はその近傍の複数点を測定するためのレーザヘッド11A及び11Bを一体的に取り付け固定する位置、並びにレーザ光を反射するミラーにより構成される光学系の位置についても、種々の態様とすることができる。この位置の例を図6図8に模式図で示す。なお、図6〜8は、複数位置の測定例としてボンディングツール4の長手方向の2点を測定する例について示している。

0056

図6(a)は、レーザヘッド11A及び11Bが、ボンディングヘッドの直上に設けられたブラケット10Aに載置固定され、このレーザヘッド11A及び11Bからのレーザ光を反射するミラー13C、14A及び14bがブラケット10Aに取り付け固定され、これらのミラー13C、14A及び14bを使って光路を屈折してボンディングツール4へレーザ光を照射し、また、ボンディングツール4からの反射光をレーザヘッド11A及び11Bへ導くようにしている。

0057

図6(b)は、レーザヘッド11A及び11Bが、ボンディングヘッドの直上に設けられたブラケット10Bに、レーザ光の照射方向を垂直下向き方向にして固定され、このレーザヘッド11A及び11Bからのレーザ光を反射する14A及び14bがブラケット10Bに取り付け固定され、これらのミラー14A及び14bを使って光路を屈折してボンディングツール4へレーザ光を照射し、また、ボンディングツール4からの反射光をレーザヘッド11A及び11Bへ導くようにしている。

0058

図6(c)は、レーザヘッド11A及び11Bと振幅算出部12との間の配線を延長して、これらのレーザヘッド11A及び11Bを、図示しない別の固定手段により固定し、ボンディングツール4の振動方向と平行にレーザ光を直接にボンディングツール4へ照射するようにしている。

0059

図7(a)は、レーザヘッド11A及び11Bが、支持部材5の側面部に取り付け固定されるとともに、支持部材5の上側に取り付けられたブラケット10の下方に延びる端部にミラー14Cが固定され、レーザヘッド11A及び11Bから照射されたレーザ光がミラー14Cに反射してボンディングツール4に到達するようにしている。

0060

図7(b)は、レーザヘッド11A及び11Bが、支持部材5の正面部に取り付け固定され、レーザヘッド11A及び11Bからレーザ光を直接にボンディングツール4へ照射するようにしている。

0061

図7(c)は、レーザヘッド11A及び11Bが、支持部材5の側面部に取り付け固定され、レーザヘッド11A及び11Bからレーザ光を直接にボンディングツール4へ照射するようにしている。

0062

図6及び図7に示した例では、レーザヘッド11A及びレーザヘッド11Bの二個のレーザヘッドを配設して、それぞれのレーザヘッドで同時期にボンディングツール4の異なる点を測定している。このような例に限られず、一個のレーザヘッドを配設して、このレーザヘッドから出射されるレーザ光を導光する光学部材が、ボンディングツール4又はその近傍の測定点を変更自在に移動する可動部を有するものとすることもできる。このような例を図8に示す。

0063

図8(a)は、レーザヘッド11Aが、ボンディングヘッドの直上に設けられたブラケット10Dに載置固定され、このレーザヘッド11Aからのレーザ光を反射するミラー13Dがブラケット10Dに取り付け固定されるとともに、ミラー14Dが図示しない圧電素子等の駆動装置によって揺動可能にブラケット10Dに取り付けられている。ミラー14Dを揺動させることにより、ボンディングツールの長手方向を同一の仮想平面内で異なる光軸を有するレーザ光を生成する。これにより、単一の光学系で複数の測定点を得ることができる。測定動作中に測定点を変更することもでき、一つのレーザヘッド11Aを用いた場合であっても、複数箇所の振幅の測定を行うことができる。

0064

図8(b)は、レーザヘッド11Cが、図示しない圧電素子等の駆動装置によって揺動可能に支持部材5の正面部に取り付けられている。レーザヘッド11Cを揺動させることにより、レーザヘッド11Cの照射方向を測定中に変更することができ、一つのレーザヘッド11Aを用いた場合であっても、ボンディングツール4に対してレーザ光を直接に照射して、複数箇所の振幅の測定を行うことができる。

0065

以上説明した図6図8に示したいずれの態様によっても、実装ラインの連続動作時における超音波振動系のリアルタイムでの測定が可能となる。

0066

レーザヘッド11A、11B及び振幅算出部12により、測定されたボンディングツール4又はその近傍の複数箇所の振動情報は、図1に示すように振動態様算出部21に入力される。

0067

この振動態様算出部21において、振幅算出部12からの複数点での測定結果から、振動の節の位置を算出する。この算出の要領を、図9に示すボンディングツールとそれに対応する振動モードとの模式図を用いて説明する。なお、同図では、ボンディングツール4の上方と下方の二箇所での振幅を測定した例を示している。

0068

図9(a)に示すように、ボンディングツール4の各点における振幅と位相情報を基に、近似曲線を用いてボンディングツール4の振動状態を表すことができる。そこで、この近似曲線で表されたボンディングツール4の振動状態について、正方向への振幅時の近似曲線と、負方向への振幅時の近似曲線との二つの近似曲線(一次曲線)の交差点を振動モードの節位置としている。

0069

そして、この振動モードの測定を超音波接合中における任意の時間に行い、各測定時間での振動モードの変化を観察する。図9(b)は、接合を開始した直後及び接合完了(接合時間終了)前の振動モード及び節位置を比較して示したものである。同図に示すように、接合部材と被接合部材との接合状態により振動モードは変化し、接合が進行するとボンディングツールの下端部の振動が拘束されるために振動モードの節位置は、接合部材から遠ざかる方向、すなわち、上方に移動していることが判る。このようにして接合状態の変化に伴う超音波接合時の振動状態の変化を、振動モードの節位置の移動によって検出することができる。

0070

そこで、振動態様算出部21は、振幅測定部にて得られる同時期の異なる箇所の振幅値から、ボンディングツールの振動の近似曲線を算出し、さらに異なる時刻においても同様に、同時期の異なる箇所の振幅値の測定と近似曲線の算出を行い、結果として得られる異なる時刻の複数の近似曲線から、ボンディングツール部の振動の節の位置を演算するのである。

0071

図9(c)は、ボンディングツール4の測定点を4点として測定した例である。測定点を4点とした場合であっても、2点である場合と同様に振動モードの節位置を求めることができ、この節位置の移動により超音波接合時の振動状態の変化を検出することができる。また、測定点を増加させることは、近似曲線の精度が向上し、実際の振動モードとの誤差が減少する利点がある。もっとも、測定点を増加させると、節位置を求めるための演算時間、処理時間等が長くなり、計測器や制御装置を超音波接合装置に取り付けるスペースが大になるという不利もある。そのため、測定点数については、測定精度測定間隔等から最適な点数選定すればよい。

0072

図10は、超音波接合時において超音波振動を測定するタイミングの例を、超音波印加手段としてのボンディングツール4の垂直方向の位置と、ボンディングツール4に加えられる超音波出力の振幅と、接合部材及び被接合部材に加えられる加圧力と、振動モードの節位置と共に示すタイミングチャート図で示したものである。

0073

超音波接合装置1における移動手段の動作によりボンディングツール4が下降して接合部材と被接合部材とが接触した直後から、接合動作として超音波印加及び加圧等を開始する。その結果、節位置は、上方に移動する。このような接合時において、振動モードの測定は、超音波が印加された時点(接合開始)から印加終了までの時間にわたって測定する方法(図中のタイミングA)や、任意の時間、例えば、印加終了時の直前のみに測定する方法(図中のタイミングB)、印加開始時と終了時に測定する方法(図中のタイミングC)、印加の中盤から終了時にかけて測定する方法(図中のタイミングD)など、種々の方法がある。いずれの方法をも用いることができ、測定タイミングについては、予め実験等で、接合状態の変化を捉えることのできるタイミングを確認し、ポイントとなる時間での測定を行えばよい。なお、本実施例では、特に説明する場合を除いて、接合時間内すべてにおいて測定を行う(タイミングA)場合を例として述べている。

0074

前述したように、振動態様算出部21においては、同時期の複数点で測定されたボンディングツール4の振動情報信号から超音波接合治具の振動の振幅の近似曲線を算出し、さらに異なる時刻においても同様に、同時期の複数点で測定されたボンディングツール4の振幅値の測定と近似曲線の算出を行い、結果として得られる異なる時刻の複数の近似曲線から、ボンディングツール部の振動の節の位置を演算して、接合中におけるボンディングツール4の振動態様を、振動の節の位置として算出する。これにより、ボンディングツールの振動状態の変化が捉え易くなり、次に述べるような接合性との関連性を求めることができ、ここから更に接合不良などのトラブル原因の究明に役立つ。また、従来技術のように、ボンディングツール先端部の振幅の減少をモニタリングするものではないので、測定点をボンディングツール先端から1/32波長以内になるよう正確に設定することを要しない。

0075

振動態様算出部21により演算されたボンディングツールの振動の節の位置のデータは、超音波接合装置の制御装置20に入力される。この制御装置20は、この振動の位置の値に基づいて、あらかじめ設定する所定値と比較し、この所定値に対する所定の必要条件を満足しない場合に接合動作を停止させる制御を行う。

0076

図1に示された制御装置20は、振動態様算出部21から算出されたボンディングツールの振動の節の位置と、あらかじめ設定された接合終了のための節の位置の値とを比較する演算部22と、この演算部に接続され、設定された接合終了のための節の位置を記憶する記憶部22aと、演算部22で比較されたボンディングツール部の振動の節の位置の値が、あらかじめ設定された節の位置に達しないときに超音波接合装置の接合動作を停止させる装置制御部23と、演算部22に接続され、演算部22が行った比較の結果を出力する表示部24とを備えている。

0077

また、制御装置20は、超音波接合装置1の超音波接合装置制御部15と接続されている。この超音波接合装置制御部15は、超音波振動子2にて超音波振動を発振させるための超音波発振器16に接続され、超音波振動の振幅量と発振時間とを制御可能になっている。

0078

演算部22は、所定の測定タイミングで測定され、算出されたボンディングツールの振動の節の位置と、あらかじめ設定された接合終了時の節の位置とを比較する。前述のように、ボンディングツール4の振動モードは、接合状態の変化に関連している。そこで、算出された振動の節の位置と接合状態との関係性から、振動の節の位置が所定の位置に達していない場合には、接合状態が不良であると考えることができる。したがって、振動の節の位置が所定の位置に達していない場合には、接合を停止させる制御を行うことで、接合不良の製品が発生したときに直ちに超音波接合装置を停止させることができる。

0079

振動の節の位置と接合状態との関係性について、図11を用いて説明する。図11(a)は、接合部材と被接合部材との接合強度の強弱相違に対するボンディングツール4の振動モードの相違を図示したものである。接合初期のように、接合強度が低い場合には、ボンディングツール4の先端は自由端に近いモードを示す。一方、接合終期のように接合強度が高い場合には、ボンディングツール4の先端の振動が拘束されるようになり、固定端のモードとなる。このようにボンディングツール4先端の状態が接合強度に応じて変化すると、その時のツール振動モードも変化していく。図示した例では、その振動モードの変化を、変化量として検出し易い節の位置の変化を用いている。図示したように、接合状態の変化、すなわち接合強度の増加に伴って、振動モードは変化し、節位置も上方へ移動していく。

0080

そして、接合工程完了時の節位置と接合強度との関係は、比例関係になることが実験より明らかになっている。このことから、接合工程完了時のボンディングツール4の節位置により接合強度が推測できる。つまり、節位置を測定することで接合強度がどの程度であるかを推測し、その接合強度が、あらかじめ判明している許容接合強度以上であるか否かで接合の良否を推測することが可能である。

0081

この接合状態の良否推測を、概念的に図11(b)を用いて説明する。図11(b)は、接合強度とボンディングツール4の接合工程終了時の節位置の特性を示したものである。図示したようにボンディングツール4の節位置と接合強度とには相関があり、近似曲線(図では一次曲線)を用いて、その相関関係を示すことができる。つまり、ボンディングツールの節位置が判れば、この近似曲線により接合中の接合部材と被接合部材との接合強度が推測できる。推測された接合中の接合強度と、接合部材及び被接合部材により定められる許容接合強度とを比較した結果、接合強度が許容接合強度(すなわち、必要な接合強度のしきい値)以上であれば、接合状態を良と考えることができる。したがって、許容接合強度と近似曲線とから、しきい値に対応する節位置を求めておき、このしきい値に対応する節位置を、例えば演算部22に接続する記憶部22aに記憶させておく。そして、このしきい値となる節位置と、測定結果から得られる実際のボンディングツールの節位置とを比較して、接合の良否を推測することができる。

0082

このような考え方から、制御装置20の演算部は、振動態様算出部21から入力されたボンディングツール部の振動の節の位置の値と、あらかじめ設定され、記憶された接合終了のための節の位置の値とを比較する。振動態様算出部21から入力されたボンディングツール部の振動の節の位置の値が、あらかじめ設定され、記憶された接合終了のための節の位置の値を満足しない場合には、接合不良と推測できるので、接合動作を停止させるための信号を装置制御部23に出力する。

0083

このような制御を行うことにより、節の位置という、ボンディングツール4の振動状態の変化を捉え易い要素を用いて、接合不良の場合に確実に接合動作を停止させることができる。

0084

図11に示した例においては、ボンディングツール4の振動モードの変化量として、節位置を使って説明したが、振動状態の変化を示すものであれば節位置に限定されず、節位置と同様の効果が得られる。例えば、振動の位相を用いることができる。振動モードの位相変化を用いた例を、図12を用いて説明する。

0085

図12は、ボンディングツールの複数の測定点の位相の差と、接合強度との関係を説明する図である。同図(a)に示すように、ボンディングツール4の振動の振幅について、ボンディングツール4の異なる2点では振動の位相差が生じている。そして、この位相差は、同図(b)に示すように接合部材と被接合部材との接合強度と相関があり、接合強度が大きくなるほど位相差は小さくなる。この相関関係は、近似線で表すことができる。そこで、振動測定手段により測定された複数の位置の超音波振動により振動態様算出部で算出された接合中のボンディングツールの振動の位相差と、予め定められている位相差と接合強度との関係を示す近似線とから、接合時における接合強度を推測できる。推測された接合中の接合強度と、あらかじめ定められている許容接合強度とを比較した結果、接合強度が許容接合強度以上であれば接合状態を良と考えることができる。したがって、許容接合強度と近似曲線とから、しきい値に対応する位相差を求めておき、このしきい値に対応する位相差を、例えば例えば演算部22に接続する記憶部22aに記憶させておく。そして、このしきい値となる位相差と、測定結果から得られる実際のボンディングツールの振動の位相差とを比較して、位相差の値が、あらかじめ設定され、記憶された接合終了のための位相差の値を満足しない場合には、接合不良と推測できるので、接合動作を停止させるための信号を装置制御部23に出力する。

0086

なお、接合中の振動状態の変化は、図11で説明した節の位置や、図12で説明した位相差に限られず、振動の振動数を用いることもできる。更には、節の位置に基づいて制御を行う場合であっても、節の位置の絶対位置の値に基づくばかりに限られず、節の位置の変化量の値に基づいて制御を行うことができる。

0087

図11及び図12を用いて説明した例では、振動の節の位置と接合状態との関係性について、予め近似曲線を求める例を説明したが、本発明の超音波接合装置の制御装置では、統計的に得られるデータを用いて接合の良否を推測することもできる。その例を図13及び図14を用いて説明する。図13は、ボンディングツール4の振動の節位置と接合の良否の度数について調査を行い、その結果を統計的に示す一例のグラフであり、図14は、本実施例における制御装置の制御方法フローチャート図である。

0088

本実施例は、前述の方法と異なり、すでにラインで稼動中、または接合条件が最適化されている場合に適している。図14に示すように、稼動中の超音波接合装置1について、ボンディングツール4の振動を超音波振動測定手段により測定しつつ多数の超音波接合を行って、超音波接合の振動モードとして例えば接合終了時の節の位置を測定する(ステップS1)。次に、測定された振動モード、例えば節位置のデータを蓄積する(ステップS2)。このデータの蓄積は、例えば演算部22に具備されている記憶領域や、あるいは演算部22に接続して設けられた記憶部22aで行われる。この節位置のデータについて、統計に必要な度数以上のデータを蓄積する。蓄積されたデータは、例えば図13に示したグラフのようになる。

0089

次に、蓄積されたデータの平均、分散等を計算し(ステップS3)、しきい値(例えば、平均+3σn-1又は、平均−3σn-1)を求める(ステップS4)。予め定められた条件での接合であれば、得られた母数の大部分は、許容接合強度を満足していると考えられ、平均から大幅に外れて、しきい値を超えたもののみが接合不良といえる。そこで、測定された振動モード(節の位置)を、しきい値に対応する振動モード(節の位置)と比較する(ステップS5)。比較の結果、この振動モード(節の位置)が、しきい値内である場合(ステップ6のYES)には、ラインの稼動を継続して他の部材について超音波接合を続行するとともに、次の接合部材の超音波接合の振動モードを測定する(ステップS1に戻る)。一方、ステップS6において、節の位置が、しきい値を超えている場合には(ステップ6のNO)、超音波接合装置を停止させるための信号を超音波接合装置制御部15及び装置制御部23に出力して接合を停止させるとともに表示部24で不良通報ログ記録を行う(ステップS7)。

0090

本実施例に従い、振動の節の位置と接合状態との関係について統計データを用いることにより、事前実験によるしきい値の設定も不要である。しかも、稼動時にも測定データの統計処理を継続して行えるために、振動の節の位置と接合状態との関係性の更なる精度向上が見込まれる。

0091

これまで述べたように、演算部22においては、振動態様(振動モード)の変化により超音波接合装置の接合動作の続行又は停止の制御を行う。ボンディングツール4の節の位置は常時、リアルタイムで演算部に入力することができるので、接合不良が生じた場合には直ちに超音波接合装置の動作を止めて、接合作業を止めることができ、接合不良となった製品の量を最小限に抑制することができる。

0092

また、演算部22は、超音波接合時の接合状態の推測のみならず、例えば、接合部材の表面汚染等の検出にも用いることができる。図15は、接合部材の表面が清浄で接合が良好な場合(A)と、接合表面汚染されていたために接合不良となった場合(B)の節位置変化の経時特性を示したグラフである。同図に示すようにボンディングツール4の振動モードにおける節位置は、接合時間の経過とともに上方へ移動していくが、所定の時間当たりの節位置変化量(節位置変化量÷時間)が、接合性が良好な例であるAと、接合性が不良な例であるBとで顕著な差が認められる。接合性不良の例Bは、接合表面が汚染されていたために接合不良となったものであるから、所定の時間におけるボンディングツールの振動の節位置の変化量を比較することで、接合部材が表面汚染していること等を推測することが可能である。また、同様の方法で、この他にも、部材の保持状態、超音波印加手段の組付状態についても状態変化を推測することが可能である。これらの要因によって変動する節位置の変化に応じて、制御装置20は、接合作業を継続又は停止する制御を行うことができる。

0093

更には、演算部22は、接合条件の最適化をすることが可能であり、装置稼動中における接合条件の変更をすることも可能である。これを図16及び図17を用いて説明する。まず、図16は、同一接合部材で接合性が異なる4種類(接合部材A、接合部材B、接合部材C及び接合部材D)について、接合時におけるボンディングツール4の節位置の経時変化を示したものである。

0094

図16において、接合部材A及び接合部材Bは、この接合部材を接合するための規定時間内で節位置がしきい値に達しており、接合状態は良であると考えられる。これに対して、接合部材C、Dは、規定時間になっても何らかの理由により節位置が規定値に達しておらず、この規定時間で接合を終了すると接合強度低下予想できる。

0095

これらの結果から、超音波接合装置に関して、2つの接合動作を提案できる。

0096

(I) 一つは、図中A、Bという接合部材の接合に関しては、あらかじめ設定された接合のための規定時間よりも短い接合時間で接合動作を停止する。これにより、接合時間を短縮する最適化を行うことができ、ひいては生産性向上が期待できる。

0097

この接合方法を行うために、超音波接合装置の制御装置20は、演算部22が、接合中の設定接合時間内における振動態様算出部21により算出された振動の節の位置の値と、接合状態のしきい値に対応する振動の節の位置と比較し、その結果、算出された節の位置が、設定されたしきい値に対応する節の位置に達している場合には、設定接合時間の経過を待たずに超音波接合装置の接合作業を停止させる信号を装置制御部23に出力する。

0098

(II)二つ目は、しきい値に到達するまで接合を継続する。例えば、図16中、接合部材Cが生産ライン混入した場合、節位置がしきい値に到達するまで接合時間を自動的に延長する。これにより、接合強度不足を防止できる。また、通常の設定された接合時間では節の位置がしきい値に到達せず、不良品だと推測されるような接合部材であっても、接合時間を延長し、設定接合時間よりも長く接合を行うことにより接合が良好なものとすることができるので、製品の歩留まりが向上する。なお、接合部材Dのように最大許容接合時間になっても節位置がしきい値に到達しない場合には、接合不良なものと推測できるので接合を停止する。

0099

この接合方法を行うために、超音波接合装置の制御装置20においては、演算部22が、接合中の設定接合時間内における振動態様算出部により算出された振動の節の位置の値と、接合状態のしきい値に対応する振動の節の位置とを比較し、その結果、算出された節の位置が、設定接合時間までにしきい値に対応する節の位置に達していない場合には、最大許容接合時間まで接合作業を続行するとともに節の位置の比較を継続して行い、算出された節の位置の値が、この最大許容接合時間で節の位置がしきい値に対応する節の位置に達していない場合には、超音波接合装置の接合作業を停止させる信号を装置制御部23に出力する。

0100

これらの2つの接合動作を行う演算部22の制御シーケンスについて、図17に示すフローチャートを用いて説明する。

0101

超音波接合装置1により接合作業が開始されると、ボンディングツール4の振動を超音波振動計測手段により継続的に測定して、振動態様算出部21により振動の節位置を継続的に算出することにより、演算部22には、節位置の値が継続的に入力される。これにより節の移動が監視されることになる(ステップS11)。そして、この節位置と、記憶部22aなどに記憶されていた、しきい値に対応する節位置とを比較して(ステップS12)、測定された節位置がしきい値に到達した場合には、規定接合作業時間を待たずに接合停止信号を超音波接合装置制御部15及び装置制御部23に出力して接合を終了する。また、ステップS12において、測定された節位置がしきい値に到達していない場合には、振動態様算出部21の内部のタイマーで接合作業開始から計時されていた接合時間と、規定接合作業時間とを比較して(ステップS13)、接合時間がこの規定接合作業時間に達していない場合には、接合を作業を継続するとともに節位置の監視を継続し、節位置としきい値とを比較する(ステップS12に戻る)。次に、ステップS13においては、接合時間がこの規定接合作業時間に達している場合には、接合時間を延長して接合を行う(ステップS14)。そして延長した接合時間が最大接合時間に達するまでは、接合作業を継続するとともに(ステップS15)、節位置の監視を継続し、節位置としきい値とを比較する(ステップS12に戻る)。その結果、延長した接合時間が最大接合時間に達しても、節位置がしきい値に到達していない場合には、その接合不良の結果を表示部24に通報をし、ログを記録し(ステップS16)、接合停止信号を超音波接合装置制御部15及び装置制御部23に出力して接合作業を終了する。

0102

以上の制御シーケンスにより、接合条件の最適化を図ることができ、また、製品歩留まりの向上を図ることができる。

0103

制御装置20の装置制御部23は、演算部22から出力された信号により、超音波接合装置1の接合動作を継続又は停止させし、かつ、超音波接合装置制御部15への情報伝達を行う。

0104

表示部24は、演算部22で節の位置を比較した結果を表示する。表示部24で比較した結果を表示させることにより、制御装置20が超音波接合装置1を停止させたとき、その停止原因となった状況の情報を管理者に伝達させるので、調査、原因の究明に役立てることができる。

0105

演算部22で行われた比較の結果については、逐次記録し、この結果を統計することができる構成とすることができる。この逐次記録は、例えば演算部22に具備されている記憶領域や、あるいは演算部22に接続して設けられた記憶部22aに記憶することができる。結果を記録することにより、履歴調査が容易となり、不良原因の究明等を早期に行うことができ、生産ラインの停止期間短縮などをすることができ、ひいては生産性向上が期待できる。

0106

以上述べたように、本実施例の超音波接合装置の制御装置は、超音波振動系の複数の測定点における振幅又は位相情報より、振動モードを決定して、この振動モードの様子が、接合状態によって変化することに着目して、節の移動又は位相の変化を監視して接合状態を推測することにより、接合状態を非破壊かつリアルタイムに検出できる。また、検出の結果は、予め実験等より求められた接合状態との関連付けデータにより良否の推測することができ、不良の際には、装置停止とオペレータへの警告を実施することで不良品の大量生産を防止できる。更に、超音波接合の状態をリアルタイムに検知し、接合不良や接合状態の変化の兆候が現れた際に、表示部24によりオペレータへの警告、そして原因調査、対策、ならびに条件変更等が可能となり、歩留りと生産性の向上が期待できる。

0107

以上、図面を用いて本発明の超音波接合装置の実施例及び超音波接合装置の制御装置の実施例を説明したが、本発明の超音波接合装置及び超音波接合装置は、実施例に限定されるものではなく、幾多の変形が可能である。例えば、図1に示した超音波接合装置は、ワイヤボンディングへ適用した装置を例としたが、超音波を併用した接合方法であれば、フリップチップボンディングやその他の超音波接合装置であっても同様の効果が期待できる。

0108

また、本発明の超音波接合装置は、本発明の超音波接合装置の制御装置の構成を具備する構成とすることもできる。

図面の簡単な説明

0109

本発明の超音波接合装置及び超音波接合装置の制御装置の一実施例の構成を示す図。
レーザドップラー速度計のレーザヘッドの模式図。
振動計測部のブロック図。
ボンディングツール近傍の模式図。
ボンディングツール近傍の模式図。
レーザヘッドの取付位置の例を示す模式図。
レーザヘッドの取付位置の例を示す模式図。
レーザヘッドの取付位置の例を示す模式図。
ボンディングツールと振動モードとの対応の模式図。
超音波振動を測定するタイミングの例を示すタイミングチャート。
振動の節の位置と接合状態との関係性の説明図。
振動の位相差と接合状態との関係性の説明図。
ボンディングツールの振動の節位置と接合の良否の度数との関係の一例を示すグラフ。
制御装置の制御方法の一例のフローチャート図。
表面清浄性の異なる部材についての節位置変化の経時特性を示したグラフ。
接合性が異なる部材について、接合時におけるボンディングツールの節位置の経時変化を示すグラフ。
演算部の制御シーケンスの例を示すフローチャート。
従来の超音波接合装置とレーザドップラー計との位置関係を示す斜視図。

符号の説明

0110

1…超音波接合装置、2…超音波振動子、3…超音波ホーン、4…ボンディングツール、11…レーザヘッド、12…振幅算出部、20…制御装置、21振動態様算出部、22…演算部、23…装置制御部、24…表示部

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