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技術 半田材検査装置、半田材検査方法、半田材検査装置の制御プログラム、および半田材検査装置の制御プログラムを記録した記録媒体

出願人 オムロン株式会社
発明者 大橋勝己堀野昌伸大西康裕
出願日 2005年11月15日 (15年0ヶ月経過) 出願番号 2005-330281
公開日 2007年6月7日 (13年5ヶ月経過) 公開番号 2007-139451
状態 拒絶査定
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 補正用係数 増減パターン 含有度 計測強度 移動原点 熱型素子 低酸化度 赤外線吸光度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年6月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (18)

課題

半田材劣化度検査に要する作業上の手間や時間を抑制し、作業衛生上好ましく、より計測精度の高い半田材検査装置および半田材検査方法を提供することを目的とする。

解決手段

基板2への電子部品搭載前に、CADデータ等の印刷位置取得手段で取得した印刷位置情報に基づいて、基板2上を走査しながら基板2上に印刷されたクリーム半田3に対してのみ光を照射し、この光の照射によってクリーム半田3から反射してくる特定波数赤外線検査対象強度を検出する。基板2上に印刷されたクリーム半田3を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象のクリーム半田3に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象のクリーム半田3に対する上記検査対象のクリーム半田3の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出する。

概要

背景

プリント基板(以下単に「基板」と言う)の生産ラインにおいては、基板上に半田材印刷する印刷工程、この印刷された半田材上に電子部品を搭載するマウント工程、基板に電子部品を半田付けするリフロー工程を行うことによって、基板上に電子部品を実装している。

この印刷工程は、例えば次の通りである。まず、基板上にメタルマスクを配置し、半田材であるクリーム半田をメタルマスク表面に供給する。次に、メタルマスク表面上にスキージを当接させて摺動させる。すると、クリーム半田は、メタルマスク表面でスキージにより押圧され回転移動する。メタルマスクには、基板の配線パターンに対応した穴が形成されているので、このスキージの押圧力によって、クリーム半田が穴から押し出されクリーム半田は基板上に印刷される(特許文献2の段落〔0011〕参照)。

このメタルマスクは、一般的には、同一の半田材を載せたまま大量の基板に対して連続して使用されるので、半田材は、印刷を繰り返す度にスキージによって繰り返し回転移動することとなる。その結果、半田材は、徐々に劣化していくことになるが、この劣化した半田材は、基板において不良をもたらす要因となる。

従って、基板における不良発生の防止や印刷工程における印刷品質の維持を図るためには、メタルマスク上の半田材の劣化度分析し、半田材の劣化度が高くなった場合、メタルマスク上の半田材を交換する作業が非常に重要となる。

この半田材等の半田材は、劣化するに伴い、その粘度が高くなり、かつ、酸化が進行し、還元力が低下することが知られている。例えば、粘度の高い半田材を基板上に印刷すると、印刷工程後の基板において「カケ」「カスレ」等の不良が生じやすく、また、酸化の進行した半田材を基板上に印刷すると、リフロー工程後の基板において「ソルダーボール」「半田未溶」等の不良が生じやすく、更に、還元力の低下した半田材を基板上に印刷すると、リフロー工程後の基板において「ぬれ性劣化」等の不良が生じやすくなることが知られている。

このように、半田材の粘度、酸化度および還元力は、基板の不良発生度相関しているので、この粘度、酸化度および還元力は、半田材の劣化度を評価する重要指標となる。

この半田材の劣化度を分析する方法として、例えば、特許文献1に記載されたように、サンプリングした半田材を用いて滴定を行い、半田材(フラックス)の酸値を計測する方法、すなわち基板の製造ライン外で該計測を行うとする、いわゆるオフライン計測による分析方法がある。しかし、この方法では、試薬の調整等が必要であり、計測のために余計な手間や時間がかかるという問題が生じる。

一方、この計測のための余計な手間や時間を削減すべく、この半田材の劣化度の検査のための計測を、製造ライン上で行う、すなわちインライン計測を可能にする、例えば、特許文献2、3記載のような半田材の劣化度を分析する方法もある。

この特許文献2には、基板への印刷工程において、スキージ表面流動する半田材に対し、レーザセンサからレーザ照射して半田材の流動速度を測定することにより、この半田材の粘度を測定する方法が開示されている。しかしながら、この特許文献2記載の方法では、スキージの駆動状態による計測バラツキが大きいという問題が生じる。

他方、特許文献3には、実生産工程に近い環境で、紫外線光電子分光法を用いて、半田材の表面酸化率を計測する手法が開示されており、上記特許文献2記載のようにスキージ駆動とは関係なくインライン評価を可能とするものであるが、その一方、この方法は、人体に有害な紫外線を用いているため、作業衛生上好ましくない。

特公平08−20434号公報(公開日:1996年3月04日)
特開平05−99831号公報(公開日:1993年4月23日)
特開平10−82737号公報(公開日:1998年3月31日)

概要

半田材の劣化度の検査に要する作業上の手間や時間を抑制し、作業衛生上好ましく、より計測精度の高い半田材検査装置および半田材検査方法を提供することを目的とする。基板2への電子部品搭載前に、CADデータ等の印刷位置取得手段で取得した印刷位置情報に基づいて、基板2上を走査しながら基板2上に印刷されたクリーム半田3に対してのみ光を照射し、この光の照射によってクリーム半田3から反射してくる特定波数赤外線検査対象強度を検出する。基板2上に印刷されたクリーム半田3を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象のクリーム半田3に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象のクリーム半田3に対する上記検査対象のクリーム半田3の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出する。

目的

本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、検査に要する作業上の手間や時間を抑制し、作業衛生上好ましく、より計測精度の高い半田材検査装置および半田材検査方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

基板上に印刷される半田材印刷位置情報を取得する印刷位置取得手段と、上記印刷位置取得手段で取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数赤外線検査対象強度を検出する強度検出部と、を有し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする半田材検査装置

請求項2

基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得する印刷位置取得手段と、上記印刷位置取得手段で取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数の赤外線の検査対象強度を検出する強度検出部と、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出する半田劣化算出部と、を備えることを特徴とする半田材検査装置。

請求項3

上記光源は間欠的に光を発光することを特徴とする請求項1あるいは2いずれか1項に記載の半田材検査装置。

請求項4

上記光源から発光された光を間欠的に遮光する遮光手段を有することを特徴とする請求項1あるいは2いずれか1項に記載の半田材検査装置。

請求項5

リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出する強度検出部と、上記強度検出部により検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する強度抽出手段と、を有し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする半田材検査装置。

請求項6

リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出する強度検出部と、上記強度検出部により検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する強度抽出手段と、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出する半田劣化算出部と、を備えることを特徴とする半田材検査装置。

請求項7

基板に対し光を照射し、該基板から反射してくる上記特定波数の赤外線の強度を検出しておき、該強度を基板強度として予め記憶しておく記憶部を有し、上記強度抽出手段は、上記計測強度から上記記憶部に記憶されている上記基板強度との差分を取ることにより上記検査対象強度を抽出することを特徴とする請求項5あるいは6いずれか1項に記載の半田材検査装置。

請求項8

半田材に対し光を照射し、該半田材から反射してくる上記特定波数の赤外線の強度を検出しておき、該強度を半田強度として予め記憶しておく記憶部を有し、上記強度抽出手段は、上記記憶部に記憶されている上記半田強度と上記計測強度の信号の増減パターンを比較することにより上記検査対象強度を抽出することを特徴とする請求項5あるいは6いずれか1項に記載の半田材検査装置。

請求項9

リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる赤外線の強度である全計測強度を検出する強度検出部と、上記強度検出部で検出された上記全計測強度のうち、特定波数以外の波数である参照波数の赤外線の強度と所定の閾値とを比較し、該閾値以下であれば半田強度とするとともに、該半田強度から特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する強度抽出手段と、を有し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする半田材検査装置。

請求項10

リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる赤外線の強度である全計測強度を検出する強度検出部と、上記強度検出部で検出された上記全計測強度のうち、特定波数以外の波数である参照波数の赤外線の強度と所定の閾値とを比較し、該閾値以下であれば半田強度とするとともに、該半田強度から特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する強度抽出手段と、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出する半田劣化算出部と、を備えることを特徴とする半田材検査装置。

請求項11

上記基板に印刷された半田材のうち、上記光源による走査の範囲である計測対象エリアを指定可能な入力部を有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項に記載の半田材検査装置。

請求項12

上記劣化パラメータは、上記検査対象強度と上記比較対象強度との差分あるいは比により求められることを特徴とする請求項2、6、10のいずれか1項に記載の半田材検査装置。

請求項13

上記劣化パラメータは、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の第1赤外線吸光度と、上記比較対象強度に基づき求められた上記比較対象の半田材における上記特定波数の第2赤外線吸光度と、の差分あるいは比のいずれか1つにより求められることを特徴とする請求項2、6、10のいずれか1項に記載の半田材検査装置。

請求項14

上記半田材検査装置は、上記特定波数とは異なる波数である参照波数を設定し、上記強度検出部では、さらに、検査対象の半田材を反射する上記参照波数の赤外線の第3強度を検出し、上記半田劣化算出部は、さらに、上記検査対象の半田材に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記参照波数の赤外線の第4強度と、上記第3強度との相違度に応じて、上記検査対象強度または上記比較対象強度の少なくともいずれかを補正することを特徴とする請求項12に記載の半田材検査装置。

請求項15

上記半田材検査装置は、上記特定波数とは異なる波数である参照波数を設定し、上記強度検出部では、さらに、検査対象の半田材を反射する上記参照波数の赤外線の第3強度を検出し、上記半田劣化算出部は、さらに、上記第3強度に基づいて、上記検査対象の半田材における上記参照波数の第3赤外線吸光度を求め、上記検査対象の半田材に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記参照波数の赤外線の第4強度に基づいて、上記検査対象の半田材における上記参照波数の第4赤外線吸光度を求め、上記第3赤外線吸光度と上記第4赤外線吸光度との相違度に応じて、上記第1赤外線吸光度または第2赤外線吸光度の少なくともいずれかを補正することを特徴とする請求項13に記載の半田材検査装置。

請求項16

基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得し、上記取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射し、上記光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数の赤外線の検査対象強度を検出し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする半田材検査方法

請求項17

基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得し、上記取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射し、上記光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数の赤外線の検査対象強度を検出し、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出することを特徴とする半田材検査方法。

請求項18

リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射し、上記光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出し、上記検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする半田材検査方法。

請求項19

リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射し、上記光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出し、上記検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出し、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出することを特徴とする半田材検査方法。

請求項20

半田材検査装置の制御プログラムであって、請求項2、6、10のいずれか1項に記載の処理部における機能をコンピュータで実現する制御プログラム。

請求項21

請求項20に記載の制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

技術分野

0001

本発明は、半田材劣化度検査する装置および半田材の劣化度を検査する方法に関するものである。

背景技術

0002

プリント基板(以下単に「基板」と言う)の生産ラインにおいては、基板上に半田材を印刷する印刷工程、この印刷された半田材上に電子部品を搭載するマウント工程、基板に電子部品を半田付けするリフロー工程を行うことによって、基板上に電子部品を実装している。

0003

この印刷工程は、例えば次の通りである。まず、基板上にメタルマスクを配置し、半田材であるクリーム半田をメタルマスク表面に供給する。次に、メタルマスク表面上にスキージを当接させて摺動させる。すると、クリーム半田は、メタルマスク表面でスキージにより押圧され回転移動する。メタルマスクには、基板の配線パターンに対応した穴が形成されているので、このスキージの押圧力によって、クリーム半田が穴から押し出されクリーム半田は基板上に印刷される(特許文献2の段落〔0011〕参照)。

0004

このメタルマスクは、一般的には、同一の半田材を載せたまま大量の基板に対して連続して使用されるので、半田材は、印刷を繰り返す度にスキージによって繰り返し回転移動することとなる。その結果、半田材は、徐々に劣化していくことになるが、この劣化した半田材は、基板において不良をもたらす要因となる。

0005

従って、基板における不良発生の防止や印刷工程における印刷品質の維持を図るためには、メタルマスク上の半田材の劣化度を分析し、半田材の劣化度が高くなった場合、メタルマスク上の半田材を交換する作業が非常に重要となる。

0006

この半田材等の半田材は、劣化するに伴い、その粘度が高くなり、かつ、酸化が進行し、還元力が低下することが知られている。例えば、粘度の高い半田材を基板上に印刷すると、印刷工程後の基板において「カケ」「カスレ」等の不良が生じやすく、また、酸化の進行した半田材を基板上に印刷すると、リフロー工程後の基板において「ソルダーボール」「半田未溶」等の不良が生じやすく、更に、還元力の低下した半田材を基板上に印刷すると、リフロー工程後の基板において「ぬれ性劣化」等の不良が生じやすくなることが知られている。

0007

このように、半田材の粘度、酸化度および還元力は、基板の不良発生度相関しているので、この粘度、酸化度および還元力は、半田材の劣化度を評価する重要指標となる。

0008

この半田材の劣化度を分析する方法として、例えば、特許文献1に記載されたように、サンプリングした半田材を用いて滴定を行い、半田材(フラックス)の酸値を計測する方法、すなわち基板の製造ライン外で該計測を行うとする、いわゆるオフライン計測による分析方法がある。しかし、この方法では、試薬の調整等が必要であり、計測のために余計な手間や時間がかかるという問題が生じる。

0009

一方、この計測のための余計な手間や時間を削減すべく、この半田材の劣化度の検査のための計測を、製造ライン上で行う、すなわちインライン計測を可能にする、例えば、特許文献2、3記載のような半田材の劣化度を分析する方法もある。

0010

この特許文献2には、基板への印刷工程において、スキージ表面流動する半田材に対し、レーザセンサからレーザ照射して半田材の流動速度を測定することにより、この半田材の粘度を測定する方法が開示されている。しかしながら、この特許文献2記載の方法では、スキージの駆動状態による計測バラツキが大きいという問題が生じる。

0011

他方、特許文献3には、実生産工程に近い環境で、紫外線光電子分光法を用いて、半田材の表面酸化率を計測する手法が開示されており、上記特許文献2記載のようにスキージ駆動とは関係なくインライン評価を可能とするものであるが、その一方、この方法は、人体に有害な紫外線を用いているため、作業衛生上好ましくない。

0012

特公平08−20434号公報(公開日:1996年3月04日)
特開平05−99831号公報(公開日:1993年4月23日)
特開平10−82737号公報(公開日:1998年3月31日)

発明が解決しようとする課題

0013

本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、検査に要する作業上の手間や時間を抑制し、作業衛生上好ましく、より計測精度の高い半田材検査装置および半田材検査方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

上記目的を達成するため、本発明の半田材検査装置は、基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得する印刷位置取得手段と、上記印刷位置取得手段で取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数赤外線検査対象強度を検出する強度検出部と、を有し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする。

0015

また、本発明の半田材検査装置は、基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得する印刷位置取得手段と、上記印刷位置取得手段で取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数の赤外線の検査対象強度を検出する強度検出部と、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出する半田劣化算出部と、を備えることを特徴とする。

0016

半田材は、印刷の繰り返しや保管時の化学反応による粘度の上昇で劣化し、この劣化した半田材は、基板において不良をもたらす要因となるので、半田材の劣化度を精度良く検査することが、基板における不良発生の防止や印刷工程における印刷品質の維持を図るために重要となる。

0017

そこで、本願の発明者は、この半田材の劣化度を検査する時点としてはリフローになるべく近い時点が好適であり、また、検査対象としては、実際に基板にプリントされた半田材を用いるのが好適だと考えた。ここで、基板に実際に印刷された半田材の劣化度を検査するには、半田材に対し光を照射することにより検査するいわゆる非接触式計測法を用いるのが好適だと考えたが、その一方、上記特許文献3のように紫外線を使用する方法では、作業衛生上好ましくない。従って、本願の発明者は、赤外線分光法を用いれば、半田材の粘度、酸化度、還元力を分析することが可能であることに着目し、半田材の劣化度の分析を行うこととした。

0018

しかしながら、基板や搭載された部品の表面は樹脂レジスト等よりなるため、半田材が印刷された基板に対し、単に光を照射したのでは、これらの赤外スペクトルノイズとして積算され、その結果、計測精度は低下してしまうといった問題が生ずる。

0019

そこで、当該問題を解決すべく本発明においては、基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得する印刷位置取得手段と、上記印刷位置取得手段で取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射する光源と、を備えることにより、基板に印刷された半田材にのみ光を照射する構成とし、当該ノイズを拾わないようにし、計測精度の向上を図ることとした。

0020

ここで、印刷位置取得手段とは、半田材の印刷時に使用されるメタルマスクや基板の製作時に使用される作図データであり、CADデータ等である。例えば、印刷位置取得手段として、メタルマスクのCADデータを使用した場合には、メタルマスクの孔(開口部)の配置や開口部の寸法などがデータとして入力されているので、このメタルマスクのCADデータを利用すれば、基板上の半田材の印刷位置が特定可能となる。また、基板とメタルマスクには通常位置合わせのための位置決めマークが設けられているので、印刷位置情報は、この位置決めマークを原点とした座標および開口部の寸法等とするのがよい。

0021

また、光源は、光を照射するランプであり、例えば、セラミック光源が使用され、本発明においては、この光源は、基板上を走査しながら光を照射するよう構成されている。ここで、走査とは、光源が光を照射しながら基板上を移動することを意味し、本発明においては、光源は基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射しながら基板上を移動するように構成されている。この半田材に対してのみ光を照射させる構成として、例えば、光源を制御して間欠的に光を発光するように構成したり、また、光源自体は連続的に光を発光するように構成しておき、該光源から発光された光を間欠的に遮る遮光手段を設ければ、結果的には、基板に印刷された半田材にのみ光が照射するように構成することができる。また、この遮光手段としては、開閉シャッターからなり、開状態では光が照射され、閉状態では光は遮光されるような構成が適用可能である。

0022

また、本発明においては、基板に印刷された半田材のうち、光源による走査の範囲である計測対象エリアを指定可能な入力部を有するようにしてもよい。この計測対象エリアは、検査する者において任意に設定可能に構成されている。

0023

また、本発明においては、赤外線分光法を用いて、半田材の粘度、酸化度、還元力を分析することにより、半田材の劣化度の分析を行っている。良質な半田材は、低粘度、低酸化度、高還元力であるが、半田材は劣化すると、粘度、酸化度が高くなり、還元力が低くなるので、これらのうち少なくとも1項目を分析すれば、半田材の劣化度が判断できると本願の発明者らは考えたからである。

0024

この赤外線分光法により、半田材の粘度、酸化度、還元力を分析できるのは、以下のような理由からである。

0025

半田材は使用し続け、また、外気にさらし続けると、含有金属が酸化し、含有する酸(例えば、カルボン酸)が塩に変化する。すなわち、半田材においては、含有金属酸化物が増加し、酸の含有量が減少し、塩の含有量が増加する。なお、金属酸化物は、酸化金属とも呼ばれる。

0026

そして、半田材は、この金属酸化物の増加によって酸化度が高くなり、塩の増加によって粘度が高くなり、酸の含有量の減少によって還元力が低下する。

0027

したがって、検査対象の半田材において、金属酸化物の含有度、酸および塩の含有度を分析できれば、半田材の粘度、酸化度、還元力を検査することができ、これらを指標とすれば、半田材の劣化度を検査できる。すなわち、半田材における、金属酸化物の含有度、酸の含有度、塩の含有度は、半田材の劣化度(粘度、酸化度、還元力)を示すものである。

0028

そこで、本願の発明者らは、赤外線分光法によれば、金属酸化物、酸、塩の含有度の少なくとも1項目を分析することが可能であることに着目し、本発明を実現するに至った。

0029

半田材における特定波数の赤外線の吸収量は、半田材における金属酸化物、酸、塩の含有度に応じて変化し、その結果、この半田材を反射する赤外線の特定波数の強度は変化する。これは、半田材に含まれる金属酸化物、酸、塩は、各々において特定されている波数帯域の赤外線を吸収する性質を有しているからである。

0030

したがって、例えば、検査対象の半田材の状態(劣化度)とは異なる半田材(例えば、新品の半田材、100回使用の半田材等)を比較対象とし、各々から検出された反射する特定波数の赤外線の強度(検査対象強度、比較対象強度)とに基づけば、比較対象の半田材に対して、検査対象の半田材における金属酸化物、酸、塩の含有度を相対的に分析でき、検査対象の半田材の粘度、酸化度、還元力を相対的に検査することができる。それゆえ、比較対象の半田材に対して、検査対象の半田材の劣化度(粘度、酸化度、還元力)を相対的に検査できる。この含有度は、半田材の劣化度(粘度、酸化度、還元力)を示すものである。なお、上記比較対象強度は、例えば、上記検査対象強度と同様の方法で検出可能であり、この比較対象強度は、上記検査対象強度を検出する際に、同じように検出してもよく、また、予め検出しておき、記憶手段に記憶しておくことも可能である。

0031

そして、この相対的な含有度を、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータとして出力させる。これにより、この装置の利用者は、出力された劣化パラメータによって、比較対象の半田材に対する検査対象の半田材の上記相対的含有度を分析でき、比較対象の半田材に対する検査対象の半田材の相対的劣化度を検査できる。

0032

なお、半田材に照射される光は、上記特定波数の赤外線そのものであってもよいし、上記特定波数の赤外線を含む光であってもよい。

0033

以上示した本発明によれば、特許文献1に開示されているような滴定作業が不要であるため、特許文献1の方法よりも作業上の手間を抑制でき、特許文献2の方法よりも高精度な計測が可能で、また、紫外線を使わないため、特許文献3の方法よりも作業衛生上好ましい。

0034

また、本発明においては、金属酸化物、酸、塩の含有度の少なくとも1項目を分析できればよいため、上記特定波数は、半田材に含まれる金属酸化物、塩、酸の少なくとも1つが吸収する赤外線の波数帯域に含まれる波数であってもよい。

0035

例えば、この金属酸化物としては、酸化錫酸化鉛等が例として挙げられる。また、半田材に含まれる酸のうち、含有量の多い酸としてカルボン酸が挙げられるので、上記酸としては、カルボン酸であることが好ましい。更に、劣化した半田材に含まれる塩のうち、含有量の多い塩としてカルボン酸塩が挙げられるので、上記塩としては、カルボン酸塩であることが好ましい。

0036

また、上記特定波数は、520cm−1〜700cm−1、1270cm−1〜1430cm−1、1500cm−1〜1650cm−1、1665cm−1〜1730cm−1の範囲のうち少なくとも1つの範囲に含まれる波数であってもよい。

0037

上記の酸化錫、酸化鉛は、520cm−1〜700cm−1の赤外線を吸収するよう性質を有しているからであり、カルボン酸は、1665cm−1〜1730cm−1の赤外線を吸収する性質を有しているからである。また、カルボン酸塩は、1270cm−1〜1430cm−1、1500cm−1〜1650cm−1の赤外線を吸収する性質を有しているからである。

0038

劣化パラメータは、検査対象強度と比較対象強度との差分を求める手順あるいは比を求める手順により出力されるようにしてもよい。

0039

上記差分あるいは比は、検査対象の半田材と比較対象の半田材との間における上記特定波数の赤外線吸収度の相違度を示すパラメータである。つまり、この差分あるいは比によれば、比較対象の半田材と検査対象の半田材との間における金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の含有度の相違を分析でき、比較対象の半田材に対する検査対象の半田材の粘度、酸化度、還元力を相対的に検査することができ、検査対象の半田材の劣化度(粘度、酸化度、還元力)を相対的に検査できるからである。

0040

なお、比較対象に照射される光に含まれる赤外線の強度と検査対象に照射される光に含まれる赤外線の強度とで若干の相違が生じることがあるが、この場合、この相違分が、検出される検査対象強度と比較対象強度との相違に含まれることとなる。

0041

そこで、上記半田材検査装置は、上記特定波数とは異なる波数である参照波数を設定し、上記強度検出部では、さらに、検査対象の半田材を反射する上記参照波数の赤外線の第3強度を検出し、上記半田劣化算出部は、さらに、上記検査対象の半田材に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記参照波数の赤外線の第4強度と、上記第3強度との相違度に応じて、上記検査対象強度または上記比較対象強度の少なくともいずれかを補正することが好ましい。

0042

また、上記劣化パラメータは、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の第1赤外線吸光度と、上記比較対象強度に基づき求められた上記比較対象の半田材における上記特定波数の第2赤外線吸光度と、の差分あるいは比のいずれか1つにより求められるようにしてもよい。

0043

上記第1赤外線吸光度と上記第2赤外線吸光度との差分あるいは比は、検査対象の半田材と比較対象の半田材との間における上記特定波数の赤外線吸収度の相違度を示すパラメータである。したがって、この差分あるいは比によれば、比較対象の半田材と検査対象の半田材との間における金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の含有度の相違を分析でき、比較対象の半田材に対する検査対象の半田材の粘度、酸化度、還元力を相対的に検査することができ、検査対象の半田材の劣化度(粘度、酸化度、還元力)を相対的に検査できるからである。

0044

なお、比較対象に照射される光に含まれる赤外線の強度と検査対象に照射される光に含まれる赤外線の強度と若干の相違が生じることがあるが、この場合、この相違分が検出される検査対象強度と比較対象強度との相違に含まれ、第1赤外線吸光度および第2赤外線吸光度の相違に含まれることとなる。

0045

そこで、上記特定波数とは異なる波数である参照波数を設定し、上記強度検出部では、さらに、検査対象の半田材を反射する上記参照波数の赤外線の第3強度を検出し、上記半田劣化算出部は、さらに、上記第3強度に基づいて、上記検査対象の半田材における上記参照波数の第3赤外線吸光度を求め、上記検査対象の半田材に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記参照波数の赤外線の第4強度に基づいて、上記検査対象の半田材における上記参照波数の第4赤外線吸光度を求め、上記第3赤外線吸光度と上記第4赤外線吸光度との相違度に応じて、上記第1赤外線吸光度または第2赤外線吸光度の少なくともいずれかを補正することが好ましい。

0046

また、本発明の半田材検査装置は、リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出する強度検出部と、上記強度検出部により検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する強度抽出手段と、を有し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする。

0047

また、本発明の半田材検査装置は、リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射する光源と、上記光源からの光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出する強度検出部と、上記強度検出部により検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する強度抽出手段と、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出する半田劣化算出部と、を備えることを特徴とする。

0048

本発明も、上記した半田材に対してのみ光を照射することにより半田材の劣化度の検査をする半田材検査装置と同様に、基板に印刷された半田材を検査対象とし、赤外線分光法を用いて半田材の劣化度を検査している。但し、基板に印刷された半田材に対してのみ光を照射するのではなく、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を連続的に照射し、その反射光としての特定波数の赤外線の強度である計測強度から、半田材からのみ検出される反射光としての特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出するように構成されている。

0049

例えば、基板上の或る範囲に対して走査しながら光を照射して、その反射光としての特定波数の赤外線の強度を検出する場合を想定する。この範囲に、電子部品が半田材を介して基板に搭載されていたならば、走査しながら光を照射すると、半田材からの反射光だけではなく、電子部品からの反射光も、基板からの反射光も含まれ、強度検出部は、これらすべての反射光が含まれた特定波数の赤外線の強度を検出することとなる。この検出された強度をそのまま使用して半田材の劣化度を検査するのは困難を極めるが、この検出された強度の中には、半田材からのみ検出される反射光としての特定波数の赤外線の検査対象強度が含まれているので、この検査対象強度を抽出できれば半田材の劣化度の検査は容易に行える。そこで、本発明においては、検出された計測強度から半田材からのみ検出される反射光としての特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する強度抽出手段を設けている。また、この強度抽出手段を設けたことにより、電子部品が搭載された基板に印刷された半田材をも検査対象とすることが可能なので、リフロー直前に検査することもでき、その結果、計測精度がより向上する。

0050

この検査対象強度を抽出する方法としては、例えば、基板に対し光を照射し、該基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度を検出しておき、該強度を基板強度として予め記憶しておく記憶部を有し、強度抽出手段は、上記計測強度から上記記憶部に記憶されている上記基板強度との差分を取ることにより上記検査対象強度を抽出するようにすればよい。この基板は、検査対象の半田材が印刷されている基板でもよいし、また別の基板でもよく、基板からのみ反射してくる特定波数の赤外線の強度を検出できればよい。

0051

更に、半田材に対し光を照射し、該半田材から反射してくる上記特定波数の赤外線の強度を検出しておき、該強度を半田強度として予め記憶しておく記憶部を有し、強度抽出手段は、上記記憶部に記憶されている上記半田強度と上記計測強度の信号の増減パターンを比較することにより上記検査対象強度を抽出するようにしてもよい。この半田材は、半田材に光を照射したときに、反射してくる特定波数の赤外線の強度の信号が、どのような増減パターンとなっているかを見るために用いられるもので、新品の半田材でもよいが、上記比較対象の半田材とすれば、上記比較対象強度を利用することが出来るので好適である。この方法によれば、基板上に電子部品等が存在していても上記検査対象強度の抽出が可能であり、リフロー直前に検査することができるので、より計測精度を向上可能となる。また、基板自身の劣化による影響も受けることなく、上記検査対象強度の抽出が可能である。

0052

その他にも検査対象強度を抽出する方法として、強度検出部により、光源からの光の照射によって半田材が印刷された基板から反射してくる赤外線の強度である全計測強度を検出し、強度抽出手段により、該強度検出部で検出された上記全計測強度のうち、特定波数以外の波数である参照波数の赤外線の強度と所定の閾値とを比較し、該閾値以下であれば半田強度とするとともに、該半田強度から特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出するようにしても良い。基板反射輝度に比べて半田材反射輝度が極端に低いため、当該方法によっても上記検査対象強度の抽出は可能である。この閾値は、例えば、半田材の参照波数の反射光の強度と、基板の参照波数の反射光の強度とを計測し、該半田材の反射光の強度と該基板の反射光の強度を区別できる値として予め求めておき、予め記憶手段等に設定しておけばよい。

0053

なお、その他にも、検査対象強度を抽出する方法として、上記参照波数の反射光の強度の代わりに特定波数の反射光の強度の総和にして、同様に閾値を実験等により求めてこの閾値により同様に半田材の反射光の強度を抽出してもよい。また、上記参照波数の反射光の強度の代わりに上記全計測強度の平均値を利用して、上記同様に閾値を実験等により求めてこの閾値により同様に半田材の反射光の強度を抽出してもよい。

0054

また、上記基板に印刷された半田材のうち、上記光源による走査の範囲である計測対象エリアを指定可能な入力部を有するようにしてもよい。

0055

なお、上記半田劣化算出部は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、この半田劣化算出部をコンピュータにて実現させる制御プログラム、および、該制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範疇に入る。

0056

また、本発明の半田材検査方法は、基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得し、上記取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射し、上記光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数の赤外線の検査対象強度を検出し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする。

0057

また、本発明の半田材検査方法は、基板上に印刷される半田材の印刷位置情報を取得し、
上記取得した上記印刷位置情報に基づいて、上記基板上を走査しながら上記基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射し、上記光の照射によって上記半田材から反射してくる特定波数の赤外線の検査対象強度を検出し、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出することを特徴とする。

0058

本発明の半田材検査方法は、上記した半田材に対してのみ光を照射することにより半田材の劣化度の検査をする半田材検査装置により実現可能であり、詳細は上記したのと同様である。

0059

また、本発明の半田材検査方法は、リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射し、上記光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出し、上記検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出し、上記検査対象強度に基づき求められた上記検査対象の半田材における上記特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力することを特徴とする。

0060

また、本発明の半田材検査方法は、リフロー前に、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射し、上記光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出し、上記検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出し、上記基板上に印刷された半田材を検査対象とし、この検査対象に対する比較対象の半田材に光を照射したときの反射光として検出される上記特定波数の赤外線の比較対象強度と、上記検査対象強度とに基づいて、上記比較対象の半田材に対する上記検査対象の半田材の相対的劣化度を示した劣化パラメータを算出することを特徴とする。

0061

本発明の半田材検査方法は、上記した基板に対し走査しながら光を連続的に照射し、半田材からのみ検出される反射光としての特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出するように構成された半田材検査装置によって実現可能であり、その詳細は上記したのと同様である。

発明の効果

0062

以上のように、本発明においては、印刷位置情報に基づいて、基板上を走査しながら基板上に印刷された半田材に対してのみ光を照射し、その反射する特定波数の赤外線の検査対象強度を検出するようにした。これにより、インライン計測が可能となるので、検査に要する作業上の手間や時間を抑制することが可能となるとともに、計測時点をよりリフロー工程に近づけることが可能となり、計測精度の向上も図れる。更に、検査対象強度に基づき求められた検査対象の半田材における特定波数の赤外線吸光度と、上記検査対象強度とを計測値として出力するようにした、すなわち、赤外線分光法を用いており計測に際し紫外線を使用していないので、作業衛生上好ましい。

0063

また、本発明においては、少なくとも半田材が印刷された基板に対し走査しながら光を照射し、この光の照射によって上記半田材が印刷された基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度である計測強度を検出し、上記検出された上記計測強度から上記半田材からのみ検出される反射光としての上記特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出するようにした。これにより、電子部品が搭載された基板に印刷された半田材をも検査対象とすることが可能となるので、リフロー直前に検査することもでき、その結果、計測精度がより向上する。

発明を実施するための最良の形態

0064

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下において半田材としてクリーム半田を使用しているが、これに限定されるものではない。

0065

[実施例1]
本実施例の半田材検査装置においては、メタルマスクを用いて基板へのクリーム半田の印刷が終了し、該メタルマスクを基板から取り外してから電子部品が搭載されるまでの間に、該基板に対し、間欠的に光を照射し、半田材の劣化度の検査を行っている。以下、図1乃至3を参照して詳細に説明する。

0066

図1は、本発明の半田材検査装置の構成を説明するための概略構成図、図2は、そのブロック図、図3は、光源の発光パターンを示す概念図である。

0067

本発明の半田材検査装置1は、移動部10、赤外分光計測部20、記憶部30、入力部40、制御部50、半田劣化算出部60、出力部70からなる。

0068

移動部10は、Xステージ11と、Yステージ12とからなる。Xステージ11は、図中X軸方向に進退可能に構成されており、クリーム半田3が印刷された基板2が、位置決めマーカ原点(0、0)を基準として位置決め載置されている。Yステージ12は、このXステージ11の上方に配設されるとともに、下記赤外分光計測部20を吊り下げた状態に設けており、該赤外分光計測部20は、図中Y軸方向に進退可能に構成されている。

0069

赤外分光計測部20は、光源21と強度検出部22とからなる。光源21は、基板2に印刷されたクリーム半田3に光を照射するランプであり、例えば、セラミック光源が使用される。本実施例においては、この光源21から発せられた光は、基板2に印刷されたクリーム半田3にのみ照射されるように構成されており、後述するような方法で、制御部50により制御され間欠的に照射されるようになっている。また、光源21を上記クリーム半田3にのみ照射する方法としては他の方法も考えられる。例えば、光源21は連続的に光を照射させ、この光源21の光を遮光可能な図示しない開閉シャッター等からなる遮光手段を設け、この開閉シャッターの開閉を制御部50により制御させ、開のときは光が照射され、閉のときは光が遮光されるようにすれば、結果としてクリーム半田3にのみ光が照射されることとなる。

0070

この光源21の発光パターンについて図3を参照して説明すると、図3(a)は、図1の計測対象エリアA部分を拡大したものであり、(b)は、光源21の発光パターンのON−OFF状態を示した概念図である。図3(a)に示すように、計測対象エリアAに対し、クリーム半田3−1上から順にクリーム半田3−7上まで光源21を走査する。すると、光源21がクリーム半田3−1上に位置するときは、光源21は、(b)に示すように状態L1(ON状態)となりクリーム半田3に光が照射された状態となる。他方、光源21が、クリーム半田3−1上とクリーム半田3−2上との間に位置するときは、光源21は、(b)に示すように状態L2状態(OFF状態)となり、光はクリーム半田3に照射されない。なお、この光源21による光の照射は、基板2に電子部品等が搭載される前に行うのが望ましい。

0071

他方、強度検出部22は、赤外線センサであり、入射する赤外線の強度を検出するとともに、検出した赤外線の強度を示すアナログ信号受光信号)を生成し、このアナログ信号を記憶部30に送信するよう構成されている。この強度検出部22の例としては、例えば、焦電素子サーモパイルなどの熱型素子あるいはMCT(光導電素子、HgCdTe)などの量子型素子による赤外線センサが挙げられる。

0072

記憶部30は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Read Acces Memory)等からなり、基板2若しくはメタルマスクのCADデータ、照明発光パターン、計測対象エリアA等を記憶可能に構成されている。このCADデータは、計測対象エリアAの指定および光源21の発光タイミングを特定するのに利用されている。例えば、このCADデータの中には、基板2とメタルマスクの位置合わせの際に利用される位置決めマークP0を基準点として、メタルマスクの開口部の位置座標および寸法等が入力されている。線、点の座標とそれらの寸法とその形状で構成されたCADシステムで利用されるガーバデータなどが記憶されていてもよい。

0073

入力部40は、キーボードマウスあるいはタッチパネル等からなる。基板2に印刷されたクリーム半田3をすべて検査するのではなく、クリーム半田3の劣化度を検査する者において、計測対象エリアAを任意に選択して計測する場合に、計測対象エリアAを入力可能に構成されている。
この入力の仕方としては、例えば、ディスプレイ等の表示手段に基板2におけるクリーム半田3の印刷箇所を表示させ、当該箇所のうちからマウスのドラッグ操作により計測対象箇所範囲選択すると当該箇所が計測対象エリアAとして指定されるように構成する方法が考えられる。その他にも、計測対象エリアAの選択の仕方としては、キーボード等により座標を入力することにより行うなど、種々の方法が考えられる。

0074

制御部50は、移動部10の移動の制御、記憶部30からの情報の読み出し、光源21の発光制御等、全体を統括制御するよう構成されており、例えば、プログラムブルコトローラ等のハード構成や制御プログラム等のソフト構成のいずれで構成されていてもよい。

0075

半田劣化算出部60は、赤外分光計測部20の強度検出部22から送られてくるアナログ信号を処理し、検査対象のクリーム半田の劣化度を算出し、その算出結果を記憶部30に送信するように構成されている。例えば、このアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog to Digital)コンバータと、該デジタル信号に基づいてデータ処理を行うコンピュータによって構成されている。

0076

出力部70は、制御部50から送られてくる画像データに基づいて画像を表示する表示パネルあるいは計測結果を外部に出力する通信装置である。

0077

次に、本実施例の半田材検査装置の動作について、図4および図5を参照しながら説明する。図4は、本発明の半田材検査装置における光源の発光パターンおよび計測対象エリアAの設定時のシーケンス図であり、図5は、本発明の半田材検査装置の稼働時のシーケンス図である。

0078

始めに、図4を参照しながら、光源の照明発光パターンおよび計測対象エリアの設定時の動作について説明する。

0079

まず、検査する者が入力部10により計測対象エリアAを入力すると(S400)、この入力された計測対象エリアAに関する情報(以下「エリア情報」と言う)が制御部50に送信されるとともに(S401)、制御部50は、記憶部30に記憶されたメタルマスクのCADデータを読み込む(S401)。次に、制御部50は、この読み込んだCADデータと入力されたエリア情報から照明発光パターンを計算するとともに(S402)、この計算により算出された照明発光パターンとエリア情報を記憶部30に書き込み(S403)、照明発光パターンおよび計測対象エリアAの設定が終了する。例えば、この発光パターンは次のようにして算出可能である。移動部10のXステージ11、Yステージ12の移動速度を一定にしておけば、計測対象エリアA内のクリーム半田3の位置および寸法はエリア情報に予め記憶されているので、このエリア情報から移動部10の移動距離は認識可能である。よって、上記移動速度および該移動距離より、移動部10が図3中の各クリーム半田3−1、3−2、・・・上を移動するのに要する時間は容易に算出可能なので、この移動に要する時間を、間欠的に照射する光源21の1回の照射時間とすればよい。

0080

次に、図5を参照しながら、上記設定後の本発明の半田材検査装置の稼働時の動作について説明する。

0081

まず、制御部50は上記設定動作により記憶部30に書き込まれた照明発光パターンとエリア情報とを読み出す(S500)。この読み出し処理は、例えば、図示しない検査開始タンを設け、検査する者において、該検査開始ボタンを操作することにより開始されるようにしておく構成が考えられる。その他にも、設定時の処理が開始されると、この処理と連続して該稼働時の処理が行われるようにすることも可能である。

0082

次に、制御部50は移動部10に対し計測開始位置P1(X0、Y0)への移動指示信号を出し(S501)、該移動指示信号を受けた移動部10は、赤外分光計測部20が計測開始位置P1(X0、Y0)上に位置するようXステージ11、Yステージ12を移動させる(S502)。この移動部10の移動処理としては、例えば、移動部10のXステージ11の移動原点およびYステージ12の移動原点を赤外分光計測部20が位置決めマーカP0(0、0)上に配置される位置と予め設定しておき、赤外分光計測部20が位置決めマーカP0(0、0)上に位置するようXステージ11、Yステージ12を移動させ移動原点の位置決めを行う。エリア情報には、この位置決めマーカP0(0、0)を原点とした位置および寸法、形状等が入っているので、このエリア情報に基づき、移動部10は移動する。なお、この移動原点の位置決めの際に、図示しないカメラ等をYステージ12に設けておき、該カメラにより基板2上の位置決めマーカP0を認識可能としておけば、Xステージ11上の基板2のずれを補正するようにするとよい。

0083

次に、制御部50は、光源21に記憶部30から読み出した照明発光パターンに基づいて光源21に対し発光指示を出すとともに、移動部10に対し、赤外分光計測部20が計測対象エリアA上を走査するよう移動指示を出す(S503)。すると、該移動指示を受けて移動部10は、計測対象エリアA上を移動開始するとともに(S504)、光源21は上記照明発光パターンに基づき、上記走査の間、間欠的に発光することになり、その結果、基板2に印刷されたクリーム半田3にのみ光が照射されることとなる(S505)。他方、光源21によりクリーム半田3に光が照射されると、該クリーム半田3からは反射光としての赤外線が発せられるが、該赤外線の強度(検査対象強度)は強度検出部22により検出されるとともに(S505)、該検出されたデータは、記憶部30に送信され、計測データとして連続的に記憶部30に書き込まれる(S506)。

0084

赤外分光計測部20による上記走査が終了すると(S507)、制御部50は、記憶部30に書き込まれた上記計測データ(検査対象強度)と、予め記憶されていた比較対象の比較対象強度とを記憶部30から読み出し、該読み出したデータを半田劣化算出部60に送信する(S508、S509)。

0085

半田劣化算出部60では、これらデータに基づいて後述するような方法で、計測対象エリアA内のクリーム半田3の劣化度の算出を行い(S510)、その算出されたクリーム半田3の劣化度を示す劣化度データを記憶部30に送信する。該送信された劣化度データは記憶部30に書き込まれるとともに(S511)、制御部50により読み出され、該読み出された劣化度データは加工され出力部70により出力される(S512)。

0086

本発明においては、赤外線分光法を用いて以下のような方法により、クリーム半田の劣化度の分析を行っている。以下種々の実施例を交えて説明する。

0087

クリーム半田を使用し続け、また、クリーム半田を外気にさらし続けると、クリーム半田においては、含有金属が酸化し、含有カルボン酸がカルボン酸塩に変化する。つまり、クリーム半田を使用し、または、外気にさらし続けると、該クリーム半田においては、含有金属酸化物が増加し、含有カルボン酸が減少し、含有カルボン酸塩が増加することとなる。

0088

この金属酸化物の増加によって、クリーム半田の酸化度が高くなり、このカルボン酸塩の増加によってクリーム半田の粘度が高くなり、カルボン酸の含有量の減少によってクリーム半田の還元力が低下するという現象が生じる。このような現象をクリーム半田の劣化という。

0089

したがって、検査対象のクリーム半田において、金属酸化物の含有度、カルボン酸の含有度、カルボン酸塩の含有度の少なくとも一つを分析できれば、該クリーム半田の粘度、酸化度、還元力の少なくとも1つを検査することができ、ひいてはクリーム半田の劣化度を検査できる。

0090

一方、金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の各々は、各々において特定されている特定波数帯域の赤外線を吸収することが知られている。

0091

そこで、以下の工程の組み合わせを実施することにより、クリーム半田の劣化度の分析を実現することとする。まず、検査対象のクリーム半田に光を照射することによって該検査対象のクリーム半田から反射する特定波数の赤外線の検査対象強度を検出する。次に、比較対象のクリーム半田に上記光を照射することによって該比較対象のクリーム半田を反射する上記特定波数の赤外線の比較対象強度を検出する。そして、上記検出された各強度に基づき、上記比較対象に対する上記検査対象のクリーム半田の劣化度を相対的に検査する。なお、検査対象強度の検出と比較対象強度の検出とは、実施順序が逆になってもよいし、同時に行ってもよい。また、比較対象強度は予め検出しておき、図示しない記憶手段に記憶しておくことも可能である。

0092

以上のようにすれば、検査対象のクリーム半田から反射する赤外線の特定波数の検査対象強度と、比較対象のクリーム半田から反射する赤外線の特定波数の比較対象強度とを検出できる。

0093

ここで、上述したように、金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の各々は、各々において特定されている特定波数帯域の赤外線を吸収する。したがって、クリーム半田における金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の含有度に応じて、クリーム半田における特定波数の赤外線の吸収量は変化し、クリーム半田を反射する特定波数の赤外線の強度は変化する。

0094

したがって、上記方法により検出した検査対象強度および比較対象強度に基づけば、比較対象のクリーム半田に対して、検査対象のクリーム半田における金属酸化物の含有度、カルボン酸の含有度、カルボン酸塩の含有度の少なくとも1つを相対的に分析できる。それゆえ、比較対象のクリーム半田に対して、検査対象のクリーム半田の劣化度を相対的に検査できる。

0095

なお、この検査の仕方として、(a)上記検査対象強度と上記比較対象強度との差分を求める手順、(b)上記検査対象強度と上記比較対象強度との比を求める手順、(c)上記検査対象強度から、検査対象のクリーム半田における上記特定波数の第1赤外線吸光度を求め、上記比較対象強度から、比較対象のクリーム半田における上記特定波数の第2赤外線吸光度とを求め、上記第1赤外線吸光度と上記第2赤外線吸光度との差分を求める手順、(d)上記第1赤外線吸光度と上記第2赤外線吸光度との比を求める手順、が挙げられる。

0096

上記差分または上記比は、比較対象のクリーム半田と検査対象のクリーム半田との間における上記特定波数の赤外線吸収量の相違度を示すパラメータである。それゆえ、これらパラメータを求めることにより、比較対象のクリーム半田と検査対象のクリーム半田との間における金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の含有度の相違を分析でき、比較対象のクリーム半田に対して、検査対象のクリーム半田の粘度、酸化度、還元力を相対的に検査することができ、検査対象のクリーム半田の劣化度(粘度、酸化度、還元力)を相対的に検査できるのである。

0097

なお、上記検査工程において、このような差分や比を求めるのではなく、本実施形態に係る本発明の実施者が、上記検出された各強度や吸光度を単に対比するだけでも、上記比較対象に対する上記検査対象のクリーム半田の劣化度を相対的に判定することが可能である。

0098

また、上記検査対象および上記比較対象として、各々異なるクリーム半田を使用してもよいし、各々同一のクリーム半田を使用してもよい。

0099

なお、上記「各々同一のクリーム半田を使用」とは、例えば、新品状態のクリーム半田aを比較対象とし、使用後(基板の印刷工程における使用後)の状態の当該クリーム半田aを検査対象とするような場合である。また、基板の印刷工程における印刷回数が100回のクリーム半田bを比較対象とし、上記印刷回数が200回の当該クリーム半田bを検査対象としてもよい。

0100

次に、以上示したクリーム半田の劣化度の分析法の一実施例を説明する。

0101

まず、本実施例において検査対象となるクリーム半田について説明する。本実施例では、図7に示す各物質を含有成分とするクリーム半田を検査に用いた。同図に示すように、本実施例のクリーム半田は、80〜90%の錫と、1〜3%の銀と、1%未満の銅と、2〜4%のジエチレングリコールモノヘキシルエーテルと、1%未満の2−エチレンー1、3−ヘキサンジオールと、4〜6%のロジンと、を含んでいる。

0102

なお、クリーム半田の主成分は錫(Sn)または鉛(Pb)等の金属であるが、本実施例のクリーム半田では、図7に示すように、この金属として錫が用いられている。また、クリーム半田において還元力をもたらす主成分であるカルボン酸として、本実施例のクリーム半田では、図7に示すように、ロジン(C19H29COOH)が用いられている。

0103

本実施例では、図7に示すクリーム半田であって、新品の状態の当該クリーム半田を比較対象とし、基板の印刷工程において使用された後の当該クリーム半田を検査対象とした。なお、以下では、比較対象のクリーム半田を単に「比較対象」とし、検査対象のクリーム半田を単に「検査対象」とよぶことがある。

0104

ここで、この比較対象および検査対象に対して、各々同一強度の赤外線を照射し、比較対象を反射する赤外線における500cm−1〜3000cm−1の帯域の強度(比較対象強度)を検出し、検査対象を反射する赤外線における500cm−1〜3000cm−1の帯域の強度(検査対象強度)を検出した。

0105

さらに、本実施例では、各波数について、比較対象の赤外線の吸光度(第2赤外線吸光度)と、検査対象の赤外線の吸光度(第1赤外線吸光度)とを算出した。なお、上記吸光度は、波数hに対応するブランク値(照射した赤外線の波数hにおける強度)をBLとし、比較対象から反射する赤外線の波数hにおける強度をAとし、検査対象から反射する赤外線の波数hにおける強度をBとして、
比較対象の赤外線の吸光度(波数hに対応する吸光度)A′=—log(A/BL)・・・(1)
検査対象の赤外線の吸光度(波数hに対応する吸光度)B′=—log(B/BL)・・・(2)
を、波数毎に演算することによって求めることができる。

0106

図6は、算出した吸光度を示すスペクトルチャートである。なお、同図における横軸は赤外線の波数(Wave Number)を示し、縦軸は赤外線の吸光度を示す。

0107

同図に示すように、比較対象の赤外線の吸光度と、検査対象の赤外線の吸光度とでは、相違があることが観測される。

0108

次に、この相違について検討した。具体的には、上記(1)、(2)で求めた、各波数に対応するA′とB′とについて、(11)式のようにして差分を演算した。なお、この差分を、以下では「吸光度差」とする。
吸光度差=B′−A′・・・(11)
つまり、ここでの吸光度差とは、検査対象の赤外線吸光度から比較対象の赤外線吸光度を差し引いて得られるものであり、検査対象の赤外線吸光度と比較対象の赤外線吸光度との差分を示したものである。

0109

図8は、赤外線の波数と、該波数に対応する吸光度差との関係を示したチャートである。つまり、図8のチャートは、図6のチャートに示される検査対象の吸光度から比較対象の吸光度を差し引いた吸光度差を示したものである。

0110

図8から、比較対象と検査対象とでは、600cm−1付近、1300cm−1付近、1600cm−1付近、1700cm−1付近の吸光度において、大きな差があることがわかる。

0111

具体的には、600cm−1付近、1300cm−1付近、1600cm−1において、検査対象の赤外線吸光度は、比較対象の赤外線吸光度よりも高くなっていることがわかる。また、1700cm−1付近において、検査対象の赤外線吸光度は、比較対象の赤外線吸光度よりも低くなっていることがわかる。

0112

ここで、赤外線スペクトルチャートにおいて、600cm−1付近で観測される吸収は、金属酸化物における酸素金属結合振動によるものであることが知られている。また、1300cm−1付近で観測される吸収は、カルボン酸塩の対称伸縮振動によるものであり、1600cm−1付近で観測される吸収は、カルボン酸塩における逆対称伸縮振動によるものであることが知られている。さらに、1700cm−1付近で観測される吸収は、カルボン酸における二重結合の伸縮振動による吸収を示すものであることが知られている。

0113

したがって、600cm−1付近において、検査対象の方が、比較対象よりも、赤外線吸光度が高くなっていることから、検査対象においては、比較対象よりも金属酸化物が多量に含まれており、比較対象よりも酸化度が高いことがわかる。

0114

また、1300cm−1付近および1600cm−1付近において、検査対象の方が、比較対象よりも、赤外線吸光度が高くなっていることから、検査対象においては、比較対象よりもカルボン酸塩が多量に含まれており、比較対象よりも粘度が高いことがわかる。

0115

さらに、1700cm−1付近において、検査対象の方が、比較対象よりも、赤外線吸光度が低くなっていることから、検査対象においては、比較対象よりもカルボン酸が少なく、比較対象よりも還元力が低いことがわかる。

0116

このように、本実施例では、赤外線スペクトルの各波数について、検査対象のクリーム半田を反射する赤外線の強度(検査対象強度)と、比較対象のクリーム半田を反射する赤外線の強度(比較対象強度)とから、検査対象のクリーム半田における赤外線の吸光度(第1赤外線吸光度)と、比較対象のクリーム半田における赤外線の吸光度(第2赤外線吸光度)とを求めている。

0117

そして、赤外線スペクトルの各波数について、検査対象のクリーム半田の吸光度から比較対象のクリーム半田の吸光度を差し引いた吸光度差を求めている。ここで、600cm−1付近、1300cm−1、1600cm−1、1700cm−1付近における上記吸光度差を参照すれば、比較対象に対する、検査対象のクリーム半田に含まれる金属酸化物の含有度、カルボン酸の含有度、カルボン酸塩の含有度を相対的に把握することができる。

0118

そして、この金属酸化物の含有度から、検査対象のクリーム半田の酸化度を相対的に把握でき、カルボン酸の含有度から、検査対象のクリーム半田の還元力を相対的に把握でき、カルボン酸塩の含有度から、検査対象のクリーム半田の粘度を相対的に把握できる。

0119

次に、新品の状態のクリーム半田を比較対象とし、基板の印刷工程における印刷回数が200回、400回、600回、800回、1000回、1200回の各クリーム半田を検査対象として、本実施例で示した方法によって分析した結果を図9(a)に示す。

0120

図9(a)は、赤外線の波数と、各波数に対応する検査対象のクリーム半田の吸光度から比較対象のクリーム半田の吸光度を差し引いて得られる吸光度差との関係を、検査対象毎に示したチャートである。なお、横軸は赤外線の波数を示し、縦軸は、比較対象のクリーム半田の吸光度と検査対象のクリーム半田の吸光度との差である吸光度差を示す。

0121

図9(a)から、クリーム半田の印刷回数が増加する程、1300cm−1付近および1600cm−1付近の吸光度は高くなり、1700cm−1付近の吸光度は減少していることがわかる。これにより、印刷回数が増加する程、クリーム半田においてカルボン酸が減少し、カルボン酸塩が増加していることがわかる。そして、このカルボン酸塩の増加という結果から、印刷回数が増加する程、クリーム半田の粘度が上昇することを分析できる。

0122

実際、各検査対象について粘度を測定したところ、図9(b)に示すように、クリーム半田の印刷回数とクリーム半田の粘度とは正の相関関係があることが確認された。また、クリーム半田の1600cm−1付近の赤外線の吸光度とクリーム半田の粘度とは正の相関関係があり、クリーム半田の1700cm−1付近の赤外線の吸光度とクリーム半田の粘度とは負の相関関係があることも確認された。このような関係が成立するのは、クリーム半田の印刷回数が増加するほど、クリーム半田に含有されるカルボン酸が減少して1700cm−1付近の赤外線の吸収が少なくなり、クリーム半田に含有されるカルボン酸塩が増加して1600cm−1付近の赤外線の吸収が大きくなり、さらにカルボン酸塩の増加に応じて粘度が高くなるからである。

0123

なお、以上示した実施例によれば、検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度と比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度とを算出しているが、吸光度を算出しなくても、検査対象のクリーム半田に含まれる金属酸化物の含有度、カルボン酸の含有度、カルボン酸塩の含有度を相対的に把握できる。具体的には、500cm〜3000cm−1の各波数について、検査対象のクリーム半田を反射する赤外線の強度と、比較対象のクリーム半田を反射する赤外線の強度とを検出する。そして、各波数において、検出した各強度に対して(21)式の演算を行う。
強度差=B−A・・・(21)
A:比較対象から反射する赤外線の強度
B:検査対象から反射する赤外線の強度
ここで、「強度差」とは、検査対象において検出された赤外線の強度から比較対象において検出された赤外線の強度を差し引いたものであり、検査対象において検出された赤外線の強度と比較対象において検出された赤外線の強度との差分である。

0124

ここで、600cm−1、1300cm−1、1600cm−1、1700cm−1についての上記強度差を参照すれば、比較対象に対する検査対象の金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の赤外線吸収量の差異を把握できる。それゆえ、比較対象に対して、検査対象のクリーム半田に含まれる金属酸化物の含有度、カルボン酸の含有度、カルボン酸塩の含有度を相対的に把握することができる。

0125

また、上記の吸光度差や強度差ではなく、各吸光度の比や各強度の比によっても、比較対象と検査対象とにおける赤外線吸光度の相違を把握でき、検査対象のクリーム半田に含まれる金属酸化物の含有度、カルボン酸の含有度、カルボン酸塩の相対的含有度を把握できる。

0126

例えば、各波数毎に、検査対象において検出された赤外線の強度と比較対象において検出された赤外線の強度との比である強度比を、以下の演算により求めてもよい。
強度比=B/A・・・(31)
また、例えば、各波数毎に、検査対象における赤外線の吸光度と比較対象における赤外線の吸光度との比である吸光度比を、以下の演算により求めてもよい。なお、吸光度の算出方法については、(1)、(2)式と同様である。
吸光度比=B′/A・・・(41)
A′:比較対象の赤外線の吸光度
B′:検査対象の赤外線の吸光度
なお、以上示した実施例によれば、比較対象および検査対象のクリーム半田について、500〜3000cm−1に渡って、各波数毎に、赤外線の強度を検出し、赤外線の吸光度および上記吸光度差、上記吸光度比、上記強度差、または上記強度比を算出することとなるが、特定波数の赤外線のみについて上記強度を検出し、該特定波数の吸光度、吸光度差、強度比または上記強度差、強度比を算出する手順であってもよい。ここで、特定波数とは、金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩のうち少なくとも1つの赤外線吸収が認められる波数であり、本実施例では、600cm−1、1300cm−1、1600cm−1、1700cm−1のうちの少なくとも1つである。

0127

また、投光部15から照射される光の強度にはムラがあり、比較対象と検査対象とについて、各々同一投光部15を用いて赤外線を照射したとしても、各々異なるタイミングで赤外線を照射すれば、比較対象に照射される赤外線の強度と検査対象に照射される赤外線の強度とで若干の相違が生じる。そして、この相違が、検出される、クリーム半田を反射する赤外線の強度に悪影響を及ぼすことがある。

0128

そこで、特定波数における上記の強度差、強度比、吸光度差、吸光度比を求めるにあたって補正を行うことが好ましい。以下、上記強度差を補正した補正強度差、上記強度比を補正した補正強度比、上記吸光度差を補正した補正吸光度差、上記吸光度比を補正した補正吸光度比を求める手順について説明する。

0129

まず、金属酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩の赤外線吸収が観測される波数帯域以外であって、比較対象と検査対象とで反射赤外線の強度が相違する波数を参照波数とし(例えば、2929cm−1)、クリーム半田検査装置1において設定しておく。

0130

そして、比較対象を反射した赤外線における上記参照波数の強度と、検査対象を反射した赤外線における上記参照波数の強度とを検出する。さらに、比較対象を反射した赤外線における上記特定波数の強度と、検査対象を反射した赤外線における上記特定波数の強度とを検出する。

0131

ここで、比較対象から反射する赤外線における上記参照波数の強度(第4強度)をAref、検査対象から反射する赤外線における上記参照波数の強度(第3強度)をBref、比較対象から反射する赤外線における上記特定波数の強度(比較対象強度)をAtar、検査対象から反射する赤外線における上記特定波数の強度(検査対象強度)をBtarとする。

0132

また、比較対象における上記参照波数の赤外線吸光度(第4赤外線吸光度)をA′ref、検査対象における上記参照波数の赤外線吸光度(第3赤外線吸光度)をB′ref、比較対象における上記特定波数の赤外線吸光度(第2赤外線吸光度)をA′tar、検査対象における上記特定波数の赤外線吸光度(第1赤外線吸光度)をB′tarとする。

0133

なお、各吸光度は、(1)、(2)式と同様の手法によって算出する。つまり、比較対象に照射する赤外線における参照波数に対応する参照波数に対応する強度をBLrefとし、検査対象に照射する赤外線における特定波数に対応する強度をBLtarとし、
A′ref=−log(Aref/BLref)・・・(61)
B′ref=−log(Bref/BLref)・・・(62)
A′tar=−log(Atar/BLtar)・・・(63)
B′tar=−log(Btar/BLtar)・・・(64)
で求めることができる。

0134

以下、補正強度差、補正強度比、補正吸光度差、補正吸光度比は、
補正強度差=(Btar—Bref)—(Atar—Aref)・・・(71)
補正強度比=(Btar—Bref)/(Atar—Aref)・・・(72)
補正吸光度差=(B′tar—B′ref)—(A′tar—A′ref)・・・(73)
補正吸光度比=(B′tar—B′ref)/(A′tar—A′ref)・・・(74)
で求めることができる。

0135

これにより、比較対象に照射される赤外線の強度と検査対象に照射される赤外線の強度とで若干の相違が生じていたとしても、各強度、各吸光度について、上記相違分に対応する参照波数の強度が差し引かれているため、この相違をほぼ解消した補正強度差、補正強度比、補正吸光度差、補正吸光度比を求めることができる。

0136

また、補正強度差、補正強度比、補正吸光度差、補正吸光度比は、
補正強度差=(Btar×Aref/Bref)−Atar・・・(75)
補正強度比=(Btar×Aref/Bref)/Atar・・・(76)
補正吸光度差=(B′tar×A′ref/B′ref)−A′tar・・・(77)
補正吸光度比=(B′tar×A′ref/B′ref)/A′tar・・・(78)
で求めることができる。この方法は、Aref/Bref、またはA′ref/B′refを上記相違分の補正用係数としたものである。

0137

また、上記した各々の特定波数(600cm−1、1300cm−1、1600cm−1、1700cm−1)は、数値変更が可能である。つまり、特定波数は、600cm−1、1300cm−1、1600cm−1、1700cm−1に限定されるものではなく、特定波数としての有効範囲を設定することが可能である。この点について、具体的に説明する。

0138

まず、図9における分析と同様、新品の状態のクリーム半田を比較対象とし、基板の印刷工程における印刷回数が200回、400回、600回、800回、1000回、1200回の各クリーム半田を検査対象として、本実施例で示した方法によって各検査対象に対して上記吸光度差を求めた。この結果を図5図8に示す。なお、図10では、520cm−1〜700cm−1の波数帯域についての上記吸光度差を示し、図11では、1270cm−1〜1430cm−1の波数帯域についての上記吸光度差を示し、図12では、1500cm−1〜1650cm−1の波数帯域についての上記吸光度差を示し、図13では、1665cm−1〜1730cm−1の波数帯域についての上記吸光度差を示す。

0139

クリーム半田に含まれる金属酸化物(二酸化錫)の吸収ピークは600cm−1付近で検出されるが、図10に示すように、520cm−1〜700cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違を区別でき、557cm−1〜613cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違をさらに顕著に観測ができる。したがって、520cm−1〜700cm−1の間の少なくともいずれかの波数を上記特定波数とすれば、各検査対象の金属酸化物の含有度を分析することが可能となる。

0140

また、カルボン酸塩の対称伸縮振動の吸収ピークは1300cm−1付近(厳密には、1323cm−1)で検出されるが、図11に示すように、1270cm−1〜1430cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違を区別でき、1282cm−1〜1382cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違をさらに顕著に観測することができる。したがって、1270cm−1〜1430cm−1の間の少なくともいずれかの波数を上記注目波数とすれば、各検査対象のカルボン酸塩の含有度を分析することが可能となる。

0141

また、カルボン酸塩の逆対称伸縮振動の吸収ピークは1600cm−1付近(厳密には、1590cm−1)で検出されるが、図12に示すように、1500cm−1〜1650cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違を区別でき、1562cm−1〜1624cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違をさらに顕著に観測することができる。したがって、1500cm−1〜1650cm−1の間の少なくともいずれかの波数を上記注目波数とすれば、各検査対象のカルボン酸塩の含有度を分析することが可能となる。

0142

さらに、カルボン酸の炭素—酸素2重結合の吸収ピークは、1700cm−1付近で検出されるが、図13に示すように、1665cm−1〜1730cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違を区別でき、1683cm−1〜1710cm−1に注目すれば、検査対象毎の吸光度差の相違をさらに顕著に観測することができる。したがって、1665cm−1〜1730cm−1の間の少なくともいずれかの波数を上記注目波数とすれば、各検査対象のカルボン酸の含有度を分析することが可能となる。

0143

[実施例2]
実施例2における半田材検査装置においても、印刷が終了しメタルマスクを外した後からリフロー前までの間にクリーム半田の劣化度の検査を行う点、赤外線分光法を使用している点においては、上記実施例1と同様である。しかしながら、本実施例2は、概略すると、上記実施例1のように基板に印刷されたクリーム半田にのみ光を照射するのではなく、基板にもクリーム半田にも、場合によっては基板に搭載された電子部品にも光を照射してその反射光としての赤外線の強度を検出しておき、該強度の中から、クリーム半田のもの(検査対象強度)だけを抽出するように構成されている点で、上記実施例1とは異なる。以下、実施例1と異なる部分のみ詳細に説明し、同様の部分の説明は省略する。

0144

始めに、本実施例の半田材検査装置の構成について図1図14を参照して説明する。図14は、本発明の半田材検査装置の第2実施例を示す機能ブロック図である。

0145

本実施例の半田材検査装置1の概略構成は、上記実施例1と同様、図1に示す通りであるが、図14に示すように、強度抽出手段である信号抽出部80を更に備えている点において上記実施例1とは異なる。

0146

信号抽出部80は、クリーム半田3が印刷された基板2に対し走査しながら光を連続的に照射し、その反射光としての特定波数の赤外線の強度である計測強度から、クリーム半田3からのみ検出される反射光としての特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出するように構成されている。例えば、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。具体的な抽出処理については後述する。

0147

次に、図15を参照して本実施例の半田材検査装置の稼働時における動作について説明する。図15は、該稼働時のシーケンス図である。

0148

まず、検査する者において、入力部40により計測対象エリアAを入力すると、記憶部30にエリア情報が書き込まれる点は上記実施例1と同様である。次に制御部50が記憶部30からエリア情報を読み出し、移動部10に対し移動指示信号を送信し、該移動指示信号を受信した移動部10は、Xステージ11、Yステージ12を移動させ、赤外分光計測部20を計測開始位置P1(X0、Y0)に移動させる(S600〜S603)。これらの動作は、上記実施例1と同様の方法が適用可能である。

0149

次に、制御部50は、光源21に対し発光指示を出すとともに、移動部10に対し、赤外分光計測部20が計測対象エリアA上を走査するよう移動指示を出す(S603)。すると、赤外分光計測部20は、光を連続的に発光しながら、計測対象エリアAを走査する(S604)。他方、光源21により計測対象エリアAに対し光が照射されると、その反射光としての赤外線の強度が強度検出部22により検出されるとともに(S605)、該検出されたデータは、記憶部30に送信され、計測データとして連続的に記憶部30に書き込まれ(S606)、計測対象エリアA内の走査が終了すると、移動部10は移動を終了する(S607)。なお、本実施例では、上記実施例1とは異なり、光源21は連続的に発光しており、計測対象エリアA内のクリーム半田3だけでなく、基板2に対しても光が照射されることとなる。なお、後述する信号抽出処理によっては、該計測対象エリアA内に電子部品が搭載されていても、クリーム半田3からの反射光としての特定波数の赤外線の強度(検査対象強度)のみを抽出することが可能である。

0150

次に、制御部50は、上記検査対象強度を抽出する強度検出手段として機能し、信号抽出処理を開始するが、この信号抽出処理としては、以下のようなものがある。

0151

[信号抽出処理の第1実施例]
基板に対し光を照射し、該基板から反射してくる特定波数の赤外線の強度を検出しておき、該強度を基板強度として記憶部30に予め記憶しておく。基板に対して光を照射したときに、その反射してくる特定波数の赤外線の強度がどのようなパターンとなるのかを示す基準データを取るためである。そして、上記計測強度から記憶部30に記憶されている上記基板強度との差分を取ることにより上記検査対象強度を抽出する。

0152

[信号抽出処理の第2実施例]
クリーム半田に対し光を照射し、該クリーム半田から反射してくる特定波数の赤外線の強度を検出しておき、該強度を半田強度として記憶部30に予め記憶しておく。クリーム半田に対して光を照射したときに、その反射してくる特定波数の赤外線の強度がどのようなパターンとなるのかを示す基準データを取るためである。そして、記憶部30に記憶されている上記半田強度と上記計測強度の信号の増減パターンを比較することにより上記検査対象強度を抽出する。この抽出法を概念的に示したのが図16である。D1は、この基準データとなる半田強度を示し、D2は、上記計測強度のうちのクリーム半田に相当する部分、D3は、計測強度のうち基板あるいは部品に相当する部分である。この棒グラフの1要素は、上記特定波数の光強度、あるいは上記参照波数の光強度で正規化された値である。ここでは、特定波数の光強度、1665cm−1〜1730cm−1(a1)、1500cm−1〜1650cm−1(a2)、1270cm−1〜1430cm−1(a3)、520cm−1〜700cm−1(a4)を、参照波数の光強度1100cm−1〜1200cm−1(b)で除算して正規化しており、図中左からa1/b、a2/b、a3/b、a4/bという値である。図中D1にあるように基準半田データでは、信号の増減パターンが−+−で変移しており、計測データ中のD2も信号の増減パターンが−+−で変移している。従って、D2は、半田強度を示す信号だと認識される。なお、基準データをとるためのクリーム半田は、新品のクリーム半田でもよいが、上記比較対象のクリーム半田とすれば、上記比較対象強度を利用することが出来るので好適である。この方法によれば、基板2上に電子部品等が存在していても上記検査対象強度の抽出が可能であり、リフロー直前に検査することができるので、より計測精度を向上可能となる。また、基板自身の劣化による影響も受けることなく、上記検査対象強度の抽出が可能である。

0153

[信号抽出処理の第3実施例]
まず、強度検出部22により、光源21からの光の照射によってクリーム半田3が印刷された基板2から反射してくる赤外線の強度である全計測強度を検出する。この全計測強度には、クリーム半田3からのものだけでなく、基板2からのものも含まれている。次に、信号抽出部80により、該強度検出部22で検出された上記全計測強度のうち、特定波数以外の波数である参照波数の赤外線の強度と所定の閾値とを比較し、該閾値以下であれば半田強度とするとともに、該半田強度から特定波数の赤外線の検査対象強度を抽出する。基板反射輝度に比べて半田材反射輝度が極端に低いため、当該方法によっても上記検査対象強度の抽出は可能である。この閾値は、例えば、クリーム半田の参照波数の反射光の強度と、基板の参照波数の反射光の強度とを計測し、該クリーム半田の反射光の強度と該基板の反射光の強度を区別できる値として予め求めておき、予め記憶部30に設定しておけばよい。

0154

なお、その他にも、検査対象強度を抽出する方法として、上記参照波数の反射光の強度の代わりに特定波数の反射光の強度の総和にして、同様に閾値を実験等により求めてこの閾値により同様にクリーム半田の反射光の強度を抽出してもよい。また、上記参照波数の反射光の強度の代わりに上記全計測強度の平均値を利用して、上記同様に閾値を実験等により求めてこの閾値により同様にクリーム半田の反射光の強度を抽出してもよい。

0155

上記信号抽出処理が終了すると、該抽出された抽出データ(検査対象強度)が記憶部30に送信され、記憶部30は該抽出データを書き込む(S611)。これ以降の処理(S612〜S616)は、図5に示すS508〜S512の処理と同様である。

0156

なお、半田劣化算出処理の際には、図17のようにして行ってもよい。図17は、比較対象のクリーム半田の上記検査対象強度(D11)と、検査対象のクリーム半田の上記比較対象強度(D2)との差分(D31)から半田劣化度を求める際の概念図を示したものであり、D11—D2から差分D31を求め、その求められた差分D3を各信号差絶対値総和として示している。なお、それぞれの棒グラフの要素は、上記したようにして正規化された値となっている。このように絶対値総和として示せば、クリーム半田の劣化度の程度が一見して分かる。

図面の簡単な説明

0157

本発明の半田材検査装置の構成を説明するための概略構成図。
本発明の半田材検査装置の第1実施例を示す機能ブロック図。
本発明の半田材検査装置の第1実施例を示す概念図。
本発明の半田材検査装置の第1実施例を示す設定時のシーケンス図。
本発明の半田材検査装置の第1実施例を示す稼働時のシーケンス図。
検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度と比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度とを示すスペクトルチャート。
検査対象のクリーム半田の含有成分および含有割合(重量%)を示す表。
図6に示す検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度から比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度を差し引いて得られた吸光度差を示すチャート。
複数の検査対象について、(a)は、各検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度から比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度を差し引いて得られた吸光度差を検査対象毎に示したチャート、(b)は、印刷回数、粘度、所定回数の赤外線の吸光度を示した表。
複数の検査対象について、各検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度から比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度を差し引いて得られた吸光度差を検査対象毎に示したチャートであり、520cm−1〜700cm−1の波数帯域についてのチャート。
複数の検査対象について、各検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度から比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度を差し引いて得られた吸光度差を検査対象毎に示したチャートであり、1270cm−1〜1420cm−1の波数帯域についてのチャート。
複数の検査対象について、各検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度から比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度を差し引いて得られた吸光度差を検査対象毎に示したチャートであり、1500cm−1〜1650cm−1の波数帯域についてのチャート。
複数の検査対象について、各検査対象のクリーム半田の赤外線吸光度から比較対象のクリーム半田の赤外線吸光度を差し引いて得られた吸光度差を検査対象毎に示したチャートであり、1665cm−1〜1725cm−1の波数帯域についてのチャート。
本発明の半田材検査装置の第2実施例を示す機能ブロック図。
本発明の半田材検査装置の第2実施例を示す稼働時のシーケンス図。
信号抽出処理の概念図。
半田劣化算出処理の概念図。

符号の説明

0158

1半田材検査装置
2基板
3クリーム半田
10 移動部
11 Xステージ
12 Yステージ
20赤外分光計測部
21光源
22強度検出部
30 記憶部
40 入力部
50 制御部
60半田劣化算出部
70 出力部
80信号抽出部

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