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技術 導電性ポリマー組成物およびそれを用いた電子写真機器用導電性部材

出願人 住友理工株式会社
発明者 飯沼角王吉川均杉浦博樹
出願日 2005年11月22日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2005-337619
公開日 2007年6月7日 (12年6ヶ月経過) 公開番号 2007-138113
状態 未査定
技術分野 電子写真一般。全体構成、要素 電子写真における帯電・転写・分離 高分子組成物 導電材料
主要キーワード 円形ドラム SUS棒 スルホン酸塩構造 アルコキシル置換 中間層用材料 例示樹脂 アルキルカルボン酸基 三酸化硫黄ガス
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年6月7日)のものです。
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課題

耐酸化劣化性に優れた導電性ポリマー組成物およびそれを用いた電子写真機器用導電性部材を提供する。

解決手段

下記の(A)成分および(B)成分を必須成分とし、かつ、下記の(C)成分および(D)成分の少なくとも一方を含有する導電性ポリマー組成物である。(A)π電子共役系ポリマー。(B)分子構造中にアゾ基を有する化合物。(C)分子構造中にスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するスルホン酸化合物からなるか、もしくはその化合物を含有するスルホン酸組成物からなるスルホン酸系材料。(D)2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン

概要

背景

一般に、現像ロール等の電子写真機器部材に用いられる導電性組成物は、好適に使用するためには電気抵抗の制御が必須である。そのため、従来は、樹脂ゴム等のバインダーポリマーに、第四級アンモニウム塩等のイオン導電剤や、カーボンブラック等の電子導電剤を配合することにより、電気抵抗の制御を行っていた。

上記導電剤のうち、イオン導電剤は、通常、バインダーポリマーに溶解するため、導電性のばらつきが小さく、また電圧を変化させた時の電気抵抗の変動が小さく、電気抵抗の電圧依存性に優れるという利点がある。しかし、イオン導電剤は水分等の影響を受けやすく、高温高湿と低温低湿の条件下では電気抵抗が2桁以上変動するため、電気抵抗の環境依存性に劣り、電子写真機器部材としての使用には制約が多い。一方、カーボンブラック等の電子導電剤は、水分等の影響を受けにくく、高温高湿と低温低湿の条件下での電気抵抗の変動が小さいため、電気抵抗の環境依存性に優れているという利点がある。しかし、電子導電剤は、一般に、凝集性が強いため、バインダーポリマー中での均一分散が困難であり、したがって、電気抵抗のばらつきが大きく、導電性の制御が困難である。また、比較的均一に分散している場合でも、導電性発現メカニズムが、バインダーポリマー中のカーボン間を、電子高電圧により伝わるトンネル効果もしくはホッピング現象によるものであるため、電圧を変化させた時の電気抵抗の変動が大きく、電気抵抗の電圧依存性に劣る。

これらの問題を解決するため、本発明者らは、界面活性剤構造を有する導電性ポリマーと、バインダーポリマーとを必須成分とし、上記界面活性剤構造を形成するために用いられる界面活性剤が、分子構造中にスルホン酸基を有するとともに、上記バインダーポリマーが、分子構造中に、スルホン酸基およびスルホン酸金属塩構造の少なくとも一方を有する電子写真機器部材用半導電性組成物について、先に特許出願を行っている(特許文献1参照)。
特開2004−184512号公報

概要

耐酸化劣化性に優れた導電性ポリマー組成物およびそれを用いた電子写真機器用導電性部材を提供する。下記の(A)成分および(B)成分を必須成分とし、かつ、下記の(C)成分および(D)成分の少なくとも一方を含有する導電性ポリマー組成物である。(A)π電子共役系ポリマー。(B)分子構造中にアゾ基を有する化合物。(C)分子構造中にスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するスルホン酸化合物からなるか、もしくはその化合物を含有するスルホン酸組成物からなるスルホン酸系材料。(D)2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン。なし

目的

本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐酸化劣化性に優れた導電性ポリマー組成物およびそれを用いた電子写真機器用導電性部材の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

下記の(A)成分および(B)成分を必須成分とし、かつ、下記の(C)成分および(D)成分の少なくとも一方を含有することを特徴とする導電性ポリマー組成物。(A)π電子共役系ポリマー。(B)分子構造中にアゾ基を有する化合物。(C)分子構造中にスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するスルホン酸化合物からなるか、もしくはその化合物を含有するスルホン酸組成物からなるスルホン酸系材料。(D)2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン

請求項2

上記(A)成分のπ電子共役系ポリマーを構成するモノマーが、アニリンピロールチオフェンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載の導電性ポリマー組成物。

請求項3

上記(C)成分のスルホン酸化合物が、下記の(α)である請求項1または2記載の導電性ポリマー組成物。(α)分子構造中にフェニル基およびナフチル基の少なくとも一つを有するスルホン酸化合物。

請求項4

上記(C)成分のスルホン酸系材料が、下記の(a)および(b)の少なくとも一方である請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性ポリマー組成物。(a)少なくとも一つのアルキル置換基を有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩。(b)分子構造中に、炭素数5以上のアルキル基および炭素数5以上のアルコキシル基の少なくとも一方を置換基として有するか、もしくは有しないフェニルエーテルスルホン酸またはその塩。

請求項5

上記(C)成分のスルホン酸化合物が、下記の(β)である請求項1または2記載の導電性ポリマー組成物。(β)スルホン酸基またはスルホン酸塩基を有する非共役系ポリマー

請求項6

上記(α)のスルホン酸化合物とともに、非共役系ポリマーを含有する請求項3または4記載の導電性ポリマー組成物。

請求項7

上記(A)成分のπ電子共役系ポリマーが、上記(C)成分のスルホン酸系材料によってドーピングされている請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性ポリマー組成物。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の導電性ポリマー組成物を、導電性部材の少なくとも一部に用いたことを特徴とする電子写真機器用導電性部材

技術分野

0001

本発明は、導電性ポリマー組成物およびそれを用いた電子写真機器用導電性部材に関するものであり、詳しくは帯電ロール等の電子写真機器部材に用いられる、導電性ポリマー組成物およびそれを用いた電子写真機器用導電性部材に関するものである。

背景技術

0002

一般に、現像ロール等の電子写真機器部材に用いられる導電性組成物は、好適に使用するためには電気抵抗の制御が必須である。そのため、従来は、樹脂ゴム等のバインダーポリマーに、第四級アンモニウム塩等のイオン導電剤や、カーボンブラック等の電子導電剤を配合することにより、電気抵抗の制御を行っていた。

0003

上記導電剤のうち、イオン導電剤は、通常、バインダーポリマーに溶解するため、導電性のばらつきが小さく、また電圧を変化させた時の電気抵抗の変動が小さく、電気抵抗の電圧依存性に優れるという利点がある。しかし、イオン導電剤は水分等の影響を受けやすく、高温高湿と低温低湿の条件下では電気抵抗が2桁以上変動するため、電気抵抗の環境依存性に劣り、電子写真機器部材としての使用には制約が多い。一方、カーボンブラック等の電子導電剤は、水分等の影響を受けにくく、高温高湿と低温低湿の条件下での電気抵抗の変動が小さいため、電気抵抗の環境依存性に優れているという利点がある。しかし、電子導電剤は、一般に、凝集性が強いため、バインダーポリマー中での均一分散が困難であり、したがって、電気抵抗のばらつきが大きく、導電性の制御が困難である。また、比較的均一に分散している場合でも、導電性発現メカニズムが、バインダーポリマー中のカーボン間を、電子高電圧により伝わるトンネル効果もしくはホッピング現象によるものであるため、電圧を変化させた時の電気抵抗の変動が大きく、電気抵抗の電圧依存性に劣る。

0004

これらの問題を解決するため、本発明者らは、界面活性剤構造を有する導電性ポリマーと、バインダーポリマーとを必須成分とし、上記界面活性剤構造を形成するために用いられる界面活性剤が、分子構造中にスルホン酸基を有するとともに、上記バインダーポリマーが、分子構造中に、スルホン酸基およびスルホン酸金属塩構造の少なくとも一方を有する電子写真機器部材用半導電性組成物について、先に特許出願を行っている(特許文献1参照)。
特開2004−184512号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、電子写真機器部材用半導電性組成物についてさらに改良を図るため検討を重ねた結果、導電性ポリマーを用いた半導電性組成物の経時による酸化劣化について改善の余地があることを突き止めた。

0006

本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐酸化劣化性に優れた導電性ポリマー組成物およびそれを用いた電子写真機器用導電性部材の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、下記の(A)成分および(B)成分を必須成分とし、かつ、下記の(C)成分および(D)成分の少なくとも一方を含有する導電性ポリマー組成物を第1の要旨とし、また、上記導電性ポリマー組成物を、導電性部材の少なくとも一部に用いた電子写真機器用導電性部材を第2の要旨とする。
(A)π電子共役系ポリマー
(B)分子構造中にアゾ基を有する化合物
(C)分子構造中にスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するスルホン酸化合物からなるか、もしくはその化合物を含有するスルホン酸組成物からなるスルホン酸系材料
(D)2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン

0008

すなわち、本発明者らは、π電子共役系ポリマー、またはそれを、スルホン酸化合物等でドーピングし導電性ポリマー化したものを中心に研究を重ねた結果、上記経時による酸化劣化は、π電子共役系ポリマー、特に導電性ポリマー化したπ電子共役系ポリマーの酸化劣化に起因することを突き止めた。そして、本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、上記π電子共役系ポリマーとともに、分子構造中にアゾ基を有する化合物を用いると、その化合物による保護作用によってπ電子共役系ポリマー、特に導電性ポリマー化されたπ電子共役系ポリマーの酸化劣化が防がれることを見出し、本発明に到達した。

発明の効果

0009

本発明の導電性ポリマー組成物は、π電子共役系ポリマーまたはそれを、スルホン酸化合物等でドーピングし導電性ポリマー化したものとともに、分子構造中にアゾ基を有する化合物を併用している。そのため、この化合物の保護作用により、上記導電性ポリマーの酸化劣化が防止されるという効果が得られる。

0010

また、上記π電子共役系ポリマーを構成するモノマーが、アニリンピロールチオフェンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つであるときには、重合反応が容易で、かつ、重合された導電性ポリマーは、バインダーポリマーとの相溶性に優れるという効果が得られる。

0011

また、上記スルホン酸化合物(C成分)が、分子構造中にフェニル基およびナフチル基の少なくとも一つを有するものであるときには、導電性ポリマーとの親和性が増し分子レベルで均一に混合するという効果が得られる。

0012

さらに、上記スルホン酸系材料(C成分)が、下記の(a)および(b)の少なくとも一方であるときには、親油性が増し、バインダーポリマーとの相溶性に優れるという効果が得られる。
(a)少なくとも一つのアルキル置換基を有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩。
(b)分子構造中に、炭素数5以上のアルキル基および炭素数5以上のアルコキシル基の少なくとも一方を置換基として有するか、もしくは有しないジフェニルエーテルスルホン酸またはその塩。

0013

さらにまた、上記π電子共役系ポリマー(A成分)が、上記スルホン酸系材料(C成分)によってドーピングされ導電性ポリマー化されているときには、π電子共役系ポリマー(A成分)の電子を引き抜き、π電子共鳴による導電性を与えるという効果が得られる。

0014

そして、本発明の電子写真機器用導電性部材は、上記特殊な導電性ポリマー組成物を導電性部材の少なくとも一部(全部もしくは一部)に用いているため、帯電ロール等の電子写真機器部材の構成層に上記特性を付与することができる。例えば、帯電ロール等の電子写真機器部材の表層に上記特殊な導電性ポリマー組成物を用いた場合には、その表層中のπ電子共役系ポリマー、特に導電性ポリマー化されたπ電子共役系ポリマーの、経時による酸化劣化が防止され、長期にわたって優れた電気特性が発揮されるようになり、鮮明な複写画像を長期間にわたって得ることができるようになる。

発明を実施するための最良の形態

0015

つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。

0016

本発明の導電性ポリマー組成物は、π電子共役系ポリマー(A成分)と、分子構造中にアゾ基を有する化合物(B成分)とを必須成分(構成上必ず含有される成分)とし、かつ、分子構造中にスルホン酸基およびスルホン酸塩基の少なくとも一方を有するスルホン酸化合物からなるか、もしくはその化合物を含有するスルホン酸組成物からなるスルホン酸系材料(C成分)、および2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン(D成分)の少なくとも一方を用いて得ることができる。

0017

本発明では、π電子共役系ポリマー(A成分)それ自体、ないしは、これにスルホン酸系材料をドーピングし導電性ポリマー化したものとともに、分子構造中にアゾ基を有する化合物(B成分)を用いるのであって、これが最大の特徴である。

0018

本発明において、上記π電子共役系ポリマー(A成分)とは、単結合多重結合とが交互に連なったポリマーを意味する。

0019

上記π電子共役系ポリマー(A成分)を構成するモノマーとしては、特に限定はないが、例えば、アニリン、ピロール、チオフェン、o−トルイジンおよびこれらの誘導体があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、これらは、炭素数1〜4のアルキル置換基またはアルコキシル置換基を有していてもよい。このような置換基を有するものは、溶剤への溶解性,バインダーポリマーとなる非共役系ポリマーとの相溶性の点で好ましい。このようなモノマーは、過硫酸アンモニウムAPS)、過酸化水素水過塩素酸塩化第二鉄等の酸化剤の存在下に、水中で酸化重合させる化学酸化重合法によるか、または電解重合法によって高分子化されπ電子共役系ポリマー(A成分)となる。

0020

このπ電子共役系ポリマー(A成分)の数平均分子量(Mn)は、1,000〜100,000の範囲内が好ましく、特に好ましくは3,000〜50,000の範囲内である。

0021

上記π電子共役系ポリマー(A成分)は、それ自体多少の導電性を有するが、必要に応じてその導電性を高めて導電性ポリマー化するために、本発明では、分子構造中にスルホン酸基、スルホン酸塩基を有するスルホン酸化合物からなるか、もしくはその化合物を含有するスルホン酸組成物からなるスルホン酸系材料(C成分),および2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン(D成分)の少なくとも一方をドーパントとして用いる。

0022

上記分子構造中にスルホン酸基(−SO3 H)およびスルホン酸塩基(−SO3 M)の少なくとも一方を有するスルホン酸化合物(C成分)としては、特に限定はないが、分散性等の効果の点から、下記のドーパント(α)が好適に用いられる。
(α)分子構造中にフェニル基およびナフチル基の少なくとも一つを有するスルホン酸化合物。

0023

上記ドーパント(α)としては、例えば、下記の一般式(1)で表わされるものがあげられる。

0024

0025

上記一般式(1)において、Mで表される金属原子としては、例えば、ナトリウムカルシウムバリウム等のアルカリ金属ないしアルカリ土類金属等があげられる。

0026

また、上記一般式(1)において、R1 〜R5 は水素原子,アルキル基,アルコキシル基,アルキルカルボン酸基またはフェニルエーテル基であるが、特にR1 〜R5 のうちの少なくとも一つがアルキル基、フェニルエーテル基であることが効果の点で好ましい。

0027

つぎに、上記スルホン酸化合物を含有するスルホン酸組成物からなるスルホン酸系材料(C成分)としては、特に限定はないが、親油性が増し、バインダーポリマーとの相溶性に優れるという効果が得られる点から、下記のドーパント(a)および(b)の少なくとも一方が好適に用いられる。
(a)少なくとも一つのアルキル置換基を有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩。
(b)分子構造中に、炭素数5以上のアルキル基および炭素数5以上のアルコキシル基の少なくとも一方を置換基として有するか、もしくは有しないフェニルエーテルスルホン酸またはその塩。

0028

上記ドーパント(a)としては、アルキル置換基の炭素数の合計が10〜37であるものが好適に用いられる。アルキル置換基の炭素数が10未満であると、溶解性の点で好ましくなく、逆に37を越えると、導電性の点で好ましくないからである。特にアルキル置換基の炭素数の合計が16〜30であるアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩が好適に用いられる。

0029

上記ドーパント(a)におけるアルキル置換基としては、例えば、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基等があげられる。これらのアルキル置換基は分岐を有していてもよいが、効果の点から、直鎖の方が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。

0030

また、上記アルキルベンゼンスルホン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩カルシウム塩バリウム塩等の金属塩の他、アンモニウム塩ピリジニウム塩等があげられる。これらのなかでも、金属塩が好適に用いられる。

0031

上記ドーパント(a)は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、ベンゼンまたはアルキルベンゼンに、炭素数2〜24のオレフィンフリーデルクラフツ反応によりアルキル置換基化した後、未反応物蒸留して取り除き、ついで三酸化硫黄ガスを一定流速で加えることにより、特定のアルキルベンゼンスルホン酸を得ることができる。また、得られたアルキルベンゼンスルホン酸に、水酸化ナトリウム水酸化カルシウム等を反応させることにより、特定のアルキルベンゼンスルホン酸の塩を得ることができる。また、上記ドーパント(a)は、石油の留分を原料にして、スルホン化することにより得ることもできる。

0032

また、上記ドーパント(b)としては、例えば、下記の式(2)で表されるドデシルフェニルブタデシルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、下記の式(3)で表されるペンタデシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム、下記の一般式(4)で表されるポリフェニルエーテルスルホン酸カリウム、ならびに、ドデシルブタデシルフェニルスルホン酸等があげられる。これらのものは、溶剤への溶解性の点で好適である。

0033

0034

0035

0036

また、本発明においては、上記スルホン酸化合物(C成分)として、前記ドーパント(α)以外に、下記のドーパント(β)が用いられる。
(β)スルホン酸基またはスルホン酸塩基を有する非共役系ポリマー。

0037

上記ドーパント(β)としては、例えば、スルホン酸ナトリウム塩基を有するポリエステルウレタンがあげられる。なお、スルホン酸基またはスルホン酸塩基を有する非共役系ポリマー〔ドーパント(β)〕によりドーピングされたπ電子共役系ポリマー(A成分)を用いる場合は、ドーパント(β)自身がバインダーポリマーの特性を持っているため、バインダーポリマー成分は必須ではない。

0038

また、本発明では、前記C成分に代えて、もしくはC成分とともに、下記の構造式(5)で表される2,3,6,7−テトラシアノ−1,4,5,8−テトラアザナフタレン(D成分)をドーパントとして用いても差し支えない。

0039

0040

上記π電子共役系ポリマー(A成分)を、上記のようなドーパントでドーピングすることは、つぎのようにして行われる。すなわち、π電子共役系ポリマー(A成分)を構成するモノマーと、特定のドーパントとを、酸化剤の存在下に、水中で酸化重合させる等の化学酸化重合法等によってモノマーを重合し、ドーピングされたπ電子共役系ポリマー(導電性ポリマー化品)を得るということによって行うことができる。その他、電解重合法によっても行うことができる。また、π電子共役系ポリマー(A成分)を構成するモノマーを重合した後、ドーピングすることによっても行うことができる。さらに、有機溶剤と水との混合液中で、π電子共役系ポリマー(A成分)を構成するモノマーと、特定のドーパントとを乳化させ、モノマーにドーパントを導入した後、そのモノマーを重合すること等によっても行うことができる。また、π電子共役系ポリマー(A成分)を脱ドープ状態にした後、特定のドーパントにより、ドーピングすることによっても行うことができる。

0041

上記酸化剤としては、特に限定はないが、先に述べたように、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化水素水等の過酸化物、塩化第二鉄等があげられる。

0042

上記π電子共役系ポリマー(A成分)を構成するモノマーと、ドーパントとの混合比は、モル比で、モノマー/ドーパント=1/0.03〜1/3の範囲内が好ましく、特に好ましくはモノマー/ドーパント=1/0.05〜1/2の範囲内である。すなわち、ドーパントのモル比が低くなると、π電子共役系ポリマー(A成分)とドーパントとの相溶性や分散性が低下する傾向がみられ、逆にドーパントのモル比が高くなると、反応性が悪化したり、イオン導電性への寄与効果が強くなりすぎ、導電性ポリマー化品の電子導電性を減らす傾向がみられるからである。

0043

このようにして、得られた、導電性ポリマー化π電子共役系ポリマー(導電性ポリマー化品)における導電性とは、電気抵抗が10-1〜108 Ω・cmの範囲内の導電性領域にあることを言い、好ましくは101 〜105 Ω・cmの範囲内である。

0044

この電気抵抗は、例えばつぎのようにして測定される。すなわち、導電性ポリマー化品をTHF等の溶剤に混合し、超音波処理した後、遠心分離して上澄みを取り出す。そして、この上澄みをアプリケータを用いてSUS板上にキャスティングし、乾燥(例えば、100℃×30分)して塗膜(厚み5μm)を形成する。そして、この塗膜の電気抵抗を、25℃×50%RHの環境下、1Vの電圧を印加し、SRIS 2304に準じて測定する。

0045

上記のように、π電子共役系ポリマー(A成分)をドーピングして得られた導電性ポリマー化品は、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテルアセトンメチルエチルケトン酢酸エチルm−クレゾールN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン等の溶剤に対する溶解性が高くなる。

0046

つぎに、上記π電子共役系ポリマー(A成分)とともに、必要に応じて用いられるバインダーポリマーとしての、非共役系ポリマーについて説明する。この非共役系ポリマーとしては、特に限定はないが、例えば、アクリル系樹脂ウレタン系樹脂フッ素系樹脂ポリイミド系樹脂エポキシ系樹脂ウレア系樹脂ゴム系ポリマー熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、π電子共役系ポリマー(A成分)との相溶性に優れる点で、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系ポリマー、熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。

0047

上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートPMMA)、ポリエチルメタクリレートポリメチルアクリレートポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレートポリヒドロキシメタクリレートアクリルシリコーン系樹脂アクリルフッ素系樹脂、公知のアクリルモノマーを共重合したものや、光架橋用のアクリルオリゴマー等があげられる。これらは、分子構造中に、本発明の(C)成分中の、スルホン酸基やスルホン酸塩構造(スルホン酸塩基、以下同じ)が導入されているものが、前記π電子共役系ポリマー(A成分)との相溶性の点でが好ましい。このようなスルホン酸基導入の方法としては、例えば、スルホン酸基やスルホン酸塩を有するビニルモノマーと、アクリル系樹脂のモノマーとを、ラジカルアニオンまたはカチオン共重合する方法等があげられる。

0048

また、ウレタン系樹脂としては、例えば、エーテル系,エステル系カーボネート系,アクリル系,脂肪族系等のウレタン系樹脂や、それにシリコーン系ポリオールまたはフッ素系ポリオールを共重合させたもの等があげられる。なお、ウレタン系樹脂は、分子構造中にウレア結合またはイミド結合を有するものであってもよい。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが「前記と同様、相溶性向上の理由(以下の例示樹脂についても同じ)」で好ましい。このようなスルホン酸基導入の方法としては、例えば、スルホン酸基を有するジオールモノマーを、ウレタン反応エステル交換反応で導入する方法等があげられる。

0049

また、フッ素系樹脂としては、例えば、ポリビニリデンフルオライドPVDF)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。

0050

また、ポリイミド系樹脂としては、例えば、ポリイミドポリアミドイミド(PAI)、ポリアミック酸シリコーンイミド等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。

0051

また、エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エポキシノボラック樹脂臭素化型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリアミド用型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂アミノ樹脂併用型エポキシ樹脂、アルキッド樹脂併用型エポキシ樹脂等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。

0052

また、ウレア系樹脂としては、分子構造中にウレア結合を有する樹脂であれば特に限定はなく、ウレタンウレアエラストマーメラミン樹脂尿素ホルムアルデヒド樹脂等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。

0053

また、ゴム系ポリマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR(H−NBR)、スチレンブタジエンゴムSBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴムクロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチレン(Cl−PE)、エピクロロヒドリンゴム(ECO,CO)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエンポリマー(EPDM)、フッ素ゴム等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。

0054

また、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体SBS),スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系熱可塑性エラストマーウレタン系熱可塑性エラストマーTPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラストマーフッ素系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、合成プロセスの簡便さ、溶剤との溶解性の点で、TPUが好適に用いられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。

0055

分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩基構造(スルホン酸塩基)を有する場合、非共役系ポリマーにおける、スルホン酸基やスルホン酸塩構造の含有量スルホン酸基量)は、0.001〜1mmol/gの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.01〜0.2mmol/gの範囲内である。すなわち、このスルホン酸基量が0.001mmol/g未満であると、π電子共役系ポリマー(A成分)との相溶性が悪くなる傾向がみられ、逆に1mmol/gを超えると、含水による物性の低下やイオン導電性の発現がみられるからである。

0056

また、上記非共役系ポリマーの数平均分子量(Mn)は、500〜2,000,000の範囲内が好ましく、特に好ましくは2,000〜800,000の範囲内である。

0057

本発明の導電性ポリマー組成物は、上記π電子共役系ポリマー(A成分)と、分子構造中にアゾ基を有する化合物(B成分)を用いるのであり、これが最大の特徴である。この特定の化合物(B成分)が、上記π電子共役系ポリマー(A成分)からなるか、もしくはそれをドーピングし導電性ポリマー化したものからなるもの経時による酸化劣化を防止する。

0058

このような、特定の化合物(B成分)としては、上記のようなπ電子共役系ポリマー(A成分)および非共役系ポリマーと共通の溶剤に溶解するものが好適である。このような化合物としては、下記の一般式(6)〜(10)で表わされる化合物が示される。このうち一般式(6)〜(8)で示される化合物は、上記π電子共役系ポリマー(A成分)と非共役系ポリマーとの共通溶媒となるN−メチル−2−ピロリドン(NMP),ジメチルスルホキシド(DMSO),トルエン,メチルエチルケトン(MEK),テトラヒドロフラン(THF)等に溶解する。一般式(9)および(10)で示される化合物は、上記共通溶媒には溶解しないことから、本発明の導電性ポリマー組成物中に分散する。特に非共役系ポリマーを中心に分散することとなる。

0059

0060

0061

0062

0063

0064

上記非共役系ポリマーと、上記π電子共役系ポリマー(A成分)と特定の化合物(B成分)とは後記のようにして組成物化されるが、上記π電子共役系ポリマー(A成分)と非共役系ポリマーとの混合比は、重量比でπ電子共役系ポリマー(A成分)/非共役系ポリマー=1/99〜60/40の範囲が好ましく、特に好ましくはπ電子共役系ポリマー(A成分)/非共役系ポリマー=4/96〜45/55である。すなわち、π電子共役系ポリマー(A成分)の重量比が1未満であると導電性への効果が少なくなる傾向がみられ、逆にπ電子共役系ポリマー(A成分)の重量比が60を越えると得られる導電性ポリマー組成物が硬くて脆くなりやすく、組成物としての特性が低下する傾向がみられるからである。

0065

また、π電子共役系ポリマー(A成分)と特定の化合物(B成分)との混合比は、重量比で、π電子共役系ポリマー(A成分)/特定の化合物(B成分)=100/2〜100/30の範囲が好ましく、特に好ましくは、100/3〜100/20である。特定の化合物(B成分)の重量比が下限を下回ると酸化劣化を防止する効果が不足し、上限を上回ると、特定の化合物(B成分)の使用による物性低下の傾向がみられたり、イオン導電性への寄与が発現する傾向がみられるからである。

0066

なお、本発明では、前記C成分を、π電子共役系ポリマー(A成分)のドーパントとして用いる態様の他、非共役系ポリマー中に導入する態様を述べているが、上記両態様を同時に備えさせるようにしてもよい。また、上記C成分は、本発明の導電性ポリマー組成物中に単に分散含有させるようにしてもよい。

0067

本発明の導電性ポリマー組成物には、上記π電子共役系ポリマー(A成分)および特定の化合物(B成分)に加え、場合によって、非共役系ポリマー,イオン導電剤,電子導電剤,架橋剤等を適宜配合しても差し支えない。

0068

このイオン導電剤としては、例えば、過塩素酸リチウム,第四級アンモニウム塩,ホウ酸塩等のポリマー中イオン解離する化合物があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。

0069

このようなイオン導電剤の配合割合は、物性や電気特性の点から、π電子共役系ポリマー(A成分)と、非共役系ポリマーとの合計100重量部(以下「部」と略す)に対して、0.01〜5部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜2部の範囲内である。

0070

また、電子導電剤としては、例えば、導電性カーボンブラック、c−ZnO(導電性酸化亜鉛)、c−TiO2 (導電性酸化チタン)、c−SnO2 (導電性酸化錫)、グラファイト等があげられる。

0071

このような電子導電剤の配合割合は、物性や電気特性の点から、π電子共役系ポリマー(A成分)と、非共役系ポリマーとの合計100部に対して、5〜30部の範囲内が好ましく、特に好ましくは8〜20部の範囲内である。

0072

また、架橋剤としては、例えば、硫黄イソシアネートブロックイソシアネートメラミン等の尿素樹脂エポキシ硬化剤ポリアミン硬化剤ヒドロシリル硬化剤、パーオキサイド等があげられる。なお、上記架橋剤とともに、紫外線や電子線等のエネルギーによって架橋する光開始剤を併用しても差し支えない。

0073

このような架橋剤の配合割合は、物性、粘着、液保管性の点から、π電子共役系ポリマー(A成分)と、非共役系ポリマーとの合計100部に対して、1〜30部の範囲内が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲内である。

0074

なお、本発明の導電性ポリマー組成物には、前記各成分に加えて、架橋促進剤老化防止剤等を必要に応じて配合しても差し支えない。

0075

この架橋促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系架橋促進剤白金化合物アミン触媒ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤等の公知のものがあげられる。

0076

本発明の導電性ポリマー組成物は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、π電子共役系ポリマー(A成分)を前記のようにして作製する。つぎに、このπ電子共役系ポリマー(A成分)に、非共役系ポリマーを配合するとともに、必要に応じて、イオン導電剤、電子導電剤、架橋剤等を配合する。そして、これらをロールニーダーバンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することや、溶剤に溶かして溶液化し、ビーズミルや三本ロールを用いて分散することにより、目的とする導電性ポリマー組成物を得ることができる。上記の溶剤としては、例えば、m−クレゾール、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミドDMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤等があげられる。そして、前者の混練による場合には、得られる導電性ポリマー組成物は固形状になり、後者の溶剤による場合には、得られる導電性ポリマー組成物は液状となりコーティング液等として用いられる。

0077

このようにして得られた本発明の導電性ポリマー組成物は、液状である場合には、それをコーティング液としてコーティングすることにより製膜化する。また、固形状である場合には、押出成形法インジェクション成形法インフレーション成形法等により、成膜化,製品化することが可能である。

0078

本発明の導電性ポリマー組成物は、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の電気抵抗が104 〜1011Ω・cmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは105 〜1010Ω・cmの範囲内である。すなわち、電気抵抗が104 Ω・cm未満であると、電気抵抗が低すぎるため、例えば、トナーへの電荷供給感光体への帯電性等の点で、電子写真機器部材として画像への利点が少なくなる傾向がみられ、逆に1011Ω・cmを超えると、電気抵抗が高すぎるため、チャージアップが起こり、電子写真機器部材としての制御が困難になる傾向がみられるからである。

0079

この電気抵抗の測定は、つぎのようにして行うことができる。すなわち、本発明の導電性ポリマー組成物をテトラヒドロフラン(THF)等の溶剤に混合し、超音波処理した後遠心分離して上澄みを取り出す。そして、この上澄みをアプリケーターを用いてステンレス(SUS)板上にキャスティングし乾燥(例えば100℃×30分)して塗膜(厚み5μm)を形成する。そして、この塗膜の電気抵抗を、25℃×50%RHの環境下、1Vの電圧を印加し、SRIS 2304に準じて測定する。

0080

つぎに、本発明の導電性ポリマー組成物を用いた電子写真機器用導電性部材について説明する。

0081

本発明の電子写真機器用導電性部材は、上述の導電性ポリマー組成物を導電性部材の少なくとも一部(全部もしくは一部)に用いることにより得ることができる。この電子写真機器用導電性部材としては、例えば、現像ロール,帯電ロール,転写ロールトナー供給ロール等の導電性ロール中間転写ベルト紙送りベルト等の導電性ベルト等があげられ、これらの構成層の少なくとも一部に用いられる。すなわち、本発明の導電性ポリマー組成物を、電子写真機器用導電性部材の構成層の少なくとも一部に用いると、この導電性ポリマー組成物を用いて形成した構成層の電気抵抗の電圧依存性、環境依存性、湿熱による電気抵抗変動桁数および経時による酸化劣化が小さくなるため、他の構成層においても、電気抵抗の電圧依存性、環境依存性および湿熱による電気抵抗変動を受けにくくなるうえ、経時による酸化劣化が小さくなる。その結果、電子写真機器用導電性部材全体としての電気抵抗の電圧依存性、環境依存性、湿熱による電気抵抗変動および経時による酸化劣化が小さくなるため、濃度むら等が少なくなり、変動のない良好な画質が長期に渡って得られる等の電子写真機器としての性能が向上する。

0082

つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。

0083

まず、π電子共役系ポリマーをドーピングし導電性ポリマー化π電子共役系ポリマー(以下「導電性ポリマー化品」という)を作製した。

0084

[導電性ポリマー化品1の作製]
π電子共役系ポリマーを構成するモノマーであるアニリン1モルと、ドーパントaである、下記の式(11)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(3つのアルキル置換基を有し、アルキル置換基の炭素数の合計が20)1モルと、1N塩酸メチルイソブチルケトンMIBK)との混合溶媒(混合比:塩酸/MIBK=2/1)2000mlとをフラスコ中に入れ、5〜10℃に制御しながら、酸化剤である過硫酸アンモニウム1モルを1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させて重合物を得た。つぎに、この重合物を水、メタノール、アセトンでそれぞれ洗浄して、精製し、導電性ポリマー化品1を得た。

0085

0086

[導電性ポリマー化品2の作製]
アニリンに代えてo−トルイジン1モルを用いる以外は、上記導電性ポリマー化品1と同様にして導電性ポリマー化品2を作製した。

0087

[導電性ポリマー化品3の作製]
π電子共役系ポリマーを構成するモノマーであるピロール1モルと、ドーパントaである上記一般式(11)で表わされるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1モルと、クロロホルム1500mlとをフラスコ中に入れ5〜10℃に制御しながら、酸化剤である塩化第二鉄3モルを1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させて、導電性ポリマー化品3を作製した。

0088

[導電性ポリマー化品4の作製]
ピロール1モルに代えて、チオフェン1モルを用いる以外は導電性ポリマー化品3の作製と同様にして導電性ポリマー化品4を作製した。

0089

[導電性ポリマー化品5の作製]
π電子共役系ポリマーを構成するモノマーであるo−トルイジン1モルと、ドーパントbとして前記の式(2)のドデシルフェニルブタデシルフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム1モルと、1N塩酸とメチルイソブチルケトン(MIBK)との混合溶媒(混合比:塩酸/MIBK=2/1)2000mlと、をフラスコ中に入れ、5〜10℃に制御しながら、酸化剤である過硫酸アンモニウム1モルを1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させて、重合物を得た。つぎに、この重合物を水、メタノール、アセトンでそれぞれ洗浄して、精製し、導電性ポリマー化品5を作製した。

0090

[導電性ポリマー化品6の作製]
ドーパントとして式(11)で表わされるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムに代えて、ドーパントc(三谷産業社製、TCNA)を1モル用いた。それ以外は導電性ポリマー化品3の作製と同様にして導電性ポリマー化品6を作製した。

0091

[導電性ポリマー化品7の作製]
ドーパントとしてドデシルベンゼンスルホン酸(ドーパントd)を1モル用いた。それ以外は導電性ポリマー化品2の作製と同様にして導電性ポリマー化品7を作製した。

0092

[導電性ポリマー化品8の作製]
まず、導電性ポリマー化品8の作製に先立って下記のドーパントeを作製した。

0093

エラストマードーパント《ドーパントe》の作製)
温度計攪拌機および部分還流式冷却器を備えた反応器に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸178部、1,6−ヘキサンジオール155.8部、およびネオペンチルグリコール321.7部を加え、200℃で5時間エステル交換反応を行った。つづいて、アジピン酸480.8部を加え、200℃で10時間反応させた後、反応系を3時間かけて200mmHgまで減圧し、さらに5〜20mmHg、210℃で2時間重縮合反応を行い、ポリエステルジオール(Mn:2000)を得た。つぎに、このポリエステルジオール100部を、MEKに固形分重量が30重量%となるように溶解し、触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.02部加え、80℃に保ち攪拌しながら、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートを12.5部添加して、スルホン酸官能基を有するウレタンエラストマー(Mn:20,000、スルホン酸官能基量:0.5mmol/g)を得た。これをTHFで希釈し、陽イオン交換樹脂アンバーリスト15DRY)を用いてプロント酸をもつスルホン酸基にイオン交換を行いエラストマードーパント(ドーパントe)を得た。

0094

つぎに、上記のようにして得られたエラストマードーパント(ドーパントe)を用いて導電性ポリマー化品8を作製した。

0095

(導電性ポリマー化品の作製)
o−トルイジン〔π電子共役系ポリマー(A成分)のモノマー〕1モル(107g)を1000mlの1N塩酸に添加し、500mlの1N塩酸に溶解した過硫酸アンモニウム(酸化剤)1モル(228.21g)を10時間、15℃で継続的に攪拌して重合し、ポリo−トルイジン〔π電子共役系ポリマー(A成分)〕を得た。これをメタノールと水で洗浄した後、0.1N水酸化ナトリウム溶液に添加し、脱ドープ反応を行った。これを再度、水とメタノールで洗浄し、THFに溶解した。一方、先に得られたエラストマードーパントをTHFで希釈し、アンバーリスト15DRYを用いて、プロトン酸を持つスルホン酸基にイオン交換を行った。そして、上記ポリo−トルイジンと、前記ドーパントeとを、ドーパントeのスルホン酸官能基(スルホン酸ナトリウム基)0.2モル相当となるるようTHF中で混合して(イオン交換法)、目的とする導電性ポリマー化品8を得た。

0096

以上をまとめて後記の表1および表2に示すとともに、得られた導電性ポリマー化品1〜8の特性評価を下記の基準で行った。

0097

〔溶解度〕
各導電性ポリマーのTHF、ジエチルエーテル、m−クレゾールおよびNMPに対する溶解度を測定した。

0098

〔電気抵抗〕
初期
各導電性ポリマーをTHFに混合し、超音波処理した後、遠心分離(20000rpm)して上澄みを取り出した。この上澄みをアプリケータを用いてSUS板上にキャスティングし、乾燥(100℃×30分)して塗膜(厚み5μm)を形成した。そして、この塗膜の電気抵抗を、25℃×50%RHの環境下、1Vの電圧を印加し、SRIS 2304に準じて測定した。

0099

(オゾン後の変動桁数)
上記塗膜を50℃×80pphmのオゾン環境下に3ヶ月放置し、その後の電気抵抗を上記と同様にして測定した。そして、電気抵抗の変動桁数を求めた。

0100

(湿熱後の変動桁数)
上記塗膜を50℃×95%RHの湿熱環境下に3ヶ月放置し、その後の電気抵抗を上記と同様にして測定した。そして、電気抵抗の変動桁数を求めた。

0101

0102

0103

[導電性ポリマー組成物の作製]
まず、実施例および比較例に先立ち先の導電性ポリマー化品1〜8を準備するとともに、下記に示す材料を準備した。

0104

[非共役系ポリマー]
(1)ウレタン系熱可塑性エラストマー
TPU(日本ミラクトラン社製、E980)

0105

(2)ポリメチルメタクリレイト
PMMA(住友化学社製、LG6A)

0106

(3)TPUスルホン酸ナトリウム
(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン3312)

0107

(4)スルホン化ウレタンシリコーン
アジピン酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸=4/1(重量比)と、エチレングリコールとを共重合して得たポリオール〔重量平均分子量(Mw):2000〕と、ポリエチレンアジペートポリオール(Mw:2000)と、シリコーンポリオール(Mw:2000)と、MDIとを反応させてスルホン化ウレタンシリコーン(スルホン酸ナトリウム基0.01mmol/g、シリコーン成分10%、Mw:8万)を作製した。

0108

[特定の化合物(B成分)]
(化合物a)
前記一般式(6)で表わされる化合物(VALFASTRED 3304)

0109

(化合物b)
前記一般式(7)で表わされる化合物(Oil Red 5303)

0110

(化合物c)
前記一般式(8)で表わされる化合物(ALFASTORANGE 5201)

0111

(化合物d)
前記一般式(9)で表わされる化合物(Oil Red DR−126)

0112

(化合物e)
前記一般式(10)で表わされる化合物(WATERYELLOW 6)

0113

導電充填剤
カーボンブラック(三菱化学社製、♯5110B)

0114

前記導電性ポリマー化品および上記材料を用い、つぎのようにして本発明の導電性ポリマー組成物を作製した。

0115

〔実施例1〕
非共役系ポリマーであるTPU60部をテトラヒドロフラン(THF)300部とメチルエチルケトン(NEK)150部とトルエン100部の混合溶媒に溶解させた後、前記のようにして作製された導電性ポリマー化品1の40部をTHF溶液にして加えて溶解し、さらに、上記化合物aを10.8部加えて溶解した後、三本ロールを用いて混練し、導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0116

〔実施例2〜17、比較例1〜4〕
非共役系ポリマー、導電性ポリマー化品、特定の化合物ならびに導電性カーボンブラック(比較例4)の種類や配合量等を後記の表3〜表5に示すように変更した。それ以外は実施例1と同様にして導電性ポリマー組成物を得た。ただし、実施例12および実施例13では、化合物d,eが溶媒に溶解しないため単に分散させた。比較例4の導電性カーボンブラックも同様である。

0117

このようにして得られた各導電性ポリマー組成物を対象とし、下記の基準に従い各特性を評価し、これらの結果を表3〜表5に併せて示した。

0118

〔電気抵抗、電気抵抗の電圧依存性〕
各導電性ポリマー組成物をSUS304板上に塗布して、120℃×30分乾燥し、厚み30μmの導電性塗膜を作製した。つぎに、この導電性塗膜について、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=10V)と、100Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=100V)を、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=10V/Rv=100V)により、電気抵抗の電圧依存性を変動桁数で表示した。

0119

〔電気抵抗の環境依存性〕
各導電性ポリマー組成物を用い、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この導電性塗膜について、印加電圧10Vの条件下、低温低湿(15℃×10%RH)時の電気抵抗(Rv=15℃×10%RH)と、高温高湿(35℃×85%RH)時の電気抵抗(Rv=35℃×85%RH)を、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=15℃×10%RH/Rv=35℃×85%RH)により、電気抵抗の環境依存性を変動桁数で表示した。

0120

〔湿熱による電気抵抗変動桁数〕
各導電性ポリマー組成物を用い、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この導電性塗膜について、50℃×95%RHの環境下で100日間放置前後の電気抵抗を、25℃×50%RH、10V印加の条件下で、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=100日/Rv=0日)により、湿熱による電気抵抗変動桁数を求めた。

0121

高電圧領域での電気抵抗変動(チャージアップ)〕
各導電性ポリマー組成物を用い、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この導電性塗膜について、25℃×50%RHの環境下、100Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=0秒)と、25℃×50%RHの環境下、100Vの電圧を10分間印加した時の電気抵抗(Rv=600秒)とを、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=600秒/Rv=0秒)により、高電圧領域での電気抵抗変動を変動桁数で表示した。

0122

〔オゾンによる抵抗上昇(桁)〕
各導電性ポリマー組成物を用い、上記と同様にして導電性塗膜を作製し、この塗膜を50℃×80pphmのオゾン環境下に180日放置し、その後の電気抵抗を上記と同様に測定した。そして、電気抵抗の変動桁数を求めた。

0123

上記の結果から実施例品1〜17はいずれも、電気抵抗の電圧依存性,電気抵抗の環境依存性,湿熱による電気抵抗変動,チャージアップ,オゾンによる抵抗上昇等の電気特性に優れている。これに対して比較例品1〜3は、電気特性こそ実施例品と同様であるが、オゾンによる抵抗上昇が大きく経時による酸化劣化が生じている。また、比較例品4は導電性ポリマーと導電性カーボンブラックを併用していることから特に電気抵抗が低く導電性の程度は高いものの、やはりオゾンによる抵抗上昇が大きく経時による酸化劣化が生じている。

0124

0125

0126

0127

つぎに、上記導電性ポリマー組成物を用い、下記のようにして導電性ロールを作製した。

0128

[I現像ロールの作製]
〔実施例18〕
ベース層用材料
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。

0129

表層用材料
実施例2と同様にして導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0130

(現像ロールの作製)
軸体である芯金(直径10mm SUS304製)をセットした成形用金型内に、上記べース層用材料注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に、上記表層用材料を塗布し乾燥して、軸体の外周面にベース層(厚み4mm)が形成され、その外周面に表層(厚み45μm)が形成されてなる、現像ロールを作製した。

0131

〔実施例19〕
表層用材料として実施例9の導電性ポリマー組成物(液状)を用いた。それ以外は実施例18と同様にして同様の構造の現像ロールを作製した。

0132

〔実施例20〕
表層用材料として実施例11の導電性ポリマー組成物(液状)を用いた。それ以外は実施例18と同様にして同様の構造の現像ロールを作製した。

0133

〔実施例21〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。

0134

中間層用材料
実施例3と同様にして、導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0135

(表層用材料)
実施例17と同様にして、導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0136

(現像ロールの作製)
上記ベース層用材料,中間層用材料および表層用材料を用い、次のようにして現像ロールを作製した。すなわち、軸体である芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした成形用金型内に、上記ベース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に上記中間層用材料を塗布して、乾燥させた後、その中間層の外周面に表層用材料を塗布し、軸体の外周面にベース層(厚み4mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み45μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み45μm)が形成されてなる、3層構造の現像ロールを作製した。

0137

〔比較例5,6〕
表層用材料として、それぞれ比較例1,比較例4と同様にして調製された導電性ポリマー組成物を用いた。それ以外は実施例20と同様にして同様の現像ロールを作製した。

0138

以上をまとめて後記の表6に示すとともに、得られた現像ロールを対象とし、下記の基準に従い各特性の評価を行い、その結果を同表に併せて示した。

0139

[現像ロール特性]
(電気抵抗)
現像ロールの表面をSUS板に押し当てた状態で、現像ロールの両端に各1kgの荷重をかけ、現像ロールの芯金と、SUS板に押し当てた現像ロール表面との間の電気抵抗を、SRIS 2304に準じて測定した。なお、電気抵抗は、25℃×50%RHの環境下において、10Vの電圧を印加した時と、100Vの電圧を印加した時のそれぞれを測定した。

0140

(電気抵抗の電圧依存性)
上記電気抵抗の評価に準じて、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の電気抵抗と、100Vの電圧を印加した時の電気抵抗をそれぞれ測定し、Log(10V/100V)により、電気抵抗の差を変動桁数で示した。

0141

(電気抵抗の環境依存性)
上記電気抵抗の評価に準じて、低温低湿(15℃×10%RH)の時の電気抵抗と、高温高湿(35℃×85%RH)の時の電気抵抗をそれぞれ測定し、電気抵抗の差を変動桁数で示した。なお、この時の印加電圧は10Vである。

0142

(湿熱による電気抵抗変動桁数)
各導電性ポリマー組成物を用いて、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この現像ロールについて、50℃×95%RHの環境下で100日間放置前後の電気抵抗を、25℃×50%RH、10V印加の条件下で、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=100日/Rv=0日)により、湿熱による電気抵抗変動桁数を求めた。

0143

画像濃度
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、20℃×50%RHの環境下において画出しを行った。評価は、べた黒画像印刷し、マクベス濃度計での測定値が1.40以上のものを○、1.40未満のものを×とした。

0144

画像むら
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、20℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度むらがなく、細線とぎれや色むらがなかったものを○、濃度むらが生じたものを×とした。

0145

(環境による画質の変化)
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、15℃×10%RHの環境下において画像出しを行った時と、35℃×85%RHの環境下において画像出しを行った時の、環境による画質の変動の評価を行った。評価は、べた黒画像を印刷し、マクベス濃度計で変化が0.1以下の時を○、0.1を超える時を×とした。

0146

(チャージアップによる画像の濃度変動
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下、1万枚画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度差がなかったもの(マクベス濃度計で0.1未満)を○、濃度差が生じたもの(マクベス濃度計で0.1以上)を×とした。

0147

コロナ放電による画像の濃度変動)
各現像ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において、画出しを行った時と、その現像ロールをコロナ放電装置を用いて、放電部との間隔2mm、20rpmで回転させながら0.2kwの電圧を印加して60秒間コロナ放電を行った後に、画出しを行った時のコロナ放電による画質の変動の評価を行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度差がなかったもの(マクベス濃度計で0.1未満)を○、濃度差が生じたもの(マクベス濃度計で0.1以上)を×とした。

0148

0149

[II帯電ロールの作製]
〔実施例22〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。

0150

(表層用材料)
実施例16と同様にして、導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0151

(帯電ロールの作製)
軸体である芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした成形用金型内に、上記ベース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に、上記表層用材料を塗布して乾燥して、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に表層(厚み50μm)が形成されてなる、2層構造の帯電ロールを作製した。

0152

〔実施例23〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。

0153

(中間層用材料)
実施例2と同様にして同様の導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0154

(表層用材料)
実施例17と同様にして同様の導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0155

(帯電ロールの作製)
軸体である芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした成形用金型内にベース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に、上記中間層用材料を塗布して乾燥させた後、製成した中間層の外周面に表層用材料を塗布し乾燥させ、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み45μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み5μm)が形成されてなる、3層構造の帯電ロールを作製した。

0156

〔比較例7〕
表層用材料として比較例2で作製された導電性ポリマー組成物(液状)を用いた。それ以外は実施例22と同様にして帯電ロールを作製した。

0157

[III転写ロールの作製]
〔実施例24〕
(ベース層用材料)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。

0158

(表層用材料)
実施例2と同様にして、導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0159

(転写ロールの作製)
軸体である芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした成形用金型内にベース層用材料を注型し、150℃×13分の条件で加熱した後、脱型して軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。つぎに、このベース層の外周面に表層用材料を塗布し乾燥して、軸体の外周面にベース層(厚さ6mm)が形成され、その外周面に表層(厚み50μm)が形成されてなる2層構造の転写ロールを作製した。

0160

〔比較例8〕
表層用材料として比較例1と同様にして作製した導電性ポリマー組成物(液状)を用いた。それ以外は実施例24と同様にして同様の構造の転写ロールを作製した。

0161

[IV転写ベルトの作製]
〔実施例25〕
(ベース層用材料)
アミドイミド東洋紡績社製、バイマックスHR16NN)100部に、アセチレンブラック電気化学工業社製、デンカブラックHS100)15部を配合して、ベース層用材料を調製した。

0162

(表層用材料)
実施例3と同様にして導電性ポリマー組成物(液状)を作製した。

0163

(転写ベルトの作製)
円形ドラム状の型の外周にベース層用材料を塗布し、乾燥させてベース層を形成し、このベース層の外周面に表層用材料を塗布し、乾燥させて表層を形成した。ついで、これを上記型から脱型し、ベース層(厚み0.3mm)の外周面に表層(厚み50μm)が形成されてなる2層構造の転写ベルト(無端ベルト)を作製した。

0164

〔比較例9〕
表層用材料として、比較例3で得られた導電性ポリマー組成物(液状)を用いた。それ以外は実施例25と同様にして同様の転写ベルト(無端ベルト)を作製した。

0165

以上をまとめて表7に示すとともに、上記のようにして得られた帯電ロール,転写ロール,転写ベルトの特性の評価を下記の基準に従って行った。これらの結果を表7に併せて示した。

0166

[帯電ロール特性]
(電気抵抗)
帯電ロールの表面をSUS板に押し当てた状態で、帯電ロールの両端に各1kgの荷重をかけ、帯電ロールの芯金と、SUS板に押し当てた帯電ロール表面との間の電気抵抗を、SRIS 2304に準じて測定した。なお、電気抵抗は、25℃×50%RHの環境下において、10Vの電圧を印加した時と、100Vの電圧を印加した時のそれぞれを測定した。転写ベルトの電気抵抗は転写ベルトの内部に直径10mm、重さ1kgのSUS棒を載せてSUS板上に置き、このSUS棒に接する部分とSUS板との間の電気抵抗をSRIS 2304に準じて測定した。

0167

(電気抵抗の電圧依存性)
上記電気抵抗の評価に準じて、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の電気抵抗と、100Vの電圧を印加した時の電気抵抗をそれぞれ測定し、Log(10V/100V)により、電気抵抗の差を変動桁数で示した。

0168

(電気抵抗の環境依存性)
上記電気抵抗の評価に準じて、低温低湿(15℃×10%RH)の時の電気抵抗と、高温高湿(35℃×85%RH)の時の電気抵抗をそれぞれ測定し、電気抵抗の差を変動桁数で示した。なお、この時の印加電圧は10Vである。

0169

(湿熱による電気抵抗変動桁数)
各導電性ポリマー組成物を用いて、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この帯電ロールについて、50℃×95%RHの環境下で100日間放置前後の電気抵抗を、25℃×50%RH、10V印加の条件下で、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=100日/Rv=0日)により、湿熱による電気抵抗変動桁数を求めた。

0170

(画像濃度)
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、20℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、べた黒画像を印刷し、マクベス濃度計での測定値が1.40以上のものを○、1.40未満のものを×とした。

0171

(画像むら)
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、20℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度むらがなく、細線のとぎれや色むらがなかったものを○、濃度むらが生じたものを×とした。

0172

(環境による画質の変化)
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、15℃×10%RHの環境下において画像出しを行った時と、35℃×85%RHの環境下において画像出しを行った時の、環境による画質の変動の評価を行った。評価は、べた黒画像を印刷し、マクベス濃度計で変化が0.1以下の時を○、0.1を超える時を×とした。

0173

(チャージアップによる画像の濃度変動)各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下、1万枚画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度差がなかったもの(マクベス濃度計で0.1未満)を○、濃度差が生じたもの(マクベス濃度計で0.1以上)を×とした。

0174

(コロナ放電による画像の濃度変動)
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下において、画出しを行った時と、その帯電ロールをコロナ放電装置を用いて、放電部との間隔2mm、20rpmで回転させながら0.2kwの電圧を印加して60秒間コロナ放電を行った後に、画出しを行った時のコロナ放電による画質の変動の評価を行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度差がなかったもの(マクベス濃度計で0.1未満)を○、濃度差が生じたもの(マクベス濃度計で0.1以上)を×とした。

0175

[転写ロール特性]
帯電ロールに代えて転写ロールを用いる以外は、上記帯電ロール特性の評価に準じて、電気抵抗,電気抵抗の電圧依存性,電気抵抗の環境依存性,湿熱による電気抵抗変動桁数,画像濃度,画像むら,環境による画質の変化,チャージアップによる画像の濃度変動,コロナ放電による画像の濃度変動の評価を行った。

0176

[転写ベルト特性]
電気抵抗,電気抵抗の電圧依存性,電気抵抗の環境依存性,湿熱のよる電気抵抗変動桁数は、前記現像ロールの特性評価に準じて行った。なお、転写ベルトの電気抵抗は、転写ベルトの内部に直径10mm、重さ1kgのSUS棒をのせSUS板上に置き、このSUS棒に接する部分とSUS板との間の電気抵抗をSRIS 2304に準じて測定した。また、転写ベルト特性の画像の濃度,画像むら,環境による画質の変化,チャージアップによる濃度変動,コロナ放電による画像の濃度変動の評価については現像ロールの特性評価に準じて行った。

0177

0178

上記の結果から、全ての実施例品は現像ロール特性,帯電ロール特性,転写ロール特性および転写ベルト特性に優れているうえ、コロナ放電による画像の濃度変動がみられず経時による酸化劣化が生じていないことがわかる。これに対し、比較例品はいずれもコロナ放電による濃度変動が悪く、経時による酸化劣化が生じていることがわかる。

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