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技術 鍛造用素材の製造方法及び鍛造用素材の製造装置

出願人 昭和電工株式会社
発明者 大滝篤史
出願日 2005年11月18日 (14年7ヶ月経過) 出願番号 2005-334601
公開日 2007年6月7日 (13年0ヶ月経過) 公開番号 2007-136514
状態 特許登録済
技術分野 鍛造
主要キーワード ガス圧シリンダ ガイド挿入孔 切断素材 押し面 ノックアウトパンチ 断面円弧 適合状態 挿入用開口
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図面 (11)

課題

低コストで且つ高い材料歩留まり率で製作可能な鍛造用素材の製造方法を提供すること。

解決手段

棒状の素材1をガイド20の保持孔22内に座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する。ガイド22の先端部21を成形ダイ11の成形キャビティ12内に配置する。さらに、ガイド22の素材出口部22aから突出する素材1の一端部1aを成形キャビティ12の成形面12bで受ける。この状態で、素材1をその他端部1bからパンチ30で軸方向に加圧してガイド20の素材出口部22aから突出する素材1の突出部2を成形キャビティ12内で拡径しながら、ガイド20を素材1の加圧方向とは反対方向に移動させる。これにより、素材1の軸方向の全部を成形キャビティ12内で拡径して、該素材1の全材料を成形キャビティ12内に充填し、鍛造用素材5Aを製造する。

概要

背景

従来、円板状又は円柱状の鍛造用素材として、次の二つの方法で製作されたものが用いられている。一つは、押出材鋳造材を切断して得られた切断素材であり、もう一つは、所定厚さの圧延材打ち抜いて得られた打抜き素材である。

一方、工業製品やそのプリフォームを製作するための方法として、次の据え込み加工方法が知られている。

すなわち、棒状の素材をガイドに設けられた保持孔内に挿通して、該素材を保持孔内で座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持する。また、ガイドの先端部を成形ダイ成形キャビティ内に配置するとともに、ガイドの先端面の素材出口部から突出する素材の一端部を、成形ダイの成形キャビティ成形面に設けられた素材固定孔内に嵌め込んで素材を固定する。この状態で、素材をパンチで軸方向に加圧しながら、ガイドを素材の加圧方向とは反対方向に移動させることにより、ガイドの先端面の素材出口部から突出する素材の突出部を成形キャビティ内で拡径する方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開昭48−62646号公報
特開2005−1445544号公報

概要

低コストで且つ高い材料歩留まり率で製作可能な鍛造用素材の製造方法を提供すること。棒状の素材1をガイド20の保持孔22内に座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する。ガイド22の先端部21を成形ダイ11の成形キャビティ12内に配置する。さらに、ガイド22の素材出口部22aから突出する素材1の一端部1aを成形キャビティ12の成形面12bで受ける。この状態で、素材1をその他端部1bからパンチ30で軸方向に加圧してガイド20の素材出口部22aから突出する素材1の突出部2を成形キャビティ12内で拡径しながら、ガイド20を素材1の加圧方向とは反対方向に移動させる。これにより、素材1の軸方向の全部を成形キャビティ12内で拡径して、該素材1の全材料を成形キャビティ12内に充填し、鍛造用素材5Aを製造する。(B)

目的

本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、低コストで且つ高い材料歩留まり率で製作可能な鍛造用素材の製造方法、この方法により得られた鍛造用素材、及び前記方法に用いられる鍛造用素材の製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

棒状の素材から円板状又は円柱状の鍛造用素材を製造する鍛造用素材の製造方法であって、棒状の素材を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する保持孔を有するとともに、先端面に保持孔の一端開口部からなる素材出口部が設けられたガイドと、素材を所定形状に成形する成形キャビティを有する成形ダイと、を用い、素材をガイドの保持孔内に配置するとともに、ガイドの先端部を成形ダイの成形キャビティ内に配置し、且つ、ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部を成形キャビティの成形面で受け、この状態で、素材をその他端部からパンチで軸方向に加圧してガイドの素材出口部から突出する素材の突出部を成形キャビティ内で拡径することにより、該突出部の材料を成形キャビティ内に充填しながら、ガイドを素材の加圧方向とは反対方向に移動させて、素材の軸方向の全部を成形キャビティ内で拡径することにより、該素材の全材料を成形キャビティ内に充填し、鍛造用素材を製造することを特徴とする鍛造用素材の製造方法。

請求項2

成形ダイの成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面の一部には、ガイドの先端部を成形キャビティ内へ挿入するためのガイド挿入用開口部が設けられており、ガイドの先端部をガイド挿入用開口部から成形ダイの成形キャビティ内に挿入配置し、且つ、ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部を、素材が成形キャビティの直径方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面で受ける請求項1記載の鍛造用素材の製造方法。

請求項3

ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部を、素材が成形キャビティの軸方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面で受ける請求項1記載の鍛造用素材の製造方法。

請求項4

素材の全材料を成形キャビティ内に充填したのち、成形キャビティ内で成形された鍛造用素材を、成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面を押し面とするノックアウトパンチで成形キャビティ内から押し出して鍛造用素材を取り出す請求項3記載の鍛造用素材の製造方法。

請求項5

成形キャビティ内で成形された鍛造用素材を成形キャビティ内から取り出したのち、棒状の素材の材料の一部がガイドの保持孔とパンチとの間の隙間に入り込むことにより鍛造用素材に生じたバリを除去する請求項4記載の鍛造用素材の製造方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項記載の鍛造用素材の製造方法により得られた鍛造用素材。

請求項7

請求項1〜5のいずれか1項記載の鍛造用素材の製造方法により得られた鍛造用素材を鍛造する鍛造方法

請求項8

棒状の素材から円板状又は円柱状の鍛造用素材を製造する鍛造用素材の製造装置であって、棒状の素材を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する保持孔を有するとともに、先端面に保持孔の一端開口部からなる素材出口部が設けられたガイドと、素材を所定形状に成形する成形キャビティを有する成形ダイと、パンチと、ガイドを素材の加圧方向とは反対方向に移動させるガイド駆動手段と、を備え、ガイドの先端部が成形ダイの成形キャビティ内に配置され、且つ、ガイドの保持孔内に配置された素材における、ガイドの素材出口部から突出する一端部が、成形キャビティの成形面で受けられた状態で、素材をその他端部からパンチで軸方向に加圧してガイドの素材出口部から突出する素材の突出部を成形キャビティ内で拡径することにより、該突出部の材料を成形キャビティ内に充填しながら、ガイドをガイド駆動手段により素材の加圧方向とは反対方向に移動させて、素材の軸方向の全部を成形キャビティ内で拡径することにより、該素材の全材料を成形キャビティ内に充填し、鍛造用素材を製造するように構成されていることを特徴とする鍛造用素材の製造装置。

請求項9

成形ダイの成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面の一部には、ガイドの先端部を成形キャビティ内へ挿入するためのガイド挿入用開口部が設けられており、ガイドの先端部がガイド挿入用開口部から成形ダイの成形キャビティ内に挿入配置され、且つ、ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部が、素材が成形キャビティの直径方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面で受けられるように構成されている請求項8記載の鍛造用素材の製造装置。

請求項10

ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部が、素材が成形キャビティの軸方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面で受けられるように構成されている請求項8記載の鍛造用素材の製造装置。

請求項11

成形ダイは、成形ダイの成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面を押し面とするノックアウトパンチを有しており、ノックアウトパンチは、成形ダイの成形キャビティ内で成形された鍛造用素材を成形キャビティ内から押し出すものである請求項10記載の鍛造用素材の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、円板状又は円柱状の鍛造用素材の製造方法及び鍛造用素材の製造装置に関する。

背景技術

0002

従来、円板状又は円柱状の鍛造用素材として、次の二つの方法で製作されたものが用いられている。一つは、押出材鋳造材を切断して得られた切断素材であり、もう一つは、所定厚さの圧延材打ち抜いて得られた打抜き素材である。

0003

一方、工業製品やそのプリフォームを製作するための方法として、次の据え込み加工方法が知られている。

0004

すなわち、棒状の素材をガイドに設けられた保持孔内に挿通して、該素材を保持孔内で座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持する。また、ガイドの先端部を成形ダイ成形キャビティ内に配置するとともに、ガイドの先端面の素材出口部から突出する素材の一端部を、成形ダイの成形キャビティ成形面に設けられた素材固定孔内に嵌め込んで素材を固定する。この状態で、素材をパンチで軸方向に加圧しながら、ガイドを素材の加圧方向とは反対方向に移動させることにより、ガイドの先端面の素材出口部から突出する素材の突出部を成形キャビティ内で拡径する方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開昭48−62646号公報
特開2005−1445544号公報

発明が解決しようとする課題

0005

而して、鍛造用素材として切断素材を用いた場合には、切断に要するコストが掛かるし、また切断により切粉が発生するので材料歩留まり率が低下するという難点があった。

0006

また、鍛造用素材として打抜き素材を用いた場合には、打抜き素材の周縁部に打抜き時に生じたバリが素材の表面側に立上がり状に形成されているので、密閉鍛造用素材としては使用できないという難点があった。

0007

そこで、鍛造用素材として、例えば、上述した据え込み加工方法により得られた据え込み加工品からなる素材を用いることが考えられる。しかしながら、従来の据え込み加工方法では、加工時に、棒状の素材の一端部は成形キャビティの成形面に設けられた素材固定孔内に嵌め込まれていたので、この部分は拡径されずにそのままの形状で残存している。そのため、据え込み加工後にこの部分を切断除去する必要がある。その結果、材料の歩留まり率が低下するし、切断に要するコストが掛かるという難点があった。

0008

本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、低コストで且つ高い材料歩留まり率で製作可能な鍛造用素材の製造方法、この方法により得られた鍛造用素材、及び前記方法に用いられる鍛造用素材の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明は以下の手段を提供する。

0010

[1] 棒状の素材から円板状又は円柱状の鍛造用素材を製造する鍛造用素材の製造方法であって、
棒状の素材を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する保持孔を有するとともに、先端面に保持孔の一端開口部からなる素材出口部が設けられたガイドと、素材を所定形状に成形する成形キャビティを有する成形ダイと、を用い、
素材をガイドの保持孔内に配置するとともに、ガイドの先端部を成形ダイの成形キャビティ内に配置し、且つ、ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部を成形キャビティの成形面で受け、
この状態で、素材をその他端部からパンチで軸方向に加圧してガイドの素材出口部から突出する素材の突出部を成形キャビティ内で拡径することにより、該突出部の材料を成形キャビティ内に充填しながら、ガイドを素材の加圧方向とは反対方向に移動させて、素材の軸方向の全部を成形キャビティ内で拡径することにより、該素材の全材料を成形キャビティ内に充填し、鍛造用素材を製造することを特徴とする鍛造用素材の製造方法。

0011

[2]成形ダイの成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面の一部には、ガイドの先端部を成形キャビティ内へ挿入するためのガイド挿入用開口部が設けられており、
ガイドの先端部をガイド挿入用開口部から成形ダイの成形キャビティ内に挿入配置し、且つ、ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部を、素材が成形キャビティの直径方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面で受ける前項1記載の鍛造用素材の製造方法。

0012

[3]ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部を、素材が成形キャビティの軸方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面で受ける前項1記載の鍛造用素材の製造方法。

0013

[4]素材の全材料を成形キャビティ内に充填したのち、
成形キャビティ内で成形された鍛造用素材を、成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面を押し面とするノックアウトパンチで成形キャビティ内から押し出して鍛造用素材を取り出す前項3記載の鍛造用素材の製造方法。

0014

[5]成形キャビティ内で成形された鍛造用素材を成形キャビティ内から取り出したのち、
棒状の素材の材料の一部がガイドの保持孔とパンチとの間の隙間に入り込むことにより鍛造用素材に生じたバリを除去する前項4記載の鍛造用素材の製造方法。

0015

[6]前項1〜5のいずれか1項記載の鍛造用素材の製造方法により得られた鍛造用素材。

0016

[7]前項1〜5のいずれか1項記載の鍛造用素材の製造方法により得られた鍛造用素材を鍛造する鍛造方法

0017

[8] 棒状の素材から円板状又は円柱状の鍛造用素材を製造する鍛造用素材の製造装置であって、
棒状の素材を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する保持孔を有するとともに、先端面に保持孔の一端開口部からなる素材出口部が設けられたガイドと、
素材を所定形状に成形する成形キャビティを有する成形ダイと、
パンチと、
ガイドを素材の加圧方向とは反対方向に移動させるガイド駆動手段と、
を備え、
ガイドの先端部が成形ダイの成形キャビティ内に配置され、且つ、ガイドの保持孔内に配置された素材における、ガイドの素材出口部から突出する一端部が、成形キャビティの成形面で受けられた状態で、素材をその他端部からパンチで軸方向に加圧してガイドの素材出口部から突出する素材の突出部を成形キャビティ内で拡径することにより、該突出部の材料を成形キャビティ内に充填しながら、ガイドをガイド駆動手段により素材の加圧方向とは反対方向に移動させて、素材の軸方向の全部を成形キャビティ内で拡径することにより、該素材の全材料を成形キャビティ内に充填し、鍛造用素材を製造するように構成されていることを特徴とする鍛造用素材の製造装置。

0018

[9]成形ダイの成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面の一部には、ガイドの先端部を成形キャビティ内へ挿入するためのガイド挿入用開口部が設けられており、
ガイドの先端部がガイド挿入用開口部から成形ダイの成形キャビティ内に挿入配置され、且つ、ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部が、素材が成形キャビティの直径方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の周面成形面で受けられるように構成されている前項8記載の鍛造用素材の製造装置。

0019

[10]ガイドの素材出口部から突出する素材の一端部が、素材が成形キャビティの軸方向に沿って配置されるように、成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面で受けられるように構成されている前項8記載の鍛造用素材の製造装置。

0020

[11]成形ダイは、成形ダイの成形キャビティにおける鍛造用素材の底面成形面を押し面とするノックアウトパンチを有しており、
ノックアウトパンチは、成形ダイの成形キャビティ内で成形された鍛造用素材を成形キャビティ内から押し出すものである前項10記載の鍛造用素材の製造装置。

発明の効果

0021

本発明は以下の効果を奏する。

0022

[1]の発明では、素材の軸方向の全部を成形ダイの成形キャビティ内で拡径することにより、該素材の全材料を成形キャビティ内に充填し、鍛造用素材を製造するので、高い材料歩留まり率で鍛造用素材を製造できる。さらに、製造時に切断を要しないので、低コストで鍛造用素材を製造できる。

0023

さらに、この製造方法により製造された鍛造用素材は、その全ての部分で加工硬化が生じている。そのため、この鍛造用素材を鍛造すると、全体に亘って非常に高い強度を有する鍛造品を得ることができる。

0024

もとより、この鍛造用素材の製造方法は、型鍛造方法の範疇に入るので、製造される鍛造用素材の寸法精度は成形キャビティの製作精度と一致する。そのため、真円度等の寸法精度について非常に高い精度を有する鍛造用素材を製造できる。

0025

[2]の発明では、更に次の効果を奏する。すなわち、上記[1]の発明では、鍛造用素材の製造時に棒状の素材の材料の一部がガイドの保持孔とパンチとの間の僅かな隙間に入り込むことにより、鍛造用素材には小さなバリが必ず生じてしまう。もし仮に、このバリが鍛造用素材の底面に生じている場合には、当該鍛造用素材を鍛造すると、がぶり等の製造不良を引き起こす虞がある。これに対して、[2]の発明では、このバリは鍛造用素材の周面に生じる。したがって、当該鍛造用素材を鍛造する場合において、鍛造用素材のバリ発生部を、鍛造工程におけるバリ発生位置に一致させることができる。これにより、バリが原因で生じるかぶり等の製造不良を防止でき、もって高品質の鍛造品を得ることができる。

0026

[3]の発明では、上記[1]の発明と同様の効果を奏する。

0027

[4]の発明では、鍛造用素材を成形キャビティ内から容易に取り出すことができる。

0028

[5]の発明では、鍛造用素材に生じたバリを除去することにより、鍛造用素材を鍛造する際にバリが原因で生じるかぶり等の製造不良を防止できる。

0029

[6]の発明では、鍛造用素材はその全ての部分で加工硬化が生じていることから、全体に亘って非常に高い強度を有する鍛造品を製造可能な鍛造用素材を提供できる。

0030

[7]の発明では、鍛造用素材はその全ての部分で加工硬化が生じているから、この鍛造用素材を鍛造することにより、全体に亘って非常に高い強度を有する鍛造品を製造できる。

0031

[8]〜[11]の発明では、[1]〜[5]のいずれかの発明に係る鍛造用素材の製造方法に好適に用いられる鍛造用素材の製造装置を提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0032

次に、本発明の幾つかの好ましい実施形態について図面を参照して以下に説明する。

0033

図1図3は、本発明の第1実施形態に係る鍛造用素材の製造装置及び鍛造用素材の製造方法を説明する図である。

0034

図1において、(10A)は、第1実施形態の鍛造用素材の製造装置である。

0035

図3において、(5A)は、第1実施形態の鍛造用素材の製造装置(10A)を用いて製造された鍛造用素材である。この鍛造用素材(5A)は、同図に示すように円板状又は円柱状のものである。この鍛造用素材(5A)の二つの円形状底面(7)(7)は、それぞれ平坦状に形成されている。(6)は鍛造用素材(5A)の周面である。この鍛造用素材(5A)は、鍛造によって、その軸方向(即ち厚さ方向)に加圧されて所定形状に形成されるものである。

0036

図1において、(1)は、鍛造用素材(5A)を製造するための素材である。この素材(1)は、棒状のもので、詳述すると中実の真直な丸棒状のものである。素材(1)の長さ及び直径は、該素材(1)の全体積が所望する鍛造用素材(5A)の体積と等しくなるように設定されてる。

0037

この素材(1)は金属材からなり、詳述するとアルミニウム又はアルミニウム合金材からなる。素材(1)の断面形状は円形状であり、素材(1)の直径はその軸方向において一定に設定されている。

0038

なお本発明では、素材(1)の材質は、アルミニウム又はアルミニウム合金であることに限定されるものではなく、例えば、真鍮、銅(その合金を含む)、鋼などであっても良い。また、この素材(1)は、例えば、押出材からなるものであっても良いし、圧延材(例:プロペルチ法で製作された連続鋳造圧延材)からなるものであっても良いし、その他の方法で製作されてなるものであっても良い。

0039

この素材(1)の直径は例えば10〜50mm(詳述すると16mm等)であり、素材(1)の長さは例えば40〜1000mm(詳述すると200mm等)である。また、鍛造用素材(5A)の直径は例えば20〜150mm(詳述すると60mm等)、鍛造用素材(5A)の厚さ(即ち軸方向の長さ)は例えば5〜30mm(詳述すると15mm等)である。ただし本発明では、素材(1)の直径及び長さ並びに鍛造用素材(5A)の直径及び厚さ(即ち軸方向の長さ)は上記の寸法であることに限定されるものではない。素材(1)の直径及び長さは、所望する鍛造用素材(5A)の体積に応じて設定されるものであり、すなわち、素材(1)の体積が所望する鍛造用素材(5A)の体積と等しくなるように、素材(1)の直径及び長さは設定される。

0040

本第1実施形態の鍛造用素材の製造装置(10A)は、図1及び図2(A)に示すように、成形ダイ(11)と、ガイド(20)と、ガイド駆動手段(25)と、パンチ(30)とを備える。

0041

成形ダイ(11)は、棒状の素材(1)を所定形状、即ち円板状又は円柱状に成形する成形キャビティ(12)を有している。さらに、この成形ダイ(11)は、成形キャビティ(12)を横断する分割面(15)(即ち成形キャビティ(12)の軸に直交する分割面(15))で2分割されている。

0042

この成形ダイ(11)において、成形キャビティ(12)の互いに対向する二つの円形状底面(12b)(12b)は、鍛造用素材(5A)の円形状底面(7)(7)を成形する面、すなわち鍛造用素材の底面成形面である。また、成形キャビティ(12)の周面(12a)は、鍛造用素材(5A)の周面(6)を成形する面、すなわち鍛造用素材の周面成形面である。

0043

ガイド(20)は、棒状の素材(1)を座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通保持する保持孔(22)を有している。この保持孔(22)は、ガイド(20)の基端から先端に真直に貫通して設けられている。これにより、図2(A)に示すように、ガイド(20)の先端面(21a)の中央部には、保持孔(22)の一端開口部からなる素材出口部(22a)が設けられている。

0044

この保持孔(22)は、該保持孔(22)内に挿通配置された素材(1)を、成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)内へ案内するためのものである。

0045

この保持孔(22)の断面形状は、素材(1)の断面形状に対応した形状であり、すなわち円形状である。また、この保持孔(22)の直径は素材(1)の直径と同寸乃至は若干大寸に設定されており、これにより、保持孔(22)内に素材(1)が座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に挿通配置されるように構成されている。

0046

一方、成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)における鍛造用素材の周面成形面(12a)の一部には、ガイド(20)の先端部(21)を成形キャビティ(12)内へ挿入するためのガイド挿入用開口部(13)が設けられている。さらに、成形ダイ(11)には、このガイド挿入用開口部(13)から成形ダイ(11)の外側へ延びたガイド挿入孔(14)が設けられている。

0047

なお、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の周面成形面(12a)のガイド挿入用開口部(13)と対向する部分には、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の一端部(1a)を固定する素材固定孔は設けられておらず、すなわち、当該部分は、円板状又は円柱状の鍛造用素材(5A)の周面の一部を所定形状(即ち断面円弧状)に成形する成形面となされている。

0048

パンチ(30)は、ガイド(20)の保持孔(22)内に挿通配置された素材(1)をその他端部(1b)から軸方向に加圧するためのものである。このパンチ(30)には、パンチ(30)を駆動させるパンチ駆動部(31)が接続されている。パンチ駆動部(31)の駆動源として、例えば流体圧シリンダ油圧シリンダガス圧シリンダ等)が用いられる。そして、このパンチ駆動部(31)を作動させることにより、パンチ(30)が素材(1)を加圧する方向に移動されるように構成されている。

0049

ガイド駆動手段(25)は、ガイド(20)をパンチ(30)による素材(1)の加圧方向とは反対方向に移動させるものである。このガイド駆動手段(25)の駆動源として、例えば流体圧シリンダ(油圧シリンダやガス圧シリンダ等)が用いられるとともに、ガイド(20)に接続されている。

0050

次に、本第1実施形態の鍛造用素材の製造装置(10A)を用いて、棒状の素材(1)から鍛造用素材(5A)を製造する方法(即ち鍛造用素材の製造方法)について、以下に説明する。

0051

この鍛造用素材の製造方法は、基本的には、素材(1)の軸方向の全部を据え込み加工によって成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)内で拡径することにより、鍛造用素材(5A)を製造する方法である。その製造方法について詳述すると、次のとおりである。

0052

まず、図1及び図2(A)に示すように、ガイド(20)の先端部(21)をガイド挿入孔(14)内に挿入し、ガイド(20)の先端部(21)をガイド挿入用開口部(13)から成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)内に挿入して配置する。

0053

さらに、素材(1)をガイド(20)の保持孔(22)内に挿通して配置する。これにより、素材(1)が保持孔(22)内で座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持される。なお、素材(1)を保持孔(22)内に配置する前に、摩擦抵抗を低減させる潤滑剤を、保持孔(22)の周面又は/及び素材(1)の表面に付着させておくことが望ましい。また、必要に応じて素材(1)を予め加熱しておく。

0054

さらに、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の一端部(1a)を、素材(1)が成形キャビティ(12)の直径方向に沿って配置されるように、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の周面成形面(12a)に押し付け、これにより、素材(1)の一端部(1a)を成形キャビティ(12)における鍛造用素材の周面成形面(12a)で受ける。

0055

次いで、この状態で、図2(B)に示すように、素材(1)をその他端部(1b)からパンチ(30)で軸方向に加圧してガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の突出部(2)を成形キャビティ(12)内で拡径することにより、該突出部(12)の材料を成形キャビティ(12)内に充填しながら、ガイド(20)をガイド駆動手段(25)によって素材(1)の加圧方向とは反対方向に移動させる。

0056

このように、素材(1)を軸方向に加圧しながらガイド(20)を素材(1)の加圧方向とは反対方向に移動させるのに伴い、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の突出部(2)が成形キャビティ(12)内で逐次拡径されて、該突出部(2)の材料が成形キャビティ(12)内に逐次充填されていく。

0057

そして、図2(C)に示すように、素材(1)の軸方向の全部を成形キャビティ(12)内で拡径することにより、素材(1)の全材料を成形キャビティ(12)内に充填する。本実施形態では、素材(1)の全材料を成形キャビティ(12)に充満させている。これにより、成形キャビティ(12)内で素材(1)の全材料が所定形状、即ち円板状又は円柱状に成形され、もって鍛造用素材(5A)が製造される。

0058

なお、素材(1)の全材料が成形キャビティ(12)内に充填されたときに、ガイド(20)の移動及びパンチ(30)による素材(1)の加圧を停止する。

0059

次いで、成形ダイ(11)を分割面(15)で分割し、素材(1)を成形キャビティ(12)内から取り出すことにより、図3に示した所望する鍛造用素材(5A)が得られる。

0060

この鍛造用素材(5A)の周面(6)の一部には、図3に示すように小さなバリ(8)が生じている。このバリ(8)は、鍛造用素材(5A)の製造時に棒状の素材(1)の材料の一部が、ガイド(20)の保持孔(22)とパンチ(30)との間の僅かな隙間と、更にガイド挿入用開口部(13)とガイド(20)の先端部(21)との間の僅かな隙間とに入り込むことにより、生じたものである。なお、図3ではバリ(8)を誇張拡大して示している。

0061

なお、この鍛造用素材(5A1)の製造方法では、パンチ(30)による素材(1)の加圧開始時すなわち素材(1)の拡径開始時から拡径終了時までの間に亘って、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の突出部(2)の長さは、該突出部(2)の座屈限界長さ以下(好ましくは座屈限界長さ未満)に設定されている。また、この鍛造用素材(5A)の製造方法では、パンチ(30)による素材(1)の加圧開始時からガイド(20)の移動開始時までの間に、タイムラグを設定しても良い。こうすることにより、拡径初期時に突出部(2)の断面積が増大するので、座屈を確実に防止できる。

0062

こうして得られた鍛造用素材(5A)は公知の鍛造方法により鍛造される。この鍛造方法としては、開放型を使用する自由鍛造や、密閉型を使用する型鍛造をはじめ、据え込み鍛造、展伸鍛造などが具体的に挙げられる。なお本発明では、鍛造用素材(5A)を鍛造する方法はこれら以外の方法であっても良い。このような鍛造によって鍛造用素材(5A)はその軸方向に加圧されて所定形状に形成される。

0063

而して、本第1実施形態の鍛造用素材の製造方法は、次の利点がある。

0064

すなわち、この鍛造用素材の製造方法は、棒状の素材(1)の軸方向の全部を成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)内で拡径することにより、該素材(1)の全材料を成形キャビティ(12)内に充填し、鍛造用素材(5A)を製造するので、高い材料歩留まり率で鍛造用素材(5A)を製造できる。さらに、製造時に切断を要しないので、低コストで製造できる。

0065

さらに、この鍛造用素材の製造方法では、成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)における鍛造用素材の周面成形面(12a)の一部に、ガイド(20)の先端部(21)を成形キャビティ(12)内へ挿入するためのガイド挿入用開口部(13)が設けられており、ガイド(20)の先端部(21)をガイド挿入用開口部(13)から成形キャビティ(12)内に挿入配置し、且つ、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の一端部(1a)を、素材(1)が成形キャビティ(12)の直径方向に沿って配置されるように、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の周面成形面(12a)で受け、この状態で、素材(1)の軸方向の全部を成形キャビティ(12)内で拡径しているので、次の利点がある。

0066

すなわち、上述したように、鍛造用素材(5A)の製造時(即ち棒状の素材(1)の拡径時)に、棒状の素材(1)の材料の一部がガイド(20)の保持孔(22)とパンチ(30)との間の僅かな隙間に入り込むことにより、図3に示すように鍛造用素材(5A)には小さなバリ(8)が必ず生じる。もし仮に、このバリ(8)が鍛造用素材(5A)の底面(7)に生じている場合(図6参照)には、当該鍛造用素材を鍛造すると、がぶり等の製造不良を引き起こす虞がある。これに対して、第1実施形態の鍛造用素材の製造方法では、上述のように素材(1)の拡径を行っているので、図3に示すように、このバリ(8)は鍛造用素材(5A)の周面(6)に生じる。したがって、当該鍛造用素材(5A)を鍛造する場合において、鍛造用素材(5A)のバリ(8)発生部を、鍛造工程におけるバリ発生位置に一致させることができる。これにより、高品質の鍛造品を得ることができる。

0067

なお本発明では、鍛造用素材(5A)を鍛造する前に、鍛造用素材(5A)のバリ(8)を研削等により除去しておき、その後、鍛造用素材(5A)を鍛造しても良いことはもちろんである。

0068

さらに、この製造方法により製造された鍛造用素材(5A)は、その全ての部分で加工硬化が生じている。そのため、この鍛造用素材(5A)を鍛造すると、全体に亘って非常に高い強度及び耐力を有する鍛造品を得ることができる。

0069

もとより、この鍛造用素材の製造方法は、型鍛造方法の範疇に入るので、製造される鍛造用素材(5A)の寸法精度は成形キャビティ(12)の製作精度と一致する。そのため、真円度等の寸法精度について非常に高い精度を有する鍛造用素材(5A)を製造できる。

0070

図4図6は、本発明の第2実施形態に係る鍛造用素材の製造装置及び鍛造用素材の製造方法を説明する図である。

0071

図4において、(10B)は、第2実施形態の鍛造用素材の製造装置である。

0072

図6において、(5B)は、第2実施形態の鍛造用素材の製造装置(10B)を用いて製造された鍛造用素材である。この鍛造用素材(5B)は、上記第1実施形態の鍛造用素材(5A)と同じく円板状又は円柱状のものである。また、この鍛造用素材(5B)は、鍛造によって、その軸方向(即ち厚さ方向)に加圧されて所定形状に形成されるものである。

0073

本第2実施形態の鍛造用素材の製造装置(10B)の構成について、上記第1実施形態のもの(10A)とは相違する点を中心に以下に説明する。

0074

本第2実施形態の鍛造用素材の製造装置(10B)では、図4及び図5(A)に示すように、成形ダイ(11)は、成形キャビティ(12)の周囲に該成形キャビティ(12)を包囲する態様に配置された環状部(19)(詳述すると円環状部)と、該環状部(19)の内側(即ち成形キャビティ(12))の底部に配置されたノックアウトパンチ(17)と、から構成されている。

0075

ノックアウトパンチ(17)は、成形キャビティ(12)内で成形された鍛造用素材(5B)を成形キャビティ(12)内から取り出すために、鍛造用素材(5B)を成形キャビティ(12)内から押し出すものである。

0076

環状部(19)の内周面は、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の周面成形面(12a)に対応しており、すなわち、環状部(19)の内周面は、鍛造用素材(5B)の周面(6)を成形するものである。

0077

ノックアウトパンチ(17)は、成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)内の鍛造用素材(5B)を押す押し面(17a)を有している。この押し面(17a)は、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の底面成形面(12b)に対応している。したがって、ノックアウトパンチ(17)は、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の底面成形面(12b)を押し面(17a)とするものである。この鍛造用素材の底面成形面(12b)(即ち、ノックアウトパンチ(17)の押し面(17a))には、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の一端部(1a)を固定する素材固定孔は設けられておらず、すなわち、この鍛造用素材の底面成形面(12b)は平坦状に形成されている。

0078

また、このノックアウトパンチ(17)には、ノックアウトパンチ(17)を駆動させるノックアウトパンチ駆動部(18)が接続されている。この駆動部(18)の駆動源として、例えば流体圧シリンダ(油圧シリンダやガス圧シリンダ等)が用いられる。

0079

また、ガイド(20)の先端面(21a)を含む先端部(21)は、成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)の上面開口部内に適合状態に嵌合可能な雄型部に対応しており、またガイド(20)の先端面(21a)が雄型部の押圧面に対応している。したがって、このガイド(20)の先端面(21a)は、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の二つの底面成形面のうちの一つに対応している。この先端面(21a)は平坦状に形成されるとともに、この先端面(21a)の中央部に素材出口部(22a)が設けられている。

0080

本第2実施形態の鍛造用素材の製造装置(10B)の他の構成は、上記第1実施形態のもの(10A)と同じである。

0081

次に、第2実施形態の鍛造用素材の製造装置(10B)を用いた鍛造用素材の製造方法について、上記第1実施形態の鍛造用素材の製造方法とは相違する点を中心に以下に説明する。

0082

まず、図4及び図5(A)に示すように、ガイド(20)の先端部(21)を成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)の上面開口部内に適合状態に嵌合させて、ガイド(20)の先端部(21)を成形キャビティ(12)内に挿入配置する。これにより、成形キャビティ(12)の上面開口部がガイド(20)の先端部(21)で閉塞されて、成形キャビティ(12)が密閉状態になる。

0083

さらに、素材(1)をガイド(20)の保持孔(22)内に挿通配置する。これにより、素材(1)が保持孔(22)内で座屈阻止状態に且つ軸方向にスライド移動可能に保持される。

0084

さらに、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の一端部(1a)を、素材(1)が成形キャビティ(12)の軸方向に沿って配置されるように、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の底面成形面(12b)の中央部に押し付け、これにより、素材(1)の一端部(1a)を成形キャビティ(12)における鍛造用素材の底面成形面(12b)の中央部で受ける。

0085

次いで、この状態で、図5(B)に示すように、素材(1)をその他端部(1b)からパンチ(30)で軸方向に加圧してガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の突出部(2)を成形キャビティ(12)内で拡径することにより、該突出部(2)の材料を成形キャビティ(12)内に充填しながら、ガイド(20)をガイド駆動手段(25)によって素材(1)の加圧方向とは反対方向に移動させる。これに伴い、ガイド(20)の素材出口部(22a)から突出する素材(1)の突出部(2)が成形キャビティ(12)内で逐次拡径されて、該突出部(2)の材料が成形キャビティ(12)内に逐次充填されていく。

0086

そして、図5(C)に示すように、素材(1)の軸方向の全部を成形キャビティ(12)内で拡径することにより、素材(1)の全材料を成形キャビティ(12)内に充填する。本実施形態では、素材(1)の全材料を成形キャビティ(12)に充満させている。これにより、成形キャビティ(12)内で素材(1)の全材料が所定形状、即ち円板状又は円柱状に成形され、もって鍛造用素材(5A)が製造される。

0087

なお、素材(1)の全材料が成形キャビティ(12)内に充填されたときに、ガイド(20)の移動及びパンチ(30)による素材(1)の加圧を停止する。

0088

次いで、ガイド(20)を成形キャビティ(12)から退避させ、その後、ノックアウトパンチ(17)で成形キャビティ(12)内の鍛造用素材(5B)を押し出すことにより、鍛造用素材(5B)を成形キャビティ(12)内から取り出す。これにより、図6に示した所望する鍛造用素材(5B)が得られる。

0089

この鍛造用素材(5B)では、二つの底面(7)(7)のうちの一方の底面(7)の中央部には、図6に示すように小さなバリ(8)が生じている。このバリ(8)は、鍛造用素材(5B)の製造時に棒状の素材(1)の材料の一部がガイド(20)の保持孔(22)とパンチ(30)との間の僅かな隙間に入り込むことにより生じたものである。なお、図6ではバリ(8)を誇張拡大して示している。

0090

このように、底面(7)の一部にバリ(8)が生じた円板状又は円柱状の鍛造用素材(5B)は、これをそのまま鍛造すると、バリ(8)が原因でがぶり等の製造不良を引き起こす虞がある。そこで、本第2実施形態では、鍛造用素材(5B)からバリ(8)を研削により又はその他の除去手段により除去し、鍛造用素材(5B)の底面(7)を平坦状にする。こうすることにより、バリ(8)が原因で生じるがぶり等の製造不良を防止できる。

0091

次いで、鍛造用素材(5B)を、上記第1実施形態と同様に公知の鍛造方法により鍛造する。

0092

而して、本第2実施形態の鍛造用素材の製造方法による利点について、上記第1実施形態の効果とは相違する点は、次のとおりである。

0093

すなわち、素材(1)の全材料を成形ダイ(11)の成形キャビティ(12)内に充填したのち、成形キャビティ(12)内で成形された鍛造用素材(5B)を、成形キャビティ(12)における鍛造用素材の底面成形面(12b)を押し面(17a)とするノックアウトパンチ(17)で成形キャビティ(12)内から押し出して、鍛造用素材(5B)を成形キャビティ(12)内から取り出すので、鍛造用素材(5B)を成形キャビティ(12)内から容易に取り出すことができる。

0094

さらに、上述したように、鍛造用素材(5B)からバリ(8)を除去することにより、かぶり等の製造不良を防止でき、もって高品質の鍛造品を得ることができる。

0095

以上で本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に示すものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能であることは言うまでもない。

0096

また、本発明では、鍛造用素材(5A)(5B)の厚さ(即ち軸方向の長さ)は、図3及び図6に示したものよりも薄い(即ち短い)ものであっても良いし、厚い(即ち長い)ものであっても良い。厚さが薄い場合は、鍛造用素材は円板状であり、厚さが厚い場合は、鍛造用素材は円柱状である。

0097

また、本発明では、棒状の素材(1)を所定温度に加熱した状態で据え込み加工を行っても良いし、素材(1)を加熱しないで据え込み加工を行っても良い。

0098

本発明は、円板状又は円柱状の鍛造用素材の製造方法及び鍛造用素材の製造装置に利用可能である。

図面の簡単な説明

0099

本発明の第1実施形態に係る鍛造用素材の製造装置を示す図で、棒状の素材を拡径する前の状態における同鍛造用素材の製造装置の分解斜視図である。
素材を拡径する前の状態における同鍛造用素材の製造装置の断面図である。
素材を拡径する途中の状態における同鍛造用素材の製造装置の断面図である。
素材を拡径したときの状態における同鍛造用素材の製造装置の断面図である。
同鍛造用素材の製造装置を用いて製造された鍛造用素材の斜視図である。
本発明の第2実施形態に係る鍛造用素材の製造装置を示す図で、棒状の素材を拡径する前の状態における同鍛造用素材の製造装置の一部切欠き斜視図である。
素材を拡径する前の状態における同鍛造用素材の製造装置の断面図である。
素材を拡径する途中の状態における同鍛造用素材の製造装置の断面図である。
素材を拡径したときの状態における同鍛造用素材の製造装置の断面図である。
同鍛造用素材の製造装置を用いて製造された鍛造用素材の斜視図である。

符号の説明

0100

1…素材
1a…一端部
2…突出部
5A、5B…鍛造用素材
6…周面
7…底面
8…バリ
10A、10B…鍛造用素材の製造装置
11…成形ダイ
12…成形キャビティ
12a…鍛造用素材の周面成形面
12b…鍛造用素材の底面成形面
13…ガイド挿入用開口部
17…ノックアウトパンチ
17a…押し面
19…環状部
20…ガイド
21…先端部
21a…先端面
22…保持孔
22a…素材出口部
30…パンチ

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