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技術 新規タンパク質及びそれをコードする遺伝子

出願人 三木谷研一
発明者 三木谷研一
出願日 2005年11月16日 (15年1ヶ月経過) 出願番号 2005-331505
公開日 2007年6月7日 (13年6ヶ月経過) 公開番号 2007-135441
状態 拒絶査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物、その培養処理 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 細胞培養シャーレ 攪拌強度 密度変化 解離状態 ハーベスト タグベクター 小胞状 マウス精子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年6月7日)のものです。
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図面 (14)

課題

個体発生に関連する新規タンパク質を提供する。

解決手段

下記(a)、(b)、(c)又は(d)に示すタンパク質を提供する。(a)ヒト由来の特定なアミノ酸配列からなるタンパク質(b)ヒト肺由来の特定なアミノ酸配列において1又は複数個アミノ酸欠失置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、個体発生に必須のタンパク質(c)ヒト肺由来の特定なアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、前記(a)に示すタンパク質と親和性相互作用を示すタンパク質(d)ヒト肺由来の特定なアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示すタンパク質

概要

背景

本発明者が本発明を完成した後、本発明のタンパク質と公知のタンパク質との比較を行ったところ、本発明のタンパク質のC末端326アミノ酸部分は、仮想タンパク質として、NCBIのデータベース公開されていることが判明した(PID g16553765)。また、本発明のタンパク質に含まれるモチーフであるSAMドメインに関しては、非特許文献1〜3に総説されている。
Ponting, C.P., SAM: A novel motif in yeast sterile and Drosophila polyhomeotic proteins, Protein Sci., , 1995, 4, 1928-1930
Schultz, J., SAM as a protein interaction domain involved in developmental regulation, Protein Sci., 1997, 6, 249-253
Kim, C.A. and Bowie, J.U., SAM domains: Uniform structure, diversity of function, TrendsBiochem. Sci., 2003, 28, 625-628

概要

個体発生に関連する新規タンパク質を提供する。 下記(a)、(b)、(c)又は(d)に示すタンパク質を提供する。(a)ヒト由来の特定なアミノ酸配列からなるタンパク質(b)ヒト肺由来の特定なアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、個体発生に必須のタンパク質(c)ヒト肺由来の特定なアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、前記(a)に示すタンパク質と親和性相互作用を示すタンパク質(d)ヒト肺由来の特定なアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示すタンパク質なし

目的

本発明は、第一に、個体発生に関連する新規タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、該組換えベクターを含む形質転換体、及び上記タンパク質に対する抗体又はその断片を提供することを目的とする。また、本発明は、第二に、個体発生に影響を与える物質スクリーニング方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記(a)又は(b)に示すタンパク質。(a)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質(b)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個アミノ酸欠失置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、個体発生に必須のタンパク質

請求項2

下記(a)又は(c)に示すタンパク質。(a)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質(c)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、前記(a)に示すタンパク質と親和性相互作用を示すタンパク質

請求項3

下記(a)又は(d)に示すタンパク質。(a)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質(d)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示すタンパク質

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質をコードする遺伝子。

請求項5

下記(e)又は(f)に示すDNAを含む請求項4記載の遺伝子。(e)配列番号1記載の塩基配列のうち19〜1452番目の塩基配列からなるDNA又は配列番号3記載の塩基配列のうち46〜1479番目の塩基配列からなるDNA(f)前記(e)に示すDNAと相補的なDNAストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA

請求項6

請求項4又は5記載の遺伝子を含む組換えベクター

請求項7

請求項6記載の組換えベクターを含む形質転換体

請求項8

請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質に反応し得る抗体又はその断片。

請求項9

試験物質が、請求項2記載のタンパク質同士の親和性相互作用を抑制又は促進できる否かを判別し、前記親和性相互作用を抑制又は促進できる試験物質を個体発生に影響を与える物質としてスクリーニングする工程を含む、個体発生に影響を与える物質のスクリーニング方法

請求項10

試験物質が、請求項3記載のタンパク質とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制又は促進できる否かを判別し、前記親和性相互作用を抑制又は促進できる試験物質を個体発生に影響を与える物質としてスクリーニングする工程を含む、個体発生に影響を与える物質のスクリーニング方法。

技術分野

0001

本発明は、新規タンパク質及びそれをコードする遺伝子に関する。

背景技術

0002

本発明者が本発明を完成した後、本発明のタンパク質と公知のタンパク質との比較を行ったところ、本発明のタンパク質のC末端326アミノ酸部分は、仮想タンパク質として、NCBIのデータベース公開されていることが判明した(PID g16553765)。また、本発明のタンパク質に含まれるモチーフであるSAMドメインに関しては、非特許文献1〜3に総説されている。
Ponting, C.P., SAM: A novel motif in yeast sterile and Drosophila polyhomeotic proteins, Protein Sci., , 1995, 4, 1928-1930
Schultz, J., SAM as a protein interaction domain involved in developmental regulation, Protein Sci., 1997, 6, 249-253
Kim, C.A. and Bowie, J.U., SAM domains: Uniform structure, diversity of function, TrendsBiochem. Sci., 2003, 28, 625-628

発明が解決しようとする課題

0003

本発明は、第一に、個体発生に関連する新規タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、該組換えベクターを含む形質転換体、及び上記タンパク質に対する抗体又はその断片を提供することを目的とする。また、本発明は、第二に、個体発生に影響を与える物質スクリーニング方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0004

上記目的を達成するために、本発明は、以下のタンパク質、遺伝子、組換えベクター、形質転換体、抗体又はその断片、及びスクリーニング方法を提供する。
(1)下記(a)又は(b)に示すタンパク質。
(a)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、個体発生に必須のタンパク質
(2)下記(a)又は(c)に示すタンパク質。
(a)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(c)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、前記(a)に示すタンパク質と親和性相互作用を示すタンパク質
(3)下記(a)又は(d)に示すタンパク質。
(a)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(d)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示すタンパク質
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のタンパク質をコードする遺伝子。
(5)下記(e)又は(f)に示すDNAを含む前記(4)記載の遺伝子。
(e)配列番号1記載の塩基配列のうち19〜1452番目の塩基配列からなるDNA又は配列番号3記載の塩基配列のうち46〜1479番目の塩基配列からなるDNA
(f)前記(e)に示すDNAと相補的なDNAストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
(6)前記(4)又は(5)記載の遺伝子を含む組換えベクター。
(7)前記(6)記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(8)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のタンパク質に反応し得る抗体又はその断片。
(9)試験物質が、前記(2)記載のタンパク質同士の親和性相互作用を抑制又は促進できる否かを判別し、前記親和性相互作用を抑制又は促進できる試験物質を個体発生に影響を与える物質としてスクリーニングする工程を含む、個体発生に影響を与える物質のスクリーニング方法。
(10)試験物質が、前記(3)記載のタンパク質とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制又は促進できる否かを判別し、前記親和性相互作用を抑制又は促進できる試験物質を個体発生に影響を与える物質としてスクリーニングする工程を含む、個体発生に影響を与える物質のスクリーニング方法。

発明の効果

0005

本発明によれば、個体発生に関連する新規タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター、該組換えベクターを含む形質転換体、及び上記タンパク質に対する抗体又はその断片が提供される。また、本発明によれば、個体発生に影響を与える物質のスクリーニング方法が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0006

以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のタンパク質は、下記(a)、(b)、(c)又は(d)に示すタンパク質である。
(a)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質(以下「タンパク質(a)」という場合がある。)
(b)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、個体発生に必須のタンパク質(以下「タンパク質(b)」という場合がある。)
(c)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、前記(a)に示すタンパク質と親和性相互作用を示すタンパク質(以下「タンパク質(c)」という場合がある。)
(d)配列番号2又は4記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示すタンパク質(以下「タンパク質(d)」という場合がある。)

0007

タンパク質(a)のうち、配列番号2記載のアミノ酸配列からなるタンパク質は、ヒト由来のタンパク質であり、配列番号4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質は、マウス由来のタンパク質である。

0008

タンパク質(a)は、個体発生に必須のタンパク質である。タンパク質(a)は、特に胎生期における個体発生に必須であり、ヒトのゲノム中において、配列番号2記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子がホモ欠損型になると、受精卵は正常な発生過程を経ることができず、ヒト胎児致死に至る。また、マウスのゲノム中において、配列番号4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子がホモ欠損型になると、受精卵は正常な発生過程を経ることができず、マウス胎児は致死に至る。なお、ヘテロ欠損型であれば、ヒト胎児及びマウス胎児は致死に至らない。

0009

タンパク質(a)は、別のタンパク質(a)と親和性相互作用を示す。タンパク質(a)同士の親和性相互作用は、個体発生、特に胎生期における個体発生に関与しているものと考えられる。なお、「タンパク質(a)同士の親和性相互作用」は、タンパク質(a)同士の直接的な結合、及び他の物質を介したタンパク質(a)同士の間接的な結合のいずれをも意味するが、好ましくはタンパク質(a)同士の直接的な結合を意味する。

0010

タンパク質(a)は、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示す。タンパク質(a)とBax inhibitor−1との親和性相互作用は、個体発生、特に胎生期における個体発生に関与しているものと考えられる。なお、「タンパク質(a)とBax inhibitor−1との親和性相互作用」は、タンパク質(a)とBax inhibitor−1との直接的な結合、及び他の物質を介したタンパク質(a)とBax inhibitor−1との間接的な結合のいずれをも意味するが、好ましくはタンパク質(a)とBax inhibitor−1との直接的な結合を意味する。

0011

Bax inhibitor−1は、アポトーシス誘導する因子であるBaxの作用を阻害し、細胞死を抑制する。Bax inhibitor−1と相互作用するタンパク質としては、例えば、Bcl−2、Bcl−XL等が知られている。ヒト由来のBax inhibitor−1のアミノ酸配列を配列番号6に示し、それをコードするDNAの塩基配列を配列番号5に示す。

0012

配列番号2又は4記載のアミノ酸配列のうち、第73アミノ酸から第140アミノ酸部分は、SAM(Sterile Alpha Motif)ドメインと称されるシグナル伝達因子に特徴的なペプチドモチーフを含む。第52アミノ酸のSer残基は、MAPキナーゼ基質に特徴的なモチーフに含まれ、第247から第250アミノ酸までの部位(Pro−Pro−Leu−Pro)は、SH3結合領域モチーフである。

0013

SAMドメインは、約70アミノ酸のペプチドドメイン構造であり、酵母からヒトに至る真核生物遺伝子産物中に見出されており、タンパク質−タンパク質間の相互作用を仲介していると考えられている。また、一部のSAMドメインでは、RNA結合能、脂質結合能等も報告されている。MAPキナーゼは、真核生物に普遍的に存在するセリンスレオニンキナーゼであり、細胞増殖分化、アポトーシス、形態形成等に重要な役割を果たしている。MAPキナーゼ基質は、MAPキナーゼによりリン酸化されて活性化又は不活性化するタンパク質であり、Elk−1、c−Myc等の転写因子、RSKMAPAPK−2等のキナーゼ等が知られている。SH3(Src homology 3)結合領域ドメインは、発がんチロシンキナーゼ遺伝子産物Src中に存在する機能ドメインであるSH3ドメインと結合するドメインで、共通アミノ酸配列として、Pro−Xaa1−Xaa2−Pro(Xaa2は通常、疎水的アミノ酸)を有する。Src遺伝子産物は、胎生期発生、細胞増殖に重要な役割を果たしていると考えられている。

0014

タンパク質(b)において、配列番号2又は4記載のアミノ酸配列に対して欠失、置換又は付加されるアミノ酸の個数及び位置は、個体発生に必須であるというタンパク質(a)の機能が保持される限り特に限定されるものではなく、その個数は1又は複数個、好ましくは1又は数個である。欠失に関する具体的な範囲は通常1〜40個、好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜10個であり、置換に関する具体的な範囲は通常1〜20個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個であり、付加に関する具体的な範囲は通常1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個である。タンパク質(b)のアミノ酸配列は、タンパク質(a)のアミノ酸配列と通常70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の相同性を有する。

0015

タンパク質(b)には、タンパク質(a)に対して人為的に欠失、置換、付加等の変異を導入したタンパク質の他、欠失、置換、付加等の変異が導入された状態で天然に存在するタンパク質や、それに対して人為的に欠失、置換、付加等の変異を導入したタンパク質も含まれる。欠失、置換、付加等の変異が導入された状態で天然に存在するタンパク質としては、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、サルウシヒツジヤギウマブタウサギイヌネコ、マウス、ラット等)由来のタンパク質(これらの哺乳動物において多型によって生じ得るタンパク質を含む。)が挙げられる。

0016

タンパク質(c)において、配列番号2又は4記載のアミノ酸配列に対して欠失、置換又は付加されるアミノ酸の個数及び位置は、他のタンパク質(a)と親和性相互作用を示すというタンパク質(a)の機能が保持される限り特に限定されるものではなく、その個数は1又は複数個、好ましくは1又は数個である。欠失に関する具体的な範囲は通常1〜40個、好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜10個であり、置換に関する具体的な範囲は通常1〜20個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個であり、付加に関する具体的な範囲は通常1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個である。タンパク質(c)のアミノ酸配列は、タンパク質(a)のアミノ酸配列と通常70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の相同性を有する。

0017

配列番号2又は4記載のアミノ酸配列のうち、1〜62番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分、又は159〜478番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されても、他のタンパク質(a)と親和性相互作用を示すというタンパク質(a)の機能が保持される。なお、1〜62番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分は、SAMドメインよりもN末側に存在し、MAPキナーゼ基質モチーフを含み、ヒトとマウス間で比較的相違の大きい部分であり、159〜478番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分は、SAMドメインよりもC末側に存在し、SH3結合領域ドメインを含み、ヒトとマウス間で比較的相同性の高い部分である。

0018

タンパク質(c)には、タンパク質(a)に対して人為的に欠失、置換、付加等の変異を導入したタンパク質の他、欠失、置換、付加等の変異が導入された状態で天然に存在するタンパク質や、それに対して人為的に欠失、置換、付加等の変異を導入したタンパク質も含まれる。欠失、置換、付加等の変異が導入された状態で天然に存在するタンパク質としては、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット等)由来のタンパク質(これらの哺乳動物において多型によって生じ得るタンパク質を含む。)が挙げられる。

0019

タンパク質(d)において、配列番号2又は4記載のアミノ酸配列に対して欠失、置換又は付加されるアミノ酸の個数及び位置は、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示すというタンパク質(a)の機能が保持される限り特に限定されるものではなく、その個数は1又は複数個、好ましくは1又は数個である。欠失に関する具体的な範囲は通常1〜40個、好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜10個であり、置換に関する具体的な範囲は通常1〜20個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個であり、付加に関する具体的な範囲は通常1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個である。タンパク質(d)のアミノ酸配列は、タンパク質(a)のアミノ酸配列と通常70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の相同性を有する。

0020

配列番号2又は4記載のアミノ酸配列のうち、1〜232番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分、又は264〜478番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されても、Bax inhibitor−1と親和性相互作用を示すというタンパク質(a)の機能が保持される。1〜232番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分は、SAMドメイン及びMAPキナーゼ基質モチーフを含み、比較的親水性アミノ酸の多く含まれる部分であり、264〜478番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列部分は、SH3結合領域ドメインを含み、疎水性アミノ酸の比較的多く含まれる部分である。

0021

タンパク質(d)には、タンパク質(a)に対して人為的に欠失、置換、付加等の変異を導入したタンパク質の他、欠失、置換、付加等の変異が導入された状態で天然に存在するタンパク質や、それに対して人為的に欠失、置換、付加等の変異を導入したタンパク質も含まれる。欠失、置換、付加等の変異が導入された状態で天然に存在するタンパク質としては、例えば、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット等)由来のタンパク質(これらの哺乳動物において多型によって生じ得るタンパク質を含む。)が挙げられる。

0022

タンパク質(d)が親和性相互作用を示すBax inhibitor−1の由来動物は特に限定されるものではないが、タンパク質(d)が天然に存在するタンパク質である場合、タンパク質(d)の由来動物とBax inhibitor−1の由来動物とが同種であると、タンパク質(d)はBax inhibitor−1と高い親和性相互作用を示すと考えられる。

0023

タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)には、糖鎖が付加されたタンパク質及び糖鎖が付加されていないタンパク質のいずれもが含まれる。タンパク質に付加される糖鎖の種類、位置等は、タンパク質の製造の際に使用される宿主細胞の種類によって異なるが、糖鎖が付加されたタンパク質には、いずれの宿主細胞を用いて得られるタンパク質も含まれる。また、タンパク質(a)、(b)又は(d)には、その医薬的に許容される塩も含まれる。

0024

タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)をコードする遺伝子は、例えば、哺乳動物の脳、腎臓筋肉胎盤小腸精巣副腎唾液腺脾臓等の組織から抽出したmRNAを用いてcDNAライブラリーを作製し、それぞれ配列番号1又は3記載の塩基配列に基づいて合成したプローブを用いて、cDNAライブラリーから目的のDNAを含むクローンをスクリーニングすることにより得られる。以下、cDNAライブラリーの作製、及び目的のDNAを含むクローンのスクリーニングの各工程について説明する。

0025

〔cDNAライブラリーの作製〕
cDNAライブラリーを作製する際には、例えば、哺乳動物の脳、腎臓、肺、筋肉、胎盤、小腸、精巣、副腎、唾液腺、脾臓、胃等の組織から全RNAを得た後、オリゴdT−セルロースポリUセファロース等を用いたアフィニティーカラム法、バッチ法等によりポリ(A+)RNA(mRNA)を得る。この際、ショ糖密度勾配遠心法等によりポリ(A+)RNA(mRNA)を分画してもよい。次いで、得られたmRNAを鋳型として、オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖cDNAを合成した後、該一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成する。このようにして得られた二本鎖cDNAを適当なクローニングベクターに組み込んで組換えベクターを作製し、該組換えベクターを用いて大腸菌等の宿主細胞を形質転換し、テトラサイクリン耐性アンピシリン耐性を指標として形質転換体を選択することにより、cDNAのライブラリーが得られる。cDNAライブラリーを作製するためのクローニングベクターは、宿主細胞中で自立複製できるものであればよく、例えば、ファージベクタープラスミドベクター等を使用できる。宿主細胞としては、例えば、大腸菌(Escherichia coli)等を使用できる。

0026

大腸菌等の宿主細胞の形質転換は、塩化カルシウム塩化マグネシウム又は塩化ルビジウム共存させて調製したコンピテント細胞に、組換えベクターを加える方法等により行うことができる。ベクターとしてプラスミドを用いる場合は、テトラサイクリン、アンピシリン等の薬剤耐性遺伝子を含有させておくことが好ましい。

0027

cDNAライブラリーの作製にあたっては、市販のキット、例えば、SuperScript Plasmid System for cDNA Synthesis and Plasmid Cloning(GibcoBRL社製)、ZAP-cDNA Synthesis Kit(ストラタジーン社製)等を使用できる。

0028

〔目的のDNAを含むクローンのスクリーニング〕
cDNAライブラリーから目的のDNAを含むクローンをスクリーニングする際には、配列番号1又は3記載の塩基配列に基づいてプライマーを合成し、これを用いてポリメラーゼ連鎖反応PCR)を行い、PCR増幅断片を得る。PCR増幅断片は、適当なプラスミドベクターを用いてサブクローニングしてもよい。PCRに使用するプライマーセットは特に限定されるものではなく、配列番号1又は3記載の塩基配列に基づいて設計できる。

0029

cDNAライブラリーに対して、PCR増幅断片をプローブとしてコロニーハイブリダイゼーション又はプラークハイブリダイゼーションを行うことにより、目的のDNAが得られる。プローブとしては、PCR増幅断片をアイソトープ(例えば、32P、35S)、ビオチンジゴキシゲニンアルカリホスファターゼ等で標識したものを使用できる。目的のDNAを含むクローンは、抗体を用いたイムノスクリーニング等の発現スクリーニングによっても得ることができる。

0030

取得されたDNAの塩基配列は、該DNA断片をそのまま、又は適当な制限酵素等で切断した後、常法によりベクターに組み込み、通常用いられる塩基配列解析方法、例えば、マキサムギルバート化学修飾法ジデオキシヌクレオチド終結法を用いて決定できる。塩基配列解析の際には、通常、373ADNAシークエンサー(Perkin Elmer社製)等の塩基配列分析装置が用いられる。

0031

タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)をコードする遺伝子は、オープンリーディングフレームとその3'末端に位置する終止コドンとを含む。また、タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)をコードする遺伝子は、オープンリーディングフレームの5'末端及び/又は3'末端に非翻訳領域(UTR)を含むことができる。

0032

配列番号2記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子としては、例えば、配列番号1記載の塩基配列のうち19〜1452番目の塩基配列からなるDNAを含む遺伝子が挙げられる。ここで、配列番号1記載の塩基配列のうち、オープンリーディングフレームは19〜1452番目の塩基配列に位置し、翻訳開始コドンは19〜21番目の塩基配列に位置し、終止コドンは1453〜1455番目の塩基配列に位置する。配列番号2記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列は、当該タンパク質をコードする限り特に限定されるものではなく、オープンリーディングフレームの塩基配列は、配列番号1記載の塩基配列のうち19〜1452番目の塩基配列に限定されるものではない。

0033

配列番号4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子としては、例えば、配列番号3記載の塩基配列のうち46〜1479番目の塩基配列からなるDNAを含む遺伝子が挙げられる。ここで、配列番号4記載の塩基配列のうち、オープンリーディングフレームは46〜1479番目の塩基配列に位置し、翻訳開始コドンは46〜48番目の塩基配列に位置し、終止コドンは1480〜1482番目の塩基配列に位置する。配列番号4記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列は、当該タンパク質をコードする限り特に限定されるものではなく、オープンリーディングフレームの塩基配列は、配列番号4記載の塩基配列のうち46〜1479番目の塩基配列に限定されるものではない。

0034

タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)をコードする遺伝子は、その塩基配列に従って化学合成により得ることもできる。DNAの化学合成は、市販のDNA合成機、例えば、チオホスファイト法を利用したDNA合成機(島津製作所社製)、フォスフォアミダイト法を利用したDNA合成機(パーキンエルマー社製)を用いて行うことができる。

0035

タンパク質(b)、(c)又は(d)をコードする遺伝子としては、例えば、配列番号1記載の塩基配列のうち19〜1452番目の塩基配列からなるDNAと相補的なDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを含む遺伝子、又は配列番号3記載の塩基配列のうち46〜1479番目の塩基配列からなるDNAと相補的なDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを含む遺伝子が挙げられる。

0036

「ストリンジェントな条件」としては、例えば、42℃、2×SSC及び0.1%SDSの条件、好ましくは65℃、0.1×SSC及び0.1%SDSの条件が挙げられる。

0037

配列番号1記載の塩基配列のうち19〜1452番目の塩基配列からなるDNAと相補的なDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、配列番号1記載の塩基配列のうち19〜1452番目の塩基配列からなるDNAと少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の相同性を有するDNAが挙げられ、配列番号3記載の塩基配列のうち46〜1479番目の塩基配列からなるDNAと相補的なDNAにストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、配列番号3記載の塩基配列のうち46〜1479番目の塩基配列からなるDNAと少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。

0038

タンパク質(b)、(c)又は(d)をコードする遺伝子は、タンパク質(a)をコードする遺伝子に、部位特異的変異誘発法等の公知の方法を用いて人為的に変異を導入することにより得ることもできる。変異の導入は、例えば、変異導入用キット、例えば、Mutant-K(TAKARA社製)、Mutant-G(TAKARA社製)、TAKARA社のLAPCRin vitro Mutagenesisシリーズキットを用いて行うことができる。また、塩基配列が既に決定されている遺伝子については、その塩基配列に従って化学合成することにより得ることができる。

0039

タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)は、例えば、以下の工程に従って、それぞれのタンパク質をコードする遺伝子を宿主細胞中で発現させることにより製造できる。
〔組換えベクター及び形質転換体の作製〕
組換えベクターを作製する際には、目的とするタンパク質のコード領域を含む適当な長さのDNA断片を調製する。また、目的とするタンパク質のコード領域の塩基配列を、宿主細胞における発現に最適なコドンとなるように、塩基を置換したDNAを調製する。

0040

このDNA断片を適当な発現ベクタープロモーターの下流に挿入することにより組換えベクターを作製し、該組換えベクターを適当な宿主細胞に導入することにより、目的とするタンパク質を生産し得る形質転換体が得られる。上記DNA断片は、その機能が発揮されるようにベクターに組み込まれることが必要であり、ベクターは、プロモーターの他、エンハンサー等のシスエレメントスプライシングシグナル、ポリA付加シグナル選択マーカー(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子ネオマイシン耐性遺伝子)、リボソーム結合配列SD配列)等を含有できる。

0041

発現ベクターとしては、宿主細胞において自立複製が可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルスベクター等を使用できる。プラスミドベクターとしては、例えば、大腸菌由来のプラスミド(例えば、pRSETpBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19)、枯草菌由来のプラスミド(例えば、pUB110、pTP5)、酵母由来のプラスミド(例えば、YEp13、YEp24、YCp50)が挙げられ、ファージベクターとしては、例えば、λファージ(例えば、Charon4A、Charon21A、EMBL3、EMBL4、λgt10、λgt11、λZAP)が挙げられ、ウイルスベクターとしては、例えば、レトロウイルスワクシニアウイルス等の動物ウイルスバキュロウイルス等の昆虫ウイルスが挙げられる。

0042

宿主細胞としては、目的とする遺伝子を発現し得る限り、原核細胞、酵母、動物細胞昆虫細胞植物細胞等のいずれを使用してもよい。また、動物個体植物個体カイコ虫体等を使用してもよい。

0043

細菌を宿主細胞とする場合、例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等のエシェリヒア属バチルスズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属シュードモナスプチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)等のリゾビウム属に属する細菌を宿主細胞として使用できる。具体的には、Escherichia coliBL21、Escherichia coli XL1-Blue、Escherichia coli XL2-Blue、Escherichia coli DH1、Escherichia coli K12、Escherichia coli JM109、Escherichia coli HB101等の大腸菌や、Bacillus subtilisMI114、Bacillus subtilis 207-21等の枯草菌を宿主細胞として使用できる。この場合のプロモーターは、大腸菌等の細菌中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーター等の大腸菌やファージ等に由来するプロモーターを使用できる。また、tacプロモーター、lacT7プロモーター、let Iプロモーターのように人為的に設計改変されたプロモーターも使用できる。

0044

細菌への組換えベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入し得る方法であれば特に限定されず、例えば、カルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等を使用できる。

0045

酵母を宿主細胞とする場合、サッカロミセスセレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒアパストリス(Pichia pastoris)等を宿主細胞として使用できる。この場合のプロモーターは、酵母中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、gal1プロモーター、gal10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーター等を使用できる。

0046

酵母への組換えベクターの導入方法は、酵母にDNAを導入し得る方法であれば特に限定されず、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等を使用できる。

0047

動物細胞を宿主細胞とする場合、サル細胞COS-7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞CHO細胞)、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞等を宿主細胞として使用できる。この場合のプロモーターは、動物細胞中で発現できるものであれば特に限定されず、例えば、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTR(Long Terminal Repeat)プロモーター、CMVプロモーター、ヒトサイトメガロウイルス初期遺伝子プロモーター等を使用できる。

0048

動物細胞への組換えベクターの導入方法は、動物細胞にDNAを導入し得る方法であれば特に限定されず、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を使用できる。

0049

昆虫細胞を宿主とする場合には、Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞、Trichoplusia niの卵巣細胞、カイコ卵由来の培養細胞等を宿主細胞として使用できる。Spodoptera frugiperdaの卵巣細胞としてはSf9、Sf21等、Trichoplusia niの卵巣細胞としてはHigh 5、BTI-TN-5B1-4(インビトロジェン社製)等、カイコ卵巣由来の培養細胞としてはBombyx mori N4等が挙げられる。

0050

昆虫細胞への組換えベクターの導入方法は、昆虫細胞にDNAを導入し得る限り特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等を使用できる。

0051

〔形質転換体の培養〕
目的とするタンパク質をコードするDNAを組み込んだ組換えベクターを導入した形質転換体を通常の培養方法に従って培養する。形質転換体の培養は、宿主細胞の培養に用いられる通常の方法に従って行うことができる。

0052

大腸菌や酵母等の微生物を宿主細胞として得られた形質転換体を培養する培地としては、該微生物が資化し得る炭素源窒素源無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地合成培地のいずれを使用してもよい。

0054

大腸菌や酵母等の微生物を宿主細胞として得られた形質転換体の培養は、振盪培養又は通気攪拌培養等の好気的条件下で行う。培養温度は通常25〜37℃、培養時間は通常16〜24時間であり、培養期間中はpHを6.0〜8.0に保持する。pHの調整は、無機酸、有機酸、アルカリ溶液尿素、炭酸カルシウム、アンモニア等を用いて行うことができる。また、培養の際、必要に応じてアンピシリン、テトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。

0055

プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドールアクリル酸等を培地に添加してもよい。

0056

動物細胞を宿主細胞として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地、EagleのMEM培地、DMEM培地、Ham F12培地、Ham F12K培地又はこれら培地に牛胎児血清等を添加した培地等を使用できる。形質転換体の培養は、通常5%CO2存在下、37℃で1〜3日間行う。また、培養の際、必要に応じてカナマイシンペニシリンストレプトマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。

0057

昆虫細胞を宿主細胞として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているTNM-FH培地(ファーミンジェン社製)、Sf-900 IISFM培地(GibcoBRL社製)、ExCell400、ExCell405(JRHバイオサイエンシーズ社製)等を使用できる。形質転換体の培養は、通常20〜28℃で2〜4日間行う。また、培養の際、必要に応じてゲンタマイシン等の抗生物質を培地に添加してもよい。

0058

目的とするタンパク質は、分泌タンパク質又は融合タンパク質として発現させることもできる。融合させるタンパク質としては、例えば、β−ガラクトシダーゼプロテインA、プロテインAのIgG結合領域、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、ポリ(Arg)、ポリ(Glu)、プロテインG、マルトース結合タンパク質グルタチオンS-トランスフェラーゼポリヒスチジン鎖(His-tag)、Sペプチド、DNA結合タンパク質ドメイン、Tac抗原チオレドキシングリーン・フルオレッセント・プロテイン(GFP)等が挙げられる。

0059

〔タンパク質の単離・精製〕
形質転換体の培養物より目的とするタンパク質を採取することにより、目的とするタンパク質が得られる。ここで、「培養物」には、培養上清、培養細胞、培養菌体、細胞又は菌体破砕物のいずれもが含まれる。
目的とするタンパク質が形質転換体の細胞内に蓄積される場合には、培養物を遠心分離することにより、培養物中の細胞を集め、該細胞を洗浄した後に細胞を破砕して、目的とするタンパク質を抽出する。目的とするタンパク質が形質転換体の細胞外分泌される場合には、培養上清をそのまま使用するか、遠心分離等により培養上清から細胞又は菌体を除去する。

0060

こうして得られるタンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)は、溶媒抽出法硫安等による塩析法脱塩法、有機溶媒による沈殿法ジエチルアミノエチルDEAE)−セファロース、イオン交換クロマトグラフィー法疎水性クロマトグラフィー法、ゲルろ過法アフィニティークロマトグラフィー法等により精製できる。

0061

タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)は、そのアミノ酸配列に基づいて、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法によっても製造できる。この際、市販のペプチド合成機を使用できる。

0062

本発明の抗体又はその断片は、タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)に反応し得る抗体又はその断片である。ここで、「抗体」には、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれもが含まれ、「モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体」には全てのクラスのモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が含まれる。また、「抗体」には、ウサギ、マウス等の免疫動物にタンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)を免疫して得られる抗血清ヒト抗体遺伝子組換えによって得られるヒト型化抗体も含まれる。また、「抗体の断片」には、Fab断片、F(ab)'2断片、単鎖抗体(scFv)等が含まれる。

0063

本発明の抗体又はその断片は、タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)を免疫用抗原として利用することより作製できる。免疫用抗原としては、例えば、(i) タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)を発現している細胞又は組織の破砕物又はその精製物、(ii)遺伝子組換え技術を用いて、タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)をコードする遺伝子を大腸菌、昆虫細胞又は動物細胞等の宿主に導入して発現させた組換えタンパク質、(iii)化学合成したペプチド等を使用できる。

0064

ポリクローナル抗体の作製にあたっては、免疫用抗原を用いて、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ウマ、ウシ等の哺乳動物を免疫する。免疫動物は、抗体を容易に作製できることからウサギを利用することが好ましい。免疫の際には、抗体産生誘導する為に、フロイント完全アジュバント等の免疫助剤を用いてエマルジョン化した後、複数回の免疫することが好ましい。免疫助剤としては、フロイント完全アジュバント(FCA)の他、フロイント不完全アジュバント(FIA)、水酸化アルミニウムゲル等を利用できる。哺乳動物1匹当たりの抗原投与量は、哺乳動物の種類に応じて適宜設定できるが、ウサギの場合には通常10〜1000μgである。投与部位は、例えば、静脈内、皮内、皮下、腹腔内等である。免疫の間隔は、通常、数日から数週間間隔、好ましくは5日〜3週間間隔で、合計3〜8回、好ましくは4〜6回免疫を行う。そして、最終免疫日から10〜14日後に、タンパク質(a)、(b)、(c)又は(d)に対する抗体力価を測定し、抗体力価が上昇した後に採血し、抗血清を得る。抗体力価の測定は、酵素免疫測定法(ELISA)、放射性免疫測定法(RIA)等により行うことができる。

0065

抗血清から抗体の精製が必要とされる場合は、硫酸アンモニウムによる塩析ゲルクロマトグラフィーイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の公知の方法を適宜選択して又はこれらを組み合わせて利用できる。

0066

モノクローナル抗体の作製にあたっては、ポリクローナル抗体の場合と同様に免疫用抗原を用いて哺乳動物を免疫し、最終免疫日から3〜4日後に抗体産生細胞を採取する。抗体産生細胞としては、例えば、脾臓細胞リンパ節細胞胸腺細胞末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞が一般的に利用される。

0067

次いで、ハイブリドーマを得るために、抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞としては、ヒト、マウス等の哺乳動物由来の細胞であって一般に入手可能な株化細胞を利用できる。利用する細胞株としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態では選択培地(例えばHAT培地)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ細胞の具体例としては、P3X63-Ag.8.U1(P3U1)、P3/NSI/1-Ag4-1、Sp2/0-Ag14等のマウスミエローマ細胞株が挙げられる。

0068

細胞融合は、血清を含まないDMEM、RPMI-1640培地等の動物細胞培養用培地中に、抗体産生細胞とミエローマ細胞とを所定の割合(例えば3:1〜1.5:1)で混合し、ポリエチレングリコール等の細胞融合促進剤の存在下で、又は電気パルス処理(例えばエレクトロポレーション)により融合反応を行う。

0069

細胞融合処理後、選択培地を用いて培養し、目的とするハイブリドーマを選別する。次いで、増殖したハイブリドーマの培養上清中に、目的とする抗体が存在するか否かをスクリーニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常の方法に従えばよく、特に限定されるものではない。例えば、ハイブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の一部を採集し、酵素免疫測定法(ELISA)、放射性免疫測定法(RIA)等によってスクリーニングできる。

0070

ハイブリドーマのクローニングは、例えば、限界希釈法軟寒天法、フィブリンゲル法、蛍光励起セルソーター法等により行うことができ、最終的にモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを取得する。

0071

取得したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法としては、通常の細胞培養法等を利用することができる。細胞培養法においては、例えばハイブリドーマを10〜20%牛胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM培地等の動物細胞培養培地中、通常の培養条件(例えば37℃,5%CO2濃度)で3〜14日間培養することにより、その培養上清からモノクローナル抗体を取得することができる。また、ハイブリドーマをマウス等の腹腔内に移植し、10〜20日後に腹水を採取し、当該腹水からモノクローナル抗体を取得することもできる。

0072

モノクローナル抗体の精製が必要とされる場合は、硫酸アンモニウムによる塩析、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の公知の方法を適宜選択して又はこれらを組み合わせて利用できる。

0073

モノクローナル抗体をヒトに投与する目的(抗体治療)で使用する場合には、免疫原性を低下させるため、ヒト抗体又はヒト型化抗体を使用することが好ましい。ヒト抗体又はヒト型化抗体は、例えば、免疫動物としてヒト抗体遺伝子を導入したマウス等を用いてハイブリドーマを作製することにより、また、ファージ上に抗体を提示したライブラリーを用いることにより取得できる。具体的には、ヒト抗体遺伝子のレパートリーを有するトランスジェニック動物に、抗原となるタンパク質、タンパク質発現細胞又はその溶解物を免疫して抗体産生細胞を取得し、これをミエローマ細胞と融合させたハイブリドーマを用いて目的のタンパク質に対するヒト抗体を取得できる(国際公開番号WO92-03918、WO93-2227、WO94-02602、WO96-33735及びWO96-34096参照)。また、複数の異なるヒトscFvをファージ上に提示させた抗体ライブラリーから、抗原となるタンパク質、タンパク質発現細胞又はその溶解物に結合する抗体を提示しているファージを選り分けることで、目的のタンパク質に結合するscFvを選択できる(Griffiths.等,EMBO J. 12, 725-734, 1993)。

0074

本発明の第1のスクリーニング方法は、試験物質が、タンパク質(a)又は(c)同士の親和性相互作用を抑制又は促進できる否かを判別し、当該親和性相互作用を抑制又は促進できる試験物質を個体発生に影響を与える物質としてスクリーニングする工程を含む。

0075

タンパク質(a)又は(c)同士の親和性相互作用は、個体発生、特に胎生期における個体発生に関与していると考えられるので、タンパク質(a)又は(c)同士の親和性相互作用を抑制又は促進できる物質を選択することにより、個体発生、特に胎生期における個体発生に影響を与える可能性がある物質をスクリーニングできる。

0076

試験物質が、タンパク質(a)又は(c)同士の親和性相互作用を抑制又は促進できる否かは、例えば、次のようにして判別できるが、判別方法はこれに限定されるものではない。

0077

タンパク質(a)又は(c)と別のタンパク質(a)又は(c)とを試験物質の存在下又は不存在下で接触させた後、タンパク質(a)又は(c)同士の結合量を測定し、試験物質の存在下における結合量と試験物質の不存在下における結合量とを比較する。その結果、試験物質の存在下における結合量が試験物質の不存在下における結合量よりも少なければ、試験物質が、タンパク質(a)又は(c)同士の結合を抑制できると判別できる。一方、試験物質の存在下における結合量が試験物質の不存在下における結合量よりも多ければ、試験物質が、タンパク質(a)又は(c)同士の結合を促進できると判別できる。

0078

タンパク質(a)又は(c)同士の結合を抑制又は促進できる物質は、一方のタンパク質(a)又は(c)に作用する物質であってもよいし、両方のタンパク質(a)又は(c)に作用する物質であってもよい。また、タンパク質(a)又は(c)同士の結合を抑制できる物質は、解離状態にあるタンパク質(a)又は(c)同士の結合を抑制できる物質であってもよいし、結合状態にあるタンパク質(a)又は(c)同士を解離させることができる物質であってもよい。

0079

タンパク質(a)又は(c)と別のタンパク質(a)又は(c)とは、in vitroで接触させてもよいし、in vivoで接触させてもよい。

0080

in vitroで接触させる場合、タンパク質(a)又は(c)として、(i)目的とするタンパク質を発現している細胞又は組織から抽出した内因性タンパク質、(ii)目的とするタンパク質を発現できる組換えベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を作製し、当該形質転換体の培養物から抽出した組換えタンパク質、(iii)化学合成したペプチド等を使用できる。

0081

in vivoで接触させる場合、タンパク質(a)又は(c)として、(i)細胞内に存在する内因性タンパク質、(ii)目的とするタンパク質を発現できる組換えベクターを宿主細胞に導入することにより作製された形質転換体内に存在する組換えタンパク質等を使用できる。

0082

タンパク質(a)又は(c)同士を接触させる際、タンパク質(a)又は(c)として、野生型変異型、野生型又は変異型の誘導体、野生型又は変異型と他のタンパク質又はペプチドとの融合タンパク質等を使用できる。

0083

タンパク質(a)又は(c)同士を接触させる際、タンパク質(a)又は(c)同士の結合に影響を与える条件を調節し、タンパク質(a)又は(c)同士の結合が試験物質の有無に依存するようにする。

0084

タンパク質(a)又は(c)同士の結合に影響を与える条件としては、例えば、温度、溶媒の種類、タンパク質(a)又は(c)の濃度、攪拌強度、共存時間、重力、磁場等が挙げられる。

0085

タンパク質(a)又は(c)同士を接触させる際の温度は、例えば、2〜65℃に設定できる。タンパク質(a)又は(c)同士を接触させる際の溶媒としては、例えば、PBS、TBS、Hepesバッファー等を使用できる。タンパク質(a)又は(c)の濃度は、例えば1ng/ml〜100mg/mlに設定できる。

0086

タンパク質(a)又は(c)同士の結合量は、例えば、タンパク質(a)又は(c)同士の結合体量、タンパク質(a)又は(c)同士の結合によって生じるシグナル量等を指標として測定できる。

0087

タンパク質(a)又は(c)同士の結合体量は、例えば、タンパク質(a)又は(c)に標識物質を付加しておき、タンパク質(a)又は(c)同士を接触させた後、タンパク質(a)又は(c)同士の結合体を分離し、当該結合体が有する標識物質量を指標として測定できる。具体的には、GST pull down法等の公知の方法を利用して測定できる。

0088

また、タンパク質(a)又は(c)同士の結合体量は、公知のタンパク質解析技術、例えば、タンパク質(a)又は(c)同士の結合体に反応できる抗体又はその断片を使用したウェスタンブロッティング法、免疫沈降法、ELISA、組織免疫染色法等によって測定できる。なお、「抗体」には、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれもが含まれ、「モノクローナル抗体」及び「ポリクローナル抗体」には全てのクラスのモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が含まれる。また、「抗体の断片」には、Fab断片、F(ab)'2断片、単鎖抗体(scFv)等が含まれる。

0089

タンパク質(a)又は(c)同士の結合によって生じるシグナルの種類は特に限定されるものではないが、例えば、レポーター遺伝子の発現、蛍光エネルギー移動(FRET)、表面プラズモン共鳴(SPR)又は水晶振動子振動数移動による局所密度変化の検出等が挙げられる。

0090

レポーター遺伝子としては、例えば、βガラクトシダーゼ遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝子等が挙げられ、レポーター活性としては、例えば、βガラクトシダーゼ活性、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ活性、ルシフェラーゼ活性、アンピシリン耐性、テトラサイクリン耐性、カナマイシン耐性等が挙げられる。

0091

本発明の第2のスクリーニング方法は、試験物質が、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制又は促進できる否かを判別し、当該親和性相互作用を抑制又は促進できる試験物質を個体発生に影響を与える物質としてスクリーニングする工程を含む。

0092

タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用は、個体発生、特に胎生期における個体発生に関与していると考えられるので、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制又は促進できる物質を選択することにより、個体発生、特に胎生期における個体発生に影響を与える可能性がある物質をスクリーニングできる。

0093

試験物質が、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制又は促進できる否かは、例えば、次のようにして判別できるが、判別方法はこれに限定されるものではない。

0094

タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1とを試験物質の存在下又は不存在下で接触させた後、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との結合量を測定し、試験物質の存在下における結合量と試験物質の不存在下における結合量とを比較する。その結果、試験物質の存在下における結合量が試験物質の不存在下における結合量よりも少なければ、試験物質が、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制できると判別できる。一方、試験物質の存在下における結合量が試験物質の不存在下における結合量よりも多ければ、試験物質が、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用を促進できると判別できる。

0095

タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制又は促進できる物質は、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1のうちの一方に作用する物質であってもよいし、両方に作用する物質であってもよい。また、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との親和性相互作用を抑制できる物質は、解離状態にあるタンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との結合を抑制できる物質であってもよいし、結合状態にあるタンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1とを解離させることができる物質であってもよい。

0096

タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1とは、in vitroで接触させてもよいし、in vivoで接触させてもよい。

0097

in vitroで接触させる場合、タンパク質(a)又は(d)として、(i)目的とするタンパク質を発現している細胞又は組織から抽出した内因性タンパク質、(ii)目的とするタンパク質を発現できる組換えベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を作製し、当該形質転換体の培養物から抽出した組換えタンパク質、(iii)化学合成したペプチド等を使用できる。Bax inhibitor−1についても同様である。

0098

in vivoで接触させる場合、タンパク質(a)又は(d)として、(i)細胞内に存在する内因性タンパク質、(ii)目的とするタンパク質を発現できる組換えベクターを宿主細胞に導入することにより作製された形質転換体内に存在する組換えタンパク質等を使用できる。Bax inhibitor−1についても同様である。

0099

タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1とを接触させる際、タンパク質(a)又は(d)として、野生型、変異型、野生型又は変異型の誘導体、野生型又は変異型と他のタンパク質又はペプチドとの融合タンパク質等を使用できる。Bax inhibitor−1についても同様である。

0100

タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1とを接触させる際、両者の結合に影響を与える条件を調節し、両者の結合が試験物質の有無に依存するようにする。両者の結合に影響を与える条件としては、例えば、温度、溶媒の種類、タンパク質(a)又は(d)の濃度、Bax inhibitor−1の濃度、攪拌強度、共存時間、重力、磁場等が挙げられる。

0101

温度は、例えば、2〜65℃に設定できる。溶媒としては、例えば、PBS、TBS、Hepesバッファー等を使用できる。タンパク質(a)又は(d)の濃度は、例えば、1ng/ml〜100mg/mlに設定できる。Bax inhibitor−1の濃度は、例えば、1ng/ml〜100mg/mlに設定できる。

0102

タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との結合量は、例えば、タンパク質(a)又は(c)同士の結合量と同様に、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との結合体量、タンパク質(a)又は(d)とBax inhibitor−1との結合によって生じるシグナル量等を指標として測定できる。

0103

〔実施例1〕ヒト遺伝子1及びマウス遺伝子1の単離及び同定
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりヒト肺由来cDNAの中からヒト遺伝子1を単離した。PCRは、変性工程、プライマーのアニーリング工程及びDNAポリメラーゼによる伸長工程からなるDNA増幅サイクルを繰り返して行う反応であり、例えば、Saiki等,Science,第230巻,第1350頁(1985年)、Williams等,Nucleic Acid Research,第18巻,第22号,第6531頁〜第6535頁(1991年)等に記載されている常法に従って行った。

0104

具体的には、5'-aagcagttccggttcggctccgagcagctgccg-3'を5'プライマーとして用い、5'-ggcatctaagacacctagggggaacgc-3'を3'プライマーとして用い、耐熱性DNAポリメラーゼ(Expand Long TemplatePCRSystem, Roche社製)5ユニット、200μM dNTP(dATP,dTTP,dCTP,dGTP)、ヒト肺組織由来cDNA0.5ng、及び1.75mM塩化マグネシウムを含有する増幅用バッファー中で、94℃で10分間処理の後、94℃で30秒、62℃で45秒、68℃で5分の処理を35サイクル繰り返し、さらに68℃10分の処理を行った。

0105

プライマーは次のように設計した。ショウジョウバエにおいて、発生分化に関わるレセプターエクダイソンレセプター)と相互作用するタンパク質(GH24627p)をコードするDNA配列に基づいて、その相同cDNAをヒトESTから検索し、このcDNA配列に基づいて、ヒト精巣由来cDNAを鋳型として5'−RACEを行い、得られた配列に基づいて5'プライマーを設計した。3'プライマーは、ヒトゲノム配列から想定して設計した。

0106

反応終了後反応液を、1%アガロースゲル(TBEバッファー)を用いた電気泳動に供した後、ゲルエチジウムブロマイド染色し、トランスイルミネーターにより観察することにより、増幅されたDNA断片を検出した。さらにこのDNA断片を、QUIAquick Gel Extraction Kit(QUIAGEN社製)を用いてアガロースゲルから回収し、pGEMTE等のクローニング用ベクタープラスミドマルチクローニングサイトに挿入した後、大腸菌を宿主として増幅し、配列を決定した。クローニング用ベクターのクローニングサイトへの挿入は、TAクローニングにより行った。すなわち、EcoRV消化により平滑末端化したベクターの3’末端にT(チミジン)を付加し、3’末端にA(アデニン)が付加されたPCR産物ライゲートした。これを電気穿孔法により、大腸菌内に遺伝子導入し、ポジティブクローンを選抜した後、LB液体培地中、37℃で16〜20時間攪拌培養した。培養後の大腸菌を、遠心により回収し、QIAGENミニプレップキット(キアゲン社製)を用いてプラスミドの精製を行った。挿入配列の決定は、Dye Terminator法により、蛍光シークエンサーを用いて行った。

0107

さらにヒト遺伝子1を基にマウスcDNAからマウス遺伝子1を単離した。ヒト遺伝子1の部分cDNAと相同性を示すマウスcDNAを公開データベースから探索し、この配列を基に5'-RACEプライマー(5'-cttcggtcatggagaaggcccacgggatcct-3')を設計し、マウス精子由来cDNAを鋳型として5'-RACEを行い、得られた配列より5'プライマー(5'-ccaaaggggccggagcgatgcccgctggtagccg-3')を設計した。5'プライマー及び3'プライマー(5'-ctcattacagagagagagtcttcatcc-3')各15pmole、耐熱性DNAポリメラーゼ(Expand Long TemplatePCRSystem, Roche社製)5ユニット、200μM dNTP(dATP,dTTP,dCTP,dGTP)、マウス精子由来cDNA 0.5ng及び1.75mM塩化マグネシウムを含有する増幅用バッファー中、94℃で10分間処理の後、94℃で30秒、62℃で45秒、68℃で5分の処理を35サイクル繰り返し、さらに68℃10分の処理を行った。反応終了後、反応液を、1%アガロースゲル(TBEバッファー)を用いた電気泳動に供した後、ゲルをエチジウムブロマイド染色し、トランスイルミネーターにより観察することにより、増幅されたDNA断片を検出した。さらにこのDNA断片を、QUIAquick Gel Extraction Kit(QIAGEN社製)を用いてアガロースゲルから回収し、pGEMTE等のクローニング用ベクタープラスミドのマルチクローニングサイトに挿入した後、大腸菌を宿主として増幅し、配列を決定した。クローニング用ベクターのクローニングサイトへの挿入は、TAクローニングにより行った。すなわち、EcoRV消化により、平滑末端化したベクターの3’末端にT(チミジン)を付加し、3’末端にA(アデニン)が付加されたPCR産物をライゲートした。これを電気穿孔法により、大腸菌内に遺伝子導入し、LB液体培地中で、37℃下で16〜20時間攪拌培養した。培養後の大腸菌を、遠心により回収し、QIAGENミニプレップキット(キアゲン社製)を用いてプラスミドの精製を行った。挿入配列の決定は、Dye Terminator法により、蛍光シークエンサーを用いて行った。

0108

ヒト遺伝子1の塩基配列を配列番号1に示す。ヒト遺伝子1は、478アミノ酸をコードするオープンリーディングフレームを含む。ヒト遺伝子1にコードされるタンパク質のアミノ酸配列を配列番号2に示す。配列番号2のうち、第73アミノ酸から第140アミノ酸部分は、SAM(Sterile Alpha Motif)ドメインと称されるシグナル伝達因子に特徴的なペプチドモチーフを含む。第52アミノ酸のSer残基は、MAPキナーゼ基質に特徴的なモチーフに含まれ、第247から第250アミノ酸までの部位(PPLP:Pro−Pro−Leu−Pro)は、SH3結合領域モチーフである。

0109

マウス遺伝子1の塩基配列を配列番号3に示す。マウス遺伝子1は、478アミノ酸をコードするオープンリーディングフレームを含む。マウス遺伝子1にコードされるタンパク質のアミノ酸配列を配列番号4に示す。配列番号4のうち、第73アミノ酸から第140アミノ酸部分は、SAM(Sterile Alpha Motif)ドメインと称されるシグナル伝達因子に特徴的なペプチドモチーフを含む。第52アミノ酸のSer残基は、MAPキナーゼ基質に特徴的なモチーフに含まれ、第247から第250アミノ酸までの部位(PPLP:Pro−Pro−Leu−Pro)は、SH3結合領域モチーフである。

0110

オープンリーディングフレーム領域について、ヒト遺伝子1及びマウス遺伝子1は、DNAレベルで89.5%、タンパク質レベルで90.2%の相同性を示した。

0111

〔実施例2〕ヒト遺伝子1及びマウス遺伝子1のゲノム構造
ヒト遺伝子1のcDNA配列を公開済ヒトゲノム配列に対して相同検索することにより、ヒト遺伝子1のゲノム構造を決定した。マウス遺伝子1のcDNA配列を公開済マウスゲノム配列に対して相同検索することにより、マウス遺伝子1のゲノム構造を決定した。

0112

ヒト遺伝子1及びマウス遺伝子1のゲノム構造を図1に示す。図1に示すように、ヒト遺伝子1及びマウス遺伝子1のゲノム構造は極めて類似していた。特に相同なエクソン領域は全て同一の塩基数であった。イントロンの長さは、ヒト遺伝子1及びマウス遺伝子1間で相違が認められた。

0113

〔実施例3〕ヒト遺伝子1の発現組織
ヒト各組織から調製したpolyA RNAをブロットしたナイロンメンブレンに対し、32P標識ヒト遺伝子1をプローブとして用い、ハイブリダイゼーションバッファー(ULTRAhyb Ultrasensitive Hybridization Buffer, Ambion社製)中で、42℃、22時間ハイブリダイズさせた後、LSバッファー(組成:2XSSC,0.1%SDS)又はHSバッファー(組成:0.1%SSC,0.1%SDS)を用いて洗浄した。ハイブリダイズ像の検出は、イメージアナライザー(Fuji社製)を用いて行った。

0114

その結果、図2に示すように、脳、腎臓、肺、筋肉、胎盤、小腸、精巣、副腎、唾液腺、脾臓、胃等の組織でヒト遺伝子1の発現が確認された。

0115

〔実施例4〕GFP融合ヒト遺伝子1産物の細胞内での存在状態の観察
哺乳動物細胞内でGFP(Green Fluorescent Protein)のC末端にヒト遺伝子1産物が融合したタンパク質が産生されるように設計した遺伝子発現ベクター1を構築した(図8)。すなわち、GFPコード領域cDNAの3’末端部位にEcoRI−NotI部位を付加し、CMVプロモーターにより哺乳動物細胞内でGFP融合タンパク質の発現が誘導されるように設計した基本GFPベクターを、EcoRIとNotIで制限消化した。ヒト遺伝子1cDNAの5’末端にEcoRI部位、3’末端にNotI部位を導入し、両酵素で切断した遺伝子断片をEcoRIとNotIで消化した前述の基本GFPベクターにライゲートし、大腸菌に遺伝子導入し、遺伝子発現ベクター1をクローニングした。

0116

Fugene6(Roche社)を用いて、遺伝子ベクター1をCOS−7細胞内に遺伝子導入した。すなわち、1μgの遺伝子ベクター1と3μlのFugene6(Roche社)を含む無血清培地100μlを混和し、室温下で15分間静置した後、COS−7を24時間前にハーベストした細胞培養シャーレ滴下、混和することにより遺伝子導入した。遺伝子導入されたCOS−7細胞を37℃、5%CO2存在下で、24時間培養した。細胞核を染色するため、培地中に1.5μg/ml濃度となるようにHoechst33342を加え、10分間37℃でインキュベートした後、PBSで4回洗浄した。蛍光顕微鏡によりCOS−7細胞内でのGFP融合ヒト遺伝子1産物の局在を観察した。その結果、図3に示すように、GFP融合ヒト遺伝子1産物は、COS−7細胞内で繊維状又は小胞状の構造を呈することが判明した。

0117

〔実施例5〕免疫共沈法によるヒト遺伝子1産物同士の相互作用の検出
ヒト遺伝子1産物のN末端にFLAGタグ又はHAタグが融合したタンパク質を哺乳動物細胞内で発現できる遺伝子発現ベクターを構築した(図9図10)。すなわち、FLAGタグcDNAの3’末端部位にEcoRI−NotI部位を付加し、CMVプロモーターにより哺乳動物細胞内でGFP融合タンパク質の発現が誘導されるように設計した基本FLAGタグベクターを、EcoRIとNotIで制限消化した。ヒト遺伝子1cDNAの5’末端にEcoRI部位、3’末端にNotI部位を導入した遺伝子断片をEcoRI−NotI消化した基本GFPベクターにライゲートし、大腸菌に遺伝子導入し、FLAG−ヒト遺伝子1ベクターをクローニングした。HAタグベクターも同様に作製した。

0118

HEK293T細胞にFugene6(Roche社)を用いて、遺伝子導入した。2日間培養後、細胞溶解液(25mM Tris−Cl,225mM NaCl,0.2%NP−40,pH7.4)を培養プレートに加え、細胞抽出液を調製した。抗FLAG抗体を加え、4℃で60分間反転混和し、さらにプロテインG−Sepharoseを細胞抽出液に加え、4℃で60分間反転混和し、遠心分離後、細胞溶解液でペレットを3回洗浄し、20mMTris−Cl(pH7.4)で1回洗浄後、SDS−PAGEにより、タンパク質を分離した。泳動終了後、ニトロセルロースメンブレンにタンパク質を転写し、マウス抗HA(ヘマグルチニン)抗体(Roche社)を一次抗体ペルオキシダーゼ標識抗マウスイムノグロブリン抗体(アマーシャム—ファルマシア社)を2次抗体として用いて、HAタグタンパク質の存在を検出した。

0119

その結果、図4に示すように、FLAGタグ−ヒト遺伝子1産物(レーン1)又はHAタグ−ヒト遺伝子1産物(レーン3)を単独で発現させた場合、HA−ヒト遺伝子1産物は検出されなかった。しかし、FLAGタグ−ヒト遺伝子1産物及びHAタグ−ヒト遺伝子1産物(レーン2)を同時に発現させた場合、HAタグ−ヒト遺伝子1産物が検出された。このことは、FLAGタグ−ヒト遺伝子1産物及びHAタグ−ヒト遺伝子1産物が親和性を持ち、FLAG抗体による免疫沈降複合体にHAタグ−ヒト遺伝子1産物が含まれることを示している。

0120

〔実施例6〕哺乳動物細胞ツーハイブリッド法によるヒト遺伝子1産物同士の相互作用の検出
ヒト遺伝子1産物が酵母由来GAL4DNA結合タンパク質のC末領域に融合して発現できるように設計した哺乳動物細胞用遺伝子発現ベクター(pGAL4−ヒト遺伝子1ベクター,図11)、及びヒト遺伝子1産物がHerpes Simplex Virus由来VP16遺伝子発現活性化タンパク質のC末領域に融合して発現できるように設計した哺乳動物細胞用遺伝子発現ベクター(pVP16−ヒト遺伝子1ベクター,図12)を構築した。すなわち、pGAL4−ヒト遺伝子1ベクターは、GAL4DNA結合結合領域cDNAの3’末端部位にEcoRI−SalI部位を付加し、EarlySV40プロモーターにより哺乳動物細胞内でGAL4DNA結合領域融合タンパク質の発現が誘導されるように設計した基本GAL4ベクターを、EcoRIとSalIで制限消化した。ヒト遺伝子1cDNAの5’末端にEcoRI部位、3’末端にXhoI部位を導入し両酵素で切断した遺伝子断片をEcoRI−SalI消化した基本GAL4ベクターにライゲートし、大腸菌に遺伝子導入し、pGAL4−ヒト遺伝子1ベクターをクローニングした。pVP16−ヒト遺伝子1ベクターは、VP16転写活性化領域cDNAの3’末端部位にEcoRI−NotI部位を付加し、CMVプロモーターにより哺乳動物細胞内でVP16転写活性化領域融合タンパク質の発現が誘導されるように設計した基本VP16ベクターを、EcoRIとNotIで制限消化した。ヒト遺伝子1cDNAの5’末端にEcoRI部位、3’末端にNotI部位を導入し両酵素で切断した遺伝子断片をEcoRIとNotIで消化した基本VP16ベクターにライゲートし、大腸菌に遺伝子導入し、pVP16−ヒト遺伝子1ベクターをクローニングした。これらのベクターをCOS−7細胞に遺伝子導入した。37℃、5%CO2存在下で、24時間培養後、細胞をPBSで洗浄し、ルシフェラーゼ活性測定用細胞溶解液(25mM TAE,1mMEDTA,10% Glycerol,1%TritonX−100,2mM DTT)を加え、ルシフェリン、ATP存在下でルミノメーターにより、細胞抽出液中のルシフェラーゼ活性を測定した。

0121

その結果、図5に示すように、pGAL4−ヒト遺伝子1及びpVP16−ヒト遺伝子1を同時に遺伝子導入した場合には、pGAL4−ヒト遺伝子1及び遺伝子1領域をもたないpVP16を同時に遺伝子導入させた場合に比べて、9.3倍のルシフェラーゼ活性が検出された。この結果から、ヒト遺伝子1産物同士の親和性相互作用が示唆された。

0122

〔実施例7〕哺乳動物細胞ツーハイブリッド法によるヒト遺伝子1産物及びヒトBax inhibitor−1遺伝子産物間の相互作用の検出
ヒト遺伝子1産物が酵母由来GAL4DNA結合タンパク質のC末領域に融合して発現できるように設計した哺乳動物細胞用遺伝子発現ベクター(pGAL4−ヒト遺伝子1,図11)、及びヒトBax inhibitor−1遺伝子産物がHerpes Simplex Virus由来VP16遺伝子発現活性化タンパク質のC末領域に融合して発現できるように設計した哺乳動物細胞用遺伝子発現ベクター(pVP16−Bax inhibitor−1,13)を構築した。すなわち、pVP16−Bax inhibitor−1ベクターは、VP16転写活性化領域cDNAの3’末端部位にEcoRI−NotI部位を付加し、CMVプロモーターにより哺乳動物細胞内でVP16転写活性化領域融合タンパク質の発現が誘導されるように設計した基本VP16ベクターを、EcoRIとNotIで制限消化した。ヒトBax inhibitor−1cDNAの5’末端にEcoRI部位、3’末端にNotI部位を導入し両酵素で切断した遺伝子断片をEcoRIとNotIで消化した基本VP16ベクターにライゲートし、大腸菌に遺伝子導入し、pVP16−ヒトBax inhibitor−1ベクターをクローニングした。なお、Bax inhibitor−1遺伝子の塩基配列を配列番号5に、Bax inhibitor−1遺伝子産物のアミノ酸配列を配列番号6に示す。これらのベクターを、COS−7細胞に遺伝子導入した。37℃、5%CO2存在下で、24時間培養後、細胞をPBSで洗浄し、ルシフェラーゼ活性測定用細胞溶解液(25mM TAE,1mMEDTA,10% Glycerol,1% TritonX−100,2mM DTT)を加え、ルシフェリン、ATP存在下でルミノメーターにより、細胞抽出液中のルシフェラーゼ活性を測定した。

0123

その結果、図6に示すように、pGAL4−ヒト遺伝子1及びpVP16−Bax inhibitor−1を同時に遺伝子導入した場合、pGAL4及びpVP16を同時に遺伝子導入させた場合に比べて、11.3倍のルシフェラーゼ活性が検出された。この結果から、ヒト遺伝子1産物及びBax inhibitor−1遺伝子産物の親和性相互作用が示唆される。

0124

〔実施例8〕抗遺伝子1抗体を用いたウェスタンブロッティングによるヒト遺伝子1産物の検出
ヒト遺伝子1産物のうち第30から49アミノ酸部分(NH2−GEAGRAPDSDGGSDADEVG−COOH)をペプチド合成し、KLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)をキャリアーとし、アジュバンドとともにウサギ(2羽)に筋肉及び皮下注射した。さらに2週後、5週後、11週後、17週後にもペプチド、アジュバンド混合液を注射し、抗血清を最初の抗原注射から25週後に調製した。FLAGタグ−ヒト遺伝子1産物をHEK293T細胞に一過的に発現させ、SDS−PAGEサンプルバッファーで処理した後、SDS−PAGE電気泳動でタンパク質を分離し、ニトロセルロースメンブレンに転写した。メンブレンブロッキングバッファー(0.1% Tween20及び5%脱脂粉乳含有PBS)で室温下1時間ブロックし、1000倍希釈した抗血清を含む新たなブロッキングバッファー中で、4℃、2時間インキュベートした。PBST(0.1%Tween20含有PBS)で3回メンブレンを洗浄した後、ワサビペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体を含む、ブロッキングバッファー中で室温下1時間インキュベートした。PBST(0.1%Tween20含有PBS)で3回メンブレンを洗浄した後、ケミルミネッセンス法(例えば、WestPico Chemiluminescent Substrate,PIERCE社)を用いて、抗体特異的バンドを検出した。

0125

その結果、図7に示すように、ヒト遺伝子1を強制発現させたHEK293T細胞抽出タンパク質レーンに抗原特異的バンドが検出された。

0126

〔実施例9〕
(1)マウス遺伝子1ジーンターゲッティングベクターの構築
マウス遺伝子1の第1エクソン及び第2エクソンの一部を含む5'側のゲノムDNAと、第2エクソンの一部、第3及び第4エクソンを含む3'側のゲノムDNAとを、末端に制限酵素部位を付加した形で、PCR増幅した。すなわち、第1エクソン及び第2エクソンの一部を含む5'側のゲノムDNAは、5’プライマー(5'-gactcgtcctcttcagtgctggatgtaggcgtg-3’)と、SalI部位を付加して設計した3'プライマー(5'-tcgtcgacacagccacatgcttggtagtccagcggc-3')各15pmole、耐熱性DNAポリメラーゼ(Expand Long TemplatePCRSystem, Roche社製)5ユニット、dNTP(dATP,dTTP,dCTP,dGTP)、マウス精子由来cDNA0.5ng及び1.75mM塩化マグネシウムを含有する増幅用バッファー中で、94℃で10分間処理の後、94℃で30秒、65℃で45秒、68℃で15分の処理を26サイクル繰り返し、さらに68℃15分の処理を子なった。第2エクソンの一部、第3及び第4エクソンを含む3'側のゲノムDNAは、ClaI部位を付加して設計した5'プライマー(5'-catcgatttaggttattgttcatgagcgagtgcctg-3')と、3'プライマー(5'-caggtgctgtcctggcacggagagggaggtc-3’)各15pmole、耐熱性DNAポリメラーゼ(Expand Long Template PCR System, Roche社製)5ユニット、200μM dNTP(dATP,dTTP,dCTP,dGTP)、マウス精子由来cDNA 0.5ng及び1.75mM 塩化マグネシウムを含有する増幅用バッファー中で、94℃で10分間処理の後、94℃で30秒、62℃で45秒、68℃で20分の処理を26サイクル繰り返し、さらに68℃20分の処理を行った。GFP−Neo遺伝子をGFPcDNAとマウス遺伝子1の第2エクソンのタンパク質コード領域とインフレームになるよう接続し、Neo遺伝子の3’側には、ストップコドンを導入したマウス遺伝子1ジーンターゲッティングベクターを構築した(図14)。

0127

(2)遺伝子1ノックアウトマウスの作製
マウス遺伝子1ジーンターゲッティングベクターを制限酵素NotI消化により、2本鎖状にし、電気穿孔法によりマウスES細胞に導入した。同細胞を37℃、5%CO2で選択薬剤であるG418及びガンシクロビル存在下で培養した。耐性細胞コロニーからゲノミックDNAを調製し、PCR及びサザンハイブリダイゼーションにより相同組み換え陽性ES細胞を選抜した。陽性ES細胞を胚盤胞マイクロインジェクション法により導入後、偽妊娠雌マウスに移植した。産生したキメラマウス野生型マウス交配し、アグーチ毛色マーカーとして、得られた産児のゲノタイピングを行い、ヘテロに遺伝子1を欠損したマウスを作出した。

0128

(3)遺伝子1ヘテロ欠損マウス間交配より得られた産児及び胎児のゲノタイプ解析
遺伝子1のヘテロ欠損雌マウスと遺伝子1のヘテロ欠損雄マウスを交配し、得られた産児のゲノタイピングを行った。また、遺伝子1のヘテロ欠損雌マウスと遺伝子1のヘテロ欠損雄マウスを交配し、一定時期経過後、妊娠雌マウスを解剖し、胎児又は羊膜よりゲノムDNAを調製し、ゲノタイピングを行った。
その結果、表1に示すように、遺伝子1ヘテロ欠損マウス間交配により産生した産児のゲノタイプは、野生型又はヘテロ欠損型で、ホモ欠損型は得られなかった。また、表2に示すように、遺伝子1ヘテロ欠損マウス間交配により得られた受精12.5日後、9.5日後、8.5日後の各胎児のゲノタイプは、野生型又はヘテロ欠損型で、ホモ欠損型は得られなかった。これらの結果から、遺伝子1ホモ欠損型の胎児は受精8.5日後以前の発生段階で致死していると考えられる。

0129

0130

図面の簡単な説明

0131

ヒト遺伝子1及びマウス遺伝子1のゲノム構造を示す図である。
脳、腎臓、肺、筋肉、胎盤、小腸、精巣、副腎、唾液腺、脾臓、胃等の組織でヒト遺伝子1の発現を示す図である。
蛍光顕微鏡によってCOS−7細胞内でのGFP融合ヒト遺伝子1産物の局在を観察した結果を示す図である。
免疫共沈法によるヒト遺伝子1産物同士の相互作用の検出結果を示す図である。
哺乳動物細胞ツーハイブリッド法によるヒト遺伝子1産物同士の相互作用の検出結果を示す図である。
哺乳動物細胞ツーハイブリッド法によるヒト遺伝子1産物及びヒトBax inhibitor−1遺伝子産物間の相互作用の検出結果を示す図である。
抗遺伝子1抗体を用いたウェスタンブロッティングによるヒト遺伝子1産物の検出結果を示す図である。
GFP−ヒト遺伝子1ベクターの構成図である。
FLAG−ヒト遺伝子1ベクターの構成図である。
HA−ヒト遺伝子1ベクターの構成図である。
GAL4−ヒト遺伝子1ベクターの構成図である。
VP16−ヒト遺伝子1ベクターの構成図である。
VP16−ヒトBax inhibitor−1遺伝子ベクターの構成図である。
マウス遺伝子1ジーンターゲッティングベクターの構成図である。

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