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図面 (9)

課題

気液分離器をもたない冷凍サイクルにおいて、圧縮機の液圧縮を抑制すること。

解決手段

本発明の空気調和機は、圧縮機1、四方弁8、第1の熱交換器2、第1の膨張弁3、冷媒量調整器9、第2の膨張弁3b及び第2の熱交換器4を順次配管で接続してなる冷凍サイクル回路を備え、圧縮機1と四方弁8と第1の熱交換器2と第1の膨張弁3aと冷媒量調整器9とを含む第1のユニットと、第2の膨張弁3bと第2の熱交換器4とを含む第2のユニットと、第1のユニットと第2のユニットとを接続する接続配管6とから構成される空気調和機であって、冷凍サイクルは、圧縮機1の冷媒吐出側冷媒吸入側とを接続するバイパス管路7を有し、第1のユニットの冷媒流路内容積は、接続配管6の最大接続配管長に相当する冷媒の最大封入量に基づいて定められることを特徴とするものである。

概要

背景

一般に、冷凍サイクルは、圧縮機、熱源側熱交換器膨張弁利用側熱交換器配管により接続して構成され、熱源側熱交換器と利用側熱交換器において空気と冷媒とを熱交換させることにより空調を行うものである。

このような冷凍サイクルにおいては、従来、圧縮機の冷媒吸入側気液分離器を設け、この気液分離器に冷媒を通過させることで、所定のボイド率気液二相流体積のうち気相体積の占める割合をいう。)となった冷媒を圧縮機に吸入させるようにしている。

ところで、近年、一層の高効率化が求められている空気調和機においては、圧縮機の冷媒吸入側、つまり低圧側の圧力損失を低減することが効率改善に有効とされており、気液分離器を設けない構成の冷凍サイクルが求められている。しかし、このような冷凍サイクルの場合、例えば、運転を停止して所定時間放置すると、圧縮機の冷媒吸入側の接続配管内には液冷媒貯留してくる。特に、例えば圧縮機や熱源側熱交換器を備える室外ユニット側の雰囲気温度が、利用側熱交換器を備える室内ユニット側の雰囲気温度よりも低い場合、室外ユニットにおいて圧縮機の冷媒吸入側の配管等に貯留される液冷媒の割合が増加し、冷凍サイクルの起動時において圧縮機の吸入側冷媒が完全な液冷媒(ボイド率0)となり、これを吸入した圧縮機は液圧縮を起こして故障するおそれがある。

そのため、例えば、圧縮機において液圧縮時に吸入された液が圧力逃がし通路出口に設けられた弁体押し上げ高圧室逃げやすい構造とすることにより、圧縮室サージ圧の上昇を抑制する技術が開示されている(特許文献1参照。)。

しかし、このような弁の取付は高精度な加工が要求され、圧縮機の部品点数も増えることから、製造コストへの影響が大きいという問題がある。

特開2001−280281号公報

概要

気液分離器をもたない冷凍サイクルにおいて、圧縮機の液圧縮を抑制すること。本発明の空気調和機は、圧縮機1、四方弁8、第1の熱交換器2、第1の膨張弁3、冷媒量調整器9、第2の膨張弁3b及び第2の熱交換器4を順次配管で接続してなる冷凍サイクル回路を備え、圧縮機1と四方弁8と第1の熱交換器2と第1の膨張弁3aと冷媒量調整器9とを含む第1のユニットと、第2の膨張弁3bと第2の熱交換器4とを含む第2のユニットと、第1のユニットと第2のユニットとを接続する接続配管6とから構成される空気調和機であって、冷凍サイクルは、圧縮機1の冷媒吐出側と冷媒吸入側とを接続するバイパス管路7を有し、第1のユニットの冷媒流路内容積は、接続配管6の最大接続配管長に相当する冷媒の最大封入量に基づいて定められることを特徴とするものである。

目的

本発明は、気液分離器をもたない冷凍サイクルにおいて、圧縮機の液圧縮を抑制することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

圧縮機、第1の熱交換器膨張弁及び第2の熱交換器を順次配管で接続してなる冷凍サイクル回路を備え、少なくとも前記圧縮機と前記第1の熱交換器とを含む第1のユニットと、前記第2の熱交換器を含む第2のユニットと、前記第1のユニットと前記第2のユニットとを接続する接続配管とから構成される空気調和機であって、前記冷凍サイクル回路は、前記圧縮機の冷媒吐出側冷媒吸入側とを接続するバイパス管路を有し、前記第1のユニットの冷媒流路内容積は、前記接続配管の最大接続配管長に相当する冷媒の最大封入量に基づいて定められる空気調和機。

請求項2

圧縮機、四方弁、第1の熱交換器、第1の膨張弁、冷媒量調整器、第2の膨張弁及び第2の熱交換器を順次配管で接続してなる冷凍サイクル回路を備え、前記圧縮機と前記四方弁と前記第1の熱交換器と前記第1の膨張弁と前記冷媒量調整器とを含む第1のユニットと、前記第2の膨張弁と前記第2の熱交換器とを含む第2のユニットと、前記第1のユニットと前記第2のユニットとを接続する接続配管とから構成される空気調和機であって、前記冷凍サイクルは、前記圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸入側とを接続するバイパス管路を有し、前記第1のユニットの冷媒流路の内容積は、前記接続配管の最大接続配管長に相当する冷媒の最大封入量に基づいて定められる空気調和機。

請求項3

前記バイパス管路は、前記冷媒吐出側から前記冷媒吸入側へ通流する前記冷媒の流量を調整する流量調整手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機。

請求項4

前記圧縮機の冷媒吸入側の配管を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気調和機。

技術分野

0001

本発明は、空気調和機係り、特に、冷凍サイクル圧縮機の液圧縮を抑制する技術に関する。

背景技術

0002

一般に、冷凍サイクルは、圧縮機、熱源側熱交換器膨張弁利用側熱交換器配管により接続して構成され、熱源側熱交換器と利用側熱交換器において空気と冷媒とを熱交換させることにより空調を行うものである。

0003

このような冷凍サイクルにおいては、従来、圧縮機の冷媒吸入側気液分離器を設け、この気液分離器に冷媒を通過させることで、所定のボイド率気液二相流体積のうち気相体積の占める割合をいう。)となった冷媒を圧縮機に吸入させるようにしている。

0004

ところで、近年、一層の高効率化が求められている空気調和機においては、圧縮機の冷媒吸入側、つまり低圧側の圧力損失を低減することが効率改善に有効とされており、気液分離器を設けない構成の冷凍サイクルが求められている。しかし、このような冷凍サイクルの場合、例えば、運転を停止して所定時間放置すると、圧縮機の冷媒吸入側の接続配管内には液冷媒貯留してくる。特に、例えば圧縮機や熱源側熱交換器を備える室外ユニット側の雰囲気温度が、利用側熱交換器を備える室内ユニット側の雰囲気温度よりも低い場合、室外ユニットにおいて圧縮機の冷媒吸入側の配管等に貯留される液冷媒の割合が増加し、冷凍サイクルの起動時において圧縮機の吸入側冷媒が完全な液冷媒(ボイド率0)となり、これを吸入した圧縮機は液圧縮を起こして故障するおそれがある。

0005

そのため、例えば、圧縮機において液圧縮時に吸入された液が圧力逃がし通路出口に設けられた弁体押し上げ高圧室逃げやすい構造とすることにより、圧縮室サージ圧の上昇を抑制する技術が開示されている(特許文献1参照。)。

0006

しかし、このような弁の取付は高精度な加工が要求され、圧縮機の部品点数も増えることから、製造コストへの影響が大きいという問題がある。

0007

特開2001−280281号公報

発明が解決しようとする課題

0008

これに対し、冷凍サイクルの起動時に、圧縮機から吐出されたガス冷媒の一部を、バイパス管路を通じて圧縮機の吸入側冷媒中に導入することにより、ボイド率を上昇させ、液圧縮を抑制する方法が考えられる。

0009

しかしながら、通常バイパス管路は冷凍サイクルにおける冷媒の容量制御運転圧力の過昇又は過降の抑制を目的として使用され、これに見合った流量設計が施されているため、圧縮機の吸入側冷媒のボイド率を増加させ、液圧縮を回避するための十分なガス冷媒を確保することは困難である。

0010

本発明は、気液分離器をもたない冷凍サイクルにおいて、圧縮機の液圧縮を抑制することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

先ず、本発明の原理について説明する。一般に、運転が停止した冷凍サイクルの冷媒は、比較的低温の領域(例えば、室外ユニット内)で液化し、飽和状態となって冷媒流路に貯留される一方、比較的高温の領域(例えば、室内ユニット内)では、低温領域で液化された冷媒の圧力にて過熱ガスとなる。ここで、例えば、冷凍サイクルに封入されたすべての冷媒が所定の低温領域に貯留される場合、起動時に圧縮機の吸入側冷媒と吐出側冷媒をバイパス管路で連通させ、吐出側のガス冷媒を吸入側へ導入することにより、吸入側冷媒のボイド率を上昇させることができる。

0012

ところで、従来の冷凍サイクルにおいて、圧縮機の吸入側の気液分離器をなくした場合の必要内容積は、冷房暖房を行う場合に発生する必要冷媒量の差分を吸収し得るだけの内容積としているに過ぎない。そのため、すべての冷媒を冷凍サイクルの所定の低温領域に貯留できない場合があり、その結果、余剰の液冷媒が高温領域側に溢れ、高温領域では飽和液飽和ガスの冷媒が混在し、低温領域には高温領域の圧力にて過冷却状態となった液冷媒が溜まることになる。すなわち、圧縮機の吸入冷媒側には完全な過冷却冷媒が貯留されることになり、バイパス管路からガス冷媒を導入しても、吸入側冷媒のボイド率は殆ど上昇せずに、液圧縮を起こすおそれがある。

0013

そこで、本発明者らは、圧縮機の吸入側冷媒を飽和状態に保つことが液圧縮を回避する上で必須であることを知見し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明は、圧縮機、第1の熱交換器、膨張弁及び第2の熱交換器を順次配管で接続してなる冷凍サイクル回路を備え、少なくとも圧縮機と第1の熱交換器とを含む第1のユニットと、第2の熱交換器を含む第2のユニットと、第1のユニットと第2のユニットとを接続する接続配管とから構成される空気調和機であって、冷凍サイクル回路は、圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸入側とを接続するバイパス管路を有し、第1のユニットの冷媒流路の内容積は、接続配管の最大接続配管長に相当する冷媒の最大封入量に基づいて定められることを特徴とする。

0014

これによれば、例えば、第1のユニットが第2のユニットよりも低温の状態に置かれた場合は、施工時の接続配管長に関係なく、第1のユニットの冷媒流路に封入冷媒のすべてを飽和液として貯留することができ、起動時の圧縮機の吸入側冷媒を飽和状態に保つことができる。そして、この飽和状態の吸入側冷媒は、バイパス管路からガス冷媒を導入することにより、ボイド率を所定値以上増加させることができるため、気液分離器の有無によらず、圧縮機の液圧縮を抑制することができる。なお、上記と反対に、第2のユニットが第1のユニットよりも低温に置かれた場合、第2のユニットの冷媒流路には飽和状態の液冷媒が貯留され、その内容積が不足すると一部が第1のユニット側に溢れるが、この溢れた液冷媒は、過冷却となることがないため、飽和状態が維持され、液圧縮を回避することができる。

0015

また、本発明は、圧縮機、四方弁、第1の熱交換器、第1の膨張弁、冷媒量調整器、第2の膨張弁及び第2の熱交換器を順次配管で接続してなる冷凍サイクル回路を備え、圧縮機と四方弁と第1の熱交換器と第1の膨張弁と冷媒量調整器とを含む第1のユニットと、第2の膨張弁と第2の熱交換器とを含む第2のユニットと、第1のユニットと第2のユニットとを接続する接続配管とから構成される空気調和機であって、冷凍サイクルは、圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸入側とを接続するバイパス管路を有し、第1のユニットの冷媒流路の内容積は、接続配管の最大接続配管長に相当する冷媒の最大封入量に基づいて定められるようにしてもよい。

0016

これによれば、例えば、冷凍サイクルの接続配管長が長くなり、封入冷媒量が多くなっても、冷媒量調整器を設けることにより第1のユニットの冷媒流路の内容積を大きくできるため、すべての封入冷媒を飽和液として貯留することができ、圧縮機の液圧縮を抑制することができる。

0017

この場合において、バイパス管路は、冷媒吐出側から冷媒吸入側へ通流する冷媒の流量を調整する流量調整手段を備えていることが好ましい。これによれば、サイクル回路の起動時と通常運転時とに分けてそれぞれガス冷媒の流量調整を自在に行うことができる。すなわち、例えば、起動時は流量を最大に設定して吸入側冷媒のボイド率を増加させ、その後、ボイド率の安定化に合わせて適宜流量を絞り込み、通常運転時は流量を小さくして容量制御や運転圧力などの調整を行う。

0018

また、上記のバイパス回路に代えて、或いはバイパス回路とともに、圧縮機の冷媒吸入側の配管を加熱する加熱手段を設けるようにしてもよい。これによれば、圧縮機の吸入側冷媒を配管を介して加熱できるため、冷媒の過冷却を抑制し、圧縮機の信頼性を一層向上させることができる。

発明の効果

0019

本発明によれば、気液分離器を設けずに、圧縮機の液圧縮を抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用してなる空気調和機を説明するための一般的な冷凍サイクルの構成図である。図2は、本発明を適用してなる空気調和機において冷媒量調整器を備えた冷凍サイクルの一実施形態の構成図である。

0021

図1を用いて、本実施形態の空気調和機の基本構成について説明する。本実施形態の空気調和機は、図に示すように、圧縮機1、熱源側熱交換器2、絞り機構3、利用側熱交換器4が、配管6a,6b,6cを介して順次接続されて冷凍サイクルを構成している。圧縮機1は、配管6aと6bを連結するバイパス管路7によって吐出側と吸入側とがバイパスされるようになっている。バイパス管路7には、流量調整弁11が設けられている。本実施形態の冷凍サイクルは、圧縮機1の吸入側の配管に気液分離器が設けられていない。

0022

このような冷凍サイクルの構成において、例えば、冷房運転時、圧縮機1から吐出された高温、高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器2に導かれ、送風機5aから送風される空気を加熱して液冷媒となる。そして、熱源側熱交換器2を通過した液冷媒は、絞り機構3に導かれて膨張し、利用側熱交換器4に送られ、送風機5bから送風される室内空気と熱交換することにより蒸発し、ガス冷媒となる。そして、利用側熱交換器4を通過したガス冷媒は、圧縮機1に吸い込まれて再び圧縮され、上述の冷凍サイクルを循環する。

0023

このように、気液分離器を設置しない冷凍サイクルの構成において、運転が停止して所定時間放置されると、圧縮機1の冷媒吸入側の配管6a内に液化した冷媒が貯留するようになる。特に、利用側の雰囲気温度よりも熱源側の雰囲気温度が低い場合は、貯留される液冷媒の割合が増えて、圧縮機1の吸入側冷媒が完全な液冷媒(ボイド率0)となる。ここで、冷凍サイクルを起動させ、圧縮機1に液冷媒が吸入されると、圧縮機1内の圧力が異常上昇し圧縮機構部に破損が生じるおそれがある。そのため、バイパス管路7を介して吐出側のガス冷媒の一部を吸入側に導いて、吸入側冷媒のボイド率を上昇させる必要がある。

0024

しかしながら、バイパス管路7は、一般に、冷媒循環量抑制のために使用されており、流量比率(バイパス管路7から導入される冷媒量/利用側熱交換器4から供給される冷媒量)は低く設定されている。このため、配管6a内の吸入側冷媒が完全に液冷媒になると、流量調整弁11を開放させて吐出側のガス冷媒を取り込んでも、ボイド率を所定の値(例えば、0.1)までしか上昇させることができない。つまり、冷凍サイクルに要求される吸入側冷媒の適切なボイド率は、通常0.8〜1.0であるが、この値が極端に低下して、例えば、0〜0.3程度に達すると、圧縮機1は液圧縮を引き起こす。

0025

また、気液分離器が設置されていても、冷凍サイクルの構成が大きいシステム(例えば、ビルなどで利用側熱交換器が複数設置され、接続配管長が非常に長い場合など)では、冷凍サイクルの休止中に気液分離器が満液になるまで液冷媒が貯留する場合がある。このように気液分離器が満液になると、本来の機能が失われ、圧縮機1は液圧縮を引き起こす。

0026

そこで、気液分離器を備えなくても圧縮機1の液圧縮を回避し得る冷凍サイクルの構成について、以下、図2を用いて具体的に説明する。

0027

図2の冷凍サイクルは、配管で順に接続される圧縮機1、四方弁8、熱源側熱交換器2、絞り機構3a、冷媒量調整器9を有する室外ユニットと、配管で接続される絞り機構3b、利用側熱交換器4を有する室内ユニットとを備え、利用側熱交換器4と四方弁8、冷媒量調整器9と絞り機構3bは、それぞれ弁10a,10bを介して配管6a,6cにより接続されている。圧縮機1は、配管6aと6bを連結するバイパス管路7によって吐出側と吸入側とがバイパスされており、バイパス管路7には、バイパス管路7内を通流する冷媒の流量を自在に調整する流量調整弁12が設けられている。

0028

このような構成において、例えば、運転が停止し、室外ユニットが室内ユニットよりも低温雰囲気に置かれた場合、冷媒は室外ユニットの冷媒流路の所定領域で液化して貯留される。ここで、例えば、室外ユニットの冷媒流路の所定領域に冷媒を貯留しきれない場合、室外ユニットから室内ユニット側に溢れた冷媒は、飽和液と飽和ガスとなり、圧縮機1の吸入側配管には、室内ユニットの高い温度の圧力で過冷却状態となった液冷媒が存在するようになる。このように、圧縮機1の吸入配管に過冷却の冷媒が貯留された状態で、バイパス管路7により、吸入側冷媒のボイド率を上昇させるには、かなりの大口径となるバイパス管路7を設けなければならず、実用的でない。

0029

これに対し、本実施形態の冷凍サイクルでは、室外ユニット内に冷媒の貯留容積を拡大させる冷媒量調整器9が設けられ、冷凍サイクルに封入されるすべての冷媒が冷媒量調整器9を含めた室外ユニットの所定領域(後述する)に貯留されるように内容積が設計されている。これにより、この領域に貯留される液冷媒は飽和状態となり、吸入側冷媒を飽和状態とすることができる。そして、圧縮機1の吸入側冷媒が飽和状態であれば、バイパス管路7から適切な流量に調整されたガス冷媒を導入し、ボイド率を上昇させることができるため、圧縮機1の液圧縮を回避することができる。

0030

ここで、例えば、圧縮機1の吐出側に吐出圧力センサを設け、検出された吐出圧力が適正範囲に収まるように、図示しない制御装置により流量調整弁12の弁開度を制御するようにしてもよい。これによれば、例えば、冷凍サイクルの起動時において、吐出圧力の振れを安定化させることができる。なお、流量調整弁12は弁開度の調整機能に限らず、開閉制御によっても同様の効果を得ることができる。

0031

一方、室内ユニットが室外ユニットよりも低温雰囲気に置かれた場合は、室内ユニットの冷媒流路に液冷媒が貯留され、その内容積が不足すると、液冷媒が室外ユニット側に溢れることになるが、この溢れた液冷媒は飽和状態で吸入側冷媒となるため、圧縮機1の液圧縮を回避することができる。

0032

次に、室外ユニットの内容積の設計手法について説明する。図6は、図2の冷凍サイクルにおいて各構成部分の内容積と貯留する液冷媒量及びガス冷媒量との関係を示す図である。図7は、図6においてガス冷媒量の内容積を考慮しない場合の各構成部分の内容積と貯留する液冷媒量との関係を示す図である。

0033

先ず、本実施形態の空気調和機を設置する場合、設置場所に応じた接続配管長(例えば、配管6a,6bの長さ)に応じて接続配管が施工され、冷媒が充填される。ここで、冷媒封入量は接続配管径に応じた単位冷媒封入量により規定され、システムの許容最大配管長のとき最大冷媒量が封入される。図6に示すように、この最大冷媒量が室外ユニットの内容積と室内ユニット及び配管6a,6b内に貯留できるように内容積を設計する。

0034

具体的に、室外ユニットには液冷媒が貯留され、室内ユニットと接続配管6a,6c内には過熱ガス冷媒が貯留されるとして、それぞれの貯留可能最大冷媒量を求め、両者の和が最大冷媒量を上回るように設計すればよい。この場合、室外ユニットは、熱源側熱交換器2、冷媒量調整器9、その他容器、及びこれらを接続する室外ユニット内配管などから構成されるが、これらのうち冷媒量調整器9の設定内容積が最も設計自由度が大きい。また、室内ユニットは、利用側熱交換器4、接続配管などから構成される。

0035

これによれば、施工時の接続配管長に関係なく、室外ユニットの冷媒流路には、液冷媒を飽和液として貯留することができるため、圧縮機1の吸入側冷媒を飽和状態に保ち、バイパス管路7からの冷媒量によりボイド率を調整し液圧縮を抑制することができる。

0036

この場合において、システムが休止した場合、冷媒はシステム内で最も温度の低い箇所に移動し貯留することから、圧縮機1も例外ではなく温度が低くなれば冷媒が貯留する。このとき、圧縮機構部に冷媒が貯留したまま起動すると、過負荷による運転電流超過や圧縮機構部の破損を招くため、信頼性確保のため圧縮機1には電気ヒータ巻き付けておき、通電により周囲温度よりも高い温度で保持する必要がある。このため、圧縮機1の容積は冷媒貯留容積として考慮していない。

0037

また、図7に示すように、室内ユニットと接続配管6a,6cの内容積を考慮しない場合は、室外ユニット側の内容積、特に、冷媒量調整器9の容積を図6の容積よりも大きくする必要があるが、この方法を用いても、図6の最大冷媒量を満足できるため問題はない。

0038

図3は、本発明を適用してなる空気調和機において複数の室内ユニットが接続された、いわゆるビル用マルチシステムの一実施形態を示す冷凍サイクルの構成図である。

0039

図に示すように、それぞれの室内ユニットは、互いに利用側熱交換器4が並列に配置されて構成される。室外ユニットは、圧縮機1のバイパス管路7a,7bが2系統設置され、各バイパス管路7a,7bには、例えば、弁開閉機能を有する流量調整弁12a,12bが設けられている。

0040

この構成によれば、例えば、バイパス管路7aは通常運転時の流量抑制経路として用い、バイパス管路7bは冷凍サイクルの起動時にバイパス管路7aとともに開放させ、冷媒流量を増加させるときのみ用いることができる。なお、バイパス管路7bに流量調整自在の弁開度調整機能を設け、単独で用いるようにしてもよい。

0041

図4は、図3の冷凍サイクルにおいて、バイパス管路7a,7bを用いた場合の圧縮機1の吸入圧力と吸入側冷媒のボイド率との関係を示す図である。

0042

図に示すように、バイパス管路7a,7bをそれぞれ単独で用いた場合には、吸入圧力が増加しても液圧縮を回避するために必要なボイド率(図中の点線、例えば、0.65)まで達しないが、バイパス管路7a,7bを同時に使用或いはバイパス管路7bを単独で用い、流量比率を適宜設計することにより、吸入側が液冷媒状態であっても液圧縮を回避可能なボイド率を得ることができる。

0043

また、流量比率の設計は、例えば、冷凍サイクルの起動時を想定し、機器運転範囲のなかで最も冷媒温度が低い状態で、吐出側と吸入側の圧力差が非常に小さい場合においても十分に冷媒流量が確保されるように計算条件を設定する。これにより、すべての運転範囲で設計条件以上のボイド率を確保することができ、液圧縮を回避することができる。ここで、液圧縮の限界となるボイド率(乾き度)は、圧縮機ごとに異なるが、液圧縮回避機構をもたない一般的な圧縮機の場合、0.65(0.2)付近となり、これを上回る設計が必要となる。

0044

本実施形態では、冷媒を貯留する内容積を確保するため、冷媒量調整器9を用いる例を説明したが、これに限定されず、例えば、油分離器、気液分離器などを用いてもよい。また、熱交換器を大型化することにより同様の効果を得ることができる。また、封入される最大冷媒量が比較的少ない小型の冷凍サイクルなどにおいては、所定の内容積が確保される限り、必ずしも冷媒量調整器9を設ける必要はない。

0045

図5は、本発明を適用してなる空気調和機の冷凍サイクルの他の実施形態を示す構成図である。

0046

本実施形態の冷凍サイクルは、圧縮機1とバイパス管路7を室内ユニットに設けている点で、上記実施形態と相違する。このように、圧縮機1が室内ユニット側に設けられていても、例えば、室内ユニット内の所定領域に冷凍サイクルに封入されるすべての冷媒が貯留されるよう内容積を確保し、液冷媒を飽和状態として貯留することにより、吸入側冷媒を飽和状態とすることができ、圧縮機1の液圧縮を抑制することができる。

0047

また、図8に示すように、バイパス管路7に代えて、圧縮機1の吸入側配管に加熱ヒータ13を設置するようにしてもよい。この構成によれば、冷凍サイクルの運転停止中、圧縮機1の吸入側配管は所定温度に加熱されるため、加熱部における液冷媒の貯留が抑制されるとともに、運転開始時にも当該部分を加熱することで、吸入側冷媒のボイド率を例えば0.65以上に確保することができる。これにより、上記のバイパス管路7と同様の効果を奏することができる。なお、バイパス管路7とともに加熱ヒータ13を使用すれば、所望のボイド率をより安定的に得ることができる。

0048

以上述べたように、上記実施形態では、少なくとも室外ユニットの冷媒流路の内容積を冷凍サイクルの最大接続配管長の冷媒の最大封入量に基づいて設定し、冷凍サイクルに封入されるすべての冷媒が、同ユニット内の所定領域に液冷媒の飽和状態として貯留できるようになっている。このため、施工時の接続配管長に関係なく、起動時の圧縮機の吸入側冷媒が過冷却となることを抑制することができ、加えて、バイパス管路から吐出側のガス冷媒を適量導入することにより、ボイド率を所定以上に増加させることができる。これにより、気液分離器の有無にかかわらず、また、冷凍サイクルの休止状態や休止時間によることなく、液圧縮による圧縮機の信頼性の低下を防止することができる。さらに、圧縮機の吸入側冷媒が液冷媒となった状態から圧縮機を起動した場合でも、バイパス管路から適量のガス冷媒を導入することにより、吸入側冷媒のボイド率を増加させ、液圧縮による圧縮機破損を防止することができる。

図面の簡単な説明

0049

図1は本発明を適用してなる空気調和機を説明するための一般的な冷凍サイクルの構成図である。
本発明を適用してなる空気調和機において冷媒量調整器を備えた冷凍サイクルの一実施形態の構成図である。
本発明を適用してなる空気調和機のビル用マルチシステムの一実施形態を示す冷凍サイクルの構成図である。
図3の冷凍サイクルの圧縮機の吸入圧力と吸入側冷媒のボイド率との関係を示す図である。
本発明を適用してなる空気調和機の冷凍サイクルの他の実施形態を示す構成図である。
図2の冷凍サイクルにおいて各構成部分の内容積と貯留する液冷媒量及びガス冷媒量との関係を示す図である。
図6においてガス冷媒量の内容積を考慮しない場合の各構成部分の内容積と貯留する液冷媒量との関係を示す図である。
本発明を適用してなる空気調和機の冷凍サイクルの他の実施形態を示す構成図である。

符号の説明

0050

1圧縮機
2熱源側熱交換器
3絞り機構
4利用側熱交換器
5送風機
6配管
7バイパス管路
8四方弁
9冷媒量調整器
11流量調整弁
13 加熱ヒータ

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  • 大成建設株式会社の「 空気調和方法、空気調和設備および潜熱蓄熱ユニット」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】室内の快適性の向上と、空調エネルギーの削減効果を図ることを可能とした空気調和方法と、これに使用する空気調和設備および潜熱蓄熱ユニットを提案する。【解決手段】居室の床下11に潜熱蓄熱材5を設け、... 詳細

  • 大阪瓦斯株式会社の「 チラーシステム」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】低負荷においても効率の低下を緩和できるチラーシステムを提供する。【解決手段】冷媒循環路を循環する冷媒を圧縮する電気駆動式圧縮機45を有し、冷媒の凝縮熱又は蒸発熱により第1熱媒体を加熱又は冷却す... 詳細

  • 株式会社ケーヒンの「 冷凍サイクル」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】冷凍サイクルにおいて冷媒が膨張弁から蒸発器へと流通する際の異音の発生を抑制する。【解決手段】冷凍サイクル10には、膨張弁18の下流側と蒸発器12とを接続する第1配管20を有し、その上流側となる... 詳細

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