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技術 三重結合を有するグリセロ化合物およびこれを含む膜材料

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 馬場照彦高木俊之金森敏幸
出願日 2005年11月7日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2005-322170
公開日 2007年5月24日 (12年5ヶ月経過) 公開番号 2007-126416
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤 有機低分子化合物及びその製造 第5-8族元素を含む化合物及びその製造
主要キーワード 表面修飾処理 有機薄膜材料 ムギネ酸 ジギタロース 脂肪アルコール誘導体 膨張挙動 グリセリルエーテル誘導体 ベタシアニン
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課題

会合力が高いことにより膜小胞体など膜材料と成り得る、化学的に安定な、1分子グリセロールと1分子もしくは2分子の三重結合を一つ有する脂肪アルコールエーテル結合し、グリセロールの残りの水酸基有機基が結合した、新規な三重結合を1もしくは2つ有するグリセロ化合物更にはこれを含有する膜形成材料を提供する。

解決手段

下記一般式(1)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。

化1

(式中、nとmは、それぞれ1から18の間の数で示され、その合計(n+m)が4から17の間の数である。nとmは、同一もしくは異なっても良い。Rは、水素原子もしくはリン酸もしくは有機基もしくはリン酸基を介した有機基で表される。)

概要

背景

分子グリセロール1分子と1分子または2分子の飽和または不飽和脂肪酸によりエステル結合したグリセロ化合物(脂質)は界面活性を有し、採鉱金属加工表面仕上げ、及び洗浄用などに使用される各種工業用処理剤家庭用の各種洗浄剤及び各種清浄剤、また安全性が高いところから、医薬品、化粧品食品用添加剤などとして広く使用されている。

従来、この種の飽和または不飽和脂肪酸のグリセリルエステルは、天然から得られるトリグリセリド部分鹸化や、1分子のグリセロールと1分子または2分子の飽和または不飽和脂肪酸をエステル結合させることで得られる。さらに、残りの水酸基リン酸基などを結合した非環状のリン脂質も、天然から得るばかりでなく人為的手段によっても合成されてきた。

しかしながら、飽和脂肪酸のグリセリルエステルやそれより誘導されるリン脂質は、単独あるいは含水したものにあっても、脂肪酸鎖が温度低下に伴って固体状態に変化することにより、流動性のない固形物あるいはその分散体に変化する。この変化が起こる温度は脂肪酸鎖長に依存し、例えば鎖長が長くなると、より低い温度で固体状態に変化することが知られており、例えば表面修飾処理などの用途においては、流動性が乏しいことから扱い難くなる。

一方、不飽和脂肪酸のグリセリルエステルやそれより誘導されるリン脂質では、飽和脂肪酸に比べれば、固形物に変化する温度は一般に低いが、不飽和結合が容易に空気中の酸素などにより酸化分解することが知られており、比較的長期にわたって各種用途に供するのは困難である。

二重結合を有する脂肪酸およびグリセリルエステルは自然界に多数存在する。また、人工的にも二重結合が導入されたグリセリルエステルやグリセリルエーテルが合成されてきた。重合性を持たせるためジエン(二重結合が二つ)もしくはジイン三重結合が二つ)などの不飽和結合が共役した脂質なども合成されている。

一方、モノイン(三重結合が一つ)を有する脂肪酸は、自然界では極めて少なく、例えば、Santalaceae属の種子油に9−オクタデシン酸として存在する(非特許文献1)が、それらを含むリン脂質などの複合脂質は知られていない。
さらに、モノインを疎水鎖末端に有するエステル型リン脂質が合成されているが(非特許文献2)、疎水鎖長炭素数で13個と短く、例えば膜タンパク質再構成膜基材としては適さず、また末端のモノインは重合性が高いので、生分解性の面から、生体内でのドラッグキャリア材料としては問題がある。
重合性がない三重結合を導入した化学的に安定なグリセリルエーテル誘導体はこれまでに見出されていない。

Tetrahedron Lett.,No.40, 3011-3013 (1964)
Chem. Phys. Lipids,112, 99-108 (2001)

概要

会合力が高いことにより膜小胞体など膜材料と成り得る、化学的に安定な、1分子のグリセロールと1分子もしくは2分子の三重結合を一つ有する脂肪アルコールエーテル結合し、グリセロールの残りの水酸基に有機基が結合した、新規な三重結合を1もしくは2つ有するグリセロ化合物更にはこれを含有する膜形成材料を提供する。 下記一般式(1)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、nとmは、それぞれ1から18の間の数で示され、その合計(n+m)が4から17の間の数である。nとmは、同一もしくは異なっても良い。Rは、水素原子もしくはリン酸もしくは有機基もしくはリン酸基を介した有機基で表される。)なし

目的

本発明は、純度よく短時間で製造可能であり、広い温度で固形物あるいはその分散体にならず、分子間会合力が高いことにより膜小胞体など膜材料と成り得る、化学的に安定な、1分子のグリセロールと1分子もしくは2分子の三重結合を一つ有する脂肪アルコールがエーテル結合し、グリセロールの残りの水酸基に有機基が結合した、新規な三重結合を一もしくは二つ有するグリセロ化合物更にはこれを含有する膜形成材料を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、nとmは、それぞれ1から18の間の数で示され、その合計(n+m)が4から17の間の数である。nとmは、同一もしくは異なっても良い。Rは、水素原子金属原子リン酸基又はリン酸基を介してもよい有機基を示す。)

請求項2

下記一般式(2)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、n、m、Rは前記一般式(1)と同じである。)

請求項3

請求項1記載の化合物と請求項2記載の化合物を含有する異性体混合物

請求項4

下記一般式(3)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、n、m、Rは前記一般式(1)と同じである。)

請求項5

下記一般式(4)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、nとmは前記一般式(1)と同じである。R1は、水素原子、アルキル基環状アルキル基アリール基またはアラルキル基で表され、二重結合を有していても良い。R2は、水素原子、金属原子またはリン酸基を介してもよい有機基を示す。)

請求項6

下記一般式(5)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

請求項7

請求項5記載の化合物と請求項6記載の化合物を含有する異性体混合物。

請求項8

下記一般式(6)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

請求項9

下記一般式(7)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

請求項10

請求項8記載の化合物と請求項9記載の化合物を含有する異性体混合物。

請求項11

下記一般式(8)で表されるグリセロ化合物。(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

請求項12

下記一般式(9)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

請求項13

請求項11記載の化合物と請求項12記載の化合物を含有する異性体混合物。

請求項14

請求項1〜13何れかに記載の化合物または異性体混合物を含有する膜形成材料

技術分野

0001

本発明は、三重結合を有するグリセロ化合物に関し、更に詳しくは、水溶性医薬品を膜小胞体内水相中に封入する、あるいは油溶性の医薬品を小胞体膜内に溶かし込む、ドラッグキャリアとなる有機薄膜材料、各種工業製品(繊維、プラスチックガラス、金属、セラミックなど)の表面修飾剤膜タンパク質核酸などの生体高分子表面を修飾する有機薄膜材料、さらに化粧品食品染料などの分散剤乳化剤、脱乳化剤、洗浄剤可溶化剤湿潤剤浸透剤として有用な、新規な三重結合を有するグリセロ化合物(脂質)とそれから成る膜形成材料に関する。

背景技術

0002

分子グリセロール1分子と1分子または2分子の飽和または不飽和脂肪酸によりエステル結合したグリセロ化合物(脂質)は界面活性を有し、採鉱金属加工表面仕上げ、及び洗浄用などに使用される各種工業用処理剤家庭用の各種洗浄剤及び各種清浄剤、また安全性が高いところから、医薬品、化粧品や食品用添加剤などとして広く使用されている。

0003

従来、この種の飽和または不飽和脂肪酸のグリセリルエステルは、天然から得られるトリグリセリド部分鹸化や、1分子のグリセロールと1分子または2分子の飽和または不飽和脂肪酸をエステル結合させることで得られる。さらに、残りの水酸基リン酸基などを結合した非環状のリン脂質も、天然から得るばかりでなく人為的手段によっても合成されてきた。

0004

しかしながら、飽和脂肪酸のグリセリルエステルやそれより誘導されるリン脂質は、単独あるいは含水したものにあっても、脂肪酸鎖が温度低下に伴って固体状態に変化することにより、流動性のない固形物あるいはその分散体に変化する。この変化が起こる温度は脂肪酸鎖長に依存し、例えば鎖長が長くなると、より低い温度で固体状態に変化することが知られており、例えば表面修飾処理などの用途においては、流動性が乏しいことから扱い難くなる。

0005

一方、不飽和脂肪酸のグリセリルエステルやそれより誘導されるリン脂質では、飽和脂肪酸に比べれば、固形物に変化する温度は一般に低いが、不飽和結合が容易に空気中の酸素などにより酸化分解することが知られており、比較的長期にわたって各種用途に供するのは困難である。

0006

二重結合を有する脂肪酸およびグリセリルエステルは自然界に多数存在する。また、人工的にも二重結合が導入されたグリセリルエステルやグリセリルエーテルが合成されてきた。重合性を持たせるためジエン(二重結合が二つ)もしくはジイン(三重結合が二つ)などの不飽和結合が共役した脂質なども合成されている。

0007

一方、モノイン(三重結合が一つ)を有する脂肪酸は、自然界では極めて少なく、例えば、Santalaceae属の種子油に9−オクタデシン酸として存在する(非特許文献1)が、それらを含むリン脂質などの複合脂質は知られていない。
さらに、モノインを疎水鎖末端に有するエステル型リン脂質が合成されているが(非特許文献2)、疎水鎖長炭素数で13個と短く、例えば膜タンパク質再構成膜基材としては適さず、また末端のモノインは重合性が高いので、生分解性の面から、生体内でのドラッグキャリア材料としては問題がある。
重合性がない三重結合を導入した化学的に安定なグリセリルエーテル誘導体はこれまでに見出されていない。

0008

Tetrahedron Lett.,No.40, 3011-3013 (1964)
Chem. Phys. Lipids,112, 99-108 (2001)

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、純度よく短時間で製造可能であり、広い温度で固形物あるいはその分散体にならず、分子間会合力が高いことにより膜小胞体など膜材料と成り得る、化学的に安定な、1分子のグリセロールと1分子もしくは2分子の三重結合を一つ有する脂肪アルコールエーテル結合し、グリセロールの残りの水酸基に有機基が結合した、新規な三重結合を一もしくは二つ有するグリセロ化合物更にはこれを含有する膜形成材料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、三重結合を一つ有する脂肪アルコール誘導体の製造およびキラル化合物である一般式HOCH2CH(OH)CH2OHで表されるグリセロールを用いると、キラルな化合物群が選択的に製造できることを見出して、本発明を完成させた。

0011

すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
(1)下記一般式(1)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、nとmは、それぞれ1から18の間の数で示され、その合計(n+m)が4から17の間の数である。nとmは、同一もしくは異なっても良い。Rは、水素原子もしくはリン酸もしくは有機基もしくはリン酸基を介した有機基で表される。)

(2)下記一般式(2)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、n、m、Rは前記一般式(1)と同じである。)

(3)(1)に記載の化合物と(2)に記載の化合物を含有する異性体混合物
(4)下記一般式(3)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、n、m、Rは前記一般式(1)と同じである。)
(5)下記一般式(4)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、nとmは前記一般式(1)と同じである。R1は、水素原子、アルキル基環状アルキル基アリール基またはアラルキル基で表され、二重結合を有していても良い。R2は、水素原子もしくはリン酸もしくは有機基もしくはリン酸基を介した有機基で表される。)
(6)下記一般式(5)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

(7)(5)に記載の化合物と(6)に記載の化合物を含有する異性体混合物。
(8)下記一般式(6)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

(9)下記一般式(7)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

(10)(8)に記載の化合物と(9)に記載の化合物を含有する異性体混合物。
(11) 下記一般式(8)で表されるグリセロ化合物。



(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

(12) 下記一般式(9)で表される三重結合を有するグリセロ化合物。



(式中、n、m、R1、R2は前記一般式(4)と同じである。)

(13)(11)に記載の化合物と(12)に記載の化合物を含有する異性体混合物。
(14)上記(1)〜(13)何れかに記載の化合物または異性体混合物を含有する膜形成材料。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明に係る新規な三重結合を有するグリセロ化合物の構造式は、下記一般式(1)〜(9)で表される。

0013

前記一般式(1)〜(9)で表される三重結合を有するグリセロ化合物の置換基について、その内容をより具体的に説明し、化合物について説明する。
R、R2は、水素原子、金属原子またはリン酸基を介してもよい有機基を、R1は、水素原子、アルキル基、環状アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表す。
金属原子としては、リチウムナトリウムカリウムルビジウムセシウムなどのアルカリ金属ベリリウムマグネシウムカルシウムストロンチウムバリウムなどのアルカリ土類金属ホウ素、アルミニウムチタン、錫、鉄などの金属原子を挙げることができる。
有機基は、(1)アルキル基、(2)環状アルキル基、(3)アリール基、(4)アラルキル基からなる基から選ばれる。
以下に、これらの基の詳細について、さらに、詳細に説明する。

0014

(1)アルキル基については以下のとおりである。
アルキル基は、直鎖あるいは分枝鎖アルキル基から選ばれる基である。その炭素数は、通常100個以下、好ましくは72個以下、さらに好ましくは32個以下である。具体的に基をあげると、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基ウンデシル基、ドデシル基テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基フィニル基等を挙げることができる。
(2)環状アルキル基については、シクロペンチル基、シクロヘキシル基アダマンチル基コレステリル基等を挙げることができる。
(3)アリール基としては、フェニル基ナフタレン基等を挙げることができる。
(4)アラルキル基としては、ベンジル基フェネチル基等を挙げることができる。
前記のアルキル基、環状アルキル基、アリール基またはアラルキル基の置換基としては、本発明の化合物を製造する際に、製造反応関与しない基であれば、含んでいて差し支えない。置換あるいは未置換アリール基カルボニル基アルコキシ基アルコキシカルボニル基アシル基アシルオキシ基アルキルまたはアリールスルホニル基ニトロ基ハロゲン等が例示される。酸素原子窒素原子硫黄原子などが結合を介しても良い(ポリエチレングリコールなど)。

0015

ハロゲン原子としては、フッ素原子塩素原子臭素原子ヨウ素原子を挙げることができる、有機基に置換した状態であってもよい。

0016

上記一般式中のRは、前記の(1)から(4)の基を含み、さらにこれ以外に、(5)糖類、(6)アミン類、(7)アミノ酸類などの中から選ばれる基を用いることができる。また、リン酸基などを介してこれらの有機基が結合しても良い。

0017

有機基に関して、前記(1)から(4)以外の基の場合について説明を挙げる。
(5)糖類としては特に制限はないが、通常は単糖類オリゴ糖類である。単糖類としてペントースヘキソースデオキシヘキソースヘプトースアミノ糖、含イオウ糖が挙げられ、具体的にはアラビノースリボースキシロースグルコースガラクトースマンノースフルクトースラムノースフコースジギトキソース、チマロースオレアンドロース、ジギタロースアピオースハマメロース、ストレプトース、セドヘプチュロース、コリオース、グルコサミンガラクトサミン、2−デオキシ−2−メチルアミノグルコース、スルホキノボースガラクトシル硫酸エステルなどが例示される。オリゴ糖類として非還元性オリゴ糖還元性オリゴ糖が挙げられ、具体的にはショ糖トレハロースゲンチアノース、ラフィノース乳糖セルビオース麦芽糖ゲンチオビオースなどが例示される。

0018

(6)アミン類は通常含まれる炭素の炭素数50以下、酸素数20以下、窒素数30以下、硫黄数5以下、好ましくは、炭素数35以下、酸素数5以下、窒素数15以下、硫黄数3以下、さらに好ましくは、炭素数2〜20、酸素数3以下、窒素数2〜10、硫黄数1以下の範囲で構成される。
アミノ酸類として具体的には、グリシンアラニンバリンロイシンイソロイシンセリントレオニンアスパラギン酸グルタミン酸アスパラギングルタミンリジンオルニチンアルギニンヒスチジンヒドロキシリジンシステインシスチンメチオニンフェニルアラニンチロシントリプトファンプロリン4−ヒドロキシプロリントリコロミン酸イボテン酸キスカリン酸、カナバニンカイニン酸ドモイ酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、2−(メチレンシクロプロピル)グリシン、ヒポグリシンA、3−シアノアラニン、アベナ酸、ムギネ酸ミモシンレボドパ、β−ヒドロキシ−γ−メチルフルタミン酸、5−ヒドロキシトリプトファンパントテン酸ラミニンベタシアニンなどが例示される。また、タウリンなどスルホン酸基を有するアミン類なども挙げられる。

0019

前記アミン類は、ハロゲン原子で置換されていても良く、ハロゲン原子としてフッ素塩素臭素ヨウ素が挙げられ、1個以上置換されていても良い。また、リン酸基とアミノアルコールが結合しても良い。アミノアルコールとしてコリンエタノールアミン、セリンが挙げられる。

0020

前記一般式(1)から(9)で表される化合物の立体配置は、グリセロールの2級水酸基に応じて表現することができる。すなわち、グリセロールの2級水酸基がR配置のものとS配置のものとで示される。

0021

本発明の化合物は、たとえばキラルなグリセロールまたはグリセロールの1位または2位もしくは1位と2位の水酸基を保護したものを光学分割もしくは酵素を用いた分割により得たもの、または、(S)−(+)−2,2—ジメチル−1,3—ジオキソラン−4−メタノールもしくは(R)−(—)−2,2—ジメチル−1,3—ジオキソラン−4−メタノール、または、(R)−(+)−3—ベンジルオキシ−1,2—プロパンジオールもしくは(S)−(−)−3—ベンジルオキシ−1,2—プロパンジオールを出発原料として用い、あらかじめその水酸基の一部を保護しておき、ついで対応するアセチレンアルコールを反応させ、ついで保護基を脱離させてのち、必要に応じフリーな水酸基に有機基を導入することによって合成することができる。

0022

以下、本発明につき実施例を挙げて説明するが、その要旨を越えない限り以下に限定されるものではない。

0023

実施例1:化合物7の合成のフローチャートを以下に示す。

0024

[化合物1の合成]
−40℃に冷却した9−デシン−1−オール(1.2当量)の無水テトラヒドロフラン無水ヘキサメチルホスホラミ混液(1.2:1)にn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.60mmol/ml、2.4当量)をゆっくり加え、同温度で30分間、0℃で30分間攪拌した。−20℃に冷却後、1−ブロモオクタン(1当量)のヘキサメチルホスホラミド溶液をゆっくり加えた。同温度で10分間攪拌後、室温まで温度を上げた。同温度で18時間攪拌した。氷冷下、10%塩酸水溶液を加え、エーテルで抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーシリカゲル酢酸エチル:n−ヘキサン=3:7)で分離し、化合物1を60〜80%の収率で得た。

0025

[化合物2の合成]
氷冷下、化合物1(1当量)のジクロロメタン溶液塩化メタンスルホニル(1.5当量)、トリエチルアミン(2当量)を順に加え、同温度で3時間攪拌した。10%塩酸水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。濾過後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=3:7)で分離し、化合物2を79〜99%の収率で得た。

0026

[化合物3の合成]
水酸化カリウムジメチルスルホキシド溶液に(S)−(+)−2,2—ジメチル−1,3—ジオキソラン−4−メタノールとp−メトキシベンジルブロマイドを加え、室温で4時間攪拌した。氷冷下、10%塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=3:7)で分離し、化合物3を83〜99%の収率で得た。

0027

[化合物4の合成]
化合物3のメタノール溶液触媒量のp−トルエンスルホン酸一水和物を加え、室温で一晩攪拌した。減圧下、溶媒を留去した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1〜75:25)で分離し、化合物4を73〜93%の収率で得た。

0028

[化合物5の合成]
氷冷下、水素化ナトリウム(60%、2.5当量)の無水N,N−ジメチルホルムアミド懸濁液に化合物4(1当量)の無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液をゆっくり加え、同温度で30分間攪拌した。引き続き、化合物2の無水N,N−ジメチルホルムアミド溶液をゆっくりと加え、最後に触媒量のヨウ化テトラブチルアンモニウムを加え、室温で一晩攪拌した。氷冷下、10%塩酸水溶液を加え、エーテルで抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=3:7)で分離し、化合物5を65〜85%の収率で得た。

0029

[化合物6の合成]
氷冷下、化合物5(1当量)のジクロロメタンとリン酸緩衝液(pH7)の混溶液(10:1)にジクロロジシアノキノン(1.5当量)を加え、室温で3時間攪拌した。氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキサン=3:7)で分離し、化合物6を70〜90%の収率で得た。

0030

化合物6は、1H−NMRにより構造を決定した。

0031

1H−NMR(TMS、CDCl3)δ:3.75−3.40(m、9H)、2.18(t、J=6.1Hz、1H)、2.14(t、J=7.2Hz、8H)、1.60−1.53(m、4H)、1.50−1.44(m、8H)、1.39−1.27(m、36H)、0.88(t、J=7.0Hz、6H)。

0032

[化合物7の合成]
化合物6(1当量)のベンゼン溶液にトリエチルアミン、リン試薬を順に加え、室温で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を留去後、蒸留水を加え、室温で一晩攪拌した。クロロホルムで抽出後、減圧下で溶媒を留去した。イソプロパノールアセトニトリル:クロロホルム(5:5:3)の混液、トリメチルアミン水溶液(30〜40%)を順に加え、60℃で一晩加熱した。減圧下で溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホルム:メタノール:水=65:35:4)で分離し、化合物7を75〜95%の収率で得た。

0033

化合物7は、1H−NMRにより構造を決定した。

0034

1H−NMR(TMS、CDCl3)δ:4.26(bs、2H)、3.90(t、J=6.1Hz、2H)、3.62−3.53(m、6H)、3.49−3.41(m、3H)、3.24(s、9H)、1.53(bs、4H)、1.25(bs、60H)、0.88(t、J=7.0Hz、6H)。

0035

実施例2:化合物7の膜形成
ペースト状の外観である化合物7をスライドガラスカバーガラスに挟み、偏光顕微鏡下、室温(25℃)にて観察した。これらの試料に蒸留水を加えるとラメラ液晶(疎水鎖が液体状態にある)が生成するとともに、ラメラ構造多重積層したチューブ状の巨大構造であるミエリン形が生成した。また0℃に冷却しても固化しなかった。
これに超音波などの外力を軽くかけると、内水相を有する膜小胞体が生成した。比較対照のため、疎水鎖長が同じで飽和の直鎖型グリセロリン脂質(1,2-ジステアロイルグリセロ-3-ホスホコリン)を同様に偏光顕微鏡観察すると、蒸留水添加によっても、室温では水が浸透せず結晶のままで、加工の容易なラメラ液晶は形成しなかった。すなわち、化合物7は、疎水鎖長が同じ飽和直鎖型グリセロ脂質に比べて、ラメラ液晶が低温で容易に形成でき、かつ水による希釈によってもラメラ構造が崩壊せず、膜小胞体が安定に生成し得ることを示した。

0036

実施例3:化合物7の膜構造
化合物7に過剰量の水を添加し、室温(25℃)でX線回折測定を行った。その結果、水中で、厚さ3.4〜3.7nmの流動性のある液晶膜を形成し、膜内での化合物Aの占有面積は、約0.7nm2/molecと大きく、液体的な膨張挙動を示した。
比較対照のため、1,2-ジステアロイルグリセロ-3-ホスホコリンを同様に測定すると、厚さ4.7nmの結晶状態の膜となり、膜内での占有面積も、約0.4nm2/molecと密に充填され、結晶に特徴的なパターンを示した。すなわち、化合物7は、疎水鎖長が同じ飽和直鎖型グリセロ脂質に比べて、ラメラ液晶が低温で容易に形成できることを示した。

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