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技術 耐火組成物

出願人 ニチアス株式会社
発明者 原智彦川口昌孝山岸徹加藤朝幸
出願日 2005年10月26日 (14年8ヶ月経過) 出願番号 2005-310714
公開日 2007年5月17日 (13年1ヶ月経過) 公開番号 2007-119272
状態 特許登録済
技術分野 セラミック製品3 炉の外套、ライニング、壁、天井(炉一般1)
主要キーワード 高珪酸 定期修理 粉末珪酸ソーダ 珪弗化カリウム 垂直壁面 弗化ソーダ 珪弗化ナトリウム セルベン
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課題

強度が高い不定形耐火物を得ることができる耐火組成物を提供する。

解決手段

無機骨材40〜60重量%、無機粉末5〜10重量%、アルミナセメント16〜26重量%、珪酸ナトリウム粉末7〜15重量%、及び硬化促進剤6〜15重量%を含有する耐火組成物であって、更に粘着付与剤としてエーテル化でんぷんを0.05〜重量%含有することを特徴とする耐火組成物。

概要

背景

従来より、煙突煙道等のライニング材として、耐酸性を有する不定形耐火物が使用されてきた。

例えば、特開昭53−30124号公報(特許文献1)には、重量比にて、シャモット珪石粘土等の無機骨材を30〜80%、液体珪酸ソーダを10〜40%、珪弗化ソーダ珪弗化カリウム、珪弗化カルシウム珪弗化マグネシウムリン酸アルミニウム等の1種又は2種以上よりなる硬化促進剤を2〜30%、アルミナセメントを1〜30%の割合で配合して成る耐酸性を有する吹き付け不定形耐火物が開示されている。

しかし、引用文献1の吹き付け不定形耐火物は、結合剤として、液体珪酸ソーダを用いるため、該吹き付け不定形耐火物を施工する際には、粉体原料とは別系統で液体珪酸ソーダを吹き付け装置に供給しなければならず、規定の配合比とのズレが生じ、組成や強度にバラツキが出易いという問題があった。また、アルカリ性の強い液体珪酸ソーダがミストとなって、施工現場飛散し、作業者の健康障害を引き起こすという問題もあった。また、液体珪酸ソーダにより粘度を調節しているため、液体珪酸ソーダの添加量により、施工性が変動してしまうという問題もあった。

そこで、結合剤として、液体珪酸ソーダを使用しない不定形耐火物が開発されてきた。例えば、特公平1−24749号公報(特許文献2)には、セルベン50〜80重量部、粒径50μm以下の高珪酸微粉5〜15重量部、珪酸ソーダ粉末5〜15重量部、珪弗化ソーダ2〜5重量部、アルミナセメント5〜15重量部及びキャスタブル総配合量に対し0.01〜2重量%のリグニンスルホン酸ソーダからなるキャスタブルが開示されている。

特開昭53−30124号公報(特許請求の範囲)
特公平1−24749号公報(実施例)

概要

強度が高い不定形耐火物を得ることができる耐火組成物を提供する。無機骨材40〜60重量%、無機粉末5〜10重量%、アルミナセメント16〜26重量%、珪酸ナトリウム粉末7〜15重量%、及び硬化促進剤6〜15重量%を含有する耐火組成物であって、更に粘着付与剤としてエーテル化でんぷんを0.05〜重量%含有することを特徴とする耐火組成物。 なし

目的

従って、本発明の課題は、強度が高い不定形耐火物を得ることができる耐火組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

無機骨材無機粉末アルミナセメント珪酸ナトリウム粉末及び硬化促進剤を含有する耐火組成物において、更に粘着付与剤を含有することを特徴とする耐火組成物。

請求項2

前記粘着付与剤が、エーテル化でんぷんであることを特徴とする請求項1項記載の耐火組成物。

請求項3

前記粘着付与剤を0.05〜3質量%含有することを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の耐火組成物。

請求項4

前記無機骨材40〜60質量%、前記無機粉末5〜10質量%、前記アルミナセメント16〜26質量%、前記珪酸ナトリウム粉末7〜15質量%及び前記硬化促進剤6〜15質量%を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の耐火組成物。

技術分野

0001

本発明は、煙突煙道等のライニング材施工に用いられる耐火組成物、該耐火物組成物から得られる不定形耐火物、及び該耐火組成物を用いる不定形耐火物の施工方法に関する。

背景技術

0002

従来より、煙突、煙道等のライニング材として、耐酸性を有する不定形耐火物が使用されてきた。

0003

例えば、特開昭53−30124号公報(特許文献1)には、重量比にて、シャモット珪石粘土等の無機骨材を30〜80%、液体珪酸ソーダを10〜40%、珪弗化ソーダ珪弗化カリウム、珪弗化カルシウム珪弗化マグネシウムリン酸アルミニウム等の1種又は2種以上よりなる硬化促進剤を2〜30%、アルミナセメントを1〜30%の割合で配合して成る耐酸性を有する吹き付け不定形耐火物が開示されている。

0004

しかし、引用文献1の吹き付け不定形耐火物は、結合剤として、液体珪酸ソーダを用いるため、該吹き付け不定形耐火物を施工する際には、粉体原料とは別系統で液体珪酸ソーダを吹き付け装置に供給しなければならず、規定の配合比とのズレが生じ、組成や強度にバラツキが出易いという問題があった。また、アルカリ性の強い液体珪酸ソーダがミストとなって、施工現場飛散し、作業者の健康障害を引き起こすという問題もあった。また、液体珪酸ソーダにより粘度を調節しているため、液体珪酸ソーダの添加量により、施工性が変動してしまうという問題もあった。

0005

そこで、結合剤として、液体珪酸ソーダを使用しない不定形耐火物が開発されてきた。例えば、特公平1−24749号公報(特許文献2)には、セルベン50〜80重量部、粒径50μm以下の高珪酸微粉5〜15重量部、珪酸ソーダ粉末5〜15重量部、珪弗化ソーダ2〜5重量部、アルミナセメント5〜15重量部及びキャスタブル総配合量に対し0.01〜2重量%のリグニンスルホン酸ソーダからなるキャスタブルが開示されている。

0006

特開昭53−30124号公報(特許請求の範囲)
特公平1−24749号公報(実施例)

発明が解決しようとする課題

0007

煙突、煙道等に施工された不定形耐火物は、表面に排煙が流れ続けると、排煙の流れによる衝撃のために不定形耐火物が剥離してしまうので、定期修理の際等に、剥離した箇所に新たに不定形耐火物を施工し、補修が行われる。そのため、該不定形耐火物には、耐酸性に優れることに加えて、耐久性が高いことも要求されている。そして、該不定形耐火物の耐久性を向上させるためには、該不定形耐火物の強度を高くする必要がある。

0008

近年、製造コストを低減するために、更に耐久性が高い不定形耐火物が要求されている。つまり、引用文献2等の従来の不定形耐火物よりも、強度が高い不定形耐火物が要求されている。

0009

従って、本発明の課題は、強度が高い不定形耐火物を得ることができる耐火組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、(1)耐火組成物中の硬化促進剤の含有量を増やすと、不定形耐火物の強度が高くなること、(2)従来の不定形耐火物では、硬化促進剤の含有量を増やすと、不定形耐火物の耐熱性が低くなるが、アルミナセメントの含有量を増やすことにより、硬化促進剤の増量による耐熱性の低下を防ぐことができること、(3)従来の不定形耐火物では、アルミナセメントの含有量を増やすと、耐火組成物及び水の混練物を乾燥させた時に不定形耐火物に亀裂が発生するが、粘着付与剤を含有させることにより、不定形耐火物が緻密になるので、アルミナセメントの増量による亀裂の発生を防ぐことができること等を見出し、本発明を完成させるに至った。

0011

すなわち、本発明は、無機骨材、無機粉末、アルミナセメント、珪酸ナトリウム及び硬化促進剤を含有する耐火組成物であって、更に粘着付与剤を含有する耐火組成物を提供するものである。

発明の効果

0012

本発明によれば、強度が高い不定形耐火物を得ることができる耐火組成物を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明の耐火組成物は、無機骨材、無機粉末、アルミナセメント、珪酸ナトリウム及び硬化促進剤を含有する耐火組成物であって、更に粘着付与剤を含有する。

0014

そして、本発明の耐火組成物は、無機骨材40〜60質量%、無機粉末5〜10質量%、アルミナセメント16〜26質量%、珪酸ナトリウム粉末7〜15質量%、硬化促進剤6〜15質量%及び粘着付与剤0.05〜3質量%を含有する。

0015

本発明の耐火組成物に係る無機骨材としては、セルベン、シャモット、珪石、シンタアルミナ耐火レンガ粉砕品等が挙げられる。それらのうち、セルベンが、不定形耐火物の気孔率が低くなり且つ耐久性及び耐熱性が高くなる点で好ましい。

0016

該無機骨材の粒径は、好ましくは0.1〜6.5mm、特に好ましくは0.5〜4mmである。

0017

本発明の耐火組成物中の該無機骨材の含有量は、40〜60質量%、好ましくは45〜55質量%である。

0018

本発明の耐火組成物に係る無機粉末としては、アルミナ粉末シリカ粉末ムライトアンダリューサイトバン頁岩のようなシリカ・アルミナ粉末等が挙げられる。また、該無機粉末は、1種又は2種以上の組み合わせのいずれであってもよい。

0019

該無機粉末の粒径は、好ましくは0.01〜300μm、特に好ましくは0.07〜200μmである。該無機粉末の粒径が、0.01μm未満だと、施工時に耐火組成物及び水の混練物のダレが生じ易くなるか、あるいは、乾燥収縮が大きくなり易くなり、また、300μmを超えると、気孔率が大きくなるので、耐水性又は耐酸性が低くなり易い。

0020

本発明の耐火組成物中の該無機粉末の含有量は、5〜10質量%、好ましくは6〜10質量%である。該無機粉末の含有量が、5質量%未満だと、不定形耐火物の耐熱性が低くなり、また、10質量%を超えると、施工時に耐火組成物及び水の混練物のダレが発生し、施工性が悪くなるか、あるいは、不定形耐火物の強度が低くなる。

0021

該無機粉末は、粒径分布測定において、1つのピークトップを有していても、2以上のピークトップを有していてもよい。なお、レーザー回折散乱法マイクロトラック法)により、該粒度分布測定を行うことができる。該レーザー回折散乱法は、波長が一定であるレーザー光粒子に当て、その散乱光強度パターンから、粒径と粒度分布を算出する方法である。

0022

該無機粉末は、粒径が0.01〜300μmであり、且つ粒度分布測定において、0.07〜10μmに少なくとも1つのピークトップと、10〜200μmに少なくとも1つのピークトップを有することが、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が生じ難くなる点及び不定形耐火物が緻密になるので、耐酸性が高くなる点で好ましい。言い換えると、該無機粉末は、粒径が0.01〜300μmの範囲において、2つの分布、すなわち、粒径が大きい範囲と粒径が小さい範囲に、分布を持つ粉末であることが好ましい。この時、該無機粉末の0.07〜10μmの範囲のピークトップの数は、少なくとも1つであり、1であっても、2以上であってもよく、同様に、該無機粉末の10〜200μmの範囲のピークトップの数は、少なくとも1つであり、1であっても、2以上であってもよい。また、該無機粉末は、0.07〜10μmの範囲及び10〜200μmの範囲以外にピークトップを有していてもよい。

0023

このような、粒径が0.01〜300μmであり、且つ粒度分布測定において、0.07〜10μmに少なくとも1つのピークトップと、10〜200μmに少なくとも1つのピークトップを有する無機粉末は、0.07〜10μmに少なくとも1つのピークトップを有する無超機微粉末と、10〜200μmに少なくとも1つのピークトップを有する無機微粉末を混合することにより得られる。つまり、該無機粉末は、該無機微粉末と該無機超微粉末混合粉末であることが好ましい。なお、本発明において、該無機微粉末とは、粒度分布測定において10〜200μmに少なくとも1つのピークトップを有する無機粉末を指し、該無機超微粉末とは、粒度分布測定において0.07〜10μmに少なくとも1つのピークトップを有する無機粉末を指す。

0024

該無機微粉末としては、アルミナ微粉末、シリカ・アルミナ微粉末等が挙げられる。これらのうち、アルミナ微粉末が、不定形耐火物の耐熱性が高くなる点で好ましい。該無機微粉末は、粒径が0.1〜300μm、好ましくは1〜200μmであり、平均粒径が10〜70μm、好ましくは20〜40μmである。また、該無機微粉末は、5〜75μmの粒径のものが80%以上であることが好ましい。また、該無機微粉末は、粒度分布測定において、少なくとも1つのピークトップを有しており、ピークトップの数は、1であっても、2以上であってもよい。

0025

該無機超微粉末としては、シリカ超微粉末、珪石粉珪藻土、粘土等が挙げられる。これらのうち、シリカ超微粉末が、シリカの純度が高く且つ粒径が小さく、不定形耐火物が緻密になるので、耐酸性が高くなる点で好ましい。また、該無機超微粉末は、粒径が0.01〜20μm、好ましくは0.07〜10μmであり、平均粒径が0.2〜3μm、好ましくは0.5〜1.5μmである。また、該無機超微粉末は、0.5〜5μmの粒径のものが80%以上であることが好ましい。また、該無機超微粉末は、粒度分布測定において、少なくとも1つのピークトップを有しており、ピークトップの数は、1であっても、2以上であってもよい。

0026

該無機粉末が、該無機微粉末及び該無機超微粉末を混合して得られる混合粉末の場合、本発明の耐火組成物の全質量(該無機微粉末及び該無機超微粉末も含む耐火組成物の質量)中の、該混合粉末の含有量は、5〜10質量%、好ましくは6〜10質量%である。該混合粉末の含有量が、5質量%未満だと、不定形耐火物の耐熱性が低くなり、また、10質量%を超えると、施工時に耐火組成物及び水の混練物のダレが発生し、施工性が悪くなるか、あるいは、不定形耐火物の強度が低くなる。

0027

該無機粉末が、該無機微粉末及び該無機超微粉末を混合して得られる混合粉末の場合、本発明の耐火組成物の全質量(該無機微粉末及び該無機超微粉末も含む耐火組成物の質量)中の該無機超微粉末の含有量が、0.5〜3.0質量%となるように、該無機超微粉末を混合することが好ましく、1.0〜2.0質量%となるように、該無機超微粉末を混合することが特に好ましい。該無機超微粉末の含有量が上記範囲にあることにより、不定形耐火物を更に緻密にすることができるので、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が生じ難くなり、不定形耐火物の耐酸性及び化学的定性が高くなるという効果が、更に高まる。

0028

該無機粉末が、該無機微粉末及び該無機超微粉末を混合して得られる混合粉末の場合、本発明の耐火組成物の全質量(該無機微粉末及び該無機超微粉末も含む耐火組成物の質量)中の、該無機微粉末の含有量に対する該無機超微粉末の含有量の比(無機超微粉末/無機微粉末)が、0.05〜0.3となるように該無機微粉末及び該無機超微粉末を混合することが好ましく、0.1〜0.2となるように該無機微粉末及び該無機超微粉末を混合することが特に好ましい。該含有量の比が上記範囲にあることにより、不定形耐火物の緻密性が更に高まるので、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が生じ難くなり、不定形耐火物の耐酸性が高くなるという効果が、更に高まる。

0029

該無機微粉末及び該無機超微粉末を組合わせる場合、アルミナ微粉末及びシリカ超微粉末の組合せが、耐熱性が高く且つ耐酸性が高くなる点で、特に好ましい。

0030

本発明の耐火組成物中のアルミナセメントの含有量は、16〜26質量%、好ましくは17〜24質量%、特に好ましくは18〜22質量%、更に好ましくは19〜21質量%である。該アルミナセメントの含有量が、16質量%未満だと、不定形耐火物の耐熱性が低く、また、26質量%を超えると、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が発生する。

0031

本発明の耐火組成物中の珪酸ナトリウム粉末の含有量は、7〜15質量%、好ましくは9〜12質量%である。該珪酸ナトリウムの含有量が、7質量%未満だと、不定形耐火物の強度及び耐酸性が低くなり、また、15質量%を超えると、不定形耐火物の耐熱性が低くなる。

0032

本発明の耐火組成物に係る硬化促進剤としては、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウム、珪弗化カルシウム、珪弗化マグネシウム、リン酸アルミニウム等が挙げられる。該硬化促進剤は、1種又は2種以上の組み合わせのいずれでもよい。

0033

本発明の耐火組成物中の該硬化促進剤の含有量は、6〜15質量%、好ましくは7〜14質量%、特に好ましくは8〜12質量%、更に好ましくは9〜11質量%である。該硬化促進剤の含有量が、6質量%未満だと、不定形耐火物の強度が低くなり、また、15質量%を超えると、不定形耐火物の耐熱性が低くなる。

0034

本発明の耐火組成物に係る粘着付与剤は、水溶性である。該粘着付与剤は、不定形耐火物の該無機骨材、該無機粉末等の構成物同士を付着させるので、不定形耐火物の構成物同士が、耐火組成物及び水の混練物中で強く引き付けられる。従って、耐火組成物に該粘着付与剤を含有させることにより、不定形耐火物を緻密な構造にすることができる。そして、不定形耐火物を緻密な構造にすることにより、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が発生することを防止することができ、また、耐酸性を高くすることができる。該粘着付与剤としては、エーテル化でんぷんが挙げられる。該エーテル化でんぷんは、水に溶解し易く、また、アルカリに強いので、硬化促進剤の含有量を多くしたために、耐火組成物及び水の混練物のアルカリ性が強くなったとしても、分解し難い。そのため、該エーテル化でんぷんは、硬化促進剤の含有量が多くても、粘着付与剤としての上記機能を発揮する。該エーテル化でんぷんには、ノニオン性エーテル化でんぷん、アニオン性エーテル化でんぷん、カチオン性エーテル化でんぷんがある。該ノニオン性エーテル化でんぷんとは、でんぷんの水酸基水素原子を、例えば、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化等して、エーテル結合を形成させたヒドロキシアルキルでんぷんをいう。また、該アニオン性エーテル化でんぷんとは、例えば、カルボキシメチルでんぷんのように、カルボキシル基等のアニオン基がでんぷんに導入されているものをいう。また、該カチオン性エーテル化でんぷんとは、第1級、第2級若しくは第3級アルキルアミン又は第4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン基がでんぷんに導入されているものをいう。これらのうち、ノニオン性エーテル化でんぷんが、糊化開始温度が低く、且つpHの影響を受け難いので、粘着付与剤の効果を得易い点で好ましい。具体的には、該エーテル化でんぷんとしては、例えば、アルキルエーテルでんぷん、ヒドロキシアルキルでんぷん、カルボキシメチルでんぷん、カチオンでんぷんが挙げられる。

0035

本発明の耐火組成物中の該粘着付与剤の含有量は、0.05〜3質量%、好ましくは0.1〜2.0質量%、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。該粘着付与剤の含有量が、0.05質量%未満だと、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が生じる。また、該粘着付与剤の含有量が、3質量%を超えると、該混練物の粘度が高くなり過ぎるため、流動性が低下し、不定形耐火物の気孔率が大きくなる。そのため、不定形耐火物の耐酸性が低くなる。また、吹き付けにより施工をする場合には、吹き付け機ノズル閉塞し易くなる。

0036

本発明の耐火組成物は、他に、補強繊維として、ガラス繊維等の無機繊維ポリプロピレン等の有機繊維を含有することができる。

0037

本発明の耐火組成物は、従来の耐火組成物に比べて、硬化促進剤の含有量が多いので、不定形耐火物の強度が高い。

0038

従来の耐火組成物において、硬化促進剤の含有量を多くすると、不定形耐火物の耐熱性が低くなる。ところが、本発明の耐火組成物では、アルミナセメントの含有量を多くすることにより、硬化促進剤の増量による耐熱性の低下を防ぐことができるので、硬化促進剤の含有量を多くしても、不定形耐火物の耐熱性が低くならない。

0039

また、従来の耐火組成物において、アルミナセメントの含有量を多くすると、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が発生する。ところが、本発明の耐火組成物では、粘着付与剤を含有させることにより、不定形耐火物を緻密な構造にすることができるので、アルミナセメントの含有量を多くしても、耐火組成物及び水の混練物の乾燥時に不定形耐火物に亀裂が発生することはない。

0040

また、該無機粉末として、該無機微粉末及び該無機超微粉末を混合して得られる混合粉末を用いることにより、不定形耐火物を更に緻密な構造にすることができる。

0041

本発明の耐火組成物は、乾式吹き付け施工に用いる組成物として好適である。また、本発明の耐火組成物は、こて塗り施工にも用いられる。

0042

該乾式吹き付け施工は、本発明の耐火組成物を、圧搾空気により吹き付け機のノズルの先端まで圧送し、次いで、該ノズルの先端で、該耐火組成物及び水を混練し、次いで、得られる混練物を、被塗布体吹付けることにより、該被塗布体に該混練物を付着させる施工方法である。

0043

該乾式吹き付け施工に係る吹き付け機としては、例えば、ローター式耐火物吹き付け機、チャンバー式耐火物吹き付け機等が挙げられる。

0044

該乾式吹き付け施工において、本発明の耐火組成物と水を混練する際の水の混合量は、該耐火組成物100質量部に対して10〜20質量部、好ましくは14〜16質量部である。該水の混合量が、上記範囲にあることにより、施工し易く且つ該混練物のダレが発生し難い。

0045

該被塗布体としては、煙突の内壁、煙道の天井側壁又は床等が挙げられるが、本発明の耐火組成物を用いる該乾式吹き付け工法は、煙突の内壁への不定形耐火物の施工に、好適に用いられる。

0046

該混練物を吹き付ける際の該ノズルからの吐出圧力は、特に制限されないが、例えば、0.1〜0.3MPaである。また、該ノズルの先端と該被塗布体との距離は、特に制限されないが、例えば、500〜1500mmである。

0047

また、該被塗布体に該混練物を付着させる方法としては、他に、本発明の耐火組成物を水に混練し、得られた混練物を吹き付け機のノズルに圧送して、該被塗布体に吹き付ける湿式吹き付け施工、該混練物を被塗布体にこて塗りするこて塗り施工が挙げられる。

0048

そして、該被塗布体に付着した該混練物を、乾燥させることにより、該被塗布体に施工された不定形耐火物が得られる。

0049

該混練物の乾燥は、水を蒸発させることにより行われ、自然乾燥加熱乾燥のいずれでもよい。加熱乾燥を行う場合、加熱温度は、100〜500℃である。

0050

また、該混練物を成形型流し込み、次いで、該混練物を乾燥させることによっても不定形耐火物が得られる。

0051

次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。

0052

(実施例1〜4、比較例1、参考例1〜8)
(耐火組成物の製造)
セルベン、アルミナ微粉末、シリカ超微粉末、アルミナセメント、珪酸ナトリウム粉末、珪弗化ナトリウム及びエーテル化デンプンを、表1又は表2に示す配合量で配合し、耐火組成物を得た。

0053

(耐火組成物の評価)
1.吹き付け施工性
耐火組成物を用いて、下記の条件の乾式吹き付け施工にて、混練物の吹き付けを行なった後、24時間放置して乾燥を行った。その結果を表1又は表2に示す。なお、評価結果は、混練物のダレが発生せず、着肉厚さを70mm以上とすることができた場合を「◎」とし、若干のダレが発生し、着肉厚さが40mm以上70mm未満となった場合を「○」とし、ダレが発生し、着肉厚さが20mm以上40mm未満となった場合を「△」とし、ダレが発生し、着肉厚さが20mm未満となった場合を「×」とした。
・水の混合量:耐火組成物100質量部に対し15質量部
・ノズルからの吐出圧力:0.2MPa
・被塗布体:垂直壁面
・ノズルと被塗布体との距離:1000mm

0054

2.曲げ強度の測定
耐火組成物100質量部に対し水15質量部の混合量で吹き付け施工を行い、40mm×40mm×160mmの成形体を作製した。110℃で24時間乾燥し、試験片を得た。得られた試験片の嵩密度は約1.6〜1.8g/cm3であった。次いで、該試験片を用いて、JIS R 2553に準じて試験を行い、該試験片の曲げ強さを測定した。その結果を表1又は表2に示す。

0055

3.圧縮強さの測定
曲げ強度の測定と同様の方法で得た試験片を用いて、JIS R 2553に準じて試験を行い、該試験片の圧縮強さを測定した。その結果を表1又は表2に示す。

0056

4.耐熱性の評価
曲げ強度の測定と同様の方法で得た試験片を、1000℃で3時間加熱した。加熱前の該試験片の長手方向の長さX1mm及び加熱後の長さX2を、下記式(1)に代入し、線収縮率(%)を求めた。その結果を表1又は表2に示す。
線収縮率(%)={(X1−X2)×100}/X1 (1)

0057

5.耐酸性の評価
曲げ強度の測定と同様の方法で得た試験片を、80℃の50%硫酸水溶液に、200時間浸漬した。浸漬後の試験片の外観を観察した。また、該試験片の浸漬前の質量Y1及び浸漬後のY2を、下記式(2)に代入し、質量減少率(%)を求めた。また、質量減少率が、5%未満の場合を「良好」とし、5%以上10%未満の場合を「浸食ややあり」とし、10%以上25%未満の場合を「浸食やや大」とし、25%以上の場合を「浸食大」とした。その結果を表1又は表2に示す。
質量減少率(%)={(Y1−Y2)×100}/Y1 (2)

0058

1)混練物の吹き付けの際には、ダレは発生しなかったが、乾燥による収縮激しく、乾燥後の不定形耐火物には亀裂が発生していた。
2)乾燥による収縮が激しく、亀裂が発生していたため、測定しなかった。

0059

1)ノズルが閉塞したため、吹き付けを行うことができなかった。
2)1000℃に加熱したところ、試験片が溶融した。

0060

実施例及び比較例に用いた各成分は、下記のとおりである。
・セルベン:セルベン#10(神明工業社製)、粒径0.1〜5mm
・アルミナ微粉末:焼成バン土頁岩325F(神明工業社製)、粒径0.5〜250μm、5〜75μmの粒径のものが80%
・シリカ超微粉末:マイクロシリカ940−U(エルケム社製)、粒径0.01〜20μm、0.5〜5μmの粒径のものが80%
・アルミナセメント:デンカ1号(電気化学工業社製)、1号品
・珪酸ナトリウム粉末:粉末珪酸ソーダ愛知化学社製)、2号品
・エーテル化デンプン:ヒドロキシプロピルエーテル化でんぷん

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