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技術 反芻動物用飼料

出願人 日本製紙ケミカル株式会社
発明者 板橋久雄把田雅彦
出願日 2006年3月13日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2006-067844
公開日 2007年5月17日 (13年7ヶ月経過) 公開番号 2007-117079
状態 拒絶査定
技術分野 特定動物用飼料 飼料(2)(一般)
主要キーワード 動物性素材 微量拡散法 サンプル採取器 休耕田 測定用カラム 搾乳器 メタン含有量 限外ろ過器
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重要な関連分野

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課題

本発明は、反芻動物ルーメン第一胃)内でのメタン発生を抑制するとともに反芻動物に給与する飼料に含まれる繊維の消化率を高めることができる反芻動物用飼料を提供することを課題とする。

解決手段

反芻動物用飼料に、グルコース重合度が2〜6のセロオリゴ糖を含有させ、反芻動物に給与することにより、メタン生成量を増加させることなく、生成する揮発性脂肪酸におけるプロピオン酸の割合を高め、資料からのエネルギー取得量を増大させることができる。反芻動物用飼料が粗飼料を含む場合にも、メタンの生成を増加させずに繊維の消化率を向上させることができる。

概要

背景

山羊、メンなどの反芻動物は、4つのをもっているが、最も大きい胃(ルーメン第一胃)には、細菌と原生動物プロトゾア)が生息し、嫌気的発酵が行われている。ルーメン内の微生物により代謝された炭水化物は、最終的に酢酸プロピオン酸酪酸などの揮発性脂肪酸に変換され、エネルギー源として動物に吸収され利用される。一方、発酵副産物としてメタン二酸化炭素水素等が発生するが、その殆どは利用されることなく動物の口などから大気中に放出されている。

特に、メタンは、反芻動物から発生するガスの30%を占め、飼料として摂取したエネルギーの約5〜6%が有効に利用されることなく大気中に放出されている。飼料として換算すると、肥育牛1頭あたりの1年間の通算飼料摂取量は、配合飼料として約4〜5tなので、このうち200kg〜300kgもの飼料が牛に全く利用されることなく、メタンとして大気に放出されていることになり、資源が有効に活用されているとは言えない。また、地球温暖化防止のため、各国の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン等)削減義務を定めた京都議定書が締結され、日本を含む締結国には早急な対応が求められている。温室効果に影響する割合は、二酸化炭素が64%、メタンガスが19%、フロンガスが10%程度と言われている。この内メタンについては発生するメタンガスの15%は反芻動物由来であり、地球温暖化防止のためにも反芻動物由来のメタンガス発生抑制の必要がある。

しかし、一方で、反芻動物において、メタンの生成は、ルーメン内の代謝性水素を低下させ、発酵を継続させるという役割があり、単に抑制すると、セルロースの分解や微生物増殖の低下を引き起こし、栄養素の吸収に支障が生じる。そこで、セルロースの分解や微生物増殖の低下を引き起こさないメタンの制御法が望まれている。メタン生成を低下させる方法としては、ルーメン内のメタン菌直接制御する方法の他に、イオノフォア抗生物質)、不飽和長鎖脂肪酸ハロゲン化合物等を飼料に添加する方法が知られているが、いずれも繊維の消化率の低下などの問題点がある。

さらに、他のメタンの発生を抑制する方法として、飼料に、ユーカリ油などの抗菌性物質を添加する方法(特許文献1)、フマル酸又はその塩を添加する方法(特許文献2)、乳酸菌酵母及びオリゴ糖から選ばれる1種又は2種以上を添加する方法(特許文献3)等が開示されているが、いずれも繊維の消化率への影響については明らかにされていない。また、特許文献4には、セロオリゴ糖を含有した家畜飼料を、、鶏などの家畜家禽に与えて、飼養成績が向上したことが開示されているが、反芻動物におけるメタン生成については明らかにされていない。上記のように、従来は、反芻動物において、メタンの生成を抑制するとともに、セルロースの分解や微生物増殖の低下を引き起こさない方法は知られていなかった。

ところで、乳牛や肥育牛などの反芻動物の飼育においては、一般的に粗飼料乾草等)および濃厚飼料穀類等)が使用されている。メタンの生成量は、反芻動物に与える粗飼料と濃厚飼料の配合比率によっても変化する。一般的には、高繊維飼料(粗飼料)給与で高く、濃厚飼料の併給により低くなる。これは、濃厚飼料の給与により、プロピオン酸生成が促進されるので、プロピオン酸生成に代謝性水素が取り込まれた分、メタン生成が抑制されることによる。メタン生成とプロピオン酸生成は、代謝性水素がどちらに取り込まれるかにより、反比例の関係が認められ、さらにメタン、プロピオン酸のいずれかに代謝性水素が取り込まれれば、ルーメン内の代謝性水素が低下し、発酵も継続される。エネルギー源となるプロピオン酸生成が促進されれば、飼料効率上がり、乳及び肉の生産性が向上する。

一方、粗飼料を給与すると、酢酸の生成量が増え、それに伴い水素が生成しメタンの生成量が増加する。酢酸生成とメタン生成との間には、正比例の関係が認められる。メタン生成の抑制という点からすれば、濃厚飼料の配分を多くすることにより効果を上げることができるが、濃厚飼料が多いと、咀嚼反芻による唾液分泌量が少なく、ルーメン内のpHを正常に維持できなくなるため、ルーメン内の異常発酵や鼓脹症の発生に繋がるという欠点がある。そのため、反芻の刺激やルーメン内の微生物バランスを維持する上で、一定量の粗飼料を与えることは必要である。しかし、粗飼料の消化率は一般的に低い(40%〜60%)という問題があった。そこで、粗飼料を含んでいても、メタン生成量が増加せず、繊維消化率も高い反芻動物用の飼料が望まれていた。また、昨今、飼料自給率の向上と水田休耕田)の有効利用を目的に粗飼料の中でも稲発酵粗飼料の利用が推進されており、稲発酵粗飼料の消化率の向上も望まれていた。

特開2002−281912号公報
特開平11−46694号公報
特開2003−88301号公報
特開2003−334000号公報

概要

本発明は、反芻動物のルーメン(第一胃)内でのメタン発生を抑制するとともに反芻動物に給与する飼料に含まれる繊維の消化率を高めることができる反芻動物用飼料を提供することを課題とする。反芻動物用飼料に、グルコース重合度が2〜6のセロオリゴ糖を含有させ、反芻動物に給与することにより、メタンの生成量を増加させることなく、生成する揮発性脂肪酸におけるプロピオン酸の割合を高め、資料からのエネルギー取得量を増大させることができる。反芻動物用飼料が粗飼料を含む場合にも、メタンの生成を増加させずに繊維の消化率を向上させることができる。なし

目的

本発明は、反芻動物のルーメン内でのメタン発生を増加させることなく反芻動物に給与する飼料に含まれる繊維消化率を高めることができ、さらに泌乳牛等の泌乳中の反芻動物においては乳質を向上させる反芻動物用飼料を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

セロオリゴ糖を含むことを特徴とする反芻動物用飼料

請求項2

反芻動物用飼料が粗飼料を含むことを特徴とする請求項1に記載の反芻動物用飼料。

技術分野

0001

本発明は、反芻動物用飼料に関するものである。詳しくは、セロオリゴ糖を含有し、反芻動物ルーメンにおけるメタン発生を増加させることなく、繊維消化率を高めるとともに、泌乳牛泌乳中の反芻動物においては乳質をも向上させることを特徴とする反芻動物用飼料に関するものである。

背景技術

0002

山羊、メンなどの反芻動物は、4つのをもっているが、最も大きい胃(ルーメン=第一胃)には、細菌と原生動物プロトゾア)が生息し、嫌気的発酵が行われている。ルーメン内の微生物により代謝された炭水化物は、最終的に酢酸プロピオン酸酪酸などの揮発性脂肪酸に変換され、エネルギー源として動物に吸収され利用される。一方、発酵副産物としてメタン二酸化炭素水素等が発生するが、その殆どは利用されることなく動物の口などから大気中に放出されている。

0003

特に、メタンは、反芻動物から発生するガスの30%を占め、飼料として摂取したエネルギーの約5〜6%が有効に利用されることなく大気中に放出されている。飼料として換算すると、肥育牛1頭あたりの1年間の通算飼料摂取量は、配合飼料として約4〜5tなので、このうち200kg〜300kgもの飼料が牛に全く利用されることなく、メタンとして大気に放出されていることになり、資源が有効に活用されているとは言えない。また、地球温暖化防止のため、各国の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン等)削減義務を定めた京都議定書が締結され、日本を含む締結国には早急な対応が求められている。温室効果に影響する割合は、二酸化炭素が64%、メタンガスが19%、フロンガスが10%程度と言われている。この内メタンについては発生するメタンガスの15%は反芻動物由来であり、地球温暖化防止のためにも反芻動物由来のメタンガス発生抑制の必要がある。

0004

しかし、一方で、反芻動物において、メタンの生成は、ルーメン内の代謝性水素を低下させ、発酵を継続させるという役割があり、単に抑制すると、セルロースの分解や微生物増殖の低下を引き起こし、栄養素の吸収に支障が生じる。そこで、セルロースの分解や微生物増殖の低下を引き起こさないメタンの制御法が望まれている。メタン生成を低下させる方法としては、ルーメン内のメタン菌直接制御する方法の他に、イオノフォア抗生物質)、不飽和長鎖脂肪酸ハロゲン化合物等を飼料に添加する方法が知られているが、いずれも繊維の消化率の低下などの問題点がある。

0005

さらに、他のメタンの発生を抑制する方法として、飼料に、ユーカリ油などの抗菌性物質を添加する方法(特許文献1)、フマル酸又はその塩を添加する方法(特許文献2)、乳酸菌酵母及びオリゴ糖から選ばれる1種又は2種以上を添加する方法(特許文献3)等が開示されているが、いずれも繊維の消化率への影響については明らかにされていない。また、特許文献4には、セロオリゴ糖を含有した家畜飼料を、、鶏などの家畜家禽に与えて、飼養成績が向上したことが開示されているが、反芻動物におけるメタン生成については明らかにされていない。上記のように、従来は、反芻動物において、メタンの生成を抑制するとともに、セルロースの分解や微生物増殖の低下を引き起こさない方法は知られていなかった。

0006

ところで、乳牛や肥育牛などの反芻動物の飼育においては、一般的に粗飼料乾草等)および濃厚飼料穀類等)が使用されている。メタンの生成量は、反芻動物に与える粗飼料と濃厚飼料の配合比率によっても変化する。一般的には、高繊維飼料(粗飼料)給与で高く、濃厚飼料の併給により低くなる。これは、濃厚飼料の給与により、プロピオン酸生成が促進されるので、プロピオン酸生成に代謝性水素が取り込まれた分、メタン生成が抑制されることによる。メタン生成とプロピオン酸生成は、代謝性水素がどちらに取り込まれるかにより、反比例の関係が認められ、さらにメタン、プロピオン酸のいずれかに代謝性水素が取り込まれれば、ルーメン内の代謝性水素が低下し、発酵も継続される。エネルギー源となるプロピオン酸生成が促進されれば、飼料効率上がり、乳及び肉の生産性が向上する。

0007

一方、粗飼料を給与すると、酢酸の生成量が増え、それに伴い水素が生成しメタンの生成量が増加する。酢酸生成とメタン生成との間には、正比例の関係が認められる。メタン生成の抑制という点からすれば、濃厚飼料の配分を多くすることにより効果を上げることができるが、濃厚飼料が多いと、咀嚼反芻による唾液分泌量が少なく、ルーメン内のpHを正常に維持できなくなるため、ルーメン内の異常発酵や鼓脹症の発生に繋がるという欠点がある。そのため、反芻の刺激やルーメン内の微生物バランスを維持する上で、一定量の粗飼料を与えることは必要である。しかし、粗飼料の消化率は一般的に低い(40%〜60%)という問題があった。そこで、粗飼料を含んでいても、メタン生成量が増加せず、繊維消化率も高い反芻動物用の飼料が望まれていた。また、昨今、飼料自給率の向上と水田休耕田)の有効利用を目的に粗飼料の中でも稲発酵粗飼料の利用が推進されており、稲発酵粗飼料の消化率の向上も望まれていた。

0008

特開2002−281912号公報
特開平11−46694号公報
特開2003−88301号公報
特開2003−334000号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、反芻動物のルーメン内でのメタン発生を増加させることなく反芻動物に給与する飼料に含まれる繊維消化率を高めることができ、さらに泌乳牛等の泌乳中の反芻動物においては乳質を向上させる反芻動物用飼料を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、セロオリゴ糖を添加した飼料を反芻動物に摂取させることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕及び〔2〕を提供するものである。
〔1〕 セロオリゴ糖を含むことを特徴とする反芻動物用飼料。
〔2〕 反芻動物用飼料が粗飼料を含むことを特徴とする前記〔1〕に記載の反芻動物用飼料。

発明の効果

0011

本発明の飼料を用いて反芻動物を飼育すれば、そのルーメン内に生息する微生物群の発酵を活発にし、粗飼料中の繊維消化率を高め、揮発性脂肪酸(VFA)中のプロピオン酸の割合を高めるとともに、メタン生成を増加させることなく、飼料からのエネルギー取得量を増大させることができる。その結果、牛については、粗飼料を与えても、乳や肉の生産効率を高めることができると共に、脂肪含量蛋白質含量の多い乳質に優れた乳や筋肉内の脂肪量が多い良質の肉の生産が可能となる。飼料中の粗飼料の含有率を高めても繊維消化率を低下させず、効率よくエネルギーを取得できる。粗飼料として稲発酵粗飼料を利用しても、繊維消化率を高めることができる。また、本発明のセロオリゴ糖は、天然素材のため安全性が高く、反芻動物に長期間摂取させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明は、反芻動物、例えば、乳牛及び肥育牛などの牛、羊、山羊などに適用できる。
本発明の飼料を反芻動物に給与する時期は、ルーメンの機能が形成されてからであり、代用乳が給与される哺乳期が終わってからである。

0013

本発明のセロオリゴ糖は、グルコースが2糖以上β−1,4結合したオリゴ糖である。前記オリゴ糖の中でも、本発明においては、グルコース重合度が2〜6のセロビオースセロトリオース、セロテトロースセロペンタオースセロヘキサオースが好適である。

0014

本発明のセロオリゴ糖は、公知の方法で製造することができる。例えば、化学的方法としては、発煙塩酸濃硫酸によりセルロースを酸加水分解後、カーボンカラム等によりセロオリゴ糖を分画分取する方法(Miller,G.L,Methodsin Carbohydrate Chemistry III(Academic Press),134〔1963〕)等が知られている。

0015

酵素的な方法としては、アモルファスなセルロースにセルビブリオ(Cellvibrio)属に属する微生物が生産するセルラーゼを作用させ、限外濾過反応器を組み合わせることにより生成物阻害解除してセロオリゴ糖を生成させる方法(特開平1−256394号公報)、セルラーゼ中のβ−グルコシダーゼを選択的に除去したセルラーゼをセルロースに作用させて、セロオリゴ糖を製造する方法(特開平5−115293号公報)、湿潤状態の未晒しサルファイトパルプ原料にセルラーゼを作用させる系で限外濾過装置を組み合わせ、セロビオースを含むセロオリゴ糖を作る方法(特公平8−2312号公報)等が知られている。

0016

また、糖質加リン酸分解酵素セロデキストリンホスホリラーゼ)の逆反応を利用し、グルコース1リン酸グルコース供与体として、セロビオースの存在下でセロオリゴ糖を製造する製法も知られている(Journal of Fermentation and Bioengineering,vol.77,No.3,239−242(1994)。

0017

本発明のセロオリゴ糖は、上記のいずれの方法において製造しても良いし、または、市販のもの(CMS Chemicals社等)も用いることができる。本発明においては、セルロースをセルラーゼを用いてセロオリゴ糖に分解し、晶析工程などを経てグルコース重合度が2〜4のセロオリゴ糖の純度を高める方法が好適である。

0018

本発明におけるセロオリゴ糖の飼料への添加量は、0.05〜10重量%、好ましくは0.3〜3重量%、特に好ましくは、0.5〜2重量%が好ましい。0.05重量%より少ないと充分な効果が発現されず、10重量%を超えると栄養バランス崩れコスト的にも不利である。

0019

本発明でセロオリゴ糖を添加する飼料は、反芻動物用の飼料である。家畜用飼料は、大別して鶏用、豚用、牛用のものがあり、給与する動物に合わせて飼料の内容物が異なっている。本発明における反芻動物用飼料としては、粗飼料または、濃厚飼料と粗飼料を混合したものを用いる。

0020

濃厚飼料とは、穀類(大豆、麦、トウモロコシ種実など)主体とし、澱粉タンパク質を多く含み、栄養価の高いである。濃厚飼料としては、例えば、穀類として、トウモロコシ、小麦大麦ライ麦エン麦玄米アワヒエなどが、油粕類として、大豆油粕ナタネ油粕、アマニ油粕、ゴマ油粕、ヤシ油粕、サフラワー油粕、パーム油粕などが、製造副産物として、ビール粕ビートパルプ糖蜜などが、動物性素材として、魚粉フィッシュソリュブル、脱脂粉乳ホエーなどが挙げられる。これらに加えてビタミンミネラル等の栄養素材を用いるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。この濃厚飼料は、混合飼料や配合飼料であっても構わない。飼料の形態は特に制限されるものではなく、ペレット状、フレーク状、塊状、粉末状などのいずれの形態であってもよい。

0021

粗飼料とは、牧草飼料作物(トウモロコシなど)の原物やそれらを加工したもの(乾草、稲発酵粗飼料など)で、主にイネ科マメ科の植物が用いられる。粗飼料は、反芻の刺激による唾液分泌やルーメン内の微生物バランスを維持する上で必要であり、反芻動物特有の飼料である。稲発酵粗飼料とは、籾、、葉を含むイネの植物全体を一定期間発酵させたもので、飼料自給率を上げ、休耕田の有効活用のため、利用が推進されている。稲発酵粗飼料の原料となるイネの品種は特に限定されず、いずれのものを用いても良い。
濃厚飼料と粗飼料を併用して給与する場合は、その割合は、濃厚飼料/粗飼料=90〜10/10〜90(重量%)が好ましい。

0022

本発明のセロオリゴ糖は、特に粗飼料の中に含まれるセルロースなどの繊維の消化率を、メタン生成量を増加させることなく向上させる。
本発明の飼料には、必要に応じて、抗生物質、抗菌剤生菌剤、酵素、防黴剤抗酸化剤色素甘味料香料バインダーなどの他の添加剤を含んでいてもよい。

0023

[作用]
本発明のセロオリゴ糖を、反芻動物のルーメン内の微生物群を加えた培養液に添加すると、発酵により生じる揮発性脂肪酸(VFA)中のプロピオン酸の割合が増加し、酢酸などの割合が低下する。このことから、本発明のセロオリゴ糖は、反芻動物のルーメン内に生息する微生物の発酵を活発にし、粗飼料中の繊維の消化を促進するとともに、メタン菌の活動を活性化させないものと予測される。

0024

以下に、実施例を挙げて具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
メタン生成量の測定、揮発性脂肪酸濃度の測定、および繊維消化率の算出は、以下の通りにして行った。
[メタン生成量の測定]
熱伝導度検出器ガスクロマトグラフGC−8A、島津製作所製)に培養管中のガス0.5mlを注入し、メタン測定用カラム(Molecular Sieve 5A 60−80 mesh、1.6m×3.2mm)を用い、カラム温度60℃、検出器温度80℃に設定し、キャリアガスとしてアルゴンを用いた。メタンのピーク面積クロマトパック(島津製作所製)により自動計算した。別に作成した検量線から、メタン含有量を算出した。

0025

[揮発性脂肪酸(VFA)濃度の測定]
培養液の上澄み2mLを試験管に採り、除タンパク剤として12%メタリン酸含有3N−H2SO4溶液を0.4mL添加し、ゴム栓で蓋をして冷蔵庫に保存した。一晩放置後、温度4℃、回転数5000rpmに設定した冷却遠心機(Model M−160−佐久間製作所製)に10分間かけて遠沈し、上澄み液分析用試料とした。上澄み液1μLを水素炎イオン化検出器ガスクロマトグラフ(GC−8A、島津製作所製)に注入し、VFA測定用カラム(FAL−M SHINCARBON A 80−100mesh、2.1m×3.2mm)を用い、カラム温度130℃、検出器温度200℃に設定し、キャリアガスとしてヘリウムを用いた。各ガスのピーク面積は前述のクロマトパックにより自動計算した。別に作成した検量線から、各成分含有量を算出した。

0026

[繊維消化率]
中性デタージェント繊維(NDF)消化率は、培養液に添加した培養前の粗飼料及び濃厚飼料中の繊維量を100とした場合の、培養後に減少した繊維の割合をいい、下記式1で算出される。繊維量は、培養液5mlを採取し、P.J.Van Soestらの方法(Proc.Nutr.Soc.,32,123(1973))に従って測定した。即ち、ラウリル硫酸ナトリウムを主成分とする中性界面活性剤や、アセトンなどの溶剤洗浄し、可溶性繊維分を除いた後、濾過し、固形分を乾燥させ重量を測定した。

0027

0028

[実施例1]
乳牛のルーメン内容物を採取し、微生物混合系試料を調製し、それにセロオリゴ糖を添加し、培養した後、揮発性脂肪酸(VFA)量、メタン量、繊維消化率を測定した。
(1)セロオリゴ糖の調製
市販の溶解パルプ(NDPTのドライ品、日本製紙ケミカル(株)製、水分7.5%)30g(固形分換算)に、酢酸緩衝液(pH5.5)を適量加え、3%懸濁液を調製した。同懸濁液に、市販のセルラーゼ(セルライザー、ナガセ生化学工業製)1.2gを添加し、分画分子量10000のポリスフォン平膜をセットした攪拌機付き限外ろ過器(平膜型)に入れ、攪拌機の回転数200rpm、40℃にて、12時間糖化反応を行った。
この反応の間、限外ろ過器内の反応液糖化液)は、限外ろ過器を0.2〜0.3MPaに加圧することにより、限外ろ過膜を透過させて連続的に限外ろ過透過液として抜き出した。また、同時に、抜き出した透過液量同量の酢酸緩衝液(pH5.5)を限外ろ過器に連続的に補充し、限外ろ過器内の容量がほぼ一定となる条件を設定した。反応終了後、抜き出した透過液を、ロータリーエバポレーターで65℃に加温しつつ50%まで濃縮した後に、約20℃に冷却し、セロオリゴ糖を結晶化させた。前記方法にて調製したセロオリゴ糖には、セロビオースが約93%含有されていた。
(2)乳牛ルーメン内容液の採取
粗飼料と濃厚飼料(1:1)を給与された乳牛のルーメン内に経口的にカテーテルを挿入し、ルーメン内容液約1Lをろ過ビン吸引採取した。採取後、直ちにルーメン内容液を撹拌して二重ガーゼでろ過し、そのろ液を微生物混合系試料とした。
(3)培養方法
上記(2)で得た微生物混合系試料を2倍量の塩類溶液(pH6.9)で希釈後、60mLを培養管に入れた。培養前に培地中の酸素を除去して嫌気性にするため還元剤としてシステイン塩酸塩(0.6g/L)を添加した。基質として粗飼料(乾草)と濃厚飼料(乳牛用配合飼料)を重量比1.5:1に混合したものを400mg用い、セロオリゴ糖を0.02%、0.05%、0.1%、0.3%、3%、10%、12%添加した。対照としてセロオリゴ糖無添加のものを用いた。微生物混合系試料の振盪培養は、38℃で24時間嫌気的条件下にて行った。メタン生成量、VFA濃度及び組成、繊維(NDF)消化率を表1に示す。

0029

0030

2区から6区においては(セロオリゴ糖添加率0.05〜10%)、VFA組成の内、酢酸が減少してプロピオン酸が増加するのに伴いメタン生成量が抑制され、繊維(NDF)消化率が向上した。試験管レベルでの結果から、セロオリゴ糖を反芻動物用飼料に配合することにより、メタン生成量を減少させると共に繊維消化率を向上させ、結果として飼料効率が向上することが予測できる。

0031

[実施例2]
セロオリゴ糖の牛の飼料への添加効果をin−vivoで検討した。
ホルスタイン種去勢牛3頭(体重:70〜140Kg)それぞれの飼料にセロオリゴ糖を添加し、飼料の消化率やルーメン発酵に及ぼす影響を検討した。牛への飼料は、体重の3重量%供与(1日あたり)とし、これを二等分して朝夕回投与した。飼料は、トールフェスク乾草と市販の濃厚飼料(平成飼料(株)製乳用牛飼育用配合飼料、組成:穀類48%、植物性油粕類25%、そうこう類22%、その他5%)を2:1の割合で調製したものを自由採食させた。セロオリゴ糖は、実施例1と同様の方法で調製したものを用い、その添加量は飼料給与量(乾物)の2重量%とした。
上記飼料にセロオリゴ糖を添加したものを、10日間、牛に供与した。10日間は、馴致期7日+試験期3日からなり、それを1期とした。また、対照としてセロオリゴ糖を添加していない飼料を牛に10日間供与した。
セロオリゴ糖無添加区添加区共に、試験期に全を採取し、乾物消化率とNDF消化率を求めた。また、最終日に飼料給与3時間後に牛のルーメン液を採取しルーメン液性状分析した。結果を表2に示す。

0032

測定方法
・乾物摂取量及び乾物消化率
代謝ケージに牛を収容し、試験期間中、予め重量(乾物量)を測定済みの飼料を一定量(乾物給与量)給与し、毎朝給餌の前に残飼を回収し、残飼の乾物量(残飼乾物量)を求める。乾物摂取量は下式2で示される。

0033

0034

その時、全糞も採取し、重量測定後、一定量の糞を採取し130℃で2時間以上乾燥させて、水分を除去した後、重量(乾物量)を測定し、糞乾物重量を求める。
乾物消化率は、下式3で示される。

0035

0036

・NDF消化率
給与飼料および糞中のNDF含有率を求めた。NDF含有率は、冒頭にて説明した繊維消化率の測定方法中で記載したように、P.J.Van Soestらの方法(Proc.Nutr.Soc.,32,123(1973))に従って測定した。即ち、まず、ラウリル硫酸ナトリウムを主成分とする中性の界面活性剤や、アセトンなどの溶剤で洗浄し、可溶性の繊維分を除いた後、濾過し、固形分を乾燥させ、それぞれのNDF重量を測定した。各NDF重量を乾物摂取量又は糞乾物重量で割って、それぞれ飼料中のNDF含有率、糞中のNDF含有率とした。
こうして得られた試料中のNDF含有率と糞中のNDF含有率を、上記式3中の乾物摂取量および糞乾物重量に、各々飼料中のNDF含有率と糞中のNDF含有率を乗じてNDF消化率を算出した。すなわち、以下の式4で算出した。

0037

0038

・VFA濃度
それぞれの牛から採取したルーメン液2mlに対し、除タンパク液として12%メタリン酸含有2N硫酸を0.4ml加えて撹拌し、一定時間放置後、遠心分離(3000rpm、15分間)し、上清1μlをガスクロマトグラフで測定した。測定は、冒頭にて説明したVFA濃度の測定と同様にして行った。

0039

0040

表2の結果から以下のことが明らかである。
乾物消化率は、無添加区に比べて添加区の方が高く、セロオリゴ糖の添加効果がみられた。また、NDF消化率も無添加区に比べて添加区の方が高く、添加区の方が繊維の資化が進んでいることがわかった。牛のルーメン内のVFA濃度も、セロオリゴ糖の添加により高まり、飼料からのエネルギー摂取量も増大していることがわかった。

0041

[実施例3]
牛に供与する飼料を、稲発酵粗飼料と市販の濃厚飼料(平成飼料(株)製乳用牛飼育用配合飼料、組成:穀類48%、植物性油粕類25%、そうこう類22%、その他5%)を4:1の割合で調製したものに変更した他は、実施例2と同様にして実験を行った。稲発酵粗飼料は、東京農工大学にて作製したものを用いた。すなわち、コンバインホールクロップ収穫機タカキタ)にて刈り取った後、自走ラッピングマシンラッピングして約9ヶ月間屋外で保存(発酵)して調製した。
試験期に全糞を採取し、乾物消化率とNDF消化率を求めた。また、最終日には、飼料給与3時間後に牛のルーメン液を採取しルーメン液性状を分析した。結果を表3に示す。

0042

0043

表3の結果から以下のことが明らかである。
乾物消化率、VFA濃度及び繊維消化率のいずれも、無添加区に比べて添加区の方が上昇しており、その差は、前述の実施例2における添加区と無添加区の間の差と比較しても、顕著であった。特に、繊維消化率は添加区の方が顕著に高かった。
このことから、牛が消化しにくい稲発酵粗飼料の消化にも、セロオリゴ糖が高い効果を示すことがわかった。また、表2、表3の結果から、牛の飼料への稲発酵粗飼料の給与割合を上げてもセロオリゴ糖を添加することにより、繊維消化率を上げることができることがわかった。

0044

実施例4
セロオリゴ糖の泌乳牛の飼料への添加効果をin vivoで検討した。
ホルスタイン種泌乳牛3頭(平均体重567kg、平均分娩後日数146日)それぞれの飼料にセロオリゴ糖を添加し、飼料の消化率、ルーメン発酵に及ぼす影響や乳質に及ぼす影響を検討した。泌乳牛への飼料は、体重の3重量%供与(1日あたり)とし、これを二等分して朝夕2回投与した。飼料は、稲発酵粗飼料と市販の濃厚飼料(平成飼料(株)製、乳用牛飼育用配合飼料、組成:穀類48%、植物性油粕類25%、そうこう類22%、その他5%)を4:1の割合で調製したものを自由採食させた。稲発酵粗飼料は、東京農工大学にて調製した、細断ロールべーラーで収穫調製された「くさほなみ」を使用した。すなわち、自走ラッピングマシンでラッピングして約9か月間屋外で保存(発酵)して調製した。セロオリゴ糖は、実施例1と同様の方法で調製したものを用い、その添加量は飼料供与量(乾物)の2重量%とした。

0045

上記飼料にセロオリゴ糖を添加したものを、13日間、泌乳牛に供与した。10日間は馴致期10日+試験期3日からなり、それを1期とした。また、対照としてセロオリゴ糖を添加していない飼料を泌乳牛に13日間供与した。
セロオリゴ糖無添加区、添加区共に、試験期に全糞を採取し、乾物消化率、NDF消化率を求めると共に、泌乳牛から乳を採取し、乳量、一般乳成分乳脂率乳蛋白質率乳糖率無脂固形分率)の分析を行った。また、最終日に飼料供与2時間後に、泌乳牛のルーメン液を採取し、ルーメン液性状を分析した。これらの項目の分析結果は、表4及び表5に示す。

0046

<測定方法>
・乾物摂取量及び乾物消化率
・NDF消化率
・VFA濃度
上記測定項目については、実施例2と同様の方法で行った。

0047

アンモニア態窒素の測定
アンモニア態窒素は「コンウェイ微量拡散法」に準じて測定した(新編動物栄養試験法石橋晃監修,養賢堂,2001,P411−413)。

0048

・乳質の測定
乳質は赤外分光式多成分測定器(Milko−scan133B,Foss Electric,Denmark)で測定した。ミルキングパーラー搾乳器に取り付けたサンプル採取器から乳サンプルを一定量採取し、測定器の自動吸入口から吸わせて分析結果を得た。

0049

0050

表4の結果から、以下のことが明らかである。
乾物消化率は、無添加区に比べて添加区の方が高く、セロオリゴ糖の添加効果がみられた。また、NDF消化率も無添加区に比べて、添加区が10%程度上昇し、セロオリゴ糖の添加により繊維の資化が進んでいることがわかった。泌乳牛のルーメン内のVFA濃度も、セロオリゴ糖の添加により高まり、飼料からのエネルギー摂取量も増大していることが分かった。さらに、アンモニア態窒素は、セロオリゴ糖を添加することにより、6%程度低下した。アンモニア態窒素の低下は、添加したセロオリゴ糖がルーメン細菌のエネルギー源となり、菌体増殖にアンモニア態窒素が取り込まれたためと推測される。

0051

0052

表5の結果から、以下のことが明らかである。
セロオリゴ糖の飼料への添加により、中でも乳脂率や乳蛋白質量は顕著に増加し、乳量や乳糖率、無脂固形分率もわずかに増加した。
表4及び表5の結果から、セロオリゴ糖の添加は、泌乳牛においても稲発酵粗飼料の消化に高い効果を示すことが分かった。また、乳脂率、乳蛋白質率が上昇し、乳質が全体として向上することが分かった。

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