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技術 環状重合乳酸の製造方法および環状重合乳酸、並びに、この環状重合乳酸を含有する医薬品および健康食品並びに化粧品

出願人 株式会社登希和有限会社MAK長尾忠知
発明者 長尾忠知秋山研二
出願日 2005年10月20日 (14年8ヶ月経過) 出願番号 2005-306138
公開日 2007年5月10日 (13年1ヶ月経過) 公開番号 2007-112751
状態 未査定
技術分野 2個以上の酸素原子を含む複素環式化合物 化粧料 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ポリエステル、ポリカーボネート
主要キーワード 文字形 段階的減圧 脱水重合 環状乳酸オリゴマー 平均分子量分布 鎖状乳酸オリゴマー 容量比率 湿度管理
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年5月10日)のものです。
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図面 (3)

課題

複雑な装置および製造工程を必要とせず、環状重合乳酸に含まれる環状乳酸オリゴマー含有率を高める製造技術を提供することにある。

解決手段

L−乳酸不活性ガス雰囲気中で段階的に減圧及び昇温させることにより、脱水縮合されて形成された環状型乳酸オリゴマーおよび鎖状型乳酸オリゴマーを有する濃縮液Aと、L−乳酸を主体とする乳酸蒸留液Bとを得る脱水縮合工程(1)と、濃縮液Aに乳酸蒸留液Bを所定の比率で混合する混合工程(2)と、混合工程で得られた混合物Cを冷却してゲル状物質Dを得る冷却工程(3)と、環状型乳酸オリゴマーが不溶であるとともに鎖状型乳酸オリゴマーおよびL−乳酸が可溶である溶媒をゲル状物質Dに加え、溶媒可溶性物質を溶解させて沈殿物Eを得る分離工程(4)と、沈殿物Eを回収回収物Gを得る回収工程(5)と、を含むことを特徴とする。

概要

背景

近年、環状重合乳酸は、悪性腫瘍細胞増殖抑制作用血糖低下作用等の効果が期待され、医薬品や健康食品の開発の対象として注目されている。環状重合乳酸とは、環状型乳酸オリゴマーを主として含み、その他の物質として製造工程における中間産物である鎖状型乳酸オリゴマー、特に直鎖型のものも含む物質の総称を意味するものである。前記効果は、環状型乳酸オリゴマーによるものであり、鎖状型乳酸オリゴマーの効果は小さいと考えられている。環状重合乳酸または環状型乳酸オリゴマーの混合物を含んだ医薬品として、免疫機能調整剤や細胞賦活剤等が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。

特許文献1には、L(+)−乳酸窒素ガス雰囲気中で段階的減圧及び昇温によって脱水縮合した環状型鎖状型のオリゴマー物質であって,化学組成がそれぞれ(C3H4O2)、及び{(C3H2O)z−H2O}(ここでz=2〜23)であり、分子構造ジグザク環状構造クラスレート状のほぼジグザクC文字形鎖状構造の2種類からなる免疫機能調節剤が記載されている。

特許文献2には、容器中に触媒非存在L−乳酸液を導入する工程と、前記L−乳酸液中不活性ガス直接噴射しつつ、L一乳酸の沸点を超える温度まで段階的に昇温して脱水重合して環状重合乳酸を得る工程と、得られた環状重合乳酸を前記容器から排出する工程と、からなる方法により製造された細胞賦活剤が記載されている。

また、環状重合乳酸(環状乳酸オリゴマー)の製造方法として、特許文献1,2に記載されたようなL一乳酸のみから製造する方法の他に、鎖状乳酸オリゴマー量体と、R1COXで示されるカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを、反応させて2倍量体の環状乳酸オリゴマーm量体を多量に含む環状乳酸オリゴマー混合物の製造方法が知られている(特許文献3参照)。

特開2000−72680号公報
特開2004−155670号公報
特開2004−359582号公報

概要

複雑な装置および製造工程を必要とせず、環状重合乳酸に含まれる環状乳酸オリゴマーの含有率を高める製造技術を提供することにある。L−乳酸を不活性ガス雰囲気中で段階的に減圧及び昇温させることにより、脱水縮合されて形成された環状型乳酸オリゴマーおよび鎖状型乳酸オリゴマーを有する濃縮液Aと、L−乳酸を主体とする乳酸蒸留液Bとを得る脱水縮合工程(1)と、濃縮液Aに乳酸蒸留液Bを所定の比率で混合する混合工程(2)と、混合工程で得られた混合物Cを冷却してゲル状物質Dを得る冷却工程(3)と、環状型乳酸オリゴマーが不溶であるとともに鎖状型乳酸オリゴマーおよびL−乳酸が可溶である溶媒をゲル状物質Dに加え、溶媒可溶性物質を溶解させて沈殿物Eを得る分離工程(4)と、沈殿物Eを回収回収物Gを得る回収工程(5)と、を含むことを特徴とする。

目的

本発明が解決しようとする課題は、複雑な装置および製造工程を必要とせず、環状重合乳酸に含まれる環状乳酸オリゴマーの含有率を高める製造技術を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

L−乳酸不活性ガス雰囲気中で段階的に減圧及び昇温させることにより、脱水縮合されて形成された環状型乳酸オリゴマーおよび鎖状型乳酸オリゴマーを有する濃縮液と、前記濃縮液と分離されL−乳酸を主体とする乳酸蒸留液と、を得る脱水縮合工程と、前記濃縮液に前記乳酸蒸留液またはL−乳酸を所定の比率で混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物を冷却してゲル状物質を得る冷却工程と、環状型乳酸オリゴマーが不溶であるとともに鎖状型乳酸オリゴマーおよびL−乳酸が可溶である溶媒を前記ゲル状物質に加え、該溶媒可溶性物質を溶解させて沈殿物を得る分離工程と、前記沈殿物を回収する回収工程と、を含むことを特徴とする環状重合乳酸の製造方法。

請求項2

さらに、前記回収工程で得られた回収物に前記溶媒を加え、残存する溶媒可性物質を溶解させて沈殿物を得る分離工程と、該沈殿物を回収する回収工程とを、複数回繰り返す請求項1記載の環状重合乳酸の製造方法。

請求項3

前記所定の比率は、前記濃縮液の容量が、前記乳酸蒸留液の容量またはL−乳酸の容量に対して0.25倍以上4倍以下である請求項1または2記載の環状重合乳酸の製造方法。

請求項4

請求項1から3のいずれかの項に記載の製造方法によって製造され、環状型乳酸オリゴマーを80質量%以上含有し、且つ形状が粉末状であることを特徴とする環状重合乳酸。

請求項5

請求項4記載の環状重合乳酸を含有することを特徴とする医薬品。

請求項6

請求項4記載の環状重合乳酸を含有することを特徴とする健康食品

請求項7

請求項4記載の環状重合乳酸を含有することを特徴とする化粧品

技術分野

0001

本発明は、環状重合乳酸の製造技術に関し、詳しくは、環状型乳酸オリゴマー含有率を高める環状重合乳酸の製造技術に関する。

背景技術

0002

近年、環状重合乳酸は、悪性腫瘍細胞増殖抑制作用血糖低下作用等の効果が期待され、医薬品や健康食品の開発の対象として注目されている。環状重合乳酸とは、環状型乳酸オリゴマーを主として含み、その他の物質として製造工程における中間産物である鎖状型乳酸オリゴマー、特に直鎖型のものも含む物質の総称を意味するものである。前記効果は、環状型乳酸オリゴマーによるものであり、鎖状型乳酸オリゴマーの効果は小さいと考えられている。環状重合乳酸または環状型乳酸オリゴマーの混合物を含んだ医薬品として、免疫機能調整剤や細胞賦活剤等が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。

0003

特許文献1には、L(+)−乳酸窒素ガス雰囲気中で段階的減圧及び昇温によって脱水縮合した環状型鎖状型のオリゴマー物質であって,化学組成がそれぞれ(C3H4O2)、及び{(C3H2O)z−H2O}(ここでz=2〜23)であり、分子構造ジグザク環状構造クラスレート状のほぼジグザクC文字形鎖状構造の2種類からなる免疫機能調節剤が記載されている。

0004

特許文献2には、容器中に触媒非存在L−乳酸液を導入する工程と、前記L−乳酸液中不活性ガス直接噴射しつつ、L一乳酸の沸点を超える温度まで段階的に昇温して脱水重合して環状重合乳酸を得る工程と、得られた環状重合乳酸を前記容器から排出する工程と、からなる方法により製造された細胞賦活剤が記載されている。

0005

また、環状重合乳酸(環状乳酸オリゴマー)の製造方法として、特許文献1,2に記載されたようなL一乳酸のみから製造する方法の他に、鎖状乳酸オリゴマー量体と、R1COXで示されるカルボン酸またはカルボン酸誘導体とを、反応させて2倍量体の環状乳酸オリゴマーm量体を多量に含む環状乳酸オリゴマー混合物の製造方法が知られている(特許文献3参照)。

0006

特開2000−72680号公報
特開2004−155670号公報
特開2004−359582号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1記載の免疫機能調整剤に含まれる乳酸オリゴマーは、環状乳酸オリゴマーおよび鎖状型乳酸オリゴマーを有し、これらの比率は約7:3であり、環状乳酸オリゴマーの比率が低い。また特許文献2記載の細胞賦活剤は、その性質安定化剤を添加することが望ましいことから、吸湿性を有すると考えられ、環状重合乳酸(環状乳酸オリゴマー)の含有率は低いと推察される。

0008

ここで、環状乳酸オリゴマーの含有率が低く、鎖状型乳酸オリゴマーの含有率が高いと、これらを含有する混合物を粉末体としてもその形状を維持することが困難となる。また、粉末体を維持するためには、安定化剤として乳酸カルシウム炭酸カルシウムマンニトールソルビトール等を添加しなければならず、最終製品となる免疫機能調整剤に占める環状乳酸オリゴマーの含有率は70%以下となる。さらに、市販のL−乳酸は、その含有率が90%前後であり、このことが環状乳酸オリゴマーの含有率を下げる一要因にもなっている。

0009

以上のように、特許文献1,2に記載の環状重合乳酸(環状乳酸オリゴマー)の製造過程において、環状乳酸オリゴマーの含有率は高くても約7割程度である。そして、約3割は環状形成されない鎖状型乳酸オリゴマー或いはL−乳酸単体であり、これらは薬効が期待できない上に吸湿性を有するため、湿度60%以上に放置すると自己体による吸着や固着が起こったり、これらを防止するために乾燥剤を使用する等の湿度管理が必要となったりするなど、物質管理や保管管理が難しいという問題がある。このような問題に対し、環状重合乳酸の含有率を高める製造技術が求められている。

0010

一方、特許文献3に記載の製造方法は、環状乳酸オリゴマーを高含有率で製造できるとされている。しかし、この製造工程の出発物質として、鎖状乳酸オリゴマーm量体とカルボン酸(またはカルボン酸誘導体)の2種類が使用されているため、反応工程が複雑となり、また有機溶媒等を使用する必要もあり複雑な装置が必要となる。さらに、鎖状乳酸オリゴマーm量体を事前に製造・準備しておく必要がある。

0011

本発明が解決しようとする課題は、複雑な装置および製造工程を必要とせず、環状重合乳酸に含まれる環状乳酸オリゴマーの含有率を高める製造技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明の環状重合乳酸の製造方法は、L−乳酸を不活性ガス雰囲気中で段階的に減圧及び昇温させることにより、脱水縮合されて形成された環状型乳酸オリゴマーおよび鎖状型乳酸オリゴマーを有する濃縮液と、この濃縮液と分離されL−乳酸を主体とする乳酸蒸留液とを得る脱水縮合工程と、濃縮液に前記乳酸蒸留液またはL−乳酸を所定の比率で混合する混合工程と、混合工程で得られた混合物を冷却してゲル状物質を得る冷却工程と、環状型乳酸オリゴマーが不溶であるとともに鎖状型乳酸オリゴマーおよびL−乳酸が可溶である溶媒を前記ゲル状物質に加え、該溶媒可溶性物質を溶解させて沈殿物を得る分離工程と、沈殿物を回収する回収工程と、を含むことを特徴する。

0013

濃縮液と乳酸蒸留液とを所定の比率で混合することにより、濃縮液中の環状型乳酸オリゴマーおよび鎖状型乳酸オリゴマーと、乳酸蒸留液中のL−乳酸および微量のポリ乳酸(主に鎖状型乳酸オリゴマー)とが、溶液中で各分子が複雑に絡み合って混合物をゲル化させることができる。このゲル化したゲル状物質に前記溶媒として水を加水すると、ゲル状物質に含まれている環状型乳酸オリゴマーは水に不溶であるため沈殿し、鎖状型乳酸オリゴマーやL−乳酸は水に可溶であるため溶解する。従って、この不溶物の主体である環状型乳酸オリゴマーを特異的に回収することができ、含有率を向上させることができる。なお、乳酸蒸留液の主体はL−乳酸であるため、乳酸蒸留液にかえてL−乳酸を混合しても良く、L−乳酸の希釈水も利用することができる。
また、一旦ゲル化したゲル状物質に水を加えて攪拌することにより、その分子構造体が溶液中でコロイドとなり、これを濾過するなどして回収し乾燥すれば、自己吸着することなくパウダー状の粉末とすることができる。

0014

ここで、前述したように鎖状型乳酸オリゴマーは水等の溶媒に可溶であるが、比較的ゆっくり溶けるため、不純物として残存する場合がある。このため、さらに、回収工程で得られた回収物に前記溶媒を加え、残存する溶媒可性物質を溶解させて沈殿物を得る分離工程と、該沈殿物を回収する回収工程とを、複数回繰り返せば、不純物を徐々に減少させて環状型乳酸オリゴマーの純度が高い環状重合乳酸を得ることが可能となる。

0015

また、混合工程における所定の比率とは、濃縮液の容量が、乳酸蒸留液の容量またはL−乳酸の容量に対して0.25倍以上4倍以下とすることが望ましい。このような比率とすることにより、ゲル状物質を得ることができ、後の分離工程により環状型乳酸オリゴマーを分離・回収することができる。また、このような範囲の比率とすることにより、確実にゲル化させて環状型乳酸オリゴマーを沈殿させることができるため、この含有率が安定し、品質が安定した環状重合乳酸を得ることができる。なお、製造効率を考慮すれば、上記比率は1倍以上2.5倍以下であることがより好ましい。さらに、L−乳酸の希釈液も使用することできるが、希釈前のL−乳酸に換算して前記比率となるように混合すれば良い。

0016

ここで、濃縮液の容量が、乳酸蒸留液の容量またはL−乳酸の容量に対して0.25倍未満とすると、複雑に絡み合う基となる環状型乳酸オリゴマー量が減少するため、ゲル化が起こらないか、起こりにくいという問題がある。
また、濃縮液の容量が、乳酸蒸留液の容量またはL−乳酸の容量に対して4倍以上とすると、ゲル化したゲル状物質が固くなりすぎて、加水しても可溶物可溶化させにくくなり、環状型乳酸オリゴマーの含有率が低下する。

0017

また、本発明の環状重合乳酸は、前述の製造方法により製造され、環状型乳酸オリゴマーが80質量%以上含まれ、且つ、形状が粉末状であることを特徴とする。本発明の環状重合乳酸の製造方法によれば、L−乳酸を出発物質としながらも環状型乳酸オリゴマーを従来に無い含有率で製造することが可能となり、環状型乳酸オリゴマーが80質量%以上の純度とすることができる。このため、鎖状型乳酸オリゴマーを主とした不純物量を減少させることができるため吸湿性の問題を解消して、形状を粉末状とすることができるとともに、人体への薬効等も高まると考えられる。なお、前記分離工程と回収工程を繰り返す毎に、環状型乳酸オリゴマーの含有率は上昇するため、時間をかけて精製することにより、100質量%に近い純度とすることができるが、物性的側面および製造効率を考慮すれば、環状重合乳酸中の環状型乳酸オリゴマー含有量が95質量%以上とすることがより好ましい。
環状重合乳酸を粉末状とすることにより、様々な用途に適応できる可能性がある。

0018

さらに、本発明においては、前述した環状重合乳酸を含有することを特徴とする医薬品、健康食品、化粧品とすることもできる。

発明の効果

0019

本発明の最大の特徴は、環状型乳酸オリゴマーおよび鎖状型乳酸オリゴマーを有する濃縮液と、L−乳酸を主体とする乳酸蒸留液と、を所定の比率で混合して得られた混合物を冷却してゲル状物質を得、さらに水等の溶媒を加えて環状型乳酸オリゴマーを沈殿させて分離することにある。このような方法により環状重合乳酸を製造すれば、L−乳酸のみを出発物質としながらも、複雑な装置および製造工程を必要とせず、環状型乳酸オリゴマーを特異的に回収することができ、この含有率を80質量%以上に向上させることができ、吸湿性の問題を解消して粉末状とすることができる。また、高い含有率を達成することができるため、安定化剤を使用しないか使用しても微量に抑えることが可能となる。さらに、保管する際には乾燥剤は必要ない。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下、図1に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態である環状重合乳酸の製造工程を示す図である。以下、各工程について説明する。
(1)脱水縮合工程
市販品のL−乳酸(液体状)を出発物質とし、これに不活性ガスである窒素ガス雰囲気中で段階的に減圧及び昇温させる。昇温は調節しながら190℃以上になるまで行う。温度が190℃以上になるとL−乳酸が脱水縮合されて環状型乳酸オリゴマーが形成されるが、その反応途中に形成された鎖状型乳酸オリゴマーも混在し、これらを有する濃縮液Aを得る。一方、昇温時に発生する乳酸の蒸気を濃縮液Aとは別に分離した状態で回収し、L−乳酸を主体とする乳酸蒸留液Bを得る。この乳酸蒸留液BにはL−乳酸の他に、鎖状型乳酸オリゴマーや、脱水縮合された水等が含まれている。従来、この乳酸蒸留液Bは廃液処理されていたものである。

0021

(2)混合工程
脱水縮合工程で得られた濃縮液Aに、乳酸蒸留液Bまたは市販品のL−乳酸を所定の比率で混合する。この所定の比率とは、濃縮液Aの容量が、乳酸蒸留液Bの容量または市販品のL−乳酸の容量に対して0.25倍以上4倍以下とし、より好ましくは0.25倍以上4倍以下とする。混合時の温度条件として、濃縮液Aを100℃〜190℃、乳酸蒸留液Bを80℃〜120℃で混合し、混合物Cを得る。

0022

(3)冷却工程
混合工程で得られた混合物Cを冷却しゲル化させてゲル状物質Dを得る。冷却に際しては、室温に置いたまま自然空冷したり、人為的に短時間で冷却したりしても良い。
なお、得られたゲル状物質Dは長期間の冷凍保存が可能となるため、製造工程においては冷却工程で一旦終了させてゲル状物質Dをストックしておいても良い。

0023

(4)分離工程
冷却工程により得られたゲル状物質Dに、環状型乳酸オリゴマーが不溶であるとともに鎖状型乳酸オリゴマーおよびL−乳酸が可溶である溶媒としての精製水を加えて攪拌する。この精製水に可溶な物質を溶解させて(溶解物F)、水に溶けないで残存する沈殿物Eを得る。ここで、この溶媒は、水、好ましくは精製水を用いるが、環状型乳酸オリゴマーを沈殿させることができる溶媒であれば、プロピレングリコールやその他の溶媒を使用しても良い。

0024

(5)回収工程
前記分離工程により得られた沈殿物Eを濾過して回収物Gを得る。ここで回収方法は濾過に限定されるものではなく、上澄み液を除去して回収しても良い。
さらに、この回収物Gにさらに精製水を加え、残存する溶媒(水)可溶性物質を溶解させて再度沈殿物Eを得る分離工程と、この沈殿物Eを回収する回収工程とを、複数回繰り返して、回収物Gに含まれる環状型乳酸オリゴマーの含有率(純度)を更に高める。ここで、加水したときのpHが3.0以上となるまで繰り返せば概ね95%以上の含有率とすることができる。
(6)乾燥工程
回収物Gをデシケータで48時間以上真空乾燥し、パウダー状の粉末の環状型乳酸オリゴマーを高含有率で含む環状重合乳酸Hを得る。

0025

本発明の実施の形態である環状重合乳酸の混合工程において、所定の容量比率(濃縮液A:乳酸蒸留液B)を決定するための試験を行い、ゲル化性能について視覚的な判断結果を表1に示した。この結果から、濃縮液Aの容量が、乳酸蒸留液Bの容量に対して0.25倍以上4倍以下、より好ましくは1倍以上2.5倍以下とすることが望ましいと考えられる。なお、乳酸蒸留液Bの主体はL−乳酸であると考えられるため、乳酸蒸留液Bを市販のL−乳酸に替えても同様の効果が期待できる。

0026

0027

次に、本発明の実施の形態である環状重合乳酸(以下、本発明品)について、平均分子量および環状型乳酸オリゴマーの含有率について調べた。
試験方法
PL(Gel Permeation Chromatography)分析を行い、以下の分析条件対照品および本発明品についてポリスチレン換算による平均分子量分布および平均分子量を算出し、表2に示した。なお、対照品は、特許文献2に記載の製造方法により製造した従来品(環状重合乳酸)である。また、図2RI分布図を示しており、(a)は対照品、(b)は本発明品である。さらに、表3にピーク面積毎の平均分子量を示した。
(2)分析条件
カラム:TSKgel G2000HXL 7.8mmI.D×30cm×3本+TSKgel G4000HXL 7.8mlI.D×30cm×1本
溶離液テトラヒドロフラン
・流量:1ml/min
・温度:38℃
検出器示差屈折計(RI)
・分子量計算:ポリスチレン換算
・装置:Water GPC Waters社製

0028

表2に示すように、数平均分子量と重量平均分子量の両方において、対照品よりも本発明品の方が大きいことから、本発明においては、環状型乳酸オリゴマーの含有率が増加して分子1個の分子量が大きくなったものと推察される。また、分散度が対照品に比べて本発明品の方が小さいことから、分子量分布が狭くなっていることがわかり、品質が安定していると考えられる。

0029

0030

また、表3に示すように、対照品、本発明品のいずれにおいても、1回目のピーク面積が最大となり、また、本発明品においては対照品と比較して、ピークの数が減少していた。この1回目のピークの面積割合が環状型乳酸オリゴマーの質量%とすると、環状型乳酸オリゴマーは、質量換算で対照品では約66.0%、本発明品で約80.4%含有されていた。

0031

0032

以上のことから、本発明の環状重合乳酸は、80質量%以上の環状型乳酸オリゴマーを含有しており、医薬品、健康食品、化粧品に有益である。また、データでは示していないものの、製造工程における分離工程と回収工程を繰り返すことにより、さらに純度の高い環状重合乳酸を得ることができる。

0033

また、製造工程において、冷却工程でゲル状物質Dに中和剤を添加することにより中和させて得た環状重合乳酸を使用することもできる。この場合、環状型乳酸オリゴマーの含有率は低い。

0034

本発明の製造方法により製造された環状重合乳酸は、医薬品、健康食品、化粧品として広く利用することができ、さらにパウダー状の粉末であるためさらなる応用技術が期待できる。

図面の簡単な説明

0035

本発明の実施の形態である環状重合乳酸の製造工程を示す図である。
本発明の実施の形態である環状重合乳酸のGPL分析のRI分布図を示す図であり、(a)は対照品、(b)は本発明品である。

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