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技術 車両用変速機制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 井上雄二田端淳鎌田淳史
出願日 2005年10月7日 (15年1ヶ月経過) 出願番号 2005-295063
公開日 2007年4月19日 (13年7ヶ月経過) 公開番号 2007-100924
状態 拒絶査定
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード レンジダウン レンジ変更 回転動力源 シフトアップ指示 レンジアップ 一定時間周期 シフトレバ 最高変速比
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (16)

課題

ドライバーマニュアル操作に応じて変速段変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性減速制御性とを両立させる。

解決手段

エンジン回転数NEが上限回転数NEUを越えると(Sp108でyes)、減速要求が存在しない限り(Sp110でno)、マニュアルモード制御時であるにも関わらず自動的にシフトアップしている(Sp106)。しかしNE>NEUでも(Sp108でyes)、ドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には(Sp110でyes)、自動的なシフトアップは実行しない。このようにドライバーの減速要求が存在する時には変速段の自動的なアップ禁止しているので、エンジンブレーキ力を高めたいとのドライバーの意に反して、自動的にシフトアップされることが防止される。このことにより課題が達成される。

概要

背景

車両用自動変速機において、自動変速制御と共に、ドライバー操作に対応した変速段変速レンジを選択するマニュアルモード制御を可能とする自動変速機制御装置が存在する(例えば特許文献1参照)。

このようなマニュアルモード制御時においては、特にエンジン回転数が上限回転数よりも上昇した時にはマニュアルモードであるにも関わらず自動的にシフトアップを実行することにより、マニュアルモード制御時においても加速を容易とする手法が考えられる。

又、変速段自体のアップではなく、最高変速比が異なる変速レンジ間での切り替えにおいても、マニュアルモード制御時において、エンジン回転数が上限回転数よりも上昇した時に自動的により高い最高変速比の変速レンジへとアップすることで加速を容易とする手法が考えられる。
特開平2−125174号公報(第3−5頁、図1)

概要

ドライバーマニュアル操作に応じて変速段や変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性減速制御性とを両立させる。エンジン回転数NEが上限回転数NEUを越えると(Sp108でyes)、減速要求が存在しない限り(Sp110でno)、マニュアルモード制御時であるにも関わらず自動的にシフトアップしている(Sp106)。しかしNE>NEUでも(Sp108でyes)、ドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には(Sp110でyes)、自動的なシフトアップは実行しない。このようにドライバーの減速要求が存在する時には変速段の自動的なアップを禁止しているので、エンジンブレーキ力を高めたいとのドライバーの意に反して、自動的にシフトアップされることが防止される。このことにより課題が達成される。

目的

このことは変速レンジ間での切り替えにおいても同じことが言える。
本発明は、ドライバーのマニュアル操作に応じて変速段や変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性と減速制御性とを両立させることができる車両用変速機制御装置を目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応した変速段を選択するマニュアルモード制御を実行する車両用変速機制御装置であって、マニュアルモード制御時に、回転動力源回転数が上限回転数を越えた場合に、変速段を自動的にアップするマニュアルモード制御時自動アップ手段と、ドライバーの減速要求有無を検出する減速要求有無検出手段と、該減速要求有無検出手段にてドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段の自動的なアップを禁止する自動アップ禁止手段と、を備えたことを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項2

請求項1において、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段を自動的にアップする処理と、前記マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応して変速段をアップする処理とを含む変速段アップ処理が、重複するか否かを判定するアップ処理重複判定手段と、該アップ処理重複判定手段にて重複が生じると判定された場合に、前記変速段アップ処理を1回に限定する重複禁止手段と、を備えたことを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項3

請求項1又は2において、他の車両走行制御手段におけるシフトアップ禁止要求が存在するか否かを判定するシフトアップ禁止判定手段と、該シフトアップ禁止判定手段にてシフトアップ禁止要求が存在すると判定された場合に、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段を自動的にアップする処理を禁止するシフトアップ禁止要求時アップ禁止手段と、を備えたことを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項4

最高変速比が異なる複数の変速レンジから、マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応した変速レンジを選択するマニュアルモード制御を実行する車両用変速機制御装置であって、マニュアルモード制御下で現在の変速レンジにおける最高変速比で走行している時に、回転動力源の回転数が上限回転数を越えた場合に、最高変速比がより高い変速レンジに自動的にアップするマニュアルモード制御時自動アップ手段と、ドライバーの減速要求有無を検出する減速要求有無検出手段と、該減速要求有無検出手段にてドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジの自動的なアップを禁止する自動アップ禁止手段と、を備えたことを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項5

請求項4において、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジを自動的にアップする処理と、前記マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応して変速レンジをアップする処理とを含む変速レンジアップ処理が、重複するか否かを判定するアップ処理重複判定手段と、該アップ処理重複判定手段にて重複が生じると判定された場合に、変速レンジアップ処理を1回に限定する重複禁止手段と、を備えたことを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項6

請求項4又は5において、他の車両走行制御手段におけるレンジアップ禁止要求が存在するか否かを判定するレンジアップ禁止判定手段と、該レンジアップ禁止判定手段にてレンジアップ禁止要求が存在すると判定された場合に、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジを自動的にアップする処理を禁止するレンジアップ禁止要求時アップ禁止手段と、を備えたことを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項7

請求項2又は5において、前記アップ処理重複判定手段は、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段により自動的にアップする処理と、前記マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応してアップする処理との異なるアップ処理の実行間隔が基準時間内である場合に、重複が生じると判定することを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項8

請求項3又は6において、前記他の車両走行制御手段は、オートクルーズ制御ステム又は車両安定性制御システムであることを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項9

請求項1〜8のいずれかにおいて、前記減速要求有無検出手段は、ドライバーの加速要求が無い場合を、減速要求が存在していると判定することを特徴とする車両用変速機制御装置。

請求項10

請求項1〜9のいずれかにおいて、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段は、回転動力源の回転数の代わりに、変速機入力軸回転数又は出力軸回転数を用いて上限回転数を越えたか否かを判定することを特徴とする車両用変速機制御装置。

技術分野

0001

本発明は、ドライバーマニュアル操作に対応した変速段変速レンジを選択する機能を備えた車両用変速機制御装置に関する。

背景技術

0002

車両用自動変速機において、自動変速制御と共に、ドライバー操作に対応した変速段や変速レンジを選択するマニュアルモード制御を可能とする自動変速機制御装置が存在する(例えば特許文献1参照)。

0003

このようなマニュアルモード制御時においては、特にエンジン回転数が上限回転数よりも上昇した時にはマニュアルモードであるにも関わらず自動的にシフトアップを実行することにより、マニュアルモード制御時においても加速を容易とする手法が考えられる。

0004

又、変速段自体のアップではなく、最高変速比が異なる変速レンジ間での切り替えにおいても、マニュアルモード制御時において、エンジン回転数が上限回転数よりも上昇した時に自動的により高い最高変速比の変速レンジへとアップすることで加速を容易とする手法が考えられる。
特開平2−125174号公報(第3−5頁、図1

発明が解決しようとする課題

0005

しかしマニュアルモード制御時に、エンジンの上限回転数に基づいてシフトアップを行うと、降時においてドライバーがエンジンブレーキ力を高めたい時にも、エンジン回転数が増加することにより上限回転数を越えてシフトアップが実行されてしまう。このため、マニュアルモード制御時であるにも関わらず所望のエンジンブレーキ力が得られないおそれがある。

0006

このことは変速レンジ間での切り替えにおいても同じことが言える。
本発明は、ドライバーのマニュアル操作に応じて変速段や変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性減速制御性とを両立させることができる車両用変速機制御装置を目的とするものである。

課題を解決するための手段

0007

以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の車両用変速機制御装置は、マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応した変速段を選択するマニュアルモード制御を実行する車両用変速機制御装置であって、マニュアルモード制御時に、回転動力源の回転数が上限回転数を越えた場合に、変速段を自動的にアップするマニュアルモード制御時自動アップ手段と、ドライバーの減速要求有無を検出する減速要求有無検出手段と、該減速要求有無検出手段にてドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段の自動的なアップを禁止する自動アップ禁止手段とを備えたことを特徴とする。

0008

マニュアルモード制御時に回転動力源の回転数が上限回転数を越えたことにより、マニュアルモード制御時自動アップ手段が変速段を自動的にアップする状態となっても、ドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には、自動アップ禁止手段は、変速段の自動的なアップを禁止している。

0009

このため、ドライバーの減速要求が無い時には、自動アップ禁止手段は変速段の自動的なアップを禁止することはないので、マニュアルモード制御時においても加速を容易とすることができる。一方、ドライバーの減速要求が有る時には自動アップ禁止手段は変速段の自動的なアップを禁止するので、エンジンブレーキ力を高めたいとのドライバーの意に反して、自動的にシフトアップされることが防止される。

0010

このことによりドライバーのマニュアル操作に対応した変速段を選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性と減速制御性とを両立させることができる。
請求項2に記載の車両用変速機制御装置では、請求項1において、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段を自動的にアップする処理と、前記マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応して変速段をアップする処理とを含む変速段アップ処理が、重複するか否かを判定するアップ処理重複判定手段と、該アップ処理重複判定手段にて重複が生じると判定された場合に、前記変速段アップ処理を1回に限定する重複禁止手段とを備えたことを特徴とする。

0011

マニュアルモード制御時に変速段を自動的にアップするようにすると、ドライバーのマニュアル操作に対応して変速段をアップする処理と重複を生じる場合がある。このような場合を含めて変速段アップ処理が重複した時には、重複禁止手段は重複分の変速段アップ処理を禁止して変速段アップ処理を1回に限定している。

0012

このことによりドライバーが1回のシフトアップを行ったにもかかわらず、マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段アップ処理とが重なって2回のシフトアップが生じると言う現象は生じない。したがってマニュアルモード制御時において違和感のあるシフトアップが行われるのを防止できる。

0013

請求項3に記載の車両用変速機制御装置では、請求項1又は2において、他の車両走行制御手段におけるシフトアップ禁止要求が存在するか否かを判定するシフトアップ禁止判定手段と、該シフトアップ禁止判定手段にてシフトアップ禁止要求が存在すると判定された場合に、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段を自動的にアップする処理を禁止するシフトアップ禁止要求時アップ禁止手段とを備えたことを特徴とする。

0014

このように他の車両走行制御手段にてシフトアップ禁止要求が存在する場合には、シフトアップ禁止要求時アップ禁止手段が、マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速段アップ処理を禁止することにより、車両走行制御間の干渉を防止して、制御性の悪化を防止できる。

0015

請求項4に記載の車両用変速機制御装置は、最高変速比が異なる複数の変速レンジから、マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応した変速レンジを選択するマニュアルモード制御を実行する車両用変速機制御装置であって、マニュアルモード制御下で現在の変速レンジにおける最高変速比で走行している時に、回転動力源の回転数が上限回転数を越えた場合に、最高変速比がより高い変速レンジに自動的にアップするマニュアルモード制御時自動アップ手段と、ドライバーの減速要求有無を検出する減速要求有無検出手段と、該減速要求有無検出手段にてドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジの自動的なアップを禁止する自動アップ禁止手段とを備えたことを特徴とする。

0016

マニュアルモード制御下においても、現在の変速レンジにおける最高変速比での走行時に回転動力源の回転数が上限回転数を越えると、マニュアルモード制御時自動アップ手段は、より高い最高変速比を有する変速レンジに自動的にレンジ変更する。このことによりドライバーのマニュアル操作に対応した変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性を向上させることができる。

0017

一方、マニュアルモード制御時自動アップ手段が自動的にレンジアップする状態となっても、ドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には、自動アップ禁止手段は、より高い最高変速比を有する変速レンジへの自動的なレンジアップを禁止している。このため、エンジンブレーキ力を高めたいとのドライバーの意に反して、自動的に高い変速段が選択されるようなレンジ変更は防止される。

0018

このことによりドライバーのマニュアル操作に対応した変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性と減速制御性とを両立させることができる。
請求項5に記載の車両用変速機制御装置では、請求項4において、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジを自動的にアップする処理と、前記マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応して変速レンジをアップする処理とを含む変速レンジアップ処理が、重複するか否かを判定するアップ処理重複判定手段と、該アップ処理重複判定手段にて重複が生じると判定された場合に、変速レンジアップ処理を1回に限定する重複禁止手段とを備えたことを特徴とする。

0019

マニュアルモード制御時自動アップ手段により自動的に変速レンジをアップするようにすると、ドライバーのマニュアル操作に対応する更に高い最高変速比の変速レンジへ変更する処理と重複を生じる場合がある。このような場合には、重複禁止手段は重複分の変速レンジアップ処理を禁止して変速レンジアップ処理を1回に限定している。

0020

このことによりドライバーが1回のレンジアップを行ったにもかかわらず、マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジアップ処理とが重なって、2回の変速レンジアップが行われるのを防止できる。このことにより違和感のある変速レンジアップが行われるのを防止できる。

0021

請求項6に記載の車両用変速機制御装置では、請求項4又は5において、他の車両走行制御手段におけるレンジアップ禁止要求が存在するか否かを判定するレンジアップ禁止判定手段と、該レンジアップ禁止判定手段にてレンジアップ禁止要求が存在すると判定された場合に、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジを自動的にアップする処理を禁止するレンジアップ禁止要求時アップ禁止手段とを備えたことを特徴とする。

0022

このように他の車両走行制御手段にてレンジアップ禁止要求が存在する場合には、レンジアップ禁止要求時アップ禁止手段が、マニュアルモード制御時自動アップ手段による変速レンジアップ処理を禁止する。このことにより、車両走行制御間の干渉を防止して、制御性の悪化を防止できる。

0023

請求項7に記載の車両用変速機制御装置では、請求項2又は5において、前記アップ処理重複判定手段は、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段により自動的にアップする処理と、前記マニュアル操作部に対するドライバーのマニュアル操作に対応してアップする処理との異なるアップ処理の実行間隔が基準時間内である場合に、重複が生じると判定することを特徴とする。

0024

このように基準時間内で異なる2つのアップ処理が実行される状況を、アップ処理の重複が生じると判定することにより、より確実に違和感のある変速段アップ処理あるいは変速レンジアップ処理が行われるのを防止できる。

0025

請求項8に記載の車両用変速機制御装置では、請求項3又は6において、前記他の車両走行制御手段は、オートクルーズ制御ステム又は車両安定性制御システムであることを特徴とする。

0026

他の車両走行制御手段としてはオートクルーズ制御システム又は車両安定性制御システムを挙げることができ、これらシステムとの干渉を防止して、より安定した車両走行が可能となる。

0027

請求項9に記載の車両用変速機制御装置では、請求項1〜8のいずれかにおいて、前記減速要求有無検出手段は、ドライバーの加速要求が無い場合を、減速要求が存在していると判定することを特徴とする。

0028

このようにドライバーが加速要求をしていない場合を、減速要求有りとすることにより、変速段の自動的なアップ禁止や、より高い変速レンジへの自動的なアップ禁止をしている。このためエンジンブレーキ力を高めたいとのドライバーの意に反する変速段アップ処理や変速レンジアップ処理は防止される。

0029

このことによりドライバーのマニュアル操作に対応して、変速段あるいは変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性と減速制御性とを両立させることができる。

0030

請求項10に記載の車両用変速機制御装置では、請求項1〜9のいずれかにおいて、前記マニュアルモード制御時自動アップ手段は、回転動力源の回転数の代わりに、変速機の入力軸回転数又は出力軸回転数を用いて上限回転数を越えたか否かを判定することを特徴とする。

0031

このように直接的に回転動力源の回転数を用いて判定する代わりに、変速機の入力軸回転数又は出力軸回転数を用いて判定しても良い。このことにより判定対象回転数の選択自由度が増加する。

発明を実施するための最良の形態

0032

[実施の形態1]
図1は、回転動力源としてのガソリンエンジン(以下エンジンと称する)2、マニュアルモード機能付自動変速機4及びこれらの各ECU(電子制御ユニット)6,8を示すブロック図である。本エンジン2は自動車用エンジンとして車両に搭載されているものである。尚、ここでは回転駆動源としてガソリンエンジンを用いているが、この代わりにディーゼルエンジンを用いても良いし、電動モータでもよく、又、ハイブリッドエンジン、その他のエンジンでも良い。又、自動変速機としては、後述するごとく車両用有段変速機を用いているが、車両用無段変速機を用いても良く、この場合、本実施の形態では、マニュアルモード制御時に有段的に変速が行われることになる。このように有段変速機のみでなく、有段的に変速する無段変速機にも適用できる点については、後述する他の実施の形態についても同じである。

0033

エンジン2は、ここでは複数の気筒、例えば4〜8気筒が設けられており、各気筒毎に吸気ポート燃料噴射弁がそれぞれ設けられ、この燃料噴射弁からは運転状態に応じて要求される量の燃料が各気筒毎に噴射されている。又、エンジン2には、吸気量センサアクセル開度センサスロットル開度センサエンジン回転数センサ20、冷却水温センサ吸気温センサ等の各種センサ類10が設けられている。これらの出力、及び車両に設けられたブレーキ踏力センサやブレーキスイッチ等により、エンジン用ECU6はエンジン2の運転状態や車両の走行状態を検出している。又、エンジン用ECU6は変速用ECU8とも交信して相互に指令やデータの交換を行っている。そしてエンジン用ECU6は、これらの指令やデータに基づいて、スロットル開度制御燃料噴射量制御等によりエンジン2の運転を制御している。

0034

自動変速機4はトルクコンバータオートマチックトランスミッションであり、プラネタリーギヤなどの回転要素クラッチ及びブレーキからなる係合要素の作動を制御することにより変速を行う車両用有段変速機である。各種センサ類10には、自動変速機4に設けられたシフト位置センサ入力軸回転数センサ22、出力軸回転数センサ24も含まれている。変速用ECU8は、アクセル開度ACCP、スロットル開度、エンジン回転数NE、シフト位置、入力軸回転数Ni、出力軸回転数No等のデータにより、ドライバーの操作状態、自動変速機4の内部状態車両走行状態を検出して、自動変速機4に対する変速制御を実行している。又、前記エンジン用ECU6が検出しているデータの内、冷却水温ブレーキ状態等のデータも読み込んでいる。又、前述したごとく変速用ECU8はエンジン用ECU6とも交信して相互に指令やデータの交換を行っている。そして変速用ECU8は、これらの指令やデータに基づいて、油圧制御回路4aの電磁弁の切り替えを行うことにより自動変速機4の変速制御を実行している。例えば自動変速時には、予め記憶された変速線図から車速SPDとスロットル開度(あるいはアクセル開度ACCP)とに基づいて自動変速機4の変速段を決定する。そしてマニュアルモード制御時にはシフトレバー4bによるシフトアップやシフトダウンの指示に対応した変速段を決定し、この決定された変速段を成立させるように油圧制御回路4aの電磁弁を切り替えている。

0035

尚、エンジン用ECU6及び変速用ECU8は、CPU、各種プログラムマップ等を予め記憶したROM、演算結果を一時記憶するRAM、演算結果や予め記憶されたデータ等を保存する不揮発性メモリ入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心として構成されている。

0036

図2に自動変速機4のギヤトレーンスケルトン図を、図3に自動変速機4において各変速段を成立させる際の係合要素の作動状態を説明する作動表説明図を示す。自動変速機4は、係合要素としてのクラッチC1,C2,C3,C4とブレーキB1,B2の油圧による係合解放制御、及びワンウェイクラッチF1により制御されることで、図3の作動表のごとくの変速段を、自動及び手動により実現可能としている。

0037

このことによりエンジン2の回転力は、エンジン出力軸(ここではクランク軸12)からトルクコンバータ14を介して自動変速機4の入力軸16に伝達され、そして、変速比に対応して変速されて出力軸18に伝達される。尚、トルクコンバータ14にはロックアップクラッチ14aが備えられて、クランク軸12と自動変速機4の入力軸16との直結を可能としている。

0038

尚、クランク軸12にはエンジン回転数センサ20が、自動変速機4の入力軸16には入力軸回転数センサ22が、出力軸18には出力軸回転数センサ24が設けられて、それぞれエンジン回転数NE、入力軸回転数Ni、出力軸回転数Noを検出している。

0039

図4に自動変速機4のマニュアル操作部に設けられたシフトレバー4bによって実現されるシフトパターンを示す。ここでは、駐車用の「P(パーキング)」、後進走行用の「R(リバース)」、動力伝達遮断する「N(ニュ_卜ラル)」、自動変速による前進走行用の「D(ドライブ)」、およびマニュアルモード制御として手動変速が可能な前進走行用の「S(シーケンシャル)」の5つの操作ポジションが存在する。

0040

「D」ポジションでは、変速用ECU8は、メモリ上に記憶されている変速線図データによりエンジン負荷と車速とに基づいて自動変速を実行する。
一方、「S」ポジションにおいては、変速用ECU8はマニュアルモード制御を実行する。このマニュアルモード制御では、「+」側(前方)へシフトレバー4bを倒す毎に、第1速(1st)〜第8速(8th)の範囲で順次シフトアップ(変速段アップ処理)する。そして「−」側(後方)へシフトレバー4bを倒す毎に、第8速(8th)〜第1速(1st)の範囲で順次シフトダウンする。このことにより、ドライバーの所望の変速が可能となる。更にこのようなマニュアルモード制御中においても、エンジン2の回転数が上限回転数を越えると、自動的にシフトアップ(変速段アップ処理)する処理も実行されている。

0041

マニュアルモード制御時の変速処理図5フローチャートに示す。本処理はシフトレバー4bが「S」に設定された状態で実行開始され、シフトレバー4bが「S」に設定されている限り一定周期で繰り返し実行される処理である。

0042

シフトレバー4bが「S」に配置されることで本処理が開始されると、まずシフトダウン操作がなされたか否かが判定される(Sp100)。すなわちシフトレバー4bが「−」側に倒されたが否かが判定される。ここでシフトダウン操作がなされていれば(Sp100でyes)、変速用ECU8は、油圧制御回路4aにシフトダウン指示を実行する(Sp102)。尚、変速前の状態が第1速であった場合には、ここでは第1速を維持する。

0043

一方、ここでシフトダウン操作がなされていなければ(Sp100でno)、次にシフトアップ操作がなされたか否かが判定される(Sp104)。すなわちシフトレバー4bが「+」側に倒されたか否かが判定される。ここでシフトアップ操作がなされていれば(Sp104でyes)、変速用ECU8は、油圧制御回路4aにシフトアップ指示を実行する(Sp106)。尚、変速前の状態が第8速であった場合には、ここでは第8速を維持する。

0044

シフトダウン操作もシフトアップ操作もがなされていない場合(Sp100でno、Sp104でno)、つぎにエンジン回転数NEが上限回転数NEUを越えているか否かが判定される(Sp108)。ここで上限回転数NEUとは、第1速〜第8速に共通に設けたエンジン回転数NEの上限値でもよく、第1速〜第8速の各変速段毎に設けたエンジン回転数NEの上限値でも良い。

0045

ここでNE≦NEUであれば(Sp108でno)、ドライバー側のシフト変更操作も無かった(Sp100でno、Sp104でno)ことから、このまま一旦本処理を終了する。したがって変速段は現状のままに維持される。

0046

シフトダウン操作もシフトアップ操作もなされずに(Sp100でno及びSp104でno)、NE>NEUとなった場合には(Sp108でyes)、次にアクセルON継続時間Taconが基準時間TTH(例えば1s)以下か否かが判定される(S110)。これはドライバーの加速要求がないこと、すなわちアクセルペダルの踏み込み継続時間が基準時間TTH以下である状態を、減速要求があるものとして検出するための判断である。

0047

このアクセルON継続時間Taconは図6に示すアクセルON継続時間カウント処理により一定時間周期計測されている。このアクセルON継続時間カウント処理では、まず、アクセル開度が0%よりも大きいか否かを判定する(Sp120)。ここでアクセル開度>0%であれば(Sp120でyes)、次にアクセルON継続時間Taconをインクリメントして(Sp122)、一旦本処理を終了する。アクセル開度=0%であれば(Sp120でno)、ドライバーは全くアクセルペダルを踏み込んでおらず、減速要求であるとして、アクセルON継続時間Taconの値をクリアして(Sp124)、一旦本処理を終了する。このようにして、アクセル開度が0%よりも大きい状態、すなわちドライバーによるアクセルペダルの踏み込み状態が継続している時間をカウントしている。

0048

マニュアルモード制御処理図5)の説明に戻り、Tacon≦TTHであれば(Sp110でyes)、減速要求が存在するものとしてシフトアップ指示せずに一旦本処理を終了する。

0049

一方、Tacon>TTHであれば(Sp110でno)、減速要求が無いものとしてシフトアップ指示を行って(Sp106)、一旦本処理を終了する。このシフトアップ指示により、第8速を限度として自動変速機4の変速段が1つアップされることになる。

0050

上述した構成において、変速用ECU8が車両用変速機制御装置に相当する。マニュアルモード制御処理(図5)のステップSp108,Sp106がマニュアルモード制御時自動アップ手段としての処理に、ステップSp110及びアクセルON継続時間カウント処理(図6)が減速要求有無検出手段としての処理に相当する。ステップSp110にてyesと判定された場合にシフトアップ指示(Sp106)を実行せずに終了する処理が自動アップ禁止手段としての処理に相当する。

0051

以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).マニュアルモード制御時に、エンジン回転数NEが上限回転数NEUを越えると(Sp108でyes)、減速要求が存在しない限り(Sp110でno)、マニュアルモード制御時であるにも関わらず、自動的にシフトアップしている(Sp106)。

0052

しかしエンジン回転数NEが上限回転数NEUを越えていても(Sp108でyes)、ドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には(Sp110でyes)、自動的なシフトアップ(Sp106)は実行しない。

0053

このようにドライバーの減速要求が存在する時には変速段の自動的なアップを禁止しているので、エンジンブレーキ力を高めたいとのドライバーの意に反して、自動的にシフトアップされることが防止される。

0054

このことによりドライバーのマニュアル操作に対応した変速段を選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性と減速制御性とを両立させることができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では前記図5の処理の代わりに図7のマニュアルモード制御処理が実行される。更に図8に示すシフトアップ指示後経過時間カウント処理が一定時間周期で繰り返し実行される。これ以外の構成については前記実施の形態1と同じである。

0055

マニュアルモード制御処理(図7)において、前記図5の処理と異なる点は、シフトアップ指示(Sp106)の直前にシフトアップ指示後経過時間Tupが基準時間TUより長くなっているか否かを判定する処理(Sp120)が存在する点である。図7においてこれ以外の処理については、前記図5の処理と同じであり、前記図5の処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。

0056

ステップSp104にてyesと判定された後、あるいはステップSp110にてnoと判定された後に、Tup>TUであれば(Sp120でyes)、シフトアップ指示(Sp106)が実行される。しかし、Tup≦TUであれば(Sp120でno)、シフトアップ指示(Sp106)は実行されることは無く、この時のドライバーによるシフトアップ操作あるいはマニュアルモード制御時の自動的シフトアップはキャンセルされることになる。

0057

シフトアップ指示後経過時間Tupは、シフトアップ指示後経過時間カウント処理(図8)にてカウントされる。本処理では、まず新規のシフトアップ指示が有ったか否かが判定される(Sp130)。前回制御周期と今回の制御周期との間で、新たなシフトアップ指示(図7:Sp106)がなされていれば(Sp130でyes)、シフトアップ指示後経過時間Tupの値がクリアされる(Sp132)。

0058

一方、新たなシフトアップ指示(図7:Sp106)がなされていなければ(Sp130でno)、シフトアップ指示後経過時間Tupの値がインクリメントされる(Sp134)。このことにより最新のシフトアップ指示後の経過時間がシフトアップ指示後経過時間Tupとしてカウントアップされる。

0059

上述した構成において、請求項との関係は、前記実施の形態1に述べた関係に加えて、ステップSp120及びシフトアップ指示後経過時間カウント処理(図8)がアップ処理重複判定手段としての処理に相当する。ステップSp120にてnoと判定された場合にシフトアップ指示(Sp106)を実行せずに終了する処理が重複禁止手段としての処理に相当する。

0060

以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の効果を有する。
(ロ).ステップSp120及びシフトアップ指示後経過時間カウント処理(図8)により、マニュアルモード制御時の自動的なシフトアップと、ドライバーのマニュアル操作によるシフトアップとが重複したとしても、重複分のシフトアップは実行しないように禁止している。

0061

このことによりドライバーが1回のシフトアップを行ったにもかかわらず、マニュアルモード制御時の自動シフトアップ処理とが重なって、2段のシフトアップが生じるのを防止できるので、違和感の無い変速段アップ処理が実行できる。

0062

[実施の形態3]
本実施の形態では前記図5の代わりに図9のマニュアルモード制御処理を実行する。更に、エンジン用ECU6は、オートクルーズ制御システム(他の車両走行制御手段に相当)を備えて定速走行制御の実行を可能としている。オートクルーズ制御システムとしては定速走行制御に加えて車間距離制御を備えたものでも良い。

0063

更に、エンジン用ECU6は車両安定性制御システム(VSC:他の車両走行制御手段に相当)を備えて、車両不安定状態時にはエンジン出力制限ブレーキ制御を行って車両を安定状態に戻す制御を行っている。

0064

これらオートクルーズ制御システムやVSCでは、制御上、シフトアップによる車速の増加や車間距離の減少を防止し、あるいはカーブなどで車両不安定化を防止するために、シフトアップ禁止要求を変速用ECU8側に指令する場合がある。

0065

これ以外の構成については前記実施の形態1と同じである。
マニュアルモード制御処理(図9)において、前記図5の処理と異なる点は、シフトアップ指示(Sp106)の直前にオートクルーズ制御システムあるいはVSCからのシフトアップ禁止要求が有るか否かを判定する処理(Sp140)が存在する点である。

0066

すなわちステップSp104にてyesと判定された後、あるいはステップSp110にてnoと判定された後に、オートクルーズ制御システムあるいはVSCからシフトアップ禁止要求が無い場合には(Sp140でno)、シフトアップ指示(Sp106)が実行される。しかし、オートクルーズ制御システムあるいはVSCからシフトアップ禁止要求が有る場合には(Sp140でyes)、シフトアップ指示(Sp106)は実行されることは無く、この時のドライバーによるシフトアップ操作あるいはマニュアルモード制御時の自動的シフトアップはキャンセルされることになる。

0067

図9においてこれ以外の処理については、前記図5の処理と同じであり、前記図5の処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。
上述した構成において、請求項との関係は、前記実施の形態1に述べた関係に加えて、ステップSp140がシフトアップ禁止判定手段としての処理に相当する。ステップSp140にてyesと判定された場合にシフトアップ指示(Sp106)を実行せずに終了する処理がシフトアップ禁止要求時アップ禁止手段としての処理に相当する。

0068

以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の効果を有する。
(ロ).オートクルーズ制御システムあるいはVSC側にシフトアップ禁止要求が存在する場合には、ステップSp140によりyesと判定されることにより変速段アップ処理が禁止されるので、車両走行制御間の干渉を防止して、制御性の悪化を防止できる。

0069

[実施の形態4]
本実施の形態において自動変速機4のシフトレバー4bにより実現されるシフトパターンは、図4に示したごとくである。ここで「S」ポジション以外の各ポジションについては前記実施の形態1にて説明したごとくの機能であるが、「S」ポジションでは、変速用ECU8は、前記実施の形態1とは異なるマニュアルモード制御を実行する。

0070

すなわちシフトレバー4bが「S」ポジションに入って、「+」側(前方)へシフトレバー4bを倒す毎に、図10に示すLレンジ〜7レンジの範囲で変速レンジが順次アップする(変速レンジアップ処理)。そして、「−」側(後方)へシフトレバー4bを倒す毎に、7レンジ〜Lレンジの範囲で変速レンジが順次ダウンする。

0071

図10に示すごとく、Lレンジでは、図3に示すブレーキB2を係合した状態の第1速のみが実現される変速制御が行われる。2レンジでは、第2速最高変速段として、第1速(ブレーキB2係合)と第2速とが自動変速時と同様にして変速制御される。3レンジでは、第3速を最高変速段として、第1速(ブレーキB2係合)、第2速及び第3速が自動変速時と同様にして変速制御される。4レンジでは、第4速を最高変速段として、第1速(ブレーキB2係合)、第2速、第3速及び第4速が自動変速時と同様にして変速制御される。5レンジでは、第5速を最高変速段として、第1速(ブレーキB2係合)、第2速、第3速、第4速及び第5速が自動変速時と同様にして変速制御される。6レンジでは、第6速を最高変速段として、第1速(ブレーキB2係合)、第2速、第3速、第4速、第5速及び第6速が自動変速時と同様にして変速制御される。7レンジでは、第7速を最高変速段として、第1速(ブレーキB2係合)、第2速、第3速、第4速、第5速、第6速及び第7速が自動変速時と同様にして変速制御される。

0072

このようにマニュアルモード制御時には、変速レンジにより最高変速段、すなわち最高変速比が変更されていることにより、ドライバーの所望の変速が可能となる。更にこのようなマニュアルモード制御中においても、エンジン回転数NEが上限回転数を越えると、自動的にLレンジ、2レンジ、3レンジ、4レンジ、5レンジ、6レンジ、7レンジ、Dレンジの範囲で変速レンジを順次アップする処理(変速レンジアップ処理)も実行されている。

0073

変速用ECU8は前記図5の代わりに図11のフローチャートに示すマニュアルモード制御処理を実行する。これ以外の構成については、前記実施の形態1と同じである。したがって、図1〜4,6も参照して説明する。

0074

マニュアルモード制御処理(図11)について説明する。本処理はシフトレバー4bが「S」に設定された状態で実行開始され、シフトレバー4bが「S」に設定されている限り一定周期で繰り返し実行される処理である。

0075

シフトレバー4bが「S」に配置されることで本処理が開始されると、まず、レンジダウン操作がなされたか否かが判定される(Sp200)。すなわちシフトレバー4bが「−」側に倒されたが否かが判定される。ここでレンジダウン操作がされていれば(Sp200でyes)、変速用ECU8はレンジダウン処理を実行する(Sp202)。すなわち図10に示した変速レンジにおいて1つレンジダウンする。例えば、4レンジにて走行していたとすると、3レンジにレンジダウンする。このことにより第1速〜第4速の範囲で自動変速していた状態から、第1速〜第3速の範囲での自動変速に変化することになる。したがって直前まで第4速にて走行していれば、3レンジにレンジダウンすると、第4速はレンジ外であるので、変速用ECU8は直ちに第3速にシフトダウンすることになる。

0076

一方、ここでレンジダウン操作がなされていなければ(Sp200でno)、次にレンジアップ操作がなされたか否かが判定される(Sp204)。すなわちシフトレバー4bが「+」側に倒されたか否かが判定される。ここでレンジアップ操作がされていれば(Sp204でyes)、変速用ECU8はレンジアップ処理を実行する(Sp206)。すなわち図10に示した変速レンジにおいて1つレンジアップする。例えば、4レンジにて走行していたとすると、5レンジにレンジアップする。このことにより第1速〜第4速の範囲で自動変速していた状態から、第1速〜第5速の範囲での自動変速に変化することになる。したがって直前まで第4速にて走行していれば、5レンジにレンジアップすると、最高変速段が第5速になるので、変速用ECU8は車両運転状態により第4速から第5速にシフトアップすることが可能となる。

0077

レンジダウン操作もレンジアップ操作もなされていない場合(Sp200でno,Sp204でno)、次に現変速レンジでの最高変速段状態か否かが判定される(Sp207)。ここで現変速レンジでの最高変速段状態での走行でなければ(Sp207でno)、このまま一旦本処理を終了する。したがって変速レンジは現状のままに維持される。

0078

現変速レンジでの最高変速段状態での走行であれば(Sp207でyes)、次にエンジン回転数NEが上限回転数NEUrを越えているか否かが判定される(Sp208)。ここで上限回転数NEUrは、現在の変速レンジにおいて最高変速段に対して設けられたエンジン回転数NEの上限値でもよく、第1速〜第8速に共通のエンジン回転数NEの上限値でも良い。

0079

ここでNE≦NEUrであれば(Sp208でno)、このまま一旦本処理を終了する。したがって変速レンジは現状のままに維持される。
レンジダウン操作もレンジアップ操作もされずに(Sp200でno,Sp204でno)、現変速レンジの最高変速段状態で(Sp207でyes)、NE>NEUrとなった場合(Sp208でyes)、アクセルON継続時間Taconが基準時間TTH(例えば1s)以下か否かが判定される(S210)。このアクセルON継続時間Taconは前記実施の形態1にて説明したごとくであり、前記アクセルON継続時間カウント処理(図6)によりカウントされている。

0080

ここで、Tacon≦TTHであれば(Sp210でyes)、減速要求が存在するものとしてレンジアップ処理せずに一旦本処理を終了する。
一方、Tacon>TTHであれば(Sp210でno)、減速要求が無いものとしてレンジアップ処理を行って(Sp206)、一旦本処理を終了する。

0081

上述した構成において、変速用ECU8が車両用変速機制御装置に相当する。マニュアルモード制御処理(図11)のステップSp207,Sp208,Sp206がマニュアルモード制御時自動アップ手段としての処理に、ステップSp210及びアクセルON継続時間カウント処理(図6)が減速要求有無検出手段としての処理に相当する。ステップSp210にてyesと判定された場合にレンジアップ処理(Sp206)を実行せずに終了する処理が自動アップ禁止手段としての処理に相当する。

0082

以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).現変速レンジでの最高変速段状態で(Sp207でyes)、エンジン回転数NEが上限回転数NEUrを越えると(Sp208でyes)、減速要求が存在しない限り(Sp210でno)、マニュアルモード制御時であるにも関わらず、自動的にレンジアップしている(Sp206)。

0083

しかし、現変速レンジでの最高変速段状態で(Sp207でyes)、エンジン回転数NEが上限回転数NEUrを越えていても(Sp208でyes)、ドライバーの減速要求が存在していると判定される場合には(Sp210でyes)、自動的なレンジアップ(Sp206)は実行しない。

0084

このようにドライバーの減速要求が存在している時には変速レンジの自動的なアップを禁止しているので、エンジンブレーキ力を高めたいとのドライバーの意に反して、自動的にレンジアップされることが防止される。

0085

このことによりドライバーのマニュアル操作に対応した変速レンジを選択する機能を有する変速機において、加速時の利便性と減速制御性とを両立させることができる。
[実施の形態5]
本実施の形態では、前記図11の代わりに図12に示すマニュアルモード制御処理が実行される。更に図13のフローチャートに示すレンジアップ後経過時間カウント処理が一定時間周期で繰り返し実行されている。これ以外の構成については前記実施の形態4と同じである。

0086

マニュアルモード制御処理(図12)において、前記図11の処理と異なる点は、レンジアップ処理(Sp206)の直前にレンジアップ後経過時間Tsupが基準時間TSUより長くなっているか否かを判定する処理(Sp220)が存在する点である。

0087

すなわちステップSp204にてyesと判定された後、あるいはステップSp210にてnoと判定された後に、Tsup>TSUであれば(Sp220でyes)、レンジアップ処理(Sp206)が実行される。しかしTsup≦TSUであれば(Sp220でno)、レンジアップ処理(Sp206)は実行されることは無く、この時のドライバーによるレンジアップ操作あるいはマニュアルモード制御時の自動的レンジアップはキャンセルされることになる。

0088

図12においてこれ以外の処理については、前記図11の処理と同じであり、前記図11の処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。
レンジアップ後経過時間Tsupは、レンジアップ後経過時間カウント処理(図13)にてカウントされる。本処理では、まず新規のレンジアップ処理が有ったか否かが判定される(Sp230)。前回の制御周期と今回の制御周期との間で、新たなレンジアップ処理(図12:Sp206)がされていれば(Sp230でyes)、レンジアップ後経過時間Tsupの値がクリアされる(Sp232)。

0089

一方、新たなレンジアップ処理(図12:Sp206)がされていなければ(Sp230でno)、レンジアップ後経過時間Tsupの値がインクリメントされる(Sp234)。このことにより最新のレンジアップ処理についてのレンジアップ後経過時間Tsupがカウントアップされる。

0090

上述した構成において、請求項との関係は、前記実施の形態4に述べた関係に加えて、ステップSp220及びレンジアップ後経過時間カウント処理(図13)がアップ処理重複判定手段としての処理に相当する。ステップSp220にてnoと判定された場合にレンジアップ処理(Sp206)を実行せずに終了する処理が重複禁止手段としての処理に相当する。

0091

以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態4の効果を有する。
(ロ).ステップSp220及びレンジアップ後経過時間カウント処理(図13)により、マニュアルモード制御時の自動的なレンジアップと、ドライバーのマニュアル操作によるレンジアップとが重複したとしても、重複分のレンジアップは実行しないように禁止している。

0092

このことによりドライバーが1回のレンジアップを行ったにもかかわらず、マニュアルモード制御時の自動レンジアップ処理とが重なって、2段のレンジアップが生じるのを防止できるので、違和感の無いレンジアップが実行できる。

0093

[実施の形態6]
本実施の形態では、前記図11の代わりに図14に示すマニュアルモード制御処理が実行される。

0094

ここでエンジン用ECU6は前記実施の形態3と同様にオートクルーズ制御システムとVSCとを備える。そしてこれらの制御上、レンジアップに伴ってより高い変速段を許すことによる車速の増加や車間距離の減少を防止し、あるいは車両不安定化を防止するためにレンジアップ禁止要求を変速用ECU8側に指令する制御を行っている。

0095

これ以外の構成については前記実施の形態4と同じである。
マニュアルモード制御処理(図14)において、前記図11の処理と異なる点は、レンジアップ処理(Sp206)の直前にオートクルーズ制御システムあるいはVSCからのレンジアップ禁止要求が有るか否かを判定する処理(Sp240)が存在する点である。

0096

すなわちステップSp204にてyesと判定された後、あるいはステップSp210にてnoと判定された後に、オートクルーズ制御システムあるいはVSCからレンジアップ禁止要求が無い場合には(Sp240でno)、レンジアップ処理(Sp206)が実行される。しかし、オートクルーズ制御システムあるいはVSCからレンジアップ禁止要求が有る場合には(Sp240でyes)、レンジアップ処理(Sp206)は実行されることは無く、この時のドライバーによるレンジアップ操作あるいはマニュアルモード制御時の自動的レンジアップはキャンセルされることになる。

0097

図14においてこれ以外の処理については、前記図11の処理と同じであり、前記図11の処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。
上述した構成において、請求項との関係は、前記実施の形態4に述べた関係に加えて、ステップSp240がレンジアップ禁止判定手段としての処理に相当する。ステップSp240にてyesと判定された場合にレンジアップ処理(Sp206)を実行せずに終了する処理がレンジアップ禁止要求時アップ禁止手段としての処理に相当する。

0098

以上説明した本実施の形態6によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態4の効果を有する。
(ロ).このようにオートクルーズ制御システムあるいはVSC側にレンジアップ禁止要求が存在する場合には、ステップSp240によりyesと判定されることにより変速レンジを自動的にアップする処理が禁止されるので、車両走行制御間の干渉を防止して、制御性の悪化を防止できる。

0099

[その他の実施の形態]
(a).前記ステップSp110,Sp210では、アクセルON継続時間Taconが基準時間TTHを越えていた場合にnoと判定したが、この代わりに、ステップSp110,Sp210にてアクセルOFFか否かを判定しても良い。この場合、アクセルOFFならば減速要求であるとしてyesと判定し、アクセルONなら減速要求でないとしてnoと判定するようにしても良い。

0100

(b).前記図7においてステップSp120は、マニュアルモード制御時に、シフトレバー4bによるシフトアップ指示が連続した場合も、自動的なシフトアップ指示が連続した場合も、あるいは異なるシフトアップ指示が連続した場合も区別していない。シフトアップ指示後経過時間Tupが基準時間TU以下であれば(Sp120でno)、重複したシフトアップ指示であるとして、シフトアップ指示をキャンセルしている。

0101

これ以外に、図15に示すマニュアルモード制御処理のごとく、異なるシフトアップ指示の要求が連続した場合のみに、重複したシフトアップ指示であるとして、シフトアップ指示をキャンセルしても良い。

0102

図15のマニュアルモード制御処理では、シフトアップ指示後経過時間Tupが基準時間TUより長くなっているか否かを判定する処理(Sp120)の直前に、前回も今回も同一のシフトアップ指示要求か否かが判定される(Sp150)。

0103

前回も今回も同一のシフトアップ指示要求であれば(Sp150でyes)、シフトアップ指示がなされる(Sp106)。
前回と今回とが異なるシフトアップ指示要求であれば(Sp150でno)、シフトアップ指示後経過時間Tupが基準時間TUより長くなっているか否かを判定する処理(Sp120)が行われる。そしてTup>TUであれば(Sp120でyes)、重複していないとしてシフトアップ指示(Sp106)は実行されるが、Tup≦TUであれば(Sp120でno)、重複しているとしてシフトアップ指示がキャンセルされることなる。

0104

すなわち前回及び今回の内の一方が自動的シフトアップ(Sp110でno)であり、他方がドライバーのシフトアップ操作によるもの(Sp104でyes)である場合には(Sp150でno)、ステップSp120の処理にて重複が判定されることになる。

0105

そしてドライバーによるシフトアップ操作と自動的シフトアップとが重複した場合には(Sp120でno)、シフトアップの重複を回避でき、ドライバーは変速に違和感を感じることはない。

0106

前記図12についてもステップSp220の直前に、図15に示したごとくに、ステップSp150の処理を配置することにより、ドライバーによるレンジアップ操作と自動的レンジアップとが重複した場合についても同様に違和感のあるレンジアップの重複を回避できる。

0107

(c).前記図9においてステップSp140は、オートクルーズ制御システムあるいはVSCからのシフトアップ禁止要求が有るか否かを判定する処理であった。オートクルーズ制御システムあるいはVSCのいずれかが存在する車両であれば、いずれか一方のみのシステムについてのシフトアップ禁止要求存在判定とする。前記図14のステップSp240についても同様である。

0108

(d).ステップSp108,Sp208にてエンジン回転数NEを上限回転数NEU,NEUrにて判定する代わりに、入力軸回転数Niあるいは変速比と出力軸回転数Noとの関係から求めた入力軸回転数を、上限回転数NEU,NEUrあるいは別途設定した上限回転数にて判定しても良い。

0109

又、出力軸回転数Noを、変速比毎に設定した出力軸回転数用の上限回転数にて判定し、間接的にエンジン回転数NEを判定しても良い。
このことにより、判定対象に用いる回転数データの選択自由度を高めることができ、制御上、適切な回転数センサからのデータにて円滑な制御を可能とすることができる。

0110

(e).前記図7のステップSp120にてyesと判定された直後に、前記図9に示したステップSp140の処理を配置した処理としても良い。このことにより前記実施の形態2,3の効果を生じる。前記図12のステップSp220にてyesと判定された直後に、前記図14に示したステップSp240の処理を配置した処理としても良い。このことにより前記実施の形態5,6の効果を生じる。

0111

(f).ドライバーの減速要求有無は、アクセルペダルとスロットルバルブとが連動している場合にはアクセル開度でなくスロットル開度にて検出しても良い。
(g).シフトレバー4bを前後に傾けるように構成する代わりに、ステアリングポストに「+」と「−」との2スイッチを設けても良い。この内、「+」スイッチをオンする毎に変速段や変速レンジが順次アップし、「−」スイッチをオンする毎に変速段や変速レンジが順次ダウンする。ハンドルを回してもステアリングポストにあるスイッチは動かないので、ドライバーはハンドルを握ったままでの変速操作が可能となる。

0112

又、自動変速制御からマニュアルモード制御への切替は、シフトレバーではなく、別途設けたモード切替スイッチを用いても良い。

図面の簡単な説明

0113

実施の形態1の構成を示すブロック図。
実施の形態1の自動変速機のギヤトレーンスケルトン図。
同じく自動変速機の作動表説明図。
同じく自動変速機のマニュアル操作部におけるシフトパターン説明図。
実施の形態1のマニュアルモード制御処理のフローチャート。
実施の形態1のアクセルON継続時間カウント処理のフローチャート。
実施の形態2のマニュアルモード制御処理のフローチャート。
実施の形態2のシフトアップ指示後経過時間カウント処理のフローチャート。
実施の形態3のマニュアルモード制御処理のフローチャート。
実施の形態4の変速レンジの内容説明図。
実施の形態4のマニュアルモード制御処理のフローチャート。
実施の形態5のマニュアルモード制御処理のフローチャート。
実施の形態5のレンジアップ後経過時間カウント処理のフローチャート。
実施の形態6のマニュアルモード制御処理のフローチャート。
他の実施の形態におけるマニュアルモード制御処理のフローチャート。

符号の説明

0114

2…エンジン、4…自動変速機、4a…油圧制御回路、4b…シフトレバー、6…エンジン用ECU、8…変速用ECU、10…各種センサ類、12…クランク軸、14…トルクコンバータ、14a…ロックアップクラッチ、16…入力軸、18…出力軸、20…エンジン回転数センサ、22…入力軸回転数センサ、24…出力軸回転数センサ、B1,B2…ブレーキ、C1,C2,C3,C4…クラッチ、F1…ワンウェイクラッチ。

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