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技術 伸縮性不織布及びこれを用いた物品

出願人 JNC株式会社JNCファイバーズ株式会社
発明者 小島満
出願日 2005年10月7日 (14年5ヶ月経過) 出願番号 2005-294751
公開日 2007年4月19日 (12年11ヶ月経過) 公開番号 2007-100274
状態 特許登録済
技術分野 複合繊維 不織物
主要キーワード 凸部先端面 集束部分 スベリ止め 凸部面積 伸長強度 半固化状態 エラストマー素材 油水分離フィルター
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年4月19日)のものです。
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図面 (6)

課題

伸縮性不織布が優れた風合いと高い伸長回復性を持ち、生産性に優れ、低コスト化が可能な伸縮性不織布及びこれを用いた物品を提供する。

解決手段

スパンボンド法によって得られた複合フィラメントからなるウェブが、エンボスロールによって熱圧着されて得られる伸縮性不織布であり、該複合フィラメントは、低融点樹脂高融点樹脂とから構成されており、低融点樹脂は、ポリエチレンを含有し、高融点樹脂はポリエステルを含有しており、該伸縮性不織布は、複合フィラメントの2〜100本が並列に並んで融着した部分(以下、「集束部分」という。)と、複合フィラメントが融着していない部分(以下、「非集束部分」という。)とを有し、該集束部分と非集束部分の複合フィラメントが立体捲縮を形成していることを特徴とする伸縮性不織布による。

概要

背景

長繊維構成繊維とするスパンボンド不織布は、不織布強力が高く且つ生産性に優れることから、その価格を安価にすることができ、衛生材料医療材料建築土木農業資材等の幅広い用途に用いられている。近年、その用途が広がるにつれて、スパンボンド不織布に求められる要求性能多岐にわたっている。

従来、スパンボンド不織布は、高い不織布強力を有する反面、用いられるフィラメント糸が非捲縮であるため、嵩高性が劣り、且つ風合いが低い等の問題があった。また、スパンボンド不織布は伸長性を有しているものの、伸縮性いわゆる伸長回復性に劣っていることから、これらスパンボンド不織布に嵩高性や伸縮性を与える、種々の製造方法が提案されている。

構成繊維である長繊維に捲縮を与え、スパンボンド不織布に嵩高性を付与する製造方法としては、例えば、高分子重合体異形紡糸孔を持つ紡糸口金から溶融紡糸し、次いで高速気流延伸固化する際にこの長繊維群の一方の側面を冷却処理することで長繊維群に捲縮を発現させた後、この長繊維群を積層、一体化させるスパンボンド不織布の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

この方法によって得られたスパンボンド不織布は、長繊維の捲縮によって長繊維間隔の体積が大きくなるため、非捲縮のスパンボンド不織布に比べて嵩高で柔軟である。しかしながら、開繊時に隣接する捲縮性長繊維同士が絡み合い、開繊不良になることから、地合が不均一となる欠点を有しており、また、エンボスロールにより熱圧着されるため、得られた不織布はエンボス凸部の高さに厚みが制限されるため、嵩高性についても、充分ではない。

このような欠点を補う方法として、熱収縮率の大きいポリオレフィン系またはポリエステル系からなる連続長繊維ウエブの両面に、熱収縮率の小さいポリオレフィン系連続長繊維からなるウエブを積層後、熱圧着により一体化し、その後、更に加熱処理して熱収縮させる、嵩高で柔軟なスパンボンド不織布の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

この方法では、連続長繊維が非捲縮であるため、開繊性が良好であり、熱圧着後に加熱処理して収縮させるため、不織布はエンボス凸部の高さに厚みが制限されない嵩高な不織布が得られていた。しかしながら、構成する長繊維が、ポリオレフィン系またはポリエステル系からなる単一成分の樹脂であることから、加熱処理して収縮した不織布は、繊維自体が収縮する非捲縮性繊維であり、伸長性があっても伸長回復性に劣るという欠点がある。また、熱圧着して積層間の固着を行う際、熱収縮の大きい連続長繊維が収縮しない温度で加工するため、加工範囲が狭く、また積層間の接着が不充分である。
特開平1−148862号公報
特開平8−176947号公報

概要

伸縮性不織布が優れた風合いと高い伸長回復性を持ち、生産性に優れ、低コスト化が可能な伸縮性不織布及びこれを用いた物品を提供する。スパンボンド法によって得られた複合フィラメントからなるウェブが、エンボスロールによって熱圧着されて得られる伸縮性不織布であり、該複合フィラメントは、低融点樹脂高融点樹脂とから構成されており、低融点樹脂は、ポリエチレンを含有し、高融点樹脂はポリエステルを含有しており、該伸縮性不織布は、複合フィラメントの2〜100本が並列に並んで融着した部分(以下、「集束部分」という。)と、複合フィラメントが融着していない部分(以下、「非集束部分」という。)とを有し、該集束部分と非集束部分の複合フィラメントが立体捲縮を形成していることを特徴とする伸縮性不織布による。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

スパンボンド法によって得られた複合フィラメントからなるウェブが、エンボスロールによって熱圧着されて得られる伸縮性不織布であり、該複合フィラメントは、低融点樹脂高融点樹脂とから構成されており、低融点樹脂は、ポリエチレンを含有し、高融点樹脂はポリエステルを含有しており、該伸縮性不織布は、複合フィラメントの2〜100本が並列に並んで融着した部分(以下、「集束部分」という。)と、複合フィラメントが融着していない部分(以下、「非集束部分」という。)とを有し、該集束部分と非集束部分の複合フィラメントが立体捲縮を形成していることを特徴とする伸縮性不織布。

請求項2

低融点樹脂が、ポリエチレンであり、高融点樹脂が、ポリエステルである、請求項1記載の伸縮性不織布。

請求項3

高融点樹脂の融点が、低融点樹脂の融点よりも5℃以上高いことを特徴とする、請求項1または2記載の伸縮性不織布。

請求項4

ポリエチレンが、高密度ポリエチレン低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレンからなる、密度0.910〜0.960g/cm3の結晶性ポリエチレンの群から選ばれる少なくとも1種であり、ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートである、請求項1〜3のいずれか1項記載の伸縮性不織布。

請求項5

伸縮性不織布の幅方向における、20%伸長時の伸長回復率が90%以上である、請求項1〜4のいずれか1項記載の伸縮性不織布。

請求項6

伸縮性不織布の長手方向の破断強度と5%伸長強度の比が1.5以下である、請求項1〜5のいずれか1項記載の伸縮性不織布。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項記載の伸縮性不織布と他のシートとを積層することにより得られる複合化不織布。

請求項8

請求項1〜6のいずれか1項記載の伸縮性不織布または請求項7記載の複合化不織布を用いたワイパー

請求項9

請求項1〜6のいずれか1項記載の伸縮性不織布または請求項7記載の複合化不織布を用いた包装材

請求項10

請求項1〜6のいずれか1項記載の伸縮性不織布または請求項7記載の複合化不織布を用いた緩衝材

請求項11

請求項1〜6のいずれか1項記載の伸縮性不織布または請求項7記載の複合化不織布を用いた外傷医療材

技術分野

0001

本発明は、伸縮性不織布及びこれを用いた物品に関する。更に詳しくは、伸長回復性に富み、かつ風合いと成形性に優れる伸縮性不織布及びこれを用いた物品に関するものである。

背景技術

0002

長繊維構成繊維とするスパンボンド不織布は、不織布強力が高く且つ生産性に優れることから、その価格を安価にすることができ、衛生材料医療材料建築土木農業資材等の幅広い用途に用いられている。近年、その用途が広がるにつれて、スパンボンド不織布に求められる要求性能多岐にわたっている。

0003

従来、スパンボンド不織布は、高い不織布強力を有する反面、用いられるフィラメント糸が非捲縮であるため、嵩高性が劣り、且つ風合いが低い等の問題があった。また、スパンボンド不織布は伸長性を有しているものの、伸縮性いわゆる伸長回復性に劣っていることから、これらスパンボンド不織布に嵩高性や伸縮性を与える、種々の製造方法が提案されている。

0004

構成繊維である長繊維に捲縮を与え、スパンボンド不織布に嵩高性を付与する製造方法としては、例えば、高分子重合体異形紡糸孔を持つ紡糸口金から溶融紡糸し、次いで高速気流延伸固化する際にこの長繊維群の一方の側面を冷却処理することで長繊維群に捲縮を発現させた後、この長繊維群を積層、一体化させるスパンボンド不織布の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0005

この方法によって得られたスパンボンド不織布は、長繊維の捲縮によって長繊維間隔の体積が大きくなるため、非捲縮のスパンボンド不織布に比べて嵩高で柔軟である。しかしながら、開繊時に隣接する捲縮性長繊維同士が絡み合い、開繊不良になることから、地合が不均一となる欠点を有しており、また、エンボスロールにより熱圧着されるため、得られた不織布はエンボス凸部の高さに厚みが制限されるため、嵩高性についても、充分ではない。

0006

このような欠点を補う方法として、熱収縮率の大きいポリオレフィン系またはポリエステル系からなる連続長繊維ウエブの両面に、熱収縮率の小さいポリオレフィン系連続長繊維からなるウエブを積層後、熱圧着により一体化し、その後、更に加熱処理して熱収縮させる、嵩高で柔軟なスパンボンド不織布の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。

0007

この方法では、連続長繊維が非捲縮であるため、開繊性が良好であり、熱圧着後に加熱処理して収縮させるため、不織布はエンボス凸部の高さに厚みが制限されない嵩高な不織布が得られていた。しかしながら、構成する長繊維が、ポリオレフィン系またはポリエステル系からなる単一成分の樹脂であることから、加熱処理して収縮した不織布は、繊維自体が収縮する非捲縮性繊維であり、伸長性があっても伸長回復性に劣るという欠点がある。また、熱圧着して積層間の固着を行う際、熱収縮の大きい連続長繊維が収縮しない温度で加工するため、加工範囲が狭く、また積層間の接着が不充分である。
特開平1−148862号公報
特開平8−176947号公報

発明が解決しようとする課題

0008

上記の状況の下、例えば、伸縮性不織布が優れた風合いと高い伸長回復性を持ち、好ましくはさらに生産性に優れ、低コスト化が可能な伸縮性不織布及びこれを用いた物品が求められている。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、以下の構成を採用することにより所期の目的が達成される見通しを得て、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を有する。
[1]スパンボンド法によって得られた複合フィラメントからなるウエブが、エンボスロールによって熱圧着されて得られる伸縮性不織布であり、該複合フィラメントは、低融点樹脂高融点樹脂とから構成されており、低融点樹脂は、ポリエチレンを含有し、高融点樹脂はポリエステルを含有しており、該伸縮性不織布は、複合フィラメントの2〜100本が並列に並んで融着した部分(以下、「集束部分」という。)と、複合フィラメントが融着していない部分(以下、「非集束部分」という。)とを有し、該集束部分と非集束部分の複合フィラメントが立体捲縮を形成していることを特徴とする伸縮性不織布。
[2]低融点樹脂が、ポリエチレンであり、高融点樹脂が、ポリエステルである、前記[1]項記載の伸縮性不織布。
[3]高融点樹脂の融点が、低融点樹脂の融点よりも5℃以上高いことを特徴とする、前記[1]項または[2]項記載の伸縮性不織布。
[4]ポリエチレンが、高密度ポリエチレン低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレンからなる、密度0.910〜0.960g/cm3の結晶性ポリエチレンの群から選ばれる少なくとも1種であり、ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートである、前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の伸縮性不織布。
[5]伸縮性不織布の幅方向における、20%伸長時の伸長回復率が90%以上である、前記[1]〜[4]のいずれか1項記載の伸縮性不織布。
[6]伸縮性不織布の長手方向の破断強度と5%伸長強度の比が1.5以下である、前記[1]〜[5]のいずれか1項記載の伸縮性不織布。
[7]前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の伸縮性不織布と他のシートとを積層することにより得られる複合化不織布。
[8]前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の伸縮性不織布または前記[7]項記載の複合化不織布を用いたワイパー
[9]前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の伸縮性不織布または前記[7]項記載の複合化不織布を用いた包装材
[10]前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の伸縮性不織布または前記[7]項記載の複合化不織布を用いた緩衝材
[11]前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の伸縮性不織布または前記[7]項記載の複合化不織布を用いた外傷医療材

発明の効果

0010

本発明の好ましい態様に係る伸縮性不織布は、例えば、優れた風合いと高い伸長回復性を併せ持つ。また、本発明の好ましい態様に係る伸縮性不織布は、スパンボンド法の製造工程において、一度の熱処理により、容易に得ることができるため、高生産性、低コスト化が可能である。さらに、本発明の好ましい態様の物品は、優れた風合いと高い伸長回復性が要求される、緩衝材、包装材、外傷用医療材分野に適している。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の伸縮性不織布は、スパンボンド法によって得られた、低融点樹脂と高融点樹脂とから構成される複合フィラメントからなるウエブが、エンボスロールによって熱圧着部が形成されて得られた伸縮性不織布である。複合フィラメントの構成は、低融点樹脂がポリエチレンを含有し、高融点樹脂がポリエステルを含有することが必要であり、ポリエチレンのみとポリエステルのみの構成であってもよい。これらの熱可塑性樹脂を組み合わせて複合フィラメントとすることで、後の熱圧着の工程において、立体捲縮の発現が可能になる。また、この伸縮性不織布は、スパンボンド法によって得られた、低融点樹脂と高融点樹脂とから構成される複合フィラメント以外の繊維を含んでいてもよい。この伸縮性不織布は、複合フィラメントの2〜100本、好ましくは10〜100本、更に好ましくは50〜100本が並列に並んで融着した部分(以下、「集束部分」という。)と、複合フィラメントが融着していない部分(以下、「非集束部分」という。)とを有し、集束部分と非集束部分の複合フィラメントが立体捲縮を形成している。この様なウエブを得るためには、スパンボンド法による紡糸工程において、紡糸口金より吐出したフィラメント群ガンタイプスロットエアーサッカーに導入して牽引延伸することで好適に得ることができる。また、熱圧着部が形成される工程において、エンボスロール全面積に対して、4〜30%の範囲の凸部面積比を有するエンボスロールを用いて、このウエブを熱圧着することで、部分的に圧着されて不織布となる。同時に、エンボスロールの凸部以外の部位にウエブが接触するため、熱収縮作用が起こり、立体捲縮が発現する。特にウエブの目付が10〜150g/m2であり、2組のエンボスロール間のクリアランスが0〜80μmであることが立体捲縮の発現のために特に好ましい。上記の製造条件によって得られる不織布は、並列に並ぶ、2〜100本の複合フィラメントが融着によって並列に弱接合し、その際に生じる熱収縮作用により、立体捲縮だけでなく、融着が解かれた非集束部分と弱接合が残った集束部分とが形成される。この不織布は、エンボスロールの凸部によって、ウエブ中のフィラメント同士が部分的に熱圧着されることで、熱圧着部と非圧着部とが形成される。

0012

本発明の伸縮性不織布の製造方法であるスパンボンド法に用いられる製造装置について説明する。スパンボンド紡糸装置は、熱可塑性樹脂を溶融し紡糸口金からフィラメントとして吐出させるための押出機、紡糸口金から吐出したフィラメント群を牽引し延伸するためのエアーサッカー、排出されたフィラメント群を開繊させるためのフラップ等の開繊装置、排出されたフィラメント群を堆積し生成したフリース群(本明細書中において、「ウエブ」ということがある。)を運ぶための吸引装置を有するコンベアー、該ウエブをエンボスロールで熱圧着させるための熱エンボス装置から構成される。これらの製造装置を用いることで、熱可塑性樹脂から長繊維不織布が製造できる。

0013

本発明の伸縮性不織布は、以下の加工条件を適宜選定することで製造することができる。原料の熱可塑性樹脂としては、低融点樹脂(以下「A成分」ということがある)と高融点樹脂(以下「B成分」ということがある)とを用い、これらから、並列型、同心芯型偏心鞘芯型複合断面形状を有する複合フィラメントを製造する。ここで、A成分、B成分の重量比は、A成分/B成分=20/80〜80/20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは40/60〜60/40重量%である。A成分が20%重量以上であれば、捲縮処理した際、立体捲縮が発現し易く、伸縮性が良好になるため好ましい。また、A成分が80重量%以下であれば、複合フィラメントを含有する長繊維不織布は、適度に収縮し、適度な嵩高性と良好な寸法安定性を有するために好ましい。ここで、フィラメントの断面形を複合にするためには、複合断面用紡糸口金プレート具備する紡糸口金を有するスパンボンド紡糸装置を用いる。本発明では、複合フィラメントの断面形状は、並列型、同心鞘芯型または偏心鞘芯型を利用できるが、曳糸の安定性を考慮すると、同心鞘芯型または偏心鞘芯型の断面形状が好ましい。さらに、良好な熱接着性を得ることを考慮すると、低融点成分鞘成分に用いるとよい。このとき、良好な不織布強度を有する長繊維不織布が得られる。

0014

本発明の伸縮性不織布は、具体的には下記スパンボンド法を用いて製造することができる。例えば、鞘芯型の複合フィラメントを製造する場合、鞘成分に低融点樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンを用い、芯成分に高融点樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用いる。これらの原料の熱可塑性樹脂を、それぞれ個別の押出機に投入し、複合フィラメント用の紡糸口金を用いて溶融紡糸する。紡糸口金より吐出したフィラメント群をガンタイプのスロットを有するエアーサッカーに導入して牽引延伸し、無端ネットコンベヤー上に排出し、捕集する。このとき、ガンタイプのスロットに分けられた複合フィラメント同士は、溶融状態から固化状態になりつつある半固化状態の低融点樹脂の有する粘着性によって、複合フィラメントの2〜100本が並列に並んで束状に融着した状態の部分(以下、「集束部分」という。)が形成される。また、排出されるフィラメント群は、一対の振動する羽根状物(フラップ)の間を通過させて開繊させるか、反射板等に衝突させて開繊させることが均一なウエブが得られることから好ましい。開繊されたフィラメント群は、裏面に吸引装置を設けた無端ネット状コンベヤーに、フリース群(以下、「ウエブ」ということがある。)として捕集される。捕集されたフリース群は、無端ネット状コンベヤーに載せられたまま搬送され、加熱された凹凸ロール平滑ロールとで構成されたエンボス加工機(これは「ポイントボンド加工機」とも呼ばれる。)の加圧されたロール間に導入され、熱圧着される。これによって、本発明の伸縮性不織布が得られる。なお、このエンボス加工機を通過させることで、熱圧着と同時に、熱収縮が起こる。この際、複合フィラメントの集束部分の集束が簡単に解かれる程度に弱接合しているため、この熱収縮作用により集束が解かれた非集束部分と集束が残った集束部分とに別れる。
このように、本発明の伸縮性不織布を製造するためには、フィラメント束の構成であるフリース群を上記のとおり熱圧着することで得られる。更にこの熱圧着により、フィラメント繊維が立体捲縮を発現して、伸縮性の効果が得られる。フィラメント束に捲縮を発現させる温度、すなわち捲縮発現温度は低融点樹脂の融点より5〜30℃程度低い温度が用いられる。この加熱処理により、捲縮が発現して見掛け長さが収縮する。つまり、複合フィラメントを構成している低融点樹脂の熱収縮応力が重要となる。

0015

また、前記集束部分の繊維同士における融着の程度は、伸縮性を発揮する機能の障害にならないような状態であることが好ましく、繊維同士が容易にばらばらになる状態が望ましい。完全に融着した状態では、得られる不織布は、風合いが損なわれるため好ましくない。スパンボンド法での製造過程において、フィラメント群がエアーサッカーからコンベヤー上に排出された際には、繊維束の状態を保ち、熱圧着後の収縮作用や弱延伸作用等の小さい力で、解かれることが必要である。

0016

不織布の目付は、例えば紡糸吐出速度(時間当たりの吐出量)や無端ネット状コンベヤーの移動速度等で調整することができる。また、得られた伸縮性不織布に二次加工として熱処理を行い、更に伸縮性を付与することもできる。なお、本発明の伸縮性不織布の目付は、用いる熱可塑性樹脂の種類や、伸縮性不織布の用途に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは20〜300g/m2の範囲、より好ましくは20〜200g/m2の範囲であり、特に衛生材料に用いる場合には20〜100g/m2の範囲が好ましい。

0017

複合フィラメントの繊度は特に限定されないが、風合いや生産性の点で0.5〜12dtexの範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜6.0dtexである。単糸が0.5dtex以上においては、安定した紡糸性が得られるために生産性が良く、12dtex以下にすることで肌と接する用途に用いた場合、肌触りが良好になる。また、単糸が0.5〜12dtexの範囲であると、フィラメント同士に適度な融着が起こるため、好ましい。

0018

本発明の伸縮性不織布に使用する複合フィラメントが、エアーサッカーから排出され、コンベヤー上で捕集される際、束状になっていることで、適度な空隙を持つ目の粗いフリース群が得られ、その後の熱処理において、フリース群が収縮した際、フィラメントが動きやすく、また、フィラメントの空隙部分にフィラメントが収まることで、収縮した長繊維不織布の表面上に、フィラメントの突出や弛み等を抑制でき、長繊維不織布の表面が平滑となる。

0019

伸縮性不織布の熱圧着部は、フィラメント束で構成されているため、一般的な伸縮性不織布と比べて、熱圧着部に存在する繊維数が圧倒的に多く、不織布の破断強度が非常に強くなる。

0020

本発明の伸縮性不織布は、立体構造を有するので極めてソフトな風合いを有しており、具体的には、不織布の幅方向における、20%伸長時の伸長回復率が90%以上、好ましくは95%以上を示す。この特性を有するため、本発明の伸縮性不織布は、例えば包帯、ハップ材の基布等に利用できる。これらの二次製品は、優れた風合いが付与されると同時に着用時の体位移動時にも無理なく追従でき、爽快感を与えることができるため着用者人間工学見地から好ましい。

0021

本発明の伸縮性不織布は、前記のように不織布の幅方向に対して優れた伸縮性を有しているが、不織布の長手方向には殆ど伸長性を有していない。
一般的な伸縮性を有する不織布は、伸縮性は十分であっても、長手方向の破断強度が低く、無理な力を加えられると不織布の幅方向に縮みが生じ、必要な規定サイズとすることが難しく、更に製品加工ラインでの生産速度を上げられないといった問題がある。これに対して、本発明の伸縮性不織布は、不織布の長手方向の破断強度が高く、且つ、5%伸長強度との比が1.5以下であることから、本発明の伸縮性不織布は、不織布が殆ど伸長しないため、製品の加工ラインでの生産時、例えばロール状から引出す際に、不織布の幅入りの影響を受けずに生産できる特徴を有し、高速での生産が可能である。なお、幅入りとは、幅方向に縮むことをいう。

0022

本発明の伸縮性不織布を得る加工方法として、熱圧着が好適に用いられる。熱圧着は、熱風加熱処理と比べて熱と圧による加工方法であるため、溶着する低融点樹脂の融点より低い温度で加工できる利点がある。すなわち、熱圧着部分以外の熱可塑性複合繊維が熱圧着の熱により融着作用が発生しないため好適に用いられている。熱圧着部の一個当り面積は、0.04〜10mm2であることが好ましい。また、熱圧着した融着区域面積率は捲縮処理前の不織布面積に対し、4〜30%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜25%である。熱圧着した融着区域の面積率が4%未満では不織布の破断強度不足が懸念され、30%を大幅に越えると風合いを阻害する可能性がある。

0023

本発明に用いられるエンボスロールの凸部形状は、様々な形状が使用できる。例えば凸部先端面の平面形状は、円形楕円形正方形長方形平行四辺形菱形三角形及び六角形等様々である。

0024

図1は、本発明の伸縮性不織布の表面状態を示す全体外観写真である。写真の縦が長手方向であり、横が幅方向である。図2は、本発明の伸縮性不織布の複合フィラメントが束状に弱接合した集束部分と非集束部分とが混在した状態を示す電子顕微鏡写真である。図3は、図2の熱圧着部を拡大した電子顕微鏡写真である。図4は、一般的なポリエチレンとポリエステルとからなる複合長繊維不織布の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。図5は、図4の熱圧着部を拡大した電子顕微鏡写真である。
本発明の伸縮性不織布は、図1〜3で明らかなように一般的な複合長繊維不織布と比べ、複合フィラメント糸が並列に並んで束状に弱接合した集束部分と非集束部分が混在し、熱圧着部の大部分は集束部分で熱圧着点を形成している。また、非集束部分は熱圧着点が殆どなく、束の解れた状態を有している。このように、熱圧着部に集束したフィラメント糸が、不織布の長手方向に集中していることで、得られる伸縮性不織布は、不織布の長手方向に対し、破断強度が高くなる。また、集束部分と非集束部分とが混在した状態であることで、適度な空隙を持つ不織布が得られる。このように、本発明の伸縮性不織布は、その幅方向で優れた伸縮性を示す。

0025

本発明に用いられる複合フィラメントは、複合フィラメント同士が弱接合し、繊維束を生じていることが必要であり、さらに熱処理により収縮作用を起こす必要がある。そこで種々の熱可塑性樹脂の構成、組み合わせを検討した結果、複合紡糸において、組み合わせる2種類の熱可塑性樹脂の固化温度が異なる場合、一方の熱可塑性樹脂の固化が先に起こると、もう一方の熱可塑性樹脂は、固化温度まで冷却される過程配向緩和を起こす現象が観られた。更に複合紡糸では、固化温度の低い低融点樹脂の分子配向は著しく低下し、熱収縮が大きくなる傾向を示す必要がある。また、その傾向は複合化する2種の熱可塑性樹脂の融点差が大きければ、より顕著に現れる。更に風合いなどの点を考慮すると、熱可塑性樹脂の組み合わせは、低融点樹脂としてポリエチレン、高融点樹脂としてポリエステルが最も適している。

0026

本発明において、低融点樹脂と高融点樹脂の融点は、低融点樹脂に対して高融点樹脂が高い融点を有することが必要であり、その融点差は、5℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは30℃以上である。
本発明において、低融点樹脂と高融点樹脂との組み合わせは、上記のとおり、融点の関連から適宜選択することができる。具体的には、ポリエチレンとしては、密度0.910〜0.960g/cm3の高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレンからなる結晶性ポリエチレンの群から選ばれる少なくとも1種が好ましく利用でき、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートが好ましく利用できる。

0027

また、低融点樹脂と高融点樹脂は、それぞれに他の熱可塑性樹脂が混合されていてもよく、また、それぞれが単独の熱可塑性樹脂から構成されていてもよい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6ナイロン66芳香族ナイロン等のポリアミドビニロン等のポリビニルアルコールポリプロラクタン等の生分解性樹脂が例示できる。

0028

本発明において、低融点樹脂は、密度0.910〜0.960g/cm3のポリエチレンを含有する。前記ポリエチレンとしては、例えば、通常工業的に利用されている低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が利用でき、これらは単独で利用されていてもよく、これらの混合物、またはこれらに他の熱可塑性樹脂を混合して用いられていてもよい。本発明では、チーグラーナッタ系触媒を用いて重合されたポリエチレンだけでなく、メタロセン系触媒を用いて重合されたポリエチレン等のいずれも使用できる。ポリエチレンの密度は0.910〜0.960g/cm3の範囲が好ましく、0.910〜0.940g/cm3の範囲が特に好ましい。この範囲のポリエチレンとしては、モノマー成分がエチレンのみからなるホモポリマー若しくはエチレンとエチレン以外の他のα−オレフィンとの共重合体が利用でき、融点は100〜130℃程度である。密度が0.910g/cm3未満であると繊維の融着が激しく、風合いに問題を生じる恐れがある。一方、密度が0.960g/cm3を超えると、繊度を細くした場合、弱接合が起こらず、収縮も抑制されてしまい必要とする嵩が得られにくい場合がある。また、繊度を太くすることで、伸縮性不織布を得た場合には、風合いが低下する傾向にある。本発明に用いられる低融点樹脂のMFR(メルトマスフローレート)は、繊維化が可能な数値範囲であれば、特に限定されない。

0029

本発明において、高融点樹脂は、ポリエステルを含有する。ポリエステルとしては、酸成分としてテレフタル酸イソフタル酸フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸もしくはアジピン酸セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類と、アルコール成分としてエチレングリコールジエチレングリコール、1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール化合物とから合成された単独重合体ポリエステルないし共重合体ポリエステルであり、上記ポリエステルにパラオキシ安息香酸、5−ナトリウムスルフォイソフタール酸ポリアルキレングリコールペンタエリスリトール等が添加もしくは共重合されているものも含まれる。これらは単独で利用されていてもよく、これらの混合物、またはこれらに他の熱可塑性樹脂を混合して用いられていてもよい。

0030

本発明に用いられる熱可塑性樹脂には、更に酸化防止剤光安定剤紫外線吸収剤中和剤造核剤エポキシ安定剤滑剤抗菌剤難燃剤帯電防止剤顔料可塑剤親水剤等を必要に応じて適宜添加してもよい。

0031

本発明の伸縮性不織布には、該伸縮性不織布以外のフィルム、不織布、ウエブ、織物編物、繊維束から選ばれる少なくとも1種のシートを積層させ、複合化不織布とすることができる。積層させる材料は伸縮性不織布の伸縮を阻害しないものが好ましく、具体的には該伸縮性不織布と積層させた複合化不織布が20%以上伸長可能な材料が好ましい。例えば、ポリスチレンエラストマーポリオレフィンエラストマーポリエステルエラストマーポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマー樹脂を用いて、メルトブロー法により不織布化した材料や、ネット化、フィルム化した材料等が挙げられる。また、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマー樹脂を用いて繊維化した後に編み物及び織物とした材料が挙げられる。また、エラストマー素材ではなく捲縮等により構造的弾性を持たせたウエブ、不織布、織物、編み物が挙げられる。更に、カード法またはエアーレイド法によって得られたウエブをウォータージェット法ポイントボンド法、スルーエアー法で積層させた材料が挙げられる。

0032

本発明の伸縮性不織布または複合化不織布を用いた繊維製品としては、例えば使い捨てオムツ伸縮性部材オムツ用伸縮性部材、生理用品用伸縮性部材、オムツカバー用伸縮性部材等の衛生材料の伸縮性部材、伸縮性テープ絆創膏等の外傷用医療材、衣服用伸縮性部材、衣料用芯地衣料用絶縁材や保温材防護服帽子マスク手袋サポーター伸縮性包帯湿布材の基布、プラスター材の基布、スベリ止め基布、振動吸収材指サッククリーンルームエアフィルター液体用フィルター、油水分離フィルターエレクトレット加工を施したエレクトレットフィルター等の各種フィルターセパレーター断熱材、コーヒーバッグ食品包装材料詰物の緩衝材、自動車用天井表皮材防音材クッション材スピーカー防塵材、エア・クリーナー材、インシュレーター表皮バッキング材接着性不織布シートドアトリム等の各種自動車用部材複写機クリーニング材等の各種クリーニング材、カーペット表材裏材農業用シートドレーン材スポーツシューズ表皮等の靴用部材カバン用部材、工業用シール材ワイピング材シーツ等を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。

0033

以下、本発明を実施例及び比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。なお、実施例と比較例における用語と物性の測定方法は以下の通りである。

0034

(1)メルトマスフローレート(MFR):JIS K 7210に準拠して測定した。
原料ポリエチレン樹脂:該JIS表1の条件4

0035

(2)ポリエステルの固有粘度
フェノール四塩化エタンの等重量混合溶媒を用い、濃度0.5g/100ml、温度20℃で測定した。

0036

(3)密度
JIS K 7112に準拠して測定した。

0037

(4)樹脂融点DSC
JIS K 7122に準拠して測定した。

0038

(5)不織布長手方向の5%伸長強度及び破断強度
幅25mm、長さ150mmの試験片を作製し、引張試験機オートグラフAG−500((株)島津製作所)を用い、チャック間を100mmに設定して、試験片を固定した。引張速度100mm/minで、不織布が5%伸長した時の強度と不織布が破断するまで伸長させた時の強度を測定した。

0039

(6)不織布長手方向の5%伸長強度と破断強度の比
強度比=破断強度/5%伸長強度

0040

(7)不織布幅方向の伸長回復率:JIS L1096に準じて測定
不織布の長手方向に50mm、幅方向に150mmの試験片を作製し、引張試験機オートグラフAG−500((株)島津製作所)を用い、チャック間を100mmに設定して、試験片を固定した。試験速度100mm/minの条件で120mmまで引張した後に、その状態で1分間経過させ、次に同じ速度で元の位置まで戻して荷重解除し、3分間放置後の長さL(mm)を測定し、次式により伸長回復率を算出した。
伸長回復率(%)={(120−L)/20}×100
なお上記式に求められた伸長回復率は90%以上あれば十分である。

0041

(8)不織布風合い
5人のパネラーによる官能試験を行い、全員がソフトであると判断した場合を優、3名以上がソフトであると判断した場合を良、3名以上がソフト感欠けると判断した場合を不可と評価し、優を○、良を△、不可を×で示した。

0042

(9)フィラメントの繊度
不織布から任意の箇所を切り取り走査型電子顕微鏡((株)日本電子データム型式MP−169008−0038)にて、繊維断面を観察し、20本の繊維径平均値を算出した。算出した平均繊維径を繊維の密度より繊度へ換算した。

0043

(10)不織布の表面観
不織布から任意の箇所を切り取り、走査型電子顕微鏡((株)日本電子データム:型式MP−169008−0038)にて、不織布の表面を観察し、集束部分の繊維の本数(n=10の平均)、集束部分と非集束部分の複合フィラメントの立体捲縮の有無を確認した。

0044

実施例1〜8、比較例1〜3
表1に示したポリエチレン樹脂を低融点樹脂(A成分)とし、同じく表1に示したポリエステル樹脂を高融点樹脂(B成分)として用いた。なお、ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いた。

0045

0046

表1に記載の実施例及び比較例に用いた長繊維不織布は、スパンボンド法にて作製した。具体的には、表1に記載の熱可塑性樹脂の構成で、それぞれ個別のφ60mm押出機にその熱可塑性樹脂を投入し、低融点樹脂の押出温度は240℃、高融点樹脂の押出温度は280℃とし、表1に示す鞘芯容積比の割合になるように押出し、鞘芯型もしくは偏心鞘芯型の紡糸口金を用いて溶融紡糸した。この紡糸口金より吐出したフィラメント群をガンタイプのスロットに分けられた複数のエアーサッカーに導入して牽引延伸し、フィラメント群を得た。続いてエアーサッカーより排出されたフィラメント群を、コロナ放電装置にかけ、帯電させた後、一対の振動する羽根状の間を通過させることで開繊した。開繊されたフィラメント群は裏面に吸引装置を設けた無端ネット状コンベヤー上に、フリース群として捕集した。この時のフィラメントの繊度は表1に記載した繊度となるようにフィラメントの種類に応じてエアーサッカーの牽引延伸速度を適宜調整した。捕集したフリース群は、無端ネット状コンベヤーに載せられたまま搬送し、表1に記載した加工温度で加熱された凸凹ロールと平滑ロールとで構成されたポイントボンド加工機の加圧されたロール間に導入した。導入されたフリース群は、エンボスロールの凸部に対応する区域において低融点樹脂が溶融または軟化してフィラメント相互間が熱融着された長繊維不織布が得られた。なお長繊維不織布の目付が表1に記載の各目付になるようにフィラメントの種類に応じて無端ネット状コンベヤー移動速度を調整した。エンボスロールの周速度は無端ネット状コンベヤーの移動速度と同一とした。ロール間の線圧は、80N/mm、凸部の面積率は15%に統一した。

0047

表1から明らかな通り、実施例1〜8において、得られた長繊維不織布は、図1〜3に示すように、フィラメント糸が束状に弱接合した集束部分と非集束部分とが混在した外観を有しており、この集束部分の繊維の本数は80本であり、集束部分と非集束部分の複合フィラメントは、立体捲縮を有していることが確認できた。これらの長繊維不織布は長手方向の破断強度が高く、且つ強度比が小さくなっていた。このように、本発明の伸縮性不織布である長繊維不織布は、不織布ロールからの引取り時に不織布の幅入りを抑制でき、高速生産性に優れており、また、幅方向の伸長回復率が良好であるため、伸縮性に優れていることが確認できた。本発明の伸縮性不織布である長繊維不織布は、風合いに優れているため、衛生材料等の用途にも好適に用いることができる。一方、比較例1で得られた長繊維不織布は、風合いには優れていたが、得られたフィラメントは繊維束になっておらず、伸縮性が認められなかった。比較例2で得られた長繊維不織布は、繊維束になっており、強度比も十分ではあったが、伸長回復率が小さく、伸縮性は認められなかった。比較例3で得られた長繊維不織布は、繊維束になっており、若干ながら伸縮性も認められたが、フィラメント全体が融着しており、不織布の風合いが非常に悪かった。

0048

実施例9
実施例1の伸縮性不織布と立体捲縮ポリオレフィンステープルファイバーからなる目付20g/m2を積層してウォータージェット(80メッシュ平織りからなるコンベアーベルト上に載せ、コンベアーベルト速度20m/分の速度で、ノズル径0.1mm、ノズルピッチ1mm、水圧5MPaで表裏4回通過)を用いて交絡させ、複合化不織布を作製した。得られた複合化不織布からサポーターを作製し、これを5人のモニターに24時間巻くテストを行ったところ、締め付け不足によるサポーターのズレや脱げはみられなかった。

0049

実施例10
実施例5の伸縮性不織布に鎮痛剤を塗布して、ハップ材を作製し、これを5人のモニターのに24時間貼るテストを行ったところ、十分な伸縮性があり、モニターの肘の動きに追従し、ハップ材のズレや剥がれがみられなかった。このことから、この伸縮性不織布は、絆創膏等の外傷用医療材としても利用可能であることがわかる。

0050

実施例11
実施例8の伸縮性不織布をガラス器具包装用緩衝材として使用したところ、伸縮性があるためガラス器具に密着し、十分な緩衝材として機能し、衝撃からガラス器具を保護できた。同時に、この伸縮性不織布は、包装材としても利用できることがわかった。

0051

実施例12
実施例3の伸縮性長繊維不織布と比較例1の不織布を拭き取り用ワイパーとして使用したところ、比較例1から作ったワイパーに比べ、実施例3から作ったワイパーは非常に優れた拭き取り性を示した。

0052

本発明の伸縮性長繊維不織布は、オムツ等の衛生材料だけでなく、包帯、ハップ材基布等の用途に好適に利用できる。また、それ以外にも、ボディータオル、ワイパー、ワイピングクロス、包装材、緩衝材等の用途にも利用できる。

図面の簡単な説明

0053

本発明に係る伸縮性不織布の表面状態を示す全体外観写真である。
本発明に係る伸縮性不織布の複合フィラメント糸が束状に弱接合した集束部分と非集束部分が混在した状態を示す電子顕微鏡写真である。
本発明に係る伸縮性不織布の熱圧着部を拡大した電子顕微鏡写真である。
一般的な複合長繊維不織布の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。
一般的な複合長繊維不織布の熱圧着部を拡大した電子顕微鏡写真である。

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