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技術 熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板

出願人 日立化成株式会社
発明者 平田知広小野瀬勝博金子進
出願日 2005年10月5日 (14年5ヶ月経過) 出願番号 2005-292320
公開日 2007年4月19日 (12年10ヶ月経過) 公開番号 2007-099928
状態 拒絶査定
技術分野 高分子組成物 印刷回路の非金属質の保護被覆 プリント板の材料
主要キーワード 熱硬化性ペースト ポリイミド樹脂ペースト 熱硬化性樹脂ペースト ファインピッチ配線 珪酸バリウム 半金属化合物 熱硬化性樹脂溶液 チキソトロピー係数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年4月19日)のものです。
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課題

高温高湿条件下でのファインピッチ配線絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性耐溶剤性及び耐薬品性耐熱性電気特性耐湿性、作業性及び経済性に優れる熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板を提供する。

解決手段

熱硬化性樹脂及び無機微粒子を含む、配線板に使用される熱硬化性樹脂ペーストにおいて、(A)熱硬化性樹脂100重量部に対し、(B)配線板の配線間長さの1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部を含有する熱硬化性樹脂ペースト。

概要

背景

近年、電子機器の小型化、薄型化、高速化への対応から、FPC、TAB及びCOFといったフレキシブル配線板配線ピッチはより一層ファイン化してきている。配線間の絶縁信頼性を維持するために配線上には、通常、絶縁性熱硬化性樹脂ペーストが塗布、硬化されている。しかし、40μmピッチ以下のファインピッチ配線となった場合、従来の熱硬化性樹脂ペーストを用いても高温高湿条件下で配線に電圧印加すると配線間の絶縁性が低下し、長時間にわたって絶縁信頼性を維持できない問題がある。

特開平7−304950号公報
特開平8−333455号公報

概要

高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性耐溶剤性及び耐薬品性耐熱性電気特性耐湿性、作業性及び経済性に優れる熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板を提供する。熱硬化性樹脂及び無機微粒子を含む、配線板に使用される熱硬化性樹脂ペーストにおいて、(A)熱硬化性樹脂100重量部に対し、(B)配線板の配線間長さの1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部を含有する熱硬化性樹脂ペースト。なし

目的

本発明は、上記の従来技術の問題点を解消し、高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、作業性及び経済性に優れる熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱硬化性樹脂及び無機微粒子を含む、配線板に使用される熱硬化性樹脂ペーストにおいて、(A)熱硬化性樹脂100重量部に対し、(B)配線板の配線間長さの1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部を含有する熱硬化性樹脂ペースト。

請求項2

引張り弾性率が25℃で1.0GPa以下で、引張り伸び率が25℃で20%以上である請求項1記載の熱硬化性樹脂ペースト。

請求項3

熱硬化性ペースト硬化膜とした物の5%熱重量減少温度が250℃以上である請求項1または2記載の熱硬化性ペースト。

請求項4

請求項1から3いずれかに記載の熱硬化性樹脂ペーストを保護膜として用いたフレキシブル配線板

技術分野

0001

本発明は、熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板に関する。

背景技術

0002

近年、電子機器の小型化、薄型化、高速化への対応から、FPC、TAB及びCOFといったフレキシブル配線板の配線ピッチはより一層ファイン化してきている。配線間の絶縁信頼性を維持するために配線上には、通常、絶縁性の熱硬化性樹脂ペーストが塗布、硬化されている。しかし、40μmピッチ以下のファインピッチ配線となった場合、従来の熱硬化性樹脂ペーストを用いても高温高湿条件下で配線に電圧印加すると配線間の絶縁性が低下し、長時間にわたって絶縁信頼性を維持できない問題がある。

0003

特開平7−304950号公報
特開平8−333455号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、上記の従来技術の問題点を解消し、高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性耐溶剤性及び耐薬品性耐熱性電気特性、作業性及び経済性に優れる熱硬化性樹脂ペースト及びこれを用いたフレキシブル配線板を提供するものである。

課題を解決するための手段

0005

本発明は以下の通りである。
1.熱硬化性樹脂及び無機微粒子を含む、配線板に使用される熱硬化性樹脂ペーストにおいて、(A)熱硬化性樹脂100重量部に対し、(B)配線板の配線間長さの1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部を含有する熱硬化性樹脂ペースト。
2.引張り弾性率が25℃で1.0GPa以下で、引張り伸び率が25℃で20%以上である項1記載の熱硬化性樹脂ペースト。
3.熱硬化性ペースト硬化膜とした物の5%熱重量減少温度が250℃以上である項1または2記載の熱硬化性ペースト。
4.項1から3いずれかに記載の熱硬化性樹脂ペーストを保護膜として用いたフレキシブル配線板。

発明の効果

0006

本発明の熱硬化性樹脂ペーストは、高温高湿条件下でのファインピッチ配線の絶縁信頼性を維持し、フレキシブル配線板用保護膜として必要な低反り性、柔軟性、封止材との密着性、耐溶剤性及び耐薬品性、耐熱性、電気特性、耐湿性、作業性及び経済性に優れるものである。また、本発明の熱硬化性樹脂ペーストを用いたフレキシブル配線板は、上記の優れた特性を兼ね備えたフレキシブル配線板である。

発明を実施するための最良の形態

0007

本発明の熱硬化性樹脂ペーストは、配線板に使用される熱硬化性樹脂ペーストにおいて、前記のような(A)熱硬化性樹脂100重量部及び(B)配線板の配線間長さの1/2未満の平均粒子径を有する無機微粒子10〜1000重量部を成分として含有する。本発明における(A)成分として用いられる熱硬化性樹脂は、絶縁性を有する熱硬化性樹脂であれば、特に制限はない。さらに硬化膜としたものの引張り弾性率が25℃で0.5GPaを超えると反り性、柔軟性が低下する傾向があり、硬化膜としたものの引張り伸び率が25℃で50%未満であると柔軟性が低下し、耐折性が低下する傾向がある。本発明の配線板としては特に制限しないが、熱硬化性樹脂ペーストは、特にフレキシブル配線板に対し好適である。

0008

また、本発明における(B)成分として用いられる無機微粒子は、配線板の配線間長さの1/2未満の平均粒子径をもち、上記した(A)成分の熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂溶液中に分散してペーストを形成するものであれば、特に制限はない。本発明における無機微粒子の平均粒子径がル配線板の配線間長さの1/2以上であると高温高湿条件下で配線に電圧を印加した際、配線間の絶縁性が低下し、長時間にわたって絶縁信頼性を維持できない傾向がある。なお、本明細書において、例えば平均粒子径はレーザー回折法によって測定した値である。このような無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、チタニア(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、ジルコニア(ZrO2)、窒化珪素(Si3N4)、チタン酸バリウム(BaO・TiO2)、炭酸バリウム(BaCO3)、チタン酸鉛(PbO・TiO2)、チタン酸ジルコン酸鉛PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga2O3)、スピネル(MgO・Al2O3)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、コーディエライト(2MgO・2Al2O3/5SiO2)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al2O3)、イットリア含有ジルコニア(Y2O3−ZrO2)、珪酸バリウム(BaO・8SiO2)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸カルシウム(CaSO4)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、水酸化アルミニウム〔Al(OH)3〕、水酸化マグネシウム〔Mg(OH)2〕、有機ベントナイトカーボン(C)などを使用することができ、これらの1種又は2種以上を使用することもできる。

0009

熱硬化性樹脂の溶液に無機微粒子を分散させる方法としては、通常、塗料分野で行われているロール練りミキサー混合などが適用され、十分な分散が行われる方法であれば良い。
本発明の熱硬化性樹脂ペーストにおいて、回転型粘度計での粘度が25℃で0.5Pa・s〜500Pa・s、チキソトロピー係数が1.1以上であるのが好ましい。粘度が0.5Pa・s未満であると、印刷後のペーストの流れ出しが大きくなるとともに膜厚薄膜化する傾向がある。粘度が500Pa・sを超えるとペーストの基材への転写性が低下するとともに印刷膜中のボイド及びピンホールが増加する傾向がある。またチキソトロピー係数が1.1未満であると、ペーストの糸引きが増加するとともに印刷後のペーストの流れ出しが大きくなり、膜厚も薄膜化する傾向がある。

0010

ここで、ペーストの粘度は、E型粘度計(東機産業社製、RE80U型)を用いて、試料量0.2ml又は0.5mlで測定した回転数10rpmの粘度として表される。またペーストのチキソトロピ−係数TI値)はE型粘度計(東機産業社製、RE80U型)を用いて、試料量0.2ml又は0.5mlで測定した回転数1rpmと10rpmのペーストのみかけ粘度、η1とη10の比η1/η10として表される。
また、本発明の熱硬化性樹脂ペーストを硬化膜としたものの5%熱重量減少温度が250℃以上であることが好ましい。5%熱重量減少温度が250℃未満であると、リジッド配線板ICチップ電子部品又はLCDパネルとの接続時にかかる熱により、硬化膜が変形、分解する可能性がある。

0011

本発明の熱硬化性樹脂ペーストにおいて、(B)成分として用いる無機微粒子の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して10〜1000重量部の範囲とする。これよりも少ない場合、印刷後のペーストの流れ出しが大きくなるとともに膜厚が薄膜化する傾向がある。また、1000重量部より多い場合、ペーストの粘度及びチキソトロピー係数が高くなり、ペーストの基材への転写性が低下するとともに印刷膜中のボイド及びピンホールが増加する傾向がある。

0012

本発明における熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂フェノール樹脂アクリル樹脂ポリウレタンポリブタジエン水添加ポリブタジエン、ポリエステルポリカーボネートポリエーテルポリスルホンポリテトラフルオロ樹脂ポリシリコーンメラミン樹脂ポリアミドポリイミドなどを単独又は2種類以上組み合わせた熱硬化性樹脂がある。これらの熱硬化性樹脂の中なで耐熱性、電気特性、耐湿性、耐溶剤性及び耐薬品性に優れたイミド結合を含む熱硬化性樹脂が好ましい。
本発明に使用されるイミド結合を含む熱硬化性樹脂は、イミド結合を必須成分として含有し、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体及び/又は酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸とイソシアネート化合物又はアミン化合物を反応させて得られる。

0013

酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体(a)としては、特に制限はないが、例えば、一般式(I)及び(II)で示す化合物を使用することができる。耐熱性、コスト面等を考慮すれば、トリメリット酸無水物が特に好ましい。

0014

0015

(但し、両式中Rは水素炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−、又は−O−を示す。)

0016

酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸(a’)としては、特に制限はないが、例えば、下記一般式(III)で表されるテトラカルボン酸二無水物を使用することができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。

0017

(式中、Yは、下記式(IIIa)から選ばれた4価の基を示す。)

0018

0019

また、これらのほかに必要に応じて、脂肪族ジカルボン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸アゼライン酸スベリン酸セバシン酸デカン二酸ドデカン二酸ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸イソフタル酸テレフタル酸フタル酸ナフタレンジカルボン酸オキシジ安息香酸等)などを使用することができる。ジイソシアネートは、例えば、下記一般式(IV)で表されるカーボネートジオール類と一般式(V)で表されるジイソシアネート類とを無溶媒あるいは有機溶媒中で反応させることにより得られる。

0020

(式中、複数個のRはそれぞれ独立に炭素数1〜18のアルキレン基を示し、mは、1〜20の整数である)

0021

(式中、Xは、炭素数1〜18のアルキレン基又はフェニレン基等のアリーレン基(これはメチル基等の炭素数1〜5の低級アルキル基置換基として有していても よい)を示す)

0022

上記の一般式(IV)で表されるカーボネートジオール類としては、例えば、ダイセル化学株式会社製の商品名PLACCEL、CD−205、205PL、205HL、210、210PL、210HL、220、220PL、220HLとして市販されているものが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。

0023

また、上記一般式(V)で表されるジイソシアネート類としては例えば、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジメチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジエチルジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3,2’−又は3,3’−又は4,2’−又は4,3’−又は5,2’−又は5,3’−又は6,2’−又は6,3’−ジメトキシジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−3,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4、4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−[2,2ビス(4−フェノキシフェニルプロパン]ジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートを使用することが好ましい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。

0024

また、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルメキサメレンジイソシアネートイソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートトランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、水添m−キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式イソシアネート及び3官能以上のポリイソシアネートを用いてもよく、経日変化を避けるために必要なブロック剤で安定化したものを使用してもよい。ブロック剤としては、アルコールフェノールオキシム等があるが、特に制限はない。

0025

上記の一般式(IV)で表されるカーボネートジオール類と一般式(V)で表されるジイソシアネートの配合量は、水酸基数イソシアネート基数比率が、イソシアネート基水酸基=1.01以上なるようにすることが好ましい。
反応は、無溶媒あるいは有機溶媒の存在下で行うことができる。反応温度は、60〜200℃とすることが好ましく、反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件などにより適宜選択することができる。

0026

このようにして得られるジイソシアネートの数平均分子量は、500〜10,000であることが好ましく、1,000〜9,500であることがより好ましく、1,500〜9,000であることが特に好ましい。数平均分子量が500未満であると、反り性が悪化する傾向があり、10,000を超えると、ジイソシアネートの反応性が低下し、ポリイミド樹脂化することが困難となる傾向がある。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値である。

0027

本発明においては、さらに上記のイソシアネート以外のポリイソシアネート化合物を用いることが、耐熱性の点で好ましい。このようなポリイソシアネート成分としては、特に制限はなく、例えば、一般式(V)で表されるジイソシアネート類又は3価以上のポリイソシアネート類(c)を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。

0028

(c)成分のポリイソシアネート化合物としては、その総量の50〜100重量%が芳香族ポリイソシアネートであることが好ましく、耐熱性、溶解性機械特性、コスト面などのバランスを考慮すれば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが特に好ましい。

0029

本発明における上記一般式(IV)と上記一般式(V)で表されるジイソシアネート類とを無溶媒あるいは有機溶媒中で反応させることにより得られたジイソシアネート(b)と上記一般式(V)で表されるジイソシアネート類又は3価以上のポリイソシアネート類(c)の配合割合は、(b)成分/(c)成分の当量比で0.1/0.9〜0.9/0.1とすることが好ましく、0.2/0.8〜0.8/0.2とすることがより好ましく、0.3/0.7〜0.7/0.3とすることが特に好ましい。この当量比が0.1/0.9未満では、低弾性率化できず、反り性及び密着性が低下する傾向があり、0.9/0.1を超えると、耐熱性等の膜特性が低下する傾向がある。

0030

また、酸無水物基を有する3価のポリカルボン酸又はその誘導体(a)及び/又は酸無水物基を有する4価のポリカルボン酸(a’)の配合割合は、(b)成分と(c)成分中のイソシアネート基の総数に対する(a)成分及び/又は(a’)成分のカルボキシル基及び/又は酸無水物基の総数の比が0.6〜1.4となるようにすることが好ましく、0.7〜1.3となるようにすることがより好ましく、0.8〜1.2となるようにすることが特に好ましい。この比が0.6未満又は1.4を超えると、ポリイミド結合を含む樹脂の分子量を高くすることが困難となる傾向がある。

0031

本発明のイミド結合を含む樹脂の製造法における反応は、有機溶媒、好ましくは非含窒素系極性溶媒の存在下に、遊離発生してくる炭酸ガスを反応系より除去しながら加熱縮合させることにより行うことができる。

0032

上記非含窒素系極性溶媒としてはエーテル系溶媒、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテルトリエチレングリコールジメチルエーテルトリエチレングリコールジエチルエーテル含硫黄系溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドジメチルスルホンスルホランエステル系溶媒、例えば、γ−ブチロラクトン酢酸セロソルブケトン系溶媒、例えば、シクロヘキサノンメチルエチルケトン芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエンキシレン等が挙げられ、これらは単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。生成する樹脂を溶解する溶剤を選択して使用するのが好ましい。合成後、そのままペーストの溶媒として好適なものを使用することが好ましい。高揮発性であって、低温硬化性を付与でき、かつ効率良く均一系で反応を行うためには、γ−ブチロラクトンが最も好ましい。溶媒の使用量は、生成するイミド結合を含む樹脂の0.8〜5.0倍(重量比)とすることが好ましい。0.8倍未満では、合成時の粘度が高すぎて、攪拌不能により合成が困難となる傾向があり、5.0倍を超えると、反応速度が低下する傾向がある。

0033

反応温度は、80〜210℃とすることが好ましく、100〜190℃とすることがより好ましく、120〜180℃とすることが特に好ましい。80℃未満では反応時間が長くなり過ぎ、210℃を超えると反応中に三次元化反応が生じてゲル化が起こり易い。反応時間は、バッチの規模、採用される反応条件により適宜選択することができる。また、必要に応じて、三級アミン類、アルカリ金属アルカリ土類金属、錫、亜鉛チタニウムコバルト等の金属又は半金属化合物等の触媒存在下に反応を行っても良い。

0034

このようにして得られたイミド結合を含む樹脂の数平均分子量は、4,000〜40,000であることが好ましく、5,000〜38,000であることがより好ましく、6,000〜36,000であることが特に好ましい。数平均分子量が4,000未満であると、耐熱性等の膜特性が低下する傾向があり、40,000を超えると、非含窒素系極性溶媒に溶解しにくくなり、合成中に不溶化しやすい。また、作業性に劣る傾向がある。
また、合成終了後に樹脂末端のイソシアネート基をアルコール類ラクタム類オキシム類等のブロック剤でブロックすることもできる。

0035

本発明の熱硬化性樹脂ペーストには、硬化性を向上させるために、各種エポキシ樹脂を添加することも出来る。エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社性の商品名エピコート828等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、東都化成株式会社製の商品名YDF−170等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ株式会社性の商品名エピコート152、154、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−201、ダウケミカル社製の商品名DEN−438等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製の商品名EOCN−125S,103S、104S等のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ株式会社製の商品名Epon1031S、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製の商品名アラルダイト0163、ナガセ化成株式会社製の商品名デナコールEX−611、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−421、EX−411、EX−321等の多官能エポキシ樹脂、油化シェルエポキシ株式会社製の商品名エピコート604、東都化成株式会社製の商品名YH434、三菱ガス化学株式会社製の商品名TETRAD−X、TERRAD−C、日本化薬株式会社製の商品名GAN、住友化学株式会社製の商品名ELM−120等のアミン型エポキシ樹脂、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製の商品名アラルダイトPT810等の複素環含有エポキシ樹脂、UCC社製のERL4234,4299、4221、4206等の脂環式エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で又は2種類以上組合せて使用することができる。
これらのエポキシ樹脂のうち、1分子中にエポキシ基を3個以上有するアミン型エポキシ樹脂は、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性の向上の点で特に好ましい。

0036

本発明の熱硬化性樹脂ペーストに用いられるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物は、イミド結合を含む樹脂全量に対して0〜20重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテルフェニルグリシジルエーテルジブロモフェニルグシジルエーテルジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を使用することができる。

0037

本発明におけるエポキシ樹脂の使用量は、ポリイミド結合を含む樹脂100重量部に対して好ましくは1〜50重量部、より好ましくは2〜45重量部、さらに好ましくは3〜40重量部とされる。エポキシ樹脂の配合量が1重量部未満では、硬化性、耐溶剤性、耐薬品性、耐湿性が低下する傾向にあり、50重量部を超えると、耐熱性及び粘度安定性が低下する傾向にある。
エポキシ樹脂の添加方法としては、添加するエポキシ樹脂を予めイミド結合を含む樹脂に含まれる溶媒と同一の溶媒に溶解してから添加してもよく、また、直接添加してもよい。

0038

本発明の熱硬化性樹脂ペーストには、塗工時の作業性及び被膜形成前後の膜特性を向上させるため、消泡剤レベリング剤等の界面活性剤類染料又は顔料等の着色剤類熱安定剤酸化防止剤難燃剤滑剤無機イオン交換体を添加することもできる。

0039

以下、本発明を実施例により詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機油水分離器付き冷却管窒素導入管及び温度計を備えた5リットル四つ口フラスコに、(b)成分としてPLACCEL CD−220(ダイセル化学株式会社製1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートジオールの商品名)1000.0g(0.50モル)及び4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート250.27g(1.00モル)と、γ−ブチロラクトン833.51gを仕込み、140℃まで昇温した。140℃で5時間反応させ、ジイソシアネート[一般式(I)において、Rがすべてヘキサメチレン基を示し、Xがジフェニルメタン基を示し、m=13、n=1であるジイソシアネート]を得た。

0040

更に、この反応液に(a’)成分として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物358.29g(1.00モル)、(c)成分として4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート125.14g(0.50モル)及びγ−ブチロラクトン584.97gを仕込み、160℃まで昇温した後、7時間反応させて、数平均分子量が30,000の樹脂を得た。得られた樹脂をγ−ブチロラクトンで希釈し、粘度65Pa・s、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂溶液を得た。なお、(b)成分/(c)成分のモル比は、0.5/0.5である。

0041

得られたポリイミド樹脂溶液1000gにB−30(堺化学工業株式会社製商品名、平均粒子径0.3μm、硫酸バリウム微粒子)600gとγ−ブチロラクトン900gを加え、まず粗混練し、次いで高速3本ロールを用いて3回混練を繰り返して本混練を行い、均一に微粒子が分散したポリイミド樹脂ペーストを得た。このポリイミド樹脂ペーストの樹脂分100重量部に対してYH−434(東都化成株式会社製アミン型エポキシ樹脂の商品名、エポキシ当量約120、エポキシ基4個/分子)10重量部を加え、γ−ブチロラクトンで希釈して、粘度36Pa・s、TI値2.0、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。

0042

実施例2
実施例1において、B−30、600gの代わりに、B−2(堺化学工業株式会社製商品名、平均粒子径2μm、硫酸バリウム微粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度31Pa・s、TI値1.8、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。

0043

実施例3
実施例1において、B−30、600gの代わりに、SG−2000(日本タルク株式会社製商品名、平均粒子径5μm、タルク微粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度32Pa・s、TI値2.0、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。

0044

比較例1
実施例1において、B−30、600gの代わりに、BA(堺化学工業株式会社製商品名、平均粒子径8μm、硫酸バリウム微粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度28Pa・s、TI値1.7、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。

0045

比較例2
実施例1において、B−30、600gの代わりに、SSS(日本タルク株式会社製商品名、平均粒子径12μm、タルク微粒子)600gを用いた以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、粘度30Pa・s、TI値1.8、不揮発分40重量%のポリイミド樹脂ペーストを得た。

0046

上記の実施例及び比較例で得られたポリイミド樹脂ペーストの特性を下記の方法で測定し、結果を表1に示した。
(1)反り性
厚さ38μmのポリイミドフィルムと厚さ12μmのCuからなる2層フレキシブル基材をSnメッキし、縦35mm、横20mmの大きさに裁断する。この基材上に、得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片塗膜厚さ:15μm)について、塗布面を下にして定盤上に置き、反り高さを評価した。
(2)封止材に対する密着性
(1)反り性で用いた基材上に得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、空気雰囲気下、120℃で120分加熱し、得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)上に、エポキシ系封止材〔日立化成工業株式会社製商品名CEL−C−5020〕を0.06gポッティングし、空気雰囲気下、120℃で120分、さらに150℃で120分加熱する。得られた試験片は、封止材側が外側になるように折り曲げ剥離のモードを下記の基準で評価した。
:基材/塗膜界面剥離
:塗膜/封止材の界面剥離
×:全く接着せず
(3)耐マイグレーション性
厚さ38μmのポリイミドフィルムと厚さ8μmのCu櫛歯電極の配線ピッチが30μmピッチ(配線間長さ15μm)の2層フレキシブル基材をSnメッキする。この基材上に、得られたポリイミド樹脂ペーストを印刷し、空気雰囲気下、120℃で120分加熱する。得られた試験片(塗膜厚さ:15μm)の配線に85℃/85%RH環境下で60Vの電圧を印加し、1000時間後の絶縁抵抗値について下記の基準で評価した。
絶縁抵抗108以上
×:絶縁抵抗108未満
(4)引張り弾性率及び伸び率
得られたポリイミド樹脂ペーストを90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分又は160℃で60分加熱し、膜厚約30μm、幅10mm、長さ60mmの硬化膜を形成する。得られた硬化膜を用いてチャック間長さ20mm、引張り速度5mm/分の条件で引張り試験を行い、引張り弾性率及び引張り伸び率を求めた。
(5)5%重量減少温度
得られたポリイミド樹脂ペーストを90℃で15分乾燥した後、空気雰囲気下、120℃で120分又は160℃で60分加熱し、膜厚約30μmの硬化膜を形成する。得られた硬化膜を用いて、空気雰囲気中、10℃/分の昇温速度にてTG−DTA法により、5%重量減少温度を測定した。

0047

0048

表1に示したように、実施例1から3とも、比較例にくらべ、引張り伸び率が良く、耐マイグレーション性にも優れていることが判る。

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