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技術 芳香環含有アミノ化合物の製造方法および触媒

出願人 三菱瓦斯化学株式会社
発明者 岡本淳渡辺俊雄
出願日 2006年8月30日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2006-233466
公開日 2007年4月19日 (11年8ヶ月経過) 公開番号 2007-099758
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 触媒 触媒 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 不溶性炭酸塩 積算信号 エッグシェル 担持位置 分析部分 芳香族ジニトリル 芳香族ニトリル化合物 分子間縮合
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重要な関連分野

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課題

従来技術における課題を解決し、より穏やかな反応条件下に簡便な方法によって芳香族ジニトリル化合物固体触媒の存在下に水素化し、効率よく芳香環含有アミ化合物を製造する方法を提供する。

解決手段

アミド系溶媒中で、パラジウムが実質的に触媒担体表層に存在するパラジウム担持触媒および水素の存在下、かつアンモニア不在下に芳香族ジニトリル化合物を水素化し、該芳香族ジニトリル化合物の少なくとも一方のシアノ基アミノメチル基へ還元して芳香環含有アミノ化合物を製造する方法。

概要

背景

固体触媒を用いて芳香族ジニトリル化合物接触水素化によりシアノ基還元された芳香環含有アミ化合物を製造する方法は公知である。反応溶媒の全部もしくは一部に液体アンモニアを用いる例が殆どであり、固体触媒としてはニッケル及び/またはコバルトを含有する触媒(特許文献1〜4参照)、パラジウムを含有する触媒(特許文献5〜7参照)を用いる方法が例として挙げられる。これらの方法においては液体アンモニア溶媒が好ましくない副反応を抑制し、良好な反応選択性アミン化合物が得られるとされているが、一方で液体アンモニア溶媒が触媒金属成分溶出触媒性能が不安定になること、液体アンモニアが高い蒸気圧を持つために高圧装置が必要になること、更に液体アンモニアを蒸発回収循環させるためにプロセスが複雑になりコストがかかるといった大きな欠点を有している。

液体アンモニアを用いない例としては低級アルコールエーテル化合物等の有機溶媒下でスポンジ状ニッケル及び/またはコバルト触媒(登録商標Raney)を用いる方法も提案されている(特許文献8〜9参照)。スポンジ状触媒の使用にあたっては薬剤による展開工程、展開水溶液を反応溶媒に置換する工程を必要とし、酸素によって再酸化され易く、触媒の成型性に劣るといった欠点を有しており好ましくない。また、この系では反応選択性のために無機塩基性物質も同時に用いられる。これらに関しては反応工程以降で除去等の処理操作が必要となり不利である。

一般的にニトリル化合物を接触水素化する際にはニッケル、コバルトのような卑金属触媒に比べて、貴金属触媒の方が水素化活性が高く、反応温度、圧力等の反応条件が緩やかになることは広く知られている。(非特許文献1〜2参照)。よって有機溶媒下で貴金属触媒による水素化反応が実施できれば経済的に最も優れた製造方法となり得るはずであるが、無溶媒下または有機溶媒下でパラジウム触媒を用いた場合の生成物脂肪族モノニトリルのような単純な物質であっても一級アミン化合物のみならず、分子間縮合反応により二級三級アミン化合物を副生することが知られている (特許文献10〜12参照)。よってシアノ基を分子内に複数持つ物質の場合には縮合による高沸物の副生が避けがたい。

さらに上記の副反応に加えて芳香族ニトリル化合物原料としてパラジウム触媒で水素化した場合には、生成したアミノメチル基が逐次的に水素化分解されてメチル基まで転化する副反応も同時に起こることが知られている。(特許文献12〜13参照)。例えば、2-メトキシエタノール中でパラジウム触媒によるイソフタロニトリルの水素化反応の例が開示されているが1,3-ビス(アミノメチル)-ベンゼン収率は60%程であり、分子間縮合による高沸物や水素化分解によるメチルベンジルアミンの副生が著しいことが判る (特許文献13参照) 。

よって、アンモニア不在下でパラジウム触媒により芳香族ジニトリル化合物を水素化して一方及び/または両方のシアノ基がアミノメチル基へ還元された芳香環含有アミノ化合物を効率よく得るためには、上述の副反応を避けるための工夫が強く必要とされる。そのための改善方法として反応系に添加物を加える例が知られている。例えば、メタノール溶媒水酸化テトラアルキルアミンを添加してシアノベンジルアミン及びビス(アミノメチル)ベンゼンの混合液を高い収率で得ている。(特許文献14参照)。また、炭酸ガスを反応系内に添加してキシリレンジアミンを高い収率で得ている(特許文献15参照)。しかしながら、これらの方法は水素化反応後の工程で水酸化テトラアルキルアミンの分解や不溶性炭酸塩析出などが起こり操業上問題となる上に、添加物の供給や除去のための工程や装置等が必要とされ望ましくない。

先に示したように芳香族ジニトリル化合物の水素化により芳香環含有アミノ化合物を製造するに際して担持パラジウム触媒を用いる公知文献はいくつか存在する。しかしながら、それらに記載されたパラジウム触媒におけるパラジウムの担持され方、特に担持部位と反応選択性について言及した記載は認められなかった。

さらに、パラジウムとルテニウムを含有する触媒によって芳香族ニトリル化合物を接触水素化する方法に関しても開示例はいくつかある。
例えば、パラジウム−ルテニウム触媒によってフタロニトリルを水素化する例であるが、水素化対象となる官能基がシアノ基と芳香環を同時に処理してビスアミメチルシクロヘキサンを製造する方法に関するものであり、芳香環含有アミノ化合物の製造方法に言及するものではない (特許文献16参照) 。
また、特定サイズマクロ細孔を有する担体上に担持されたルテニウムとパラジウムを含むVIII族元素包含する触媒が芳香族ジニトリルの水素化反応に利用できると記載した文献もあるが、水素化生成物の種類や金属成分の担持部位に関する記載、および金属成分を二元化することによる具体的な効果、反応例の記載は認められない (特許文献17〜18参照) 。

特公昭53−20969号公報
英国特許第1149251号明細書
英国特許第852972号明細書
国際公開第2005/026101号パンフレット
特公昭51−24494号公報
特開2004−269510号公報
英国特許第814631号明細書
特公昭38−8719号公報
特開昭54−41804号公報
英国特許第962235号明細書
特開2002−226440号公報
米国特許第3923891号明細書(比較例B partI)
米国特許第4482741号明細書(実施例1,2)
特開2002−205980号公報
特開昭56−63944号公報
米国特許第4070399号明細書
特開平10−72377号公報
特開平10−101584号公報
Practical Catalytic Hydrogenation,Morris Freifelder (1971) JohnWiley&Sons,Inc.,Chapter12 Nitriles p240
Studies in Surface Science and Catalysis,vol27,Catalytic Hydrogenation, L.Cerveny (1986) Elsevier,Chaper4 Hygrogenation of Nitriles p105-144.

概要

従来技術における課題を解決し、より穏やかな反応条件下に簡便な方法によって芳香族ジニトリル化合物を固体触媒の存在下に水素化し、効率よく芳香環含有アミノ化合物を製造する方法を提供する。アミド系溶媒中で、パラジウムが実質的に触媒担体表層に存在するパラジウム担持触媒および水素の存在下、かつアンモニア不在下に芳香族ジニトリル化合物を水素化し、該芳香族ジニトリル化合物の少なくとも一方のシアノ基をアミノメチル基へ還元して芳香環含有アミノ化合物を製造する方法。 なし

目的

本発明の目的は、従来技術における上述したような課題を解決し、より穏やかな反応条件下に簡便な方法によって芳香族ジニトリル化合物を固体触媒の存在下に水素化し、効率よく芳香環含有アミノ化合物を製造する方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

アミド系溶媒中で、固体触媒および水素の存在下、かつアンモニア不在下に芳香族ジニトリル化合物を水素化し、該芳香族ジニトリル化合物の少なくとも1つのシアノ基アミノメチル基へ還元して芳香環含有アミ化合物を製造する方法であって、該固体触媒がパラジウム担持触媒であり、かつパラジウムが実質的に触媒担体外表面から200μm以内の表層に存在する触媒であることを特徴とする芳香環含有アミノ化合物の製造方法。

請求項2

成型された触媒を用いて固定床連続流通方式で反応を行う請求項1記載の製造方法。

請求項3

触媒成分としてルテニウム及び/またはマグネシウムを含有する触媒を用いる請求項1記載の製造方法。

請求項4

芳香族ジニトリル化合物がイソフタロニトリルである請求項1記載の製造方法。

請求項5

アミド系溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選ばれる請求項1記載の製造方法。

請求項6

水素化を環状二級アミン化合物共存下で行う請求項1記載の製造方法。

請求項7

環状二級アミン化合物が5または6員環飽和ヘテロ環構造を少なくとも1個有する請求項6記載の製造方法。

請求項8

環状二級アミン化合物がピロリジンイミダゾリジンピペリジンピペラジンインドリン、および1,2,3,4−テトラヒドロキノリンから選ばれる請求項7記載の製造方法。

請求項9

パラジウムおよび担体からなり、パラジウムが実質的に担体の外表面から200μm以内の表層に存在することを特徴とするパラジウム担持触媒。

請求項10

ルテニウム及び/またはマグネシウムをさらに含有する請求項9記載の触媒。

技術分野

0001

本発明は、芳香環含有アミ化合物を製造するに際し、芳香族ジニトリル化合物固体触媒の存在下に水素化する方法及びそれに用いられる触媒に関するものである。

背景技術

0002

固体触媒を用いて芳香族ジニトリル化合物の接触水素化によりシアノ基還元された芳香環含有アミノ化合物を製造する方法は公知である。反応溶媒の全部もしくは一部に液体アンモニアを用いる例が殆どであり、固体触媒としてはニッケル及び/またはコバルトを含有する触媒(特許文献1〜4参照)、パラジウムを含有する触媒(特許文献5〜7参照)を用いる方法が例として挙げられる。これらの方法においては液体アンモニア溶媒が好ましくない副反応を抑制し、良好な反応選択性アミン化合物が得られるとされているが、一方で液体アンモニア溶媒が触媒金属成分溶出触媒性能が不安定になること、液体アンモニアが高い蒸気圧を持つために高圧装置が必要になること、更に液体アンモニアを蒸発回収循環させるためにプロセスが複雑になりコストがかかるといった大きな欠点を有している。

0003

液体アンモニアを用いない例としては低級アルコールエーテル化合物等の有機溶媒下でスポンジ状ニッケル及び/またはコバルト触媒(登録商標Raney)を用いる方法も提案されている(特許文献8〜9参照)。スポンジ状触媒の使用にあたっては薬剤による展開工程、展開水溶液を反応溶媒に置換する工程を必要とし、酸素によって再酸化され易く、触媒の成型性に劣るといった欠点を有しており好ましくない。また、この系では反応選択性のために無機塩基性物質も同時に用いられる。これらに関しては反応工程以降で除去等の処理操作が必要となり不利である。

0004

一般的にニトリル化合物を接触水素化する際にはニッケル、コバルトのような卑金属触媒に比べて、貴金属触媒の方が水素化活性が高く、反応温度、圧力等の反応条件が緩やかになることは広く知られている。(非特許文献1〜2参照)。よって有機溶媒下で貴金属触媒による水素化反応が実施できれば経済的に最も優れた製造方法となり得るはずであるが、無溶媒下または有機溶媒下でパラジウム触媒を用いた場合の生成物脂肪族モノニトリルのような単純な物質であっても一級アミン化合物のみならず、分子間縮合反応により二級三級アミン化合物を副生することが知られている (特許文献10〜12参照)。よってシアノ基を分子内に複数持つ物質の場合には縮合による高沸物の副生が避けがたい。

0005

さらに上記の副反応に加えて芳香族ニトリル化合物原料としてパラジウム触媒で水素化した場合には、生成したアミノメチル基が逐次的に水素化分解されてメチル基まで転化する副反応も同時に起こることが知られている。(特許文献12〜13参照)。例えば、2-メトキシエタノール中でパラジウム触媒によるイソフタロニトリルの水素化反応の例が開示されているが1,3-ビス(アミノメチル)-ベンゼン収率は60%程であり、分子間縮合による高沸物や水素化分解によるメチルベンジルアミンの副生が著しいことが判る (特許文献13参照) 。

0006

よって、アンモニア不在下でパラジウム触媒により芳香族ジニトリル化合物を水素化して一方及び/または両方のシアノ基がアミノメチル基へ還元された芳香環含有アミノ化合物を効率よく得るためには、上述の副反応を避けるための工夫が強く必要とされる。そのための改善方法として反応系に添加物を加える例が知られている。例えば、メタノール溶媒水酸化テトラアルキルアミンを添加してシアノベンジルアミン及びビス(アミノメチル)ベンゼンの混合液を高い収率で得ている。(特許文献14参照)。また、炭酸ガスを反応系内に添加してキシリレンジアミンを高い収率で得ている(特許文献15参照)。しかしながら、これらの方法は水素化反応後の工程で水酸化テトラアルキルアミンの分解や不溶性炭酸塩析出などが起こり操業上問題となる上に、添加物の供給や除去のための工程や装置等が必要とされ望ましくない。

0007

先に示したように芳香族ジニトリル化合物の水素化により芳香環含有アミノ化合物を製造するに際して担持パラジウム触媒を用いる公知文献はいくつか存在する。しかしながら、それらに記載されたパラジウム触媒におけるパラジウムの担持され方、特に担持部位と反応選択性について言及した記載は認められなかった。

0008

さらに、パラジウムとルテニウムを含有する触媒によって芳香族ニトリル化合物を接触水素化する方法に関しても開示例はいくつかある。
例えば、パラジウム−ルテニウム触媒によってフタロニトリルを水素化する例であるが、水素化対象となる官能基がシアノ基と芳香環を同時に処理してビスアミメチルシクロヘキサンを製造する方法に関するものであり、芳香環含有アミノ化合物の製造方法に言及するものではない (特許文献16参照) 。
また、特定サイズマクロ細孔を有する担体上に担持されたルテニウムとパラジウムを含むVIII族元素包含する触媒が芳香族ジニトリルの水素化反応に利用できると記載した文献もあるが、水素化生成物の種類や金属成分の担持部位に関する記載、および金属成分を二元化することによる具体的な効果、反応例の記載は認められない (特許文献17〜18参照) 。

0009

特公昭53−20969号公報
英国特許第1149251号明細書
英国特許第852972号明細書
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特開2004−269510号公報
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米国特許第4482741号明細書(実施例1,2)
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特開昭56−63944号公報
米国特許第4070399号明細書
特開平10−72377号公報
特開平10−101584号公報
Practical Catalytic Hydrogenation,Morris Freifelder (1971) JohnWiley&Sons,Inc.,Chapter12 Nitriles p240
Studies in Surface Science and Catalysis,vol27,Catalytic Hydrogenation, L.Cerveny (1986) Elsevier,Chaper4 Hygrogenation of Nitriles p105-144.

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的は、従来技術における上述したような課題を解決し、より穏やかな反応条件下に簡便な方法によって芳香族ジニトリル化合物を固体触媒の存在下に水素化し、効率よく芳香環含有アミノ化合物を製造する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、芳香族ジニトリル化合物を固体触媒の存在下に水素化する方法について鋭意研究を重ねた結果、パラジウム担持部位が制御されたパラジウム担持触媒の存在下で水素化すれば、効率良く芳香族ジニトリル化合物から芳香環含有アミノ化合物が得られることを見いだし本発明に到達した。

0012

すなわち、本発明は、アミド系溶媒中で、固体触媒および水素の存在下、かつアンモニア不在下に芳香族ジニトリル化合物を水素化し、該芳香族ジニトリル化合物の少なくとも1つのシアノ基をアミノメチル基へ還元して芳香環含有アミノ化合物を製造する方法であって、該固体触媒がパラジウム担持触媒であり、かつパラジウムが実質的に触媒担体外表面から200μm以内の表層に存在する触媒であることを特徴とする芳香環含有アミノ化合物の製造方法、及び該パラジウム担持触媒に関するものである。

発明の効果

0013

芳香族ジニトリル化合物をアミド系溶媒中で、固体触媒の存在下、かつアンモニア不在下に水素化し、該芳香族ジニトリル化合物の少なくとも1つのシアノ基をアミノメチル基へ還元して芳香環含有アミノ化合物を製造する際に、パラジウムが実質的に担体の外表面および外表面から200μm以内の表層に存在するパラジウム担持触媒を用いることにより、芳香族ジニトリル化合物を穏やかな反応条件で効率よく芳香環含有アミノ化合物に水素化することができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

芳香族ジニトリル化合物は芳香環に直接結合した2つのシアノ基を有する芳香族化合物であり、具体例にはフタロニトリル、イソフタロニトリル、テレフタロニトリル、1,5−ジシアノナフタレン、1,8−ジシアノナフタレン、2,6−ジシアノナフタレン、4,4’−ジシアノビフェニル等である。また、シアノ基の他に反応に関与しない置換基を含んでいてもよく、メチル基、エチル基等のアルキル基フェニル基などのアリール基メトキシ基エトキシ基等のアルコキシ基等が一つ以上置換された上記の芳香族ジニトリル化合物も用いることができる。特に、医薬品、農薬合成樹脂等の中間体または原材料として有用な芳香環含有アミノ化合物が得られる、イソフタロニトリル及びテレフタロニトリルが好適に用いられ、イソフタロニトリルがより好適である。

0015

これらの芳香族ジニトリル化合物の少なくとも1つのシアノ基が還元されてアミノメチル基へ転化されたものを本発明では芳香環含有アミノ化合物と呼び、例えばイソフタロニトリルからは3−シアノベンジルアミン及び/またはm−キシリレンジアミンが得られる。以下、一方がアミノメチル基へ還元されたものを芳香環含有モノアミノ化合物、両方がアミノメチル基へ還元されたものを芳香環含有ジアミノ化合物と呼ぶ。

0016

本発明における固体触媒は担体上に金属パラジウムが担持されたものが用いられる。触媒担体としては活性炭アルミナシリカジルコニアチタニア硫酸バリウムゼオライト等を用いることができ、これらの中でも安価で担持操作が容易なアルミナ、シリカが好ましい。担体のBET比表面積は10〜600 m2/gが好ましく、より好ましくは30〜300m2/gである。

0017

本発明においてパラジウム担持に用いられるパラジウム化合物は、水や有機溶媒などに可溶なパラジウム化合物であれば何ら制限はなく、塩化パラジウムテトラクロロパラジウム塩類、テトラアンミンパラジウム塩、硝酸パラジウム酢酸パラジウム等が挙げられるが、溶解度が高く工業的に利用しやすい塩化パラジウムが最も好ましい。塩化パラジウムを塩化ナトリウム水溶液希塩酸アンモニア水等に溶解して用いることができる。

0018

本発明では触媒中の金属パラジウムが触媒担体外表面側に偏って“エッグシェル”型に担持されたものが用いられる。該触媒は、パラジウムが実質的に触媒担体の外表面を含んで、外表面から200μm以内の表層に存在するものである(以後、パラジウムが実質的に存在する部位を「パラジウム担持層」と称すことがある)。ここで、全パラジウムの99%以上が200μm以内に存在するものが好ましく、より好ましくはパラジウムの99.9%以上が200μm以内に存在するものである(それぞれ100%を含む)。該触媒は、パラジウムが実質的に触媒担体の外表面から150μm以内の表層に存在するものがより好ましい。パラジウムの担持量はパラジウムと担体の合計量に対して0.05〜10wt%の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜5wt%の範囲である。

0019

本発明者らの検討によれば、“エッグシェル”型に担持されたものに比べ、パラジウムを担体内部(中心部)まで分布させた触媒では反応器出口液に芳香族ジニトリル化合物が多量存在転化率が低かった。反応溶媒中に溶解させた芳香族ジニトリル化合物の触媒中への拡散が充分でなく、担体の中心部に担持されたパラジウムは殆ど水素化を触媒していないものと思われた。このことからパラジウムの触媒作用を有効に利用するためには担体の表層に担持することが望ましいと知れた。

0020

更にパラジウム担持層の厚みを変えながら触媒性能を詳細に検討した結果、パラジウム担持層が外表面から約530μm以内である場合は芳香族ジニトリル化合物の転化率に殆ど差は認められないが、副生成物生成量に違いが認められた。パラジウムの分布が担体内部へ及ぶほど、すなわち、パラジウム担持層が厚いほど、芳香族ジニトリル化合物または水素化物の縮合による高沸副生物と生成した芳香環含有アミノ化合物の逐次的な水素化分解物の生成量が大きくなる傾向が認められた。

0021

この現象の詳細は不明であるが、生成した芳香環含有ジアミノ化合物の極性が芳香族ジニトリル化合物に比べて大きいために担体またはパラジウム金属上に強く吸着して触媒内部で滞留しやすくなり、パラジウムの分布が担体内部へ及ぶほど、高沸物、水素化分解物への副反応を受けやすくなるためと思われる。よって目的生成物を高い収率で得るためにパラジウムを担体表層のみに偏って分布させる必要があることがわかった。従って、パラジウム担持層の担体外表面からの厚さは上記範囲内であることが好ましい。

0022

このような“エッグシェル”型のパラジウム担持触媒を製造するにあたっては公知の方法を用いることができ、例えば、日本化学会誌1991,(4),p261〜268、触媒調製化学p56,尾崎萃著,講談社刊1980年3月1日発行に記載された浸漬法噴霧法等が挙げられる。浸漬法においては、パラジウム化合物を塩化ナトリウム水溶液などに溶解して得られた溶液に担体を浸漬する。浸漬溶液パラジウム濃度は0.05〜4重量%が好ましく、pHは1〜11が好ましい。浸漬温度は10〜90℃、浸漬時間は5分〜100時間が好ましい。これらの条件をパラジウム化合物が実質的に触媒担体の外表面から200μm以内の表層に存在するように選択すればよく、当業者であればこれらの条件を容易に最適化することができる。噴霧法においては、パラジウム化合物を塩化ナトリウム水溶液などに溶解して得られた溶液を触媒担体に噴霧し、乾燥させて外表面および表層に担持する。

0023

本発明の触媒は前述のパラジウム化合物をエッグシェル型になるように担持した後に、パラジウム金属に還元して反応に供される。還元剤、方法及び条件は従来公知なものが用いられ、例えばホルムアルデヒド水酸化ナトリウム蟻酸ソーダヒドラジン次亜リン酸ナトリウム水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を含有する水溶液や水素ガス一酸化炭素メタノール蒸気等の還元性ガスと接触させる方法である。

0024

本発明のパラジウム担持触媒は、ルテニウム及び/またはマグネシウムをさらに含有していてもよい。すなわち本発明の触媒は、パラジウム担持触媒、パラジウム/ルテニウム担持触媒、パラジウム/マグネシウム担持触媒およびパラジウム/ルテニウム/マグネシウム担持触媒を包含する。ルテニウム及び/またはマグネシウムをさらに含有する触媒を用いると、芳香環含有ジアミノ化合物の生成が芳香環含有モノアミノ化合物に対して優勢になる。この添加効果反応開始直後には著しくないものの、驚くべきことに反応開始から数〜十数時間の経過によって顕著になる。パラジウム担持触媒が反応初期に有している芳香環含有モノアミノ化合物から芳香環含有ジアミノ化合物への水素化能力失活しやすいのに対して、ルテニウム及び/またはマグネシウムが存在すると、芳香環含有ジアミノ化合物への水素化能力の失活が抑制されて芳香環含有ジアミノ化合物が優位に生成するものと考えられる。
ルテニウムの担体中の担持位置は、本発明の効果が損なわれない限り特定されない。担体内部に分布していてもよいが、パラジウムと同様、実質的に触媒担体の外表面から200μm以内の表層に存在するのが好ましい。マグネシウムの担体中の担持位置も同様に限定されず、該表層を越えて担体内部に分布していてもよい。

0025

ルテニウムの担持量は、担持パラジウムに対して好ましくは1〜50モル%であり、より好ましくは5〜20モル%の添加で芳香環含有ジアミノ化合物の収量は最大となる。

0026

ルテニウム担持に用いられる出発物質は水や有機溶媒などに可溶のルテニウム化合物であれば何ら制限はなく、例えば硝酸ルテニウム三塩化ルテニウムニトロシル三塩化ルテニウム、ヘキサクロロルテニウム塩、ルテニウムアセチルアセトネート、ルテニウムカルボニル等を用いることができる。

0027

担持順序も特に制限はなく、パラジウムの担持と同時に行う方法、ルテニウム担持触媒へパラジウムを担持する方法、パラジウム担持触媒へルテニウムを担持する方法等が利用可能である。

0028

担持したルテニウム化合物も金属ルテニウムに還元して反応に供される。しかし一般にパラジウムに比較してルテニウムは還元されにくく、ルテニウム単独で還元するためにはより厳しい還元条件が必要とされる。しかし、パラジウムが共存するとルテニウムが穏和な条件で還元され、且つ、パラジウムとルテニウムの混合が容易となるので、パラジウム化合物とルテニウム化合物を同時に還元する方法や先にパラジウム金属を担持した触媒にルテニウム化合物を担持し還元処理を施す方法が好ましい。この方法を用いるにあたっては特にニトロシル三塩化ルテニウムの使用が好適である。

0029

マグネシウムの担持量は担持パラジウムに対して好ましくは100〜5000モル%であり、より好ましくは100〜2000モル%の添加で芳香環含有ジアミノ化合物の収量は最大となる。マグネシウム担持に用いられる出発物質は水や有機溶媒などに可溶のマグネシウム化合物であれば何ら制限はなく、例えば硝酸マグネシウム酢酸マグネシウム、マグネシウムアセチルアセトネート等を用いることができる。担持順序も特に制限はなく、パラジウムの担持と同時に行う方法、マグネシウム担持触媒へパラジウムを担持する方法、パラジウム担持触媒へマグネシウムを担持する方法等が可能である。担持したマグネシウム化合物は熱分解焼成等により酸化マグネシウムマグネシア)へ転化されて反応に供される。

0030

パラジウム化合物を担体に高分散に担持させる際には担体の塩基性が非常に重要である。酸化マグネシウムは担体上で塩基点として作用すると考えられるので、パラジウム化合物を担持する工程よりも前に担体上に酸化マグネシウムが存在している方が好ましい。そのためには例えばマグネシウム化合物を担持し、焼成により酸化マグネシウムへ転化させた後、触媒担体上へパラジウム化合物を担持する方法等が有効である。

0031

担体の形状に制限はなく、例えば球状、円柱状の担体、これらの担体を破砕して得られる粒状担体を用いることができる。担体の平均粒径は0.5〜5mmであることが好ましい。

0032

本発明における水素化反応は従来公知な反応方式を用いることができ、回分方式でも流通方式でもよい。原料を含む溶媒(原料液)を連続流通させる方法が経済的にはより好ましい。固体触媒は懸濁床、固定床いずれの方法でも用いることができるが、触媒は外表面および表層に高価なパラジウム金属を担持して用いるため、摩滅によるパラジウム金属の脱落を防ぐ観点から懸濁床よりは固定床方式で用いる方が好ましい。

0033

この場合には灌液流状態、気泡流状態で反応を行うことができ、原料液の流通方向は重力方向へ流通するダウンフロー、それとは逆方向へ流通するアップフローいずれでも良く、水素ガスの供給方向も原料液に対して並流向流のいずれでも良い。

0034

本発明において“アンモニア不在下”とは、水素化反応系のアンモニア濃度が1000ppm以下(ゼロを含む)であることを意味する。水素化反応系のアンモニア存在量が上記範囲内であると、前述の液体アンモニアを用いる方法の不利益を回避することができる。
この場合の反応系内に存在する少量のアンモニアは水素化反応よって副生するもの、あるいは反応ガスの循環使用等によって混入するものであり、液状の溶媒として反応系に供給されるものではない。

0035

本発明の原料の芳香族ジニトリル化合物は融点が高く、また蒸気圧が低いために反応溶媒に溶解して反応に供することが一般的である。

0036

本発明では、アミド系溶媒がエーテル系溶媒アルコール系溶媒に比較して芳香環含有アミノ化合物の収量が多く、且つ連続反応時の触媒寿命持続性が良好であることから最も好適に用いられ、特にN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドN−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。

0037

原料溶液中の芳香族ジニトリル化合物の濃度は溶解度によって異なるが、0.5〜14wt%の範囲が好ましい。上記範囲内であると、バッチ収量及び空時収量が良好であり、縮合反応が抑制されるので副生物の生成量が少ない。

0038

回分式水素化の場合、反応時間は0.5〜24時間、仕込み芳香族ジニトリル化合物/触媒比(重量比)は0.01〜1000%が好ましい。連続水素化の場合、供給芳香族ジニトリル化合物の液空間速度が触媒の単位重量当たり0.01〜0.2h−1であることが好ましい。

0039

反応温度は20〜200℃が好ましく、より好ましくは50〜120℃の範囲である。上記範囲内であると、充分な水素化速度が得られ、また、副反応を抑制して目的物を高収量で得ることができる。

0040

反応圧力全圧)は1〜20MPaが好ましく、より好ましくは2〜15MPaの範囲である。その内の水素分率は80%以上、好ましくは90%以上である。上記範囲内であると、充分な水素化速度が得られ、芳香族ジニトリル化合物の転化率が高く、高価な設備を必要としない。水素ガスは、特に精製されたものでなくとも通常工業的な水素化に使用されているグレードで全く問題ない。また水素化反応が水素分圧に依存して促進されるため、反応雰囲気中の水素ガス濃度は高い方が好ましいが、ヘリウムアルゴン窒素メタン等の反応に不活性ガス希釈してもよい。

0041

本発明の水素化では、環状二級アミン化合物を共存させることにより、芳香環含有アミノ化合物の収量が増加すると共に触媒寿命が長くなる。

0042

環状二級アミン化合物は、シクロパラフィン環内の一つ以上のメチレン基(-CH2-)を二級アミノ基(-NH-)で置換した環構造飽和ヘテロ環構造)を分子内に一つ以上有する化合物である。特に効果的なのが、該環構造が5または6員環である化合物であり、例としてはピロリジンイミダゾリジンピペリジンピペラジンインドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリンやこれらの化合物の窒素原子以外の部位がメチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基などのアリール基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等で一つ以上置換されたものであり、これらの中から選ばれた二種類以上を任意の割合で混合して用いることもできる。これらの中では廉価で入手の容易なピロリジン、ピペリジンおよびピペラジンが好適に用いられる。

0043

前記環状二級アミン化合物の供給方法は、芳香族ジニトリル化合物の水素化反応系に共存する形であれば何ら制限はない。反応系に逐次または連続して供給して用いることが簡便である。この時には環状二級アミン化合物のみ、または原料液に溶解して供給することができる。

0044

芳香族ジニトリル化合物の水素化を環状二級アミン化合物の共存下で行うと、驚くべきことに芳香環含有アミノ化合物の収量が増加するばかりでなく、特に連続反応においては、芳香環含有アミノ化合物収量の経時劣化が著しく抑制される。しかも、この効果は環状二級アミン化合物に固有のものであり直鎖脂肪族二級アミン三級アミン芳香族アミン類には認められない。

0045

芳香族ジニトリル化合物/環状二級アミン化合物(モル比)は0.1〜5の範囲が好ましく、0.3〜2の範囲がより好ましい。モル比が0.1未満では添加効果が顕著ではなく、5を超えても得られる効果は変わらず、また芳香族ジニトリル化合物が溶解しにくくなる。

0046

本発明の製造方法では、芳香環含有モノアミノ化合物及び芳香環含有ジアミノ化合物の混合物が得られる。芳香環含有モノアミノ化合物と芳香環含有ジアミノ化合物の生成比率は、芳香族ジニトリル化合物の仕込み量または供給速度と触媒量との割合や反応時間によって容易に変えることができる。芳香環含有ジアミノ化合物を優位に得るために、芳香環含有モノアミノ化合物の生成が極小になるように反応条件を選択することができる。しかし、芳香環含有モノアミノ化合物の生成を完全に避けることは難しく、また厳しい反応条件が必要なので好ましくない。

0047

本発明で得られた反応生成物は公知の方法、たとえば蒸留、抽出、晶析等によって溶媒と分離して回収することができる。芳香環含有モノアミノ化合物と芳香環含有ジアミノ化合物の分離も公知の方法、例えば特公昭40-10133号公報,英国特許814631号明細書等に記載の方法により分離することができる。

0048

反応に用いた溶媒は蒸留等の分離操作によって回収し、反応に再利用することが出来る。この時、分離の容易でない反応副生成物が溶媒に微量含まれていても使用に何ら問題はない。

0049

以下に、本発明の方法について実施例および比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。

0050

触媒中のパラジウム担持層厚さの評価には以下の方法を用いた。
触媒粒子エポキシ樹脂包埋した後、研磨して触媒断面を露出させ電子線マイクロアナライザー(EPMA)による線分析を行い、触媒担体の外表面からの距離とパラジウム量の関係を調べ、パラジウムの99%以上が含まれる範囲を「パラジウム担持層厚さ」とした。
日本電子株式会社製 JSM-T330A, JSM-T300-FCS
分析条件加速電圧20kV,照射電流(プローブ電流) 100nA
分光結晶Pd PET, Ru PET
触媒中のパラジウム、ルテニウムの相互の担持位置は以下の方法で確認した。
触媒粒子をエポキシ樹脂で包埋し、研磨により触媒断面を露出させ金コーティングした後、分析部分のみスパッタリングで金コーティングを除去して飛行時間型2次イオン質量分析(TOF-SIMS)による分析を行った。分析は表面から内部方向へ300μmまで25μm毎に分析視野をずらしながら行い、担体の27Alに対する106Pd,102Ruの積算信号強度の比によって評価した。
アルバックファイ社製 TFS-2100 TRIFTII
ビーム加速電圧 15kV
分析視野 25μm×100μm

0051

<実施例1>
市販の3mm-φ円柱状アルミナ担体(BET表面積167m2/g,細孔容積0.47ml/g)を破砕して得た粒径1.5〜2.0mmのアルミナ粒子を、塩化パラジウム−塩化ナトリウム水溶液(パラジウム濃度:0.14重量%、ナトリウム濃度:0.063重量%)に35℃で0.5 時間浸漬し、担体上にパラジウム成分を吸着させた。そこにホルムアルデヒド−水酸化ナトリウム水溶液を注加してアルミナ上に吸着したパラジウム成分を瞬時に還元した。その後、イオン交換水により触媒を洗浄し、乾燥して0.5wt%パラジウム担持アルミナ触媒を調製した。この触媒のパラジウム担持層厚さは80μmであった。
この触媒6gを管型反応器(内径10mm,長さ300mm)に充填し、水素圧力2.0MPa下で反応管上部から水素、3wt%イソフタロニトリル/N−メチル−2−ピロリドン溶液15.5g/hrで流通させ、反応温度70℃で水素化反応を行った。反応開始から10時間後に反応器出口で回収した生成液ガスクロマトグラフィー分析した。結果を表1に示した。

0052

<実施例2>
実施例1において用いた塩化パラジウム−塩化ナトリウム水溶液中のパラジウム濃度0.87重量%、ナトリウム濃度:0.38重量%に変えた以外は同様の操作で0.5wt%パラジウム担持アルミナ触媒を調製した。この触媒のパラジウム担持層厚さは180μmであった。実施例1と同じ条件で水素化反応を行った結果を表1に示した。

0053

<比較例1>
実施例1において用いた塩化パラジウム−塩化ナトリウム水溶液中のパラジウム濃度0.87重量%、ナトリウム濃度:0.19重量%にしてアンモニア水を加えた以外は同様の操作で0.5wt%パラジウム担持アルミナ触媒を調製した。この触媒のパラジウム担持層厚さは530μmであった。実施例1と同じ条件で水素化反応を行った結果を表1に示した。

0054

0055

尚、各表中の略号は以下の通りである。
IPN:イソフタロニトリル
CBA:3−シアノベンジルアミン
MXDA:m−キシリレンアミ
MBA:3−メチルベンジルアミンン
収率:各成分の単位時間当たりのモル生成量/単位時間当たりのイソフタロニトリルモル供給量

0056

<実施例3>
市販の球状アルミナ担体(BET表面積194m2/g,細孔容積0.49ml/g)を破砕して得た粒径1.0〜1.4mmのアルミナ粒子を、塩化パラジウム−塩化ナトリウム水溶液(パラジウム濃度:0.87重量%、ナトリウム濃度:0.38重量%)に35℃で0.25時間浸漬し、担体上にパラジウム成分を吸着させた。そこにホルムアルデヒド−水酸化ナトリウム水溶液を注加してアルミナ上に吸着したパラジウム成分を瞬時に還元した。その後、イオン交換水により触媒を洗浄し、乾燥して0.4wt%パラジウム担持アルミナ触媒を調製した。この触媒のパラジウム担持層厚さは180μmであった(図1参照)。
この触媒5gを管型反応器(内径10mm,長さ300mm)に充填し、水素圧力2.0MPa下で反応管上部から水素、6wt%イソフタロニトリル/N−メチル−2−ピロリドン溶液7.2g/hrで流通させて、反応温度62℃で水素化反応を行った。反応開始から2時間後に生成液を分析した。結果を表2に示した。

0057

<実施例4>
反応温度を70℃に変更した以外は実施例3と同様にして水素化反応を行った。反応開始から10時間後に生成液を分析した。結果を表2に示した。

0058

<実施例5>
実施例3で得たアルミナ粒子に酢酸マグネシウムを担持し400℃で空気焼成して2.0wt%マグネシア担持アルミナ担体を調製した。次いで、実施例2と同様の操作でパラジウムを担持して0.4wt%パラジウム/2.0wt%マグネシア担持アルミナ触媒を調製した。この触媒のパラジウム担持層厚さは180μmであった。
この触媒を用いて実施例4と同じ条件で水素化反応を行った。結果を表2に示した。

0059

0060

<実施例6>
実施例3の0.4wt%パラジウム担持アルミナ触媒5gを管型反応器(内径10mm,長さ300mm)に充填し、水素圧力5.0MPa下で反応管上部から水素、6wt%イソフタロニトリル/N−メチル−2−ピロリドン溶液7.2g/hrで流通させて、反応温度65℃で水素化反応を行った。
反応開始から10及び140時間後に生成液を分析した。結果を表3に示した。

0061

<比較例2>
6wt%イソフタロニトリル/N−メチル−2−ピロリドン溶液を6wt%イソフタロニトリル/テトラヒドロフラン溶液に変えた以外は実施例6と同様にして水素化反応を行った。結果を表3に示した。

0062

0063

<実施例7>
市販の球状アルミナ担体(BET表面積194m2/g,細孔容積0.49ml/g)を破砕してえた粒径1.0〜1.4mmのアルミナ粒子を、塩化パラジウム−ニトロシル三塩化ルテニウム−塩化ナトリウム水溶液(パラジウム濃度:0.15重量%、ルテニウム濃度:0.014重量%、ナトリウム濃度:0.063重量%)に35℃で0.25時間浸漬し、担体上にパラジウムおよびルテニウム成分を吸着させた。そこにホルムアルデヒド−水酸化ナトリウム水溶液を注加して吸着した金属成分を瞬時に還元した。その後、イオン交換水により触媒を洗浄し、乾燥して0.4wt%パラジウム/0.04wt%ルテニウム担持アルミナ触媒を調製した。この触媒のパラジウム担持層厚さは85μmであった。
この触媒4.5gを管型反応器(内径10mm,長さ300mm)に充填し、水素圧力5.0MPa下で反応管上部から水素、9wt%イソフタロニトリル/N−メチル−2−ピロリドン溶液5.0g/hrで流通させて、水素化反応を行った。反応温度55℃から開始し、ゆっくり昇温しながら280時間反応を継続した。280時間後の反応温度は59℃であった。反応開始から15及び280時間後に生成液を分析した。結果を表4に示した。

0064

<実施例8>
実施例7の触媒を用い、9wt%イソフタロニトリル/3.6wt%ピペリジン/N−メチル−2−ピロリドン溶液を使用した以外は実施例7と同様にして水素化反応を行った。結果を表4に示した。

0065

0066

<実施例9>
実施例7において用いた塩化パラジウム−ニトロシル三塩化ルテニウム−塩化ナトリウム水溶液をパラジウム濃度:0.87重量%、ルテニウム濃度:0.087重量%、ナトリウム濃度:0.38重量%に変えた以外は同様の操作で0.4wt%パラジウム/0.04wt%ルテニウム担持アルミナ触媒を調製した。この触媒のパラジウム担持層厚さは180μmであった(EPMA分析による)
この触媒をTOF-SIMS分析したところ、この方法で調製した触媒中のPd及びRuの担持領域が一致していることが確認された。(図2

図面の簡単な説明

0067

実施例3で調製したパラジウム担持アルミナ触媒の電子線マイクロアナライザーの結果を示すチャートである。
実施例9で調製したパラジウム/ルテニウム担持アルミナ触媒のTOF-SIMS分析の結果を示すチャートである。

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