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技術 樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法、生分解性樹脂を含む材料の処理方法、生分解性樹脂を含む材料、及び生分解性樹脂成形体

出願人 株式会社資生堂ユニチカ株式会社
発明者 高橋俊楠本高寛田中幹也川原光博中井美穂小上明信上田一恵
出願日 2006年8月23日 (15年6ヶ月経過) 出願番号 2006-226881
公開日 2007年4月5日 (14年10ヶ月経過) 公開番号 2007-086062
状態 特許登録済
技術分野 粒子の特徴の調査
主要キーワード 日本工業標準調査会 損失正接tanδ バリソン 温度依存性曲線 粘性成分 正弦的 フッ素マイカ 非生分解性樹脂
関連する未来課題
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図面 (4)

課題

樹脂を含む材料を透過する流体透過性をより適切に評価することが可能な、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に低減することが可能な、生分解性樹脂を含む材料の処理方法、及び透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供する。

解決手段

樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法は、樹脂を含む材料の損失正接を用いて、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を評価する。生分解性樹脂を含む材料の処理方法は、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上上加熱する。生分解性樹脂を含む材料は、生分解性樹脂を含む材料のα転移点における生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であるか、又は、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって得られる。

概要

背景

近年、環境保護の観点から、化粧料用容器などの生活消費財には、微生物によって分解され得る生分解性樹脂を利用することが、提案されている。一方、容器の材料及び包装用の材料などについては、容器に収容される物質及び包装される物質が、空気中の酸素によって酸化されることによって、及び、空気中の水分を吸収又は吸着することによって、変質することを低減することが、要求される。このため、容器の材料及び包装用の材料は、空気中の酸素及び水分が、容器中に透過することを遮断する性能(ガス水分バリア性)を備えた材料であることが、望まれる。しかしながら、従来の生分解性樹脂における、空気中の酸素及び水分の透過を遮断する性能が低く、従来の生分解性樹脂を、容器及び包装に用いることは、好ましくない。

そこで、生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を向上させるために、生分解性樹脂に微小添加物を分散させたナノコンポジットが、提案されている。例えば、特許文献1には、乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエステル及び膨潤性層状珪酸塩からなる生分解性ガスバリア材料が開示されている。このような分解性樹脂に微小な添加物を分散させたナノコンポジットにおいては、生分解性樹脂に分散した微小な添加物が、空気中の酸素及び水分が生分解性樹脂を透過することを、阻害する。このようにして、生分解性樹脂中に分散した微小な添加物の空気中の酸素及び水分の透過を遮断する性能によって、分解性樹脂に微小な添加物を分散させたナノコンポジットのガス・水分バリア性を向上させることができる。

しかしながら、生分解性樹脂に微小な添加物を分散させたナノコンポジットにおいては、生分解性樹脂に分散した微小な添加物によって、空気中の酸素及び水分が生分解性樹脂を透過することを阻害するのであって、生分解性樹脂それ自体のガス・水分バリア性は、改善されてない。

なお、非特許文献1には、ナイロン−6にモンモリロナイトを配合したナイロン/クレイコンポジット試験品を用いて、加熱温度100℃、加熱時間が最大240時間の加熱老化試験を実施し、加熱老齢試験を終えた試験品に対して行った動的粘弾性としてtanδmaxの測定の結果が開示されている。

また、生分解性樹脂のガス・水分バリア性を向上させるために、生分解性樹脂を熱処理することによって生分解性樹脂の結晶化度を調整した生分解性樹脂も、提案されている。ここで、生分解性樹脂の結晶化度とは、生分解性樹脂の全体に対する結晶部の割合を意味する。すなわち、生分解性樹脂を、生分解性樹脂の結晶化温度より高い温度まで加熱し、その後冷却すると、生分解性樹脂は、結晶化する。そして、空気中の酸素及び水分は、生分解性樹脂の非晶部を相対的に容易に透過するが、分子が密に且つ規則的に配列した結晶部を容易に透過することはできない。このようにして、生分解性樹脂を熱処理することによって、生分解性樹脂における結晶部の割合を増加させ、生分解性樹脂のガス・水分バリア性を向上させることができる。

しかしながら、生分解性樹脂の結晶化度を調整することによって改善される生分解性樹脂のガス・水分バリア性は、生分解性樹脂を結晶化させる結晶化処理の条件に大きく依存し、生分解性樹脂の結晶化度と生分解性樹脂のガス・水分バリア性との間の相関は、高くはない。すなわち、生分解性樹脂が、同様の結晶化度を有していても、生分解性樹脂のガス・水分バリア性が、大きく異なることがある。よって、実際には、生分解性樹脂のガス・水分バリア性を、生分解性樹脂の結晶化度によって評価することは、不十分である。

さらに、特許文献2には、メタキシリレンアジパミド単位、メタキシリレンイソフタラミド単位およびメタキシリレンテレフタラミド単位からなる群より選ばれたアミド繰り返し単位の少なくとも1つを樹脂全体に対して少なくとも20モル%以上含むポリアミド樹脂からなり、25℃、相対湿度100%における非晶部の吸水率が8重量%以下であり、かつ、周波数10Hzおよびひずみ0.05%の条件下に引張りモードで測定した動的粘弾性の温度分散スペクトルにおけるβ緩和活性化エネルギーが18kJ/mol以下であることを特徴とするガスバリア性に優れたポリアミド樹脂が開示されている。

しかしながら、特許文献2に開示される先行技術は、ガスバリア性に優れたポリアミド樹脂を提供するものであり、一般的な生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を向上させる技術を開示するものではなく、一般的な生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を評価する技術も開示していない。特に、ポリ乳酸のような生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を向上させる又は評価する技術は、開示も示唆もされていない。
特開2002−338796号公報
特開平9−95532号公報
Polymer Preprints,Japan Vo.53,No.2(2004)第3652頁−第3653頁

概要

樹脂を含む材料を透過する流体透過性をより適切に評価することが可能な、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法、生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に低減することが可能な、生分解性樹脂を含む材料の処理方法、及び透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供する。樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法は、樹脂を含む材料の損失正接を用いて、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を評価する。生分解性樹脂を含む材料の処理方法は、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上上加熱する。生分解性樹脂を含む材料は、生分解性樹脂を含む材料のα転移点における生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であるか、又は、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって得られる。なし

目的

本発明の目的の一つは、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に評価することが可能な、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

樹脂を含む材料の損失正接を用いて、該樹脂を含む材料を透過する流体透過性を評価することを特徴とする、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法

請求項2

前記樹脂を含む材料の損失正接は、前記樹脂を含む材料の相転移点における前記樹脂を含む材料の損失正接であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法。

請求項3

前記樹脂を含む材料の相転移点における前記樹脂を含む材料の損失正接は、前記樹脂を含む材料のα転移点における前記樹脂を含む材料の損失正接であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法。

請求項4

前記樹脂を含む材料のα転移点における前記樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であるか否かを判別することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法。

請求項5

前記樹脂を含む材料のα転移点における前記樹脂を含む材料の損失正接が、0.16以下であるか否かを判別することを含むことを特徴とする、請求項4に記載の樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法。

請求項6

前記樹脂を含む材料は、生分解性樹脂を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法。

請求項7

前記生分解性樹脂は、ポリ乳酸を含むことを特徴とする、請求項6に記載の樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法。

請求項8

生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上加熱することを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料の処理方法

請求項9

前記生分解性樹脂を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で5分以上加熱することを特徴とする、請求項8に記載の生分解性樹脂を含む材料の処理方法。

請求項10

生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で30分以上加熱することを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料の処理方法。

請求項11

前記生分解性樹脂を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で30分以上加熱することを特徴とする、請求項8に記載の生分解性樹脂を含む材料の処理方法。

請求項12

前記生分解性樹脂は、ポリ乳酸を含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の生分解性樹脂を含む材料の処理方法。

請求項13

生分解性樹脂を含む材料であって、当該生分解性樹脂を含む材料のα転移点における当該生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であることを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料。

請求項14

当該生分解性樹脂を含む材料のα転移点における生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.16以下であることを特徴とする、請求項13に記載の生分解性樹脂を含む材料。

請求項15

生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上加熱することによって得られることを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料。

請求項16

前記生分解性樹脂を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で5分以上加熱することによって得られることを特徴とする、請求項15に記載の生分解性樹脂を含む材料。

請求項17

生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で30分以上加熱することによって得られることを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料。

請求項18

前記生分解性樹脂を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で30分以上加熱することによって得られることを特徴とする、請求項17に記載の生分解性樹脂を含む材料。

請求項19

前記生分解性樹脂は、ポリ乳酸を含むことを特徴とする、請求項13乃至18のいずれか一項に記載の生分解性樹脂を含む材料。

請求項20

請求項13乃至18のいずれか一項に記載の生分解性樹脂を含む材料を成形して得られることを特徴とする生分解性樹脂成形体

技術分野

0001

本発明は、樹脂を含む材料を通じた流体透過性評価方法生分解性樹脂を含む材料の処理方法、生分解性樹脂を含む材料、及び生分解性樹脂成形体に関する。

背景技術

0002

近年、環境保護の観点から、化粧料用容器などの生活消費財には、微生物によって分解され得る生分解性樹脂を利用することが、提案されている。一方、容器の材料及び包装用の材料などについては、容器に収容される物質及び包装される物質が、空気中の酸素によって酸化されることによって、及び、空気中の水分を吸収又は吸着することによって、変質することを低減することが、要求される。このため、容器の材料及び包装用の材料は、空気中の酸素及び水分が、容器中に透過することを遮断する性能(ガス水分バリア性)を備えた材料であることが、望まれる。しかしながら、従来の生分解性樹脂における、空気中の酸素及び水分の透過を遮断する性能が低く、従来の生分解性樹脂を、容器及び包装に用いることは、好ましくない。

0003

そこで、生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を向上させるために、生分解性樹脂に微小添加物を分散させたナノコンポジットが、提案されている。例えば、特許文献1には、乳酸を主たる繰り返し単位とするポリエステル及び膨潤性層状珪酸塩からなる生分解性ガスバリア材料が開示されている。このような分解性樹脂に微小な添加物を分散させたナノコンポジットにおいては、生分解性樹脂に分散した微小な添加物が、空気中の酸素及び水分が生分解性樹脂を透過することを、阻害する。このようにして、生分解性樹脂中に分散した微小な添加物の空気中の酸素及び水分の透過を遮断する性能によって、分解性樹脂に微小な添加物を分散させたナノコンポジットのガス・水分バリア性を向上させることができる。

0004

しかしながら、生分解性樹脂に微小な添加物を分散させたナノコンポジットにおいては、生分解性樹脂に分散した微小な添加物によって、空気中の酸素及び水分が生分解性樹脂を透過することを阻害するのであって、生分解性樹脂それ自体のガス・水分バリア性は、改善されてない。

0005

なお、非特許文献1には、ナイロン−6にモンモリロナイトを配合したナイロン/クレイコンポジット試験品を用いて、加熱温度100℃、加熱時間が最大240時間の加熱老化試験を実施し、加熱老齢試験を終えた試験品に対して行った動的粘弾性としてtanδmaxの測定の結果が開示されている。

0006

また、生分解性樹脂のガス・水分バリア性を向上させるために、生分解性樹脂を熱処理することによって生分解性樹脂の結晶化度を調整した生分解性樹脂も、提案されている。ここで、生分解性樹脂の結晶化度とは、生分解性樹脂の全体に対する結晶部の割合を意味する。すなわち、生分解性樹脂を、生分解性樹脂の結晶化温度より高い温度まで加熱し、その後冷却すると、生分解性樹脂は、結晶化する。そして、空気中の酸素及び水分は、生分解性樹脂の非晶部を相対的に容易に透過するが、分子が密に且つ規則的に配列した結晶部を容易に透過することはできない。このようにして、生分解性樹脂を熱処理することによって、生分解性樹脂における結晶部の割合を増加させ、生分解性樹脂のガス・水分バリア性を向上させることができる。

0007

しかしながら、生分解性樹脂の結晶化度を調整することによって改善される生分解性樹脂のガス・水分バリア性は、生分解性樹脂を結晶化させる結晶化処理の条件に大きく依存し、生分解性樹脂の結晶化度と生分解性樹脂のガス・水分バリア性との間の相関は、高くはない。すなわち、生分解性樹脂が、同様の結晶化度を有していても、生分解性樹脂のガス・水分バリア性が、大きく異なることがある。よって、実際には、生分解性樹脂のガス・水分バリア性を、生分解性樹脂の結晶化度によって評価することは、不十分である。

0008

さらに、特許文献2には、メタキシリレンアジパミド単位、メタキシリレンイソフタラミド単位およびメタキシリレンテレフタラミド単位からなる群より選ばれたアミド繰り返し単位の少なくとも1つを樹脂全体に対して少なくとも20モル%以上含むポリアミド樹脂からなり、25℃、相対湿度100%における非晶部の吸水率が8重量%以下であり、かつ、周波数10Hzおよびひずみ0.05%の条件下に引張りモードで測定した動的粘弾性の温度分散スペクトルにおけるβ緩和活性化エネルギーが18kJ/mol以下であることを特徴とするガスバリア性に優れたポリアミド樹脂が開示されている。

0009

しかしながら、特許文献2に開示される先行技術は、ガスバリア性に優れたポリアミド樹脂を提供するものであり、一般的な生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を向上させる技術を開示するものではなく、一般的な生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を評価する技術も開示していない。特に、ポリ乳酸のような生分解性樹脂を含む材料のガス・水分バリア性を向上させる又は評価する技術は、開示も示唆もされていない。
特開2002−338796号公報
特開平9−95532号公報
Polymer Preprints,Japan Vo.53,No.2(2004)第3652頁−第3653頁

発明が解決しようとする課題

0010

本発明の目的の一つは、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に評価することが可能な、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法を提供することである。

0011

本発明の別の目的は、生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に低減することが可能な、生分解性樹脂を含む材料の処理方法を提供することである。

0012

本発明のさらに別の目的は、透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供することである。

0013

本発明のさらに別の目的は、透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂成形体を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

本発明の第一の態様は、樹脂を含む材料の損失正接を用いて、該樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を評価することを特徴とする、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法である。

0015

本発明の第二の態様は、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料の処理方法である。

0016

本発明の第三の態様は、生分解性樹脂を含む材料であって、当該生分解性樹脂を含む材料のα転移点における当該生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であることを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料である。

0017

本発明の第四の態様は、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって得られることを特徴とする、生分解性樹脂を含む材料である。

0018

本発明の第五の態様は、本発明の第三の態様又は本発明の第四の態様である生分解性樹脂を含む材料を成形して得られることを特徴とする生分解性樹脂成形体である。

発明の効果

0019

本発明の第一の態様によれば、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に評価することが可能な、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法を提供することができる。

0020

本発明の第二の態様によれば、生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に低減することが可能な、生分解性樹脂を含む材料の処理方法を提供することができる。

0021

本発明の第三又は第四の態様によれば、透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供することができる。

0022

本発明の第五の態様によれば、透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂成形体を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。

0024

本発明の第一の実施形態は、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法において、樹脂を含む材料の損失正接を用いて、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を評価することを特徴とする。

0025

ここで、樹脂を含む材料は、樹脂のみからなる材料であってもよく、樹脂及び樹脂以外の添加物を含む組成物であってもよい。樹脂は、単一の樹脂であってもよく、複数の樹脂の組み合わせであってもよい。樹脂は、特に限定されず、生分解性樹脂であってもよく、非生分解性樹脂であってもよい。生分解性樹脂としては、ポリ乳酸のようなポリエステル系樹脂ポリエステルアミド系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂多糖類ポリサッカリド)、ポリペプチドリグニン、及びこれらの誘導体が挙げられる。また、添加物としては、例えば、公知の有機変性粘土鉱物添加剤酸化防止剤熱安定剤紫外線吸収剤滑剤帯電防止剤難燃剤結晶化促進剤末端封鎖剤、及び充填剤などが挙げられる。公知の有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物無機陽イオンの少なくとも一つを有機陽イオン置換したものであり、樹脂を含む材料に有機変性粘土鉱物を分散させることによって、樹脂を含む材料を通じた流体の透過度を低減することができる。

0026

樹脂を透過する流体は、気体又は液体であって、特に限定されないが、例えば、空気中の酸素及び水分などが挙げられる。

0027

樹脂を含む材料の損失正接は、公知の動的粘弾性測定装置を使用して、例えば、日本工業標準調査会TRK0005「プラスチック−動的機械特性による転移温度の求め方」に記載されるような公知の測定方法によって測定される。すなわち、樹脂を含む材料の損失正接は、動的粘弾性測定装置において、樹脂を含む材料の試験片クランプで保持し、樹脂を含む材料の試験片に正弦的なひずみを与えたとき、試験片に生じる応力を測定し、試験片に生じる応力と試験片に与えた正弦的なひずみとの位相差δ正接tanδである。

0028

樹脂を含む材料の損失正接tanδは、樹脂を含む材料に生じる応力の弾性成分に対する樹脂を含む材料に生じる応力の粘性成分を表す。よって、樹脂を含む材料に生じる応力の弾性成分が増加すると、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値は小さくなり、樹脂を含む材料に生じる応力の粘性成分が増加すると、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値は大きくなる。

0029

一方、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性が低下すると、樹脂を含む材料を構成する分子が、密に配列し、樹脂を含む材料に生じる応力の弾性成分が増加して、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値は小さくなると予想される。逆に、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性が向上すると、樹脂を含む材料を構成する分子が、疎に配列し、樹脂を含む材料に生じる応力の粘性成分が増加して、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値は大きくなると予想される。

0030

また、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性が低下すると、樹脂を含む材料を構成する分子が、密に配列し、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性は、減少すると考えられる。逆に、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性が向上すると、樹脂を含む材料を構成する分子が、疎に配列し、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性は、増加すると考えられる。

0031

よって、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値が小さいとき、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性は、減少し、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値が大きいとき、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性は、増加すると期待される。

0032

そして、本発明者は、樹脂を含む材料の損失正接と樹脂を含む材料を通じた流体の透過性との相関が、樹脂を含む材料の結晶化度と樹脂を含む材料を通じた流体の透過性との相関よりも高いことを、発見した。なお、樹脂を含む材料の結晶化度とは、結晶部及び非晶部からなる、樹脂を含む材料の全体における結晶部の割合であり、公知のX線構造解析によって得られる、結晶部に対応する幅の狭いピーク面積と非晶部に対応する幅の狭いピークの面積から、
結晶部=(幅の狭いピークの面積)/{(幅の狭いピークの面積)+(幅の広いピークの面積)}
に従って算出される値である。言い換えれば、本発明者は、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性は、樹脂を含む材料の全体における結晶部の割合を反映する、樹脂を含む材料の結晶化度よりも、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性を反映する、樹脂を含む材料の損失正接を用いることによって、適切に評価されることを発見した。

0033

従って、本発明の第一の実施形態によれば、樹脂を含む材料の損失正接を用いて、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を評価するので、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に評価することが可能な、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法を提供することができる。

0034

本発明の第一の実施形態である、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法において、好ましくは、樹脂を含む材料の損失正接は、樹脂を含む材料の相転移点における樹脂を含む材料の損失正接である。

0035

樹脂を含む材料の損失正接tanδは、樹脂を含む材料の温度に依存して変動する。すなわち、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性は、樹脂を含む材料の温度に依存して変動するため、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性を反映する、樹脂を含む材料の損失正接tanδもまた、樹脂を含む材料の温度に依存して変動する。

0036

特に、樹脂を含む材料の温度を変動させると、樹脂を含む材料において、ガラス転移、結晶化、軟化溶融などの相転移が起こることがある。樹脂を含む材料において、ガラス転移などの相転移が起こると、樹脂を含む材料を構成する分子の運動性は、大きく変化するため、樹脂を含む材料を構成する分子の配列も大きく変化する。その結果、樹脂を含む材料に生じる応力の弾性成分及び粘性成分の割合が、急激に変化して、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値も、大きく変動する。

0037

本発明者は、驚くべきことに、樹脂を含む材料の相転移点における樹脂を含む材料の損失正接tanδmaxが、樹脂を含む材料の結晶化度と樹脂を含む材料を通じた流体の透過性との相関よりも高くなることがあることを、発見した。なお、樹脂を含む材料の相転移点は、樹脂を含む材料において相転移が起こる温度である。本発明者は、常温で測定される樹脂を含む材料の結晶化度よりも、相転移が起こる温度における樹脂を含む材料の損失正接tanδmaxが、常温における樹脂を含む材料を通じた流体の透過性と高い相関を有することがあることを発見した。

0038

この発明者の発見に基づいて、樹脂を含む材料の損失正接として、樹脂を含む材料の相転移点における樹脂を含む材料の損失正接を用いることによって、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を、より適切に評価することができることがある。

0039

特に、樹脂を含む材料の相転移点における樹脂を含む材料の損失正接は、樹脂を含む材料の温度に対する樹脂を含む材料の損失正接の極値であるため、より容易に、且つ、より高い精度で得られる。すなわち、樹脂を含む材料の損失正接として、樹脂を含む材料の相転移点における樹脂を含む材料の損失正接を用いることによって、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を、より容易に且つより高い精度で評価することができることがある。

0040

本発明の第一の実施形態である、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法において、好ましくは、樹脂を含む材料の相転移点における樹脂を含む材料の損失正接は、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接である。

0041

樹脂を含む材料の温度を変動させると、樹脂を含む材料にガラス転移が起こる温度である(樹脂を含む材料を構成する樹脂の分子の主鎖が運動する)α転移点で、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値は、極値になる。例えば、樹脂を含む材料の温度を増加させると、α転移点で、樹脂を含む材料の損失正接tanδの値は、極大値tanδmaxになる。

0042

本発明者は、驚くべきことに、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、樹脂を含む材料の結晶化度と樹脂を含む材料を通じた流体の透過性との相関よりも高いことを、発見した。すなわち、本発明者は、常温で測定される樹脂を含む材料の結晶化度よりも、ガラス転移が起こる温度における樹脂を含む材料の損失正接が、常温における樹脂を含む材料を通じた流体の透過性と高い相関を有することを発見した。

0043

この発明者の発見に基づいて、樹脂を含む材料の損失正接として、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接を用いることによって、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に評価することができる。

0044

特に、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接は、樹脂を含む材料の温度に対する樹脂を含む材料の損失正接の極値であるため、より容易に、且つ、より高い精度で得られる。すなわち、樹脂を含む材料の損失正接として、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接を用いることによって、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を、より容易に且つより高い精度で評価することができる。

0045

本発明の第一の実施形態である、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法において、好ましくは、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であるか否かを判別することを含む。ここで、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接は、一般的に、0より大きい。樹脂を含む材料のα転移点は、樹脂を含む材料のガラス転移点であるため、樹脂を含む材料のα転移点においては、樹脂を含む材料に生じる応力は、一般に、その弾性成分のみならず、その粘性成分をも含む。よって、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接は、一般には、0にはならない。

0046

樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であるか否かを判別することによって、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性が、許容範囲にあるか否かを評価することができることが多い。すなわち、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、0.2を超える場合には、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性が高すぎて、樹脂を含む材料を透過する流体の透過を抑制することが困難であることが多い。一方、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下である場合には、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性が、許容範囲にあり、樹脂を含む材料による、樹脂を含む材料を透過する流体の透過の抑制も、適切であることが多い。

0047

本発明の第一の実施形態である、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法において、好ましくは、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、0.16以下であるか否かを判別することを含む。樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、0.16以下であるか否かを判別することによって、樹脂を含む材料を透過する流体の透過が、十分に抑制されているか否かを評価することができることが多い。すなわち、樹脂を含む材料のα転移点における樹脂を含む材料の損失正接が、0.16以下である場合には、樹脂を含む材料を透過する流体の透過性が、低く、樹脂を含む材料による、樹脂を含む材料を透過する流体の透過の抑制も、十分であることが多い。

0048

本発明の第一の実施形態である、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法において、好ましくは、樹脂を含む材料は、生分解性樹脂を含む。この場合には、生分解性樹脂を含む材料の損失正接を用いて、生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に評価することができる。

0049

本発明の第一の実施形態である、樹脂を含む材料を通じた流体の透過性の評価方法において、好ましくは、生分解性樹脂は、ポリ乳酸を含む。この場合には、ポリ乳酸を含む材料の損失正接を用いて、ポリ乳酸を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に評価することができる。

0050

特に、ポリ乳酸を含む材料のα転移点におけるポリ乳酸を含む材料の損失正接が、0.2以下であるか否かを判別することによって、ポリ乳酸を含む材料を透過する流体の透過性が、許容範囲にあるか否かを評価することができる。例えば、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度が、概ね120ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下であるか否か、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率が、3年換算で18%以下であるか否かを評価することができる。また、ポリ乳酸を含む材料のα転移点におけるポリ乳酸を含む材料の損失正接が、0.16以下であるか否かを判別することによって、ポリ乳酸を含む材料を透過する流体の透過が、十分に抑制されているか否かを評価することができる。例えば、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度が、概ね40ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下であるか否か、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率が、3年換算で10%以下であるか否かを評価することができる。なお、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度は、ポリ乳酸を含む材料のシートに1日間1MPaの圧力で酸素を適用したとき、単位面積(1m2)及び単位厚さ(1mm)当たりのポリ乳酸を含む材料のシートを透過する酸素の体積(ml)である。また、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率は、ポリ乳酸を含む内容積130ml、厚み1.1mmのボトルに水を充填したとき、3年間でボトル外へ透過する水の割合(%)である。

0051

本発明の第二の実施形態は、生分解性樹脂を含む材料の処理方法において、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することを特徴とする。

0052

生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって、加熱された生分解性樹脂を含む材料のα転移点における加熱された生分解性樹脂を含む材料の損失正接を、0.2以下であるようにすることが可能となる。その結果、加熱された生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を、許容範囲にあるようにし、加熱された生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過を、加熱された生分解性樹脂を含む材料によって、より適切に抑制することが可能となる。

0053

よって、本発明の第二の実施形態によれば、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱するので、生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性をより適切に低減することが可能な、生分解性樹脂を含む材料の処理方法を提供することができる。

0054

なお、生分解性樹脂を含む材料を加熱する処理を行わない場合には、生分解性樹脂を含む材料のα転移点における生分解性樹脂を含む材料の損失正接は、概ね1以上である。また、例えば、加熱処理がなされてない生分解性樹脂を含む材料の酸素の透過度は、200ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1程度である。

0055

本発明の第二の実施形態である生分解性樹脂を含む材料の処理方法において、好ましくは、生分解性樹脂を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱する。

0056

生分解性樹脂を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって、加熱された生分解性樹脂を含む材料のα転移点における加熱された生分解性樹脂を含む材料の損失正接を、0.16以下であるようにすることが可能となる。その結果、加熱された生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過性を、低くし、加熱された生分解性樹脂を含む材料を透過する流体の透過を、加熱された生分解性樹脂を含む材料によって、十分に抑制することが可能となる。

0057

本発明の第二の実施形態である生分解性樹脂を含む材料の処理方法において、好ましくは、生分解性樹脂は、ポリ乳酸を含む。この場合には、ポリ乳酸を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって、加熱されたポリ乳酸を含む材料のα転移点における加熱されたポリ乳酸を含む材料の損失正接を、0.2以下であるようにすることができる。また、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度を、概ね120ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率を3年換算で18%以下にすることができる。さらに、ポリ乳酸を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって、加熱されたポリ乳酸を含む材料のα転移点における加熱されたポリ乳酸を含む材料の損失正接を、0.16以下であるようにすることができる。また、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度を、概ね40ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率を3年換算で10%以下にすることができる。

0058

本発明の第三の実施形態は、生分解性樹脂を含む材料であって、生分解性樹脂を含む材料のα転移点における生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であることを特徴とする。

0059

本発明の第三の実施形態によれば、生分解性樹脂を含む材料のα転移点における生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.2以下であるので、透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供することができる。

0060

本発明の第三の実施形態である生分解性樹脂を含む材料において、好ましくは、生分解性樹脂を含む材料のα転移点における生分解性樹脂を含む材料の損失正接が、0.16以下である。この場合には、透過する流体の透過性がより効果的に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供することができる。

0061

本発明の第三の実施形態である生分解性樹脂を含む材料において、好ましくは、生分解性樹脂は、ポリ乳酸を含む。この場合には、透過する流体の透過性がより適切に低減された、ポリ乳酸を含む材料を、より確実に、提供することができる。例えば、ポリ乳酸を含む材料のα転移点におけるポリ乳酸を含む材料の損失正接が、0.2以下であるとき、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度は、概ね120ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下であるか、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率は、3年換算で18%以下であり得る。さらに、ポリ乳酸を含む材料のα転移点におけるポリ乳酸を含む材料の損失正接が、0.16以下であるとき、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度は、概ね40ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下であるか、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率は、3年換算で10%以下であり得る。

0062

本発明の第四の実施形態は、生分解性樹脂を含む材料において、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって得られることを特徴とする。

0063

本発明の第四の実施形態によれば、生分解性樹脂を含む材料が、生分解性樹脂を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって得られるので、透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供することができる。

0064

本発明の第四の実施形態である生分解性樹脂を含む材料において、好ましくは、生分解性樹脂を含む材料は、生分解性樹脂を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって得られる。この場合には、透過する流体の透過性がより効果的に低減された、生分解性樹脂を含む材料を提供することができる。

0065

本発明の第四の実施形態である生分解性樹脂を含む材料において、好ましくは、生分解性樹脂は、ポリ乳酸を含む。この場合には、透過する流体の透過性がより適切に低減された、ポリ乳酸を含む材料を、より確実に、提供することができる。例えば、ポリ乳酸を含む材料が、ポリ乳酸を含む材料を、90℃以上140℃以下の温度で5分以上、好ましくは30分以上加熱することによって得られるとき、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度は、概ね120ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下であるか、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率は、3年換算で18%以下であり得る。さらに、ポリ乳酸を含む材料が、ポリ乳酸を含む材料を、120℃以上140℃以下の温度で5分以上加熱することによって得られるとき、ポリ乳酸を含む材料を透過する酸素の透過度は、概ね40ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1以下であるか、及び、ポリ乳酸を含む材料を透過する水分の透過率は、3年換算で10%以下であり得る。

0066

本発明の第五の実施形態は、生分解性樹脂成形体において、本発明の第三の態様又は本発明の第四の実施形態である生分解性樹脂を含む材料を成形して得られることを特徴とする。生分解性樹脂を含む材料は、公知の射出成形ブロー成形押出成形真空成形圧空成形、及びインフレーション成形などの成形方法によって成形される。生分解性樹脂成形体は、特に限定されず、化粧品用の容器を含む生活消費財として広く使用することができる。

0067

本発明の第五の実施形態によれば、生分解性樹脂成形体が、本発明の第三の態様又は本発明の第四の実施形態である生分解性樹脂を含む材料を成形して得られるので、透過する流体の透過性がより適切に低減された、生分解性樹脂成形体を提供することができる。

0068

(1)ポリ乳酸樹脂組成物の調製
表1に示すように、ポリ乳酸(平均分子量:160,000、融点170℃、ネイチャーワークス4032DK)に有機変性粘土鉱物を分散させて得られた組成物を、195℃の温度及び10MPaの圧力の条件下で、プレス成形し、シートを得た。このシートの寸法は、5mm(幅)×35mm(長さ)×1.0mm(厚み)であった。上記のポリ乳酸組成物から作製したシートを、3MPaの圧力、及び、90℃の温度の条件下で、5分間、30分間、90分間加熱し、それぞれ、試料1、2、3を得た。3MPaの圧力、及び、120℃の温度の条件下で、5分間、30分間、90分間加熱し、それぞれ、試料4、5、6を得た。また、3MPaの圧力、及び、140℃の温度の条件下で、5分間、30分間、90分間加熱し、それぞれ、試料7、8、9を得た。なお、ポリ乳酸を通じた酸素の透過を防止するポリ乳酸のガスバリア性を向上させるために、ポリ乳酸に分散させた有機変性粘土鉱物は、合成フッ素マイカ(コープケミカル製ME−100)に対して、ドデシルメチルジヒドロキシエチルアンモニウムを25重量%付加した有機変性粘土鉱物であった。

0069

(2)試料の酸素透過度の測定
上記のようにして得られた試料1〜9のシートについての酸素透過度を測定した。試料1〜9のシートについての酸素透過度の測定には、MOCON社製の酸素ガス透過度測定装置OX−TRAN2/20を使用した。なお、試料1〜9のシートの酸素透過度は、25℃の温度、50%の相対湿度、及び1MPaの圧力の条件下で、試料1〜9のシートに酸素を1日間適用して、測定した。ここで、試料のシートの酸素透過度は、試料のシートに1日間1MPaの圧力で酸素を適用したとき、単位面積(1m2)及び単位厚さ(1mm)当たりの試料のシートを透過する酸素の体積(ml)を表す。得られた試料1〜9のシートの酸素透過度(ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1)を表2に示す。

0070

表2に示すように、ポリ乳酸組成物から作製したシートを加熱する温度及び時間によって、試料1〜9のシートの酸素透過度が異なることがわかった。

0071

(3)試料のα転移点における損失正接tanδmaxの測定
上記のようにして得られた試料1〜9のシートについてのα転移点における損失正接tanδmaxを測定した。試料1〜9のシートについてのα転移点における損失正接tanδmaxの測定には、粘弾性測定器(TAインスツルメント社製,ARES)を使用した。なお、試料1〜9のシートにつての損失正接tanδmaxの測定においては、試料1〜9のシートに±0.05%の範囲におけるねじりのひずみを、1Hzの周波数で与えた。また、試料1〜9のシートの温度を、−50℃から150℃まで5℃毎に増加させた。このようにして、各温度における試料1〜9のシートについての損失正接tanδを測定し、試料1〜9のシートについての損失正接tanδの温度依存性曲線を測定した。そして、得られた試料1〜9のシートについての損失正接tanδの温度依存性曲線が極大になる温度を、α転移点とし、得られた試料1〜9のシートについての損失正接tanδの温度依存性曲線における極大値を、α転移点における損失正接tanδmaxとした。得られた試料1〜9のシートについてのα転移点における損失正接tanδmaxを表3に示す。

0072

図1は、試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmax及び酸素透過度の関係を示す図である。図1横軸は、試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmaxを表し、図1縦軸は、試料のシート1〜9についての酸素透過度(ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1)の値を示す。

0073

図1に示すように、試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmaxが小さいほど、試料のシート1〜9についての酸素透過度も小さい傾向がある。また、試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmaxと酸素透過度との相関係数二乗R2は、0.63であり、試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmaxと酸素透過度との相関は、高かった。よって、ポリ乳酸を含む材料のα転移点における損失正接tanδmaxによって、ポリ乳酸を含む材料の酸素の透過性を適切に評価することができることが、確認された。

0074

また、図1に示すように、試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.2以下であるとき、試料のシート1〜9についての酸素透過度が、120ml・mm・m−2・MPa−1・日−1以下である。すなわち、ポリ乳酸を含む材料についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.2以下であるとき、ポリ乳酸を含む材料の酸素透過度が、120ml・mm・m−2・MPa−1・日−1以下であることが、確認された。

0075

さらに、図1に示すように、試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.16以下であるとき、試料のシート1〜9についての酸素透過度が、概ね40ml・mm・m−2・MPa−1・日−1以下である。すなわち、ポリ乳酸を含む材料についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.16以下であるとき、ポリ乳酸を含む材料の酸素透過度が、概ね40ml・mm・m−2・MPa−1・日−1以下であることが、確認された。

0076

(4)試料の結晶化度の測定
上記のようにして得られた試料1〜9のシートについての結晶化度を測定した。試料1〜9のシートについての結晶化度の測定には、CuKα線を使用するX線回折装置(JDX−350,JOEL)を用いた。試料1〜9のシートについて、試料に入射するX線の方向と試料によって回折されるX線の角度の方向との間の角度が5°〜30°の範囲におけるX線回折パターンを得た。試料1〜9のシートのX線回折パターンにおいて、試料に入射するX線の方向と試料によって回折されるX線の角度の方向との間の角度が16°付近に、互いに重なり合った狭い幅のピーク及び広い幅のピークが、得られた。これらの互いに重なり合った狭い幅のピーク及び広い幅のピークを、公知のピーク分離法によって分離し、狭い幅のピークを、試料における結晶部からの回折X線のピークと指定し、広い幅のピークを、試料における非晶部からの回折X線のピークと指定した。そして、互いに分離された狭い幅のピーク及び広い幅のピークの面積を算出し、その試料における結晶化度を、
結晶化度=(狭い幅のピークの面積)/{(狭い幅のピークの面積)+(広い幅のピークの面積)}×100
の式に従って、算出した。得られた試料1〜9のシートについての結晶化度を表4に示す。

0077

図2は、試料のシート1〜9についての結晶化度及び酸素透過度の関係を示す図である。図2の横軸は、試料のシート1〜9についての結晶化度を表し、図2の縦軸は、試料のシート1〜9についての酸素透過度(ml・mm−1・m−2・MPa−1・日−1)の値を示す。

0078

図2における試料のシート1〜9についての結晶化度と酸素透過度との相関は、殆ど認められなかった。よって、ポリ乳酸を含む材料の結晶化度によって、ポリ乳酸を含む材料の酸素の透過性を評価することは、不適切であることが、確認された。

0079

(1)ポリ乳酸樹脂組成物の調製
ポリ乳酸(平均分子量:160,000、融点170℃、ネイチャーワークス4032DK)に有機変性粘土鉱物を分散させて得られた組成物を、射出ブロー形成機(日精ASB機械社製、ASB−50TH)を用いて、シリンダ設定温度200℃で溶融して、10℃の金型に充填し、10秒間冷却して5mm厚の予備成形体(有底バリソン)を得た。この予備成形体を120℃の温風で加熱した後、40℃の温度に設定された金型に入れ、圧力空気3.5MPaの条件下でブロー成形し、内容積130ml、厚み1.1mmの試料となるボトルを作製した。

0080

表5に示すように、上記のボトルを、90℃の温度の条件下で、3時間、16時間、48時間加熱し、それぞれ、試料10、11、12を得た。同じく試料となるボトルを、120℃の温度の条件下で、3時間、16時間、48時間加熱し、それぞれ、試料13、14、15を得た。また、試料となるボトルを、140℃の温度の条件下で、3時間、16時間、48時間加熱し、それぞれ、試料16、17、18を得た。

0081

(2)試料の水分透過率の測定
上記のようにして得られた試料10〜18のボトルについての水分透過率を測定した。試料10〜18のボトルにそれぞれ水を充填し、試料10〜18のボトルの重量を測定した後、温度25℃及び相対湿度50%の恒温槽内で28日間静置し、静置後に再度試料10〜18のボトルの重量を測定することにより、試料10〜18のボトルの重量減少率を求めた。ここで、試料のボトルの水分透過率は、試料のボトルの28日間の重量減少率を39.1倍(≒365日×3年/28日)することにより、3年換算水分透過率(%)として算出した。得られた試料10〜18のボトルの3年換算水分透過率(%)を表6に示す。

0082

表6に示すように、ポリ乳酸を加熱する温度及び時間によって、熱処理されたポリ乳酸の水分透過率が異なることがわかった。

0083

(3)試料のα転移点における損失正接tanδmaxの測定
上記のようにして得られた試料10〜18のボトルについてのα転移点における損失正接tanδmaxを測定した。測定は、上述した実施例1の方法で行った。得られた試料10〜18のボトルについてのα転移点における損失正接tanδmaxを表7に示す。

0084

図3は、試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmax及び3年換算水分透過率の関係を示す図である。図3の横軸は、試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmaxを表し、図3の縦軸は、試料のボトル10〜18についての3年換算水分透過率(%)の値を示す。

0085

図3に示すように、試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmaxが小さいほど、試料のボトル10〜18についての3年換算水分透過率も小さい傾向がある。また、試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmaxと3年換算水分透過率との相関係数の二乗R2は、0.92であり、試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmaxと3年換算水分透過率との相関は、非常に高かった。よって、ポリ乳酸を含む材料のα転移点における損失正接tanδmaxによって、ポリ乳酸を含む材料の水分の透過性を適切に評価することができることが、確認された。

0086

また、図3に示すように、試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.2以下であるとき、試料のボトル10〜18についての3年換算水分透過率が、18%以下である。すなわち、ポリ乳酸を含む材料についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.2以下であるとき、ポリ乳酸を含む材料の3年換算水分透過率が、18%以下であることが、確認された。

0087

さらに、図3に示すように、試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.16以下であるとき、試料のボトル10〜18についての3年水分透過率が、10%以下である。すなわち、ポリ乳酸を含む材料についてのα転移点における損失正接tanδmaxが0.16以下であるとき、ポリ乳酸を含む材料の酸素透過度が、10%以下であることが、確認された。

0088

(4)試料の結晶化度の測定
上記のようにして得られた試料10〜18のボトルについての結晶化度を測定した。測定は、上述した実施例1の方法で行った。得られた試料10〜18のボトルについての結晶化度を表8に示す。

0089

図4は、試料のボトル10〜18についての結晶化度及び3年換算水分透過率の関係を示す図である。図4の横軸は、試料のボトル10〜18についての結晶化度を表し、図4の縦軸は、試料のボトル10〜18についての3年換算水分透過率(%)の値を示す。

0090

図4における試料のボトル12〜30についての結晶化度と3年換算水分透過率との相関係数の二乗R2は、0.58であり、試料のボトル10〜18についての結晶化度と3年換算水分透過率との相関はある程度認められたが、図3で示した、試料のボトル12〜30についてのα転移点における損失正接tanδmaxと3年換算水分透過率との相関係数よりは低かった。よって、ポリ乳酸を含む材料の結晶化度によって、ポリ乳酸を含む材料の水分の透過性を評価するよりも、ポリ乳酸を含む材料のα転移点における損失正接tanδmaxによってポリ乳酸を含む材料の水分の透過性を評価する方がより適切であることが、確認された。

0091

以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。

図面の簡単な説明

0092

試料のシート1〜9についてのα転移点における損失正接tanδmax及び酸素透過度の関係を示す図である。
試料のシート1〜9についての結晶化度及び酸素透過度の関係を示す図である。
試料のボトル10〜18についてのα転移点における損失正接tanδmax及び水分透過率の関係を示す図である。
試料のボトル10〜18についての結晶化度及び水分透過率の関係を示す図である。

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