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技術 抵抗素子および抵抗素子の製造方法

出願人 凸版印刷株式会社
発明者 岡野達広深田隆之
出願日 2005年8月30日 (14年9ヶ月経過) 出願番号 2005-248878
公開日 2007年3月15日 (13年3ヶ月経過) 公開番号 2007-067035
状態 未査定
技術分野 プリント基板への印刷部品(厚膜薄膜部品) 抵抗器の製造装置と方法 固定抵抗器 プリント配線の製造(2)
主要キーワード 硫化水素水 抵抗体領域 薄膜抵抗層 リン薄膜 ミアンダ構造 抵抗素子電極 抵抗皮膜 抵抗体形成領域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

加熱環境下に置かれた場合であっても高い電気抵抗特性発現し、かつ小さなサイズで高精度に形成できる抵抗素子の製造方法を提供する。

解決手段

素子電極および抵抗層具備する抵抗素子の製造方法において、(a)ニッケル塩還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケルリンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗層を成膜する抵抗皮膜形成工程、(b)前記抵抗層に第1の酸処理を施す第1酸処理工程、(c)前記抵抗層に第2の酸処理を施す第2酸処理工程、を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法。

概要

背景

近年、携帯電話デジタルカメラなどの機器の小型化と軽量化が進むにつれて、プリント配線板実装する素子においては、素子の小型化や素子同士の間隔の削減といった従来の実装技術では対応が難しくなり、これら素子を内蔵したプリント配線板が求められている。
また、素子を内蔵した基板が厚くならないようにするため、薄い部品膜素子で十分に特性を満たすことができる素子が求められている。
プリント配線板に抵抗素子を形成する方法としては、銅箔上に金属薄膜抵抗層を形成する方法、基板上に抵抗層を無電解めっきで形成する方法、抵抗性厚膜ポリマー印刷する方法などがある。

抵抗値、精度、形状、価格などを考慮して、用途に応じて形成方法を選択していく必要がある。
厚膜ポリマーを印刷する方法では、高抵抗なものを形成できるが、微細な寸法になると形成が困難である。

金属材料を用いた薄膜タイプは、厚膜タイプに比べ 、抵抗値範囲が低抵抗制約されるが、小さなサイズで高精度に形成できる。
ここで、銅箔上に金属薄膜で抵抗素子を形成する方法は、例えば、銅箔上に電解ニッケルリンめっきにより薄膜抵抗層を形成したものを、基板上に積層形成し、それぞれを抵抗素子電極および抵抗皮膜として抵抗素子となすものである(例えば、特許文献1参照)。
また、基板上にめっきで抵抗素子を形成する方法は、例えば、基板上に配線の一部が分離している配線パターンを形成した後に、この一部分離している配線間に無電解ニッケル・リンめっきによって抵抗層を形成して抵抗素子となすものである(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第4808967号明細書
特開平10−190183号公報

概要

加熱環境下に置かれた場合であっても高い電気抵抗特性発現し、かつ小さなサイズで高精度に形成できる抵抗素子の製造方法を提供する。素子電極および抵抗層を具備する抵抗素子の製造方法において、(a)ニッケル塩還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗層を成膜する抵抗皮膜形成工程、(b)前記抵抗層に第1の酸処理を施す第1酸処理工程、(c)前記抵抗層に第2の酸処理を施す第2酸処理工程、を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法。

目的

しかし、従来の無電解めっきによって形成されたニッケルリン薄膜からなる抵抗素子は、小さなサイズで高精度な抵抗素子として有効であるが、加熱環境下に置かれた場合では、高い電気抵抗特性(シート抵抗値等)を維持することが難しかった。
このため、加熱環境下に置かれる種々の用途においても安定した電気抵抗特性を発現し、かつ小さなサイズで高精度な抵抗素子の開発が望まれている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

素子電極および抵抗層具備する抵抗素子の、前記抵抗層が、ニッケル塩還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケルリンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗皮膜成膜する抵抗皮膜形成工程と、前記形成された抵抗皮膜に第1の酸処理を施す第1酸処理工程と、次に、前記抵抗皮膜に第2の酸処理を施す第2酸処理工程と、を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法。

請求項2

前記第2酸処理工程の後に、さらに加熱処理を施す加熱処理工程を行うことを特徴とする請求項1記載の抵抗素子の製造方法。

請求項3

基板の全面に抵抗皮膜をめっきによって形成する抵抗皮膜形成工程と、前記形成された抵抗皮膜上に導体層を形成する導体層形成工程と、前記抵抗皮膜および導体層をパターン化する配線パターン形成工程と、前記導体層の所定の部分をエッチング処理し、該導体層の下の抵抗皮膜を露出させ、抵抗層を形成する抵抗素子の製造方法において、前記抵抗層が、ニッケル塩、還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗皮膜を成膜する抵抗皮膜形成工程と、前記形成された抵抗皮膜に第1の酸処理を施す第1酸処理工程と、次に、前記抵抗皮膜に第2の酸処理を施す第2酸処理工程と、を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法。

請求項4

前記第2酸処理工程の後に、さらに加熱処理を施す加熱処理工程を行うことを特徴とする請求項3記載の抵抗素子の製造方法。

請求項5

前記基板上に形成される抵抗皮膜が、パターン化されていることを特徴とする請求項3または4記載の抵抗素子の製造方法。

請求項6

予めパターン化された配線電極層が形成された基板上に、ニッケル塩、還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗皮膜を成膜する抵抗皮膜形成工程と、前記形成された抵抗皮膜に第1の酸処理を施す第1酸処理工程と、次に、前記抵抗皮膜に第2の酸処理を施す第2酸処理工程と、を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法。

請求項7

前記第2酸処理工程の後に、さらに加熱処理を施す加熱処理工程を行うことを特徴とする請求項8記載の抵抗素子の製造方法。

請求項8

請求項1〜7のいずれかの方法で形成された抵抗層を有することを特徴とする抵抗素子。

請求項9

基板上に、請求項8記載の抵抗素子を実装したことを特徴とする配線基板

技術分野

0001

本発明は、めっき抵抗皮膜を用いた抵抗素子および抵抗素子の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、携帯電話デジタルカメラなどの機器の小型化と軽量化が進むにつれて、プリント配線板実装する素子においては、素子の小型化や素子同士の間隔の削減といった従来の実装技術では対応が難しくなり、これら素子を内蔵したプリント配線板が求められている。
また、素子を内蔵した基板が厚くならないようにするため、薄い部品膜素子で十分に特性を満たすことができる素子が求められている。
プリント配線板に抵抗素子を形成する方法としては、銅箔上に金属薄膜抵抗層を形成する方法、基板上に抵抗層を無電解めっきで形成する方法、抵抗性厚膜ポリマー印刷する方法などがある。

0003

抵抗値、精度、形状、価格などを考慮して、用途に応じて形成方法を選択していく必要がある。
厚膜ポリマーを印刷する方法では、高抵抗なものを形成できるが、微細な寸法になると形成が困難である。

0004

金属材料を用いた薄膜タイプは、厚膜タイプに比べ 、抵抗値範囲が低抵抗制約されるが、小さなサイズで高精度に形成できる。
ここで、銅箔上に金属薄膜で抵抗素子を形成する方法は、例えば、銅箔上に電解ニッケルリンめっきにより薄膜抵抗層を形成したものを、基板上に積層形成し、それぞれを抵抗素子電極および抵抗皮膜として抵抗素子となすものである(例えば、特許文献1参照)。
また、基板上にめっきで抵抗素子を形成する方法は、例えば、基板上に配線の一部が分離している配線パターンを形成した後に、この一部分離している配線間に無電解ニッケル・リンめっきによって抵抗層を形成して抵抗素子となすものである(例えば、特許文献2参照)。
米国特許第4808967号明細書
特開平10−190183号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、従来の無電解めっきによって形成されたニッケルリン薄膜からなる抵抗素子は、小さなサイズで高精度な抵抗素子として有効であるが、加熱環境下に置かれた場合では、高い電気抵抗特性(シート抵抗値等)を維持することが難しかった。
このため、加熱環境下に置かれる種々の用途においても安定した電気抵抗特性を発現し、かつ小さなサイズで高精度な抵抗素子の開発が望まれている。

0006

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、加熱環境下に置かれた場合であっても高い電気抵抗特性を発現し、かつ小さなサイズで高精度に形成できる抵抗素子が得られる、ニッケル・リン薄膜からなる抵抗素子および抵抗素子の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
素子電極および抵抗層を具備する抵抗素子の、前記抵抗層が、
ニッケル塩還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗皮膜を成膜する抵抗皮膜形成工程と、
前記形成された抵抗皮膜に第1の酸処理を施す第1酸処理工程と、
次に、前記抵抗皮膜に第2の酸処理を施す第2酸処理工程と、
を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法である。

0008

請求項2に係る発明は、前記第2酸処理工程の後に、さらに加熱処理を施す加熱処理工程を行うことを特徴とする請求項1記載の抵抗素子の製造方法である。

0009

請求項3に係る発明は、基板の全面に抵抗皮膜をめっきによって形成する抵抗皮膜形成工程と、前記形成された抵抗皮膜上に導体層を形成する導体層形成工程と、前記抵抗皮膜および導体層をパターン化する配線パターン形成工程と、前記導体層の所定の部分をエッチング処理し、該導体層の下の抵抗皮膜を露出させ、抵抗層を形成する抵抗素子の製造方法において、
前記抵抗層が、
ニッケル塩、還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗皮膜を成膜する抵抗皮膜形成工程と、
前記形成された抵抗皮膜に第1の酸処理を施す第1酸処理工程と、
次に、前記抵抗皮膜に第2の酸処理を施す第2酸処理工程と、
を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法である。

0010

請求項4に係る発明は、前記第2酸処理工程の後に、さらに加熱処理を施す加熱処理工程を行うことを特徴とする請求項4記載の抵抗素子の製造方法である。

0011

請求項5に係る発明は、前記基板上に形成される抵抗皮膜が、パターン化されていることを特徴とする請求項3または4記載の抵抗素子の製造方法である。

0012

請求項6に係る発明は、予めパターン化された配線電極層が形成された基板上に、
ニッケル塩、還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗皮膜を成膜する抵抗皮膜形成工程と、
前記形成された抵抗皮膜に第1の酸処理を施す第1酸処理工程と、
次に、前記抵抗皮膜に第2の酸処理を施す第2酸処理工程と、
を具備することを特徴とする抵抗素子の製造方法である。

0013

請求項7に係る発明は、前記第2酸処理工程の後に、さらに加熱処理を施す加熱処理工程を行うことを特徴とする請求項6記載の抵抗素子の製造方法である。

0014

請求項8に係る発明は、 請求項1〜7のいずれかの方法で形成された抵抗層を有することを特徴とする抵抗素子である。

0015

請求項9に係る発明は、基板上に、請求項8記載の抵抗素子を実装したことを特徴とする配線基板である。

発明の効果

0016

本発明によれば、ニッケル塩、還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により形成され、異なる酸処理を施したニッケル・リン薄膜を抵抗層とする抵抗素子であるので、クロム共析を伴わないにもかかわらず、従来の無電解めっき法により形成されたニッケル・リン薄膜よりもはるかに高い電気抵抗特性を有するとともに、熱による電気抵抗特性の低下を防止することができる。
また、前記抵抗層に、さらに、加熱処理を施すことによって、抵抗層の電気抵抗特性の熱安定性が向上し、加熱環境下に置かれる種々の用途においても安定した電気抵抗特性を発現することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

本発明の抵抗素子の製造方法は、ニッケル塩、還元剤および錯化剤を含有する無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により基板上に抵抗皮膜を成膜したのち、第1酸処理工程、および第2酸処理工程において、酸処理することにより、あるいはさらに、加熱処理を施すことで、高いシート抵抗値を具備する抵抗素子を製造することができる。

0018

本発明の抵抗素子を形成する基板は、特に限定されず、各種の合成樹脂からなる剛性を有するシートや可撓性シート、ガラス板セラミックス板、表面に絶縁層を有する金属製基板の中から、用途などに応じて適宜選択して用いることができる。また、予め内部に配線回路や他の受動素子が形成されているものであってもよい。

0019

抵抗皮膜を形成する前記無電解ニッケル・リンめっき液は、錯化剤を含むめっき液で、前記錯化剤としては、例えば、α-アラニンβ-アラニンジエチレントリアミン、L-グルタミン酸塩グリシントリエチレンテトラミンテトラエチレンペンタミンモノエタノールアミンジエタノールアミンなどのアミノ基(-NH2、>NH)を含有するアミノ酸アミンなどを挙げることができる。
特に、α-アラニン、β-アラニン、ジエチレントリアミン、L-グルタミン酸塩およびグリシンからなる群から選ばれるアミノ基含有化合物を錯化剤として用いることが好ましい。
このような錯化剤のめっき液中における濃度は、0.1〜2.0mol/L程度、好ましくは、0.5mol/L〜1.5mol/L程度とすることができる。
ここで、錯化剤の濃度が0.1mol/L未満であると、浴安定性が低下し、また、2.0mol/Lを超えると析出速度が遅くなり好ましくない。また、めっき液中の錯化剤とニッケルの濃度(mol/L))の比は、1:1〜20:1の範囲が好ましい。錯化剤の割合が上記の範囲よりも少ないと、形成されるニッケル・リン薄膜のシート抵抗が不十分となり、好ましくない。

0020

本発明で使用するニッケル・リンめっき液を構成するニッケル塩は、硫酸ニッケル塩化ニッケル次亜リン酸ニッケル炭酸ニッケル等を使用することができる。めっき液中のニッケル塩の濃度は0.01〜1.0mol/L程度、好ましくは0.05〜0.2mol/L程度とすることができる。ニッケル塩の濃度が0.01mol/L未満であると析出速度が遅くなり、また1.0mol/Lを超えると浴安定性が低下して好ましくない。

0021

本発明で使用するニッケル・リンめっき液を構成する還元剤は、次亜リン酸ナトリウムジメチルボランアミン、ヒドラジン等を使用することができる。めっき液中の還元剤の濃度は、0.05〜1.0mol/L程度、好ましくは0.1〜0.3mol/L程度とすることができる。還元剤の濃度が0.05mol/L未満であると析出速度が遅くなり、また1.0mol/Lを超えると浴安定性が低下して好ましくない。

0022

上記の無電解ニッケル・リンめっき液を用いた無電解めっき法によるニッケル・リン薄膜の形成は、例えば、浴温度60〜90℃、浴pH4〜7の条件で行うことができる。浴温度が60℃未満であると析出温度が遅くなり、90℃を超えると浴安定性が低下して好ましくない。また、浴pHが上記の範囲から外れると、成膜速度とシート抵抗が不十分なものとなり好ましくない。
上記の無電解ニッケル・リンめっき液を用いて無電解めっき法により成膜されたニッケル・リン薄膜は、クロムの共析を伴わないにもかかわらず、従来の無電解めっき法により形成されたニッケル・リン薄膜よりもはるかに高い電気抵抗特性を有するものとなる。

0023

本発明の抵抗素子は、上記の無電解ニッケル・リンめっき液を用いて成膜した抵抗層に異なる酸処理、またはさらに加熱処理を施すことにより、該抵抗層の電気抵抗特性を更に向上させるとともに、熱安定性を向上させ、熱による電気抵抗特性の低下を防止したものである。上記処理による電気抵抗特性の熱安定化機構は不明であるが、酸処理により、酸処理後はもちろん、200℃の加熱後においても高いシート抵抗値を具備する抵抗層が得られる。このため、本発明の抵抗素子は、加熱環境下に置かれる種々の用途に使用しても、安定した電気抵抗特性を発現することが可能である。
なお、本発明において、抵抗層の200℃加熱後におけるシート抵抗値とは、抵抗層を200℃雰囲気中に30分間放置した後、4端針法(三菱化学株式会社製 Loresta MPMCP-T350)を用いて測定したものを意味する。

0024

第1酸処理、および第2酸処理に使用する酸としては、硝酸硫酸ホウ酸炭酸亜硝酸ケイ酸ホウケイ酸リン酸亜リン酸次亜リン酸亜硫酸過硫酸硫化水素水フッ化水素酸ホウフッ化水素酸塩酸亜塩素酸次亜塩素酸過塩素酸などの無機酸;ギ酸酢酸プロピオン酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸アラキジン酸アクリル酸クロトン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸フマル酸マレイン酸乳酸リンゴ酸酒石酸クエン酸等の有機酸等を挙げることができる。
酸処理の方法は、酸水溶液への浸漬、酸水溶液の噴霧等を用いることができる。
ここで、浸漬による酸処理の場合、酸水溶液を撹拌してもよい。
このように第1酸処理を施すことにより、酸処理後の抵抗層のシート抵抗値が無電解めっき直後のシート抵抗に比べて上昇する。そして、第2酸処理を施すことで、所望のシート抵抗値への調整が可能となる。
例えば、第1酸処理工程は、塩酸溶液で行い、第2酸処理工程は、抵抗値の微調整を行うために行うもので、第1の酸処理よりもめっき膜への影響の小さい酸で行うことが望ましい。たとえば、過硫酸アンモニウム溶液が好適である。

0025

また、本発明の抵抗素子は、無電解ニッケル・リンめっき液を構成する錯化剤の種類により、加熱処理を施すことによってシート抵抗値を更に高くするという効果もある。例えば錯化剤としてジエチレンジアミンを用いた場合、酸処理後に加熱処理を施すことによってシート抵抗値が驚異的に高くなる。一方、錯化剤としてL-グルタミン酸塩を用いた場合には、加熱処理を施してもシート抵抗値は安定している。従って、本発明の抵抗素子は、無電解ニッケル・リンめっき液に用いる錯化剤を適宜選択することにより、加熱処理後に具備するシート抵抗値を任意に設定することができる。上記の加熱処理は、例えば、100〜850℃の範囲内で行うことができる。

0026

次に、本発明の抵抗素子をプリント配線板に内蔵する方法について説明する。本発明の抵抗素子をプリント配線板に内蔵するには、所定の抵抗素子形成領域に形成された抵抗層と、この抵抗層に接する2つの導体層を形成する。2つの導体層は互いに分離されており、抵抗素子の素子電極として用いることができる。導体層の材料としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなど、導電性の良好な金属材料が好ましい。

0027

以下、基板上に抵抗素子を形成する方法を例示して説明する。ここで、 抵抗素子が完成した状態において抵抗層が形成される領域を抵抗素子形成領域、素子電極となる導体層が形成される領域を素子電極形成領域、および2つの導体層を分離するために抵抗層が露出される領域を素子電極分離領域として以下の説明を行う。

0028

抵抗素子をプリント配線板に内蔵するための第1の方法は、下記の(A−1)〜(C−1)の工程を具備する(図1参照)。
(A−1)は、基板1の全面に抵抗層2をめっきによって形成する工程である(図1(a)参照)。
(B−1)は、前記基板1上に導体層3を形成した後に、前記抵抗層2および導体層3’からなる配線パターン4を形成する工程である(図1(b)〜図1(d)参照)。
(C−1)は、前記導体層3’の所定の部分をエッチングし、該導体層3’の下の抵抗層2を露出させる工程である(図1(e)〜図1(f)参照)。

0029

ここで、工程(A−1)は、上述の無電解ニッケル・リンめっき液を用いて抵抗層2となるニッケル・リン薄膜を形成する抵抗皮膜形成工程(a)として行われる。
酸処理工程(b)、(c)は、酸処理に用いる酸が導体層3に影響を及ぼさないものであれば、抵抗層2が露出された状態であればいずれの段階でも行うことができる。
例えば、工程(A−1)と工程(B−1)の間に行ってもよいし、工程(B−1)と工程(C−1)の間に行ってもよいし、工程(C−1)の後に行ってもよい。
酸処理工程(b)、(c)を、工程(A−1)と工程(B−1)との間に行う場合は、この段階では導体層3が未形成状態であるので、導体層3の材料に関係なく、酸処理に用いる酸を自由に選択できるので、好ましい。
また、上記酸処理工程を、図1(a)に示す段階と図1(b)に示す段階との間に行う場合は、抵抗層2の全面が露出しているため、均一に処理を施すことができ、かつ導体層3への影響を考慮しなくても良いので最も好ましい。
また、酸処理工程は、製造工程中でトリミングを行う場合は、抵抗値が安定した状態で調整できるので、トリミング工程の前が好ましい。
加熱処理工程(d)を行う場合は、酸処理工程(c)の後であればいつの段階で行ってもよく、工程(A−1)と工程(B−1)の間に行ってもよいし、工程(B−1)と工程(C−1)の間に行ってもよいし、工程(C−1)の後に行ってもよい。トリミングを行う場合、トリミング時に発生する熱の影響を抑えるために、加熱処理工程(d)をトリミング工程より前に行うことが好ましい。

0030

工程(B−1)では、抵抗素子形成領域5に、抵抗層2と導体層3’が積層されてなる配線パターン4を形成する。抵抗素子形成領域5は、所望の抵抗値が得られるように、長方形ミアンダ構造などの適宜形状に設定する。工程(B−1)の終了後、抵抗素子形成領域5以外では、抵抗層2と導体層3が除去されて基板1が露出された状態となる(図1(d)参照)。
工程(B−1)は、例えば以下の手順(1)〜(3)を順に行うことによって実施することができる。
手順(1)は、抵抗層2の上の全面に導体層3を形成する(図1(b)参照)。
手順(2)は、導体層3上の抵抗素子形成領域40にレジスト10を形成する(図1(c)参照)。
手順(3)は、レジストを形成していない部分の導体層3および抵抗層2を一括エッチングによって除去した後、レジスト10を除去する(図1(d)参照)。

0031

工程(C−1)では、導体層3の所定の部分をエッチングし、該導体層3の下の抵抗層3を露出させる。つまり、素子電極形成領域の導体層3を残して素子電極となすとともに、素子電極分離領域50の導体層3を除去する。
この工程(C−1)は、例えば以下の手順(1)〜(2)を順に行うことによって実施することができる。
手順(1)は、配線パターン4および基板1の上にレジスト12を形成した後、パターニングにより素子電極分離領域50のレジスト12を除去して、レジストを設けない部分を形成する(図1(e)参照)。
手順(2)は、レジストを設けてない部分の導体層3をエッチングしたのち、レジスト12を除去する(図1(f)参照)。
ここで、導体層3をエッチングする場合には、抵抗層2をエッチングしにくいエッチング液を用いることが望ましい。
上記工程(A−1)、(B−1)および(C−1)の工程を実施することにより、素子電極となる導体層3および抵抗層2を具備する抵抗素子60が基板1上に形成される。

0032

抵抗素子をプリント配線板に内蔵するための第2の方法は、下記の(A−2)〜(B−2)の工程を含む方法である(図2図5参照)。
(A−2)工程は、基板1上にパターニングされた抵抗層2を形成する工程である。
(B−2)工程は、前記基板1上に導体層3を形成する工程である。

0033

ここで工程(A−2)では、基板1上に設定した抵抗素子形成領域50の上に抵抗層2が形成されるようにする。前記抵抗素子形成領域50は、所望の抵抗値が得られるように、長方形やミアンダ構造などの適宜形状に設定する。そして、前記抵抗素子形成領域50以外では、基板1が露出された状態とする。
工程(A−2)で、抵抗層2を形成するときには、上述の無電解ニッケル・リンめっき液を用いて抵抗層となるニッケル・リン薄膜を形成する抵抗皮膜形成工程(a)として行われる。
そして、パターニングされた抵抗層2の形成は、基板1の全面に抵抗層2をめっき形成した後、エッチングなどによって不要部を除去する方法でもよいし、あるいは、基板1上の必要部分にのみ抵抗層2をめっき形成する方法でもよい。

0034

酸処理工程(b)、(c)は、酸処理に用いる酸が導体層3に影響を及ぼさないものであれば、いずれの段階でも行うことができる。
基板上の全面に抵抗層2をめっき形成してからエッチングなどによって不要部を除去する方法の場合は、全面に抵抗層2がめっきされた状態で酸処理を施すと均一に処理ができて好ましい。
また、必要部分にのみ抵抗層2をめっき形成する方法の場合は、導体層3を形成する前の方が、導体層3の材料に関係なく酸処理に用いる酸を自由に選択でき、好ましい。
加熱処理工程(d)を行う場合は、酸処理工程(c)の後であればいつの段階で行ってもよく、工程(B−2)の前に行ってもよいし、工程(B−2)の後に行ってもよい。
トリミングを行う場合、トリミング時に発生する熱の影響を抑えるために、加熱処理工程(d)をトリミング工程より前に行うことが好ましい。

0035

基板1の全面にめっきによる抵抗層2を形成し、次に、エッチングなどによって不要部を除去する方法としては、例えば以下の手順(1a)〜(4a)を順に行うことによって実施することができる(図2参照)。
手順(1a)は、基板1の上の全面に抵抗層2を形成する(図2(a)参照)。
手順(2a)は、前記抵抗層2上の抵抗素子形成領域50にレジスト10を形成する(図2(b)参照)。
手順(3a)は、前記レジストを設けられていない部分の抵抗層2をエッチングによって除去する(図2(c)参照)。
手順(4a)は、前記レジスト10を除去する(図2(d)参照)

0036

基板上の必要部分にのみめっきにより抵抗層を形成する第1の方法としては、例えば以下の手順(1b)〜(4b)を順に行うことによって実施することができる(図3参照)。
手順(1b)は、基板1の全面にpd触媒処理(図示せず)を施す(図3(a)参照)。
手順(2b)は、抵抗素子形成領域50を除く前記基板1の全面にレジスト11を形成する(図3(b)参照)。
手順(3b)は、前記基板1のレジストが設けられていない部分(すなわち抵抗素子形成領域50にめっきにより抵抗層2’を形成する(図3(c)参照)。
手順(4b)は、前記レジスト11を除去して、前記抵抗素子形成領域50以外の部分に基板1を露出させる(図3(d)参照)。

0037

基板上の必要部分にのみめっきにより抵抗層をめっき形成する第2の方法としては、以下の手順(1c) 〜(3c)を順に行う方法がある(図示略)。
この方法は、pd触媒が除去された部分にはめっきが析出しない効果を利用したものである。
手順(1c)は、基板全面にpd触媒処理を施した後、抵抗素子形成領域にレジストを形成する。
手順(2c)は、前記基板のレジストが形成されていない部分のpd触媒を、pd除去液によって除去した後、レジストを除去する。この処理により、抵抗素子形成領域にのみpd触媒が残された状態となる。
手順(3c)は、前記基板上に抵抗層をめっきする。この際、基板上のpd触媒除去部分には抵抗層が析出しないので、pd触媒が残された部分である抵抗素子形成領域にのみめっきにより」抵抗層が形成される。

0038

前記工程(B−2)は、前記工程(A−2)においてパターニング形成された抵抗層2に接するように設定された素子電極形成領域に、2つの導体層3を形成する工程である。この2つの導体層3を分離するため、抵抗素子形成領域50と重なるように素子電極分離領域50を設定する。
前記工程(B−2)は、例えば以下の手順(1d)〜(5d)を順に行うことによって実施することができる(図4参照)。
手順(1d)は、パターニングされた抵抗層2’および露出された基板1の上の全面にpd触媒処理(図示せず)を施す(図4(a)参照)。
手順(2d)は、前記抵抗層2’上、素子電極分離領域50にレジスト11を形成する。このとき、前記基板1が露出された部分および抵抗層2上であって、導体層3(素子電極)が形成される部分には、レジストを形成しない(図4(b)参照)。
手順(3d)は、前記基板1上のレジストを形成されていない部分に導体層3をめっきした後、前記レジスト11を除去する(図4(c)参照)。
手順(4d)は、前記素子電極形成領域上の導体層3および素子電極分離領域50上の抵抗層2の上にレジスト12を形成する(図4(d)参照)。
手順(5d)は、前記レジスト12が形成されていない部分の導体層3をエッチングなどにより除去したのち、前記レジスト12を除去する(図4(e)参照)。

0039

以上により、抵抗素子形成領域50に設けられた抵抗層2’と、素子電極形成領域に設けられた導体層3’(素子電極)とからなる抵抗素子が基板1上に形成される。
なお、図4に示す方法では、導体層3’の形成後にレジスト12を除去しているが、前記方法だけでなくレジスト12を残し、手順(4d)において、導体層3’およびレジスト11(めっきレジスト)の上にレジスト12(エッチングレジスト)を形成することもできる。この場合、手順(3d)の工程を省略することができる。

0040

工程(B−2)を行う第2の方法としては、以下の手順(1e)〜(5e)を順に行う方法がある(図5参照)。
手順(1e)は、パターニングされた抵抗層2’および露出された基板1の上の全面にシード層25を形成する。このシード層25は、導電性材料であればよく、無電解めっきで形成される銅、銀、ニッケルなどが用いられる(図5(a)参照)。
手順(2e)は、素子電極形成領域70を除き、前記シード層25の上にレジスト11を形成する(図5(b)参照)。
手順(3e)は、前記レジスト11を形成していない部分に導体層3’をめっき形成する(図5(c)参照)。
手順(4e)は、前記レジスト11を除去する。これにより、素子電極形成領域70にのみ導体層3’を形成することができる(図5(d)参照)。
手順(5e)は、前記導体層3’の下の保護された前記シード層25を除き、余分なシード層25をエッチングで除去する(図5(e)参照)。
前記シード層25は導電性材料からなるので、導体層3’と一体化して素子電極となる。また、素子電極分離領域50において抵抗層2’上の余分なシード層25が除去されるので、シード層25による導体層3’間の短絡は起こらない。
上記手順により、抵抗素子形成領域50に設けられた抵抗層2’と、素子電極形成領域70に設けられた導体層3’(素子電極)とからなる抵抗素子60が基板1上に形成される。

0041

以上の抵抗素子の製造方法によれば、加熱環境下に置かれた場合であっても高い電気抵抗特性を発現し、かつ小さなサイズで高精度に形成できる抵抗素子を得ることができる。
なお、図5に示す方法では、手順(5e)におけるシード層25の除去の際に、シード層25は除去されるが抵抗層2’は侵されない条件で処理(エッチング)をしなくてはならない。
図5に示す方法は、図4に示す方法よりも工程は少なくて済むが、シード層25を除去するための条件設定が難しいので、導体層3’のエッチングの際に、抵抗層2’をレジスト12で覆って保護する図4に示す方法が好ましい。
ただし、図5に示す方法は、図4に示す方法よりも微細な配線の形成に対応することができる。

0042

さらにもう一つの抵抗素子の形成方法として、以下の手順(1f)〜(6f)を順に行う方法がある(図6参照)。
手順(1f)は、基板1上に形成された導体層3(銅箔)の素子電極形成領域70にのみレジストパターン10を形成する工程である(図6(b)参照)。
手順(2f)は、前記レジストパターン10を用いて、前記レジストパターン10が形成されていない部をエッチングによって除去する工程である(図6(c)参照)。
手順(3f)は、前記レジストパターン10を除去して、導電層3’(素子電極層)を露出させる工程である(図6(d)参照)。
手順(4f)は、前記導体層3’(素子電極層)を含む基板全面に抵抗体となるニッケルめっき層2を形成する工程である(図6(e)参照)。
手順(5f)は、前記抵抗素子形成領域50にレジストパターン12を形成する工程である(図6(f)参照)。
手順(6f)は、前記抵抗素子形成領域50以外の部分のニッケルめっき層をエッチングによって除去する工程である(図6(h)参照)。
このニッケルめっき層2のエッチングには、導体層3’(素子電極層)をエッチングしにくい液を選択する必要がある。これにより、エッチング後にレジストパターンを除去し、抵抗素子60を形成することができる。

0043

以下、本発明の実施例および比較例を説明する。
下記の実施例および比較例において、抵抗層のシート抵抗値は、4端針法(三菱化学株式会社製 Loresta MPMCP-T350)により測定したものである。
(実施例1)
下記の組成の無電解ニッケル・リンめっき液を調製した。
硫酸ニッケル六水和物26g/L
・ジエチレントリアミン(錯化剤) 0.27mol/L
・次亜リン酸ナトリウム一水和物30g/L
硝酸鉛1mg/L
イオン交換水残量

0044

上記のめっき液を用いて、浴温度80℃、pH6.0の条件で、ビスマレイミドトリアジン樹脂(以下BT樹脂)からなる厚さ0.4mmの基板1上に、厚さ0.5μmのニッケル・リン薄膜からなる抵抗層2を全面に形成した(工程(A−1)および図1(a)参照)。
無電解めっきにより得られた抵抗層2の直後のシート抵抗値は、200Ω/□であった。

0045

試薬1級硫酸を用いて濃度10体積%の硫酸水溶液を調製した。そして前記抵抗層2を全面に有するBT樹脂基板1を、前記硫酸水溶液に室温で10分間浸漬し、第1酸処理を行った。
前記第1酸処理後の抵抗層2のシート抵抗値は、440Ω/□であった。
次に、第2の酸処理として、20%塩酸からなる塩酸溶液に10分間浸漬し、抵抗値の高抵抗化を行った。この第2酸処理後のシート抵抗値は、884Ω/□のであった。

0046

前記酸処理後、さらに抵抗層2を200℃、30分間の加熱処理を施した。加熱処理後の抵抗層2のシート抵抗値は、815Ω/□であった。
次に、前記酸処理および前記加熱処理を施した抵抗層2上に、無電解銅プロセス(シプレイファーイーストCUPOSIT)を用い、0.3μmの厚さのめっきを施し、さらに電解銅めっきにより、10μmの厚さのめっきを施し、導体層3を形成した(工程(B−1)の手順(1)および図1(b)参照)。

0047

次に、前記導体層3の上にネガ型ドライフィルムレジスト10(日立化成工業株式会社製、RY-3315)をラミネートした。そして、ネガパターン(図示略)を通して前記レジスト10を紫外線により選択的に露光した。ここで、前記ネガパターンは、抵抗素子形成領域50のレジスト10が露光されるようにデザインした。また、前記レジスト10の非露光部は、現像液(1%炭酸ナトリウム水溶液)を用いて温度30℃で除去した(工程(B−1)の手順(2)および図1(c)参照)。

0048

前記レジスト10が形成されていない部分に露出した導体層3を、塩化鉄(III)溶液を用いて65℃でエッチング除去した後に、露出した抵抗層2を、硫酸銅硫酸溶液(硫酸銅250g/L、硫酸5ml/L)を用いて、90℃の条件でエッチング除去した。
次に、剥離液(5%水酸化ナトリウム水溶液)を用いて、前記レジスト10を除去した。これにより、導体層3および抵抗層2’からなる配線パターン4を抵抗素子形成領域60に形成した(工程(B−1)の手順(3)および図1(d)参照)。

0049

導体層3および露出した基板1の上にネガ型ドライフィルムレジスト12(日立化成工業株式会社製、RY-3315)をラミネートした。次に、ネガパターン(図示略)を通してレジスト12に紫外線により選択的に露光した。
ネガパターンは、素子電極分離領域50を除く領域でレジスト12が露光されるようにデザインした。レジスト12の非露光部は、現像液(1%炭酸ナトリウム水溶液)を用いて温度30℃で除去した(工程(C−1)の手順(1)および図1(e)参照)。

0050

アルカリ性エッチング液メルテックス株式会社製「Aプロセス」)を用いてレジスト12を形成していない部分50(すなわち素子電極分離領域50)の導体層3aをエッチング除去した。
次に、剥離液(5%水酸化ナトリウム水溶液)を用いてレジスト12を除去した(工程(C−1)の手順(2)および図1(f)参照)。
以上により、抵抗層2’とこの抵抗層2’に接して形成された2つの導体層5(素子電極)を有する抵抗素子60を基板1上に製造した。
得られた抵抗素子60は、加熱環境下に置かれた場合であっても高い電気抵抗特性を発現し、熱安定性の優れるものであった。

0051

(実施例2)
下記の組成の無電解ニッケル・リンめっき液を調製した。
・硫酸ニッケル六水和物26g/L
・α-アラニン(錯化剤) 35.6g/L
・次亜リン酸ナトリウム一水和物30g/L
・硝酸鉛1mg/L
・イオン交換水残量

0052

上記のめっき液を用いて浴温度65℃、pH6.0の条件でビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)からなる厚さ0.4mmの基板1上に、厚さ0.5μmのニッケル・リン薄膜からなる抵抗層2を全面に形成した(工程(A−12の手順(1a)および図2(a)参照)。
得られた抵抗層2の無電解めっき直後のシート抵抗値を測定したところ、100Ω/□であった。

0053

試薬1級塩酸を用いて濃度20体積%の塩酸水溶液を調製した。前記抵抗層2が全面に形成されたBT樹脂基板1を前記塩酸水溶液に室温で3分間浸漬し、酸処理を行った。
酸処理後の抵抗層2のシート抵抗値を測定したところ、1000Ω/□であった。
第1の酸処理後に第2の酸処理として、過硫酸アンモニウム5g/Lの溶液に5分間浸漬し、第2の酸処理を行った。シート抵抗を測定すると、シート抵抗はさらに上昇し、1200Ω/□を示した。
酸処理後、めっき膜を安定化させるために、抵抗層2に200℃、300分間の加熱処理を施した。熱処理後の抵抗層2のシート抵抗値を測定したところ、1140Ω/□であった。

0054

酸処理および加熱処理を施した抵抗層2の上に、ネガ型ドライフィルムレジスト(日立化成工業株式会社製、RY-3315)をラミネートした。
次いで、ネガパターン(図示略)を通して紫外線を照射し、前記レジストを選択的に露光した。ネガパターンは所望の抵抗素子形成領域50を除くレジストが露光されるようにデザインした。露光後、現像液(1%炭酸ナトリウム水溶液)を用いて温度30℃、60秒ディップにてレジストの非露光部を除去した。露光部にレジストパターン10が残り、抵抗素子形成領域50を覆うレジストパターン10が得られた。(工程(A−2)の手順(2a)および図2(b)参照)。

0055

部分の抵抗層2を硫酸銅—硫レジストパターン10非形成酸溶液(硫酸銅250g/L、硫酸5ml/L)を用いて90℃でエッチング除去し、抵抗素子形成領域50の外側に基板1を露出させた。(工程(A−2)の手順(3a)および図2(c)、図2(c)参照)。
次に、剥離液(5%水酸化ナトリウム水溶液)を用いてレジストパターン10を除去した。
以上により、基板1上の抵抗素子形成領域50にパターニングされた抵抗層2’を形成した。(工程(A−2)の手順(4a)および図2(d)参照)。

0056

パターニングされた抵抗層2’を有する基板1の全面にPd触媒(図示略)を付与した(工程(B−2))の手順(1d)および図4(a)参照)。
この上に、ネガ型ドライフィルムレジスト(日立化成工業株式会社製、RY-3315)をラミネートした。次いで、ネガパターン(図示略)を通して紫外線を照射し、前記レジストを選択的に露光した。
ネガパターンは、前記パターニングされた抵抗層2aの上のレジストが露光されるようにデザインした。露光後、現像液(1%炭酸ナトリウム水溶液)を用いて温度30℃、60秒ディップにてレジストの非露光部を除去した。露光部にレジストが残り、素子電極分離領域50を覆うレジストパターン11を得た(工程(B−2)の手順(2d)および図4(b)参照)。

0057

レジストパターン11を形成していない部分に無電解銅めっき液(メルテックス株式会社製、CU-390)を用いて0.3μmの厚さにめっきし、さらに電解銅めっきで10μmの厚さにめっきして、導体層3とした。剥離液(5%水酸化ナトリウム水溶液)を用いてレジストパターン11を除去した(工程(B−2))の手順(3d)および図4(c)参照)。

0058

抵抗層2aおよび導体層3の上にネガ型ドライフィルムレジスト(日立化成工業株式会社製、RY-3315)をラミネートした。次いで、ネガパターン(図示略)を通して紫外線を照射し、前記レジストを選択的に露光した。抵抗層2aに接して導体層3が2箇所に分離されるように素子電極形成領域50を設定し、ネガパターンは、素子電極形成領域および素子電極分離領域50上のレジストが露光されるようにデザインした。
露光後、温度30℃にて現像液(1%炭酸ナトリウム水溶液)を用いてレジストの非露光部を除去した。これにより、素子電極分離領域50に露出された抵抗層2’ならびに素子電極形成領域の導体層3を保護するようにレジストパターン12を形成した。(工程(B−2)の手順(4d)参照)。

0059

レジスト12を形成していない部分の導体層を、塩化鉄(III)溶液を用いて65℃でエッチング除去し、素子電極形成領域に残した導体層3’により素子電極を形成した。次に、剥離液(5%水酸化ナトリウム水溶液)を用いてレジスト12を除去した(工程(B−2)の手順(5d)および図4(e)参照)。
以上により、抵抗層2’とこの抵抗層2’に接して形成された2つの導体層3’(素子電極)を有する抵抗素子60を基板1上に製造した。
得られた抵抗素子は、加熱環境下に置かれた場合であっても高い電気抵抗特性を発現し、熱安定性の優れるものであった。

0060

(実施例3)
この実施例について図6を用いて、詳細に説明する。
図6(a)のように、配線基板にビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)からなる厚さ0.4mmの基板1上に12μmの銅箔が積層された基板を使用し、まず抵抗体の電極部を形成するため、図6(b)のようにレジストパターン10を形成する。レジストパターン10の形成は、銅箔表面の全面にドライフィルムレジスト(日立化成工業株式会社製、RY-3315)をラミネートし、パターン形成部に紫外線を露光後、1%炭酸ナトリウム溶液現像を行い形成した。
レジストパターン10を形成後に、導体層を、塩化鉄(III)溶液を用いて、65℃でエッチング除去し、抵抗電極部3’を形成した(図6(c)参照)。
エッチング後に剥離液(5%水酸化ナトリウム水溶液)を用いてレジスト10を除去した(図6(d))参照)。

0061

下記の組成の無電解ニッケル・リンめっき液を調製した。
・硫酸ニッケル六水和物26g/L
・α-アラニン(錯化剤) 35.6g/L
・次亜リン酸ナトリウム一水和物30g/L
・硝酸鉛1mg/L
・イオン交換水残量
上記のめっき液を用いて浴温度65℃、pH6.0の条件で電極3’を含む基板全面にニッケルめっき膜を0.5μmの厚さに形成した(図6(e)参照)。
得られた抵抗層2の無電解めっき直後のシート抵抗値を測定したところ、100Ω/□であった。
次に、試薬1級塩酸を用いて、濃度20体積%の塩酸水溶液を調製した。そして、前記抵抗層22が全面に形成されたBT樹脂基板1を、前記塩酸水溶液に、室温で3分間浸漬し、酸処理を行った。
前記酸処理後の抵抗層2のシート抵抗値を測定したところ、1000Ω/□であった。

0062

次に、第1の酸処理後に、第2の酸処理として、過硫酸アンモニウム5g/Lの溶液に5分間浸漬し、第2の酸処理を行った。
前記抵抗層2のシート抵抗を測定すると、シート抵抗はさらに上昇し、1200Ω/□を示した。
そして、 酸処理後、めっき膜を安定化させるために、抵抗層2に200℃、30分間の加熱処理を施した。加熱処理後の抵抗層2のシート抵抗値を測定したところ、1140Ω/□であった。
熱処理後に抵抗体領域50のめっき膜をパターニングするために、基板全面にドライフィルムレジスト(日立化成工業株式会社製、RY-3315)をラミネートし、前記ドライフィルムレジストを、上記と同様に露光現像し、抵抗体形成領域50にレジストパターン12を形成した(図6(f)参照)。
なお、レジストパターン形成部以外のニッケル膜は、硫酸銅—硫酸溶液(硫酸銅250g/L、硫酸5ml/L)を用いて、90℃でエッチング除去した(図6(g)参照)。
エッチング後に、剥離液(5%水酸化ナトリウム水溶液)を用いてレジスト12を除去した(図6(h)参照)。
以上の工程で、抵抗層2’と、この抵抗層2’に接して形成された2つの導体層3’(素子電極)を有する抵抗素子60を基板1上に製造した。
得られた抵抗素子は、加熱環境下に置かれた場合であっても高い電気抵抗特性を発現し、熱安定性の優れるものであった。

0063

(比較例1)
実施例2における第2酸処理を行わない以外は、実施例2と同様な条件で抵抗素子を形成した。
抵抗層の抵抗層2のシート抵抗値を測定したところ、1000Ω/□であった。
しかし、所望の抵抗層のシート抵抗値である1200Ω/□より小さい値で、そのまま抵抗素子として使用することは困難であった。

0064

本発明は、プリント基板の抵抗素子、特に、プリント配線板に内蔵される抵抗素子として利用することができる。

図面の簡単な説明

0065

本発明の抵抗素子の製造方法の一例を示す説明図である。
本発明の抵抗素子の製造方法の一例を示す説明図である。
本発明の抵抗素子の製造方法の一例を示す説明図である。
本発明の抵抗素子の製造方法の一例を示す説明図である。
本発明の抵抗素子の製造方法の一例を示す説明図である。
本発明の抵抗素子の製造方法の一例を示す説明図である。

符号の説明

0066

1・・・基板
2、2’・・・抵抗層
3、3’・・・導体層
4・・・配線パターン
60・・・抵抗素子

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