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技術 蛍石の製造方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 八嶋浩二
出願日 2005年8月31日 (15年4ヶ月経過) 出願番号 2005-251676
公開日 2007年3月15日 (13年9ヶ月経過) 公開番号 2007-063073
状態 特許登録済
技術分野 特定物質の除去 アルカリ土類,Al,希土類金属化合物
主要キーワード pH計 最終排水 反応回数 廃液ライン フッ素吸着剤 進行度合い 各反応槽 取り出し作業
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

蛍石純度を高めること」と「最終排水中のフッ素濃度下げること」とを実現可能性高く両立できるようにした蛍石の製造方法を提供する。

解決手段

第1のタイミングで、最下流側の反応槽内に最新石灰を入れて最終排水のpHをアルカリ側にする第1工程と、第2のタイミングで、最下流側の反応槽内に最新の石灰を追加して最終排水のpHをアルカリ側にする第2工程と、第3のタイミングで、最上流側の反応槽内から生成されたフッ化カルシウムを取り出すと共に、配管の接続を切り替えて最上流側の反応槽を最下流側にし、それ以外の反応槽を上流側に一つずつ繰り上げる第3工程と、を含み、第1、第2及び第3工程を当該順序で繰り返し行う。第1、第2及び第3のタイミングはそれぞれ、最終排水のpHがアルカリ側から7まで下がったときである。

概要

背景

この種の従来技術としては、例えば特許文献1がある。即ち、特許文献1は、本発明者による発明であって、フッ酸を含む利用済み薬液(以下、「HF廃液」という。)を石灰と反応させてフッ化カルシウム蛍石)を生成する工程を含み、フッ化カルシウムの生成は、pH7を超える状態から行い、pH7以下(好ましくはpH7〜3)となったときに、フッ化カルシウムを反応系から回収する、というものであった。このような構成であると、石灰の大部分に対してHF廃液が反応するので、高純度(例えば90%以上)のフッ化カルシウムを回収することができる。
特開2005−97083号公報

概要

「蛍石の純度を高めること」と「最終排水中のフッ素濃度下げること」とを実現可能性高く両立できるようにした蛍石の製造方法を提供する。 第1のタイミングで、最下流側の反応槽内に最新の石灰を入れて最終排水のpHをアルカリ側にする第1工程と、第2のタイミングで、最下流側の反応槽内に最新の石灰を追加して最終排水のpHをアルカリ側にする第2工程と、第3のタイミングで、最上流側の反応槽内から生成されたフッ化カルシウムを取り出すと共に、配管の接続を切り替えて最上流側の反応槽を最下流側にし、それ以外の反応槽を上流側に一つずつ繰り上げる第3工程と、を含み、第1、第2及び第3工程を当該順序で繰り返し行う。第1、第2及び第3のタイミングはそれぞれ、最終排水のpHがアルカリ側から7まで下がったときである。

目的

そこで、本発明は、上記の第1、第2の問題点に鑑みてなされたもので、「蛍石の純度を高めること」と「最終排水中のフッ素濃度を下げること」とを実現可能性高く両立できるようにした蛍石の製造方法の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電子デバイス製造過程から排出されるフッ酸を含む利用済み薬液石灰と反応させるためのn(n:3以上の整数)個の反応槽と、前記利用済み薬液がn個の前記反応槽を所定の順番で流れるように各々の前記反応槽間に設けられた配管とを有し、前記配管の接続を切り替えることで前記順番が入れ替わるように構成された処理装置に、前記利用済み薬液を投入して前記フッ酸と前記石灰とを反応させ、フッ化カルシウム蛍石)を生成する方法であって、第1のタイミングで、前記順番がn番目の前記反応槽内に最新の石灰を入れて当該反応槽から排出される前記利用済み薬液のpHをアルカリ側にする第1工程と、第2のタイミングで、前記順番がn番目の前記反応槽内に最新の石灰を追加して当該反応槽から排出される前記利用済み薬液のpHをアルカリ側にする第2工程と、第3のタイミングで、前記順番が1番目の前記反応槽内から前記フッ酸と前記石灰との反応によって生成された前記フッ化カルシウムを取り出すと共に、前記配管の接続を切り替えて前記1番目の前記反応槽の順番をn番目にし、それ以外の前記反応槽の順番を一つずつ繰り上げる第3工程と、を含み、前記第1、第2及び第3工程を当該順序で繰り返し行い、前記第1、第2及び第3のタイミングはそれぞれ、前記順番がn番目の前記反応槽内の前記利用済み薬液のpHがアルカリ側から所定値まで下がったときであることを特徴とする蛍石の製造方法。

請求項2

前記nは3又は4であることを特徴とする請求項1に記載の蛍石の製造方法。

請求項3

前記所定値はpH7であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蛍石の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、蛍石の製造方法に関し、特に、電子デバイスを製造する実際の現場で、「最終排水中のフッ素濃度下げること」と「蛍石の純度を高めること」とを両立できるようにしたものである。

背景技術

0002

この種の従来技術としては、例えば特許文献1がある。即ち、特許文献1は、本発明者による発明であって、フッ酸を含む利用済み薬液(以下、「HF廃液」という。)を石灰と反応させてフッ化カルシウム(蛍石)を生成する工程を含み、フッ化カルシウムの生成は、pH7を超える状態から行い、pH7以下(好ましくはpH7〜3)となったときに、フッ化カルシウムを反応系から回収する、というものであった。このような構成であると、石灰の大部分に対してHF廃液が反応するので、高純度(例えば90%以上)のフッ化カルシウムを回収することができる。
特開2005−97083号公報

発明が解決しようとする課題

0003

ところで、上記文献記載の方法によれば、反応系のpHが特に5以下3以上となったときにフッ酸(HF)と石灰との反応を終了させ、反応系からフッ化カルシウムを回収することにより、フッ化カルシウムの純度を98%付近まで近づけることが可能であった。
しかしながら、上記文献記載の方法では、フッ化カルシウムの純度を高めるほどに、フッ化カルシウムを回収した後のHF廃液(以下、最終排水という。)のpHが低くなりフッ素濃度が高くなるので、フッ素吸着剤(例えば、消石灰(Ca(OH)2)やポリ塩化アルミニウム(PAC)等)を多量に使用して最終排水中のフッ素濃度を下げなければならない、という問題があった(第1の問題点)。

0004

このような問題を解決するために、本発明者は、図9(A)〜(C)に示すような処理装置90を用いて、HF廃液を処理する(即ち、蛍石を製造する)方法を新たに考え出した。即ち、この処理装置90は、5つの巨大反応槽91〜95を備え、HF廃液は各反応槽91〜95で処理されながら、反応槽91から反応槽95に向けて一方向に少しずつ流れるようになっている。

0005

図9(A)に示すように、この処理装置90では、HF廃液の流れから見て最上流側ある反応槽91に石灰Aが配置され、その後段の反応槽92に石灰Bが配置され、以下同様に、反応槽93には石灰Cが、反応槽94には石灰Dが、反応槽95には石灰Eがそれぞれ配置されている。図9(A)〜(C)において、石灰A〜Eの括弧内の数値は、HF廃液との反応回数を示す。図9(A)に示すように、この処理装置90では、反応回数が多い(即ち、蛍石化が進んでいる)石灰ほど上流側に配置され、反応回数が少ない(即ち、蛍石化が進んでいない)石灰ほど下流側に配置されている。

0006

そして、このHF廃液の処理方法では、反応槽91から反応槽95に向けてHF廃液を流し、各槽91〜95内で石灰A〜EとHF廃液との反応処理をそれぞれ行う。このとき、各反応槽内の反応系は、上流側の反応槽ほどフッ素が支配的で、下流側の反応槽ほど石灰が支配的となる。つまり、HF廃液のpHは下流に進むほど高くなり、フッ素濃度は低くなっていく。

0007

また、この処理方法では、最下流側の反応槽95から排出されたHF廃液(即ち、最終排水)のpHを常時測定する。そして、最終排水のpHが7まで下がったら各反応槽91〜95での反応処理を一旦終了させ、図9(B)の破線矢印で示すように、反応槽91から5回目の処理を終えた石灰A(この時点で、石灰Aは例えば純度98%以上の蛍石となっている。)を取り出す。また、石灰Bを空になった反応槽91へ移す。さらに、石灰Cを反応層92へ、石灰Dを反応層93へ、石灰Eを反応層94へそれぞれ移す。

0008

そして、図9(C)に示すように、空になった反応槽95には最新の石灰Fを入れる。その後で、反応槽91から反応槽95に向けてHF廃液を流してその処理を再開する。このような石灰の入替えによって、特に反応槽94,95内の反応系は石灰支配が強まり、最終排水のpHは再び7以上となる。このように、図9(A)〜(C)に示す処理方法では、上記文献記載の方法と比べて、最終排水のpHを7以上に維持することができるので、最終排水中のフッ素濃度を大きく低減できる。それゆえ、フッ素吸着剤の使用量を低減することができる、という効果がある。

0009

しかしながら、その一方で、この図9(A)〜(C)に示す処理方法は、反応槽の数が多いのでその管理が大変であることが予想される。また、最終排水のpHが7まで下がるたびに、反応槽92〜95内の石灰をそれぞれ上流側の反応槽に入替えしなければならないので手間がかかる。このような理由から、図9(A)〜(C)に示す処理方法は実際の現場(即ち、電子デバイスを製造する量産工場)では実施されず、「蛍石の純度を高めること」と「最終排水中のフッ素濃度を下げること」との両立は実現できていなかった(第2の問題点)。

0010

そこで、本発明は、上記の第1、第2の問題点に鑑みてなされたもので、「蛍石の純度を高めること」と「最終排水中のフッ素濃度を下げること」とを実現可能性高く両立できるようにした蛍石の製造方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記目的を達成するために、発明1の蛍石の製造方法は、電子デバイスの製造過程から排出されるフッ酸を含む利用済み薬液を石灰と反応させるためのn(n:3以上の整数)個の反応槽と、前記利用済み薬液がn個の前記反応槽を所定の順番で流れるように各々の前記反応槽間に設けられた配管とを有し、前記配管の接続を切り替えることで前記順番が入れ替わるように構成された処理装置に、前記利用済み薬液を投入して前記フッ酸と前記石灰とを反応させ、フッ化カルシウム(蛍石)を生成する方法であって、第1のタイミングで、前記順番がn番目の前記反応槽内に最新の石灰を入れて当該反応槽から排出される前記利用済み薬液のpHをアルカリ側にする第1工程と、第2のタイミングで、前記順番がn番目の前記反応槽内に最新の石灰を追加して当該反応槽から排出される前記利用済み薬液のpHをアルカリ側にする第2工程と、第3のタイミングで、前記順番が1番目の前記反応槽内から前記フッ酸と前記石灰との反応によって生成された前記フッ化カルシウムを取り出すと共に、前記配管の接続を切り替えて前記1番目の前記反応槽の順番をn番目にし、それ以外の前記反応槽の順番を一つずつ繰り上げる第3工程と、を含み、前記第1、第2及び第3工程を当該順序で繰り返し行い、前記第1、第2及び第3のタイミングはそれぞれ、前記順番がn番目の前記反応槽内の前記利用済み薬液のpHがアルカリ側から所定値まで下がったときであることを特徴とするものである。

0012

ここで、「石灰」とは、例えば炭酸カルシウム、又は水酸化カルシウム(消石灰)のことである。また、「最新の石灰」とは、フッ酸との反応がそれほど進んでいない、又はフッ酸と未反応の石灰のことである。さらに、「第1、第2及び第3工程を当該順序で繰り返し行い」とは、これらの工程を、第1工程→第2工程→第3工程→第1工程→第2工程→第3工程→第1工程・・・の順で繰り返し行う、ということである。

0013

発明2の蛍石の製造方法は、発明1の蛍石の製造方法において、前記nは3又は4であることを特徴とするものである。
発明3の蛍石の製造方法は、発明1又は発明2の蛍石の製造方法において、前記所定値はpH7であることを特徴とするものである。
ここで、図8は、反応系のpHと処理時間との関係を示す図である。図8横軸はフッ素と石灰との反応処理を開始してからの時間(即ち、処理時間)を示す。また、図8縦軸は反応系のpHを示す。反応系に加熱や加圧をしていない(即ち、常温、常圧)場合、粒径(直径)300μm以下の石灰であれば、1000〜10000ppm以下のフッ酸との中和点(pH7)に至るまでの時間tの3.5倍以上の時間をかけて反応させると、石灰は天然蛍石(純度98%)以上に蛍石化される。粒径が300μmを超える石灰の場合は、tの5倍以上の時間をかけて反応させると純度98%以上に蛍石化される。

0014

発明1〜3の蛍石の製造方法によれば、上流側の反応槽にはフッ酸との反応処理がある程度進んだ石灰を配置し、下流側の反応槽には最新の石灰を配置した状態で、フッ酸と石灰との反応処理を行う。このような構成であれば、「蛍石の純度を高めること」と「処理装置から出される最終排水中のフッ素濃度を下げること」との両立が可能である。
また、図9(A)〜(C)で示したHF廃液の処理方法と比べて、フッ酸との反応回数が異なる(即ち、蛍石化の進行度合いが異なる)2種類の石灰を同一の反応槽内で処理するので、その槽数を少なくでき管理が容易である。さらに、反応槽からの石灰の取り出し作業は、毎回、最上流側(即ち、順番が1番目)の反応槽だけに対して行えばよく、それ以外の反応槽に対しては不要であるため手間が少なくて済む。それゆえ、図9(A)〜(C)で示したHF廃液の処理方法と比べて、実際の現場での実施が容易であり、実現可能性が高い。

0015

特に、n=3又は4の場合は、図で示したHF廃液の処理方法と比べて、反応槽の個数が少ないので、実際の現場での実現可能性は極めて高い。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蛍石製造装置100の構成例を示す概念図である。この蛍石製造装置100は、電子デバイスの製造工場から排出されるHF廃液を石灰(例えば、炭酸カルシウム)と反応させ、フッ化カルシウム(蛍石)を生成する装置である。
図1に示すように、この蛍石製造装置100は、3つの反応槽1〜3と、各反応槽1〜3間に設けられた配管t12,23,31とを含んだ構成となっている。反応槽1〜3は、それぞれその内側に図示しない攪拌翼を有し、反応槽1〜3内でHF廃液を攪拌するようになっている。また、反応槽1〜3にはそれぞれ図示しないpH計が設けられており、反応槽内で処理されているHF廃液のpH(以下、「反応槽内のpH」という。)を測定できるようになっている。反応槽1〜3内でHF廃液を処理(即ち、蛍石を製造する)際には、それぞれの内側に石灰が配置される。

0017

図1に示す配管t12は反応槽1から反応槽2にHF廃液を送るためのものであり、配管t23は反応槽2から反応槽3にHF廃液を送るためのものであり、配管t31は反応槽3から反応槽1にHF廃液を送るためのものである。また、各反応槽1〜3には、工場のHF廃液ラインと直接繋がる廃液導入管T1〜3がそれぞれ設けられている。図1に示すように、これら廃液導入管T1〜T3にはそれぞれバルブV1〜V3が設けられており、これらを開閉することによって、各反応槽1〜3内に未処理のHF廃液が導入されるようになっている。

0018

また、配管t12の中間には三方弁V11を介して排出管T11が、配管t23の中間には三方弁V12を介して排出管T12が、配管t31の中間には三方弁V13を介して排出管T13がそれぞれ設けられている。この蛍石製造装置100では、三方弁V11を反応槽2側に対して閉じ、排出管T11側に開くことによって、反応槽1内のHF廃液を蛍石製造装置100の外部に排出することが可能となっている。また、三方弁V12を反応槽3側に対して閉じ、排出管T12側に開くことによって、反応槽2内のHF廃液を蛍石製造装置100の外部に排出することが可能となっている。さらに、三方弁V13を反応槽1側に対して閉じ、排出管T13側に開くことによって、反応槽3内のHF廃液を蛍石製造装置100の外部に排出することが可能となっている。

0019

次に、上述の蛍石製造装置100を用いてHF廃液を処理(即ち、蛍石を製造)する方法について説明する。図2(A)〜図7は、本発明の実施の形態に係る蛍石の製造方法を示す概念図である。
まず始めに、図2(A)に示すように、反応槽1内に最新の石灰Wを投入する。反応槽1に対する石灰の投入量は、例えば3.2tonである。また、石灰Wの粒径(直径φ)は例えば300μm以下である。なお、石灰の括弧内の数値はHF廃液との反応回数を示す。例えば石灰W(1)は、HF廃液との反応回数が1回目(即ち、最新)であることを示している。以下で説明する石灰W〜G・・・は、それぞれ反応槽に対する投入量が例えば3.2tonで、その粒径(直径φ)は例えば300μm以下であるものとする。

0020

反応槽1内に石灰Wを例えば3.2ton投入した後で、バルブV1〜V3及び三方弁V11〜V13(図1参照。)を選択的に開閉して、図2(A)に示すように、HF廃液の流れを反応槽1→反応槽2→反応槽3→最終排水の順にする。なお、蛍石製造装置100に入ってくる未処理のHF廃液の濃度は例えば1000〜10000ppmに設定しておく。ppmはmg/lと同義である。さらに、蛍石製造装置100に対するHF廃液の投入流量は例えば2t/hr以下に設定しておく。

0021

次に、HF廃液を反応槽1内に入れ、反応槽1内の図示しない攪拌翼を攪拌させて、石灰とHF廃液との反応処理(CaCO3+2HF→CaF2+CO2+H2O)を開始する。攪拌翼による攪拌速度は例えば1000rpmである。そして、反応槽1内の図示しないpH計で、反応槽1内のpHを常時測定する。反応槽1内にHF廃液が所定量溜まった後は、反応槽1からHF廃液が溢れ出ない程度に、処理後のHF廃液を下流側の反応槽2に送る。

0022

反応槽1では、時間の経過と共にHF廃液のpHが11付近から徐々に下がり、反応処理を開始してから例えば2ヶ月が経過したにはpHが7まで下がる(即ち、中和点に到達する)。そこで、反応槽1内のpHが7まで下がったら、反応槽1内での反応処理を一旦停止し、図2(B)に示すように、反応槽1内の石灰Wの上に最新の石灰Xを投入する。そして、石灰とHF廃液との反応処理を再開する。この石灰Xの投入によって、反応槽1内のpHは再び11付近まで戻るので、反応槽3から出される最終排水のpHは7以上に維持される。

0023

次に、反応槽1内のpHが再び7まで下がったら、今度は図3(A)に示すように反応槽2内に最新の石灰Yを投入する。そして、反応槽1内で図示しない攪拌翼を攪拌させて、石灰とHF廃液との反応処理を開始する。これにより、反応槽2内に送られてきたHF廃液のpHは7から11付近まで上昇するので、反応槽3から出される最終排水はpH7以上に維持される。

0024

次に、反応槽2内のpHが7まで下がったら反応槽2内の石灰Yの上に最新の石灰Zを投入(図3(B)参照。)する。さらに、反応槽2内のpHが再び7まで下がったら反応槽3内に最新の石灰Aを投入する(図4(A)参照。)。これにより、反応槽3内に送られてきたHF廃液のpHは7から11付近まで上昇するので、反応槽3から出される最終排水はpH7以上に維持される。そして、反応槽3内のpHが7まで下がったら反応槽3内の石灰Aの上に最新の石灰Bを投入する(図4(B)参照。)。このように、HF廃液のpHの低下とタイミングを合わせて下流側の反応槽に最新の石灰を投入することにより、最終排水のpHは7以上に維持される。

0025

そして、図4(B)において、反応槽3内のpHが再び7まで下がったら、蛍石製造装置100による石灰とHF廃液との反応処理を一旦停止し、反応槽1から石灰Wと石灰Xとを取り出す。括弧内の数値が示すように、石灰W及び石灰Xは、HF廃水と6回又は5回の反応処理を繰り返している(即ち、図8に示した時間tの5倍、又は6倍に近い時間をかけてHFと反応させている)ので、その表面から中心部へと蛍石化が進み、反応槽1から取り出す頃には純度98%以上の蛍石となっている。

0026

次に、図5(A)に示すように、空になった反応槽1内に最新の石灰Cを投入する。そして、図1に示したバルブV1〜V3及び三方弁V11〜V13を選択的に開閉して、図5(A)に示すように、HF廃液の流れを反応槽2→反応槽3→反応槽1→最終排水の順にする。このように配管の接続を切り替えた後で、石灰とHF廃液との反応処理を再開すると、反応槽1内に送られてくるHF廃液のpHは、最新の石灰Cによって7から11付近まで戻されるので、最終排水はpH7以上に維持される。次に、例えば2ヶ月が経過し、反応槽3内のpHが7まで下がったら、図5(B)に示すように反応槽1内の石灰Cの上に最新の石灰Dを投入する。これにより、反応槽1内のpHは再び11付近まで上昇する。

0027

さらに例えば2ヶ月が経過し、反応槽1内のpHが再び7まで下がったら、蛍石製造装置100による反応処理を一旦停止し、反応槽2から石灰Yと石灰Zとを取り出す。括弧内の数値が示すように、これら石灰Y及び石灰Zも、先に取り出した石灰W及び石灰Xと同様に、HF廃水と6回又は5回の反応処理を繰り返している(即ち、図8に示した時間tの5倍、又は6倍に近い時間をかけて反応させている)ので、反応槽2から取り出す頃には純度98%以上の蛍石となっている。

0028

次に、図6(A)に示すように、空になった反応槽2内に最新の石灰Eを投入する。そして、図1に示したバルブV1〜V3及び三方弁V11〜V13を選択的に開閉して、図6(A)に示すように、HF廃液の流れを反応槽3→反応槽1→反応槽2→最終排水の順にする。このように配管の接続を切り替えた後で、石灰とHF廃液との反応処理を再開すると、反応槽2内に送られてくるHF廃液のpHは、最新の石灰Eによって7から11付近まで戻されるので、最終排水はpH7以上に維持される。

0029

次に、反応槽2内のpHが7まで下がったら、反応槽2内に最新の石灰Fを入れる(図6(B)参照。)。さらに、反応槽2内のpHが再び7まで下がったら、蛍石製造装置100による反応処理を一旦停止し、反応槽3内から石灰Aと石灰Bとを取り出す。括弧内の数値が示すように、これら石灰A及び石灰Bも、先に取り出した石灰W及び石灰Xと同様に、HF廃水と6回又は5回の反応処理を繰り返している(即ち、図8に示した時間tの5倍、又は6倍に近い時間をかけて反応させている)ので、反応槽3から取り出す頃には純度98%以上の蛍石となっている。

0030

次に、図7に示すように、空になった反応槽3内に最新の石灰Gを入れる。そして、図1に示したバルブV1〜V3及び三方弁V11〜V13を選択的に開閉して、図7に示すように、HF廃液の流れを反応槽1→反応槽2→反応槽3→最終排水の順にする。つまり、図4(A)に示した反応処理の形態に戻る。以降は、図4(A)〜図7の繰り返しである。

0031

このように、本発明の実施の形態によれば、上流側の反応槽にはHFとの反応処理がある程度進んだ石灰を配置し、下流側の反応槽には最新の石灰を配置した状態で、HFと石灰との反応処理を行う。このような構成であれば、「蛍石の純度を高めること」と「処理装置から出される最終排水中のフッ素濃度を下げること」との両立が可能である。
また、図9で示したHF廃液の処理方法と比べて、HFとの反応回数が異なる2種類の石灰を同一の反応槽内で処理するので、反応槽の数を少なくでき、その管理が容易である。反応槽の数が少ないとその占有面積も少なくて済む場合が多いので、メリットが大きい。さらに、反応槽からの石灰の取り出し作業は、毎回、最上流側の反応槽(即ち、HF廃液が最初に流れてくる反応槽)だけに対して行えばよく、それ以外の反応槽に対しては不要であるため手間が少なくて済む。それゆえ、図9で示したHF廃液の処理方法と比べて、実際の現場での実施が容易であり、実現可能性が極めて高い。

0032

この実施の形態では、HF廃液が本発明の「フッ酸を含む利用済み薬液」に対応し、蛍石製造装置100が本発明の「処理装置」に対応している。また、例えば、石灰Y及び石灰Zが配置された反応槽2のpHが7まで下がったときが本発明の「第1のタイミング」に対応し、石灰Aが配置され且つ石灰Bが配置されていない反応槽3のpHが7まで下がったときが本発明の「第2のタイミング」に対応し、石灰A及び石灰Bが配置された反応槽3のpHが7まで下がったときが本発明の「第3のタイミング」に対応している。

0033

なお、この実施の形態では、各反応槽1〜3内の反応系に対して加熱や加圧を行わない場合について説明した。しかしながら、HFと石灰との反応は、石灰中のフッ素拡散速度に律速されるので、例えば、反応系の温度を高めたり、圧力を高めたり、HF廃液の初期のHF濃度を高くしたり、石灰の粒径を小さくしたりすることで、HFと石灰との反応を促進させることが可能である(但し、石灰の粒径についてはあまり小さくし過ぎると、投入、取り出しの作業が煩雑になるので、注意が必要である。)。

0034

また、この実施の形態では、nが3(即ち、反応槽の数が3)の場合について説明したが、本発明のnはこれに限られることはなく、例えばnが4でも良い。nを増やすと反応槽の数が増えるのでその管理に手間がかかるが、その一方で、最上流側の石灰は蛍石化がより進むので、蛍石の純度をより高めることが可能である。

図面の簡単な説明

0035

本発明の実施の形態に係る蛍石製造装置100の構成例を示す図。
本発明の実施の形態に係る蛍石の製造方法を示す図(その1)。
本発明の実施の形態に係る蛍石の製造方法を示す図(その2)。
本発明の実施の形態に係る蛍石の製造方法を示す図(その3)。
本発明の実施の形態に係る蛍石の製造方法を示す図(その4)。
本発明の実施の形態に係る蛍石の製造方法を示す図(その5)。
本発明の実施の形態に係る蛍石の製造方法を示す図(その6)。
反応系のpHと処理時間との関係を示す図。
処理装置90を用いた石灰とHF廃液との反応処理を示す図。

符号の説明

0036

1〜3反応槽、T1〜T3廃液導入管、T11〜13排出管、t12,t23,t31配管、V1〜V3バルブ、V11〜13三方弁、100蛍石製造装置

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