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技術 不釣り合い修正方法およびその装置

出願人 マツダ株式会社
発明者 永田亮平
出願日 2005年8月25日 (15年4ヶ月経過) 出願番号 2005-243643
公開日 2007年3月8日 (13年9ヶ月経過) 公開番号 2007-057403
状態 特許登録済
技術分野 つりあい試験
主要キーワード 待機状態位置 外周面位置 ドリル材 搬送ローダ トルク監視 ストックエリア ダイナミックバランス 加工トルク
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年3月8日)のものです。
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図面 (11)

課題

近接センサ変位センサ等のセンサを設けることなく、精度よくクランクシャフト等のワークの不釣り合い修正を行うことができる不釣り合い修正方法および修正装置を提供する。

解決手段

検出された不釣り合い量に基づいて調整穴Whの加工予定位置θn及び加工予定深さZnを算出し、この算出された加工予定位置θnにドリル加工を開始すると共に、これと同時にドリル加工開始初期加工負荷監視を開始し、この初期加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さZnから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さZaを減算した加工残深さの分ドリル加工する。

概要

背景

一般に、クランクシャフトは、鋳造鍛造等により形成された素材に対して種々の加工を施した後、回転時のダイナミックバランス不釣り合い計測し、不釣り合いが存在する場合は、図10に示すように、ドリルdによってクランクシャフト素材w(ワーク)のカウンタウェイト部wcの外周面不釣り合い量に応じた深さz(加工予定深さz)の調整穴whを不釣り合いを解消可能な角度位置θに加工して余分な重量を除去した上で製品とされる。その場合に、この調整穴whは、例えば、ドリルdを、図10に示す待機状態位置から、該待機状態におけるドリルdの先端位置からカウンタウェイト部wcの外周面までの距離yと、加工予定深さzとを加算した分前進させることにより形成されるわけであるが、前述のようにクランクシャフト素材wは鍛造等により形成されているので、寸法誤差が生じやすく、例えばカウンタウェイト部wcの外周面の半径r(外周面位置)が、2点鎖線で示すように小さくなったり、点線で示すように大きくなったりする場合がある。したがって、ドリルdを距離yと加工予定深さzとを加算した分前進させたとしても、実際に形成される調整穴whの深さは、z′に小さくなったり、z″に大きくなり、この結果、不釣り合いが十分に修正されない場合がある。

この調整穴の深さ精度を向上可能な不釣り合い修正装置として、例えば、特許文献1には、不釣り合い修正装置に近接センサ及び変位センサを設けて、調整穴を形成するクランクシャフト素材のカウンタウェイト部毎にドリルの先端位置からカウンタウェイト部の外周面までの距離を検出可能に構成すると共に、この検出された距離と加工予定深さとを加算した分ドリルを前進させるようにし、これにより前記調整穴の深さ精度の向上を図ったものが開示されている。

特開平8−247884号公報

概要

近接センサや変位センサ等のセンサを設けることなく、精度よくクランクシャフト等のワークの不釣り合い修正を行うことができる不釣り合い修正方法および修正装置を提供する。 検出された不釣り合い量に基づいて調整穴Whの加工予定位置θn及び加工予定深さZnを算出し、この算出された加工予定位置θnにドリル加工を開始すると共に、これと同時にドリル加工開始初期加工負荷監視を開始し、この初期加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さZnから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さZaを減算した加工残深さの分ドリル加工する。

目的

そこで、本発明は、近接センサや変位センサ等のセンサを設けることなく、精度よくクランクシャフト等のワークの不釣り合い修正を行うことができる不釣り合い修正方法および修正装置を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

ワーク回転時の不釣り合い量を検出し、その不釣り合い量に応じてワークにドリル加工することにより不釣り合い修正する不釣り合い修正方法であって、前記検出された不釣り合い量に基づいて調整穴加工予定位置及び加工予定深さを算出し、この算出された加工予定位置にドリル加工を開始すると共に、これと同時にドリル加工開始初期加工負荷監視を開始し、この初期加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工することを特徴とする不釣り合い修正方法。

請求項2

請求項1に記載の不釣り合い修正方法であって、前記加工予定深さと前記所定深さとを比較し、該加工予定深さが所定深さより小さいときは、ワーク設計情報に基づくワーク表面位置から、前記加工予定深さの分ドリル加工し、該加工予定深さが所定深さ以上のときは、ドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工することを特徴とする不釣り合い修正方法。

請求項3

ワーク回転時の不釣り合い量を検出し、その不釣り合い量に応じてワークにドリル加工することにより不釣り合いを修正する不釣り合い修正装置であって、前記検出された不釣り合い量に基づいて調整穴の加工予定位置及び加工予定深さを算出する加工条件算出手段と、ドリル加工開始と同時に加工負荷の監視を開始する監視手段と、該監視手段によってドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工するドリル制御手段とを有することを特徴とする不釣り合い修正装置。

請求項4

請求項3に記載の不釣り合い修正装置であって、前記ドリル制御手段は、前記加工予定深さと前記所定深さとを比較し、該加工予定深さが所定深さより小さいときは、ワーク設計情報に基づくワーク表面位置から、前記加工予定深さの分ドリル加工し、該加工予定深さが所定深さ以上のときは、ドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工することを特徴とする不釣り合い修正装置。

請求項5

請求項3または請求項4に記載の不釣り合い修正装置であって、前記所定負荷は一定値であり、前記所定深さは、前記所定負荷に対応してワーク材質とドリル種類との組合せ毎に定められていることを特徴とする不釣り合い修正装置。

請求項6

請求項3または請求項4に記載の不釣り合い修正装置であって、前記所定負荷は、ワーク材質とドリル種類との組合せが異なる場合でも前記所定深さが一定値となるように定められていることを特徴とする不釣り合い修正装置。

技術分野

0001

本発明は、クランクシャフト等のワークの不釣り合い修正方法およびその装置に関し、製造技術の分野に属する。

背景技術

0002

一般に、クランクシャフトは、鋳造鍛造等により形成された素材に対して種々の加工を施した後、回転時のダイナミックバランス不釣り合い計測し、不釣り合いが存在する場合は、図10に示すように、ドリルdによってクランクシャフト素材w(ワーク)のカウンタウェイト部wcの外周面不釣り合い量に応じた深さz(加工予定深さz)の調整穴whを不釣り合いを解消可能な角度位置θに加工して余分な重量を除去した上で製品とされる。その場合に、この調整穴whは、例えば、ドリルdを、図10に示す待機状態位置から、該待機状態におけるドリルdの先端位置からカウンタウェイト部wcの外周面までの距離yと、加工予定深さzとを加算した分前進させることにより形成されるわけであるが、前述のようにクランクシャフト素材wは鍛造等により形成されているので、寸法誤差が生じやすく、例えばカウンタウェイト部wcの外周面の半径r(外周面位置)が、2点鎖線で示すように小さくなったり、点線で示すように大きくなったりする場合がある。したがって、ドリルdを距離yと加工予定深さzとを加算した分前進させたとしても、実際に形成される調整穴whの深さは、z′に小さくなったり、z″に大きくなり、この結果、不釣り合いが十分に修正されない場合がある。

0003

この調整穴の深さ精度を向上可能な不釣り合い修正装置として、例えば、特許文献1には、不釣り合い修正装置に近接センサ及び変位センサを設けて、調整穴を形成するクランクシャフト素材のカウンタウェイト部毎にドリルの先端位置からカウンタウェイト部の外周面までの距離を検出可能に構成すると共に、この検出された距離と加工予定深さとを加算した分ドリルを前進させるようにし、これにより前記調整穴の深さ精度の向上を図ったものが開示されている。

0004

特開平8−247884号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載の装置においては、近接センサ及び変位センサを設けなければならず、しかも、これらのセンサはカウンタウェイト部毎に必要となるので、コストが高くなるだけでなく、装置が大型化するという問題がある。また、近接センサや変位センサに、切粉クーラントオイルミスト等の異物が付着する虞があり、この場合、外周面までの距離の検出精度が低下するという問題もある。なお、この問題は、前述したクランクシャフト素材についてだけでなく、例えば、バランサシャフト素材やカムシャフト素材等の回転するワークについて広くいえることである。

0006

そこで、本発明は、近接センサや変位センサ等のセンサを設けることなく、精度よくクランクシャフト等のワークの不釣り合い修正を行うことができる不釣り合い修正方法および修正装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。

0008

まず、本願の請求項1に記載の発明は、ワーク回転時の不釣り合い量を検出し、その不釣り合い量に応じてワークにドリル加工することにより不釣り合いを修正する不釣り合い修正方法であって、前記検出された不釣り合い量に基づいて調整穴の加工予定位置及び加工予定深さを算出し、この算出された加工予定位置にドリル加工を開始すると共に、これと同時にドリル加工開始初期加工負荷監視を開始し、この初期加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工することを特徴とする。

0009

また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記加工予定深さと前記所定深さとを比較し、該加工予定深さが所定深さより小さいときは、ワーク設計情報に基づくワーク表面位置から、前記加工予定深さの分ドリル加工し、該加工予定深さが所定深さ以上のときは、ドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工することを特徴とする。

0010

そして、請求項3に記載の発明は、ワーク回転時の不釣り合い量を検出し、その不釣り合い量に応じてワークにドリル加工することにより不釣り合いを修正する不釣り合い修正装置であって、前記検出された不釣り合い量に基づいて調整穴の加工予定位置及び加工予定深さを算出する加工条件算出手段と、ドリル加工開始と同時に加工負荷の監視を開始する監視手段と、該監視手段によってドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工するドリル制御手段とを有することを特徴とする。

0011

さらに、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記ドリル制御手段は、前記加工予定深さと前記所定深さとを比較し、該加工予定深さが所定深さより小さいときは、ワーク設計情報に基づくワーク表面位置から、前記加工予定深さの分ドリル加工し、該加工予定深さが所定深さ以上のときは、ドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工することを特徴とする。

0012

また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3または請求項4に記載の発明において、前記所定負荷は一定値であり、前記所定深さは、前記所定負荷に対応してワーク材質とドリル種類との組合せ毎に定められていることを特徴とする。

0013

また、請求項5に記載の発明は、前記請求項3または請求項4に記載の発明において、前記所定負荷は、ワーク材質とドリル種類との組合せが異なる場合でも前記所定深さが一定値となるように定められていることを特徴とする。

発明の効果

0014

次に、本発明の効果について説明する。

0015

まず、請求項1に記載の発明によれば、ワーク回転時の不釣り合い量を検出し、その不釣り合い量に応じてワークにドリル加工することにより不釣り合いを修正する場合に、前記検出された不釣り合い量に基づいて調整穴の加工予定位置及び加工予定深さを算出し、この算出された加工予定位置にドリル加工を開始すると共に、これと同時にドリル加工開始初期の加工負荷の監視を開始し、この初期加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工されることとなる。

0016

したがって、ワーク表面位置を検出するセンサ等を用いることなく、ワークに加工予定深さの調整穴を精度よく加工することができる。また、センサを利用しないので、異物等の付着による不具合も生じることがない。

0017

また、請求項2に記載の発明によれば、前記加工予定深さと前記所定深さとを比較し、該加工予定深さが所定深さより小さいときは、ワーク設計情報に基づくワーク表面位置から、前記加工予定深さの分ドリル加工し、該加工予定深さが所定深さ以上のときは、ドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工されることとなる。

0018

したがって、加工予定深さが所定深さより小さい場合に、調整穴の深さが深くなりすぎるのが防止される。なお、この場合、調整穴の深さ精度が若干低下することとなるが、もともと調整穴の深さが小さいわけであるから、その影響は軽微なものですむ。

0019

そして、請求項3,4に記載の発明によれば、請求項1,2に記載の作用効果を実現可能な不釣り合い修正装置が実現されることとなる。また、ワーク表面位置を検出するセンサ等が不要となるので、装置を小型化できると共に、コストを低減することができる。

0020

さらに、請求項5に記載の発明によれば、前記所定深さは、ワーク材質とドリル種類との組合せ毎に設定されているから、さまざまなワーク材質やドリル種類に応じて適切に調整穴の加工ができる。また、所定負荷を一定値に設定しているので、所定負荷となったことを検出するための構成を簡易なものとすることができる。

0021

また、請求項6に記載の発明によれば、前記所定負荷は、ワーク材質とドリル種類との組合せが異なる場合でも前記所定深さが一定値となるように定められているから、所定深さができるだけ小さな値となるように所定負荷を設定すれば、所定深さの方が加工予定深さよりも大きくなるのを極力抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0022

以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。

0023

本実施の形態に係るアンバランス修正システム1は、鍛造等によってクランクシャフト形状に形成されたクランクシャフト素材Wのダイナミックバランスの不釣り合いを計測して修正する装置であり、図1に示すように、第1アンバランス計測装置10と、アンバランス修正装置20と、第2アンバランス計測装置30と、搬送ローダ40とを有している。これらの装置10〜40は、図2に示すように、それぞれコントローラ11,21,31,41を有している。各コントローラ11,21,31,41は、CPU、メモリ等のハードウェア資源と、該メモリに格納された制御プログラム等のソフトウェア資源とで構成され、両資源協調して動作することにより、後述の各機能が実現されている。また、これらの装置10〜40は、ネットワーク50(LAN等)を介して相互に接続され、各コントローラ11,21,31,41間で互いに種々のデータを送受信可能に構成されている。また、ネットワーク50上には、クランクシャフト素材Wの種類や後述するドリル25の種類等を設定するための図示しない操作装置が接続されていると共に、該操作装置で入力されたデータ、及びクランクシャフト素材Wの寸法等の設計データ(ワーク設計情報)を記憶する記憶装置が接続されており、これらで定義されたデータが前記各装置10〜40のコントローラ11〜41から利用可能に構成されている。

0024

第1アンバランス計測装置10は、前記クランクシャフト素材Wをローラ12…12(図1参照)で回転させてダイナミックバランスの不釣り合いによる振動を計測すると共に、この計測された振動に基づいてクランクシャフト素材Wの4つのカウンタウェイト部Wc…Wc(図3参照)毎に不釣り合い量を算出し、この算出した不釣り合い量に基づいて、各カウンタウェイト部Wc…Wcの外周面に半径方向に加工する調整穴Wh…Whの深さZn及び加工位置θn…θn(図6参照。以下、適宜、調整穴加工データという)を演算する機能を有している。なお、図3、及び後述する図6図8においては、一カウンタウエィト部Wcに対して1つの調整穴Whが形成されている例を示しているが、本システム1においては、図4に示すように、調整穴Whは、4つのカウンタウェイト部Wc…Wc毎に周方向に分散して(例えば所定角度(ex22.5度)ずつずれた角度位置に、あるいは任意の角度位置に)最大8ケ所ずつ、すなわち、1つのクランクシャフト素材Wに対して最大32の調整穴Wh…Whが加工可能とされており、前記不釣り合い量に基づいて各調整穴Wh毎に加工予定位置θn(θ1〜θ32)及び加工予定深さZn(Z1〜Z32)が設定されるようになっている。なお、図5のZ1〜Z32は、例えば15.0(mm),7.5(mm)等のデータであり、θ1〜θ32は、例えば、22.5(°)、45(°)等のデータである。また、加工不要な位置には、例えば、Z3=0、θ3=0等のデータが設定される。

0025

アンバランス修正装置20は、前記アンバランス計測装置10で演算された調整穴加工データに基づいて、クランクシャフト素材Wに調整穴Whを加工するNC制御装置マシニングセンタ)であり、図1に示すように、機台22と、該機台22上に配設された加工機23及び位置決め機構24とを有している。加工機23は、先端にドリル25が装着された主軸26と、図2に示すようにコントローラ21によって制御されて該主軸26を進退させるサーボモータ101と、該主軸26を回転させるサーボモータ102と、該主軸26をクランクシャフト素材Wの軸方向(水平方向)に移動させるサーボモータ103とを有している。位置決め機構24は、クランクシャフト素材Wの両端部を把持する図示しない把持機構と、同じくコントローラ21によって制御されてクランクシャフト素材Wを軸方向に移動させるサーボモータ103と、軸心回りに回転させるサーボモータ104とを有しており、前記調整穴加工データに基づいてサーボモータ103,104が駆動されることにより、クランクシャフト素材Wにおける調整穴Whの加工部を前記ドリル25の軸心上に位置させるように構成されている。なお、ドリル25は、加工穴径等に応じて他のものに交換可能とされている。また、主軸26を進退させるサーボモータ101の位置情報105によりドリル25の軸方向位置を検出するようになっている。また、サーボモータ102の負荷電流を検出する電流センサ106が設けられてコントローラ21に接続されており、該電流センサ106で検出された電流値に基づいて主軸26を回転駆動するサーボモータ102の負荷トルクTを検知、監視可能とされている。

0026

第2アンバランス計測装置30は、前記アンバランス修正装置20で調整穴Whが加工されたクランクシャフト素材Wの振動を計測するものである。

0027

搬送ローダ40は、クランクシャフト素材Wを前記各装置10,20,30間で移送するものであり、これらの装置10,20,30の上方に延設されたレール部材と、該レール部材に沿って移動可能とされると共に上下に昇降可能とされたチャック機構等により構成されている。

0028

次に、このアンバランス修正システム1の動作について、図5フロチャートを用いて説明する。

0029

まず、ステップS1で、第1アンバランス計測装置10によって、クランクシャフト素材Wの回転時の振動を計測して、ステップS2で、アンバランス量(不釣り合い量)を算出し、ステップS3で、クランクシャフト素材Wのカウンタウェイト部Wc…Wcに設ける調整穴Wh…Whの角度θn…θn及び深さZn…Znを演算し、前述の図4に示す調整穴加工データを作成する。そして、ステップS4で、この調整穴加工データを、第1アンバランス計測装置10から搬送ローダ40に転送する。

0030

搬送ローダ40は、第1アンバランス計測装置10から前記調整穴加工データを受信すると、ステップS5で、クランクシャフト素材Wをアンバランス修正装置20に搬送すると共に、ステップS6で、調整穴加工データをアンバランス修正装置20に転送する。

0031

アンバランス修正装置20は、搬送ローダ40から調整穴加工データを受信し、かつ搬送ローダ40からクランクシャフト素材Wを受け取ると、ステップS7で、まず、調整穴No.1(n=1)の調整穴Zhについて、調整穴深さZnが所定深さZa以上か否かを判定し、所定深さZa以上(YES)のときは、ステップS8で、加工機23のサーボモータ103と位置決め機構24のサーボモータ104を作動させて調整穴加工データに基づいてクランクシャフト素材Wの位置決めと主軸26のクランクシャフト素材Wに対する位置決めを実行した上で、加工機23のサーボモータ101,102を作動させて主軸26を駆動してドリル加工を開始すると共に、加工開始と同時にサーボモータ102の負荷トルクT(主軸26の加工トルク。請求項における加工負荷)の監視を開始する。そして、この負荷トルクTが所定トルクTa(請求項における所定負荷)に達したときは、ステップS9で、図6に示すように、所定トルクTaに達したことが検出された位置(実外周面からZaの位置)から、Zn−Za(請求項における加工残深さ)だけ主軸26(ドリル25)を前進させてドリル加工する。ここで、所定深さZaは、ドリル加工開始初期の負荷トルクTが前述の所定トルクTaに達したときに、ドリル25先端がカウンタウェイト部Wcの実外周面位置から切り込まれていると予測される加工深さであり、例えば図7に一例として示すように、ドリル種類1〜4(例えば、ドリル先端形状、ドリル径ドリル材質等に応じて区分される)やクランクシャフト素材Wの材質A〜Dに応じて予め個別(Za1〜Za16)に設定され、コントローラ21のメモリにテーブルとして記憶されている。なお、この所定深さZaは複数回実測したデータの平均値等に基づいて設定すればよい。所定トルク値Taは、例えば、サーボモータ102の許容最大トルクの1%程度の大きさの一定の値に設定されている。これは、例えば、ドリル加工中の最大負荷トルクが許容最大トルクの10%程度とした場合に、加工開始初期の負荷トルクTの急増を迅速かつ確実に検出可能とすることを目的としている。また、このように所定深さZa及び所定トルクTaを設定することにより、クランクシャフト素材Wの材質やドリル25の種類に応じて調整穴Whを適切に加工ができる。また、所定トルクTaを一定値に設定しているので、所定トルクTaとなったことを検出するための構成(例えばコントローラ21の構成)を簡易なものとすることができる。

0032

一方、ステップS7で、所定値Za未満(NO)のときは、ステップS10で、図8に示すように、クランクシャフトの設計データ(ワーク設計情報)における外周面位置(設計半径R0の位置)、すなわち設計データにおける待機状態のドリル25の先端位置からドリル軸方向に距離Yの位置、からZnだけドリル加工する。すなわち、ドリル25(主軸26)を、待機状態位置からY+Zn前進させる。

0033

そして、ステップS9またはS10でのドリル加工の終了後、ステップS11でn=kか否かを判定し(本実施の形態においてはk=32)、n=kでないとき(NO)、すなわち、全ての調整穴Wh…Whの加工が完了していないときは、ステップS12で、nに1を加算し、調整穴No.2(n=2)の調整穴Zhについて、再度ステップS7以後を実行する。

0034

そして、ステップS11でn=kのとき(YES)、すなわち、調整穴No.32(n=32)の調整穴Whの加工が終了して全ての調整穴Wh…Whについて加工が完了したときは、ステップS13で、アンバランス修正装置20は、加工完了信号を搬送ローダ40に送信する。そして、搬送ローダ40はこの信号を受信すると、ステップS14で、調整穴Whの加工の完了したクランクシャフト素材Wを第2アンバランス計測装置30に搬送する。そして、第2アンバランス計測装置30は搬送ローダ40からクランクシャフト素材Wを受け取ると、ステップS15で、このクランクシャフト素材Wについてアンバランス振動の計測を行う。

0035

なお、これ以後の処理については、例えば、ステップS15で計測されたアンバランス振動が許容範囲内か否かに応じて、加工完了したクランクシャフト素材Wを搬送ローダ40により次工程に移送すればよい。すなわち、許容範囲内のときは、例えば良品ストックエリアに移送し、許容範囲内にないときは、例えば不良品ストックエリアに移送して例えば手作業等で再度調整穴の加工を行えばよい。

0036

次に、本実施の形態に係るアンバランス修正システム1の作用について説明する。

0037

まず、クランクシャフト素材Wの種類等のデータを設定した上で、アンバランス修正システム1を作動させると、第1アンバランス計測装置10によって、クランクシャフト素材Wの回転時の振動が計測され、該計測結果に基づいてアンバランス量(不釣り合い量)が算出される。そして、クランクシャフト素材Wのカウンタウェイト部Wc…Wcに設ける調整穴Wh…Whの角度θn…θn及び深さZn…Znが演算され、この調整穴加工データが、第1アンバランス計測装置10から搬送ローダ40に転送される。

0038

搬送ローダ40は、第1アンバランス計測装置10から前記調整穴加工データを受信すると、クランクシャフト素材Wをアンバランス修正装置20に搬送すると共に、この調整穴加工データをアンバランス修正装置20に転送する。

0039

アンバランス修正装置20は、搬送ローダ40から調整穴加工データを受信し、かつ搬送ローダ40からクランクシャフト素材Wを受け取ると、No.1〜32の各調整穴Wh…Whについてそれぞれ以下の処理が繰り返される。すなわち、まず、調整穴深さZnが所定値Za以上か否かを判定する。そして、所定値Za以上のときは、加工機23のサーボモータ103と位置決め機構24のサーボモータ104を作動させて前記調整穴加工データに基づいてクランクシャフト素材Wの位置決めと主軸26のクランクシャフト素材Wに対する位置決めを実行した上で、加工機23のサーボモータ101,102を作動させて主軸26を駆動してドリル加工を開始すると共に、加工開始と同時にサーボモータ102の負荷トルクTの監視を開始する。そして、この負荷トルクTが所定値Taに達したときは、トルクTが所定値Taとなったことが検出された位置から、Zn−Zaだけ主軸26(ドリル25)を前進させてドリル加工する。

0040

したがって、クランクシャフト素材Wのカウンタウェイト部Wcの外周面位置を検出するための近接センサ等を用いることなく、実際のカウンタウェイト部Wcの外周面位置を基準として加工予定深さZnの調整穴Whを精度よく加工することができる。また、近接センサ等を利用しないので、異物等の付着による不具合も生じることがない。

0041

そして、特に、ドリル加工時の負荷トルクTにより加工深さZaを検出することとなるので、カウンタウェイト部の半径が異なる別タイプのクランクシャフト素材Wに対しても大きな変更を加えることなく適用することができる。また、主軸26へのドリル25の装着の際のドリル先端位置誤差やドリル25の摩耗による先端位置誤差がある場合でも、精度よく調整穴Whを加工することができる。

0042

また、背景技術で説明した近接センサ等を有する装置においては、調整穴を加工するに際して、その前に別途、近接センサ等によってドリルの先端位置からカウンタウェイト部の外周面までの距離を検出しなければならず、サイクルタイムが増加することとなるが、本実施の形態によれば、負荷トルクTaとなったことが検知された後、そのまま引き続いて加工残深さZn−Zaの分の調整穴Whの加工を行うことができるので、換言すれば、外周面までの距離を検出するためだけの工程を設ける必要がないので、サイクルタイムの増加が生じることがない。なお、これは、Zaが検出された後、一旦ドリル駆動を停止させたり、ドリルを後退させたりすることを排除するものではないが、この場合、サイクルタイムに対する効果は減少することとなる。

0043

これに対し、調整穴深さZnが所定値Za未満のときは、クランクシャフトの設計データ(ワーク設計情報)における外周面位置からZnだけドリル加工される。これによれば、加工予定深さZnが所定深さZaより小さい場合に、調整穴Whの深さが深くなりすぎるのが防止される。なお、この場合、調整穴Whの深さ精度が若干低下することとなるが、もともと調整穴Whの深さが小さいわけであるから、その影響は軽微なものですむ。

0044

そして、全ての調整穴Wh…Whの加工が完了したときは、アンバランス修正装置20は、加工完了信号を搬送ローダ40に送信する。そして、搬送ローダ40はこの信号を受信すると、調整穴Whの加工の完了したクランクシャフト素材Wを第2アンバランス計測装置30に搬送する。そして、第2アンバランス計測装置30は搬送ローダ40からクランクシャフト素材Wを受け取ると、このクランクシャフト素材Wについてアンバランス振動の計測を行う。なお、この後の処理については、前述のように行えばよい。

0045

なお、前記実施の形態においては、ドリル25の種類やクランクシャフト素材W(ワーク)の材質によらず所定トルクTaを一定値とし、これに対応する所定深さZaを、ドリル25の種類やクランクシャフト素材Wの材質毎に定めたが、これとは逆に、例えば、図9に示すように、ドリル25の種類やクランクシャフト素材Wの材質が異なる場合でも所定深さZaが同一の値(一定値)となるように、所定トルクTaをドリル25の種類やクランクシャフト素材Wの材質毎に設定してもよい。なお、この場合においても、図5に示すフローチャートにより同様に制御が可能である。そして、これによれば、所定深さZaができるだけ小さな値となるように所定トルクTaを設定すれば、所定深さZaの方が加工予定深さZnよりも大きくなるのを極力抑制することができるようになる。また、これらの例とは異なるが、ドリル25の種類とクランクシャフト素材Wの材質の組合せ毎に、他の組み合せとは関係なく、所定トルクTa及び所定深さZaを最適な値に設定してもよい。

0046

なお、本実施の形態においては、全ての調整穴について負荷トルク監視を行うようにしたが、例えば、各カウンタウェブWcの最初の1つ目の調整穴Whの加工に際してのみトルク監視を行い、残りの調整穴Wh…Whについては、1つ目の調整穴Whの加工時に位置情報105によって得ることが可能な、待機状態時のドリル先端位置から負荷トルクTaとなったことが検出された位置までのドリル25の移動量(前進量)Xに基づいて加工を行うようにしてもよい。つまり、残りの各調整穴Wh…Whについては、ドリル25の移動量X+各調整穴Whの加工予定深さZn−所定深さZaだけドリル25を移動させるようにするのである。これによれば、トルク監視を毎回行う必要がないので、調整穴加工に要する時間を短縮することができる。

0047

また、本実施の形態においては、ワークとしてクランクシャフト素材を例として説明したが、例えば、エンジンバランサ装置のバランサシャフト、カムシャフト等にも適用可能である。また、車両の車輪用ホイールの側面や外周面への加工に際しても適用可能である。

0048

ここで、特許請求の範囲の構成要素と実施の形態の構成要素との対応について説明する。なお、後述の符号の説明等で明らかなものについては、適宜省略するものとする。まず、特許請求の範囲の請求項1における「前記検出された不釣り合い量に基づいて調整穴の加工予定位置及び加工予定深さを算出」は、実施の形態におけるステップS3に対応し、「この算出された加工予定位置にドリル加工を開始すると共に、これと同時にドリル加工開始初期の加工負荷の監視を開始」はステップS8に対応し、「初期加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた所定深さを減算した加工残深さの分ドリル加工する」はステップS9に対応する。また、請求項2における「記加工予定深さと前記所定深さとを比較」はステップS7に対応し、「加工予定深さが所定深さより小さいときは、ワーク設計情報に基づくワーク表面位置から、前記加工予定深さの分ドリル加工」はステップS10に対応し、「加工予定深さが所定深さ以上のときは、ドリル加工開始初期の加工負荷が所定負荷に達したことが検出された位置から、前記加工予定深さから前記所定負荷に対応して予め定められた深さを減算した加工残深さの分ドリル加工する」は、ステップS8,S9に対応する。また、請求項3における「加工条件算出手段」はアンバランス計測装置10に対応し、「監視手段」はアンバランス修正装置20に対応し、請求項3及び請求項4における「ドリル制御手段」は、アンバランス修正装置20に対応する。

0049

本発明は、クランクシャフト等のワークの不釣り合い修正方法および修正装置に広く適用することができる。

図面の簡単な説明

0050

本実施の形態に係るアンバランス修正システムの概略構成図である。
アンバランス修正システムを構成する装置の接続図である。
クランクシャフトの一例を示す図である。
不釣り合い修正用データの説明図である。
本アンバランス修正システムの作動フローを示すフローチャートの一例である。
図3のA矢視図である(図3における最も左側のカウンタウェイト部Wc以外のカウンタウェイト部Wc…Wcについては省略している)。
加工穴深さZaのテーブルである。
Zn<Zaの場合における図6相当の図である。
第2の例における所定負荷Taのテーブルである。
従来の問題点の説明図である。

符号の説明

0051

1アンバランス修正システム(不釣り合い修正装置)
10 第1アンバランス計測装置(加工条件算出手段)
20アンバランス修正装置(監視手段、ドリル制御手段)
25 ドリル
30 第2アンバランス計測装置
40搬送ローダ
Ta所定トルク
Wクランクシャフト素材(ワーク)
Wh調整穴
Za 所定深さ
Zn加工予定深さ

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