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技術 口座管理システムおよび口座管理方法、並びにプログラム

出願人 株式会社大和証券グループ本社
発明者 森田正男
出願日 2005年8月8日 (15年3ヶ月経過) 出願番号 2005-230015
公開日 2007年2月22日 (13年8ヶ月経過) 公開番号 2007-047940
状態 特許登録済
技術分野 金融・保険関連業務,支払い・決済
主要キーワード 対面販売用 ペイオフ リスク分散 売買指示 対応措置 発行体 預金残高情報 保険機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

顧客の証券投資による資産運用支援することができ、かつ、証券会社以外の金融機関貸付業務の円滑化や経営健全化を図ることができる口座管理システムおよび口座管理方法を提供する。

解決手段

証券仲介業を営む金融機関に開設された顧客の預金口座の情報を記憶する預金口座DB41と、証券会社で保管・管理される有価証券に対して発行される預託証券を顧客から金融機関が借り入れる形で金融機関に開設された顧客の預託証券口座の情報を記憶する預託証券口座DB42とを金融機関サーバ20に設け、顧客の売買指示受け付け売買次情報を作成して証券会社サーバ50へ送信し、証券会社サーバ50から売買結果情報を受信して預金口座DB41および預託証券口座DB42の残高更新する。

概要

背景

従来より、金融機関預けられていた顧客の預金は、預金保険制度により保護されてきた。この預金保険制度は、金融機関が破綻したときに、預金者を保護し、金融システム全体が不安定にならないようにするための制度であり、昭和46年に制定された預金保険法に基づいて、政府日本銀行民間金融機関出資により設立された預金保険機構により運営されている。そして、この預金保険制度には、日本国内に本店を置くすべての預金取り扱い金融機関が加入している。

ところで、2005年4月には、いわゆるペイオフ解禁となり、金融機関が破綻した場合に、これまで上記制度により全額保護されてきた預金が、必ずしも全額は保護されなくなる。具体的には、ペイオフ解禁後に金融機関が破綻した場合には、その金融機関に預け入れていた預金のうち、1金融機関毎に、預金者1人当たり1千万円までの元本とその利息合計額が保護されるようになり、いわば定額保護になる。

従って、ペイオフ解禁になった場合には、顧客の預金のうち1千万円を超える部分は、金融機関が破綻したときに保護されない可能性があるので、このことは、顧客にとって不安要因となり、また、顧客に対し、1千万円を超える部分について、証券投資等による運用を図ったり、あるいは他の金融機関へ移動させてリスク分散を図る等の行動をとる動機付けを与えることになる。一方、銀行等の金融機関にとっては、預金残高の減少を招く結果に繋がり、企業等への貸付業務に影響が出ることが懸念される。つまり、銀行等の金融機関の資金ポジションを示す経営指標の1つである預貸比率Loan-deposit ratio:預金残高に対する貸出残高の比率(貸出残高/預金残高))が上昇し、資金に余裕が無くなったり、貸出原資の調達面で不都合が生じたりするおそれもある。

なお、本発明は、後述するように、銀行等の金融機関(証券会社以外の金融機関)に開設された通常の預金口座と、銀行等の金融機関に仮想的に開設された預託証券口座との間で、顧客の資産スイープさせるシステムであるといえる。このようなスイープシステムという観点からの本発明の周辺技術としては、スイープ条件成立したときに、保険契約保険料積立部分の積立金銀行口座の預金との変換により、保険料積立部分と銀行口座との間で顧客の金を移動させる保険契約および銀行口座統合管理システムがある(特許文献1参照)。

また、本発明は、後述するように、証券仲介業を営む銀行等の金融機関(証券会社以外の金融機関)のシステムと証券会社のシステムとのデータ連携で、銀行等の金融機関を仲介業者とし、証券会社に委託して行われる顧客による有価証券売買取引と、銀行等の金融機関に開設された顧客の預金口座の残高情報の管理とを結び付けているシステムであるといえる。このような有価証券の売買取引と銀行の預金口座の管理とを結び付けるシステムという観点からの本発明の周辺技術としては、証券会社の取引口座残高が、買い注文に必要な買付金額に満たない場合に、顧客により予め指定された銀行の預金口座の残高をチェックし、不足分の相当額以上の残高があれば、銀行の預金口座の残高で買付金額の不足分を補填する有価証券取引システムがある(特許文献2参照)。

特開2002−149991号公報(請求項1、図2、要約)
特開2002−63522号公報(請求項1、図1、図3、要約)

概要

顧客の証券投資による資産運用支援することができ、かつ、証券会社以外の金融機関の貸付業務の円滑化や経営健全化をることができる口座管理システムおよび口座管理方法を提供する。証券仲介業を営む金融機関に開設された顧客の預金口座の情報を記憶する預金口座DB41と、証券会社で保管・管理される有価証券に対して発行される預託証券を顧客から金融機関が借り入れる形で金融機関に開設された顧客の預託証券口座の情報を記憶する預託証券口座DB42とを金融機関サーバ20に設け、顧客の売買指示受け付け売買次情報を作成して証券会社サーバ50へ送信し、証券会社サーバ50から売買結果情報を受信して預金口座DB41および預託証券口座DB42の残高を更新する。

目的

本発明の目的は、顧客の証券投資による資産運用を支援することができ、かつ、証券会社以外の金融機関の貸付業務の円滑化や経営の健全化を図ることができる口座管理システムおよび口座管理方法、並びにプログラムを提供するところにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む前記証券会社以外の金融機関に開設された前記顧客の口座の情報を管理する口座管理システムであって、前記金融機関に開設された前記顧客の預金口座の情報を各顧客毎に記憶する預金口座データベースと、前記証券会社で保管または管理される前記顧客の有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を前記顧客から前記金融機関が借り入れる形で前記金融機関に開設された前記顧客の預託証券口座の情報を各顧客毎に記憶する預託証券口座データベースと、前記顧客または前記顧客から依頼された前記金融機関の営業員が操作する端末装置で入力された前記顧客の売買指示情報受け付けて前記証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買次情報を作成する処理を行う売買取次情報作成処理手段と、この売買取次情報作成処理手段により作成された前記売買取次情報を通信回線を介して証券会社サーバへ送信する売買取次情報送信手段と、前記証券会社サーバから通信回線を介して送信されてくる売買結果情報を受信する売買結果情報受信手段と、この売買結果情報受信手段により受信した前記売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について前記預金口座データベースの預金残高増減させる入出金処理を行う入出金処理手段と、前記売買結果情報受信手段により受信した前記売買結果情報に含まれる売買数量に基づき、売買指示を出した顧客について前記預託証券口座データベースの預託証券残高更新する処理を行う預託証券残高更新処理手段とを備えたことを特徴とする口座管理システム。

請求項2

前記預金口座データベースに記憶された預金残高情報に基づき、前記金融機関が前記顧客に支払預金利息を各顧客毎に算出する処理を行う預金利息算出処理手段と、前記預託証券口座データベースに記憶された預託証券残高情報に基づき、前記金融機関による前記顧客からの前記預託証券の借入れに対して前記金融機関が前記顧客に支払う預り料を各顧客毎に算出する処理を行う預り料算出処理手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の口座管理システム。

請求項3

前記端末装置の画面上に前記預金口座データベースに記憶された預金残高情報および前記預託証券口座データベースに記憶された預託証券残高情報を表示する処理を行う残高情報表示処理手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の口座管理システム。

請求項4

前記証券会社サーバから送信されてきた前記証券会社で保管または管理されている前記顧客の有価証券保有情報を各顧客毎に記憶する有価証券保有情報データベースを備え、前記残高情報表示処理手段は、前記預金残高情報および前記預託証券残高情報とともに、前記有価証券保有情報データベースに記憶された前記有価証券保有情報を表示する処理を行う構成とされていることを特徴とする請求項3に記載の口座管理システム。

請求項5

前記売買取次情報作成処理手段は、前記預金口座に預けられた預金を用いて前記証券会社を通じて有価証券を購入するための前記顧客の売買指示情報を受け付けるとともに、購入されて前記証券会社で保管または管理される有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を前記預託証券口座へ預け入れる対象とするか否かの前記顧客の預託証券預入選択情報を受け付ける処理を行う構成とされ、前記入出金処理手段は、前記売買取次情報作成処理手段により前記預託証券口座への預入れの対象とするという預託証券預入選択情報を受け付けた場合および前記預託証券口座への預入れの対象としないという預託証券預入選択情報を受け付けた場合のいずれの場合にも、有価証券を購入する売買指示を出した顧客について前記預金口座データベースの預金残高を減少させる出金処理を行う構成とされ、前記預託証券残高更新処理手段は、前記売買取次情報作成処理手段により前記預託証券口座への預入れの対象とするという預託証券預入選択情報を受け付けた場合には、有価証券を購入する売買指示を出した顧客について前記預託証券口座データベースの預託証券残高を増加させる更新処理を行い、前記売買取次情報作成処理手段により前記預託証券口座への預入れの対象としないという預託証券預入選択情報を受け付けた場合には、前記預託証券口座データベースの預託証券残高の更新処理を行わない構成とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の口座管理システム。

請求項6

前記売買取次情報作成処理手段は、前記証券会社で保管または管理されている有価証券を売却するための前記顧客の売買指示情報を受け付けるとともに、売却する有価証券を、前記預託証券口座から引き出すか否かの前記顧客の預託証券引出選択情報を受け付ける処理を行う構成とされ、前記入出金処理手段は、前記売買取次情報作成処理手段により前記預託証券口座から引き出すという預託証券引出選択情報を受け付けた場合および前記預託証券口座から引き出さないという預託証券引出選択情報を受け付けた場合のいずれの場合にも、有価証券を売却する売買指示を出した顧客について前記預金口座データベースの預金残高を増加させる入金処理を行う構成とされ、前記預託証券残高更新処理手段は、前記売買取次情報作成処理手段により前記預託証券口座から引き出すという預託証券引出選択情報を受け付けた場合には、有価証券を売却する売買指示を出した顧客について前記預託証券口座データベースの預託証券残高を減少させる更新処理を行い、前記預託証券口座から引き出さないという預託証券引出選択情報を受け付けた場合には、前記預託証券口座データベースの預託証券残高の更新処理を行わない構成とされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の口座管理システム。

請求項7

前記証券会社サーバから送信されてきた前記証券会社で保管または管理されている前記顧客の有価証券保有情報を各顧客毎に記憶する有価証券保有情報データベースと、この有価証券保有情報データベースに記憶された前記有価証券保有情報に基づき、前記金融機関から前記顧客が借り入れることができる金額を算出する処理を行う顧客借入可能額算出処理手段と、前記端末装置の画面上に前記顧客借入可能額算出処理手段により算出された顧客借入可能額を表示する処理を行う顧客借入可能額表示処理手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の口座管理システム。

請求項8

顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む前記証券会社以外の金融機関に開設された前記顧客の口座の情報を管理する口座管理方法であって、前記金融機関に開設された前記顧客の預金口座の情報を各顧客毎に記憶する預金口座データベースと、前記証券会社で保管または管理される前記顧客の有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を前記顧客から前記金融機関が借り入れる形で前記金融機関に開設された前記顧客の預託証券口座の情報を各顧客毎に記憶する預託証券口座データベースとを金融機関サーバに設けておき、前記金融機関サーバの売買取次情報作成処理手段が、前記顧客または前記顧客から依頼された前記金融機関の営業員が操作する端末装置で入力された前記顧客の売買指示情報を受け付けて前記証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買取次情報を作成する処理を行い、前記金融機関サーバの売買取次情報送信手段が、前記売買取次情報作成処理手段により作成された前記売買取次情報を通信回線を介して証券会社サーバへ送信し、前記金融機関サーバの売買結果情報受信手段が、前記証券会社サーバから通信回線を介して送信されてくる売買結果情報を受信し、前記金融機関サーバの入出金処理手段が、前記売買結果情報受信手段により受信した前記売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について前記預金口座データベースの預金残高を増減させる入出金処理を行うとともに、前記金融機関サーバの預託証券残高更新処理手段が、前記売買結果情報受信手段により受信した前記売買結果情報に含まれる売買数量に基づき、売買指示を出した顧客について前記預託証券口座データベースの預託証券残高を更新する処理を行うことを特徴とする口座管理方法。

請求項9

顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む前記証券会社以外の金融機関に開設された前記顧客の口座の情報を管理する口座管理システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記金融機関に開設された前記顧客の預金口座の情報を各顧客毎に記憶する預金口座データベースと、前記証券会社で保管または管理される前記顧客の有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を前記顧客から前記金融機関が借り入れる形で前記金融機関に開設された前記顧客の預託証券口座の情報を各顧客毎に記憶する預託証券口座データベースと、前記顧客または前記顧客から依頼された前記金融機関の営業員が操作する端末装置で入力された前記顧客の売買指示情報を受け付けて前記証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買取次情報を作成する処理を行う売買取次情報作成処理手段と、この売買取次情報作成処理手段により作成された前記売買取次情報を通信回線を介して証券会社サーバへ送信する売買取次情報送信手段と、前記証券会社サーバから通信回線を介して送信されてくる売買結果情報を受信する売買結果情報受信手段と、この売買結果情報受信手段により受信した前記売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について前記預金口座データベースの預金残高を増減させる入出金処理を行う入出金処理手段と、前記売買結果情報受信手段により受信した前記売買結果情報に含まれる売買数量に基づき、売買指示を出した顧客について前記預託証券口座データベースの預託証券残高を更新する処理を行う預託証券残高更新処理手段とを備えたことを特徴とする口座管理システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。

技術分野

0001

本発明は、顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む証券会社以外の金融機関に開設された顧客の口座の情報を管理する口座管理システムおよび口座管理方法、並びにプログラム係り、例えば、ペイオフ解禁後における都市銀行地方銀行、信用金庫等の口座管理に利用できる。

背景技術

0002

従来より、金融機関に預けられていた顧客の預金は、預金保険制度により保護されてきた。この預金保険制度は、金融機関が破綻したときに、預金者を保護し、金融システム全体が不安定にならないようにするための制度であり、昭和46年に制定された預金保険法に基づいて、政府日本銀行民間金融機関出資により設立された預金保険機構により運営されている。そして、この預金保険制度には、日本国内に本店を置くすべての預金取り扱い金融機関が加入している。

0003

ところで、2005年4月には、いわゆるペイオフ解禁となり、金融機関が破綻した場合に、これまで上記制度により全額保護されてきた預金が、必ずしも全額は保護されなくなる。具体的には、ペイオフ解禁後に金融機関が破綻した場合には、その金融機関に預け入れていた預金のうち、1金融機関毎に、預金者1人当たり1千万円までの元本とその利息合計額が保護されるようになり、いわば定額保護になる。

0004

従って、ペイオフ解禁になった場合には、顧客の預金のうち1千万円を超える部分は、金融機関が破綻したときに保護されない可能性があるので、このことは、顧客にとって不安要因となり、また、顧客に対し、1千万円を超える部分について、証券投資等による運用を図ったり、あるいは他の金融機関へ移動させてリスク分散を図る等の行動をとる動機付けを与えることになる。一方、銀行等の金融機関にとっては、預金残高の減少を招く結果に繋がり、企業等への貸付業務に影響が出ることが懸念される。つまり、銀行等の金融機関の資金ポジションを示す経営指標の1つである預貸比率Loan-deposit ratio:預金残高に対する貸出残高の比率(貸出残高/預金残高))が上昇し、資金に余裕が無くなったり、貸出原資の調達面で不都合が生じたりするおそれもある。

0005

なお、本発明は、後述するように、銀行等の金融機関(証券会社以外の金融機関)に開設された通常の預金口座と、銀行等の金融機関に仮想的に開設された預託証券口座との間で、顧客の資産スイープさせるシステムであるといえる。このようなスイープシステムという観点からの本発明の周辺技術としては、スイープ条件成立したときに、保険契約保険料積立部分の積立金銀行口座の預金との変換により、保険料積立部分と銀行口座との間で顧客の金を移動させる保険契約および銀行口座統合管理システムがある(特許文献1参照)。

0006

また、本発明は、後述するように、証券仲介業を営む銀行等の金融機関(証券会社以外の金融機関)のシステムと証券会社のシステムとのデータ連携で、銀行等の金融機関を仲介業者とし、証券会社に委託して行われる顧客による有価証券売買取引と、銀行等の金融機関に開設された顧客の預金口座の残高情報の管理とを結び付けているシステムであるといえる。このような有価証券の売買取引と銀行の預金口座の管理とを結び付けるシステムという観点からの本発明の周辺技術としては、証券会社の取引口座残高が、買い注文に必要な買付金額に満たない場合に、顧客により予め指定された銀行の預金口座の残高をチェックし、不足分の相当額以上の残高があれば、銀行の預金口座の残高で買付金額の不足分を補填する有価証券取引システムがある(特許文献2参照)。

0007

特開2002−149991号公報(請求項1、図2、要約)
特開2002−63522号公報(請求項1、図1図3、要約)

発明が解決しようとする課題

0008

前述したように、ペイオフ解禁になった場合には、顧客の預金のうち1千万円を超える部分は、金融機関が破綻したときに保護されない可能性があるので、これまで銀行等の金融機関(証券会社以外の金融機関)に預けていた預金のうちの1千万円を超える部分については、顧客の証券投資やリスク分散のための行動等により、流動性が高まることが考えられる。このため、顧客の不安を解消することができ、かつ、顧客の証券投資による資産運用支援することができるとともに、銀行等の金融機関(証券会社以外の金融機関)にとっても、顧客から預かっている資金の流出を実質的に防ぎ、健全な預貸比率を維持して企業等への貸付業務を支障なく行うことができるというメリットが生じるようなシステムの構築が望まれる。

0009

本発明の目的は、顧客の証券投資による資産運用を支援することができ、かつ、証券会社以外の金融機関の貸付業務の円滑化や経営の健全化を図ることができる口座管理システムおよび口座管理方法、並びにプログラムを提供するところにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む証券会社以外の金融機関に開設された顧客の口座の情報を管理する口座管理システムであって、金融機関に開設された顧客の預金口座の情報を各顧客毎に記憶する預金口座データベースと、証券会社で保管または管理される顧客の有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を顧客から金融機関が借り入れる形で金融機関に開設された顧客の預託証券口座の情報を各顧客毎に記憶する預託証券口座データベースと、顧客または顧客から依頼された金融機関の営業員が操作する端末装置で入力された顧客の売買指示情報受け付けて証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買次情報を作成する処理を行う売買取次情報作成処理手段と、この売買取次情報作成処理手段により作成された売買取次情報を通信回線を介して証券会社サーバへ送信する売買取次情報送信手段と、証券会社サーバから通信回線を介して送信されてくる売買結果情報を受信する売買結果情報受信手段と、この売買結果情報受信手段により受信した売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について預金口座データベースの預金残高を増減させる入出金処理を行う入出金処理手段と、売買結果情報受信手段により受信した売買結果情報に含まれる売買数量に基づき、売買指示を出した顧客について預託証券口座データベースの預託証券残高更新する処理を行う預託証券残高更新処理手段とを備えたことを特徴とするものである。

0011

ここで、「預金口座データベース」に記憶される「預金口座の情報」には、現時点預金残高情報が含まれる他、過去の預金残高の履歴情報や入出金の履歴情報等が含まれていてもよい。

0012

また、「預託証券口座データベース」に記憶される「預託証券口座の情報」には、現時点の預託証券残高情報が含まれる他、過去の預託証券残高の履歴情報や売買取引の履歴情報等が含まれていてもよい。

0013

さらに、「証券会社で保管または管理される顧客の有価証券」には、株式や債券の他に、例えば投資信託等も含まれる。

0014

そして、「仮想的に発行される預託証券」とは、コンピュータシステム上で電子データとして発行される、つまり電子データを発生させるという意味であり、必ずしも紙面での預り証書の発行を伴う必要はない。

0015

このような本発明の口座管理システムにおいては、顧客は、自分が預金口座を開設している金融機関の仲介により、自分の預金口座に預けられた預金を用いて、証券会社を通じて有価証券の購入を行うことができるので、顧客にとっては、証券投資を容易に行うことが可能となり、柔軟な資産運用が可能となるうえ、証券投資をすることでペイオフ解禁に伴う預金への不安感を軽減することが可能となる。

0016

また、証券仲介業を営む金融機関にとっては、顧客の資産運用を支援することができるうえ、顧客が預金口座に預けられた預金を用いて有価証券を購入しても、金融機関は、その有価証券が仲介先の証券会社で保管または管理されることを前提として仮想的に発行される預託証券を、顧客から借り入れることが可能となるので、顧客から預かっている資金の流出を実質的に防ぎ、健全な預貸比率を維持して企業等への貸付業務を支障なく行うことが可能となり、これらにより前記目的が達成される。

0017

また、前述した口座管理システムにおいて、預金口座データベースに記憶された預金残高情報に基づき、金融機関が顧客に支払う預金利息を各顧客毎に算出する処理を行う預金利息算出処理手段と、預託証券口座データベースに記憶された預託証券残高情報に基づき、金融機関による顧客からの預託証券の借入れに対して金融機関が顧客に支払う預り料を各顧客毎に算出する処理を行う預り料算出処理手段とを備えた構成とすることが望ましい。

0018

このように預金利息算出処理手段および預り料算出処理手段を備えた構成とした場合には、金融機関が顧客に対して支払う預金利息および預託証券の預り料の算出処理、およびこれらの支払処理を円滑に行うことが可能になる。

0019

さらに、前述した口座管理システムにおいて、端末装置の画面上に預金口座データベースに記憶された預金残高情報および預託証券口座データベースに記憶された預託証券残高情報を表示する処理を行う残高情報表示処理手段を備えた構成とすることが望ましい。

0020

ここで、「端末装置」には、地方銀行や信用金庫等の金融機関の店舗内等に設置されて主として金融機関の営業員が操作する端末装置、顧客の自宅勤務先等に設置されてインターネットやLAN等のネットワーク金融機関サーバと接続された端末装置、金融機関やコンビニエンスストアの店舗内等に設置された現金自動預払機ATM)等が含まれる。

0021

また、「預金残高情報」と「預託証券残高情報」とは、同一画面に表示してもよく、異なる画面で切替表示してもよい。

0022

このように残高情報表示処理手段を備えた構成とした場合には、顧客または金融機関の営業員は、顧客の預金残高や預託証券残高を容易に確認することが可能となり、顧客にとっては、自己の資産状況を容易に確認することができるので便利であり、金融機関の営業員にとっては、顧客の資産状況を容易に把握することができるので顧客に対するサービスの質の向上を図ることが可能となる。

0023

また、上述したように残高情報表示処理手段を備えた構成とした場合において、証券会社サーバから送信されてきた証券会社で保管または管理されている顧客の有価証券保有情報を各顧客毎に記憶する有価証券保有情報データベースを備え、残高情報表示処理手段は、預金残高情報および預託証券残高情報とともに、有価証券保有情報データベースに記憶された有価証券保有情報を表示する処理を行う構成とされていることが望ましい。

0024

ここで、「預金残高情報」と「預託証券残高情報」と「有価証券保有情報」とは、同一画面に表示してもよく、異なる画面で切替表示してもよい。

0025

このように残高情報表示処理手段を、預金残高情報および預託証券残高情報とともに有価証券保有情報を表示する処理を行う構成とした場合には、顧客または金融機関の営業員は、顧客の預金残高や預託証券残高とともに、証券会社で保管または管理されている顧客の有価証券保有情報を容易に確認することが可能となり、顧客にとっては、自己の資産状況を容易に、かつ、より詳細に確認することができるので便利であり、金融機関の営業員にとっては、顧客の資産状況を容易に、かつ、より詳細に把握することができるので顧客に対するサービスの質の向上を図ることが可能となる。従って、預託証券口座の預入対象となっている有価証券以外のものも含めて有価証券保有情報を把握することができるので、例えば、顧客が有価証券を売却するにあたり、預託証券口座の預入対象となっている有価証券を売却するのか、あるいは預託証券口座の預入対象となっていない有価証券を売却するのか等を選択する際の情報確認作業を行うことが可能となり、また、預託証券口座の預入対象となっていない有価証券を、預託証券口座の預入対象とする手続を行う際の情報確認作業を行うことが可能となる。

0026

そして、前述した口座管理システムにおいて、売買取次情報作成処理手段は、預金口座に預けられた預金を用いて証券会社を通じて有価証券を購入するための顧客の売買指示情報を受け付けるとともに、購入されて証券会社で保管または管理される有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を預託証券口座へ預け入れる対象とするか否かの顧客の預託証券預入選択情報を受け付ける処理を行う構成とされ、入出金処理手段は、売買取次情報作成処理手段により預託証券口座への預入れの対象とするという預託証券預入選択情報を受け付けた場合および預託証券口座への預入れの対象としないという預託証券預入選択情報を受け付けた場合のいずれの場合にも、有価証券を購入する売買指示を出した顧客について預金口座データベースの預金残高を減少させる出金処理を行う構成とされ、預託証券残高更新処理手段は、売買取次情報作成処理手段により預託証券口座への預入れの対象とするという預託証券預入選択情報を受け付けた場合には、有価証券を購入する売買指示を出した顧客について預託証券口座データベースの預託証券残高を増加させる更新処理を行い、売買取次情報作成処理手段により預託証券口座への預入れの対象としないという預託証券預入選択情報を受け付けた場合には、預託証券口座データベースの預託証券残高の更新処理を行わない構成とされていることが望ましい。

0027

ここで、「預託証券残高の更新処理を行わない」ことには、システム上、何らかの処理は行うが、結果的に預託証券残高の数値を変更しないことも含まれる。

0028

このように顧客の預託証券預入選択情報に従って入出金処理手段による預金口座データベースの預金残高情報の更新処理および預託証券残高更新処理手段による預託証券口座データベースの預託証券残高情報の更新処理を行う構成とした場合には、顧客は、有価証券の購入の都度に、購入した有価証券に対して発行される預託証券を預託証券口座へ預け入れる対象とするか否かの選択を行うことが可能となり、顧客にとっては、資産運用についての自由度が向上し、金融機関にとっては、顧客に対するサービスの質の向上を図ることが可能となる。

0029

なお、預託証券残高更新処理手段は、売買取次情報作成処理手段により預託証券口座への預入れの対象とするという預託証券預入選択情報が受け付けられたのか、預託証券口座への預入れの対象としないという預託証券預入選択情報が受け付けられたのかを、次のように判断することができる。例えば、売買取次情報作成処理手段により受け付けた預託証券預入選択情報を、注文識別情報または顧客識別情報と対応させて預託証券預入選択情報テーブルに記憶させておき、証券会社サーバから売買結果情報を受信した後に、この売買結果情報に含まれる注文識別情報または顧客識別情報をキーとして預託証券預入選択情報テーブルを検索することにより、受信した売買結果情報に係る売買取引の基になった売買指示情報に対応する預託証券預入選択情報を把握することができる。また、売買取次情報作成処理手段により受け付けた預託証券預入選択情報を、売買取次情報に含ませて証券会社サーバへ送信し、証券会社サーバから受信する売買結果情報にも預託証券預入選択情報を含ませておくことにより、受信した売買結果情報に係る売買取引の基になった売買指示情報に対応する預託証券預入選択情報を把握することができる。後述する有価証券の売却の場合の預託証券引出選択情報の把握も同様にして行うことができる。

0030

さらに、前述した口座管理システムにおいて、売買取次情報作成処理手段は、証券会社で保管または管理されている有価証券を売却するための顧客の売買指示情報を受け付けるとともに、売却する有価証券を、預託証券口座から引き出すか否かの顧客の預託証券引出選択情報を受け付ける処理を行う構成とされ、入出金処理手段は、売買取次情報作成処理手段により預託証券口座から引き出すという預託証券引出選択情報を受け付けた場合および預託証券口座から引き出さないという預託証券引出選択情報を受け付けた場合のいずれの場合にも、有価証券を売却する売買指示を出した顧客について預金口座データベースの預金残高を増加させる入金処理を行う構成とされ、預託証券残高更新処理手段は、売買取次情報作成処理手段により預託証券口座から引き出すという預託証券引出選択情報を受け付けた場合には、有価証券を売却する売買指示を出した顧客について預託証券口座データベースの預託証券残高を減少させる更新処理を行い、預託証券口座から引き出さないという預託証券引出選択情報を受け付けた場合には、預託証券口座データベースの預託証券残高の更新処理を行わない構成としてもよい。

0031

ここで、「預託証券残高の更新処理を行わない」ことには、システム上、何らかの処理は行うが、結果的に預託証券残高の数値を変更しないことも含まれるのは、前述した有価証券の購入の場合と同様である。

0032

このように顧客の預託証券引出選択情報に従って入出金処理手段による預金口座データベースの預金残高情報の更新処理および預託証券残高更新処理手段による預託証券口座データベースの預託証券残高情報の更新処理を行う構成とした場合には、顧客は、有価証券の売却の都度に、売却する有価証券を預託証券口座から引き出すか否か、つまり預託証券口座に預け入れた有価証券以外の分について売却するのか否かの選択を行うことが可能となり、顧客にとっては、資産運用についての自由度が向上し、金融機関にとっては、顧客に対するサービスの質の向上を図ることが可能となる。

0033

また、以上に述べた口座管理システムにおいて、証券会社サーバから送信されてきた証券会社で保管または管理されている顧客の有価証券保有情報を各顧客毎に記憶する有価証券保有情報データベースと、この有価証券保有情報データベースに記憶された有価証券保有情報に基づき、金融機関から顧客が借り入れることができる金額を算出する処理を行う顧客借入可能額算出処理手段と、端末装置の画面上に顧客借入可能額算出処理手段により算出された顧客借入可能額を表示する処理を行う顧客借入可能額表示処理手段とを備えた構成としてもよい。

0034

このように有価証券保有情報データベース、顧客借入可能額算出処理手段、および顧客借入可能額表示処理手段を備えた構成とした場合には、顧客は、証券会社で保管または管理されている自己の保有する有価証券を担保として、金融機関から資金の借り入れを行うことが可能となり、顧客または金融機関の営業員は、その際の借入可能額を、端末装置で画面表示させ、確認することが可能となるので、顧客にとっては、例えば、資金は必要であるが、有価証券を購入しなければならない事情や、購入した有価証券を保有していなければならない事情がある場合等に便利であり、金融機関にとっては、顧客への貸付けを行い、その利子による収入を得ることが可能となる。

0035

また、以上に述べた本発明の口座管理システムにより実現される口座管理方法として、以下のような本発明の口座管理方法が挙げられる。

0036

すなわち、本発明は、顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む証券会社以外の金融機関に開設された顧客の口座の情報を管理する口座管理方法であって、金融機関に開設された顧客の預金口座の情報を各顧客毎に記憶する預金口座データベースと、証券会社で保管または管理される顧客の有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を顧客から金融機関が借り入れる形で金融機関に開設された顧客の預託証券口座の情報を各顧客毎に記憶する預託証券口座データベースとを金融機関サーバに設けておき、金融機関サーバの売買取次情報作成処理手段が、顧客または顧客から依頼された金融機関の営業員が操作する端末装置で入力された顧客の売買指示情報を受け付けて証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買取次情報を作成する処理を行い、金融機関サーバの売買取次情報送信手段が、売買取次情報作成処理手段により作成された売買取次情報を通信回線を介して証券会社サーバへ送信し、金融機関サーバの売買結果情報受信手段が、証券会社サーバから通信回線を介して送信されてくる売買結果情報を受信し、金融機関サーバの入出金処理手段が、売買結果情報受信手段により受信した売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について預金口座データベースの預金残高を増減させる入出金処理を行うとともに、金融機関サーバの預託証券残高更新処理手段が、売買結果情報受信手段により受信した売買結果情報に含まれる売買数量に基づき、売買指示を出した顧客について預託証券口座データベースの預託証券残高を更新する処理を行うことを特徴とするものである。

0037

このような本発明の口座管理方法においては、前述した本発明の口座管理システムで得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。

0038

また、本発明は、顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む証券会社以外の金融機関に開設された顧客の口座の情報を管理する口座管理システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、金融機関に開設された顧客の預金口座の情報を各顧客毎に記憶する預金口座データベースと、証券会社で保管または管理される顧客の有価証券に対して仮想的に発行される預託証券を顧客から金融機関が借り入れる形で金融機関に開設された顧客の預託証券口座の情報を各顧客毎に記憶する預託証券口座データベースと、顧客または顧客から依頼された金融機関の営業員が操作する端末装置で入力された顧客の売買指示情報を受け付けて証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買取次情報を作成する処理を行う売買取次情報作成処理手段と、この売買取次情報作成処理手段により作成された売買取次情報を通信回線を介して証券会社サーバへ送信する売買取次情報送信手段と、証券会社サーバから通信回線を介して送信されてくる売買結果情報を受信する売買結果情報受信手段と、この売買結果情報受信手段により受信した売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について預金口座データベースの預金残高を増減させる入出金処理を行う入出金処理手段と、売買結果情報受信手段により受信した売買結果情報に含まれる売買数量に基づき、売買指示を出した顧客について預託証券口座データベースの預託証券残高を更新する処理を行う預託証券残高更新処理手段とを備えたことを特徴とする口座管理システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。

0039

なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリCD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイルディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダムアクセスメモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスクFD)、磁気テープハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカルエリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネットエクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。

発明の効果

0040

以上に述べたように本発明によれば、顧客にとっては、自分が預金口座を開設している金融機関の仲介により、自分の預金口座に預けられた預金を用いて証券会社を通じて有価証券の購入を行うことができるので、証券投資を容易に行うことができるうえ、証券投資をすることでペイオフ解禁に伴う預金への不安感を軽減することができ、金融機関にとっては、顧客の資産運用を支援することができるうえ、顧客が預金口座に預けられた預金を用いて有価証券を購入しても、金融機関は、その有価証券が仲介先の証券会社で保管または管理されることを前提として仮想的に発行される預託証券を、顧客から借り入れることができるので、顧客から預かっている資金の流出を実質的に防ぎ、健全な預貸比率を維持して企業等への貸付業務を支障なく行うことができるという効果がある。

発明を実施するための最良の形態

0041

以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の口座管理システム10の全体構成が示されている。図2および図3には、口座管理システム10による処理の流れがフローチャートで示されている。また、図4には、口座管理システム10による顧客の口座管理を含め、証券仲介業を営む金融機関および証券会社で行われる一連の業務の流れの概略が示されている。さらに、図5には、有価証券の売買等の手続に伴う口座残高の変化の例が示されている。

0042

<証券仲介業を営む金融機関および証券会社で行われる一連の業務の流れの概略>
先ず、口座管理システム10の構成および機能の詳細な説明を行う前に、図4を参照して証券仲介業を営む金融機関および証券会社で行われる一連の業務の流れの概略について説明する。

0043

図4において、顧客は、金融機関(例えば、地方銀行や信用金庫等)に預金口座を開設し、預金を預け入れる(ステップS1)。続いて、顧客と金融機関との間で運用預り契約締結する(ステップS2)。この運用預り契約は、金融機関に開設された顧客の預金口座の預金を用いて顧客が有価証券を購入する際に、証券会社で保管または管理される顧客の有価証券に対して仮想的に発行される預託証券(つまり、紙面ではなく、電子データとして発行される預託証券)を、顧客から金融機関が借り入れる形で金融機関に顧客の預託証券口座を仮想的に開設し、ここに顧客が預託証券を預け入れる一方、金融機関は顧客に対して預託証券の預り料を支払う旨の契約である。なお、この運用預り契約は、顧客が金融機関に預金口座を開設する際に締結してもよく、預金口座の開設後に、例えば預金量が1,000万円を超える等、有価証券の購入の必要性が生じた段階で締結してもよい。また、このような運用預り契約は、毎回の有価証券の購入手続を行う前(初回の購入手続時でもよい。)に事前に締結する包括的な契約としてもよく、あるいは有価証券の購入手続の都度に締結する個別的な契約としてもよい。

0044

ここで、預託証券(DR:Depositary Receipt)とは、通常、外国会社の株式を国内で流通させるために、国内の預託機関(通常は銀行)が、本国(外国)において保管される原株式を見合いに国内で発行する代替証券をいう。例えば、米預託証券(ADR:American Depositary Receipt)があり、このADRは、外国企業や外国政府、あるいは米国企業の外国法人子会社等が発行する有価証券に対する所有権を示す、米ドル建て記名式譲渡可能預り証書であり、従って、日本語では、「米国預託証書」とも訳されている。ADRは、簡単に言えば、米国内の投資家国際的な株式投資を簡単に行えるようにするために、米国以外の発行体の企業の株式を米ドル建てで売買でき、配当金も米ドルで受け取れるようにしたものである。これに対し、本願明細書では、証券会社の発行する有価証券の保護預り証書(但し、実際には、必ずしもペーパーの発行を伴わなくてもよく、電子データとして仮想的に発行され、管理されるものであればよい。)について、ADRと同様な機能(原株式の代替機能)を発揮させ、これを預託証券と称している。従って、本願明細書では、証券会社が顧客に対して保護預り証書(つまり、本願明細書で預託証券と称しているもの)を仮想的に発行し、さらに、金融機関がこの保護預り証書(預託証券)を顧客から借り入れて、顧客に対して保護預り証書(預託証券)を預かっていることを示す預り証書を仮想的に発行する(つまり、顧客の預託証券口座の残高情報として示す)ことになる。

0045

そして、顧客は、金融機関の店舗に出向き、金融機関の窓口において、有価証券の売買注文のための売買指示を出し、金融機関の営業員は、顧客からの依頼を受けて金融機関サーバ20に接続された端末装置70(図1参照)を操作し、売買指示を入力する(ステップS3)。なお、顧客は、ネットワークからなる通信回線6を介して金融機関サーバ20に接続された端末装置72(図1参照)を自ら操作して売買指示を入力してもよい。この際、顧客は、例えば、自己の預金口座の残高が1,000万円を超えていた場合には、その超えている分の預金を用いて有価証券の購入を行えば、ペイオフ解禁に伴う対応措置を採ることができる。

0046

金融機関は、売買指示を受け付け、仲介業者として証券会社への売買取次を行い(ステップS4)、証券会社では、金融機関の仲介で受け付けた売買注文を証券取引所等へ発注する(ステップS5)。注文された売買取引が約定すると(ステップS6)、例えば4営業日目(3日後)に、約定した取引について決済が行われる。

0047

この際、証券会社は、顧客に対して預託証券を仮想的(電子的)に発行する(ステップS7)。また、金融機関は、有価証券の購入が行われた場合には、顧客の預金口座からの買付代金引落処理を行う。なお、有価証券の売却が行われた場合には、顧客の預金口座への売付代金の入金処理を行う。さらに、顧客から証券会社へ委託手数料が支払われるとともに(ステップS8)、証券会社から仲介業者である金融機関へ仲介手数料が支払われる(ステップS9)。一方、金融機関は、有価証券の購入が行われた場合には、購入された有価証券に対して発行された預託証券を顧客から借り入れる(ステップS10)。顧客から借り入れた預託証券は、顧客の預託証券口座に預け入れられる。従って、有価証券の購入が行われた場合には、預金口座に預けられていた顧客の預金が、その顧客の預託証券口座に形を変えて移動することになり、預金口座から預託証券口座へ、顧客の資産がいわばスイープされた状態となる。

0048

その後、金融機関は、所定の支払時期到来した時点で、預金利息を顧客に支払うとともに(ステップS11)、顧客から借り入れた預託証券の預り料を顧客に支払う(ステップS12)。従って、顧客にとっては、預金口座から預託証券口座へのスイープは、預金利息を金融機関から受け取るか、預託証券の預り料を金融機関から受け取るかの選択となる。その他に、顧客は、有価証券を購入した場合には、証券価格の上昇により収益を上げることができる点や、逆に、証券価格の下落に伴うリスクがある点も考慮し、スイープさせるか否かの選択を行うことができる。

0049

そして、金融機関は、このような預金口座から預託証券口座へのスイープが行われることにより、預託証券口座に預け入れられた預託証券を元手にして資金調達を行うことができ(ステップS13)、実質的に顧客の預金を流出させずに、企業等への貸付を行い(ステップS14)、企業等の貸付先の支払う利子による収入を得ることができる(ステップS15)。

0050

また、金融機関は、預金口座を開設している顧客に対して貸付を行ってもよい(ステップS16)。すなわち、顧客は、証券会社で保管または管理されている自己の保有する有価証券を担保として、金融機関から資金を借り入れることができ(ステップS17)、金融機関は、顧客の支払う利子による収入を得ることができる(ステップS18)。

0051

<口座管理システム10の構成および機能の詳細>
次に、口座管理システム10の構成および機能の詳細について、図1を参照して説明する。

0052

図1において、口座管理システム10は、顧客と証券会社との仲介を行う証券仲介業を営む金融機関(例えば、地方銀行や信用金庫等)に開設された顧客の口座の情報を管理するシステムであり、金融機関サーバ20と、証券会社サーバ50と、金融機関サーバ20に接続された端末装置70,71,72とを備えて構成されている。また、証券会社サーバ50には、証券取引所システム等の取引実行システム80が接続されている。さらに、金融機関サーバ20および証券会社サーバ50には、時価情報提供システム90が接続されている。

0053

金融機関サーバ20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、売買取次情報作成処理手段21と、売買取次情報送信手段22と、売買結果情報受信手段23と、入出金処理手段24と、預託証券残高更新処理手段25と、預金利息算出処理手段26と、預り料算出処理手段27と、残高情報表示処理手段28と、顧客借入可能額算出処理手段29と、顧客借入可能額表示処理手段30とを備えている。また、金融機関サーバ20は、預金口座データベース41と、預託証券口座データベース42と、有価証券保有情報データベース43とを備えている。

0054

売買取次情報作成処理手段21は、顧客または顧客から依頼された金融機関の営業員が操作する端末装置70,72で入力された顧客の売買指示情報を受け付け、この売買指示情報を用いて、証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買取次情報を作成する処理を行うものである。

0055

また、売買取次情報作成処理手段21は、預金口座に預けられた預金を用いて証券会社を通じて有価証券を購入するための顧客の売買指示情報を受け付けるとともに、購入されて証券会社で保管または管理される有価証券に対して仮想的(電子的)に発行される預託証券を、預託証券口座へ預け入れる対象とするか否かの顧客の預託証券預入選択情報も受け付ける。従って、口座管理システム10では、預金口座に預けられた預金を用いて購入した有価証券を、預託証券口座へ預け入れない(つまり、スイープさせない)という選択をすることもできる。

0056

さらに、売買取次情報作成処理手段21は、証券会社で保管または管理されている有価証券を売却するための顧客の売買指示情報を受け付けるとともに、売却する有価証券を、預託証券口座から引き出すか否かの顧客の預託証券引出選択情報も受け付ける。従って、口座管理システム10では、預託証券口座に預け入れられていない有価証券の売却も取り扱うことができる。

0057

なお、売買取次情報作成処理手段21は、売買取次にはならない処理であるが、預託証券口座に預け入れられていない有価証券(例えば、金融機関を仲介業者とせずに、証券会社に直接に委託して購入した有価証券、あるいは金融機関を仲介業者として購入したが、預託証券口座への預入れの対象としなかった有価証券等)を、預託証券口座に預け入れるための手続も受け付け、預託証券残高更新処理手段25へ伝達する処理を行う。

0058

売買取次情報送信手段22は、売買取次情報作成処理手段21により作成された売買取次情報を、専用線等の通信回線1を介して証券会社サーバ50へ送信する処理を行うものである。ここで、売買取次情報には、注文内容(売買銘柄、売買数量等)の他に、金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の口座番号でもよい。)、預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)も含まれる。

0059

売買結果情報受信手段23は、証券会社サーバ50から専用線等の通信回線1を介して送信されてくる売買結果情報を受信する処理を行うものである。

0060

入出金処理手段24は、売買結果情報受信手段23により受信した売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について預金口座データベース41の預金残高を増減させる入出金処理を行うものである。

0061

この際、入出金処理手段24は、有価証券の購入手続については、売買取次情報作成処理手段21により預託証券口座への預入れの対象とするという預託証券預入選択情報を受け付けた場合、および預託証券口座への預入れの対象としないという預託証券預入選択情報を受け付けた場合のいずれの場合にも、有価証券を購入する売買指示を出した顧客について預金口座データベース41の預金残高を減少させる出金処理を行う。具体的には、例えば、顧客の預金口座から、買付代金、委託手数料、税金を引き落とす処理を行う。さらに、これと併せて、入出金処理手段24は、金融機関に開設された証券会社の口座に、買付代金、および委託手数料(顧客が証券会社に支払う手数料)と仲介手数料(証券会社が仲介業者である金融機関に支払う手数料)との差額入金する処理を行うとともに、金融機関(自己)の勘定に仲介手数料を入金する処理を行う。

0062

また、入出金処理手段24は、有価証券の売却手続については、売買取次情報作成処理手段21により預託証券口座から引き出すという預託証券引出選択情報を受け付けた場合、および預託証券口座から引き出さないという預託証券引出選択情報を受け付けた場合のいずれの場合にも、有価証券を売却する売買指示を出した顧客について預金口座データベース41の預金残高を増加させる入金処理を行う。具体的には、例えば、顧客の預金口座に売付代金を入金するとともに、顧客の預金口座から、委託手数料、税金を引き落とす処理を行う。さらに、これと併せて、入出金処理手段24は、金融機関に開設された証券会社の口座から、売付代金を引き落とし、証券会社の口座に、委託手数料(顧客が証券会社に支払う手数料)と仲介手数料(証券会社が仲介業者である金融機関に支払う手数料)との差額を入金する処理を行うとともに、金融機関(自己)の勘定に仲介手数料を入金する処理を行う。

0063

また、入出金処理手段24は、顧客による端末装置(ATM)71からの預金の預入れや引出し、他人の口座への振込や他の口座への振替等、金融機関の窓口での預金の預入れや引出し、他人の口座への振込や他の口座への振替等、あるいは公共料金や各種保険料等の自動引落等に伴う入出金処理も行う。

0064

預託証券残高更新処理手段25は、売買結果情報受信手段23により受信した売買結果情報に含まれる売買数量(売買株数等)に基づき、売買指示を出した顧客について預託証券口座データベース42の預託証券残高を更新する処理を行うものである。

0065

この際、預託証券残高更新処理手段25は、有価証券の購入手続については、売買取次情報作成処理手段21により預託証券口座への預入れの対象とするという預託証券預入選択情報を受け付けた場合には、有価証券を購入する売買指示を出した顧客について預託証券口座データベース42の預託証券残高を増加させる更新処理を行い、売買取次情報作成処理手段21により預託証券口座への預入れの対象としないという預託証券預入選択情報を受け付けた場合には、預託証券口座データベース42の預託証券残高の更新処理を行わない。更新処理では、具体的には、例えば、購入した株式の銘柄、売買数量(購入株数)、時価単価時価評価額等を、預託証券口座データベース42の該当顧客の領域に記憶させる(図3図5参照)。なお、預託証券口座に既に預け入れられている銘柄を買い増した場合には、その銘柄の数量に売買数量(購入株数)を加算し、時価単価および時価評価額を更新する。ここで、時価単価は、時価情報提供システム90から取得する。そして、預託証券残高更新処理手段25は、時価情報提供システム90から定期的に時価情報を取得して、その後の時価変動も捉え、時価変動により時価単価および時価評価額が変化した場合には、それらの数値の更新処理も行う。従って、預託証券口座データベース42には、常に最新の時価情報を反映させた時価評価額が記憶されている。

0066

また、預託証券残高更新処理手段25は、有価証券の売却手続については、売買取次情報作成処理手段21により売却する有価証券を預託証券口座から引き出すという預託証券引出選択情報を受け付けた場合には、有価証券を売却する売買指示を出した顧客について預託証券口座データベース42の預託証券残高を減少させる更新処理を行い、預託証券口座から引き出さないという預託証券引出選択情報を受け付けた場合には、預託証券口座データベース42の預託証券残高の更新処理を行わない。更新処理では、具体的には、例えば、売却した株式の銘柄についての情報を削除する(図5参照)。なお、ある銘柄について預託証券口座に既に預け入れられている全株数のうちの一部の株数を売却した場合には、その銘柄の数量から売買数量(売却株数)を減算し、時価単価および時価評価額を更新する。ここで、時価単価を時価情報提供システム90から取得するのは、前述した通りである。

0067

さらに、預託証券残高更新処理手段25は、売買取次情報作成処理手段21により預託証券口座に預け入れられていない有価証券を預託証券口座に預け入れるための手続を受け付けた場合には、購入した有価証券を預託証券口座に預け入れる場合と同様に、その手続を指示した顧客について預託証券口座データベース42の預託証券残高を増加させる更新処理を行う。

0068

預金利息算出処理手段26は、預金口座データベース41に記憶された預金残高情報に基づき、金融機関が顧客に支払う預金利息を各顧客毎に算出する処理を行うものである。

0069

預り料算出処理手段27は、預託証券口座データベース42に記憶された預託証券残高情報に基づき、金融機関による顧客からの預託証券の借入れに対して金融機関が顧客に支払う預り料を各顧客毎に算出する処理を行うものである。

0070

残高情報表示処理手段28は、端末装置70,71,72の画面上に、預金口座データベース41に記憶された預金残高情報、および預託証券口座データベース42に記憶された預託証券残高情報を表示する処理を行うものである。また、残高情報表示処理手段28は、預金残高情報および預託証券残高情報とともに、有価証券保有情報データベース43に記憶された有価証券保有情報も表示する。なお、預金残高情報と預託証券残高情報と有価証券保有情報とは、同一画面内に表示してもよく、異なる画面で切替表示してもよい。

0071

顧客借入可能額算出処理手段29は、有価証券保有情報データベース43に記憶された有価証券保有情報に基づき、金融機関から顧客が借り入れることができる金額を算出する処理を行うものである。

0072

顧客借入可能額表示処理手段30は、端末装置70,71,72の画面上に、顧客借入可能額算出処理手段29により算出された顧客借入可能額を表示する処理を行うものである。この際、顧客借入可能額表示処理手段30は、顧客借入可能額とともに、有価証券保有情報データベース43に記憶された有価証券保有情報も画面表示する。なお、顧客借入可能額と有価証券保有情報とは、同一画面内に表示してもよく、異なる画面で切替表示してもよい。

0073

預金口座データベース41は、金融機関に開設された顧客の預金口座の情報を各顧客毎に記憶するものである。この預金口座データベース41には、現時点の預金残高情報の他に、過去の預金残高の履歴情報や入出金の履歴情報等も記憶される。

0074

預託証券口座データベース42は、証券会社で保管または管理される顧客の有価証券に対して仮想的(電子的)に発行される預託証券を、顧客から金融機関が借り入れる形で金融機関に開設された顧客の預託証券口座の情報を各顧客毎に記憶するものである。この預託証券口座データベース42には、現時点の預託証券残高情報の他に、過去の預託証券残高の履歴情報や売買取引の履歴情報等も記憶される。

0075

有価証券保有情報データベース43は、証券会社サーバ50から送信されてきた顧客の有価証券保有情報、すなわち証券会社で保管または管理されている顧客の有価証券保有情報を各顧客毎に記憶するものである。この有価証券保有情報データベース43には、顧客の保有する有価証券であって証券会社で保管または管理されている全ての有価証券についての保有情報が記憶されるので、預託証券口座データベース42に記憶される預託証券口座への預入れの対象となっている有価証券のみならず、預託証券口座への預入れの対象となっていない有価証券についての保有情報も記憶される。また、この有価証券保有情報データベース43に記憶される有価証券保有情報は、証券会社サーバ50の有価証券保有情報データベース61に記憶された有価証券保有情報のコピーである。但し、有価証券保有情報データベース43は、証券会社サーバ50の有価証券保有情報データベース61とは異なり、証券会社の全ての顧客の有価証券保有情報を記憶するのではなく、その金融機関の顧客の有価証券保有情報を記憶する。

0076

証券会社サーバ50は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、売買取次情報受信手段51と、発注情報作成処理手段52と、発注処理手段53と、更新処理手段54と、売買結果情報作成処理手段55と、売買結果情報送信手段56とを備えている。また、証券会社サーバ50は、有価証券保有情報データベース61と、顧客識別情報変換テーブル62とを備えている。

0077

売買取次情報受信手段51は、金融機関サーバ20から専用線等の通信回線1を介して送信されてくる売買取次情報を受信する処理を行うものである。

0078

発注情報作成処理手段52は、売買取次情報受信手段51により受信した売買取次情報を用いて発注情報を作成する処理を行うものである。具体的には、発注情報作成処理手段52は、売買取次情報に含まれる金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の口座番号でもよい。)をキーとして、顧客識別情報変換テーブル62を用いて証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号でもよい。)を把握し、この証券会社用顧客識別情報を注文内容(売買銘柄、売買数量等)とともに発注情報に含ませる。また、発注情報には、預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)を識別するための情報や、仲介業者である金融機関を識別するための情報を含ませてもよく、これらの識別情報には、例えば、伝票No.等を利用することができる。

0079

発注処理手段53は、発注情報作成処理手段52により作成された発注情報を、専用線等の通信回線2を介して証券取引所システム等の取引実行システム80へ送信する処理を行うものである。

0080

更新処理手段54は、証券取引所システム等の取引実行システム80から専用線等の通信回線2を介して送信されてくる約定情報を受信し、受信した約定情報に基づき、有価証券保有情報データベース61に記憶された顧客の有価証券保有情報を更新する処理を行うとともに、受信した約定情報を売買結果情報作成処理手段55へ伝達する処理を行うものである。ここで、約定情報には、約定した売買取引についての売買結果(売買銘柄、確定した売買数量等)の他に、証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号でもよい。)が含まれる。さらに、約定情報には、預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)を識別するための情報や、仲介業者である金融機関を識別するための情報として利用される伝票No.等が含まれていてもよい。

0081

具体的には、更新処理手段54は、有価証券を購入する取引が約定した場合には、例えば、購入した株式の銘柄、売買数量(購入株数)、時価単価、時価評価額等を、有価証券保有情報データベース61の該当顧客の領域に記憶させる。なお、証券会社で既に保管または管理されている銘柄を買い増した場合には、その銘柄の数量に売買数量(購入株数)を加算し、時価単価および時価評価額を更新する。また、有価証券を売却する取引が約定した場合には、売却した株式の銘柄についての情報を削除する。なお、証券会社で既に保管または管理されている銘柄についての全株数のうちの一部の株数を売却した場合には、その銘柄の数量から売買数量(売却株数)を減算し、時価単価および時価評価額を更新する。ここで、時価単価は、時価情報提供システム90から取得する。そして、更新処理手段54は、時価情報提供システム90から定期的に時価情報を取得して、その後の時価変動も捉え、時価変動により時価単価および時価評価額が変化した場合には、それらの数値の更新処理も行う。従って、有価証券保有情報データベース61には、常に最新の時価情報を反映させた有価証券保有情報が記憶されている。また、有価証券保有情報送信手段57により、有価証券保有情報データベース61に記憶された最新の時価情報を反映させた有価証券保有情報が金融機関サーバ20に定期的に送信されるので、金融機関サーバ20の有価証券保有情報データベース43にも、常に最新の時価情報を反映させた有価証券保有情報が記憶されている。

0082

売買結果情報作成処理手段55は、更新処理手段54から約定情報を受け取り、この約定情報を用いて、仲介業者である金融機関へ売買結果を連絡するための売買結果情報を作成する処理を行うものである。具体的には、売買結果情報作成処理手段55は、約定情報に含まれる証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号でもよい。)をキーとして、顧客識別情報変換テーブル62を用いて金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の口座番号でもよい。)を把握し、この金融機関用顧客識別情報を、成立した売買取引の内容(売買銘柄、確定した売買数量等)とともに売買結果情報に含ませる。また、売買結果情報には、識別情報として利用された伝票No.等から把握した預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)を含ませてもよい。

0083

売買結果情報送信手段56は、売買結果情報作成処理手段55により作成された売買結果情報を、専用線等の通信回線1を介して金融機関サーバ20へ送信する処理を行うものである。この際、送信先の金融機関サーバ20は、例えば、仲介業者である金融機関の識別情報として約定情報に含まれている伝票No.等から把握することができる。

0084

有価証券保有情報送信手段57は、有価証券保有情報データベース61に記憶された証券会社の全ての顧客の有価証券保有情報のうち、仲介業者である金融機関の顧客の有価証券保有情報を、専用線等の通信回線1を介して金融機関サーバ20に定期的に送信する処理を行うものである。そして、金融機関サーバ20に送信された有価証券保有情報は、金融機関サーバ20の有価証券保有情報データベース43に記憶される。

0085

有価証券保有情報データベース61は、証券会社で保管または管理されている顧客(本実施形態では、一例として証券会社の全ての顧客とする。)の有価証券保有情報を各顧客毎に記憶するものである。

0086

顧客識別情報変換テーブル62は、金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の口座番号でもよい。)と、証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号でもよい。)とを対応させて記憶するものである。

0087

端末装置70は、金融機関の店舗内等に設けられて主として金融機関の営業員が操作する対面販売用の端末装置であり、例えばコンピュータ等により構成され、専用線やネットワーク等の通信回線4で金融機関サーバ20に接続されている。この端末装置70は、例えば、携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等のモバイル機器により構成してもよい。

0088

端末装置71は、金融機関やコンビニエンスストアの店舗内、空港の構内、病院や学校や公共施設内等に設置された現金自動預払機(ATM)であり、コンピュータにより構成され、専用線等の通信回線5で金融機関サーバ20に接続されている。この現金自動預払機(ATM)では、通常のATMと同様に、預金の預入れや引出し、振込、振替、通帳記入等を行うことができる他、預金残高、預託証券残高、有価証券保有情報、顧客借入可能額の画面表示を行うことができる。なお、本実施形態では、有価証券の売買指示の入力は、端末装置(ATM)71では行うことができない構成とされているが、ATMで有価証券の売買指示の入力を行うことができる構成としてもよい。

0089

端末装置72は、自宅や勤務先等にいる顧客が操作する端末装置であり、例えば、コンピュータ等により構成され、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN等のネットワーク(有線無線は問わない。)からなる通信回線6で金融機関サーバ20に接続されている。この端末装置72は、例えば、携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等のモバイル機器により構成してもよい。

0090

取引実行システム80は、例えば、証券取引所システム等であり、コンピュータにより構成され、証券会社サーバ50に専用線等の通信回線2で接続されている。証券取引所システムの他には、例えば、投資信託を取り扱うシステム(同じ証券会社内の他のシステムでもよく、他社のシステムでもよい。)等がある。

0091

時価情報提供システム90は、コンピュータにより構成され、金融機関サーバ20や証券会社サーバ50に専用線やネットワーク等の通信回線3で接続され、これらの金融機関サーバ20や証券会社サーバ50に有価証券の時価情報を提供するシステムである。

0092

以上において、金融機関サーバ20の各手段21〜30、および証券会社サーバ50の各手段51〜57は、金融機関サーバ20および証券会社サーバ50を構成する各コンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。

0093

また、金融機関サーバ20の各データベース41〜43、および証券会社サーバ50の各データベース61,62は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。

0094

<口座管理システム10による処理の流れの詳細>
このような本実施形態においては、以下のようにして口座管理システム10を用いて顧客の口座情報の管理が行われる。

0095

図2において、先ず、顧客は、金融機関に預金口座を開設し、この預金口座に預金を預け入れるとともに、金融機関との間で運用預り契約を締結しておく。なお、運用預り契約は、前述したように有価証券の売買指示を出す都度に行ってもよい。

0096

次に、顧客は、金融機関に出向き、有価証券の売買について金融機関の営業員の勧誘や説明を受ける。この際、金融機関の営業員は、端末装置70を操作し、顧客の預金残高、預託証券残高、有価証券保有情報を端末装置70の画面に表示させ、確認する(ステップS21,S22)。顧客もこの画面を見せてもらうことができる。

0097

より詳細には、金融機関の営業員が、端末装置70を操作して金融機関サーバ20に通信回線4を介して表示要求を送信する(ステップS21)。金融機関サーバ20では、端末装置70からの要求を受け付けると、残高情報表示処理手段28により、預金口座データベース41に記憶された預金残高情報、預託証券口座データベース42に記憶された預託証券残高情報、および有価証券保有情報データベース43に記憶された有価証券保有情報の表示用情報を、通信回線4を介して端末装置70へ送信する(ステップS22)。すると、端末装置70では、図2に示すように、預金残高、預託証券残高、および有価証券保有情報を表示した残高確認画面28Aが、端末装置70の画面上に表示される(ステップS21)。なお、残高確認画面28Aには、A社株およびB社株について既に預託証券口座への預入れが行われている場合の例が示されているが、初回の場合には、預託証券口座残高は、ゼロの状態となっている。

0098

顧客は、金融機関の営業員から、自己の資産保有状況について説明を受け、預金口座残高が1,000万円を超えているか否かを把握し、1,000万円を超えている場合には、ペイオフ解禁への対応措置として、例えば、1,000万円を超えている分について有価証券を購入するか否かを判断する。さらに、有価証券を購入した場合に、その有価証券に対して仮想的(電子的)に発行される預託証券を、預託証券口座に預け入れるか否かを判断する。

0099

そして、顧客は、有価証券の購入を判断したら、金融機関の営業員に注文を行うための入力操作を依頼する。例えば、預金残高が3,000万円ある場合には、1,000万円を超える部分である2,000万円分について有価証券の購入を行うため、例えば、その時点で単価800円のD社株を25,000株購入し、預託証券口座への預入れ対象とするということを金融機関の営業員に伝える。

0100

金融機関の営業員は、顧客の依頼に基づき、端末装置70を操作して顧客の売買指示情報(例えば、D社株の25,000株購入)を入力するとともに、預託証券口座への預入れ対象とするという預託証券預入選択情報を入力する(ステップS23)。なお、有価証券の売却指示の場合には、売却する有価証券を預託証券口座から引き出すのか否かの預託証券引出選択情報を入力する。そして、入力された売買指示情報および預託証券預入選択情報(売却の場合には、預託証券引出選択情報)は、金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の預金口座番号等でもよい。)とともに、通信回線4を介して端末装置70から金融機関サーバ20へ送信される(ステップS24)。

0101

金融機関サーバ20では、端末装置70からの売買指示情報および預託証券預入選択情報(売却の場合には、預託証券引出選択情報)を受信すると、これらを売買取次情報作成処理手段21により受け付け(ステップS25)、これらの売買指示情報および預託証券預入選択情報(売却の場合には、預託証券引出選択情報)を用いて、証券会社へ注文内容を取り次ぐための売買取次情報を作成する(ステップS26)。そして、作成された売買取次情報は、売買取次情報送信手段22により、通信回線1を介して証券会社サーバ50へ送信される(ステップS27)。なお、売買取次情報には、前述したように、注文内容(売買銘柄、売買数量等)の他に、金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の預金口座番号等でもよい。)、預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)が含まれる。

0102

証券会社サーバ50では、売買取次情報受信手段51により、金融機関サーバ20からの売買取次情報を受信すると(ステップS28)、発注情報作成処理手段52により、受信した売買取次情報を用いて発注情報を作成する(ステップS29)。この際、発注情報作成処理手段52は、顧客識別情報変換テーブル62を用いて金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の預金口座番号等でもよい。)から証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号等でもよい。)への変換処理を行う。そして、作成された発注情報は、発注処理手段53により、通信回線2を介して証券取引所システム等の取引実行システム80へ送信される(ステップS30)。なお、発注情報には、前述したように、注文内容(売買銘柄、売買数量等)の他に、証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号等でもよい。)、さらには、例えば、伝票No.等として預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)を識別するための情報や、仲介業者である金融機関を識別するための情報が含まれる。

0103

続いて、証券取引所システム等の取引実行システム80から約定情報が通信回線2を介して送信されてくると、証券会社サーバ50では、更新処理手段54により、約定情報を受信し(ステップS31)、受信した約定情報に基づき、有価証券保有情報データベース61に記憶された顧客の有価証券保有情報を更新する処理を行うとともに(ステップS32)、受信した約定情報を売買結果情報作成処理手段55へ伝達する。なお、約定情報には、前述したように、約定した売買取引についての売買結果(売買銘柄、確定した売買数量等)の他に、証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号等でもよい。)、さらには、例えば、伝票No.等として預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)を識別するための情報や、仲介業者である金融機関を識別するための情報が含まれる。

0104

それから、証券会社サーバ50では、売買結果情報作成処理手段55により、更新処理手段54から約定情報を受け取ると、この約定情報を用いて、仲介業者である金融機関へ売買結果を連絡するための売買結果情報を作成する(ステップS33)。この際、売買結果情報作成処理手段55は、顧客識別情報変換テーブル62を用いて証券会社用顧客識別情報(証券会社に開設された顧客の口座番号等でもよい。)から金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の預金口座番号等でもよい。)への変換処理を行う。そして、作成された売買結果情報は、売買結果情報送信手段56により、通信回線1を介して金融機関サーバ20へ送信される(図3のステップS34)。なお、売買結果情報には、前述したように、成立した売買取引の内容(売買銘柄、確定した売買数量等)の他に、金融機関用顧客識別情報(金融機関に開設された顧客の預金口座番号等でもよい。)、さらには、預託証券預入選択情報(有価証券の購入の場合)または預託証券引出選択情報(有価証券の売却の場合)が含まれる。

0105

その後、金融機関サーバ20では、売買結果情報受信手段23により、証券会社サーバ50からの売買結果情報を受信すると(図3のステップS35)、例えば、普通取引(4日目取引)の場合には、4営業日目(3日後)に、即時決済取引の場合には、その日のうちに、入出金処理手段24により、受信した売買結果情報に含まれる売買金額に基づき、売買指示を出した顧客について預金口座データベース41の預金残高を増減させる入出金処理を行う(ステップS36)。

0106

この際、入出金処理手段24は、有価証券の購入の場合には、例えば、顧客の預金口座から、買付代金、委託手数料、税金を引き落とす処理を行う。さらに、これと併せて、入出金処理手段24は、金融機関に開設された証券会社の口座に、買付代金、および委託手数料(顧客が証券会社に支払う手数料)と仲介手数料(証券会社が仲介業者である金融機関に支払う手数料)との差額を入金する処理を行うとともに、金融機関(自己)の勘定に仲介手数料を入金する処理を行う。なお、証券会社に開設された金融機関の口座がある場合には、これを用いて入出金処理の一部を行ってもよく、例えば、証券会社サーバ50の入出金処理手段(不図示)が、証券会社に開設された金融機関の口座に、仲介手数料を入金する場合には、金融機関サーバ20の入出金処理手段24は、金融機関に開設された証券会社の口座に、委託手数料と仲介手数料との差額ではなく、委託手数料の全額を入金すればよく、また、証券会社サーバ50の入出金処理手段(不図示)が、証券会社に開設された金融機関の口座から買付代金を引き落とす場合(顧客が支払う買付代金を金融機関が一時的に立て替える形になる場合)には、金融機関サーバ20の入出金処理手段24は、顧客の預金口座から引き落とした買付代金を、金融機関(自己)の勘定に入金すればよい。

0107

一方、入出金処理手段24は、有価証券の売却の場合には、例えば、顧客の預金口座に売付代金を入金するとともに、顧客の預金口座から、委託手数料、税金を引き落とす処理を行う。さらに、これと併せて、入出金処理手段24は、金融機関に開設された証券会社の口座から、売付代金を引き落とし、証券会社の口座に、委託手数料(顧客が証券会社に支払う手数料)と仲介手数料(証券会社が仲介業者である金融機関に支払う手数料)との差額を入金する処理を行うとともに、金融機関(自己)の勘定に仲介手数料を入金する処理を行う。なお、有価証券の売却の場合にも、上述した購入の場合と同様に、証券会社に開設された金融機関の口座がある場合には、これを用いて入出金処理の一部を行ってもよく、例えば、証券会社サーバ50の入出金処理手段(不図示)が、証券会社に開設された金融機関の口座に、仲介手数料を入金する場合には、金融機関サーバ20の入出金処理手段24は、金融機関に開設された証券会社の口座に、委託手数料と仲介手数料との差額ではなく、委託手数料の全額を入金すればよく、また、証券会社サーバ50の入出金処理手段(不図示)が、証券会社に開設された金融機関の口座に売付代金を入金する場合(顧客が受け取る売付代金を金融機関が一時的に預かる形になる場合)には、金融機関サーバ20の入出金処理手段24は、顧客の預金口座へ入金する売付代金を、金融機関(自己)の勘定から出金すればよい。

0108

続いて、預託証券残高更新処理手段25により、有価証券の購入の場合には、売買結果情報受信手段23により受信した売買結果情報に含まれる預託証券預入選択情報(図2のステップS25で、売買取次情報作成処理手段21により受信した預託証券預入選択情報と同じ内容である。)に基づき、購入された有価証券が預託証券口座への預入れの対象とされているか否かを判断する(図3のステップS37)。また、有価証券の売却の場合には、預託証券残高更新処理手段25は、売買結果情報受信手段23により受信した売買結果情報に含まれる預託証券引出選択情報(図2のステップS25で、売買取次情報作成処理手段21により受信した預託証券引出選択情報と同じ内容である。)に基づき、売却された有価証券が預託証券口座から引き出されたものなのか否かを判断する(図3のステップS37)。

0109

ここで、購入された有価証券が預託証券口座への預入れの対象とされていると判断された場合、または売却された有価証券が預託証券口座から引き出されたものであると判断された場合には、預託証券残高更新処理手段25により、売買結果情報受信手段23により受信した売買結果情報に含まれる売買数量(売買株数等)に基づき、売買指示を出した顧客について預託証券口座データベース42の預託証券残高を更新する処理を行う(ステップS38)。

0110

一方、ステップS37で、購入された有価証券が預託証券口座への預入れの対象とされていないと判断された場合、または売却された有価証券が預託証券口座から引き出されたものでないと判断された場合には、預託証券残高更新処理手段25による預託証券残高の更新処理は行わない。

0111

また、証券会社サーバ50では、有価証券保有情報送信手段57により、有価証券保有情報データベース61に記憶された顧客の有価証券保有情報が、通信回線1を介して金融機関サーバ20に定期的(更新がある都度でもよい。)に送信され(図3のステップS39)、これにより金融機関サーバ20の有価証券保有情報データベース43に記憶された有価証券保有情報が更新される。

0112

その後、顧客または顧客に依頼された金融機関の営業員は、必要に応じ、端末装置70(端末装置71,72でもよい。)を操作し、顧客の預金残高、預託証券残高、有価証券保有情報を端末装置70の画面に表示させ、確認する(ステップS42,S43)。この際の金融機関サーバ20および証券会社サーバ50における処理(残高情報表示処理手段28による処理)は、前述した図2のステップS21,S22の処理と同様である。すると、端末装置70(端末装置71,72でもよい。)では、図3に示すように、預金残高、預託証券残高、および有価証券保有情報を表示した残高確認画面28Bが、端末装置70の画面上に表示される。前述した図2の残高確認画面28Aには、A社株およびB社株について既に預託証券口座への預入れが行われている場合の例が示されていたが、今回、D社株を25,000株購入し、預託証券口座への預入れの対象としたとすると、図3の残高確認画面28Bには、預託証券口座の残高としてD社株25,000株の情報が追加表示される。そして、これらの図2の残高確認画面28Aおよび図3の残高確認画面28Bの例では、顧客の預金口座の残高が、3,000万円から1,000万円になって2,000万円減少する一方、顧客の預託証券口座の残高が、時価評価額2,000万円に相当するD社株25,000株の分だけ増加しているので、預金口座と預託証券口座とのトータルの残高は、実質的には変動しておらず、顧客の資産が預金口座から預託証券口座へスイープされた状態となっている。なお、説明の便宜上、時価単価の変動はないものと仮定し、また、手数料や税金の支払金額は考慮していない。

0113

また、顧客または顧客に依頼された金融機関の営業員は、必要に応じ、端末装置70(端末装置71,72でもよい。)を操作し、顧客が金融機関から借り入れることができる顧客借入可能額を画面表示させる(ステップS42,S43)。例えば、顧客にとって、資金は必要であるが、有価証券を購入しなければならない事情や、購入した有価証券を保有していなければならない事情がある場合等に、顧客は、自己の保有する有価証券(証券会社で保有または管理されている有価証券)を担保にして、金融機関から必要な資金を借り入れることができる。

0114

より詳細には、顧客または顧客に依頼された金融機関の営業員が、端末装置70(端末装置71,72でもよい。)を操作して金融機関サーバ20に通信回線4を介して表示要求を送信する(ステップS42)。金融機関サーバ20では、端末装置70からの要求を受け付けると、顧客借入可能額算出処理手段29により、有価証券保有情報データベース43に記憶された有価証券保有情報に基づき、顧客が金融機関から借り入れることができる金額を算出した後、この顧客借入可能額の表示用情報を、顧客借入可能額表示処理手段30により、通信回線4を介して端末装置70へ送信する(ステップS43)。すると、端末装置70(端末装置71,72でもよい。)では、図3に示すように、顧客借入可能額算出処理手段29により算出された顧客借入可能額が、有価証券保有情報データベース43に記憶された有価証券保有情報とともに、端末装置70の画面上に表示される(ステップS42)。

0115

さらに、金融機関サーバ20では、預金利息算出処理手段26により、預金口座データベース41に記憶された預金残高情報に基づき、金融機関が顧客に支払う預金利息を各顧客毎に算出するとともに、預り料算出処理手段27により、預託証券口座データベース42に記憶された預託証券残高情報に基づき、金融機関による顧客からの預託証券の借入れに対して金融機関が顧客に支払う預り料を各顧客毎に算出する(ステップS44)。

0116

それから、金融機関サーバ20では、入出金処理手段24により、預金利息算出処理手段26により算出された預金利息、および預り料算出処理手段27により算出された預託証券の預り料を各顧客の預金口座に入金するため、預金口座データベース41に記憶された各顧客の預金残高を預金利息および預り料の分だけ増加させる処理を行う(ステップS45)。以上により、口座管理システム10による一連の処理の流れの説明を終える。

0117

<口座管理システム10による処理で得られる効果>
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、口座管理システム10では、顧客は、自分が預金口座を開設している金融機関の仲介により、自分の預金口座に預けられた預金を用いて、証券会社を通じて有価証券の購入を行うことができるので、顧客にとっては、証券投資を容易に行うことができ、柔軟な資産運用が可能となるうえ、証券投資をすることでペイオフ解禁に伴う預金への不安感を軽減することができる。

0118

また、証券仲介業を営む金融機関(例えば、地方銀行や信用金庫等)にとっては、顧客の資産運用を支援することができるうえ、顧客が預金口座に預けられた預金を用いて有価証券を購入しても、金融機関は、その有価証券が仲介先の証券会社で保管または管理されることを前提として仮想的(電子的)に発行される預託証券を、顧客から借り入れることができるので、顧客から預かっている資金の流出を実質的に防ぎ、健全な預貸比率を維持して企業等への貸付業務を支障なく行うことができる。

0119

さらに、口座管理システム10は、預金利息算出処理手段26および預り料算出処理手段27を備えているので、金融機関が顧客に対して支払う預金利息および預託証券の預り料の算出処理、およびこれらの支払処理を円滑に行うことができる。

0120

そして、口座管理システム10は、残高情報表示処理手段28を備えているので、顧客または金融機関の営業員は、顧客の預金残高や預託証券残高を容易に確認することができる。このため、顧客にとっては、自己の資産状況を容易に確認することができるので便利であり、金融機関の営業員にとっては、顧客の資産状況を容易に把握することができるので、顧客に対するサービスの質の向上を図ることができる。

0121

また、残高情報表示処理手段28は、預金残高情報および預託証券残高情報とともに有価証券保有情報を表示する構成とされているので、顧客または金融機関の営業員は、顧客の預金残高や預託証券残高とともに、証券会社で保管または管理されている顧客の有価証券保有情報を容易に確認することができる。このため、顧客にとっては、自己の資産状況を容易に、かつ、より詳細に確認することができるので便利であり、金融機関の営業員にとっては、顧客の資産状況を容易に、かつ、より詳細に把握することができるので、顧客に対するサービスの質を、より一層向上させることができる。

0122

従って、預託証券口座の預入対象となっている有価証券以外のものも含めて有価証券保有情報を把握することができるので、例えば、顧客が有価証券を売却するにあたり、預託証券口座の預入対象となっている有価証券を売却するのか、あるいは預託証券口座の預入対象となっていない有価証券を売却するのか等を選択する際の情報確認作業を行うことができる。また、預託証券口座の預入対象となっていない有価証券を、預託証券口座の預入対象とする手続を行う際の情報確認作業を行うことができる。

0123

さらに、売買取次情報作成処理手段21は、売買指示情報を受け付けるとともに、購入する有価証券に対して発行される預託証券を預託証券口座へ預け入れる対象とするか否かの顧客の預託証券預入選択情報を受け付ける構成とされているので、預託証券残高更新処理手段25は、この預託証券預入選択情報に従って、預託証券口座データベース42の預託証券残高の更新処理を行うか否かを判断することができる。従って、顧客は、有価証券を購入した場合に、必ずしも預託証券口座へ預け入れる必要はなく、有価証券の購入の都度に、預託証券口座へ預け入れる対象とするか否かの選択を行うことができるので、資産運用についての顧客の自由度を向上させることができるうえ、金融機関にとっては、顧客に対するサービスの質の向上を図ることができる。

0124

そして、売買取次情報作成処理手段21は、売買指示情報を受け付けるとともに、売却する有価証券を、預託証券口座から引き出すか否かの顧客の預託証券引出選択情報を受け付ける構成とされているので、預託証券残高更新処理手段25は、この預託証券引出選択情報に従って、預託証券口座データベース42の預託証券残高の更新処理を行うか否かを判断することができる。従って、顧客は、有価証券の売却の都度に、売却する有価証券を預託証券口座から引き出すか否か、つまり預託証券口座に預け入れた有価証券以外の分について売却するのか否かの選択を行うことができるので、資産運用についての顧客の自由度を向上させることができ、金融機関にとっては、顧客に対するサービスの質の向上を図ることができる。

0125

また、口座管理システム10は、有価証券保有情報データベース43、顧客借入可能額算出処理手段29、および顧客借入可能額表示処理手段30を備えているので、顧客は、証券会社で保管または管理されている自己の保有する有価証券を担保として、金融機関から資金の借り入れを行うことができ、顧客または金融機関の営業員は、その際の借入可能額を、端末装置70,71,72で画面表示させ、確認することができる。このため、顧客にとっては、例えば、資金は必要であるが、有価証券を購入しなければならない事情や、購入した有価証券を保有していなければならない事情がある場合等に便利であり、金融機関にとっては、顧客への貸付けを行い、その利子による収入を得ることができる。

0126

<変形の形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。

0127

すなわち、前記実施形態では、図2の残高確認画面28Aおよび図3の残高確認画面28Bの例に示すように、購入した有価証券(例えば、D社株25,000株)を預託証券口座へ預け入れる場合の例が示されていたが(図5にも同様の状態で<手続1>として図示されている。)、口座管理システム10が取り扱う手続は、これに限定されるものではない。

0128

図5において、例えば、<手続2>の残高確認画面28Cの例に示すように、購入した有価証券(例えば、D社株25,000株)を預託証券口座へ預け入れない場合には、D社株25,000株の情報は、有価証券保有情報としては表示されるが、預託証券口座の残高としては表示されない。この場合には、預金口座と預託証券口座とのトータルの残高が、3,652万円から1,652万円になり、2,000万円減少する。

0129

また、<手続3>の残高確認画面28Dの例に示すように、預託証券口座に預け入れられているB社株4,000株を売却し、売付代金を預金口座に預け入れた場合には、B社株4,000株の情報は、預託証券口座の残高表示から削除され、また、有価証券保有情報の残高表示は、7,500株から3,500株になり、4,000株減少する。但し、売付代金が預金口座に預け入れられるので、預金口座の残高が増加し、預金口座と預託証券口座とのトータルの残高は、3,652万円で変化しない。

0130

さらに、<手続4>の残高確認画面28Eの例に示すように、預託証券口座に預け入れられていないC社株2,000株を売却し、売付代金を預金口座に預け入れた場合には、C社株2,000株の情報が有価証券保有情報の残高表示から削除され、また、預託証券口座の残高表示は、元々、C社株2,000株が預託証券口座に預け入れられていないので変化しない。但し、売付代金が預金口座に預け入れられるので、預金口座の残高が増加し、預金口座と預託証券口座とのトータルの残高は、増加して3,784万円となる。

0131

そして、<手続5>の残高確認画面28Fの例に示すように、預託証券口座に預け入れられていないC社株2,000株を、預託証券口座に預け入れた場合には、C社株2,000株は、売却されたわけではないので、有価証券保有情報の残高表示は変化せず、また、預託証券口座の残高表示は、C社株2,000株の情報が追加される。そして、預金口座の残高は3,000万円で変化せず、かつ、預託証券口座の残高が増加するので、預金口座と預託証券口座とのトータルの残高は、増加して3,784万円となる。

0132

また、前記実施形態の残高表示(図2図3参照)および図5に示した各種の残高表示の例では、預託証券口座の残高表示として、株式が例示されていたが、預託証券口座に預け入れることができる有価証券は、株式に限定されるものではなく、例えば、債券、投信信託等でもよい。

0133

以上のように、本発明の口座管理システムおよび口座管理方法、並びにプログラムは、例えば、ペイオフ解禁後における都市銀行、地方銀行、信用金庫等の口座管理に用いるのに適している。

図面の簡単な説明

0134

本発明の一実施形態の口座管理システムの全体構成図。
前記実施形態の口座管理システムによる処理の流れを示すフローチャートの図。
図2に続いて、前記実施形態の口座管理システムによる処理の流れを示すフローチャートの図。
前記実施形態の口座管理システムによる顧客の口座管理を含め、証券仲介業を営む金融機関および証券会社で行われる一連の業務の流れの概略を示す説明図。
有価証券の売買等の手続に伴う口座残高の変化の例示図

符号の説明

0135

10口座管理システム
20金融機関サーバ
21売買取次情報作成処理手段
22 売買取次情報送信手段
23 売買結果情報受信手段
24入出金処理手段
25預託証券残高更新処理手段
26預金利息算出処理手段
27 預り料算出処理手段
28残高情報表示処理手段
29 顧客借入可能額算出処理手段
30 顧客借入可能額表示処理手段
41預金口座データベース
42預託証券口座データベース
43有価証券保有情報データベース
50証券会社サーバ
70,71,72 端末装置

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