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技術 転がり軸受

出願人 日本精工株式会社
発明者 横山景介
出願日 2005年8月10日 (14年11ヶ月経過) 出願番号 2005-232020
公開日 2007年2月22日 (13年5ヶ月経過) 公開番号 2007-046709
状態 未査定
技術分野 軸受の密封 ころがり軸受け ころがり軸受 高分子組成物
主要キーワード 導電性無機粉末 漏電センサ 外側円 シート成形金型 mm用 エーテルジエステル 水素化アクリロニトリルブタジエンゴム 内側円
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年2月22日)のものです。
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図面 (6)

課題

従来よりも耐熱性に優れ、かつ、環境保全の観点からも好ましいシールを備える転がり軸受を提供する。

解決手段

内輪外輪との間に複数の転動体が配設され、シールリップ軌道輪に接触せしめてなる弾性材料製のシールと芯金とで構成された接触タイプ密封装置を備える転がり軸受において、前記シールが、ジ−(2−エチルヘキシルフタレートDOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチルベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート以外の可塑剤と、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとを含むゴム組成物からなる転がり軸受。

概要

背景

上記に挙げたような各種用途に使用される転がり軸受ハブユニット軸受等では、外部からの水や泥水の浸入を防ぐために、シールリップ軌道輪に接触せしめてなる弾性材料製シールと、芯金とで構成される接触タイプ密封装置を備えている。シールはアクリロニトリルブタジエンゴム水素化アクリロニトリルブタジエンゴム等のニトリルゴムゴム成分とするゴム組成物で形成されるのが一般的である。

また、シールの加工性を改善するために、ゴム組成物に可塑剤を配合している。可塑剤として、従来は、ジ−(2−エチルヘキシルフタレートDOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチルベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペートを用いている。これらのフタル酸エステルやジ−(2−エチルヘキシル)アジペートは、アルコールと酸から合成される化合物であり、用いるアルコールの違いによってそれぞれの種類となる。これらの可塑剤は、常温では無色透明液体であり、主にプラスチックやゴム用として世界各国で広く使われてきた。日本でも、全可塑剤生産量の80%以上をフタル酸エステル類が占め、今まで特に問題なく使われてきている(例えば、特許文献1参照)。

特許特3351872号公報

概要

従来よりも耐熱性に優れ、かつ、環境保全の観点からも好ましいシールを備える転がり軸受を提供する。内輪外輪との間に複数の転動体が配設され、シールリップを軌道輪に接触せしめてなる弾性材料製のシールと芯金とで構成された接触タイプの密封装置を備える転がり軸受において、前記シールが、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチル・ベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート以外の可塑剤と、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとを含むゴム組成物からなる転がり軸受。

目的

そこで、本発明は、従来よりも耐熱性に優れ、かつ、環境保全の観点からも好ましいシールを備える転がり軸受を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

内輪外輪との間に複数の転動体が配設され、シールリップ軌道輪に接触せしめてなる弾性材料製シール芯金とで構成された接触タイプ密封装置を備える転がり軸受において、前記シールが、ジ−(2−エチルヘキシルフタレートDOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチルベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート以外の可塑剤と、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとを含むゴム組成物からなることを特徴とする転がり軸受。

請求項2

グリコールエステル系可塑剤を含有することを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。

技術分野

0001

本発明は、密封装置を備える転がり軸受に関し、特に、自動車電装部品エンジン補機であるオルタネータ中間プーリカーエアコン電磁クラッチ水ポンプハブユニットガスヒートポンプ用電磁クラッチ、コンプレッサ等の高温高荷重条件下で使用され、更には水や泥水が浸入しやすい部位に好適な転がり軸受に関する。

背景技術

0002

上記に挙げたような各種用途に使用される転がり軸受やハブユニット軸受等では、外部からの水や泥水の浸入を防ぐために、シールリップ軌道輪に接触せしめてなる弾性材料製シールと、芯金とで構成される接触タイプの密封装置を備えている。シールはアクリロニトリルブタジエンゴム水素化アクリロニトリルブタジエンゴム等のニトリルゴムゴム成分とするゴム組成物で形成されるのが一般的である。

0003

また、シールの加工性を改善するために、ゴム組成物に可塑剤を配合している。可塑剤として、従来は、ジ−(2−エチルヘキシルフタレートDOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチルベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペートを用いている。これらのフタル酸エステルやジ−(2−エチルヘキシル)アジペートは、アルコールと酸から合成される化合物であり、用いるアルコールの違いによってそれぞれの種類となる。これらの可塑剤は、常温では無色透明液体であり、主にプラスチックやゴム用として世界各国で広く使われてきた。日本でも、全可塑剤生産量の80%以上をフタル酸エステル類が占め、今まで特に問題なく使われてきている(例えば、特許文献1参照)。

0004

特許特3351872号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、近年環境問題の高まりに伴い、所謂‘環境ホルモン’が注目を集めており、上記したジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチル・ベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペートは環境ホルモンの可能性があり、環境を汚染する懸念がある。

0006

その一方で、自動車や産業機械高性能化に伴って、上記に挙げた転がり軸受では使用環境が高温化し、シールには従来以上の耐熱性が要求されている。

0007

そこで、本発明は、従来よりも耐熱性に優れ、かつ、環境保全の観点からも好ましいシールを備える転がり軸受を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために本発明は、内輪外輪との間に複数の転動体が配設され、シールリップを軌道輪に接触せしめてなる弾性材料製のシールと芯金とで構成された接触タイプの密封装置を備える転がり軸受において、前記シールが、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチル・ベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート以外の可塑剤、好ましくはグリコールエステル系可塑剤と、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとを含むゴム組成物からなることを特徴とする転がり軸受を提供する。

発明の効果

0009

本発明の転がり軸受は、密封装置を構成するシールが、環境ホルモンの恐れが無い可塑剤を含有するため環境保全上好ましく、また、グリコールエステル系可塑剤を用いることで従来よりも優れた耐熱性が得られ、より高温での使用が可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0010

以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。

0011

本発明において、転がり軸受自体の構成は、シールリップが軌道輪に接触する接触型の密封装置を備える限り制限はない。このような接触型の密封装置を備える転がり軸受として、自動車の電装部品、エンジン補機であるオルタネータや中間プーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、水ポンプ、ハブユニット、ガスヒートポンプ用電磁クラッチ、コンプレッサ、車輪支持用等に使用される転がり軸受が挙げられる。

0012

図1は、本発明の転がり軸受の一例を示す断面図である。図示される転がり軸受20は、内輪21と外輪22との間に、保持器23により複数の転動体(玉)24を周方向略等間隔で配置し、更に内輪21と外輪22との間の隙間を密封装置30で密封して構成されている。密封装置30は、SPCCやSECC等の鋼板リング状に加工した芯金31と、弾性材料からなるシール32とを一体に加硫成形したものである。シール32は、芯金31の外側の主部33と、外輪22の内周面に形成された止め溝25に係止される加締部34と、内輪21の外周面に形成された受け溝26と当接するシールリップ35とから構成されている。

0013

また、転がり軸受として、図2に示すような車輪支持用の転がり軸受を例示する。図示される転がり軸受Oにおいて、固定輪である外輪相当部材1は、その外周面に形成した取付部2により、懸架装置(図示せず)に支持固定される。従ってこの外輪相当部材1は、使用時にも回転しない。この様な外輪相当部材1の内側には回転輪である内輪相当部材3が、外輪相当部材1と同心に設けられ、使用時にこの内輪相当部材3が回転する。この内輪相当部材3は、ハブ4と内輪5とから成る。このうちのハブ4の内周面にはスプライン溝6が、外端(車両への組み付け時に幅方向外側になる端を言い、図2の左端)部外周面には取付フランジ7が、それぞれ形成されている。車両への組み付け時、上記スプライン溝6には等速ジョイントを介して回転駆動される駆動軸が挿入され、上記取付フランジ7には車輪が固定される。

0014

上記外輪相当部材1の内周面には複列外輪軌道8、8が、上記ハブ4の中間部外周面と上記内輪5の外周面とには内輪軌道9、9が、それぞれ形成されている。そして、これら各外輪軌道8、8と内輪軌道9、9との間に転動体10、10を設けて、上記外輪相当部材1の内側での内輪相当部材3の回転を自在としている。また、転動体10、10を転動自在に保持するために、保持器11、11が設けられている。尚、図示の例では転動体10、10として玉を使用しているが、重量が嵩む車両用のハブユニットの場合には、転動体としてテーパころを使用する場合もある。更に、上記外輪相当部材1の外端部と上記ハブ4の中間部外周面との間にはシール装置12aと12bとが設けられ、上記外輪相当部材1の内周面と上記内輪相当部材3の外周面との間で、上記転動体10、10を設置した空間13部分の外端開口を塞いでいる。

0015

シール装置12aは、図3に拡大して示されるように、芯金105と、スリンガ106と、弾性部材107とから構成される。このうちの芯金105は、低炭素鋼板等の金属板プレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この様な芯金105は、転がり軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径円筒部109と、この外径側円筒部109の軸方向内端縁(図3左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部110を備えた、断面略字形で円環状に形成されている。また、上記スリンガ106は、ステンレス鋼板等、優れた耐食性を有する金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により一体成形されている。この様なスリンガ106は、上記転がり軸受Oを構成する内輪5の外端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部112と、この内径側円筒部112の軸方向外端縁図3の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部113とを備えた、断面L字形で円環状に形成されている。

0016

上記弾性部材107は弾性材料からなり、外側、中間、内側の3本のシールリップ114、115、116を備え、上記芯金105にその基端部が接着により結合固定されている。そして、最も外側に位置する外側シールリップ114の先端縁を上記スリンガ106を構成する外側円輪部113の内側面に摺接させ、残り2本のシールリップである中間シールリップ115及び内側シールリップ116の先端縁を、上記スリンガ106を構成する内径側円筒部112の外周面に摺接させることにより、封入グリース漏洩を防止するとともに、外部からの塵埃、水、泥水等の軸受内部への浸入を防止する。

0017

また、シール装置12aは、図4に示すように、弾性部材を第1のシールリップ120aと第2のシールリップ120bとで形成するとともに、第1のシールリップ120aを断面L字上の芯金105に固定し、第2のシールリップ120bを同じく断面略L字上のスリンガ106に固定し、第1のシールリップ120aがスリンガ106と接触し、第2のシールリップ120bが芯金105と接触する構成とすることもできる。

0018

シール装置12bは、図5に拡大して示されるように、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成される。このうちの芯金216は、金属板により造り、上記外輪相当部材1の外端部に内嵌固定されている。また、上記弾性部材217は弾性材料からなり、上記芯金216と接着されている。また、この弾性部材217は、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とを備える。そして、上記2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図5の左端縁)に向かう程直径方向外方(図5の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物進入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図5の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図5の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリース漏洩防止機能を確保している。

0019

更に詳しく説明すると、シール装置12bは、それぞれが円輪状に形成された芯金216と弾性部材217とから構成されている。シール装置12bの芯金216は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形されている。この芯金216は、転がり軸受Oを構成する外輪相当部材1の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部222と、この外径側円筒部222の外端縁図5の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった支持板部223とを備える。このうちの外径側円筒部222は、内端寄り図5の右寄り)の大径部224と弾性部材217とにより、芯金216を構成する支持板部223の外側面(図5の左側面)全体を覆うと共に、この弾性部材217の外周縁部を、上記嵌合筒部222から連続する傾斜部227の外周面と外輪相当部材1の開口端部内周面との間で挟持している。そして、この構成により、上記芯金216と外輪相当部材1との嵌合部を密封している。また、上記大径部224の自由状態に於ける外径は、外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも僅かに大きく設定されており、この大径部224は、外輪相当部材1の外端開口部に、締まり嵌めで内嵌固定自在とされている。また、上記支持板部223は、略S字形の断面形状を有し、直径方向内方(図5の下方)に向かう程空間13内に設置した転動体10、10に近づく方向(図5右方向)に傾斜している。

0020

一方、上記芯金216と共に上記シール装置12bを構成する弾性部材217は、上記芯金216に対してインサート成型し、接着により接合固定されている。この様な弾性部材217の外周縁部は上記傾斜部227の外周面を覆っている。また、この様な弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分の自由状態での外径は、上記外輪相当部材1の外端開口部の内径よりも少し大きく設定されており、上記大径部224をこの外端開口部に内嵌固定した状態では、上記弾性部材217の一部で傾斜部227の外周面を覆っている部分が、この傾斜部227の外周面と上記外端開口部の内周面との間で弾性的に押圧され、当該部分のシール性を確保する。

0021

更に、上記弾性部材217の基部226は、上記支持板部223の外側面(図5の左側面)を、全周に亙り完全に覆っている。また、この基部226の外側面及び内周縁には、外径側、内径側、2本のサイドシールリップ218、219と、1本のラジアルシールリップ220とが形成されていおり、2本のサイドシールリップ218、219を、先端縁(図5の左端縁)に向かう程直径方向外方(図5の上方)に向かう方向に傾斜させる事により、空間13内への異物進入防止機能を確保している。また、上記ラジアルシールリップ220を、先端縁(図5の右下縁)に向かう程上記空間13の内側(図5の右側)に向かう方向に傾斜させる事により、グリースの漏洩防止機能を確保している。

0022

上記に挙げた各転がり軸受のシール装置の弾性部材は、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムと、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート(DOP)、ジブチル・フタレート(DBP)、ジエチル・フタレート(DEP)、ブチル・ベンジル・フタレート(BBP)、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート以外の可塑剤(以下、「特定の可塑剤」という)とを含むゴム組成物を成形したものを使用する。以下、弾性部材を形成するゴム組成物について詳述する。

0023

水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、ブタジエンアクリロニトリルとを共重合させ、更に水素を添加したゴムである。また、分子内にカルボキシル基を導入したカルボキシル化水素化アクリロニトリルブタジエンゴム等の各種変性水素化アクリロニトリルブタジエンゴムも使用できる。

0024

また、アクリロニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリルの含有量が少ない順に低ニトリル、中ニトリル、中高ニトリル、高ニトリル、極高ニトリルに分類される。本発明では、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、何れのニトリルゴムの水素化物も使用できるが、耐熱性や耐油性耐摩耗性耐クリープ性リップ追従性等を考慮すると、中ニトリル、中高ニトリル、高ニトリルを水素化したものを使用することが好ましく、更に加工性をも考慮すると、アクリロニトリル含有量は20〜40%である。より好適には、アクリロニトリル含有量は20〜37%であり、この範囲であればバランスの良い特性を示す。アクリロニトリル量が20%未満であると、耐摩耗性が劣り、シールリップが摩耗しやすくなり、結果として軸受寿命縮めることになる。また、アクリロニトリル量が40%を超えると、永久圧縮ひずみ特性が劣り、シールリップの追従性が悪くなり、結果として軸受寿命を縮めることになる。

0025

更に、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、耐熱性、シール密封性、加工性等を考慮すると、水素化率を表すヨウ素価が60mg/100mg(中心値)以下が好ましい。ヨウ素価が60mg/100mgを越える水素化アクリロニトリルブタジエンゴムは、主鎖中の二重結合が多く残存し、目的とする耐熱性を得るのが難しくなる。

0026

特定の可塑剤としては、ジメチル・フタレート、ジ−n−オクチル・フタレート、ジヘプチル・フタレート、ジイソデシル・フタレート、ジウンデシル・フタレート、ジ(ヘプチル、ウンデシル)フタレート、ジイソノニル・フタレート、ジ・ノルマルアルキル・フタレート、アルキル・ベンジル・フタレート、ジアルキル・フタレート、ジブトキシエチル・フタレート、ジブトキシエトキシエチル・フタレート、ジメチル・シクロヘキシル・フタレート、エチル・フタリル・エチル・グリコレート、ブチル・フタリル・ブチル・グリコレートのフタル酸誘導体テトラヒドロフタル酸誘導体、ジブチル・アジペート、ジメチル・アジペート、ジイソデシル・アジペート、ジイソブチル・アジペート、ジ(n−オクチルn−デシル)アジペート、ジイソノニル・アジペート、ジイソオクチル・アジペート、ベンジルオクチル・アジペート、ジブチルジグリコール・アジペート、ジ−n−アルキル・アジペート、アルキルアルキルエーテルジエステル・アジペート、ジブトキシエチル・アジペート、ジ−(ブトキシ・エトキシ・エチル)アジペート、ジ(n−ヘキシル・n−オクチル・n−デシル)アジペートのアジピン酸誘導体、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート等の炭素9個の直鎖ジカルボン酸より誘導されるアゼライン酸誘導体、ジ−n−ブチルセバケート等の炭素10個の直鎖ジカルボン酸より誘導されるセバシン酸誘導体、ジ−2−エチルヘキシル・ドデカネジオエート等のドデカン−2−酸誘導体、ジ−n−ブチル・マレート等のマレイン酸誘導体、ジ−n−ブチル・フマレート等のフマル酸誘導体トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート等のトリメリット酸誘導体テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート等のピロメリット酸誘導体、アセチル・トリ−n−ブチル・シトレート等のクエン酸誘導体、アルキル・オレート等のオレイン酸誘導体メチル・アセチル・リシノレート等のリシノール酸誘導体、n−ブチル・ステアレート等のステアリン酸誘導体、三洋貿易製「ポリエチレングリコール200モノラウレート」、同「ポリエチレングリコール400モノラウレート」、同「ポリエチレングリコール600モノラウレート」、同「ポリエチレングリコール400ジラウレート」、ポリオキシエチレンラウレート等のグリコールエステル系可塑剤、ポリオキシエチレン・ラウレート乳化物多価アルコール脂肪酸エステルフェノールアルキルスルホン酸エステル等のスルホン酸誘導体トリメチルホスフェート等のリン酸誘導体、ジアルキルジエチル・グルタレート等のグルタール酸誘導体、ジペンタエリスリトールエステル、ポリエチレングリコール等のグリコール誘導体グリセロールモノアセテート等のグリセリン誘導体、アデカサイザーO−13P(旭電化(株)製)等のエポキシ誘導体、分子内にエステル基を有するアデカサイザーPN−400(旭電化(株)製)等のポリエステル系可塑剤、分子内にエーテル結合を有するTP−90B(モートン社製)等のポリエーテル系可塑剤、エーテル結合、エステル結合を共に含有するRS−700(旭電化(株)製)等のポリエーテル・エステル系可塑剤エーテルチオエーテル、エステル・チオエステルステアリン酸エステルアミド、N,N−ジメチルオレアミド、N,N−ジメチルカプリルアミド・カプラミド、液状ゴムアルキルスルホン酸フェニルエステルバイエル製「メザモール」)等のスルホン酸誘導体等が挙げられ、中でもグリコールエステル系可塑剤が好ましい。また、スルホン酸基があることにより良好な可塑効率、低温性機械的性能が得られる。これら特定の可塑剤は、それぞれ単独で使用してもよく、適宜組み合わせて使用することもできる。

0027

また、これら特定の可塑剤の添加量は、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対し1〜50重量部、より好ましくは3〜30重量部である。

0028

ゴム組成物には、補強材としてカーボンブラックが配合される。カーボンブラックは、その粒子径により機能、特性が異なる。また、粒子径10〜19nmのものをSAF(Super Abrasion Furnace Black)、粒子径20〜25nmのものをISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace Black)、粒子径26〜39nmのものをHAF(High Abrasion Furnace Black)、粒子径40〜48nmのものをFEF(Fast Extruding Furnace black)、粒子径49〜60nmのものをGPF(General Purpose Furnace black)、粒子径61〜100nmのものをSRF(Simi-Reinforcing Furnace black)、粒子径101〜200nmまでのものをFT(Fine Thermal Furnace black)、粒子径201〜556nmのものをMT(Medium Thermal Furnace black)と呼称している。シール装置の弾性部材とする場合、耐摩耗性やリップ追従性等を考慮すると、配合するカーボンブラックは粒子径26〜100nmのものが好ましく、具体的には上記のHAF、FEF、GPF及びSRFが好ましい。これらの各カーボンブラックは、単一種を用いる必要はなく、混合使用してもよい。

0029

カーボンブラックの配合量は、同一配合量でもその粒子径により充填密度が異なるため耐久性や追従性等を考慮して、粒子径26〜60nmのカーボンブラック(即ち、HAF、FEF及びGPF)については水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して20〜80重量部、粒子径61〜100nmのカーボンブラック(即ち、SRF)については水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して30〜120重量部とすることが好ましい。何れのカーボンブラックでも、配合量が下限値を下回ると補強効果が弱く耐摩耗性に劣るようになり、上限値を上回るとゴムの硬さが高くなりすぎて伸びが低くなり、追従性が低下し、結果として密封性が不足してしまう。

0030

尚、粒子径26nm未満または粒子径100nm超のカーボンブラックを併用することもできるが、耐摩耗性や追従性を考慮して、粒子径26〜100nmのカーボンブラックとの合計量に対し30質量%以下にする必要がある。

0031

また、同じく補強のためにケイ酸ケイ酸塩を配合してもよい。具体的には、天然石英粉末珪石粉末(SiO2)、合成無水ケイ酸(SiO2)、合成含水ケイ酸(SiO2・nH2O)、カオリンクレー(Al2O3・2SiO2・2H2O)、焼成クレー(Al2O3・2SiO2)、ロウ石(Al2O3・4SiO2・H2O)、セリサイト(K2O・3Al2O3・6SiO2・2H2O)、マイカ(K2O・3Al2O3・6SiO2・2H2O)、ネフェリンシナイト(Na2O・K2O・Al2O3・2SiO2)等のケイ酸アルミニウム類、含水ケイ酸アルミニウム(Al2O3・mSiO2・nH2O)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)等のケイ酸マグネシウム類、ワラストナイト(CaO・SiO2)等のケイ酸カルシウム類等が挙げられるが、耐摩耗性からはケイ酸アルミニウム類が好ましい。また、これらケイ酸、ケイ酸塩はそれぞれ単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。

0032

ケイ酸やケイ酸塩の配合量は、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対し20〜150重量部とする。20重量部未満では十分な補強効果が得られず、150重量部を越えるとゴム組成物の硬さが高くなるとともに伸び率が低くなり、本来有するゴム弾性が低下する。

0033

また、カーボンブラックと、ケイ酸、ケイ酸塩とを併用する場合は、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対してカーボンブラックを20〜80重量部とし、ケイ酸、ケイ酸塩を20〜100重量部とし、かつ、合計配合量が60〜120重量部とする。個々の配合量及び合計配合量がそれぞれの下限値未満では十分な補強効果が得られず、上限を超えると硬度が高くなりすぎて伸びが低くなり、本来のゴム弾性が低下する。

0034

また、ゴム組成物には成形のための加硫剤架橋剤)、加硫促進剤加硫促進助剤が配合される。加硫剤としては、粉末硫黄硫黄華沈降硫黄高分散性硫黄等の各種硫黄、モルホリンジスルフィドアルキルフェノールジスルフィド、N,N−ジチオビスヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、チウラムポリスルフィド等の硫黄を排出可能な硫黄化合物ジクミルパーオキサイド、ジ(t−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチルヘキサンベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。中でも、分散性や取り扱いの容易さ、耐熱性の点で、高分散性硫黄やモルホリンジスルフィドを使用することが好ましい。

0035

尚、硫黄系の加硫剤を用いる場合は、グアニジン系化合物アルデヒドアンモニア系化合物チアゾール系化合物チオウレア系化合物スルフェンアミド系化合物、チウラム系化合物ジチオカルバメート系化合物、キサンテート系化合物等を加硫助剤として併用する必要がある。硫黄系の加硫剤の中でも高分散性硫黄を用いる場合には、チウラム系のテトラメチルチウラムジスルフィド等またはスルフェンアミド系のN−シクロベンジル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド等と、チアゾール系の2−メツカプトベンゾチアゾール等とを併用することが好ましい。

0036

加硫促進助剤としては、酸化亜鉛等の金属酸化物金属炭酸塩金属水酸化物、ステアリン酸等の有機酸とその誘導体、及びアミン類等が挙げられる。これら加硫助剤、活性剤は2種以上を混合使用してもよく、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して0.1〜10重量部配合される。尚、カルボキシル化水素化アクリロニトリルブタジエンゴムを用いる場合には、酸化亜鉛を用いると早期加硫を生じやすいため、過酸化亜鉛とステアリン酸とを併用することが好ましい。過酸化亜鉛は、ゴム組成物の混練り加工時の温度ではそのまま組成物中に存在し、加硫成形時に酸化亜鉛を生じるため、混練り加工時及び保管時に早期加硫を生じることがない。

0037

また、有機過酸化物系加硫剤を用いる場合は、架橋助剤コエージェント)を併用することもできる。架橋助剤の例としては、テトラヒドロフルフリルメタクリレートエチレンジメクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−メチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、2,2´−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニルプロパン、2,2´−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレートトリメチロールプロパントリメタクリレートペンタエリスリトールトリアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートオリゴエステルアクリレートアルミニウム(メタ)アクリレート、ジンク(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレートトリアリルシアヌレートトリアリルトリメリテート、ジアリルフタレートジアリルクロレンデートジビニルベンゼン、2−ビニルピリジン、N,N´−メチレンビスアクリルアミド、p−キノンジオキシム、p,p´−ジベンゾイルキノンジオキシム、1,2−ポリブタジエンメタクリル酸金属塩等が挙げられる。これら架橋助剤の配合量は、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して1〜10重量部である。

0038

更に、ゴム組成物には、老化防止剤加工助剤(可塑剤)、摩擦改良剤導電性付与剤等を添加することができる。

0039

老化防止剤としては、アミンケトン縮合生成物芳香族第二級アミン類、モノフェノール誘導体、ビス又はポリフェノール誘導体ヒドロキノン誘導体硫黄系老化防止剤リン系老化防止剤等が挙げられる。このうち、アミン・ケトン縮合生成物系の2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体ジフェニルアミンアセトンとの縮合反応物、芳香族第二級アミン系のN,N’−ジ−β−ナフチルp−フェニレンジアミン、4,4’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等が好ましい。

0040

また、熱分解を防止して耐熱性を向上するため、上記の老化防止剤とともに2次老化防止剤を併用することがより好ましい。2次老化防止剤としては、例えば、硫黄系の2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール及びこれらの亜鉛塩等を例示できる。更に、日光あるいはオゾンの作用による亀裂を抑制させる日光亀裂防止剤として、融点が55〜70℃程度のワックス類を水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して0.5〜2重量部程度添加してもよい。添加量が0.5重量部未満ではオゾンの作用による亀裂発生を防止する効果が殆ど得られず、2重量部を越えると不必要なワックスシール表面に滲み出し加工性に問題を生じる。

0041

その他、耐摩耗性を付与するために摩擦改良剤を配合してもよい。摩擦改良剤としては、鉱油、エーテル系オイルシリコーン系オイルポリα−オレフィンオイル、フッ素オイルフッ素系界面活性剤等が挙げられる。中でも、シリコーン系オイルが好ましい。シリコーン系オイルはポリジメチルシロキサンを主成分とする常温で液体の物質であるが、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムとの相溶性を高めるために、ポリジメチルシロキサンのメチル基の一部または分子末端アミノ基、アルキル基エポキシ基ポリエーテル基高級脂肪酸エステル等で置換された変性タイプでもよい。このような官能基を有することにより、官能基が水素化アクリロニトリルブタジエンゴムの主鎖に反応もしくは吸着して弾性部材の表面に一度にブルームすることを防止すると同時に、徐々に恒久的にブルームしてその効果を長期にわたり維持する。これら摩擦改良剤は液状であるため、少量でその効果を発現し、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して1〜30重量部添加することにより潤滑性が向上する。添加量が1重量部未満では十分な潤滑性が付与されず、30重量部を超えると加工時に添加剤の分散不良が起こるだけでなく、シール装置を構成する芯金との接着性極端に低下するおそれがある。尚、粘度ついては制限がなく、市販されているものが何れ使用できるが、25℃における動粘度が2〜10000mm2/sの範囲のものが、配合性の容易さから好ましい。

0042

また、車両に車軸車輪用転がり軸受との間を通電する機構がない場合、走行中に発生する静電気が車両に残ってラジオノイズ等を発生させることがある。このような不具合対処するために、シール装置の弾性部材を導電化し、車軸と車輪用転がり軸受との通電を図ることが考えられている。その場合の弾性部材の抵抗値は、制限されるものではないが、体積固有抵抗値で105Ω・cm以下が好ましく、ラジオノイズの発生を十分に抑制することが可能になる。

0043

弾性部材の導電化には、導電性付与剤を添加する方法を採ることができる。導電性付与剤としては、黄銅アルミニウム合金、銅、銀、ニッケル鉄鋼ステンレス鋼等の金属粉末黒鉛導電性カーボンブラック酸化錫アンチモンをドープした導電性酸化錫、酸化亜鉛にアルミニウムをドープした導電性酸化亜鉛酸化インジウムに錫をドープした導電性酸化インジウム等の導電性材料粉末状にしたもの、マイカ等の絶縁材料の粉末に導電性コーティングを施した導電性無機粉末等が挙げられる。また、導電性繊維も使用でき、例えば、カーボン繊維金属繊維(黄銅、アルミニウム合金、銅、銀、ニッケル、鉄鋼、ステンレス鋼等からなる繊維)、非導電性繊維に導電性コーティングを施したもの等が挙げられる。中でも、アセチレンブラックケッチェンブラックのように硬度にグラファイト構造発達した導電性カーボンブラックは、より少量で優れた導電性が得られるため好ましい。これら導電性カーボンブラックの添加量は、制限されるものではないが、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。添加量が1重量部未満では十分な導電性が付与されず、ラジオノイズの抑制も満足する結果が得られない。逆に20重量部を超えて添加すると、加工性が極端に低下し、実質的に製造が困難になるだけでなく、硬度が高くなりすぎて伸びが低くなり、本来有するゴム弾性が低下する。

0044

更に、ゴム組成物には、何れも公知のカップリング剤顔料染料離型剤等を添加することができる。

0045

上記の各成分を用いて弾性部材の原料となるゴム組成物を得るための方法は特に限定されないが、上記した各材料の所定量をゴム混練ロール加圧ニーダーバンバリーミキサー等の従来から公知のゴム用混練り装置投入し、均一に混練りすることが可能である。混練り条件は特に限定されないが、通常は30〜80℃の温度で、5〜60分間混練りすることによって、各種添加剤の十分な分散を図ることができる。

0046

また、上記ゴム組成物を用いてシール装置を作製する方法は、従来と同様であり、金型の中に予め接着剤を塗布した芯金を配置し、その上に上記で製造した未加硫のゴム組成物からなるシートを乗せ、通常120〜200℃で30秒〜30分程度加圧加硫すればよい。必要に応じて、120〜200℃で10分〜10時間程度後架橋してもよい。

0047

尚、得られるシールのリップの硬さは、JIS K6301に記載のスプリング硬さAスケールで、50〜90の範囲が好ましい。前記硬さが50未満の場合には、シールの摩擦抵抗が大きく発熱トルク上昇を招き、耐摩耗性も低下する。また、前記硬さが90を超えると、ゴム弾性が低下して密封性や追従性が低下し、塵埃が多い環境や海水に曝される環境では転がり軸受の寿命が低下するおそれがある。

0048

以下、試験例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。

0049

(実施例1〜4、比較例1〜2)
表1に示す配合に従い、水素化アクリロニトロルブタジエンゴムまたはアクリロニトリルブタジエンゴムと、加硫系添加剤を除く各添加剤とをバンバリーミキサーに投入し、混練りを行った。次いで、バンバリーミキサーから混練物を取り出し、2本ロールのゴム用練りロールに移して加硫系添加剤を添加して混練りを行い、得られた混練物をシート状(未加硫物)に成形した。

0050

尚、表中に示した配合剤は以下の通りである。
・水素化アクリロニトリルブタジエンゴム:日本ゼオン製「Zetpol 2030L」(アクリロニトリル量36.2%)
・アクリロニトリルブタジエンゴム:日本ゼオン製「Nipol 1042」
・ステアリン酸:花王製「Lunac S−35」
亜鉛華:堺化学製「フランス法1号」
・硫黄:鶴見化学製「Sulfax PMC」
・可塑剤A:グリコールエステル系、三洋貿易製「ポリエチレングリコール600モノラウレート」
・可塑剤B:スルホン酸系、バイエル製「メザモール」
・可塑剤C:大日本インキ化学製「モノサイザーW−621」
・可塑剤D:ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、旭電化製「PN−350」
・老化防止剤A:大内新興化学製「ノクラックCD」
・老化防止剤B:大内新興化学製「サンノック
・カーボンブラック:東海カーボン製「シーストS」(SRF)
クレー:土屋カオリン製「SATINTONE No.5」
・カップリング剤:東シリコーン製「TSL8380」
・加硫促進剤(TT):大内新興化学製「ノクセラー TT−P」
・加硫促進剤(TET):大内新興化学製「ノクセラー TET−G」
・加硫促進剤(CZ):大内新興化学製「ノクセラー CZ−G」
・加工助剤:三洋貿易製「TE80」

0051

0052

そして、180℃に加熱した熱プレスに厚さ2mm用シート成形金型を装着し、そこに上記の未加硫のゴムシートを載置し、圧力30kgf/cm2にて15分間加熱加圧し、縦150mm、横150mm、厚さ2mmの加硫ゴムシートを作製した。得られた加硫ゴムシートから試験片切り出し、室温での100%引張強度、JIS K6301(スプリング硬さAスケール)に基づき硬さを測定した。結果を表2に示す。

0053

また、試験片を恒温槽に入れ、150℃で72時間加熱した。加熱前後における硬さの変化を求めた。硬さの測定は、微小硬度計を用いて行った。結果を表2に示すが、硬さの変化が5ポイント以下のものを良好とし「○」を記し、5ポイント超10ポイント以下のものをやや良好とし「△」を記し、10ポイントを越えたものを不良とし「×」を記した。

0054

0055

また、上記の混練物をSPCC製の芯金に加硫成形し、図1に示す形状で、日本精工(株)製単列深溝玉軸受呼び番号6203」用の接触型の密封装置を作製した。作製した密封装置を同玉軸受に組み込み、更にエーテル系グリースを封入して試験軸受を作製した。そして、日本精工(株)製の軸受回転試験機を用い、下記試験条件にて回転させ、軸受の振動数初期の2倍になった時点を寿命とし、それまでの時間(耐久時間)を計測した。結果を表3に、比較例1の耐久時間を1とする相対値で示す、
回転数:10000rpm
・封入グリース:ウレア系グリース
雰囲気温度:150℃

0056

同じく上記の混練物とSPCC鋼板とを用いて図3に示す形状の内径60mmのハブユニット用のシール装置を作製し、日本精工(株)製ハブユニットシール単体回転試験機に組み込み、シール性能を評価した。試験機は、水平に配置された回転軸にシール装置が装着されており、更にシール装置を挟んで一方の空間に泥水が注入され、シール装置から他方の空間に泥水が浸水すると、漏電センサが通電することでシールが破られたことを検知する構成となっている。試験条件は以下の通りであり、浸水により漏電センサが検知するまでの時間(泥水耐久時間)を計測した。結果を表3に、比較例1のシール装置における泥水耐久時間を1とする相対値で示す。
・回転速度:1000rpm
軸偏心:0.5mm TIR
・泥水組成:JIS 8種ダスト20%
・グリース:ウレア化合物、鉱油
・グリース塗布量:0.35g
・雰囲気温度:90℃

0057

0058

上記の試験結果から、水素化アクリロニトリルブタジエンゴムに、特定の可塑剤を配合したゴム組成物からなるシールは、ジ−2(エチルヘキシル)アジペートを配合したシールと同等以上の密封性及び耐熱性を有することがわかる。また、特定の可塑剤を用いても、ゴム成分が水素化されていないアクリロニトリルブタジエンゴムでは目的とする耐熱性が得られない。

図面の簡単な説明

0059

本発明の転がり軸受の一例を示す断面図である。
本発明の転がり軸受の他の例(自動車の車輪用転がり軸受)を示す断面図である。
図2に示した車輪用転がり軸受の一方のシール装置(12a)の拡大図である。
シール装置(12a)の他の例示す拡大図である。
図2に示した車輪用転がり軸受の他方のシール装置(12b)の拡大図である。

符号の説明

0060

0転がり軸受
1外輪相当部材
4内輪相当部材
10転動体
11保持器
12aシール装置
12b シール装置
20 転がり軸受
21内輪
22外輪
23 保持器
24 転動体
30密封装置
31芯金
32シール
105 芯金
106スリンガ
107弾性部材
217 弾性部材

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