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技術 可動型結合組織体形成基材およびそれを用いた結合組織体の製造方法

出願人 国立循環器病センター総長株式会社ハイレックスコ−ポレ−ション
発明者 中山泰秀飴谷彰洋
出願日 2005年8月5日 (13年11ヶ月経過) 出願番号 2005-227653
公開日 2007年2月15日 (12年5ヶ月経過) 公開番号 2007-037889
状態 未査定
技術分野 医療用材料 補綴 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 誘電装置 可動結合 クリーンルーム施設 材料表 圧力変換装置 シリコンゴムチューブ 高分子アクチュエーター 固い結合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年2月15日)のものです。
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図面 (14)

課題

カプセル化法によって得られる、血管を含む生体管状組織体に近い構造を有する結合組織体内で得るための可動型結合組織形成基材、その基材を備えた装置およびその装置を用いた管状の結合組織体の製造方法を提供する。

解決手段

体内に挿入することによって、細胞を含む結合組織体を作製できる結合組織形成基材であって、体内で断面もしくは長手方向に拡張を繰り返し変形することによって、基材の表面の結合組織体を刺激する可動型結合組織体形成基材10a、10b、10c。

概要

背景

特開2003−180818号公報
特開2004−261260号公報
US3,710,777
Science. 1999, Apr. 16; 284 (5413):433-3, 425.

年生化学的研究の発展により、生細胞を用いて、管状の欠損組織代替材を作製する技術の開発が進められている。代表例として、採取した細胞を増殖させた後に足場基材の表面あるいは内部に播種接着させて生体外人工的に組織を作成する方法が知られている。

この場合、自己の細胞を使用すれば免疫上の問題は無く、また生体外で細胞を増殖できるため採取する組織は少量でよく、患者負担軽減につながるという利点がある。

一方、生体内において管状の結合組織体を形成させる方法は、幾つか報告されている。これらは生体の有する自己防衛反応によって起こり、主に繊維芽細胞コラーゲンからなる結合組織体の形成能カプセル化)を利用するものである。例えば、特許文献1には、細胞非接着性ならびに抗血栓性を有する棒状の足場基材を生体内に埋入させることによる管状の結合組織体の形成方法が開示されている。これによると、結合組織体は生体内に埋入された細い棒状の足場基材の表面を覆うように成長することが記載されている。得られた管状の結合組織体は、気管胆管腸管尿道管尿管卵管等に利用できることが示されている。

そして、特許文献2には、カプセル化によって形成される管状の組織体力学的強度や厚さが、基材の表面化学組成を変化させることにより、あるいは基材の材質体内埋入期間によって、調節できることが記載されている。

また、特許文献3にも同様にカプセル化を利用した血管代替物の形成方法に関しての記述がある。これにはダクロンなどからなる布製の人工血管の筒の内部にシリコーンを挿入して体内に埋入し、人工血管の基材を結合組織被膜化させ、一定期間を経過させた後に内部のシリコーン紐を抜去することで、基材の隙間が結合組織で埋められると記載されている。このようにして得られた結合組織で被膜化された人工血管は漏水性が無くなるため、そのまま血管として機能することが期待された。しかし、結合組織の形成が不充分であったことや抗血栓性が不足していたことなどから開存性が低かったため現在ではこの方法は全く使われていない。

さらに、非特許文献4において、血管平滑筋細胞内皮細胞を組み込んだコラーゲン管に対して、生体外での培養回路を用いて拍動をかけることによって、生体動脈と同様な0.27Mpa以上に破裂強度を高めることができることが報告されている。

概要

カプセル化法によって得られる、血管を含む生体の管状組織体に近い構造を有する結合組織を体内で得るための可動型結合組織形成基材、その基材を備えた装置およびその装置を用いた管状の結合組織体の製造方法を提供する。 体内に挿入することによって、細胞を含む結合組織体を作製できる結合組織形成基材であって、体内で断面もしくは長手方向に拡張を繰り返し変形することによって、基材の表面の結合組織体を刺激する可動型結合組織体形成基材10a、10b、10c。

目的

本発明は、カプセル化法によって得られる、血管を含む生体の管状組織体に近い構造を有する結合組織を体内で得るための可動型結合組織形成基材およびその基材を用いた管状の結合組織体の製造方法を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

体内に挿入することによって、細胞を含む結合組織体を作製できる結合組織形成基材であって、体内で繰り返し変形する機能を有することを特徴とする可動型結合組織体形成基材

請求項2

請求項1において、管状の結合組織体を作製する可動型結合組織体形成基材。

請求項3

請求項1ないし請求項2において、変形前の形状が棒状であることを特徴とする可動型結合組織体形成基材。

請求項4

請求項3において、円、楕円または多角形の断面形状を有することを特徴とする可動型結合組織体形成基材。

請求項5

請求項1ないし請求項4において、変形が断面もしくは長手方向の拡張であることを特徴とする可動型結合組織体形成基材。

請求項6

請求項1ないし請求項4において、変形が湾曲または捻れであることを特徴とする可動型結合組織体形成基材。

請求項7

請求項1ないし請求項6において、体内での圧縮に対してつぶれを抑制する中子または変形能を抑制する中子を備えた可動型結合組織体形成基材。

請求項8

請求項1ないし請求項7のいずれか記載の可動型結合組織体形成基材を用いて結合組織を製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、欠損組織代替材となる結合組織体を作製できる可動型結合組織体形成基材およびその基材を用いた結合組織体の製造方法に関する。

背景技術

0002

特開2003−180818号公報
特開2004−261260号公報
US3,710,777
Science. 1999, Apr. 16; 284 (5413):433-3, 425.

0003

年生化学的研究の発展により、生細胞を用いて、管状の欠損組織の代替材を作製する技術の開発が進められている。代表例として、採取した細胞を増殖させた後に足場基材の表面あるいは内部に播種接着させて生体外人工的に組織を作成する方法が知られている。

0004

この場合、自己の細胞を使用すれば免疫上の問題は無く、また生体外で細胞を増殖できるため採取する組織は少量でよく、患者負担軽減につながるという利点がある。

0005

一方、生体内において管状の結合組織体を形成させる方法は、幾つか報告されている。これらは生体の有する自己防衛反応によって起こり、主に繊維芽細胞コラーゲンからなる結合組織体の形成能カプセル化)を利用するものである。例えば、特許文献1には、細胞非接着性ならびに抗血栓性を有する棒状の足場基材を生体内に埋入させることによる管状の結合組織体の形成方法が開示されている。これによると、結合組織体は生体内に埋入された細い棒状の足場基材の表面を覆うように成長することが記載されている。得られた管状の結合組織体は、気管胆管腸管尿道管尿管卵管等に利用できることが示されている。

0006

そして、特許文献2には、カプセル化によって形成される管状の組織体力学的強度や厚さが、基材の表面化学組成を変化させることにより、あるいは基材の材質体内埋入期間によって、調節できることが記載されている。

0007

また、特許文献3にも同様にカプセル化を利用した血管代替物の形成方法に関しての記述がある。これにはダクロンなどからなる布製の人工血管の筒の内部にシリコーンを挿入して体内に埋入し、人工血管の基材を結合組織被膜化させ、一定期間を経過させた後に内部のシリコーン紐を抜去することで、基材の隙間が結合組織で埋められると記載されている。このようにして得られた結合組織で被膜化された人工血管は漏水性が無くなるため、そのまま血管として機能することが期待された。しかし、結合組織の形成が不充分であったことや抗血栓性が不足していたことなどから開存性が低かったため現在ではこの方法は全く使われていない。

0008

さらに、非特許文献4において、血管平滑筋細胞内皮細胞を組み込んだコラーゲン管に対して、生体外での培養回路を用いて拍動をかけることによって、生体動脈と同様な0.27Mpa以上に破裂強度を高めることができることが報告されている。

発明が解決しようとする課題

0009

自己細胞を用いて細胞操作によって欠損組織の代替材を作製する方法では、細胞の増殖、基材への播種、培養などの煩雑な操作を長期間にわたって高度なクリーンルーム施設内において厳密な無菌環境下で行う必要がある。そのため、常に細菌に感染する危険性を有しており、さらに培養に用いる動物由来血清など、ならびに埋入する人工物やその分解物によって移植後に炎症反応拒絶反応などが起こりえることが考えられる。加えて、非分解性の人工物が含まれると体の成長に応じた血管径拡張に対応することはできない。

0010

一方、カプセル化を利用すると自己の細胞と細胞外マトリックスのみから欠損組織の代替材となる結合組織体が作製できる。特許文献1ならびに特許文献2によると、細い棒状の基材を体内に埋入することによって人工物を含まない管状の結合組織体が血管の代替材として作製されている。そして、特許文献3によると、得られる組織の厚さは、埋入期間によって徐々に増すが、数百ミクロンの厚さに成長するには3ヶ月を要することが記載されている。しかし、埋入期間をさらに延長しても結合組織体の厚さはほとんど変化しない。さらに、このようにして形成される結合組織体は形成された組織中の繊維芽細胞やコラーゲン繊維の配列は不規則であり、繊維芽細胞やコラーゲン繊維が円周方向に螺旋状に配向している生体の血管などの管状組織体とは大きく異なる。

0011

一方、非特許文献4に挙げられるように、拍動により繰り返される圧拡張収縮をかけることで、生体血管組織と同様な血管壁構造が誘導できると示されているが、これらの方法は体外での培養に限られる。

0012

本発明は、カプセル化法によって得られる、血管を含む生体の管状組織体に近い構造を有する結合組織を体内で得るための可動型結合組織形成基材およびその基材を用いた管状の結合組織体の製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0013

本発明の可動型結合組織体形成基材は、体内に埋入することによって、細胞を含む結合組織体を作製できる結合組織形成基材であって、体内で繰り返し変形する機能を有することを特徴としている(請求項1)。ここで基材は体内に埋入することによってカプセル化を起こす材質からなる、あるいはその材質で被覆化されたものからなる。また、この可動型結合組織形成基材において、管状の結合組織体を作製するものが好ましい(請求項2)。この基材の変形前の形状が棒状であるものが好ましく(請求項3)、その基材の半径方向の断面形状が円、楕円または多角形であるものが好ましい(請求項4)。

0014

このような可動型結合組織体形成基材であって、その基材の変形が断面もしくは長手方向の拡張であるもの(請求項5)、あるいは、その基材の変形が湾曲または捻れであるもの(請求項6)が好ましい。そして、体内での圧縮に対してつぶれを抑制する中子または変形能を抑制する中子を備えたものが好ましい(請求項7)。

0015

本発明の結合組織の製造方法は、上述したいずれか記載の可動型結合組織形成基材を用いることを特徴としている(請求項8)。

発明の効果

0016

本発明の可動型結合組織体形成基材は、体内に埋入することによって、細胞を含む結合組織体を作製できる基材であって、体内で繰り返し変形する機能を有するため、体内において基材を繰り返し変形させることにより、基材の表面に形成される結合組織体に物理的な刺激を与えることができる。そして、形成される結合組織体に、実際の生体の管状組織体の構造と同様に平滑筋細胞弾性線維および膠原線維を有効に誘導できる(請求項1)。

0017

ここで体内において繰り返し変形する可動型結合組織体形成基材の構造は、可撓性を有する基材本体と、その変形を誘導する手段とから構成される。このような基材本体を変形させる手段としては、モーターアクチュエーター流体を送液するコンプレッサーなどの駆動部材電力供給により機械的に基材本体を変形させるもの、さらには、パルスを与えることによって変形する材料(例えば、高分子アクチュエーター)から基材本体が構成されている場合は、その基材本体がその手段を兼ねる。この基材本体と手段とは一体で構成され体内に埋め込みができるものがよいが、手段のみ、特に駆動部材を用いる場合、駆動部材のみが体外に露出するものであってもよい。

0018

上述した可動型結合組織体形成基材は、管状の結合組織体を作製するものである場合、その表面に形成された結合組織体は、血管、気管、胆管、腸管、尿管、卵管などの各種の管状組織体の代替材として活用することができる(請求項2)。また、可動型結合組織体形成基材の変形する前の形状が棒状である場合、その基材の表面全体に結合組織体の形成させることにより管状の結合組織体を容易に作製することができる(請求項3)。さらに、基材の半径方向の断面形状が円、楕円または多角形である場合も、同様に管状組織体の代替材として効果を発揮することができる。これらの形状は、埋入する部位の形状、特長に応じて適正に判断してよい(請求項4)。

0019

このような可動型結合組織体形成基材であって、基材の変形が断面もしくは長手方向の拡張である場合、可動型結合組織体形成基材の周りに形成される結合組織体に対し、体内で半径方向の延伸、もしくは、長手方向の延伸の刺激を加えることができる(請求項5)。また、基材の変形が湾曲または捻れである場合、形成される結合組織体に、埋入する部位に応じた結合組織体の構造の細胞を有効に誘導できる(請求項6)。

0020

本発明の可動型結合組織体形部材であって、体内での圧縮に対してつぶれを抑制する中子または変形能を抑制する中子を備えている場合、皮下における体内での、皮膚からの圧縮力を受けても基材の潰れを抑制することができ、狙いの断面形状を有する結合組織体を得ることができる。また、基材の材料によっては、半径方向の拡張に伴い長手方向にも拡張など、所定の部位の拡張に伴う所定の部位以外が変形する場合があり、その所定の部位以外の変形を抑制する中子を備えることにより一方向あるいは任意の拡張に限定することができる(請求項7)。

0021

本発明の結合組織体を製造する方法は、上述したいずれか記載の可動型結合組織体形成基材を用いて製造するため、体内において基材の周囲に形成される結合組織に有効に刺激を加えることができる(請求項8)。本発明の製造方法において、可動型結合組織形成基材を体内に埋入させ、可動型結合組織形成基材を繰り返し変形させて結合組織体をその基材の表面に形成させる。この可動型結合組織形成基材を繰り返して変形させる動作は、体内に埋入させている間ずっと行ってもよいが、ある程度基材の表面に結合組織体が形成した合を測って行ってもよい。
この製造方法によって得られた結合組織体は、脱細胞化などの処理を施すことで、免疫原性あるいは抗原性消失させることができ、異種移植なども可能となり、動物の体内にて作製した結合組織体を人に移植することもできる。また、冷凍凍結乾燥によって長期保存が可能であるため、移植対象者の都合に合わせて提供できる。さらに、結合組織体形成基材の端面をスポンジ状の薄膜密着させて皮膜化させておけば、スポンジを含んだ結合組織体が形成され、より厚く、取り扱い易く、移植時の操作性を向上させることが可能である。このように本発明の結合組織体の製造方法では、今まで不可能であった実際の血管を含む管状組織体の構造と類似の結合組織体の製造が可能となる。
このようにして得られた管状の結合組織体は、血管、気管、胆管、腸管、尿管、卵管などの各種の管状組織体の代替材として活用することができる。

0022

さらに、可動型結合組織体形成基材の材質や種類を変えることにより、形成される結合組織体の物理的性質を調節できるため、移植の目的部位の組織物性に合う管状の結合組織体を形成させることができる。
この結合組織体は体内において形成され、可動型結合組織体形成基材の体内の留置部位皮下組織内が好ましいが、腹腔内などで形成されてもよく、また移植部位臓器や組織の表面や内部で形成されてもよい。
また、結合組織体の形成は、摘出操作はわずかな切開創から、正常組織に傷害を加えることなく行うことができ、ほとんど傷跡を残さないので、患者のQOL(クオリティオブライフ)を高めた治療法が提供される。

発明を実施するための最良の形態

0023

つぎに図面を参照しながら本発明の結合組織体の可動型結合組織体形成基材、およびその基材を用いた結合組織体の製造方法を説明する。図1a、b、cは本発明の可動型結合組織体形成装置の一実施形態を示す側面図、図2aは本発明の可動型結合組織体形成基材の他の実施形態を示す側面断面図、図2bはその可動型結合組織体形成基材が変形した後を示す側面断面図、図2cは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す側面断面図、図2dはその可動型結合組織体形成基材が変形した後を示す側面断面図、図3a、b、cは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す側面図、斜視図、図4は本発明の可動型結合組織体形成基材を用いた装置の一実施形態を示す全体図、図5aは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す断面図、図5bはその基材が変形した後を示す断面図、図6aは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す断面図、図6bはその基材が変形した後を示す断面図、図7aは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す斜視図、図7bはその基材が変形した後を示す斜視図、図8は本発明の可動型結合組織体形成基材の一実施形態を示す写真図図9は可動型結合組織体形成基材の外径との関係を表したグラフ図10は可動型結合組織体形成基材の外径の拡張率との関係を表したグラフ、図11は本発明の製造方法によって製造された結合組織体の半径方向でのHE染色像、図12は本発明の製造方法によって製造された結合組織体の半径方向でのシリウスレッド染色像図13は本発明の製造方法によって製造された結合組織体の半径方向での偏光顕微鏡像である。

0024

図1aに示す可動型結合組織体形成基材10aは、外形円柱状または円筒状のものであり、想像線で示すように断面および長手方向に拡張して変形するものである。図1bに示す可動型結合組織体形成基材10bは、外形が円柱状のものであり、想像線で示すように円弧状に湾曲して変形するものである。また、図1cに示す可動型結合組織体形成基材10cは、外形が角柱状のものであり、想像線で示すようにそれ自身が捻れるように変形するものである。また、可動型結合組織体形成基材10cは、円柱状であってもよい。

0025

このように本発明の可動型結合組織体形成基材は、体内に埋入することによって細胞を含む結合組織体を形成させる結合組織体形成基材であって、体内で図1a〜図1cに示すように繰り返し変形するものである。そして、このように体内で変形することによりカプセル化によって基材の表面に形成される、あるいは、形成された結合組織体中の繊維芽細胞やコラーゲン線維をそれぞれの変形に従わせて一定の規則性を持って配列させるものである。図1aから1cは本発明の可動型結合組織体形成基材の好ましい変形であり、特に限定されるものではない。本発明の可動型結合組織体形成基材は、目的とする管状組織体に応じてその変形態様を変えて使用するものである。

0026

図1a〜図1cではその可動型結合組織体形成基材の変形態様について示したが、次にその具体的態様を示す。図2aの可動型結合組織体形成基材20は、可撓性を有する円筒状の基材本体21と、その基材本体21の内部に挿入される電気的に駆動するアクチュエーター22とからなる。ここでアクチュエーター22の制御装置23および電源24は体外にコード等によってつながれている。このように構成されているため、アクチュエーターを断面方向、または、長手方向に動かすことによって基材本体21を断面および/または長手方向に拡張して変形させたり、円弧状に湾曲して変形させたり、捻れるように変形させたりすることができる。図2bではアクチュエーターを長手方向に動かして可動型結合組織体形成基材を長手方向に拡張させている。これらの図面において符号15は体内と体外の境界を示す線である。

0027

また、図2c、図2dの可動型結合組織体形成基材25のようにアクチュエーター22の制御装置23および電源24を基材本体21と一体にして体内に挿入しても良い。このとき、電源24としてバッテリーを用いたり、誘電装置を用いたりすることができる。また、誘電装置を用いる場合は、体外からマイクロ波発生装置26を用いてアクチュエーター22を駆動させることができる。図2dは、アクチュエーターを長手方向に動かしたときの可動型結合組織体形成基材の変形を示す。

0028

さらに、図3aに示す可動型結合組織体形成基材30は、外形がC字状の基材本体31と、その中に挿入される駆動装置32とからなる。この可動型結合組織体形成基材30は、駆動装置32を断面方向に動かすことにより矢印で示すように基材本体の端部がお互いに近づいたり、離れたり変形させるものである。このような可動型結合組織体形成基材30は比較的に硬度の大きい材料を用いる場合に好適であり、繰り返して行われる変形に対しての劣化が小さい。また、図3bに示す可動型結合組織体形成基材33のように渦巻き状の基材本体34を用いても良い。

0029

上述した可動型結合組織体形成基材の基材本体の材質としては特に限定されるものではないが、その用途に応じてシリコーン樹脂アクリル樹脂エステル樹脂ポリエチレン樹脂ポリスチレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ウレタン樹脂等を含む高分子素材チタンステンレスなどの金属、カーボン等の無機材料が挙げられる。特に、シリコーン樹脂を用いた場合、短期間で比較的固い結合組織体を得ることができる。一方、アクリル樹脂を用いた場合には、形成速度は比較的遅いが柔軟で伸縮性富む結合組織体を得ることができる。このように結合組織体形成基材の材質を選ぶことにより移植部位の物性に合わせた結合組織体を作製することができる。

0030

また、これらの材料や他の高分子素材からなる基材の表面をコーティングし、基材表面の化学的性質や物理的性質を変化させたものを用いても良い。このようなコーティング材料として、チタンやステンレスなどの金属等、ならびにガラスアパタイト、カーボン、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、セラミックス等の無機材料が挙げられる。また、コラーゲン、フィブロネクチンゼラチンヒアルロン酸ケラタン酸、コンドロイチンコンドロイチン硫酸エラスチンヘパラン硫酸ラミニントロンボスポンジンビトロネクチンオステオネクチンエンクチンガゼインポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリグリシドールポリビニルアルコールヒドロキシエチルメタクリレートアルギン酸ポリアクリルアミドポリジメチルアクリルアミドポリアクリル酸、ポリジメチルアミノプロビルアクリルアミド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートポリビニルピロリドン及びそれらを含む共重合体ならびに誘導体からなる水溶性高分子などを固定化させてもよい。
さらに、細胞増殖因子などのタンパク質、あるいは糖などの生体高分子素材表面に固定化させることで、結合組織体の形成を促進させても良い。

0031

上述した材質の基材または上述の表面コーティングを行った可動型結合組織体形成基材を用いることにより、カプセル化の際、可動型結合組織体形成基材と、形成される結合組織体との界面の接着は全く起こらない。従って、結合組織体にほとんど損傷を与えることなく、基材を取り出すことができる。そして、培養装置の中で形成された培養組織体ではなく、可動型結合組織体形成基材によって体内で刺激された結合組織体を得ることができる。

0032

次に説明する可動型結合組織体形成基材35として、ゲル状の高分子アクチュエーターを円筒状に形成して用いたものが挙げられる。この高分子アクチュエーターを任意の形状に形成し、体内に挿入し、体外から基材に向かってパルス発生装置36よりパルスを送ることにより体内において繰り返し可動型結合組織体形成基材35を変形させることができる。

0033

本発明の可動型結合組織体形成基材に形成される結合組織体は、人等の皮下に可動型結合組織体形成基材を埋入させることにより得られる管状結合組織体のため、移植用組織として使用することができるため好ましく、気管、胆管、腸管、尿管、卵管など、特に血管として用いるのが好ましい。
さらに、患者自身の細胞を用いて患者の体内において成長させているため、移植しても異物反応が無いことが特徴である。また、脱細胞化することにより、他人や動物から同種あるいは異種移植が可能であり、移植採取にともなう患者負担の低減によりQOLをさらに向上できる管状の結合組織体の製造方法となる。

0034

得られた結合組織体は、冷凍、凍結乾燥によって長期保存が可能であるため、移植対象者の都合にあわせて提供できる。また、脱細胞化などの処理を施すことで、免疫原性が消失し、異種移植なども可能となり、動物の体内にて作製した結合組織体を人に移植することもできる。また、可動型結合組織体形成基材の端面をスポンジ状の薄膜で密着して皮膜化させておけば、スポンジを含んだ結合組織体が形成され、より厚く、取扱易く、移植時の操作性を向上させることができる。このように本発明の方法による結合組織体の製造方法では、従来不可能であった実際の血管を含む管状組織体の構造と類似の結合組織体の製造が可能となる。

0035

次に本発明の可動型結合組織体形成基材を用いた装置を説明する。図4の可動型結合組織体形成装置40は、皮下に埋入され、その周囲に結合組織を形成させる可動型結合組織形成基材41と、その可動型結合組織形成基材41を変形するための駆動装置42とからなる。

0036

可動型結合組織体形成基材41は、皮膚43を通して主に皮下に埋入される。そして、可動型結合組織体形成基材41を変形するように可動させるために、駆動装置42で発生させた圧力を、送圧チューブ44を介して可動型結合組織体形成基材41に伝える。この可動型結合組織体形成基材41は弾性を有し、駆動装置42から伝えられた圧力を受けることにより定常状態41aから拡径状態41bに外径が膨らむ断面の変形が起こる。

0037

この駆動装置42は、制御装置45により電磁弁46を制御し、コンプレッサー47から圧力変換装置48を介し可動型結合組織体形成基材41への送圧、遮断を繰り返す。これにより可動型結合組織形成基材41を一定のリズムで拍動しているように稼動させることができる。ここで圧力変換装置48は、閉鎖容器49内で圧力媒体気体から液体に変換するものである。また、可動型結合組織体形成基材41に入圧する圧力の制御は、レギュレーター50で行えるため、必要な変形量を調整できる。

0038

図4の装置に用いられる可動型結合組織体形成基材41として、図5に示すような可動型結合組織体形成基材51を用いることができる。可動型結合組織体形成基材51は、弾性を有し、体内に埋入することによってカプセル化を起こす材質からなる中空状の円柱体からなる基材本体52と、その本体の上面に形成される入圧部53とからなる。この入圧部53に上述した送圧チューブ44を取り付けることにより駆動装置42の圧力を基材本体52内に送り込むことができる。

0039

図5aに示すような定常状態の可動結合組織体形成基材51に、入圧部53より圧力を送り込むと図5bに示すような拡径状態となる。この場合、定常状態と拡径状態の外径の違いが大きいほど、拡径する可動型結合組織体形成基材51の周りに形成される結合組織体へ大きな刺激を与えることができる。

0040

上述した可動型結合組織体形成基材51は優れた作用を奏するが、埋入する場所により圧力がかからない定常状態では、皮下内の外圧により、変形することがある。そして、変形した状態から拡径状態に繰り返す変形させる場合、結合組織体に安定した変形量を与えることができないことがある。
このように圧力のかからない定常状態において、外圧に押しつぶされない構造の可動型結合組織体形成基材が必要であり、その形態の一例を図6に示す。この可動型結合組織体形成基材55はコイル型の中子56が本体52の中に挿入されており、これにより外圧からの変形に対抗できるものである。中子56の形態はコイル型でなくても良いが、コイル型にすることにより、柔軟に曲げることができ、本来の可動型結合組織体形成基材の柔軟性を保つことができる。他の構成は図5に示す可動型結合組織体形成基材51と実質的に同じものである。
また、図5のように径方向のみの変形を示す素材もあるが、図1aのように径方向および長手方向の双方へ変形する素材もあるため、図6に示すコイル56を硬くすることや、コイル56の代わりにムク棒にすることにより、長手方向の変形を抑制することができる。

0041

可動型結合組織体形成基材の材料表面と形成された結合組織体との界面は、いずれの材質においても固着しておらず、結合組織体に全く損傷を与えることがなく、可動型結合組織体形成基材を容易に抜去し、結合組織体を得ることができる。結合組織形成基材を抜去する際、入圧部53と反対側へ抜き去ることが好ましい。

0042

図6に示す可動型結合組織体形成基材55は、その基材自身の変形を、基材本体の内部に変形能抑制部材であるコイルを挿入して抑制するものであった。しかし、図7aに示す可動型結合組織体形成基材61は、図5の可動型結合組織体形成基材51の円筒状の基材本体52の中心部62外周にリング状の変形能抑制部材63を設けたものである。このように基材本体の中心部62外周にリング状の変形能抑制部材63を設けることにより、ポンプにより変形させてもリング状の変形能抑制部材63が設けられている中心部62では断面方向の拡張が抑制される。これにより図7bのように基材本体は中心部62がくびれた状態で断面方向に拡張するものである。この実施形態では基材本体の中心部にリング状の変形能抑制部材を設けて可動型結合組織体形成基材の変形能を抑制したが、この変形能抑制部材はリング状に限定されるものではなく、一部に貼り付けられてもよく、基材本体の一端を覆うようにカップ状に形成されても良く、基材本外の外周の一部に設けることにより、任意にその変形能を抑制することができる。

0043

これまでに挙げてきた本発明の可動型結合組織形成基材は血管などの管状の結合組織体を作製するための基材であった。しかし、本発明の可動型結合組織形成基材は平面状であってもよい。そして、その平面状の基材を繰り返し変形させることによって細胞や線維が一定の規則性をもって配列している平面状の結合組織体を作製することができる。

0044

[実施例1、2]
図5に示す装置にて可動型結合組織体形成基材に圧力を加えた結果を表1に示す。表1には加えた圧力と可動型結合組織体形成基材の外径との関係が示されており、加圧することで外径を、つまり断面を変形させることができる。可動型結合組織体形成基材として、外径2mm膜厚0.5mmのシリコンゴムチューブと外径5mm膜厚1mmのシリコンゴムチューブの2種類を使い、それぞれの片端を封じ、その反対側に入圧部を設けシリコンゴムチューブ内部に圧力をかけられる構造とした。図8にその写真図を示す。これらの可動型結合組織体形成基材をそれぞれ実施例1、実施例2とする。図9は、表1の内容を加えた圧力と可動型結合組織体形成基材の外径との関係をグラフに表したものである。圧力が増加するにつれてチューブ外径も大きくなることがわかる。しかし、0.3MPaを越えたあたりから双方共に急激に膨張し始めた。この膨張は半径方向の拡張だけでなく長手方向への伸びが非常に大きく、破裂する予兆と考えられたためこのときの寸法は測定していない。以上の実測データを拡張率に置き換えたのが表2と図10であり、共に10%程度の伸びを示しており、安全に10%程度の拡張の変形を結合組織に対し刺激を与えることができることがわかった。また、この10%程度の変形を、繰り返し600万回程度続けたが、破壊に至ることは無かったので、繰り返し結合組織体に刺激を与えつづけることができることがわかった。

0045

圧力と外径の関係

0046

圧力と拡張率の関係

0047

次に、体重300gのウイスターラット背部皮下に、シリコーン製の直径5mm長さ30mmの繰り返し外径が変化する実施例1の可動型結合組織体形成基材を滅菌後埋入し、4週間(一ヶ月)飼育した。この4週間において、最後の二日間のみ0.2MPaの圧力を1Hzの拍動条件下に置いて飼育した。そして、この基材の周囲に形成された管状組織体を摘出し、組織観察を行った。
周囲に形成された管状結合組織体で皮膜化された結合組織体形成基材は、皮下組織より容易に摘出することができた。得られた結合組織体の円周方向での断面組織像を図11から図13に示す。図11はHE染色像であり、壁内部に多数の繊維芽細胞と平滑筋細胞を認める。図12はシリウスレッド染色像であり、多数のコラーゲン線維の生成を認める。これを偏光顕微鏡にて観察すると、円周方向に配向している様子が観察される(図13参照)。体内において拍動刺激を負荷することで、生体の管状組織体と同様なコラーゲンの配向を伴う組織体が構築できることが示された。

図面の簡単な説明

0048

図1a、b、cは本発明の可動型結合組織体形成装置の一実施形態を示す側面図である。
図2aは本発明の可動型結合組織体形成基材の他の実施形態を示す側面断面図であり、図2bはその可動型結合組織体形成基材が変形した後を示す側面断面図であり、図2cは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す側面断面図であり、図2dはその可動型結合組織体形成基材が変形した後を示す側面断面図である。
図3a、b、cは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す側面図、斜視図である。
本発明の可動型結合組織体形成基材を用いた装置の一実施形態を示す全体図である。
図5aは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す断面図であり、図5bはその基材が変形した後を示す断面図である。
図6aは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す断面図であり、図6bはその基材が変形した後を示す断面図である。
図7aは本発明の可動型結合組織体形成基材のさらに他の実施形態を示す斜視図であり、図7bはその基材が変形した後を示す斜視図である。
本発明の可動型結合組織体形成基材の一実施形態を示す写真図である。
可動型結合組織体形成基材の外径との関係を表したグラフである。
可動型結合組織体形成基材の外径の拡張率との関係を表したグラフである。
本発明の製造方法によって製造された結合組織体の半径方向でのHE染色像である。
本発明の製造方法によって製造された結合組織体の半径方向でのシリウスレッド染色像である。
本発明の製造方法によって製造された結合組織体の半径方向での偏光顕微鏡像である。

符号の説明

0049

10a、b、c可動型結合組織体形成基材
20 可動型結合組織体形成基材
21基材本体
22アクチュエーター
23制御装置
24電源
25 可動型結合組織体形成基材
26マイクロ波発生装置
30 可動型結合組織体形成基材
31 基材本体
32 アクチュエーター
35 可動型結合組織体形成基材
36パルス発生装置
40可動型結合組織体形成装置
41 可動型結合組織体形成基材
41a定常状態
41a拡径状態
42駆動装置
43 皮膚
44 送圧チューブ
45 制御装置
46電磁弁
47コンプレッサー
48圧力変換装置
49容器
50レギュレーター
51 可動型結合組織体形成基材
52 基材本体
53 入圧部
55 可動型結合組織体形成基材
56中子
61変形能抑制部材
62 中心部

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