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技術 無線送信回路及び無線送信装置

出願人 パナソニック電工株式会社
発明者 末広善文林雅則
出願日 2005年7月26日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-215934
公開日 2007年2月8日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2007-036577
状態 特許登録済
技術分野 時分割方式以外の多重化通信方式 直流方式デジタル伝送 送信機
主要キーワード 電流変換素子 DD制御回路 ステップリカバリダイオード 動作用電源電圧 無線信号用 パルス信号列 高速パルス 無線送信回路
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重要な関連分野

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図面 (12)

課題

ウルトラワイドバンド通信信頼性を向上することができる無線送信回路、及びこれを用いた無線送信装置を提供する。

解決手段

入力されたパルス信号に基づいて高周波の信号成分を生じさせた変調信号S31,S32をそれぞれ生成するステップリカバリダイオードSRDをそれぞれ備えたステップリカバリダイオード回路91,92と、送信データにおける各ビット論理値に応じてステップリカバリダイオード回路91,92のうちいずれか一方へパルス信号を出力し、ステップリカバリダイオード回路91,92に変調信号S31,S32をそれぞれ生成させる変調回路6と、変調信号S31,S32の差分をとって差分信号を生成する差動出力部10と、その差分信号から高周波の信号成分を抽出し、当該高周波の信号成分を送信データを表す無線信号用パルスとして出力するBPF11とを備えた。

概要

背景

近年、高速無線伝送方式の一つとして、ウルトラワイドバンド(UWB:Ultra Wide Band)通信方式が注目されている。ウルトラワイドバンド通信とは、超広帯域無線を意味し、中心周波数の25%以上、又は1.5GHz以上の帯域幅占有する無線伝送方式を指し、搬送波を用いず、例えばパルス幅が1nsec以下等の極めて細かい短パルス信号からなるパルス信号列を用いて通信を行うものである(例えば、特許文献1参照。)。このような短パルスを生成する高速パルス発生回路として、ステップリカバリダイオードを用いた無線送信回路が知られている。

図10は、背景技術に係るウルトラワイドバンド通信方式の無線送信回路の構成を示すブロック図である。図10に示す無線送信回路100は、送信データ変調してドライバ回路102へ出力する変調回路101と、変調回路101から出力された変調信号における駆動電流を増大させてステップリカバリダイオード回路103へ出力するドライバ回路102と、ドライバ回路102から出力された変調信号に高周波の信号成分を生じさせるステップリカバリダイオード回路103と、ステップリカバリダイオード回路103で生成された高周波の信号成分を抽出することにより短パルス信号を生成し、アンテナ105から無線信号として送信させるバンドパスフィルタ(BPF)104とを備えている。

図11は、図10に示す無線送信回路100の動作を説明するための信号波形図である。図10に示す無線送信回路100は、OOK(On Off Keying)により送信データDATA1を変調するようにされており、図11に示すように、変調回路101は、送信データDATA1の論理値が「1」であれば変調信号DATA2としてパルス信号をドライバ回路102へ出力し、ドライバ回路102によって当該パルス信号における駆動電流が増大されてステップリカバリダイオード回路103へ出力され、ステップリカバリダイオード回路103によってドライバ回路102から出力された変調信号に応じて高周波の信号成分が生成され、さらにバンドパスフィルタ(BPF)によってその高周波の信号成分が抽出されることにより、ウルトラワイドバンド通信方式の無線信号用パルス信号Pが生成され、DATA3としてアンテナ105から無線信号として放射される。

一方、送信データDATA1の論理値が「0」であれば、変調回路101は、変調信号DATA2をローレベルに固定する結果、無線信号用パルス信号DATA3もパルスPを含まない。このように、図10に示す無線送信回路100は、OOKによって、送信データDATA1が変調され、パルスPの有無によって、送信データDATA1が表される。
特表2003−515974号公報

概要

ウルトラワイドバンド通信の信頼性を向上することができる無線送信回路、及びこれを用いた無線送信装置を提供する。 入力されたパルス信号に基づいて高周波の信号成分を生じさせた変調信号S31,S32をそれぞれ生成するステップリカバリダイオードSRDをそれぞれ備えたステップリカバリダイオード回路91,92と、送信データにおける各ビットの論理値に応じてステップリカバリダイオード回路91,92のうちいずれか一方へパルス信号を出力し、ステップリカバリダイオード回路91,92に変調信号S31,S32をそれぞれ生成させる変調回路6と、変調信号S31,S32の差分をとって差分信号を生成する差動出力部10と、その差分信号から高周波の信号成分を抽出し、当該高周波の信号成分を送信データを表す無線信号用のパルスとして出力するBPF11とを備えた。

目的

本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、ウルトラワイドバンド通信の信頼性を向上することができる無線送信回路、及びこれを用いた無線送信装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

パルスを用いた無線信号により送信データを送信する無線送信回路において、入力されたパルス信号に基づいて高周波の信号成分を生じさせた第1及び第2の変調信号をそれぞれ生成する第1及び第2のステップリカバリダイオードと、前記送信データにおける各ビット論理値に応じて前記第1及び第2のステップリカバリダイオードのうちいずれか一方へ前記パルス信号を出力することにより、第1及び第2のステップリカバリダイオードに前記第1及び第2の変調信号をそれぞれ生成させる変調部と、前記第1及び第2のステップリカバリダイオードにより生成された第1及び第2の変調信号の差分をとって差分信号を生成する差動出力部と、前記差動出力部により生成された差分信号から前記高周波の信号成分を抽出し、当該高周波の信号成分を前記送信データを表す前記無線信号用のパルスとして出力するフィルタ部とを備えることを特徴とする無線送信回路。

請求項2

前記変調部は、前記送信データにおける予め設定されたビット数毎に、当該ビット数ビットパターンに応じて前記第1及び第2のステップリカバリダイオードのいずれか一方へ前記パルス信号を出力すると共に前記無線信号用のパルスの波高値を変化させることを特徴とする請求項1記載の無線送信回路。

請求項3

前記変調部は、前記ステップリカバリダイオードに供給されるバイアス電圧を変化させることにより、前記無線信号用のパルスの波高値を変化させることを特徴とする請求項2記載の無線送信回路。

請求項4

前記変調部と前記第1及び第2のステップリカバリダイオードとの間に介設され、前記変調部から前記第1及び第2のステップリカバリダイオードへ出力されたパルス信号における駆動電流をそれぞれ増大させる第1及び第2のドライバ部をさらに備え、前記変調部は、少なくとも前記第1及び第2のステップリカバリダイオードのうち前記パルス信号を出力する方のステップリカバリダイオードに接続されている前記ドライバ部の動作用電源電圧を変化させることにより、前記無線信号用のパルスの波高値を変化させることを特徴とする請求項2記載の無線送信回路。

請求項5

パルスを用いた無線信号により送信データを送信する無線送信装置において、前記送信データを生成するデータ生成部と、前記データ生成部により生成された送信データに基づいて、前記送信データを表す無線信号用のパルスを出力する無線送信回路と、前記無線送信回路により出力されたパルスを放射するアンテナとを備え、前記無線送信回路は、請求項1〜4のいずれかに記載の無線送信回路であることを特徴とする無線送信装置。

技術分野

0001

本発明は、ウルトラワイドバンド通信に用いられる無線送信回路、およびこれを用いた無線送信装置に関する。

背景技術

0002

近年、高速無線伝送方式の一つとして、ウルトラワイドバンド(UWB:Ultra Wide Band)通信方式が注目されている。ウルトラワイドバンド通信とは、超広帯域無線を意味し、中心周波数の25%以上、又は1.5GHz以上の帯域幅占有する無線伝送方式を指し、搬送波を用いず、例えばパルス幅が1nsec以下等の極めて細かい短パルス信号からなるパルス信号列を用いて通信を行うものである(例えば、特許文献1参照。)。このような短パルスを生成する高速パルス発生回路として、ステップリカバリダイオードを用いた無線送信回路が知られている。

0003

図10は、背景技術に係るウルトラワイドバンド通信方式の無線送信回路の構成を示すブロック図である。図10に示す無線送信回路100は、送信データ変調してドライバ回路102へ出力する変調回路101と、変調回路101から出力された変調信号における駆動電流を増大させてステップリカバリダイオード回路103へ出力するドライバ回路102と、ドライバ回路102から出力された変調信号に高周波の信号成分を生じさせるステップリカバリダイオード回路103と、ステップリカバリダイオード回路103で生成された高周波の信号成分を抽出することにより短パルス信号を生成し、アンテナ105から無線信号として送信させるバンドパスフィルタ(BPF)104とを備えている。

0004

図11は、図10に示す無線送信回路100の動作を説明するための信号波形図である。図10に示す無線送信回路100は、OOK(On Off Keying)により送信データDATA1を変調するようにされており、図11に示すように、変調回路101は、送信データDATA1の論理値が「1」であれば変調信号DATA2としてパルス信号をドライバ回路102へ出力し、ドライバ回路102によって当該パルス信号における駆動電流が増大されてステップリカバリダイオード回路103へ出力され、ステップリカバリダイオード回路103によってドライバ回路102から出力された変調信号に応じて高周波の信号成分が生成され、さらにバンドパスフィルタ(BPF)によってその高周波の信号成分が抽出されることにより、ウルトラワイドバンド通信方式の無線信号用パルス信号Pが生成され、DATA3としてアンテナ105から無線信号として放射される。

0005

一方、送信データDATA1の論理値が「0」であれば、変調回路101は、変調信号DATA2をローレベルに固定する結果、無線信号用パルス信号DATA3もパルスPを含まない。このように、図10に示す無線送信回路100は、OOKによって、送信データDATA1が変調され、パルスPの有無によって、送信データDATA1が表される。
特表2003−515974号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、上述のようにOOKによる変調を行う場合、送信データDATA1が「0」の場合には、アンテナ105から放射される無線信号にパルスPが含まれないため、受信機側で無線送信回路100から送信された無線信号との間で同期を維持することが困難となり、通信の信頼性が低下するという不都合があった。

0007

本発明は、このような問題に鑑みて為された発明であり、ウルトラワイドバンド通信の信頼性を向上することができる無線送信回路、及びこれを用いた無線送信装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述の目的を達成するために、本発明の第1の手段に係る無線送信回路は、パルスを用いた無線信号により送信データを送信する無線送信回路において、入力されたパルス信号に基づいて高周波の信号成分を生じさせた第1及び第2の変調信号をそれぞれ生成する第1及び第2のステップリカバリダイオードと、前記送信データにおける各ビットの論理値に応じて前記第1及び第2のステップリカバリダイオードのうちいずれか一方へ前記パルス信号を出力することにより、第1及び第2のステップリカバリダイオードに前記第1及び第2の変調信号をそれぞれ生成させる変調部と、前記第1及び第2のステップリカバリダイオードにより生成された第1及び第2の変調信号の差分をとって差分信号を生成する差動出力部と、前記差動出力部により生成された差分信号から前記高周波の信号成分を抽出し、当該高周波の信号成分を前記送信データを表す前記無線信号用のパルスとして出力するフィルタ部とを備えることを特徴としている。

0009

また、上述の無線送信回路において、前記変調部は、前記送信データにおける予め設定されたビット数毎に、当該ビット数ビットパターンに応じて前記第1及び第2のステップリカバリダイオードのいずれか一方へ前記パルス信号を出力すると共に前記無線信号用のパルスの波高値を変化させることを特徴としている。

0010

また、上述の無線送信回路において、前記変調部は、前記ステップリカバリダイオードに供給されるバイアス電圧を変化させることにより、前記無線信号用のパルスの波高値を変化させることを特徴としている。

0011

また、上述の無線送信回路において、前記変調部と前記第1及び第2のステップリカバリダイオードとの間に介設され、前記変調部から前記第1及び第2のステップリカバリダイオードへ出力されたパルス信号における駆動電流をそれぞれ増大させる第1及び第2のドライバ部をさらに備え、前記変調部は、少なくとも前記第1及び第2のステップリカバリダイオードのうち前記パルス信号を出力する方のステップリカバリダイオードに接続されている前記ドライバ部の動作用電源電圧を変化させることにより、前記無線信号用のパルスの波高値を変化させることを特徴としている。

0012

そして、本発明の第2の手段に係る無線送信装置は、パルスを用いた無線信号により送信データを送信する無線送信装置において、前記送信データを生成するデータ生成部と、前記データ生成部により生成された送信データに基づいて、前記送信データを表す無線信号用のパルスを出力する無線送信回路と、前記無線送信回路により出力されたパルスを放射するアンテナとを備え、前記無線送信回路は、上述のいずれかに記載の無線送信回路であることを特徴としている。

発明の効果

0013

このような構成の無線送信回路及び無線送信装置は、変調部によって、送信データにおける各ビットの論理値に応じて第1及び第2のステップリカバリダイオードのうちいずれか一方へパルス信号が出力され、第1及び第2のステップリカバリダイオードのうちいずれか一方によって、当該パルス信号に基づいて高周波の信号成分を生じさせた第1及び第2の変調信号のうちいずれか一方の変調信号が生成される。そして、差動出力部によって、第1及び第2の変調信号の差分が差分信号として生成される。そうすると、差分信号は、変調部により第1のステップリカバリダイオードへパルス信号が出力されて第1の変調信号が生成された場合と、変調部により第2のステップリカバリダイオードへパルス信号が出力されて第2の変調信号が生成された場合とでは、極性反転する。さらに、フィルタ部によって、差分信号から高周波の信号成分が抽出され、当該高周波の信号成分が送信データを表す無線信号用のパルスとして出力される。そうすると、無線信号用のパルスの位相は、差分信号の極性に応じて反転する。従って、無線信号用のパルスの位相は、送信データにおける各ビットの論理値に応じて反転されることとなり、送信データの論理値は無線信号用のパルスの位相による位相変調によって表されるので、送信データの論理値に関わらず無線信号用のパルスが送信され、受信機側で当該無線信号との間で同期を維持することが容易になる結果、通信の信頼性を向上させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0014

以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。

0015

(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置及び無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す無線送信装置1は、水晶発振子OSC1と、発振回路2と、データ生成部3と、無線送信回路4と、アンテナ5とを備えている。無線送信回路4は、データ生成部3から出力された送信データSD1を変調し、パルスを用いて無線通信を行う通信方式、例えばウルトラワイドバンド通信方式におけるパルスを用いた無線信号として送信する回路部で、変調回路6(変調部)と、プリドライバ回路71,72と、ドライバ部81,82と、ステップリカバリダイオード回路91,92と、差動出力部10と、バンドパスフィルタ(各図においてBPFと略記する)11(フィルタ部)とを備えている。

0016

発振回路2は、水晶発振子OSC1を発振させて、無線送信装置1の動作の基本となる周期信号、例えば送信信号における短パルスの出力周期にされたクロック信号CLK1をデータ生成部3と変調回路6とへ出力する。

0017

データ生成部3は、送信しようとするデータを生成する回路部で、例えば人の在不在を検出する人感センサ温度センサ等の検出装置及び、例えば照明器具空調装置等を制御するためのリモコン装置等の、情報や指示命令等を表すデータを生成するものであり、生成したデータに送信先受信装置通信アドレスを付加し、送信データSD1として発振回路2から出力されたクロック信号CLK1と同期して変調回路6へ出力する。なお、データ生成部3は、自ら送信しようとするデータを生成するものに限られず、例えば外部に接続された機器から送信しようとするデータを受信して、送信データSD1として変調回路6へ出力するものであってもよい。

0018

変調回路6は、ウルトラワイドバンド方式による変調を行う回路であり、例えばクロック信号CLK1と送信データSD1との論理積をとって得られたパルス信号を信号S11としてプリドライバ回路71へ出力し、クロック信号CLK1と送信データSD1を反転させた信号との論理積をとって得られたパルス信号を信号S12としてプリドライバ回路72へ出力する。

0019

図2は、プリドライバ回路71,72及びドライバ部81,82の構成の一例を示す回路図である。プリドライバ回路71とプリドライバ回路72、及びドライバ部81とドライバ部82は、それぞれ同じ構成であるので、図2においては共通の回路図で示している。

0020

プリドライバ回路71,72は、ドライバ部81,82のゲート電圧を制御するべく変調回路6から出力された信号S11,S12を一次増幅する増幅回路で、例えば、PMOSトランジスタQP1のソース電源に接続され、PMOSトランジスタQP1のドレインNMOSトランジスタQN1のドレインに接続され、NMOSトランジスタQN1のソースがグラウンドに接続されている。そして、変調回路6から信号S11,S12がPMOSトランジスタQP1のゲートとNMOSトランジスタQN1のゲートとへ出力され、PMOSトランジスタQP1のドレイン電圧がプリドライバ回路71,72の出力電圧としてドライバ部81,82へ出力される。

0021

ドライバ部81,82は、ステップリカバリダイオード回路91,92へ出力するパルス信号S21,S22の駆動電流を増大させる増幅回路で、例えば、PMOSトランジスタQP2のソースに動作用電源電圧VDDが供給され、PMOSトランジスタQP2のドレインがNMOSトランジスタQN2のドレインに接続され、NMOSトランジスタQN2のソースがグラウンドに接続されている。そして、プリドライバ回路71,72の出力電圧がPMOSトランジスタQP2のゲートとNMOSトランジスタQN2のゲートとに印加され、PMOSトランジスタQP2のドレイン電圧が信号S21,S22としてステップリカバリダイオード回路91,92へ出力される。

0022

ステップリカバリダイオード回路91,92は、ドライバ部81,82から出力された信号S21,S22それぞれに基づいて、高周波の信号成分を生じさせた変調信号S31,S32をそれぞれ生成し、差動出力部10へ出力する。図3は、ステップリカバリダイオード回路91,92の構成の一例を示す回路図である。ステップリカバリダイオード回路91とステップリカバリダイオード回路92とは、同じ構成であるので、図3においては共通の回路図で示している。

0023

図3に示すステップリカバリダイオード回路91,92は、ドライバ部81,82から出力された信号S21,S22がハイパスフィルタ93に入力され、ハイパスフィルタ93の出力がステップリカバリダイオードSRDのアノードに接続され、ステップリカバリダイオードSRDのカソードがグラウンドに接続されている。また、所定のバイアス電圧Vbiasが、電圧電流変換素子94を介してステップリカバリダイオードSRDのアノードに供給されている。

0024

ハイパスフィルタ93は、例えばコンデンサを用いて構成されたハイパスフィルタで、ドライバ部81,82から出力された信号S21,S22の高周波成分を通過させる。電圧−電流変換素子94は、バイアス電圧Vbiasを電流に変換する素子で、例えば抵抗インダクタ等が用いられる。そして、ハイパスフィルタ93を通過した信号によりステップリカバリダイオードSRDのアノードに生じた電圧が、変調信号S31,S32として差動出力部10へ出力される。

0025

差動出力部10は、ステップリカバリダイオード回路91,92により生成された変調信号S31,S32の差分をとって差分信号S4を生成し、バンドパスフィルタ11へ出力する。図4は、差動出力部10の構成の一例を示す回路図である。図4に示す差動出力部10は、トランスを用いて構成されており、一次巻線の一端に変調信号S31が入力され、他端に変調信号S32が入力されている。そして、二次巻線の一端がバンドパスフィルタ11に接続され、他端がグラウンドに接続されている。

0026

バンドパスフィルタ11は、差動出力部10から出力された差分信号S4から高周波の信号成分を抽出する帯域フィルタであり、抽出した高周波の信号成分をウルトラワイドバンド通信用のパルス信号Soutとしてアンテナ5へ出力する。アンテナ5は、パルス信号Soutを無線信号として放射する。

0027

次に、上述のように構成された無線送信装置1の動作について説明する。図5は、無線送信装置1の動作を説明するための信号波形図である。まず、発振回路2によって、水晶発振子OSC1の発振周波数に基づきクロック信号CLK1が生成されると共にデータ生成部3と変調回路6とへ出力される。次に、データ生成部3から、クロック信号CLK1と同期して送信データSD1が変調回路6へ出力される。そして、変調回路6によって、例えばクロック信号CLK1と送信データSD1との論理積をとって得られたパルス信号が信号S11としてプリドライバ回路71へ出力され、クロック信号CLK1と送信データSD1を反転させた信号との論理積をとって得られたパルス信号が信号S12としてプリドライバ回路72へ出力される。

0028

そして、信号S11,S12は、プリドライバ回路71,72によってそれぞれ増幅され、さらにドライバ部81,82によって駆動電流が増大されて信号S21,S22としてステップリカバリダイオード回路91,92へ出力され、ステップリカバリダイオード回路91,92におけるステップリカバリダイオードSRDによって、信号S21,S22の信号立ち下がり部に高周波の信号成分を生じさせることにより立ち下がりが急峻にされると共にアンダーシュートが生じた変調信号S31,S32が生成される。

0029

そして、差動出力部10によって変調信号S31,S32の差分が差分信号S4としてバンドパスフィルタ11へ出力される。この場合、差分信号S4は、変調信号S31にパルスがあるとき、すなわち送信データSD1の論理値が「1」のときは正方向のパルスとなる一方、変調信号S32にパルスがあるとき、すなわち送信データSD1の論理値が「0」のときは逆方向のパルスとなる。

0030

さらに、バンドパスフィルタ11によって、差動出力部10から出力された差分信号S4から高周波の信号成分が抽出され、ウルトラワイドバンド通信用のパルス信号Soutとしてアンテナ5へ出力され、アンテナ5によって、パルス信号Soutが無線信号として放射される。この場合、図5に拡大して示すように、送信データSD1の論理値「1」を表すパルスP1と、送信データSD1の論理値「0」を表すパルスP2とは位相が反転した信号波形となる。

0031

すなわち、送信データSD1の論理値を出力パルスの位相によって表すことができ、PSK(Phase Shift Keying)による変調を行うことができる。

0032

これにより、背景技術による無線送信回路100のように、OOKにより送信データDATA1を変調する場合と異なり、PSKにより変調された無線信号には、送信データSD1の論理値(1/0)に関わらず一定周期でパルス信号が含まれるため、受信機側で無線送信回路100から送信された無線信号との間で同期を維持することが容易となり、通信の信頼性を向上させることができる。

0033

また、背景技術による無線送信回路100のように、OOKにより送信データを変調する場合には、無線信号におけるパルスの有無によってデータを表すため、パルスが無い状態においてノイズが生じると、受信機側で誤ったデータを受信してしまうおそれがある。しかし、図1に示す無線送信装置1のように、PSKにより変調された無線信号には、送信データSD1の論理値(1/0)に関わらずパルス信号が含まれ、パルス信号の位相によって無線信号の論理値を判別するためノイズの影響を低減することができ、SN比信号対ノイズ比)を向上させて通信の信頼性を向上させることができる。

0034

(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置及び無線送信回路について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置1aの構成の一例を示すブロック図である。図6に示す無線送信装置1a及び無線送信回路4aは、図3に示すステップリカバリダイオード回路91,92において、バイアス電圧Vbiasを変化させると変調信号S31,S32の波高値が変化し、パルス信号Soutの振幅が変化することを利用して、複数ビットの情報をパルス信号Soutの波高値と位相とで表すことにより多値変調を行うものである。これにより、例えば8つの短パルス信号を用いて1ビットを送信するようにした無線送信機を、同じ8つの短パルス信号を用いて複数ビットのデータを送信可能とし、送信速度高速化しようとするものである。

0035

図6に示す無線送信回路4aと図1に示す無線送信回路4とでは、下記の点で異なる。すなわち、図6に示す無線送信回路4aは、ステップリカバリダイオード回路91,92のバイアス電圧Vbiasをそれぞれ変化させるバイアス制御回路61,62をさらに備えている。また、変調回路6aは、データ生成部3から出力された送信データSD1を複数ビットずつ、例えば2ビットずつ一時的に記憶するレジスタ63を備えている。

0036

変調回路6aは、レジスタ63によって一時記憶された複数ビットのデータに基づいてバイアス電圧Vbiasを変化させるべくバイアス制御回路61,62へ制御信号を出力する。バイアス制御回路61,62は、変調回路6aからの制御信号に応じてステップリカバリダイオード回路91,92へ供給するバイアス電圧Vbiasを変化させる電源回路である。

0037

その他の構成及び動作は、以下の動作を除き図1に示す無線送信装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な動作について説明する。以下の説明においては、2ビットを多値化する例を説明する。図7は、無線送信回路4aの動作を説明するための信号波形図である。まず、発振回路2によって、水晶発振子OSC1の発振周波数に基づき生成されたクロック信号CLK1が変調回路6a及びデータ生成部3へ出力される。

0038

そして、データ生成部3から、クロック信号CLK1と同期して送信データSD1がレジスタ63へ出力され、レジスタ63により2ビット毎にデータが保持される。図7において、送信データSD1はクロック信号CLK1の4クロックで1ビットを表すようにされており、ローレベルで「0」、ハイレベルで「1」を表すようにされている。

0039

そして、変調回路6aにより、レジスタ63により保持された2ビット毎に、当該ビット数のビットパターンに応じて、プリドライバ回路71及びプリドライバ回路72のいずれか一方へパルス信号が出力されてパルス信号Soutの位相が制御されると共に、バイアス制御回路61,62へ制御信号が出力されてパルス信号Sout波高値が変化される。

0040

具体的には、変調回路6aによって、例えば、レジスタ63の値が「00」であった場合には、プリドライバ回路72へ信号S12としてパルスが出力されると共に、バイアス制御回路62へバイアス電圧Vbiasを予め設定された所定の低電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは逆位相であって信号振幅が小さいパルス信号にされる。また、レジスタ63の値が「01」であった場合には、プリドライバ回路71へ信号S11としてパルスが出力されると共に、バイアス制御回路61へバイアス電圧Vbiasを低電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは正位相であって信号振幅が小さいパルス信号にされる。

0041

また、変調回路6aによって、レジスタ63の値が「10」であった場合には、プリドライバ回路72へ信号S12としてパルスが出力されると共に、バイアス制御回路62へバイアス電圧Vbiasを予め設定された所定の高電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは逆位相であって信号振幅が大きいパルス信号にされる。また、レジスタ63の値が「11」であった場合には、プリドライバ回路71へ信号S11としてパルスが出力されると共に、バイアス制御回路61へバイアス電圧Vbiasを高電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは正位相であって信号振幅が大きいパルス信号にされる。

0042

これにより、パルス信号Soutを多値化して、一つのパルスで複数ビット分の情報を送信することができるので、通信速度を高速化することができる。

0043

なお、変調回路6aは、バイアス制御回路61,62によりバイアス電圧Vbiasを低電圧と高電圧との2段階に切り替えて、パルス信号Soutの位相との組合せにより2ビットのデータについてパルス信号Soutにおける一つのパルスを多値化する例を示したが、バイアス電圧Vbiasを3段階、あるいは4段階以上にすることにより、一つのパルスに多値化するビット数を増加させるようにしてもよい。

0044

また、変調回路6aは、パルスを出力しないタイミングにおいては、バイアス制御回路61,62へ制御信号を出力してバイアス電圧Vbiasをゼロにさせるようにしてもよい。これにより、パルスを出力せずバイアス電圧Vbiasを必要としないタイミングにおいてステップリカバリダイオード回路91,92におけるステップリカバリダイオードSRDを流れるバイアス電流をゼロにすることができるので、無線送信回路4aの消費電流を低減することができる。

0045

(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る無線送信装置及び無線送信回路について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る無線送信装置1bの構成の一例を示すブロック図である。図8に示す無線送信装置1b及び無線送信回路4bは、図2に示すドライバ部81,82において、動作用電源電圧VDDを変化させると信号S21,S22の波高値が変化し、パルス信号Soutの振幅が変化することを利用して、複数ビットの情報をパルス信号Soutの波高値と位相とで表すことにより多値変調を行うものである。これにより、例えば8つの短パルス信号を用いて1ビットを送信するようにした無線送信機を、同じ8つの短パルス信号を用いて複数ビットのデータを送信可能とし、送信速度を高速化しようとするものである。

0046

図8に示す無線送信回路4bと図6に示す無線送信回路4aとでは、下記の点で異なる。すなわち、図8に示す無線送信回路4bは、バイアス制御回路61,62の代わりにVDD制御回路64,65を備える点で異なる。変調回路6bは、レジスタ63によって一時記憶された複数ビットのデータに基づいて動作用電源電圧VDDを変化させるべくVDD制御回路64,65へ制御信号を出力する。VDD制御回路64,65は、変調回路6bからの制御信号に応じてドライバ部81,82へ供給する動作用電源電圧VDDを変化させる電源回路である。

0047

その他の構成及び動作は、以下の動作を除き図6に示す無線送信装置1aと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な動作について説明する。以下の説明においては、2ビットを多値化する例を説明する。図9は、無線送信回路4aの動作を説明するための信号波形図である。まず、発振回路2によって、水晶発振子OSC1の発振周波数に基づき生成されたクロック信号CLK1が変調回路6b及びデータ生成部3へ出力される。

0048

そして、データ生成部3から、クロック信号CLK1と同期して送信データSD1がレジスタ63へ出力され、レジスタ63により2ビット毎にデータが保持される。図9において、送信データSD1はクロック信号CLK1の4クロックで1ビットを表すようにされており、ローレベルで「0」、ハイレベルで「1」を表すようにされている。

0049

そして、変調回路6bにより、レジスタ63により保持された2ビット毎に、当該ビット数のビットパターンに応じて、プリドライバ回路71及びプリドライバ回路72のいずれか一方へパルス信号が出力されてパルス信号Soutの位相が制御されると共に、VDD制御回路64,65へ制御信号が出力されてパルス信号Soutの波高値が変化される。

0050

具体的には、変調回路6bによって、例えば、レジスタ63の値が「00」であった場合には、プリドライバ回路72へ信号S12としてパルスが出力されると共に、VDD制御回路65へ動作用電源電圧VDDを予め設定された所定の低電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは逆位相であって信号振幅が小さいパルス信号にされる。また、レジスタ63の値が「01」であった場合には、プリドライバ回路71へ信号S11としてパルスが出力されると共に、VDD制御回路64へ動作用電源電圧VDDを低電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは正位相であって信号振幅が小さいパルス信号にされる。

0051

また、変調回路6bによって、レジスタ63の値が「10」であった場合には、プリドライバ回路72へ信号S12としてパルスが出力されると共に、VDD制御回路65へ動作用電源電圧VDDを予め設定された所定の高電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは逆位相であって信号振幅が大きいパルス信号にされる。また、レジスタ63の値が「11」であった場合には、プリドライバ回路71へ信号S11としてパルスが出力されると共に、VDD制御回路64へ動作用電源電圧VDDを高電圧にする旨の制御信号が出力され、パルス信号Soutは正位相であって信号振幅が大きいパルス信号にされる。

0052

これにより、パルス信号Soutを多値化して、一つのパルスで複数ビット分の情報を送信することができるので、通信速度を高速化することができる。

0053

なお、変調回路6bは、VDD制御回路64,65により動作用電源電圧VDDを低電圧と高電圧との2段階に切り替えて、パルス信号Soutの位相との組合せにより2ビットのデータについてパルス信号Soutにおける一つのパルスを多値化する例を示したが、動作用電源電圧VDDを3段階、あるいは4段階以上にすることにより、一つのパルスに多値化するビット数を増加させるようにしてもよい。

0054

また、バイアス制御回路61,62をさらに備え、動作用電源電圧VDDとバイアス電圧Vbiasとの電圧変化の組合せにより、パルス信号Soutの波高値を変化させ、多値化する構成としてもよい。

図面の簡単な説明

0055

本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置及び無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すプリドライバ回路及びドライバ部の構成の一例を示す回路図である。
図1に示すステップリカバリダイオード回路の構成の一例を示す回路図である。
図1に示す差動出力部の構成の一例を示す回路図である。
図1に示す無線送信装置1の動作を説明するための信号波形図である。
本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置及び無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図6に示す無線送信回路の動作を説明するための説明図である。
本発明の第3の実施形態に係る無線送信装置及び無線送信回路の構成の一例を示すブロック図である。
図8に示す無線送信回路の動作を説明するための説明図である。
背景技術に係るウルトラワイドバンド通信方式の無線送信回路の構成を示すブロック図である。
図10に示す無線送信回路の動作を説明するための信号波形図である。

符号の説明

0056

1,1a,1b無線送信装置
2発振回路
3データ生成部
4,4a,4b無線送信回路
5アンテナ
6,6a,6b変調回路
10差動出力部
11バンドパスフィルタ
61,62バイアス制御回路
64,65 VDD制御回路
71,72プリドライバ回路
81,82ドライバ部
91,92ステップリカバリダイオード回路
93ハイパスフィルタ
94電圧−電流変換素子
QN1,QP1,QN2,QP2トランジスタ
SRD ステップリカバリダイオード

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