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技術 音響設計支援装置および音響設計支援プログラム

出願人 ヤマハ株式会社
発明者 宮崎秀生渡辺隆行阪梨英樹松本秀一
出願日 2005年7月19日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-208987
公開日 2007年2月1日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2007-026221
状態 特許登録済
技術分野 他に分類されない音響(残響,カラオケ等) CAD
主要キーワード 基準周波数帯域 集会施設 基本形状データ 実測値データ 守備範囲 シミュレーション過程 位相補正フィルタ 最適パターン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

音響設計支援装置およびプログラム条件設定を自動化すると共に、シミュレーション高速化して、設計段階の作業を効率化、短縮化し、かつ現場における調整を短縮する。

解決手段

音響設計支援装置の全体のフローの条件設定ST1で、自動最適化支援ST15の段階を行なうための機能を備えている。即ち、空間形状設定ST11のデータに基づいて、自動的に最適なスピーカ選出を行なうST16や、スピーカの設置角度条件を自動的に設定するST17を行なうための機能を備えている。そして、スピーカの角度別インパルス応答のデータのみならず、伝達時間の遅延や、ST17で設定したイコライザデータもすべてFFT化したデータとして格納しているから、高速でシミュレーションができ、その結果、上述ST17のスピーカの設置角度条件を自動設定を高速で行なうことができる。

概要

背景

従来、音響ホールや、会議場等の集会施設における音響設備の設計に関しては、種々の設計支援装置プログラムが提案されている(特許文献1〜4参照。)。このような装置やプログラムでは、音響設備を現場搬入する前に、選択した音響システムの特性に基づいて、予め音響ホール等に設置するスピーカの音を受ける座席等が存在する面(以下、単に「スピーカの受音面」または「受音面」という。)における音響特性表示器に表示して、音響システムの選択や、さらには現場の音響調整に反映できることが望ましい。

そこで、特許文献1では、スピーカの周囲の位置のインパルス応答を予めデータ化しておいて、そのデータを基に、受音面の音像定位パラメータ自動算出する装置が開示されている。この文献では、インパルス応答をFFT化したテンプレートを用意している。

また、特許文献2では、GUIにより機器選択設計作業を自動化する音響システム設計支援装置が開示されている。

また、特許文献3では所望の音像定位パラメータを得るための音像定位パラメータの自動算出装置に関する記載がある。

さらに、特許文献4では、現場において音響信号をスピーカから出力して、音響信号と、マイクにより収音された収音信号差分特性データを利用して、短時間に自動的に音響周波数特性を調整する音響調整装置が開示されている。

また、スピーカ等の音響設備の手配の段階において、3次元的でなく平面的なラインアレイに限って、音楽ホール等の断面形状を入力することで、受音面の受音エリアに対する、必要スピーカ個数、向き、レベルバランスEQディレイを算出する設計支援プログラムが実用化されている。
特開2002−366162号公報
特開2003−16138号公報
特開平09−149500号公報
特開2005−49688号公報

概要

音響設計支援装置およびプログラムの条件設定を自動化すると共に、シミュレーション高速化して、設計段階の作業を効率化、短縮化し、かつ現場における調整を短縮する。 音響設計支援装置の全体のフローの条件設定ST1で、自動最適化支援ST15の段階を行なうための機能を備えている。即ち、空間形状設定ST11のデータに基づいて、自動的に最適なスピーカの選出を行なうST16や、スピーカの設置角度条件を自動的に設定するST17を行なうための機能を備えている。そして、スピーカの角度別インパルス応答のデータのみならず、伝達時間の遅延や、ST17で設定したイコライザデータもすべてFFT化したデータとして格納しているから、高速でシミュレーションができ、その結果、上述ST17のスピーカの設置角度条件を自動設定を高速で行なうことができる。

目的

そこで、本発明は、このような問題に鑑み、音響設計支援装置およびプログラムの条件設定を自動化すると共に、シミュレーションを高速化して、設計段階の作業を効率化、短縮化し、かつ現場における調整を短縮することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

スピーカを配置する空間の形状の情報に基づいて、選択可能なスピーカの候補を選出するスピーカ選択支援手段と、前記選出したスピーカの設置方向の最適値を、前記空間の受音面のそれぞれの位置における音圧レベルのばらつき度合いが最小となる設置方向パターンを選出することにより算出するスピーカ設置角度最適化手段と、前記空間の形状の情報と、前記スピーカ設置角度最適化手段により最適化したスピーカを設置する方向に基づいて、前記前記スピーカの受音面のそれぞれの位置について、各種の音響パラメータを算出する音響パラメータ算出手段を備えた音響設計支援装置

請求項2

スピーカを配置する空間の形状の情報に基づいて、選択可能なスピーカの候補を選出するスピーカ選択支援ステップと、前記選出したスピーカの設置方向の最適値を、前記空間の受音面のそれぞれの位置における音圧レベルのばらつき度合いが最小となる設置方向パターンを選出することにより算出するスピーカ設置角度最適化ステップと、前記空間の形状の情報と、前記スピーカ設置角度最適化手段により最適化したスピーカを設置する方向に基づいて、前記前記スピーカの受音面のそれぞれの位置について、各種の音響パラメータを算出する音響パラメータ算出ステップと、をコンピュータに実行させる音響設計支援プログラム

請求項3

前記音響パラメータ算出手段は、音響設計に使用する各種スピーカについて、その方向ごとのインパルス応答実測値データがそれぞれ予めフーリエ変換されたスピーカの特性データと、前記スピーカの周波数領域の特性を調整するためのイコライザフィルタをフーリエ変換したデータと、音源受音点間の距離に起因する、時間遅れ位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記イコライザ用データをフーリエ変換したデータと、前記スピーカの特性データと、を畳み込み演算したデータと、を基に、周波数領域の演算により算出した受音点の応答から、前記音響パラメータを算出する請求項1に記載の音響設計支援装置。

請求項4

前記音響パラメータ算出ステップは、音響設計に使用する各種スピーカについて、その方向ごとのインパルス応答の実測値データがそれぞれ予めフーリエ変換されたスピーカの特性データと、前記スピーカの周波数領域の特性を調整するためのイコライザ用フィルタをフーリエ変換したデータと、音源と受音点間の距離に起因する、時間遅れの位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記イコライザ用データをフーリエ変換したデータと、前記スピーカの特性データと、を畳み込み演算したデータと、を基に、周波数領域の演算により算出した受音点の応答から、前記音響パラメータを算出する請求項2に記載の音響設計支援プログラム。

請求項5

前記音響パラメータ算出手段は、少なくとも、前記音響パラメータとして、スピーカ受音面の音圧レベル特性、同音圧レベルの分布特性、スピーカ受音面のインパルス応答を算出するものであって、さらに表示器にこれらのデータを出力するデータ表示手段を備えた請求項1、3のいずれかに記載の音響設計支援装置。

請求項6

前記音響パラメータ算出ステップは、少なくとも、前記音響パラメータとして、スピーカ受音面の音圧レベル特性、同音圧レベルの分布特性、スピーカ受音面のインパルス応答を算出するものであって、さらに表示器にこれらのデータを出力するデータ表示ステップをコンピュータに実行させる請求項2、4に記載の音響設計プログラム

技術分野

0001

音響設備音響設計支援する装置およびプログラムに関する。

背景技術

0002

従来、音響ホールや、会議場等の集会施設における音響設備の設計に関しては、種々の設計支援装置やプログラムが提案されている(特許文献1〜4参照。)。このような装置やプログラムでは、音響設備を現場搬入する前に、選択した音響システムの特性に基づいて、予め音響ホール等に設置するスピーカの音を受ける座席等が存在する面(以下、単に「スピーカの受音面」または「受音面」という。)における音響特性表示器に表示して、音響システムの選択や、さらには現場の音響調整に反映できることが望ましい。

0003

そこで、特許文献1では、スピーカの周囲の位置のインパルス応答を予めデータ化しておいて、そのデータを基に、受音面の音像定位パラメータ自動算出する装置が開示されている。この文献では、インパルス応答をFFT化したテンプレートを用意している。

0004

また、特許文献2では、GUIにより機器選択設計作業を自動化する音響システム設計支援装置が開示されている。

0005

また、特許文献3では所望の音像定位パラメータを得るための音像定位パラメータの自動算出装置に関する記載がある。

0006

さらに、特許文献4では、現場において音響信号をスピーカから出力して、音響信号と、マイクにより収音された収音信号差分特性データを利用して、短時間に自動的に音響周波数特性を調整する音響調整装置が開示されている。

0007

また、スピーカ等の音響設備の手配の段階において、3次元的でなく平面的なラインアレイに限って、音楽ホール等の断面形状を入力することで、受音面の受音エリアに対する、必要スピーカ個数、向き、レベルバランスEQディレイを算出する設計支援プログラムが実用化されている。
特開2002−366162号公報
特開2003−16138号公報
特開平09−149500号公報
特開2005−49688号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、従来、スピーカの選択・配置支援を行なうものがあっても、具体的なスピーカの商品名の候補を示す装置やプログラムは開示されていない。したがって、条件を満たす候補をカタログで調べてスピーカを手配する必要があった。

0009

また、選択したスピーカを設置した場合に、どのような周波数特性になるのかをシミュレーションしたものがあっても、どのような方向に設置すべきかを具体的に示した文献は開示されていない。したがって、設計者は、このようなシミュレーションを自ら試行錯誤して繰り返すことにより、最適な方向を求めざるを得ず、その角度条件の設定に苦労することが多々あった。

0010

また、受音点での各種音響パラメータを算出する過程で、すべてのデータを周波数領域で作成したものはない。したがって、時間軸をそろえる等のため各種音響パラメータを算出する過程でFFTまたは逆FFT演算を複数回行なう必要があり、計算時間がかかっていた。このため、いろいろなスピーカ配置の組み合わせを考慮した高度な試行錯誤を要する設計には不向きであった。
特許文献1では、確かにインパルス応答をFFT化したテンプレートを用意し、周波数領域で計算を行なってはいる。しかしながら、時間遅れや、距離が離れていることの減衰特性を考慮すると、複数のスピーカの応答加算する際には、時間軸を合わせるため、一度、逆FFT変換して時間領域で足し算を行ない、さらにフーリエ変換して計算を行なっている。また、時間遅延が大きい場合、逆FFT変換して時間領域のデータにすると、その分のデータ数伸びる結果になり、その大きくなったデータをFFT変換することで、特に計算時間がかかるFFT変換において、より一層計算時間が延びる問題があった。

0011

そこで、本発明は、このような問題に鑑み、音響設計支援装置およびプログラムの条件設定を自動化すると共に、シミュレーションを高速化して、設計段階の作業を効率化、短縮化し、かつ現場における調整を短縮することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。

0013

(1)本発明は、
スピーカを配置する空間の形状の情報に基づいて、選択可能なスピーカの候補を選出するスピーカ選択支援手段と、
前記選出したスピーカの設置方向の最適値を、前記空間の受音面のそれぞれの位置における音圧レベルのばらつき度合いが最小となる設置方向パターンを選出することにより算出するスピーカ設置角度最適化手段と、
前記空間の形状の情報と、前記スピーカ設置角度最適化手段により最適化したスピーカを設置する方向に基づいて、前記前記スピーカの受音面のそれぞれの位置について、各種の音響パラメータを算出する音響パラメータ算出手段を備えた音響設計支援装置であることを特徴とする。

0014

本発明によれば、スピーカ選択支援手段は、空間の形状の情報を入力すれば、スピーカの候補を自動的に選出すると共に、スピーカ設置角度最適化手段は、スピーカの設置角度を自動的に最適化するから、音響設計者が条件設定およびシミュレーションを試行錯誤で繰り返し行なう作業を大幅に低減できる。したがって、音響設計支援装置において、設計段階の作業を効率化、短縮化し、かつ現場における調整を短縮することができる。

0015

なお、音圧レベルの計算は、本発明の音響パラメータを算出においては、音声特定周波数ごとのデータを2乗したものを、この特定周波数ごとに足し算または重みつき足し算した値で代用できる。また、音圧レベルのばらつき度合いは、当該足し算した値の分散、または標準偏差指標とすることができる。以下の構成も同様である。

0016

(2)本発明は、
スピーカを配置する空間の形状の情報に基づいて、選択可能なスピーカの候補を選出するスピーカ選択支援ステップと、
前記選出したスピーカの設置方向の最適値を、前記空間の受音面のそれぞれの位置における音圧レベルのばらつき度合いが最小となる設置方向パターンを選出することにより算出するスピーカ設置角度最適化ステップと、
前記空間の形状の情報と、前記スピーカ設置角度最適化手段により最適化したスピーカを設置する方向に基づいて、前記前記スピーカの受音面のそれぞれの位置について、各種の音響パラメータを算出する音響パラメータ算出ステップと、
コンピュータに実行させる音響設計支援プログラムであることを特徴とする。

0017

本発明によれば、スピーカ選択支援ステップは、空間の形状の情報を入力すれば、スピーカの候補を自動的に選出すると共に、スピーカ設置角度最適化ステップは、スピーカの設置角度を自動的に最適化するから、音響設計者が条件設定およびシミュレーションを試行錯誤で繰り返し行なう作業を大幅に低減できる。したがって、音響設計支援プログラムにおいて、設計段階の作業を効率化、短縮化し、かつ現場における調整を短縮することができる。

0018

(3)本発明は、
前記音響パラメータ算出手段は、
音響設計に使用する各種スピーカについて、その方向ごとのインパルス応答の実測値データがそれぞれ予めフーリエ変換されたスピーカの特性データと、
前記スピーカの周波数領域の特性を調整するためのイコライザフィルタをフーリエ変換したデータと、
音源と受音点間の距離に起因する、時間遅れの位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、
前記位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記イコライザ用データをフーリエ変換したデータと、前記スピーカの特性データと、を畳み込み演算したデータと、を基に、
周波数領域の演算により算出した受音点の応答から、前記音響パラメータを算出することを特徴とする。

0019

本発明によれば、音響パラメータ算出手段は、音響設計に使用する各種スピーカについて、その方向ごとのインパルス応答の実測値データがそれぞれ予めフーリエ変換されたスピーカの特性データと、前記スピーカの周波数領域の特性を調整するためのイコライザ用フィルタをフーリエ変換したデータと、音源と受音点間の距離に起因する、時間遅れの位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記イコライザ用データをフーリエ変換したデータと、前記スピーカの特性データと、を畳み込み演算したデータと、を基に、周波数領域のみで音響パラメータを算出する。特に、時間遅れの位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データを用いているので、スピーカが複数であっても、位相をそろえるため逆FFT変換して時間軸上で加算する必要がなく、すべて周波数領域で計算するので、高速で音響パラメータを算出できる。

0020

(4)本発明は、
前記音響パラメータ算出ステップは、
音響設計に使用する各種スピーカについて、その方向ごとのインパルス応答の実測値データがそれぞれ予めフーリエ変換されたスピーカの特性データと、
前記スピーカの周波数領域の特性を調整するためのイコライザ用フィルタをフーリエ変換したデータと、
音源と受音点間の距離に起因する、時間遅れの位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、
前記位相補正および距離減衰補正をするためのフィルタをフーリエ変換した特性データと、前記イコライザ用データをフーリエ変換したデータと、前記スピーカの特性データと、を畳み込み演算したデータと、を基に、
周波数領域の演算により算出した受音点の応答から、前記音響パラメータを算出することを特徴とする。

0021

本発明のプログラムを実行すれば、(3)と同様の効果を奏する。

0022

(5)本発明は、
前記音響パラメータ算出手段は、少なくとも、前記音響パラメータとして、スピーカ受音面の音圧レベル特性、同音圧レベルの分布特性、スピーカ受音面のインパルス応答を算出するものであって、
さらに表示器にこれらのデータを出力するデータ表示手段を備えたことを特徴とする。

0023

このように構成すれば、音響パラメータ算出手段は、周波数特性、音圧分布を算出でき、データ表示手段で表示することができるから、音響パラメータを視覚的に把握できる。

0024

(6)本発明は、
前記音響パラメータ算出ステップは、少なくとも、前記音響パラメータとして、スピーカ受音面の音圧レベル特性、同音圧レベルの分布特性、スピーカ受音面のインパルス応答を算出するものであって、
さらに表示器にこれらのデータを出力するデータ表示ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。

0025

このように構成すれば、音響パラメータ算出ステップは、周波数特性、音圧分布を算出でき、データ表示ステップで表示することができるから、音響パラメータを視覚的に把握できる。

発明の効果

0026

本発明によれば、音響設計支援装置およびプログラムの条件設定を自動化すると共に、シミュレーションを高速化して、設計段階の作業を効率化、短縮化し、かつ現場における調整を短縮することできる。

発明を実施するための最良の形態

0027

図1を用いて、本実施形態の音響設計支援装置の内部構成について説明する。図1は、本実施形態の音響設計支援装置の内部構成、および集会施設基本形状データデータ構造を表す図である。音響設計支援装置1は、ホールや会議場等の集会施設において、スピーカなどの音響設備の選択や設定を支援するものであり、音声を出力した場合の音場をシミュレーションして、その表示出力などを行なうものである。図1(A)に示すように、音響設計支援装置1は、汎用のコンピュータなど、および、これにインストールまたは固定メモリに記憶したプログラムで構成され、以下の要素を備えている。即ち、操作部102と、CPU103と、外部記憶装置104と、メモリ105と音声出力装置106とを備えており、本実施形態の音響設計支援装置の外部の表示器101に、シミュレーション結果を出力する。以下それぞれの構成について説明する。

0028

図1の表示器101は、汎用の液晶ディスプレーで構成され、各種の設定条件の入力において設定条件の入力を補助するための画面(後述図3図5参照。)を示したり、シミュレーションの結果を示したりする。なお、前述のとおり、この表示器101は、本実施形態を実施するには必須ではあるが、本実施形態の装置1の外部となる。
図1の操作部102は、各種の設定条件の入力、音場のシミュレーションの指示入力、スピーカ配置の最適化の指示入力、およびシミュレーション結果の表示形式の選択を受付ける。
図1のCPU103は、後述の外部記憶装置104に格納したプログラム10を実行するものであり、操作部102の指示を受けて、音響設計支援装置1の他のハードウェア資源協働してこのプログラムを実行する。
図1の外部記憶装置104は、例えばハードディスクなどで構成され、プログラム10と、スピーカの周囲のインパルス応答などをFFT化したSPデータ107と、このスピーカに適するイコライザのデータであるイコライザデータ108と、スピーカ選択テーブル109(後述図6参照。)と、集会施設基本形状データ110を格納している(詳細は後述する。)。
また、図1のメモリ105は、外部記憶装置104に格納したデータを読み出したデータを一時的に記憶して、CPU103とデータを交換する。
図1の音声出力装置106は、音響設計支援装置1のシミュレーションの結果として、受音面の所定の位置での音場を、図示しないヘッドホンやスピーカ等を通して音声で確認する場合に用いる。音声出力装置106は、図示しないDSPと、D/A変換器とを備えており、外部記憶装置104に格納されている図示しない音源のデータに、前述のSPデータ107を周波数領域で畳み込んで、D/A変換器を通して、このヘッドホンから出力を行なう。

0029

ここで、図1のSPデータ107A、107Bについて説明する。図1のSPデータ107は、予め複素関数を用いてFFT化して外部記憶装置104に格納している。計算時には、計算に必要な、所定の点に対応する方向のSPデータ107Bのみを取り出して、メモリ105に置く。これにより、受音点での応答を算出する際には、伝達時間の遅延については周波数領域で各周波数について、遅延時間に対応する位相遅れとして計算できる。また、ゲイン、イコライザに関しても周波数領域の演算のみで計算するから、後述する図2シミュレーションデータ計算ST2にかかる時間を短縮できる。複数のスピーカの応答の合成に関しても同様に、周波数領域で計算できる。したがって、音響パラメータは、前記計算による周波数応答から算出でき、時間応答の長さを考慮する必要がないため、FFT変換する時間領域のデータの長さを考慮する必要がないこととなる。一方、従来では、逆FFT変換して、スピーカユニット間の時間領域を揃えていたので、ディレイを加味した場合には、時間軸上でのデータ数が大きくなり、その増加分についても、時間がかかるFFT変換をさらに行なう必要があるという無駄が生じていた。
なお、後述図2のST3においてヘッドホンでの音場確認の際にはディレイの大きさによってFFTの長さを変える必要がある。

0030

次に、補正フィルタ107C、107Dについて説明する。図1に示すように、メモリ105内の、対応する方向のSPデータ107Bには、この符号107C、107Dのデータをシミュレーション途中に生成し、格納するデータが含まれる。即ち、インパルス応答のデータの他に、音源と受音点間の距離に起因する、位相遅れのフィルタデータと、距離減衰補正のためのフィルタをそれぞれフーリエ変換した、フーリエ変換済み時間遅れの位相補正フィルタ107Cと、フーリエ変換済み距離減衰補正フィルタ107Dを作成する。これらのデータはシミュレーション途中に、後述図9で示すような格子点を設定すると自動的に、フーリエ変換して、これらのデータ107C、107Dを作成する。

0031

次に、イコライザデータ108について、簡潔に説明する(詳細は図7図8で説明する。)。イコライザデータ108は、前記スピーカの周波数領域の特性を調整するためのイコライザ用フィルタをフーリエ変換したものであり、後述の図2のシミュレーションや最適化(ST15参照。)の過程でメモリ105内にデータが作成される。具体的には、図3以降で示すようなGUI(設定方法自体は不図示。)によるパラメトリックイコライザ等の各周波数ごとのゲイン調整レベルが、スピーカユニットごとにユーザの設定により条件設定できる(図2のST13に相当。)。また、後述の図2のST17において、詳しくは後述の図7(C)、図8で示すような最適化により、スピーカユニットごとに自動的にイコライザのパラメータが設定できる。この設定したイコライザは、図2のST13の条件設定の過程で、一旦インパルス応答のデータに変換して、その後このデータはFFT変換され、周波数領域のデータとして格納される。

0032

次に、スピーカ選択テーブル109について簡潔に説明する(後述図6の説明で詳述する)。スピーカ選択テーブル109は、後述図3図4で条件設定した場合に、自動的に具体的なスピーカの候補を選択するのに用いる。その判断をするためのデータを格納している。

0033

次に、集会施設基本形状データ110のデータ構造について、図1(B)を参照して説明する。図1(B)に示すように、集会施設基本形状データ110のデータは、集会施設名称と、その形状の座標データと、画像ビットマップの組み合わせを複数個、外部記憶装置104または、メモリ105に記憶している(画像ビットマップの例については、図3形状選択11Dを参照。)。なお、この座標データには、集会施設の空間の形状を設定する後述図4設定項目も含まれている。

0034

なお、本実施形態の装置では、断りなき限り、以後において「スピーカ」は、説明の容易のため、アレイスピーカを示すものとする。ただし、本発明は、必ずしもアレイスピーカに限らない。

0035

次に、図2を用いて、本実施形態の音響設計支援装置1の全体のフローの概略を予め簡単に説明する。図2は、本実施形態の装置の動作の全体のフロー図を示している。このフローは、大きく分けて、ST1〜ST3の段階を有している。
ST1では、シミュレーションの条件を設定する条件設定を行なう。
ST2では、この条件設定に基づきシミュレーション結果を表示するための特性を表したデータであるパラメータデータを計算する。この計算においては、以下のデータを用いる。
即ち、前述のとおり、音響設計に使用する各種スピーカについて、その方向ごとのインパルス応答の実測値データがそれぞれ予めフーリエ変換されたスピーカの特性データである全方向別SPデータ107Aを予め格納している。
そして、前述のとおり、スピーカの周波数領域の特性を調整するためのイコライザ用フィルタをフーリエ変換したイコライザデータ108(メモリ105内)がユニットごとに
シミュレーションの過程で、ユーザが設定、または自動計算される。
また、フーリエ変換済み時間遅れの位相補正フィルタ107C、
およびフーリエ変換済み距離減衰補正フィルタ107Dと、
がシミュレーションの過程で、図9に示すような格子点設定時に作成される。
これらから分かるように、107A、107B、107C、107Dのデータは、すべてFFT変換された周波数領域のデータとして持っている。特に位相補正フィルタ107C、距離減衰補正フィルタ107Dを周波数領域で持っているので、スピーカが複数であっても、位相をそろえるため逆FFT変換して時間軸上で加算する必要がなく、すべて周波数領域で計算するので、高速で音響パラメータを算出できる。
ST3では、この音響支援装置のシミュレーション結果を、図1の表示器101に出力する。
条件設定ST1では、このシミュレーションに必要な、さまざまな条件を設定する。ST11からST14までの条件を設定する。以下、説明する。
ST11では、スピーカが置かれる空間、例えば集会施設等の形状の情報(以下、単に「空間の形状」という。)を設定する。具体的には、空間の概略形状を選択すると共に、形状の詳細を数値入力する(後述の図3図4の説明で詳述する。)。
ST12ではスピーカの選択を行い、それを空間のどこに配置するかを設定する。
ST13では、その設置されたそれぞれのスピーカの設置条件を設定する。例えばアレイスピーカのユニット間の角度などである。
ST14ではこのユニット間の干渉の条件を考慮するのか否か、受音面の格子点(後述、図9参照。)をどれだけ細かく取るかなどのシミュレーションの条件を設定する。

0036

図2のST1に示す条件をすべて設定すれば、ST2、ST3により、シミュレーション結果が表示器101に表示される。しかしながら、通常、このようなシミュレーションを行なう目的は、図2に示すST1の条件を最適化して、スピーカの設定設置条件の最適設計をすることにあるのであって、シミュレーション結果を表示器101に表示することが目的でない。したがって、音響の設計者は、図2に示すST1〜ST3のような手続きを繰り返して、最適化することになるが、このような作業は、相当手間がかかる。そこで、本実施形態の音響設計支援装置1では、ST15において、ST1で設定した空間の形状の情報を受けて、スピーカの角度およびスピーカの設定の自動最適化や支援を行っている。

0037

この自動最適化に関する図2のST15は、ST16とST17の段階を有している。ST16では、スピーカの使用できるスピーカの選択肢の候補を表示器101に示すと共に、操作部102によりスピーカが選択された場合には、ST1で設定した空間に配置された様子を表示器101に示す。
ST17では、設置されたアレイスピーカの角度(水平方向、垂直方向)およびユニット間の角度の最適な角度の組み合わせパターンを自動的に算出する。ここで、アレイスピーカの角度とは、スピーカ全体の指向軸代表値となるもので、基準とする任意のユニットの指向軸の水平方向、垂直方向の角度のことであり、ユニット間の角度とは、隣接するユニット間の開き角度のことである。

0038

以下、図2のST1の条件設定の各段階であるST11〜ST17について、図3以降の図を示して、具体的に説明する。なお、以下の図面の符号は、理解の容易のため、図2で示したステップ番号と略対応している。

0039

まず、図2空間形状設定ST11について、図3図4を用いて説明する。図3は、スピーカが配置される空間の概略形状を設定するためのGUI(graphical user interface)の一例を示す図である。この図3に示すように、空間形状設定画面11Aを図1の表示器101に示して、スピーカが設置される空間の形状の概略を設定できるようにする。図3に示すように、形状選択11Cでは、空間の概略形状の種類を選択でき、扇型または箱型の形状のいずれかを選択できるようにする。ここで、例えば、形状選択11Cとして、操作部102の図示しないマウス等で「扇形」にチェックマークを入れて選択した場合には、形状選択11Dの画面表示には、扇形をした音響施設等の形状例が、図3に示すように、複数表示すようにする。また、前述のマウス等で、形状選択11Dの中から一つの形状を選択することができるようにする。

0040

図3の形状選択11Dに示すような扇形のうちから1つを選択した場合には、空間形状設定画面11Aは、図4に示す空間形状設定画面11Bに切り替わり、前述の6つの空間形状の一つが空間形状表示11Eの欄に空間の形状11Fが線図で示される。図4は、スピーカが配置される空間の概略形状を設定するための形状パラメータを入力するGUIの一例を示す図である。この形状選択11Dは、図1の外部記憶装置104で格納した集会施設基本形状データ110から読み出して表示器101に出力する。

0041

図4に示す空間形状設定画面11Bでは、形状設定入力11Gにおいて、スピーカが設置される空間の形状を、数値で入力することができるようになっており、上の幅や音響施設の高さや奥行き、各階の高さやスロープの傾きなどのパラメータを数値入力により設定することができる。このような設定を行なった場合に、形状のパラメータの数値を修正したときは、線図で示された空間の形状11Fがこの数値の変更に合わせて変化するようにする。そして、このような空間形状設定画面により、スピーカが置かれる形状を設定できる。この形状設定入力11Gでは、図1の外部記憶装置104で格納した集会施設基本形状データ110から読み出して必要なデータを記載する。例えば、扇形なら、その扇形の角度が必要であり、1階のみならず、2階、3階があるならその形状データを記載する欄が必要かを集会施設基本形状データ110から読み出して記載する。

0042

図4の決定ボタン11Hを押した場合には、図5に示すスピーカの選択&配置設定画面12に切り替わる。図5は、図1のST12、ST16に対応しており、このようなスピーカの選択&配置設定を行なうためのGUIの一例を表す図である。スピーカの選択&配置設定画面12では、用途選択表示12Aと、空間形状表示11Eと、形状データ12Bと、スピーカの設置位置12Cとが表示される。

0043

図5に示すような空間形状表示11Eの欄には、図3図4で設定した空間の形状に基づいて、略実際の空間の形状の比率で形状を示すようにする。
図5に示すような用途選択表示12Aでは、音響施設等の使用目的を選択できるようにし、「音楽」、「スピーチ」にチェックマークを入れて、そのいずれか、またはその両方を選択できるようにする。ここで、「音楽」を選択した場合には、例えば、音圧レベルの周波数特性等の音質に関する音響性能重視した音響設計であり、「スピーチ」を選択した場合には、例えば、音声の明瞭度に関する音響性能を重視した設計であるため、音響設計の目的の違いによりそれぞれ最適な設計内容とすることができる。
図5に示すようなスピーカの設置位置12Cでは、スピーカを設置する概略の設置位置を選択できるようにする。例えば、図5のスピーカの設置位置12Cのように舞台の中央側の「センタ」、舞台の下手側の「レフト」、舞台の上手側の「ライト」を選択できるようにする。
図5に示すような用途選択表示12A、スピーカの設置位置12Cの設定項目それぞれを、音響の設計者が前述のマウス等でチェックマークを入れて選択した場合には、本実施形態の装置では、最適なスピーカの候補を具体的に提示するようになっている。この選択は、図2のST16に対応しており、音響設計支援装置1により自動的に行なわれる。
このスピーカの最適なスピーカの候補の選択は、図1のスピーカ選択テーブル109から、最適な候補を選択するようにする。この図1のスピーカ選択テーブル109のデータ構造は、図6のようなデータテーブルとなっている。図6は、スピーカ選択テーブル109のデータ構造を表す図である。スピーカ選択テーブル109は、図3図4で設定した空間の形状の情報に基づいて適切なスピーカを選択するのに適したデータ構造となっており、スピーカタイプ名称109A、面積規模109B、用途109C、設置場所109D、縦横比率109Eを備えている。例えば、形状データ12Bに示す面積(受音面の面積)は450m2であり、スピーカの設置位置12Cで「センタ」にチェックしているから、図スピーカ選択テーブル109で選択できるのは、図5の最適なスピーカの候補16に示すように、スピーカD、スピーカJとなる。

0044

このように、本実施形態の装置では、いろいろな設計条件の変化に対応して自動的に最適なスピーカの候補16を示すことができる。従来は、スピーカの選択及び手配は、カタログを参照等する必要があり、手間のかかる作業であったが、本実施形態の装置によれば、設計者は、このような候補の中からスピーカを選択するだけでよく、音響設計を効率的に行なうことができる。特に、繰り返し条件を設定し直す場合には効果的である。

0045

次に、同じく図5を用いて、アレイスピーカが配置された状態を表すGUIについて説明する。図5の最適なスピーカの候補1の中から、スピーカを選択した場合には、図5の空間形状表示11Eには、選択したアレイスピーカ16Aが空間の形状11Fの縮尺で示される。これにより、空間にどのようにアレイスピーカ16Aが配置されるかを視覚的に確認できる。このアレイスピーカ16Aの表示も、図2のST16の段階に相当し、この表示により、図2のST16の段階は終了し、ST12に戻る。

0046

また、図5に示すアレイスピーカ16Aの表示がされた場合には、空間形状表示11Eには、表示されたアレイスピーカ16Aの守備範囲を選択できるようにする。例えば、図5の守備範囲の設定16Eは、空間の一階部分の受音面の半分を設定した場合を表示している。その他、空間全体、1階部分全体、2、3階部分全体のいずれかをマウス等によるGUIにより操作部102から選択入力できるようにする。この選択入力は、図2のST12に相当しており、その後、図2のST17のステップにおいて、音響設計支援装置1のCPU103は、アレイスピーカの角度およびユニット間の角度の条件設定を行なう。

0047

次に、図7図10を用いて、図2で示したST17について説明する。図7はアレイスピーカの角度およびユニット間の角度の条件設定を自動的に計算する方法の概念図である。従来では、アレイスピーカのユニットの設置角度を最適設計するのは、図2に示すようなシミュレーションを繰り返す必要があり、設計者の試行錯誤に頼らざるを得ないところが多かったが、本実施形態の装置ではこのような設定条件を自動的に計算するようにする。

0048

図2のST17の計算は、図7に示すように(A)〜(E)までの5段階に分かれている。まず、この計算の目的は、図5の最適なスピーカの候補16の中から選択したアレイスピーカ16Aについて、アレイスピーカの角度、およびスピーカ選択テーブル109のユニット間の角度109Fの角度について、それぞれの最適値を求めることであり、その最適値は、一言で述べると「受音面エリア内の音圧レベルの均質化、最適化」を達成するためのものである。そして、この最適値の指標として最終的に考慮するのは、受音面全体の音圧レベルに偏りがないことであり、具体的には、図7の(D)に示すように、受音面全域に設定した格子点の音圧レベルの標準偏差が最小であることである。

0049

しかしながら、図7(D)に示すような標準偏差を試行錯誤でいきなり算出するのは、受音面は広いだけでなく、受音面に届く音声が必ずしもユニット1つではないことから、計算効率の面で容易でない。そこで、本実施形態の装置では、まず、図7の(B)、(C)の段階に示すように、スピーカが向いている方向であるスピーカの軸線17E、17F、17G(以下、単に「軸線」という。)と受音面との交点である軸点17B、17C、17D(以下、単に「軸点」という。)における音圧レベルの周波数特性の最適化を行なう。以下、さらに詳細に図7の(A)〜(E)の段階について説明する。

0050

図7(A)に示すように、ユニット間の角度の設定は、図6に示すスピーカ選択テーブル109のユニット間の角度109Fから所定の角度を設定する。この角度は、アレイスピーカそれぞれに固有のものであり、実際の設置時には、アレイスピーカ16Aのジグでユニット間の角度を設定するものである。このユニット間角度をθintとする。また、設置されるアレイスピーカの角度は、水平方向、垂直方向について設定する必要があり、この角度の組を(θ、φ)とする。ここで、水平方向の角度θは、−180度<θ≦180度であり、垂直方向の角度φは、−90度≦φ≦90度である。アレイスピーカを構成する各スピーカユニットの設置角度は、これらの角度(θint、θ、φ)で決定される。具体的に述べると、本実施形態の装置では、アレイスピーカユニットは3つ使用するから、θintは、ユニット16B、ユニット16C間の相対角度θint1と、ユニット16C、ユニット16D間の相対角度θint2とを設定する必要がある。

0051

また、この図7(A)に示すユニットの角度の設定は、後述する図7(E)に示すように、角度を変えながら、前述した指標が最小となるアレイスピーカの角度(θ、φ)と、ユニット間の角度θint(i=1〜2)を探索する。ユニット間の角度θint(i=1〜2)については、スピーカ選択テーブル109の中で、ピッチが決められる。後述の図10に示すように、設置するアレイスピーカの角度の設定17Hについては、計算時間短縮のために、はじめは、この角度のピッチを大きくとって変化させる。
ここで、設定角度(θint、θ、φ)のパターン数について例を挙げて説明する。たとえば、この刻み幅は、30度と設定することができる。図7(A)に示すように、図6に示す最適なスピーカの候補16からスピーカタイプ名称109AとしてスピーカDを選択した場合には、アレイスピーカの角度を−180度<θ≦180度、−90度≦φ≦90度の範囲で、30度毎に変化させる。更に各アレイスピーカユニットについてユニット間角度を30度から60度の範囲で、2.5度毎に変動させることができる。即ち、θとして180度、φとして90度を、またθintとして60度を選択して、図7(A)のように(θint、θ、φ)の設定17Aを行なう。この場合、θは、−180度から180度の範囲で30度ごとなので12通り、φは、−90度から90度の範囲で30度毎なので7通りある。また、θintは図6に示すように、スピーカタイプDは、前記の当初の設定可能範囲幅が30度(30度から60度)で、刻み幅は2.5度刻みなので13通り((60−30)/2.5+1=13)となる。かつ、θintは、θint1とθint2について2回掛け合わせることになる。したがって、合計は12×7×(13×13)=1092通りとなる。なお、通常各スピーカは、対称に組み合わせるので、θint1=θint2として計算することができ、上記合計は12×7×13=1092通りとなる。

0052

次に、図7(B)に示すように、軸点の位置の計算を行なう。前述のように、スピーカが向いている方向であるスピーカの軸線17E、17F、17Gと、受音面との交点である軸点17B、17C、17D(以下、単に「軸点」という。)の位置を、前述の(θi、φi)と図4のようにして設定した空間の形状11Fとから算出する。

0053

次に、図7(C)に示すように、図7(B)で求めた軸点での音圧レベルの周波数特性を最適化する。この図7(C)の具体的な説明は図8の説明で詳述するが、ここでは、簡潔にその概略を説明する。図7(C)における最適化は、前述のとおり、図7(D)の指標の計算を効率よくするためのものであり、一言で述べると、この処理は、「軸点17B、17C、17D相互間の音圧レベル及びその周波数特性を均質化するイコライザ特性を求める」ものである。一般にアレイスピーカ16Aの各ユニット16B、16C、16Dは、ブロード指向特性を有しているため、例えば、軸点17Bにはユニット16Dからの音声も到達し、またユニット16Bの音声は軸点17Dにも到達するので、軸点17Bの音量が小さいような場合、単にユニット16Bの音圧レベルを上げる操作のみを行なうと他の軸点17C、17Dの音量も上がってしまい、かえってバランスが崩れる場合がある。そこで、本実施形態の装置では、各ユニット16B、16C、16Dのいろいろなイコライザを組み合わせたパターンを用意する。そして、それぞれのパターンに従い、前述した図1のSPデータ107(スピーカから見た全角度のインパルス応答をFFT化したデータ)を用いて、図7(A)で設定した角度で設置したアレイスピーカ16Aのユニット16B、16C、16Dから伝達され、軸点17B、17C、17Dで受ける音声の周波数特性を算出し、最適パターンを選択する。以下、フローの各段階の概略を説明する。

0054

まず、図7(C)のS171において、予め基準周波数帯域fi(fiは離散値(i=1〜N))を設定する。基準周波数帯域fiは、例えば、パラメトリックイコライザのチャンネルに合わせて63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、8kHzのいずれかに設定することができる。
図7(C)のS172において、基準周波数帯域のゲインを調整するイコライザのパターン(G1、G2、G3)fHzをユニット16B、16C、16Dそれぞれについて設定する。
図7(C)のS173において、このパターンについて、前述の軸点17B、17C、17Dにおける音圧レベルの周波数特性を計算して、各基準周波数帯域での軸点17B、17C、17Dのばらつきが大きくなるパターンを選出する。具体的には、軸点17B、17C、17D間の分散を各基準周波数帯域ごとに計算し、さらに、この値の絶対値の平方根をとり、各基準周波数帯域ごとの標準偏差を計算する。なお、この標準偏差は、特定の周波数のゲインのばらつき度合いを示すものであり、この値が小さいほうがばらつき具合が小さいことになる。したがって、標準偏差が小さいパターンほど、適切なパターンとなる。

0055

そして、各周波数ごとに独立に最適なパターン(G1、G2、G3)fiHzを選択する。
これらの段階により、S174で、ユニット16B、16C、16Dのイコライザを決定する。

0056

この決定したイコライザのパラメータは、上述の通り、パラメータを決定する段階では周波数ごとにパターンを選択したが、決定したイコライザのパラメータは、これをパラメトリックイコライザに設定するために、周波数ごとでなく、ユニット16B、16C、16Dごとに、データを外部記憶装置104等に保存する。

0057

なお、この図7(C)に示す段階においては、図示していないが、SPデータ107に基づいて、音圧レベルの最適化も行なう。
また、図7(C)のようにして算出したイコライザのパラメータは、FFT化して図1の外部記憶装置104にイコライザデータ108として保存する。このようにすれば、図2に示したシミュレーションパラメータ計算S2で、周波数領域の畳み込み演算のみで、このシミュレーションパラメータを計算でき、迅速に計算結果を出力できる。前述のとおり、音響設計支援装置においては、何度も条件を変更して、繰り返しシミュレーションを行なって最適設計を行なうが多く、このような装置に対し、イコライザのパラメータをFFT化することが効果的である。

0058

図7(D)においては、受音面エリア内の音圧レベルの標準偏差を、図7(C)でもとめたユニット16B、16C、16Dのイコライザパラメータに基づいて算出し、受音面エリア内の音圧レベル及びその周波数特性を算出する。そのため、S175〜S177の段階を行なう。以下、各段階について説明する。

0059

図7(D)のS175において、受音面エリア内を、例えば、図9に示すような格子点17Jを設定する。そして、この格子点17Jは、この受音面エリア内全体の位置の代表として利用する。この格子点17Jを設定すると、フーリエ変換済み時間遅れの位相補正フィルタ107C、およびフーリエ変換済み距離減衰補正フィルタ107Dと、を計算して外部記憶装置104に格納する。

0060

図7(D)のS176において、この格子点17Jそれぞれでの音圧レベルを図1のSPデータ107等(107B〜D)のスピーカユニットの畳み込み演算により計算する。
即ち、スピーカユニットごとに
(フーリエ変換済み時間遅れの位相補正フィルタ107Cと、およびフーリエ変換済み距離減衰補正フィルタ107Dのデータと、
FFT変換したイコライザデータ108と、
対応する方向のSPデータ107B)これらすべて畳み込んで周波数領域で計算する。
ここで、前述のとおり、対応する方向のSPデータ107Bは、スピーカから見た角度別のインパルス応答のデータを予めFFT化して、周波数特性のパラメータとして格納したものである全方向のSPデータ107Aから読み込んだものであり、符号107C、107D、108は、シミュレーション過程で、手動または自動的に設定したものである。
したがって、ユニット16B、16C、16Dから伝達され、格子点17Jそれぞれの位置で受ける音声の音圧レベル、周波数特性を算出できる。この音圧レベルの算出は、本実施形態の装置では、基準周波数を定め、前述の周波数特性から算出される、この基準周波数におけるゲインの2乗を当該基準周波数ごとにすべて足し算する値を用いることで代用する。この基準周波数のゲインは、図7(C)でもとめたユニット16B、16C、16Dのイコライザパラメータと、上記補正したSPデータ107をユニット16B、16C、16Dごとに周波数領域で畳み込み演算し、これらのユニット16B、16C、16Dの出力を重ね合わせることにより行なう。そして、格子点17Jそれぞれの位置での周波数特性を、基準周波数ごとのデータを2乗して、足し算、または重み付きで足し算したデータを、前述のとおり音圧レベルを表す値として蓄積する。この基準周波数帯域は、前述した図7(C)の基準周波数帯域と必ずしも同じにする必要はないが、例えば、63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、8kHzのいずれかに設定することができる。

0061

図7(D)のS177において、S176で求めた格子点17Jそれぞれの位置での音圧レベルのデータについて、分散σ2を求める。この分散σ2の平方根を計算して、受音面全体の標準偏差σを算出する。なお、この標準偏差は、特定の周波数のゲインのばらつき度合いを示すものであり、この値が小さいほうが、受音面全域の各点のばらつき具合が小さいことになり、より好ましい値となる。

0062

図7(E)において、アレイスピーカ16A(図5参照。)のユニット16B、16C、16Dの水平角度垂直角度(θi、φi)を設定しなおして、(A)〜(D)を繰り返し行なう。これにより、図7(D)の手順のようにして求めた標準偏差が最小となる角度設定のパターンを選出する。その場合において、角度の探索は、計算時間を短縮するため、前述のとおり、はじめは、設置するアレイスピーカの角度ピッチを大きく設定し、その後、この角度ピッチを小さく設定して行なう。その具体的なフローは、後述の図10で説明する。

0063

以上、図7を用いて説明したとおり、アレイスピーカ16Aの最適なアレイスピーカの角度およびユニット間の角度の算出は、図7(A)のように角度パターンを設定し、図7(D)のように受音面エリア内の音圧レベルの標準偏差(即ち、音圧のばらつき具合を表す指標)を計算して、その最小値を探索するものであるが、計算効率を良くするため、その前提として、図7(C)に示すように、まず、軸点17B、17C,17Dの周波数特性を最適化するイコライザ特性を求めている。

0064

次に、図7(C)に示した段階を、図8を用いてさらに具体的に説明する。図8は、図7(C)に示す軸点での周波数特性の最適化を表すフロー図と、その最適化に用いるイコライザの設定例を表す図である。
図8(A)のS171において、3つのユニット16B、16C、16Dの周波数ゲインの指標として基準周波数帯域fiを8帯域(63〜8kHz)に順次設定する。基準周波数帯域は、パラメトリックイコライザの各チャンネルの中心周波数であり、例えば、図8(B)に示すように、63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、8kHzのいずれかに設定する。
図8(A)のS172において、図7(C)で説明したゲイン設定のパターン(G1、G2、G3)fHzは、G1、G2、G3を1dB刻みで0dB〜−10dBとする。したがって基本周波数1つ(例えば63Hz)につき、113通りのパターンを設定するから、全体として8×113通りのパターンを設定する。また、パターンそれぞれについて、ユニットごとにイコライザのデータをまとめて、FFT変換したデータとしてイコライザデータ108として保存する。
図8(A)のS173において、各パターンで軸点でのゲイン計算を行い、その中から最適パターンの選択を行なう。この段階は、さらにS1731〜S1733に分けることができる。
図8(A)のS1731において、軸点でのゲイン計算は、図7(B)で示したように、アレイスピーカ16Aから伝達され、軸点17B,17C、17Dそれぞれで受ける音声の周波数特性を図1のSPデータ内の107A〜Dに基づいて算出し、基準周波数帯域fiごとにその周波数ゲインのデータを蓄積する。
この計算は、スピーカユニットごとに
(フーリエ変換済み時間遅れの位相補正フィルタ107Cと、およびフーリエ変換済み距離減衰補正フィルタ107Dのデータと、
FFT変換したイコライザデータ108と、
対応する方向のSPデータ107B)これらすべて畳み込んで周波数領域で計算する。
なお、このデータ数は、ユニット数3つとなるから、本実施形態の装置では、集積するデータ数は合計すると、3つ×8帯域=24個である。
S1732において、基準周波数帯域fiごとに、この3点の周波数ゲインのデータについて標準偏差を求める。
S1733において、S172で設定したパターン113通りすべてについて、S1731〜S1732の段階を繰り返し計算して、S1732の標準偏差の標準偏差が最小となるものを求める。
以上、図8(A)のS1731〜S1733の段階により、基準周波数帯域ごとに、軸点17B,17C、17D間の音圧レベルの標準偏差が最小となるイコライザゲイン図8(B)に示す点に相当。)を求めることができる。これらを上述の8つの基準周波数帯域すべて繰り返して、図8(A)のS174において、イコライザゲインのパターンを決定できる。このパターンは、前述の図7(C)の説明のとおり、ユニットごとにまとめ直して、外部記憶装置104に保存する。そして図8(A)のフローは終了する。

0065

次に、図7(A)、(E)で示したアレイスピーカの角度およびユニット間の角度を設定して探索し、最適な角度を決定する方法について、図10を用いて具体的に説明する。図10は、このような角度の最適化を行なうための具体なフローの一例を表す図である。
図10のS21において、図7(A)で設定した角度を、水平方向、垂直方向とも30度ごとに設定したアレイスピーカの角度パターン(θ、φ)を設定し、次にそれぞれのアレイスピーカの角度についてユニット間の角度θintを設定する(図7(A)の説明参照。)。このときユニット間の角度の選出では、前述のように、アレイスピーカ16Aには図6のようなそれぞれ予め設定できる固有の角度の範囲とピッチがあり、その範囲から選択してパターンを用意する。ここで、θは、−180度<θ≦180度、φは、−90度≦φ≦90度の範囲で、30度毎に設定する。
そして、S22において、格子点(例えば図9の17J参照。)間の音圧レベル(図7(D)で説明した、基準周波数ごとのゲインの2乗和で代用する。以下同じ。)の標準偏差が小さいもののベスト5となる角度パターン(θ、φ)を選出する。その選出に当たっては、ユニット間角度θintを複数設定して、その中から最適なθintを選出する必要があり、S27のサブルーチンをパターンごとに実行する。

0066

ここで、図10のS27のサブルーチンについて説明する。S27は、ユニット間の角度決定フローである。S22において選出したアレイスピーカの角度パターン(θ、φ)について、さらに、S271では、ユニット間角度θintを複数設定する。この角度は、図7(A)で説明したとおりである。
S272において、S22、S271で設定した角度(θint、θ、φ)について、
それぞれ、S28のエリア内標準偏差計算フローを実行する。ここでは、(θ、φ)は固定であり、θintのみ変動させて、それぞれ、S28の段階を実行する。
このS28の各段階S281〜S283はそれぞれ図7(B)〜(D)の段階に相当している。そこで、前述した説明を代用してここでは説明を省略する。
S273において、S272で計算した中から標準偏差が最小値となるユニット間角度θintを選択する。その後、S27のサブルーチンは一旦終了するが、(θ、φ)の組を変えて、更にS27のフローは繰り返し行なわれることになる。
そして、S23では、(θ、φ)の組を変えて、S27のサブルーチンで計算した最小値のうち、最も小さいベスト5を選出する。

0067

図10のS23では、S22で選出した5つの角度パターン(θ、φ)のそれぞれの前後15度の組み合わせを設定する。例えば、選出したベスト5の角度パターンのうちの1つのパターンの最適値が(θ、φ)について(30度、45度)であったとすると、θについて15度、30度、45度についてパターンを新たに設定すると共に、φについて30度、45度、60度についてパターンを新たに設定する(32通り)。同様に、前記選出したベスト5について、それぞれの(θ、φ)のパターンを考えると、(5×32)通りあり、このように設定した各(θ、φ)それぞれに対して前述で説明したS27のサブルーチンで、ユニット間の角度θintを設定してθintの最適化を行なう。
そして、図10のS24において、新たに設定したパターンについて、S22と同様に、パターン探索を行い、候補を5つ選択する。
図10のS25では、S23〜S24と同様であるが、角度を15度ピッチでなく、5度として、設定する。例えば、選出したベスト5の角度パターンのうちの1パターンの最適値が、θについて45度であったとすると、40度、45度、50度についてパターンを新たに設定する。
図10のS26では、S25で設定した角度について、S22、S24と同様、それぞれS27のサブルーチンを用いて、(θint、θ、φ)を決定する。このS26では、S22、24と異なり、ベスト5でなく最適値を1つ選択して、θint、θ、φ)を最終的に決定する。

0068

以上で説明した図10の説明のとおり、角度の範囲をはじめは粗く、次第に狭めて探索することにより、探索時間を節約できる。また、このような探索により、計算コスト次数の面から、計算上不可能となることを防ぐことができる。

0069

次に、図11を用いて、図3図4で説明したGUIによる空間の形状入力の動作に関するフローを示して説明する。図11は、この空間の形状入力のフローの一例を表す図である。このフローは図2の段階の空間形状設定S11に対応している。
図11のS111において、図3で示した形状選択11Cにより、扇型であるか箱型であるかの選択がなされたか否か判断する。扇型であればS111の判断はYとなり、図11のS112において、図3に示すような形状選択11Dにおいて、扇型の形状例を複数表示する。
扇型でなければS111の判断はNとなり、S113に進み、図3に示すような形状選択11Dと同様、箱型の形状例を複数表示する。
図11のS114において、S112の扇型の形状選択11D、またはS113の箱型の形状選択の中から形状の選択がなされたか否か判断する。選択がない場合にはNとなり待機する。選択がない場合には、表示器101の画面を切り替えて、次のS115に進む。
図11のS115において、空間の形状を特定するための数値の入力がなされたか否か判断する。この数値がすべて入力されなければNとなり、入力されるまで待機する。
図11のS116において、空間の形状を特定するための数値の入力(S115)からその空間の平面的な面積規模と形状の平面的な縦と横の比率を計算する。
図11のS117において、図3の決定ボタンが押されたか否か判断する。当該決定ボタンが押された場合には、フローは終了するが、押されない限り、S115に戻って、数値入力した数値の変更を受け付ける。
以上、図11のようなフローの段階により、CADデータを入力することなく、本実施形態の音響設計支援装置のみで、容易に空間の形状を設定できる。また、上述のS111において、音響施設の典型的な形状は、おのずと決まっているから、本実施形態の装置では、CADデータを入力するまでもなく、空間の形状を特定できる。

0070

次に、図12を用いて、図5の説明で示したような最適なスピーカの候補16を選出するフローについて説明する。図12は、このようなフローの一例を示している。
S161、S162では、図5で示したような用途選択表示12A、スピーカの設置位置12Cが選択されたかどうか判断し、選択されない場合はS161、S162の判断はNとなり待機する。S161、S162のいずれもが選択された場合は、S163へ進む。
図12のS163では、図1の外部記憶装置104またはメモリ105から、図6で示したようなスピーカ選択テーブル109を参照する。そのとき、S161、S162で入力したデータと、図6のような用途109C、設置場所109Dと比較して条件を満たすか判断する。また、図11のフローの段階のS116で計算した面積規模、縦横比率と図6のような面積規模109Bと縦横比率109Eのデータとを比較して条件を満たすか判断する。
S164において、スピーカ選択テーブル109の条件を満たすものを選択し、図5に示すように、最適なスピーカの候補16を表示器101に表示出力する。
以上、図12の説明のとおり、図11で説明したような空間の形状について設定したデータと、スピーカ選択テーブル109とを比較参照して、最適なスピーカの候補を選択できる。

0071

このようにして、図3図12で設定した条件設定および自動最適化/支援によって、従来、試行錯誤により最適化していた条件設定をほぼ自動化することができる。そして、その最適化の結果に基づいて、図2のシミュレーションパラメータ計算ST2を行い、結果の出力ST3により、最適化の結果を音圧分布表示や、ヘッドホンによる音場確認が可能となる。

0072

なお、図1図12で説明した数値、ユニット数、図3の扇形または四角の形状、図4〜6のGUI等は、説明容易のために例示した実施形態の一例であって、本願発明語句拘束するものではない。また、これらの図で示したフローは実施形態の一例である。特に、条件設定、パターン設定は、説明の容易のため、繰り返すフローの一部となっていることとしたが、一度設定すると、繰り返しルーチンの中では何度も設定する必要はない。

図面の簡単な説明

0073

本実施形態の音響設計支援装置の内部構成および、集会施設基本形状データのデータ構造を表す図を示す。
本実施形態の音響設計支援装置の動作の全体のフロー図の概略を示す。
スピーカが配置される空間の概略形状を設定するためのGUIの一例を表す図を示す。
スピーカが配置される空間の概略形状を設定するための形状パラメータを入力するGUIの一例を表す図を示す。
スピーカの選択&配置の表示を行なうためのGUIの一例を表す図を示す。
スピーカ選択テーブルのデータ構造を表す図を示す。
アレイスピーカのユニット間の角度条件設定を自動的に計算する方法の概念図を示す。
図7(C)に示す軸点での周波数特性の最適化を表すフロー図と、その最適化に用いるイコライザの設定例を表す図を示す。
受音面エリア内を格子点で区切った一例を示す。
図7(E)に示す角度の最適化を行なうための具体的なフローの一例を示す。
図3図4で説明したGUIによる空間の形状入力のフローの一例を示す。
図5で説明した最適なスピーカの候補を選出するフローの一例を示す。

符号の説明

0074

1−音響設計支援装置
10−プログラム
101−表示器
102−操作部
103−CPU
104−外部記憶装置
105−メモリ
106−音声出力装置
107A−全方向のSPデータ
107B−対応する方向のSPデータ
107C−フーリエ変換済み時間遅れの位相補正フィルタ
107D−フーリエ変換済み距離減衰補正フィルタ
108−イコライザデータ
109−スピーカ選択テーブル
109A−スピーカタイプ名称
109B−面積規模
109C−用途
109D−設置場所
109E−縦横比率
109F−ユニット間の角度
110−集会施設基本形状データ
11A−空間形状設定画面
11B−空間形状設定画面
11C−形状選択
11D−形状選択
11E−空間形状表示
11F−空間の形状
11G−形状設定入力
11H−決定ボタン
12−スピーカの選択&配置設定画面
12A−用途選択表示
12B−形状データ
12C−スピーカの設置位置
16−最適なスピーカの候補
16A−アレイスピーカ
16B−ユニット
16C−ユニット
16D−ユニット
16E−守備範囲の設定
17A−θi、φiの設定
17B−軸点
17C−軸点
17D−軸点
17E−軸線
17F−軸線
17G−軸線
17H−アレイスピーカの角度の設定
17J−格子点

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