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技術 自動車用電動ミラーの制御方法

出願人 株式会社村上開明堂
発明者 武政規之
出願日 2005年7月14日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-205552
公開日 2007年2月1日 (13年11ヶ月経過) 公開番号 2007-022256
状態 特許登録済
技術分野 車外に取付けた後視鏡装置
主要キーワード 電動格納ミラー 空回り状態 鏡面角度 アジャストナット ミラーボディ 基準値算出 クラッチ音 自動停止装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

アクチュエータに設けられたクラッチ空回りをなるべく早期に停止させて、クラッチ音の発生を防止する自動車用電動ミラー制御方法を提供する。

解決手段

電動ミラーの制御を行うにあたり、モータにかかる電圧を検出し、検出した電圧値ノイズ除去フィルタをかけてFilter値ノイズ除去電圧値)を求める。このFilter値に、ノイズ除去フィルタよりも強い基準値算出フィルタをかけて基準値基準電圧値)を求め、基準値を加算して評価値(電圧加算値)を求める。この評価値が所定のしきい値を超えたときにクラッチ機構に空回りが生じたと判定する。

概要

背景

自動車に取り付けられる自動車用電動ミラーとしては、ミラー本体と、このミラー本体を収容するケースとを備えるものがある。またこの種の電動ミラーにおいて、ミラー本体は、ケースに対して鏡面角度を調整可能とされていることが多く、電動ミラーには、鏡面角度を調整するためのアクチュエータが取り付けられているものがある。この電動ミラーでは、アクチュエータを駆動することにより、鏡面角度の調整を行うことができるようにされている。

この種の電動ミラーでは、ケースに対するミラー本体の移動範囲許容範囲がある。この許容範囲を超えてミラー本体が移動しようとすると、アクチュエータとミラー本体との間に設けられたクラッチ空回りする。こうして、クラッチが空回りすることにより、ミラー本体が許容範囲から外れる位置まで移動することがないようにされている。ところが、このクラッチの空回り状態にある場合には、クラッチ音ノイズとして発生し、ドライバ不快感を与える可能性がある。したがって、このようなクラッチ音は、生じさせないか、生じるとしてもなるべく短時間で済ませたいとする問題がある。

また、自動車用電動ミラーには、使用状態格納状態とが設定されたものがあり、車両に対して電動ミラーが開いているときに使用状態とされ、閉じているときに格納状態とされるものがある。また、この電動ミラーには、ケースを回動駆動させるアクチュエータが取り付けられており、アクチュエータを駆動することにより、使用状態と格納状態とに位置変更させることができる。このような自動車用電動ミラーにおいても、上記のクラッチ音の問題が同様に生じる。

このような問題に対して、従来、実開昭58−139347号公報に開示された電動リモートコントロールミラーの自動停止装置がある。この自動停止装置は、電動モータ作動電流を検出し、検出した作動電流を直流電圧に変換し、変換した直流電圧が所定のレベルに達したときから、駆動モータ電源供給路遮断するというものである。こうして、ミラーを駆動モータとの間に設けられたスリップ機構スリップ回転を開始したときに、電動モータの駆動を停止し、スリップ回転をさせないようにしている。
実開昭58−139347号公報

概要

アクチュエータに設けられたクラッチの空回りをなるべく早期に停止させて、クラッチ音の発生を防止する自動車用電動ミラーの制御方法を提供する。電動ミラーの制御を行うにあたり、モータにかかる電圧を検出し、検出した電圧値ノイズ除去フィルタをかけてFilter値ノイズ除去電圧値)を求める。このFilter値に、ノイズ除去フィルタよりも強い基準値算出フィルタをかけて基準値基準電圧値)を求め、基準値を加算して評価値(電圧加算値)を求める。この評価値が所定のしきい値を超えたときにクラッチ機構に空回りが生じたと判定する。

目的

そこで、本発明の課題は、アクチュエータに設けられたクラッチの空回りをなるべく早期に停止させて、クラッチ音の発生を防止する自動車用電動ミラーの制御方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

自動車に取り付けられる電動ミラーを動作させるアクチュエータを制御して、前記電動ミラーを駆動制御する自動車用電動ミラー制御方法であって、前記アクチュエータの動作時に前記アクチュエータにかかる電圧値を検出し、検出した前記電圧値にノイズ除去フィルタをかけてノイズ除去電圧値を求め、前記ノイズ除去電圧値に、前記ノイズ除去フィルタよりも強い基準値算出フィルタをかけて基準電圧値を求め、前記基準電圧値と前記ノイズ除去電圧値との差分を累積加算して電圧加算値を求め、前記電圧加算値が所定のしきい値を超えたときに、スリップの発生を判定することを特徴とする自動車用電動ミラーの制御方法。

請求項2

前記電動ミラーが、ミラー本体が取り付けられたケースを有し、前記ミラー本体は、前記ケースに対して鏡面角度が調整可能とされており、前記アクチュエータは、前記ミラー本体の鏡面角度を調整するように前記ミラー本体を駆動する請求項1に記載の自動車用電動ミラーの制御方法。

請求項3

前記電動ミラーは、ミラー本体が取り付けられたケースを有し、前記ケースは、前記電動ミラーが取り付けられる自動車に対して回動可能に取り付けられるとともに、前記ミラー本体が回動することにより、使用位置と格納位置とに位置変更されるものであり、前記アクチュエータは、前記電動ミラーにおけるミラー本体を前記使用位置と前記格納位置との間を移動させる請求項1に記載の自動車用電動ミラーの制御方法。

請求項4

前記アクチュエータが駆動を開始してから所定時間が経過した後に、前記基準電圧値を求める請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の自動車用電動ミラーの制御方法。

技術分野

0001

本発明は、自動車用電動ミラー制御方法係り、特に、電動ミラーにおけるクラッチ音の発生を防止する自動車用電動ミラーの制御方法に関する。

背景技術

0002

自動車に取り付けられる自動車用電動ミラーとしては、ミラー本体と、このミラー本体を収容するケースとを備えるものがある。またこの種の電動ミラーにおいて、ミラー本体は、ケースに対して鏡面角度を調整可能とされていることが多く、電動ミラーには、鏡面角度を調整するためのアクチュエータが取り付けられているものがある。この電動ミラーでは、アクチュエータを駆動することにより、鏡面角度の調整を行うことができるようにされている。

0003

この種の電動ミラーでは、ケースに対するミラー本体の移動範囲許容範囲がある。この許容範囲を超えてミラー本体が移動しようとすると、アクチュエータとミラー本体との間に設けられたクラッチ空回りする。こうして、クラッチが空回りすることにより、ミラー本体が許容範囲から外れる位置まで移動することがないようにされている。ところが、このクラッチの空回り状態にある場合には、クラッチ音がノイズとして発生し、ドライバ不快感を与える可能性がある。したがって、このようなクラッチ音は、生じさせないか、生じるとしてもなるべく短時間で済ませたいとする問題がある。

0004

また、自動車用電動ミラーには、使用状態格納状態とが設定されたものがあり、車両に対して電動ミラーが開いているときに使用状態とされ、閉じているときに格納状態とされるものがある。また、この電動ミラーには、ケースを回動駆動させるアクチュエータが取り付けられており、アクチュエータを駆動することにより、使用状態と格納状態とに位置変更させることができる。このような自動車用電動ミラーにおいても、上記のクラッチ音の問題が同様に生じる。

0005

このような問題に対して、従来、実開昭58−139347号公報に開示された電動リモートコントロールミラーの自動停止装置がある。この自動停止装置は、電動モータ作動電流を検出し、検出した作動電流を直流電圧に変換し、変換した直流電圧が所定のレベルに達したときから、駆動モータ電源供給路遮断するというものである。こうして、ミラーを駆動モータとの間に設けられたスリップ機構スリップ回転を開始したときに、電動モータの駆動を停止し、スリップ回転をさせないようにしている。
実開昭58−139347号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、上記特許文献1に開示された自動停止装置では、作動電流を変換した直流電圧が所定のレベルに達した後に駆動モータを停止させるようにしている。このため、クラッチ機構にスリップ回転が生じてから駆動モータを停止させることになるので、その分駆動モータを停止させるタイミングが遅くなってしまうという問題があった。

0007

そこで、本発明の課題は、アクチュエータに設けられたクラッチの空回りをなるべく早期に停止させて、クラッチ音の発生を防止する自動車用電動ミラーの制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決した本発明に係る自動車用電動ミラーの制御方法は、自動車に取り付けられる電動ミラーを動作させるアクチュエータを制御して、電動ミラーを駆動制御する自動車用電動ミラーの制御方法であって、アクチュエータの動作時にアクチュエータにかかる電圧値を検出し、検出した電圧値にノイズ除去フィルタをかけてノイズ除去電圧値を求め、ノイズ除去電圧値に、ノイズ除去フィルタよりも強い基準値算出フィルタをかけて基準電圧値を求め、基準電圧値とノイズ除去電圧値との差分を累積加算して電圧加算値を求め、電圧加算値が所定のしきい値を超えたときに、スリップの発生を判定するものである。

0009

本発明に係る自動車用電動ミラーの制御方法においては、アクチュエータに生じるスリップを判定するにあたり、基準電圧値とノイズ除去電圧値との差分を累積加算した電圧加算値を用いている。このため、クラッチ機構にスリップ回転が生じる前またはスリップが発生した直後に電動ミラーの駆動を停止する。このため、早期にアクチュエータを停止させることができるので、クラッチ音の発生を効果的に防止することができる。

0010

ここで、電動ミラーが、ミラー本体が取り付けられたケースを有し、ミラー本体は、ケースに対して鏡面角度が調整可能とされており、アクチュエータは、ミラー本体の鏡面角度を調整するようにミラー本体を駆動する態様とすることができる。

0011

このように、ミラー本体の鏡面角度の調整を行う際に、鏡面角度の調整を行うためのアクチュエータを駆動制御することにより、スリップ音の発生の問題が生じるが、このスリップ音の発生を防止することができる。

0012

また、電動ミラーは、ミラー本体が取り付けられたケースを有し、ケースは、電動ミラーが取り付けられる自動車に対して回動可能に取り付けられるとともに、ミラー本体が回動することにより、使用位置と格納位置とに位置変更されるものであり、アクチュエータは、電動ミラーにおけるミラー本体を使用位置と格納位置との間を移動させる態様とすることもできる。

0013

このように、電動ミラーにおけるミラー本体を使用位置と格納位置との間を移動させる際に、電動ミラーにおけるミラー本体を使用位置と格納位置との間を移動させるためのアクチュエータを駆動制御することにより、スリップ音の発生の問題が生じるが、このスリップ音の発生を防止することができる。

0014

さらに、アクチュエータが駆動を開始してから所定時間が経過した後に、基準電圧値を求める態様とすることもできる。

0015

このように、アクチュエータの駆動を開始してから所定時間が経過するまでは、電圧値の変動が大きくなっており、この間の電圧値を加算すると、電圧加算値がしきい値を超えるとするための精度が低くなってしまう。したがって、アクチュエータの駆動を開始してから所定時間が経過した後に、基準電圧値を求めるようにすることにより、電圧加算値がしきい値を超えることを正確に把握することができ、好適なタイミングで電動ミラーの駆動を停止させることができる。

発明の効果

0016

本発明に係る自動車用電動ミラーの制御方法によれば、アクチュエータに設けられたクラッチの空回りをなるべく早期に停止させることができ、クラッチ音の発生を効果的に防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に用いられる電動ミラーの分解斜視図、図2は、ミラーホルダおよび揺動機構体の分解斜視図、図3は、揺動機構体の要部断面図、図4は、電動ミラーの回路図である。図1に示すように、電動ミラーであるサイドミラー1は、カバー2とミラー本体3とを備えており、カバー2内にミラー本体3が収容されている。ミラー本体3の裏面側におけるカバー2内には、フレーム4および揺動機構体5が設けられている。揺動機構体5は、フレーム4を介してカバー2に取り付けられており、揺動機構体5の表面にミラー本体3が取り付けられている。これらのフレーム4および揺動機構体5は、ミラー本体3の裏面側に配置され、カバー2内に収容されている。

0018

揺動機構体5は、図2に示すように、ミラーボディ10を有しており、ミラーボディ10にはアクチュエータであるモータ11が設けられている。また、モータ11にはウォームホイール12が接続されており、ウォームホイール12には、アジャストナット13が取り付けられている。アジャストナット13は、円筒形状の本体部13Aと球状の頭部13Bとを有している。また、本体部13Aは、図3に示すように、内側がくり抜かれており、その基端側に弾性を有する爪部13Cが設けられている。さらに、ミラーボディ10には、雄ねじ部材10Aが設けられており、この雄ねじ部材10Aがアジャストナット13の本体部13Aに挿入されている。また、雄ねじ部材10Aにおけるねじ部分にアジャストナット13における爪部13Cがかみ合わされている。さらに、ミラーボディ10にはベース部材14が固定されており、ベース部材14には貫通孔14Aが形成されている。この貫通孔14Aをアジャストナット13が貫通し、ベース部材14を挟んでミラーボディ10の対向方向に突出している。

0019

また、ミラーボディ10におけるベース部材14を挟んだ位置には、ピボットプレート15が配置されている。ピボットプレート15には、図3に示すように、内面が球状となるようにくり抜かれた嵌合部15Aが設けられており、この嵌合部15Aにアジャストナット13の頭部が嵌め込まれている。さらに、このピボットプレート15に対して、図1に示すミラー本体3が固定されている。

0020

そして、モータ11が作動すると、モータ11の作動状態に応じて、ウォームホイール12およびこのウォームホイール12に取り付けられたアジャストナット13が回転する。アジャストナット13が回転すると、アジャストナット13がカバー2に対して相対的に近接・離反し、アジャストナット13が嵌め込まれたピボットプレート15がカバー2に対して相対的に近接・離反する。こうして、ミラー本体3の鏡面角度の調整が行われる。また、ミラー本体3の鏡面角度が許容範囲を超えると、ミラー本体3の移動が抑制される。このとき、ウォームホイール12およびアジャストナット13は回転を続けるが、アジャストナット13に設けられた爪部13Cが撓んでミラーボディ10に設けられた雄ねじ部材10Aのねじ山を越えてアジャストナット13が空回りする。この撓んだ爪部13Cがねじ山を乗り越えるときに、クラッチ音が発生する。これらの雄ねじ部材10Aと爪部13Cとがクラッチ機構16を構成する。

0021

さらに、図4に示すように、モータ11には、制御装置6が接続されている。制御装置6は、図示しない自動車の運転席に設けられたミラー操作スイッチSWを操作することにより、スイッチ21の開閉制御が行われる。この開閉制御によってモータ11に電流が供給され、モータ11を作動させることによってミラー本体3の鏡面角度の調整を行う。

0022

また、このモータ11に供給される電流の電流値を検出する電流センサ22が設けられており、この電流センサ22によって検出された電流値を電圧値に変換して電圧値信号を制御装置6に出力する。制御装置6では出力された電圧値に基づく演算処理を施して、スイッチ21の開閉制御を行う。電圧値に基づく演算処理については、後に説明する。

0023

次に、制御装置6を用いた電動ミラーの制御方法について説明する。図5は、本実施形態に係るミラーの制御手順を示すフローチャートである。本実施形態では、図5に示すフローチャートに示す処理を2ms間隔で行っている。

0024

図4に示すように、本実施形態に係る電動ミラーの制御方法では、まず、電流センサ22によって検出された電流を電圧値に変換し、所定の係数を乗じた値(以下「AD値」という)を求める(S1)。次に、このAD値にノイズ除去フィルタをかけ、ノイズ除去電圧値となるFilter値(n)を算出する(S2)。Filter値(n)は、下記(1)式によって求められる。下記(1)式がノイズ除去フィルタとなる。

0025

Filter値(n)=Filter値(n−1)
+(AD値−Filter値(n−1))/32 ・・・(1)
ここで、Filter値(n−1)は、前回に算出されたFilter値(n)、nは任意の自然数、Filter値(0)は0である。

0026

こうして、Filter値(n)を求めたら、次にモータが駆動を開始してから1秒以内であるか否かを判断する(S3)。その結果、1秒以内であると判断した場合には、評価値(n)=0を設定し(S4)、続いて基準値(n)をFilter値(n)として設定する(S5)。

0027

一方、アクチュエータが駆動してから経過した時間が1秒を超えていると判断した場合には、前回に基準値(n)を求めてから、リセットすることなく32msが経過したか否かを判断する(S6)。その結果、32msを経過していると判断した場合には、今回の基準値(n)を算出する(S7)。基準値(n)は、下記(2)式によって求められる。下記(2)式が基準値算出フィルタとなる。

0028

基準値(n)=基準値(n−1)
+(Filter値(n)−基準値(n−1))/128 ・・・(2)
一方、ステップS6で32msが経過していないと判断した場合には、基準値を求めることなく、前回の基準値(n−1)を基準値(n)とする。

0029

ここで、nは任意の自然数、基準値(0)は0である。

0030

こうして、基準値(n)を求めたら、電圧加算値となる評価値(n)を求める(S8)。評価値(n)は、Filter値(n)と前記基準値(n)との差分を累積加算して求められる値であり、下記(3)式で求められる。

0031

評価値(n)=評価値(n−1)
+(Filter値(n)−基準値(n)) ・・・(3)
ここで、nは任意の自然数、評価値(0)は0である。

0032

こうして、評価値(n)を求めたら、評価値(n)が0未満であるか、換言すれば負値であるか否かを判断する(S9)。その結果、評価値(n)が0未満である場合には、評価値(n)を0に設定する(S10)。また、0以上である場合には、評価値(n)として算出された評価値(n)を設定する。

0033

評価値(n)を設定したら、評価値(n)が、クラッチ機構16がスリップ(空回り)すると考えられる所定の設定値を超えているか否かを判断する(S11)。その結果、所定の設定値を超えていると判断した場合には、クラッチ機構に空回りが生じると判断し(S12)、スイッチ21を開放して、モータ11への電流の供給を中断し、モータ11を停止させる。一方、所定の設定値を超えていないと判断した場合には、そのままモータ11への電流の供給を継続する。

0034

このように、クラッチ機構16が空回りすると判断した場合にモータ11を停止させることにより、クラッチ機構16が空回りするときに生じるクラッチ音の発生を防止することができる。また、クラッチ機構16が空回りすることにより、クラッチ機構が磨耗するが、クラッチ機構16の空回りを防止することにより、クラッチ機構の磨耗をも防止することができる。

0035

さらに、本実施形態に係る制御装置では、まずFilter値(n)を求めてから評価値(n)を求め、この評価値(n)に基づいてクラッチ機構16の空回りを判断している。このため、クラッチ機構16の空回りが発生する前にミラー本体3が所定の揺動範囲に到達することを判断することができる。以下、この点についてさらに説明する。いま、モータ11が駆動を開始してから、揺動範囲を超える位置の手前位置まで作動する際のAD値、Filter値(n)、基準値(n)、評価値(n)の経時変化について説明する。

0036

図6は、モータ11が駆動を開始してから、揺動範囲を超える位置の手前位置で空回りして作動する際のAD値、Filter値(n)、基準値(n)、評価値(n)の経時変化を示すグラフである。図6において、AD値を実線L1、Filter値を破線L2、基準値を一点鎖線L3、評価値を二点差線L4でそれぞれ示している。

0037

図6に示すように、電流センサ22によって検出される電流値から得られるAD値が実線L1で示す経時変化を示す場合、このAD値を上記(1)式に代入することによって求められるFilter値の経時変化は破線L2のようになる。このFilter値を上記(2)式に代入して求められる基準値の経時変化は一点鎖線L3のようになり、基準値を上記(3)式に代入して求められる評価値は二点差線L4のようになる。

0038

図6からわかるように、モータ11が駆動してからの所定時間(1秒間)は、基準値=Filter値となり、評価値は、図示しないが0となる。この所定時間が経過した後は、基準値がFilter値を上回った状態にあるので、この間、評価値は0となっている。それから、基準値がFilter値を上回り、次第に評価値が上昇していき、さらに上昇を続ける。

0039

この例では、時刻t1の時点でクラッチ機構16に空回りが発生していると考えられる。ここで、たとえば、Filter値を参照してクラッチ機構16の空回りの発生を検出しようとした場合、Filter値は大きな変化を示していない。このため、所定のしきい値を設定した場合でも、クラッチ機構16の空回りを正確に判断するこが困難となることが考えられる。仮にFilter値を参照してクラッチ機構16の空回りの発生を検出しようとすると、時刻t2付近に相当するAD値をしきい値として設定する必要があり、クラッチ機構16の空回りの検出が遅くなってしまう。

0040

これに対して、図6に示すように、評価値は時刻t1の時点で上昇を続けている。このため、評価値を参照してクラッチ機構16の空回りの発生を検出しようとした場合には、時刻t1の時点に相当するAD値付近にしきい値を設定し、このしきい値を超えたときにクラッチ機構16の空回りがあると判定することにより、クラッチ機構16の空回りの発生を早期に検出することができる。

0041

また、その他のモータ11が駆動を開始してから、揺動範囲を超える位置の手前位置で空回りして作動する際のAD値、Filter値(n)、基準値(n)、評価値(n)の経時変化の例を説明する。図7は、モータ11が駆動を開始してから、揺動範囲を超える位置の手前位置まで作動する際のAD値、Filter値(n)、基準値(n)、評価値(n)の経時変化の他の一例を示すグラフである。

0042

図7に示す例では、ある時間が経過した後は、Filter値が略正弦波状に変化し、このときにクラッチ機構16の空回りが発生していることが見て取れるが、この正弦波状の変化が発生し、所定回数正弦波の山が発生するまでクラッチ機構16の空回りの発生を検出することができない。これに対して、評価値の経時変化を見てみると、評価値はある時間が経過した後、上昇を続けるので、クラッチ機構16の空回りが発生した後、早期にクラッチ機構16の空回りの発生を判断することができる。

0043

以上の実施形態では、自動車用電動ミラーの制御において、鏡面角度の調整の例について説明したが、同様の制御を電動格納の制御についても行うことができる。図8は、自動車用電動ミラーにおける電動格納部の分解斜視図である。電動格納部30は、カバー2に一体的に組み込まれた減速機31を有しており、この減速機31にモータ32が取り付けられている。減速機31には、出力軸33が取り付けられており、出力軸33の下端がベース部材40に取り付けられている。このベース部材40が図示しない車両のボディに固定されている。また、カバー2の位置として、使用状態となる使用位置と格納状態となる格納位置とが規定されており、モータ32を駆動することにより、この使用位置と格納位置とを移動させている。さらに、減速機31には、図示しないクラッチ機構が設けられており、電動格納ミラーが使用位置または格納位置を超えてカバー2を回転させようとした場合に、クラッチ機構が空回りして、モータ32からの動力を遮断するようにしている。

0044

以上の構成を有する電動格納部30におけるモータ32についても、上記の鏡面角度の調整用のモータ11と同様、減速機31に設けられたクラッチ機構の空回り時に生じるクラッチ音の問題がある。これに対して、制御装置6と同様の制御を行うことにより、クラッチ機構の空回り時に生じるクラッチ音の発生を防止することができる。

0045

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、アクチュエータとしてモータを使用しているが、他の駆動機構を用いることもできる。また、電動ミラーの駆動を停止するために、モータを停止させるようにしているが、たとえばモータとクラッチ機構とを切り離すなどの態様とすることもできる。

図面の簡単な説明

0046

本発明の実施形態に用いられる電動ミラーの分解斜視図である。
ミラーホルダおよび揺動機構体の分解斜視図である。
揺動機構体の要部断面図である。
電動ミラーの回路図である。
本実施形態に係るミラーの制御手順を示すフローチャートである。
モータ11が駆動を開始してから、揺動範囲を超える位置の手前位置で空回りして作動する際のAD値、Filter値(n)、基準値(n)、評価値(n)の経時変化を示すグラフである。
モータ11が駆動を開始してから、揺動範囲を超える位置の手前位置で空回りして作動する際のAD値、Filter値(n)、基準値(n)、評価値(n)の経時変化の他の例を示すグラフである。
自動車用電動ミラーにおける電動格納部の分解斜視図である。

符号の説明

0047

1…サイドミラー、2…カバー、3…ミラー本体、4…揺動機構体、5…ミラーホルダ、6…制御装置、11,32…モータ、12…ウォームホイール、13…アジャストナット、16…クラッチ機構、21…スイッチ、22…電流センサ、30…電動格納部、31…減速機、33…出力軸、40…ベース部材、SW…ミラー操作スイッチ。

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