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技術 表面保護用粘着フィルム

出願人 DIC株式会社
発明者 角木将哉下岡澄生桑下明弘
出願日 2005年7月1日 (15年4ヶ月経過) 出願番号 2005-193743
公開日 2007年1月18日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2007-009109
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 接着テープ 接着剤、接着方法
主要キーワード スリップスティック現象 耐脱落性 アクリル系粘着性樹脂 使用サイズ 最大粘着力 剥離除去性 ゴムマット 衝撃速度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年1月18日)のものです。
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図面 (2)

課題

剥離用途に使用する上で必要とされる、適度な低粘着性を有していながら、高温環境下放置された場合でも粘着力が上昇して再剥離性を損なうことが無く、しかも、剥がす際には粘着剤脱落することがなく、且つ貼付後に衝撃が加えられた場合であっても、その衝撃によって容易に剥離することがない再剥離性に優れた表面保護用粘着フィルムを提供する。

解決手段

被着体の表面に貼着し、該被着体の表面を保護するための表面保護用粘着フィルムであって、(1)表面が平滑なポリメチルメタクリレート樹脂表面への粘着力Aが0.05〜1.0N/25mmであり、(2)90℃にて168時間加熱した後の粘着力Bが1.0N/25mm以下であり、(3)耐摩耗性パラメーターαが0.05以下であり、更に、(4)1000mm/分の引張速度で剥離したときにスリップスティック現象を起こさずに剥離することを特徴とする表面保護用粘着フィルム。

概要

背景

各種プラスチック成形品組立工程や移送工程等において、成形品表面の傷付き防止のため、一般に表面保護フィルムが成形品表面に貼付される。それにともない様々な用途向けに多くの表面保護フィルムが開発されている(例えば、特許文献1、2又は3)。近年、携帯電話携帯ゲーム機等のモバイル電子機器需要伸長しており、ディスプレイ部分の大型化や高透明化によりディスプレイパネル表面等の傷付き防止を目的とした表面保護フィルムの需要が高まっている。組立工程においては成形品の表面に保護フィルムを貼付したまま外観検査が行われることから、成形品に貼付後の表面保護フィルムの透明性が要求され、基材フィルムとしては透明性が良く、貼り作業性および耐摩擦性にも優れたポリエステルフィルムが使用される場合が多い。モバイル電子機器のデザイン多様化により2次あるいは3次曲面を有する成形品が多くなってきており、ポリエステルフィルムの基材フィルムでは柔軟性に乏しく、貼付後に成形品曲面からの浮きや剥がれが発生しやすい。剥がれた部分からゴミほこり等が侵入し、成形品表面に付着してしまい、成形品の外観を損ねる場合もある。特許文献1には、柔軟性があり3次曲面への貼付性に優れた表面保護フィルムが述べられているが、屋外での使用に際し表面保護フィルムが剥がれないことを重視しており、再剥離性については考慮されていない。

表面保護フィルムは、一般的にプラスチックフィルム基材とし、そのフィルムの片面に粘着層を設けた構成である。一般的な粘着層としてはアクリル系粘着剤ゴム系粘着剤シリコーン系粘着剤の使用が挙げられるが、入手しやすさ、透明性、粘着コントロールの容易さの点からアクリル系粘着剤が使用される場合が多い。特に、粘着力を適度に低くし、再剥離性を出すためには、粘着剤架橋度を高めに設定するのが一般的である。再剥離型粘着フィルムとして適度な粘着力を有する低粘着性の粘着フィルムは、粘着フィルムを成形品へ貼付する際の貼り直し作業性が良好であり、また、粘着フィルムが不要になった場合の剥離除去性が良好である。しかし、単に粘着剤を過度硬化させて粘着力を低くすると、粘着剤が脆くなりすぎて剥離した際に粘着剤の一部が脱落欠損して成形品表面に粘着剤が残留し、成形品の外観を著しく損ねてしまう。さらに、粘着剤の脱落を起こりにくくするために粘着剤のガラス転移温度(Tg)を高めにする手法が用いられるが、この場合、表面保護フィルムの粘着力が引き剥がし速度に大きく影響され、引き剥がし速度の大小により粘着力に極端強弱が起きる現象スリップスティック現象)が発生し、組立工程や輸送等の際のわずかな衝撃で表面保護フィルム端部が剥がれ、表面保護フィルムと成形品の間にゴミやほこりが混入することがある。逆に、粘着剤の脱落を起こりにくくするために粘着剤のガラス転移温度(Tg)を低めにすると、成形品表面への貼付した当初は粘着力が適度に低くても、炎天下における自動車内での放置海外輸出時の船舶内での放置等、高温環境下に放置された場合、粘着力が上昇し粘着剤の一部が脱落欠損して成形品の表面に残留したり、剥離が重く剥がし難い欠点が生じたりする。特許文献2では、20m/分の剥離速度で400gf/50mmの粘着力であることが述べられているが、加熱後の粘着力を押さえ、粘着剤の耐脱落性とスリップスティック現象を発生させない具体的な手法に関して述べられていない。また、特許文献3では、粘着力について95℃中4時間加熱で1.5N/25mm以下であることが述べられているが、粘着力が高く実用性に乏しい上、粘着剤の耐脱落性とスリップスティック現象を発生させない具体的な手法に関して述べられていない。

特開2003−165959
特開2001−323239
特開平09−208910

概要

剥離用途に使用する上で必要とされる、適度な低粘着性を有していながら、高温環境下に放置された場合でも粘着力が上昇して再剥離性を損なうことが無く、しかも、剥がす際には粘着剤が脱落することがなく、且つ貼付後に衝撃が加えられた場合であっても、その衝撃によって容易に剥離することがない再剥離性に優れた表面保護用粘着フィルムを提供する。被着体の表面に貼着し、該被着体の表面を保護するための表面保護用粘着フィルムであって、(1)表面が平滑なポリメチルメタクリレート樹脂表面への粘着力Aが0.05〜1.0N/25mmであり、(2)90℃にて168時間加熱した後の粘着力Bが1.0N/25mm以下であり、(3)耐摩耗性パラメーターαが0.05以下であり、更に、(4)1000mm/分の引張速度で剥離したときにスリップスティック現象を起こさずに剥離することを特徴とする表面保護用粘着フィルム。

目的

したがって、本発明の目的は、再剥離用途に使用する上で必要とされる、適度な低粘着性を有していながら、高温環境下に放置された場合でも粘着力が上昇して再剥離性を損なうことが無く、しかも、剥がす際には粘着剤が脱落することがなく、且つ貼付後に衝撃が加えられた場合であっても、その衝撃によって容易に剥離することがない再剥離性に優れた表面保護用粘着フィルムを提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
4件

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請求項1

被着体の表面に貼着し、該被着体の表面を保護するための表面保護用粘着フィルムであって、(1)表面が平滑なポリメチルメタクリレート樹脂表面への粘着力Aが0.05〜1.0N/25mmであり、(2)90℃にて168時間加熱した後の粘着力Bが1.0N/25mm以下であり、(3)耐摩耗性パラメーターαが0.05以下であり、更に、(4)1000mm/分の引張速度で剥離したときにスリップスティック現象を起こさずに剥離することを特徴とする表面保護用粘着フィルム。

請求項2

基材フィルム引張弾性率が0.4〜1.0GPaであり、かつ、厚さが40〜80μmである請求項1記載の表面保護用粘着フィルム。

請求項3

基材フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである請求項1又は2記載の表面保護用粘着フィルム。

請求項4

請求項1、2又は3のいずれかに記載の表面保護用粘着フィルムが貼着された電子機器

技術分野

背景技術

0002

各種プラスチック成形品組立工程や移送工程等において、成形品表面の傷付き防止のため、一般に表面保護フィルムが成形品表面に貼付される。それにともない様々な用途向けに多くの表面保護フィルムが開発されている(例えば、特許文献1、2又は3)。近年、携帯電話携帯ゲーム機等のモバイル電子機器の需要伸長しており、ディスプレイ部分の大型化や高透明化によりディスプレイパネル表面等の傷付き防止を目的とした表面保護フィルムの需要が高まっている。組立工程においては成形品の表面に保護フィルムを貼付したまま外観検査が行われることから、成形品に貼付後の表面保護フィルムの透明性が要求され、基材フィルムとしては透明性が良く、貼り作業性および耐摩擦性にも優れたポリエステルフィルムが使用される場合が多い。モバイル電子機器のデザイン多様化により2次あるいは3次曲面を有する成形品が多くなってきており、ポリエステルフィルムの基材フィルムでは柔軟性に乏しく、貼付後に成形品曲面からの浮きや剥がれが発生しやすい。剥がれた部分からゴミほこり等が侵入し、成形品表面に付着してしまい、成形品の外観を損ねる場合もある。特許文献1には、柔軟性があり3次曲面への貼付性に優れた表面保護フィルムが述べられているが、屋外での使用に際し表面保護フィルムが剥がれないことを重視しており、再剥離性については考慮されていない。

0003

表面保護フィルムは、一般的にプラスチックフィルム基材とし、そのフィルムの片面に粘着層を設けた構成である。一般的な粘着層としてはアクリル系粘着剤ゴム系粘着剤シリコーン系粘着剤の使用が挙げられるが、入手しやすさ、透明性、粘着コントロールの容易さの点からアクリル系粘着剤が使用される場合が多い。特に、粘着力を適度に低くし、再剥離性を出すためには、粘着剤架橋度を高めに設定するのが一般的である。再剥離型粘着フィルムとして適度な粘着力を有する低粘着性の粘着フィルムは、粘着フィルムを成形品へ貼付する際の貼り直し作業性が良好であり、また、粘着フィルムが不要になった場合の剥離除去性が良好である。しかし、単に粘着剤を過度硬化させて粘着力を低くすると、粘着剤が脆くなりすぎて剥離した際に粘着剤の一部が脱落欠損して成形品表面に粘着剤が残留し、成形品の外観を著しく損ねてしまう。さらに、粘着剤の脱落を起こりにくくするために粘着剤のガラス転移温度(Tg)を高めにする手法が用いられるが、この場合、表面保護フィルムの粘着力が引き剥がし速度に大きく影響され、引き剥がし速度の大小により粘着力に極端強弱が起きる現象スリップスティック現象)が発生し、組立工程や輸送等の際のわずかな衝撃で表面保護フィルム端部が剥がれ、表面保護フィルムと成形品の間にゴミやほこりが混入することがある。逆に、粘着剤の脱落を起こりにくくするために粘着剤のガラス転移温度(Tg)を低めにすると、成形品表面への貼付した当初は粘着力が適度に低くても、炎天下における自動車内での放置海外輸出時の船舶内での放置等、高温環境下に放置された場合、粘着力が上昇し粘着剤の一部が脱落欠損して成形品の表面に残留したり、剥離が重く剥がし難い欠点が生じたりする。特許文献2では、20m/分の剥離速度で400gf/50mmの粘着力であることが述べられているが、加熱後の粘着力を押さえ、粘着剤の耐脱落性とスリップスティック現象を発生させない具体的な手法に関して述べられていない。また、特許文献3では、粘着力について95℃中4時間加熱で1.5N/25mm以下であることが述べられているが、粘着力が高く実用性に乏しい上、粘着剤の耐脱落性とスリップスティック現象を発生させない具体的な手法に関して述べられていない。

0004

特開2003−165959
特開2001−323239
特開平09−208910

発明が解決しようとする課題

0005

したがって、本発明の目的は、再剥離用途に使用する上で必要とされる、適度な低粘着性を有していながら、高温環境下に放置された場合でも粘着力が上昇して再剥離性を損なうことが無く、しかも、剥がす際には粘着剤が脱落することがなく、且つ貼付後に衝撃が加えられた場合であっても、その衝撃によって容易に剥離することがない再剥離性に優れた表面保護用粘着フィルムを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、以下の粘着フィルムを用いることによって課題を解決するに至った。すなわち、被着体の表面に貼着し、該被着体の表面を保護するための表面保護用粘着フィルムであって、
(1)表面が平滑なポリメチルメタクリレート樹脂表面への粘着力Aが0.05〜1.0N/25mmであり、
(2)90℃にて168時間加熱した後の粘着力Bが1.0N/25mm以下であり、
(3)耐摩耗性パラメーターαが0.05以下であり、
更に、
(4)1000mm/分の引張速度で剥離したときにスリップスティック現象を起こさずに剥離することを特徴とする表面保護用粘着フィルムを提供するものである。

0007

また、本発明は上記表面保護用粘着フィルムが貼着された電子機器を提供するものである。

発明の効果

0008

本発明の表面保護粘着フィルムは、携帯電話や携帯ゲーム機等のモバイル電子機器のディスプレイパネルや筐体部分等の表面保護を目的として、成形品の表面に貼付した場合、成形品の組立工程中や輸送途中での衝撃による剥がれが生じにくく、また、炎天下における自動車内での放置や船舶による海外輸出等により高温環境下に放置された後でも粘着力の上昇が少なく、かつ成形品から剥がす際に粘着剤の脱落が発生したり、被着体の表面を汚染することが無く、優れた再剥離性を示す。更に、本発明の表面保護粘着フィルムは、再剥離型粘着フィルムとして適度な低粘着性を有しているため、粘着フィルムを成形品へ貼付する際の貼り直し作業性が良好であり、また、フィルムが不要になった場合の剥離除去性が良好である。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下、本発明の表面保護用粘着フィルム(以下、本発明の粘着フィルムという)について具体的に説明する。本発明の粘着フィルムの基本的な構造は、プラスチックフィルムを基材とし、そのフィルムの片面に粘着剤層を設けた構成である。成形品の表面へ貼付し成形品表面の保護を目的で使用するには、成形品の組立工程や輸送工程中等、場合によっては貼付したまま消費者がモバイル電子機器を使用する際に剥がれが発生せず、不要となった際には剥がし易く粘着剤の残留や成形品表面の汚染が無いことが必要である。モバイル電子機器のディスプレイパネルの多くはポリメチルメタクリレートシリコーン変性アクリル系ハードコートを施した樹脂成形品である。したがって、本発明の粘着フィルムのポリメチルメタクリレート樹脂表面に対する初期粘着力(180°引き剥がし粘着力)は0.05〜1.0N/25mmである。粘着力は0.1〜0.6N/25mmであることが好ましく、0.2〜0.4N/25mmであることが特に好ましい。粘着力が0.05N/25mm未満であると成形品の組立工程や輸送工程等で剥がれやすくなり、小曲面を有する成形品では端部から浮きが発生する。また、1.0N/25mmを越えると、粘着フィルムを成形品へ貼付する際に貼り直しが困難となり、貼付作業性が著しく悪くなる。

0010

粘着フィルムを成形品に貼付したまま船舶で海外へ輸出する場合、あるいは粘着フィルムを成形品に貼付したまま消費者が炎天下の自動車中に放置する場合には90℃前後の温度がかかり、一般的には粘着剤と成形品との密着上がり粘着力の上昇が発生しやすい。不要となった粘着フィルムを剥がす際に、剥がし抵抗が小さく成形品表面への粘着剤の残留や汚染が無いことが必要である。したがって、本発明の粘着フィルムをポリメチルメタクリレート樹脂表面に貼付後、90℃で168時間放置した後の180°引き剥がし粘着力は、1.0N/25mm以下である。0.2N〜0.8N/25mmであることが好ましく、0.2〜0.5N/25mmであることが特に好ましい。粘着力が1.0N/25mmを越えると、粘着フィルムを成形品から剥がす際、作業性が著しく低下し粘着剤が成形品の表面に残留しやすくなる。

0011

本発明の粘着フィルムにおける耐摩耗性パラメーターαは、0.05以下である。耐摩耗性パラメーターαは、粘着フィルムを成形品から引き剥がす際における、成形品の表面に対する粘着剤の残留しにくさを表す物性パラメーターである。本発明の粘着フィルムの耐摩耗性パラメーターαは0.04以下であることが好ましく、0.03以下であることが特に好ましい。0.05を超える場合、粘着フィルムを成形品から剥がす際に粘着フィルムから粘着剤の脱落が起こり、粘着剤が成形品の表面へ残留する。また、粘着フィルムをラベル形状抜き加工する際や粘着フィルムを成形品へ貼付する際に粘着フィルムの端部から粘着剤の脱落が起こり、粘着フィルム表面や粘着剤の表面に付着する。

0012

成形品の組立工程や輸送工程で生じる衝撃速度は通常の300mm/分の引張速度よりもやや速い速度に相当する。本発明の粘着フィルムは、1000mm/分の引張速度でポリメチルメタクリレート樹脂表面から180°引き剥がしを行った際、スリップスティック現象が発生しない。スリップスティック現象が発生すると、組立工程や輸送等の際のわずかな衝撃で粘着フィルム端部が剥がれ、粘着フィルムと成形品の間にゴミやほこりが混入する。

0013

図1に、スリップスティック現象が発生しながら剥離している場合における、180°引き剥がし粘着力測定試験で測定した時の粘着力−引き剥がし時間曲線グラフを示す。図1のように、粘着力がある一定の最大値を一定時間保持した後、急激に粘着力が減少し、その後直ちに粘着力が元に戻るのを何回か繰り返しながら剥離していく現象を“スリップスティック”という。本発明の粘着フィルムにおける“スリップスティック現象が発生しない”とは、粘着力の振幅最大粘着力に対して30%未満であることをいう。振幅が30%未満の場合は、連続的に剥離している状態であり、この状態は“スリップスティック”による剥離ではない。

0014

本発明の粘着フィルムの基材フィルムは、引張弾性率が0.4〜1.0GPaであり、かつ厚さが40〜80μmであることが好ましい。引張弾性率及び厚さがこの範囲であると、成形品の小曲面への追従性がより良好であり、粘着フィルム端部から剥がれが発生しにくい。また、成形品への貼付作業性が著しく向上する。

0015

本発明の粘着フィルムに使用する基材フィルムの材料としては、上記の引張弾性率の範囲のものが得られやすいことから、ポリオレフィン系樹脂フィルムが好適に用いられ、例えば、低密度ポリエチレン樹脂直鎖状低密度ポリエチレン樹脂高密度ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂エチレンプロピレン共重合樹脂等の樹脂フィルムなどが挙げられる。好ましくは透明性に優れる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂等の樹脂フィルムである。エチレン−プロピレン共重合樹脂中のエチレンの共重合比率はとくに限定するものではないが、5〜10モル%のものが好ましい。本発明の粘着フィルムに使用する基材フィルムは単層構造でも多層構造でもよく、例えば低密度ポリエチレン樹脂とエチレン−プロピレン共重合樹脂を適度に混合してなる単層構造フィルムや、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の両面にエチレン−プロピレン共重合樹脂を積層した3層構造フィルムでもよい。

0016

本発明の粘着フィルムに使用する基材フィルムは、公知の方法により生産することができる。例えば、直鎖状低密度ポリエチレンやエチレン−プロピレン共重合樹脂等を加熱溶融し、単層もしくは多層構造のTダイ、サーキュラーダイ等で連続的に押し出してから冷却することで基材フィルムを製膜することができる。

0017

本発明の粘着フィルムの基材フィルム表面に、注意書きPOP等の表示機能を持たせる目的で印刷を行う場合には、表面をコロナ処理したり、アンカーコート層を設けたりすることで、インキ等の印刷層を基材フィルムへ密着しやすくすることが好ましい。同様に、粘着剤層を積層する表面にも、コロナ処理を行ったり、アンカーコート層を設けることで、基材フィルム表面と粘着剤層との密着性を向上させることができる。

0018

アンカーコート層は、印刷インキ受理する樹脂と分散媒からなるアンカーコート剤を基材フィルムの表面に塗工し、乾燥することにより形成することができる。印刷インキを受理する樹脂としては、公知のアクリル樹脂ポリビニルアルコール樹脂ポリウレタン樹脂ポリエステル樹脂ニトロセルロース等を使用することができる。分散媒には、基材フィルムを溶解しないものを選択する。例えば、イソプロピルアルコールエタノール等のアルコール主体とするものが挙げられる。また、公知の乳化剤を用いて分散媒に水を使用して印刷インキを受理する樹脂を乳化したエマルジョンを用いてもよい。また、アンカーコート層を設けた基材フィルムをロール状に巻く必要がある場合、該アンカーコート層により不必要に基材フィルムが密着してしまう場合には、ブロッキング防止剤を添加してもよい。ブロッキング防止剤としては、公知の合成シリカ炭酸カルシウム酸化チタン等の無機系添加剤ポリエチレンワックス樹脂等の有機系添加剤を使用することができる。アンカーコート剤の配合は、印刷インキを受理する樹脂を20〜30質量部、分散媒は60〜70質量部、ブロッキング防止剤1〜5質量部が好ましい。アンカーコート層の塗工量は、乾燥重量で0.5〜3.0g/m2が好ましく、1.0〜2.0g/m2がより好ましい。

0019

アンカーコート層の代わりに帯電防止を目的とする帯電防止層を粘着剤層と接する基材フィルム表面あるいは粘着剤層を形成しない基材フィルム表面のどちらかに塗工してもよい。

0020

帯電防止層はイオン導電性樹脂および水分放散防止樹脂から構成される。イオン導電性樹脂は側鎖にカルボキシル基スルフォン基などの酸性基を有する高分子化合物、または側鎖にアミノ基やN−置換アミノ基などの塩基性基を有する高分子化合物を、それぞれ塩基性化合物または酸性化合物中和して得られる。該イオン導電性樹脂には、導電性が高く、かつ基材との高い接着性を有することが要求され、側鎖にN,N−ジ置換アミノ基を有するアクリル酸共重合体第四アンモニウム塩化した高分子電解質が最も好ましい。水分放散防止樹脂としては、ポリ塩化ビニリデンPVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、エチレン−酢酸ビニル樹脂EVA)、アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂、またはウレタン樹脂アルキッド樹脂エポキシ樹脂不飽和ポリエステル樹脂メラミン樹脂尿素樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。透明性、柔軟性、粘着剤層との密着性の点から、PVDC、EVA、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく、中でも透湿度の低いPVDCが最も好ましい。帯電防止層の厚さは、0.1〜5.0μmが好ましく、0.2〜1.0μmであればなお好ましい。

0021

アンカーコート剤あるいは帯電防止剤の基材フィルムへの塗工は公知の方法で行われる。例えば、ナイフコーターグラビアコーターロールコーター等を使用して塗工することができる。好ましくは、グラビアコーターである。

0022

本発明の粘着フィルムに用いる粘着剤層を構成する粘着剤としては、公知のアクリル系、シリコーン系ゴム系の粘着性樹脂を使用することができる。ゴム系粘着剤としては、スチレンイソプレン−スチレン等のブロックコポリマー系や、ポリブタジエンポリブチレン等の合成ゴム系粘着剤、及び天然ゴム等を使用できる。また、シリコーン系粘着剤としては、過酸化物架橋タイプや付加縮合タイプを単体または混合で使用してもよい。好ましくは、入手しやすさ、透明性、粘着コントロールの容易さの点からアクリル系粘着剤である。

0023

アクリル系粘着性樹脂は、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル鎖を有するアクリル酸エステルを含有するラジカル重合性モノマーを反応させた樹脂を用いることが好ましい。炭素数1〜14のアルキル鎖を有するアクリル酸エステルとしては、例えば、
(1群)メチルアクリレートエチルアクリレート、n−プロピルアクリレートイソプロピルアクリレートn−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートn−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレートメチルメタクリレートエチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートn−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等があげられる。中でも、炭素数が4〜9のアルキル鎖を有するメタアクリル酸アルキルエステル又は炭素数が4〜9のアルキル鎖を有するアクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましい。中でも、炭素数が4〜9のアルキル鎖を有するアクリル酸アルキルエステルを使用することがより好ましい。

0024

また、単量体成分として、水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基を有する、アクリル酸エステルやその他のビニル系単量体を添加するのが好ましい。

0025

水酸基を含有するモノマーとしては、
(2群)2−ヒドロキシエチルメタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。好ましくは、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等がある。

0026

また、水酸基以外の極性基を有するモノマーとしては、
(3群)アクリル酸メタクリル酸イタコン酸マレイン酸クロトン酸アクリル酸ダイマーエチレンオキサイド変性コハク酸アクリレートなどのカルボキシル基を有するモノマー、N−ビニル−2−ピロリドン、n−ビニルカプロラクタムアクリロイルモルホリンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−(パーヒドロフタルイミド−N−イル)エチルアクリレートなどのアミド基を有するモノマー、アクリロニトリル無水マレイン酸無水イタコン酸などが挙げられる。

0027

特に、本発明の粘着フィルムに用いる粘着剤層を構成する粘着剤としては、上記(1群)のモノマーに加えて、式(I)

0028

(式中、Xは水素原子又はメチル基、R1は分岐鎖を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、R2は分岐鎖を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を表す。)で表される化合物、式(II)

0029

(式中、Xは水素原子又はメチル基、R1は分岐鎖を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基を表す。)で表される化合物及び式(III)

0030

(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。)で表される化合物を含有する重合性モノマーを反応して得られる粘着性樹脂を用いることが好ましい。

0031

上記式(I)で表される化合物としては、式(I)中、Xが水素原子であり、R1が-CH2CH2-であり、R2が-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH2CH2CH2CH3であることが好ましく、Xが水素原子であり、R1が-CH2CH2-であり、R2が-CH3であることが特に好ましい。また、上記式(II)で表される化合物としては、式(II)中、Xが水素原子であり、R1が-CH2CH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2CH2CH2CH2-であることが好ましく、Xが水素原子であり、R1が-CH2CH2-であることが特に好ましい。更に、式(III)中、Xが水素原子であることが好ましい。

0032

上記式(I)で表される化合物は、全モノマーに対して2〜15質量%使用するのが好ましく、5〜10質量%使用するのがより好ましい。また、上記式(II)で表される化合物は、全モノマーに対して0.5〜15質量%使用するのが好ましく、2〜10質量%使用するのがより好ましい。更に、式(III)で表される化合物は、全モノマーに対して0.05〜5質量%使用するのが好ましく、0.1〜3質量%使用するのがより好ましい。

0033

本発明の粘着フィルムに用いる粘着剤層に用いる樹脂として、上記の如く式(I)〜式(III)で表されるモノマーを反応させた樹脂を用いると、粘着剤層の接着強度を0.05〜1N/25mmとなるようにした場合であっても、粘着剤層の破断伸度が極端に小さくならず、摩擦や引っ掻き等の機械的シェアを受けても粘着剤層の脱落や傷つき等の欠損が起きにくい。

0034

粘着性樹脂の重量平均分子量は(Mw)は70万〜110万が好ましい。そのなかでも80万〜90万であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が70万未満になると粘着力が高くなり、低粘着にするために架橋度を高めに設定しなければならず、粘着剤の脱落が起こりやすくなる。さらに、粘着性樹脂の高度な3次元化により柔軟性が無くなり、スリップスティック現象が発生しやすくなる場合がある。重量平均分子量(Mw)が110万を超えると同様に粘着剤の柔軟性が無くなり、スリップスティック現象が発生しやすくなる。

0035

また粘着性樹脂のガラス転移温度(Tg)は−70〜−50℃が好ましく、−70〜−60℃がさらに好ましい。ガラス転移温度(Tg)が−70℃未満であると初期粘着力が低くても、炎天下における自動車内での放置や海外輸出時の船舶内での放置等、高温環境下に放置された場合、粘着力が上昇し粘着剤の一部が脱落欠損して成形品の表面に残留したり、剥離が重く剥がし難い欠点が生じやすい。また、ガラス転移温度(Tg)が−50℃を越えると、粘着性樹脂の柔軟性が無くなりスリップスティック現象が発生しやすくなる。

0036

アクリル系共重合体は、溶液重合法、隗状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で共重合させることにより得ることができる。重合の開始方法も、過酸化ベンゾイル過酸化ラウロイル等の過酸化物系、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系の熱重合開始剤を用いた熱による開始方法や、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシフォスフィンオキシド系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系の光重合開始剤を用いた紫外線照射による開始方法や、電子線照射による方法を任意に選択できる。

0037

また粘着剤層の凝集力を上げるために、粘着剤に架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤エポキシ系架橋剤キレート系架橋剤、光硬化型架橋剤等が挙げられる。架橋剤の添加量としては、粘着剤層はゲル分率が70〜99%に調整するのが好ましく、そのなかでも80〜99%に調整するのが最も好ましい。ゲル分率は、養生後の粘着剤層の組成物トルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不要分の乾燥後の質量を測定し、元の重量に対する百分率で表す。

0038

粘着剤層には、必要に応じて性能を阻害しない範囲で各種添加剤、例えば粘着付与樹脂酸化防止剤紫外線吸収剤充填剤顔料増粘剤、帯電防止剤等を添加してもよい。

0039

粘着剤層用の塗工液は、上記粘着剤、必要に応じその他の添加剤を、有機溶媒に溶解させて調製する。有機溶媒としては、上記配合成分が溶解すれば特に限定されるものではないが、酢酸エチル、トルエン、キシレンヘキサンメタノール、イソプリピルアルコール等公知慣用有機溶剤を単独で、あるいは混合して使用することができる。

0040

基材フィルム上に粘着剤層を形成するには、固形分20〜60質量%に調整された粘着剤溶液をロールコーターやダイコーター等で直接基材フィルム上に塗布する方法や、剥離ライナー上にいったん粘着剤層を形成後、基材フィルムに転写する方法を用いる。剥離ライナーには公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレンラミネート紙グラシン紙、クレーコート紙、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等にシリコーン化合物剥離層を形成したものが好適に使用できる。乾燥後の粘着剤層の好ましい厚さは、3〜30μm、好ましくは10〜20μmである。粘着剤層の厚さが30μmを超えると基材フィルムから粘着剤層が脱落しやすくなる。

0041

かくして、本発明の表面保護粘着フィルムが得られるわけであるが、かかる表面保護粘着フィルムは、携帯電話や携帯ゲーム機等のモバイル電子機器のディスプレイパネル等へ表面保護として貼付する際に貼り作業性がよく、スリップスティックしないために成形品の組立工程中や輸送途中等で端部剥がれが発生しにくく、成形品への曲面追従性に優れ、加熱放置後でも粘着力上昇が少なくかつ粘着剤の脱落が起きにくい。

0042

本発明の粘着フィルムは以下の工程でラベル形状に加工される。基材フィルム、粘着剤、剥離ライナーを積層した本発明の粘着フィルムのロール品(例えば、幅50〜200mm、長さ100〜800mの巻物慣習的な使用サイズ)に対して、基材フィルムを経て粘着剤までの積層部分ゼンマイ刃等で打ち抜いた後に不要部分を除去する。かくして、必要部分(ラベル)が剥離ライナーの長手方向に並んだロール品が生産され、必要に応じてシート状にカットされる。基材フィルム表面に印刷が施される場合は、印刷機にて基材フィルム表面にインキ展色層を設け、その後インキ展色層から基材フィルムを経て粘着剤までの積層部分をゼンマイ刃等で打ち抜いた後に不要部分を除去する。

0043

本発明の粘着フィルムで保護する成形品としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂ポリスチレン樹脂等の透明樹脂製あるいはこれら透明樹脂表面にシリコーン変性アクリル樹脂等のハードコート層を設けた成形品が好ましく、携帯電話や携帯ゲーム機等モバイル電子機器のディスプレイパネルであることがとくに好ましい。

0044

以下に実施例および比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、実施例中の「部」、「%」とあるのは、特に断りがない限り質量基準を示す。

0045

(1)基材フィルムの調製
[基材フィルムA]
融点142℃のエチレン−プロピレン共重合樹脂(サンアロマー製「PC630A」)を押出機に供給して200℃で溶融させ、Tダイで連続的に押し出し急冷して厚さ80μmのポリオレフィン基材フィルムAを作製した。

0046

[基材フィルムB]
基材フィルムAと同様の配合および方法で、厚さ40μmのポリオレフィン系基材フィルムBを得た。

0047

[基材フィルムC]
インキ受理性樹脂としてアクリル樹脂(綜研化学社製「サーモラックEF−32」)を30部、分散媒としてエタノールとイソプロピルアルコールの4:1混合溶剤を65部、ブロッキング防止剤として合成シリカ(富士シリシア化学社製「サイリシア350」)を5部添加し、合計100部の配合液を調整した。ペイントコンディショナーを使用して配合液を20分間分散し、固形分35%のアンカーコート剤Iを得た。基材フィルムAと同様の配合および方法で、厚さ80μmの元フィルムを作製した。得られた元フィルムの片面に420mNのコロナ処理を行った上にアンカーコート剤Iをグラビアコーターにて塗工し、乾燥後塗工量1.5g/m2のアンカーコート層を設けたポリオレフィン系フィルム基材Cを得た。

0048

[基材フィルムD]
ポリエステル系基材フィルムDとして、ユニチカ社製エンブレットT−50」(50μm)を使用した。

0049

(2)粘着剤主剤の合成
[粘着剤主剤A]
冷却管撹拌機温度計滴下漏斗を備えた反応容器に2−エチルヘキシルアクリレート89部、β−ヒドロシエチルアクリレート5部、2−メトキシエチルアクリレート5部、アクリル酸1部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量90万のアクリル系共重合体溶液を得た。アクリル系共重合体の計算Tgは−66℃である。酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分30%の粘着剤主剤Aを得た。

0050

[粘着剤主剤B]
冷却管、撹拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に2−エチルヘキシルアクリレート88部、4−ヒドロシブチルアクリレート3部、2−メトキシエチルアクリレート8部、アクリル酸1部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量90万のアクリル系共重合体溶液を得た。アクリル系共重合体の計算Tgは−66℃である。酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分30%の粘着剤主剤Bを得た。

0051

[粘着剤主剤C]
冷却管、撹拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に2−エチルヘキシルアクリレート87.9部、n−ブチルアクリレート10部、4−ヒドロキシブチルアクリレート2部、アクリル酸0.1部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量60万のアクリル系共重合体溶液を得た。アクリル系共重合体計算Tgは−69℃である。
酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分40%の粘着剤主剤Cを得た。

0052

[粘着剤主剤D]
冷却管、撹拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に2−エチルヘキシルアクリレート85部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、アクリル酸10部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量60万のアクリル系共重合体溶液を得た。アクリル系共重合体計算Tgは−56℃である。酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分30%の粘着剤主剤Dを得た。

0053

以上の粘着剤主剤A〜Dについて、Tgは各モノマーのホモポリマーTg値を用い、比率計算した。ホモポリマーのTg値は以下の通り。
2−エチルヘキシルアクリレート−70℃、β−ヒドロキシエチルアクリレート−15℃、2−メトキシエチルアクリレート−50℃、アクリル酸106℃、4−ヒドロキシブチルアクリレート−80℃、n−ブチルアクリレート−55℃。

0054

(3)粘着剤の調製
[粘着剤a]
上記粘着剤主剤A100部に、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC−40」)を2.5部添加し、15分間攪拌して粘着剤aを得た。

0055

[粘着剤b]
上記粘着剤主剤B100部に、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC−40」)を2.5部添加し、15分間攪拌して粘着剤bを得た。

0056

[粘着剤c]
上記粘着剤主剤C100部に、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業製「コロネートHX」)を1.5部およびキレート系架橋剤(綜研化学製「硬化剤M−5A」)を1.0部それぞれ添加し、15分間攪拌して粘着剤cを得た。

0057

[粘着剤d]
上記粘着剤主剤D100部に、イソシアネート系架橋剤(大日本インキ化学工業社製「バーノックNC−40」)を11.0部添加し、15分間攪拌して粘着剤dを得た。

0058

(実施例1)
表面にシリコーン化合物の剥離層を形成したポリエステルフィルム基材の剥離ライナーに、粘着剤aを塗工して80℃で90秒間乾燥し乾燥重量15g/m2の粘着剤層を形成した。基材フィルムAの片側面に420μN/cmのコロナ処理を行った上で粘着剤層と貼り合わせることにより、粘着フィルムを作製した。尚、得られた粘着フィルムは40℃で2日間養生後、試験に使用した。

0059

(実施例2)
粘着剤bを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2の粘着フィルムを作製した。

0060

(実施例3)
基材フィルムBを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例3の粘着フィルムを作製した。

0061

(実施例4)
基材フィルムCのアンカーコート層を有しない面に420μN/cmのコロナ処理を行った上で使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4の粘着フィルムを作製した。

0062

(実施例5)
基材フィルムDを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例5の粘着フィルムを作製した。

0063

(比較例1)
粘着剤cを使用し、乾燥重量30g/m2の粘着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして比較例1の粘着フィルムを作製した。

0064

(比較例2)
粘着剤dを使用した以外は、実施例1と同様にして比較例2の粘着フィルムを作製した。

0065

以下に評価測定方法を説明する。

0066

[基材フィルム厚さ]
23℃・50%RHの環境で、JIS K7130に規定の方法(A法)で測定した。厚さ計テスター産業社製フィルム用厚さ測定機「TH−102」)を使用し、基材フィルムの幅方向に等間隔で10箇所の厚さを測定し、その平均値を厚さとした。

0067

[引張弾性率]
幅10mm、長さ270mmの試験片を準備する。23℃・50%RHの環境で、JIS K7113に規定の方法で引張弾性率を測定した(引張速度:1mm/分、試験片の形状:4号型試験片)。測定機器として、エー・アンドディ社製テンシロン万能試験機RTA−100」を使用し、試験片の標線間距離100mm、つかみ具間距離170mm、つかみ部分長さ50mmとした。

0068

[初期粘着力]
幅25mm、長さ100mmの試験片を準備する。23℃・50%RHの環境でポリメチルメタクリレート樹脂板に対して、JIS Z0237に規定された貼付方法で貼付した。貼付から1時間後に300mm/分の引張速度で180°方向に引き剥がし、剥離強さ(単位:N/25mm)を測定した。測定機器として、エー・アンド・ディ社製テンシロン万能試験機「RTA−100」を使用した。

0069

加熱後粘着力
前項と同様の方法で作製した試料を、90℃の環境下で168時間放置した後23℃・50%RHの環境に1時間放置し、前項と同様の方法で剥離強さ(単位:N/25mm)を測定した。

0070

[スリップスティック]
初期粘着力と同様の方法で作製した試料を、1000mm/分の引張速度で180°方向に引き剥がした際に、スリップスティック現象発生の有無を以下の基準で評価した。
○:スリップスティック現象が発生しない(最大粘着力に対して振幅が30%未満)。
×:スリップスティック現象が発生する。

0071

[耐摩耗性パラメーターα]
直径110mmの円形状に切り取り、中心に直径10mmの穴を開けた試料を準備する。さらに当該粘着フィルムの剥離ライナーのみを中心から直径60mmと90mmの間でドーナツ状に切り抜き、試験片とする。この試験片の質量を電子天秤で測定する。次に23℃・50%RHの環境で摩耗性試験機を用い、JIS K5600−5−9に準じ、下記の条件で摩耗性試験を実施した。測定機器としてテスター産業社製テーバー型摩耗試験機「AB−101」を使用した。
摩耗輪:CS−17
荷重:250g(アームのみ)
回転速度:60回転/分
回転数:5回
研磨紙:360番
試験終了後、脱落あるいは欠損した粘着剤を粘着フィルム(大日本インキ化学工業社製片面テープPF—025H)を用いて取り除き、試験片の質量を電子天秤で測定して粘着剤の脱落量を計算した。耐摩耗性パラメーターは下記の計算式で計算した。
耐摩耗性パラメーター
α=粘着剤の脱落量(g)/[粘着剤の塗布量(g/m2)×0.0026(m2)]
※摩耗輪が回る面積:26cm2

0072

[脱落欠損性]
ゴムマット上に剥離ライナーを剥がした粘着フィルムの粘着剤面が上になるように置き、250gの荷重を加えたスパチラ(先端が円形状になった、試薬類などの量用ヘラ)を使用して粘着剤表面引っ掻く。引っ掻く場所を変えて5回繰り返した後、粘着剤表面に粘着力が0.5N/25mm未満の粘着フィルムを一旦貼り付ける。貼り付けた粘着フィルムを再び剥がし、引っ掻きによる脱落欠損物の粘着フィルムへの転写の状況を、以下の基準で評価した。
○:引っ掻きによる脱落欠損物が視認できない。
×:5回の引っ掻き全てにおいて脱落欠損物が視認できる。

0073

[曲面追従性]
幅10mm、長さ25mmの試験片を準備する。試験片の長辺方向を直径50mmのポリメチルメタクリレート樹脂製円柱円周方向に合わせて貼付する。40℃の環境下で168時間放置した後の浮き剥がれの状況を、以下の基準で評価した。
○:浮き剥がれは視認できない。
×:片側端部に3mm以上の浮き剥がれが視認できる。

0074

[ゲル分率]
幅40mm、長さ50mmの試験片を準備する。試験片の重量をあらかじめ電子天秤で測定した後、トルエンに浸漬し、23℃室内に24時間放置した。放置後、試験片を紙フィルタでろ過し、105℃の恒温機内で1時間乾燥させた後、重量を測定した。試験片と同じ大きさの粘着剤が塗布されていない基材フィルムの重量を測定し、ゲル分率を下記の式で算出した。
ゲル分率(%)=100×[(試験後の試験片の重量)−(基材フィルムの重量)] /[(試験前の試験片の重量)−(基材フィルムの重量)]

0075

実施例および比較例の評価結果を表1に示す。

0076

図面の簡単な説明

0077

本発明の粘着シートを、JIS−Z0237に記載の試験板に対する180度引き剥がし粘着力測定試験条件で測定した時の粘着力−引き剥がし時間曲線のグラフを示す。

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