図面 (/)

技術 単量体組成物及びコンタクトレンズ

出願人 日油株式会社
発明者 高岡利明鈴木憲
出願日 2005年6月30日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-191622
公開日 2007年1月18日 (13年11ヶ月経過) 公開番号 2007-009060
状態 特許登録済
技術分野 メガネ 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 含水シート レオナー 飽和含水状態 ホスホリルコリン類似基 蛋白質吸着 硬化シート 破壊伸び フルオロアルキルメタクリレート
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年1月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

耐タンパク汚染性高酸素透過性親水性、更に装用感を向上させる柔軟性等に優れ、ソフトコンタクトレンズとして使用可能なコンタクトレンズ(CL)、及び該CLの製造に用いることができる均一性及び透明性に優れた単量体組成物を提供すること。

解決手段

本発明のCL単量体組成物は、式(1)で表わされる(A)ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレート5〜20質量%と、式(2)で表わされる(B)ケイ素原子及び水酸基含有単量体10質量%以上と、(C)架橋性単量体0.1〜2質量%とを含み、且つ前記(A)成分の含量が、前記(B)成分の含量の50質量%以下としたことを特徴とし、本発明のCLは、該組成物硬化してなる優れた酸素透過性を示す。

化1

(R1、R2、R3、R4:-H、-CH3、m:1〜8の整数、n:2〜4の整数、R5:-CH2CH(OH)CH2-、-CH(CH2OH) CH2-、p:1〜10の整数、r:2又は3、q:0又は1、r+q=3)。

概要

背景

従来より、SCLは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を重合主成分とする含水率50%以下の低含水SCL及び、N−ビニルピロリドン(NVP)或いはメタクリル酸ソーダ(MANa)とHEMAとの共重合主成分を有する含水率50%以上の高含水SCLが市販されている。
前者は、機械的強度蛋白吸着性に対する耐汚染性に優れているものの酸素透過性が不十分である。後者のうち、NVPを共重合成分に用いるSCLは、含水率は高いものの機械的強度が不十分であり、MANaを共重合成分に用いるSCLは、アニオン系であるため蛋白の吸着が著しく耐タンパク汚染性に問題がある。更にこれら従来のSCLは、共に充分な酸素透過性を有しておらず、機械的強度やタンパク汚染性を含め連続装用に適さない。また、高含水SCLは、装着時にレンズ表面からの水の蒸散を抑制できないことから、ドライアイの問題が生じる。
そこで、特許文献1及び2には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を重合主成分とする高含水SCLが提案されている。該SCLは、ホスホリルコリン類似基によって蛋白或いは脂質の吸着を抑制して耐汚染性を向上させ、含水率を高めることによって酸素透過性を向上させることができる。しかしながら、酸素透過性は未だ充分とは言えない。更に酸素透過率を高めるために、高含水化させると機械的強度が著しく低下する問題や、高含水化によってSCL表面から水の蒸散を抑制することが更に困難になる。

ところで、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートを溶解する単量体は、水酸基カルボキシル基を有する親水性単量体に限られていることが知られている。具体的には、HEMAを代表とする水酸基含有(メタ)アクリレート、メタクリル酸を代表とするカルボンキシル基含有(メタ)アクリレート等である。従って、疎水性の単量体とは相溶せず、特に3−トリス(トリメチルシリル)プロピル(メタ)アクリレート(TRIS)に代表されるシリコーン系単量体とは全く相溶しない。その結果、これまで、ホスホリルコリン類似基の優れた耐タンパク汚染性とシロキサニル基の優れた酸素透過性とを有する装用感に優れたSCLを調製することは困難であった。
そこで、特許文献3には、MPCと水酸基含有フルオロアルキルメタクリレート(FOHMA)を共重合主成分とするCLが提案されている。該CLは、MPCの溶解性を向上させることにより、耐汚染性及び酸素透過性の両方を満足させることができるとされているが、FOHMAを共重合主成分とするので、ハードコンタクトレンズ(以下、HCLと略すことがある)に関する技術である。該HCLは、MPCの使用量が少なく、明らかに装用性の点でSCLに劣る。また該CLは、構造中にフッ素原子を有しているため、SCLの使用に供すると、フッ素原子に起因する長期に渡る表面の濡れ性、SCLとしての柔軟性及び脆さの問題が解決できない。

更に、特許文献4には、酸素透過性と含水性を満足する材料としてシリコーンヒドロゲル(以下、SiHGと略す)が提案されている。具体的には、ジメチルアクリルアミド(DMA)、TRIS及びフルオロアルキルメタクリレート(FMA)を共重合主成分とするSiHGが提案されている。該SiHGは、酸素透過性が十分満足するレベルに無く、更にTRIS及びDMAの割合が高いために、蛋白だけでなく脂質の吸着による耐汚染性に問題がある。また、特許文献5及び6には、ポリジメチルシロキサンジメタクリレート(SiMA)及びDMAを共重合主成分とするSiHGが提案されている。しかし、これら文献に記載されたSiHGは、酸素透過性が十分ではあるが、蛋白及び脂質の吸着といった耐汚染性に課題が残る。
特表平6−502200号公報
特開平5−107511号公報
特開2000−169526号公報
米国特許第4954587号明細書
米国特許第5358995号明細書
米国特許第5387632号明細書

概要

耐タンパク汚染性、高酸素透過性親水性、更に装用感を向上させる柔軟性等に優れ、ソフトコンタクトレンズとして使用可能なコンタクトレンズ(CL)、及び該CLの製造に用いることができる均一性及び透明性に優れた単量体組成物を提供すること。本発明のCL単量体組成物は、式(1)で表わされる(A)ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレート5〜20質量%と、式(2)で表わされる(B)ケイ素原子及び水酸基含有単量体10質量%以上と、(C)架橋性単量体0.1〜2質量%とを含み、且つ前記(A)成分の含量が、前記(B)成分の含量の50質量%以下としたことを特徴とし、本発明のCLは、該組成物硬化してなる優れた酸素透過性を示す。(R1、R2、R3、R4:-H、-CH3、m:1〜8の整数、n:2〜4の整数、R5:-CH2CH(OH)CH2-、-CH(CH2OH) CH2-、p:1〜10の整数、r:2又は3、q:0又は1、r+q=3)。 なし

目的

本発明の目的は、耐タンパク汚染性及び連続装用に必要な酸素透過性等に優れたコンタクトレンズ、及び該コンタクトレンズの製造に用いることができる均一性及び透明性に優れた単量体組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、耐タンパク汚染性、高酸素透過性、親水性、更に装用感を向上させる柔軟性等に優れ、ソフトコンタクトレンズとして使用可能なコンタクトレンズ、及び該コンタクトレンズの製造に用いることができる均一性及び透明性に優れた単量体組成物を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

式(1)で表わされる(A)ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレート5〜20質量%と、(式中、R1、R2及びR3は水素原子又はメチル基を示す。mは1〜8の整数を、nは2〜4の整数を示す。)式(2)で表わされる(B)ケイ素原子及び水酸基含有単量体10質量%以上と、(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は-CH2CH(OH)CH2-又は-CH(CH2OH) CH2-を示し、pは1〜10の整数を示す。rは2又は3、qは0又は1であり、r+q=3である。)(C)架橋性単量体0.1〜2質量%とを含み、且つ前記(A)成分の含量が、前記(B)成分の含量の50質量%以下とした単量体組成物

請求項2

請求項1記載の組成物からなるコンタクトレンズ用単量体組成物

請求項3

(D)分子内に水酸基又はアミド基を有する親水性単量体0.1〜75質量%を更に含む請求項2記載の組成物。

請求項4

前記(A)成分が2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートであり、前記(B)成分が1−メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンであり、前記(C)成分がエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記(D)成分が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は3記載の組成物。

請求項5

式(3)で表わされる(E)ケイ素原子含有単量体0.1〜50質量%を更に含み、(式中、R6は水素原子又はメチル基を示し、pは1〜10の整数を示す。rは2又は3、qは0又は1であり、r+q=3を示す。)且つ前記(B)成分と前記(E)成分との含量の和が組成物全量中、50質量%以上である請求項2〜4のいずれか1項記載の組成物。

請求項6

前記(A)成分が2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートであり、前記(B)成分が1−メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンであり、前記(C)成分がエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記(D)成分が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記(E)成分がトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートである請求項5記載の組成物。

請求項7

前記(D)成分が、N−ビニル−2−ピロリドン及び/又はN,N−ジメチルアクリルアミド20〜39.9質量%を含む請求項6記載の組成物。

請求項8

請求項2〜7のいずれか1項記載の組成物を硬化してなる、酸素透過性が25×10-11[cc(STP)cm]/[cm2・sec・mmHg]以上であるコンタクトレンズ

請求項9

請求項4、6又は7記載の組成物を硬化してなる、酸素透過性が50×10-11 [cc(STP)cm]/[cm2・sec・mmHg]以上、含水率が35〜50%、且つ弾性率が1MPa以下であるコンタクトレンズ。

技術分野

0001

本発明は、耐タンパク汚染性酸素透過性等に優れるコンタクトレンズ、更には親水性及び柔軟性にも優れるソフトコンタクトレンズ(以下、SCLと略すことがある)等のコンタクトレンズ(以下、CLと略すことがある)、並びにこれらの原料として用いる単量体組成物に関する。

背景技術

0002

従来より、SCLは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を重合主成分とする含水率50%以下の低含水SCL及び、N−ビニルピロリドン(NVP)或いはメタクリル酸ソーダ(MANa)とHEMAとの共重合主成分を有する含水率50%以上の高含水SCLが市販されている。
前者は、機械的強度蛋白吸着性に対する耐汚染性に優れているものの酸素透過性が不十分である。後者のうち、NVPを共重合成分に用いるSCLは、含水率は高いものの機械的強度が不十分であり、MANaを共重合成分に用いるSCLは、アニオン系であるため蛋白の吸着が著しく耐タンパク汚染性に問題がある。更にこれら従来のSCLは、共に充分な酸素透過性を有しておらず、機械的強度やタンパク汚染性を含め連続装用に適さない。また、高含水SCLは、装着時にレンズ表面からの水の蒸散を抑制できないことから、ドライアイの問題が生じる。
そこで、特許文献1及び2には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を重合主成分とする高含水SCLが提案されている。該SCLは、ホスホリルコリン類似基によって蛋白或いは脂質の吸着を抑制して耐汚染性を向上させ、含水率を高めることによって酸素透過性を向上させることができる。しかしながら、酸素透過性は未だ充分とは言えない。更に酸素透過率を高めるために、高含水化させると機械的強度が著しく低下する問題や、高含水化によってSCL表面から水の蒸散を抑制することが更に困難になる。

0003

ところで、ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートを溶解する単量体は、水酸基カルボキシル基を有する親水性単量体に限られていることが知られている。具体的には、HEMAを代表とする水酸基含有(メタ)アクリレート、メタクリル酸を代表とするカルボンキシル基含有(メタ)アクリレート等である。従って、疎水性の単量体とは相溶せず、特に3−トリス(トリメチルシリル)プロピル(メタ)アクリレート(TRIS)に代表されるシリコーン系単量体とは全く相溶しない。その結果、これまで、ホスホリルコリン類似基の優れた耐タンパク汚染性とシロキサニル基の優れた酸素透過性とを有する装用感に優れたSCLを調製することは困難であった。
そこで、特許文献3には、MPCと水酸基含有フルオロアルキルメタクリレート(FOHMA)を共重合主成分とするCLが提案されている。該CLは、MPCの溶解性を向上させることにより、耐汚染性及び酸素透過性の両方を満足させることができるとされているが、FOHMAを共重合主成分とするので、ハードコンタクトレンズ(以下、HCLと略すことがある)に関する技術である。該HCLは、MPCの使用量が少なく、明らかに装用性の点でSCLに劣る。また該CLは、構造中にフッ素原子を有しているため、SCLの使用に供すると、フッ素原子に起因する長期に渡る表面の濡れ性、SCLとしての柔軟性及び脆さの問題が解決できない。

0004

更に、特許文献4には、酸素透過性と含水性を満足する材料としてシリコーンヒドロゲル(以下、SiHGと略す)が提案されている。具体的には、ジメチルアクリルアミド(DMA)、TRIS及びフルオロアルキルメタクリレート(FMA)を共重合主成分とするSiHGが提案されている。該SiHGは、酸素透過性が十分満足するレベルに無く、更にTRIS及びDMAの割合が高いために、蛋白だけでなく脂質の吸着による耐汚染性に問題がある。また、特許文献5及び6には、ポリジメチルシロキサンジメタクリレート(SiMA)及びDMAを共重合主成分とするSiHGが提案されている。しかし、これら文献に記載されたSiHGは、酸素透過性が十分ではあるが、蛋白及び脂質の吸着といった耐汚染性に課題が残る。
特表平6−502200号公報
特開平5−107511号公報
特開2000−169526号公報
米国特許第4954587号明細書
米国特許第5358995号明細書
米国特許第5387632号明細書

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、耐タンパク汚染性及び連続装用に必要な酸素透過性等に優れたコンタクトレンズ、及び該コンタクトレンズの製造に用いることができる均一性及び透明性に優れた単量体組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、耐タンパク汚染性、高酸素透過性、親水性、更に装用感を向上させる柔軟性等に優れ、ソフトコンタクトレンズとして使用可能なコンタクトレンズ、及び該コンタクトレンズの製造に用いることができる均一性及び透明性に優れた単量体組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、後述する(A)成分と(B)成分とを特定割合で使用すると、(A)成分の溶解性を改善し均一透明となり、更に(C)成分を加え硬化させることによって、コンタクトレンズに好ましい酸素透過性、耐タンパク汚染性を有するコンタクトレンズとなり、更には特定の親水性単量体を加えることによって、均一透明性を維持し親水性及び柔軟性を有するコンタクトレンズが得られることの知見を得て本発明を完成するに至った。

0007

すなわち本発明によれば、式(1)で表わされる(A)ホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレート5〜20質量%と、



(式中、R1、R2及びR3は水素原子又はメチル基を示し、mは1〜8の整数を、nは2〜4の整数を示す。)
式(2)で表わされる(B)ケイ素原子及び水酸基含有単量体10質量%以上と、



(式中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は-CH2CH(OH)CH2-又は-CH(CH2OH) CH2-を示し、pは1〜10の整数を示す。rは2又は3、qは0又は1であり、r+q=3である。)
(C)架橋性単量体0.1〜2質量%とを含み、且つ前記(A)成分の含量が、前記(B)成分の含量の50質量%以下とした単量体組成物又はコンタクトレンズ用単量体組成物が提供される。

0008

また本発明によれば、前記組成物が、(D)分子内に水酸基又はアミド基を有する親水性単量体0.1〜75質量%含むコンタクトレンズ用単量体組成物が提供される。
更に本発明によれば、前記組成物が、(D)分子内に水酸基又はアミド基を有する親水性単量体0.1〜75質量%及び/又は式(3)で表わされる(E)ケイ素原子含有単量体0.1〜50質量%を更に含み、



(式中、R6は水素原子又はメチル基を示し、pは1〜10の整数を示す。rは2又は3、qは0又は1であり、r+q=3である。)
且つ前記(B)成分と前記(E)成分との含量の和が組成物全量中、50質量%以上であるコンタクトレンズ用組成物が提供される。

0009

更に本発明によれば、前記(A)成分が2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートであり、前記(B)成分が1−メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンであり、前記(C)成分がエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記(D)成分が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記コンタクトレンズ用組成物、若しくはこれら(A)〜(D)成分と、更に、前記(E)成分がトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートである前記コンタクトレンズ用組成物が提供される。
更にまた本発明によれば、前記組成物を硬化してなる、酸素透過性が25×10-11[cc(STP)cm]/[cm2・sec・mmHg]以上であるコンタクトレンズ、若しくは酸素透過性が50×10-11[cc(STP)cm]/[cm2・sec・mmHg]以上、含水率が35〜50%、且つ弾性率が1MPa以下であるコンタクトレンズが提供される。

発明の効果

0010

本発明の単量体組成物及びコンタクトレンズ用単量体組成物は、上記(A)成分と、(B)成分とを所定量配合し、更に(C)成分を含むので、分離や沈殿することなく均一透明な組成物とすることができる。
また、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含み、更に必要に応じて(D)成分及び/又は(E)成分を含む本発明のコンタクトレンズ用単量体組成物、更にこれら(A)〜(E)成分における各々特定の単量体を組合せたコンタクトレンズ用組成物を硬化してなる本発明のコンタクトレンズは、耐タンパク汚染性及び酸素透過性等に優れるか、更には親水性、柔軟性等にも優れるので、連続装用に適し、且つドライアイ等の問題も改善しうる、特に、ソフトコンタクトレンズとして有用である。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の単量体組成物及びコンタクトレンズ用単量体組成物(以下、これらを本発明の組成物と略記する)は、上記(A)〜(C)成分を特定割合で含有する。
(A)成分は、上記式(1)で表わされるホスホリルコリン類似基含有(メタ)アクリレートであって、コンタクトレンズにした際に、特に、親水性及び耐タンパク汚染性を付与しうる成分である。
上記式(1)中、R1、R2及びR3は水素原子又はメチル基を示す。mは1〜8の整数を、nは2〜4の整数を示す。但しmが2以上の場合のmは平均値である。ここで、mが8を超える場合又はnが4を超える場合は、分子内に占めるホスホリルコリン基の割合いが低下することにより耐タンパク汚染性の低下の恐れがある。また、nが1の場合は、涙液に含まれる水分により徐々に分解する恐れがある。

0012

(A)成分としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3'−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)ブチルホスフェート等を挙げることができる。入手性の点からはMPCが最も好ましい。これらは単独、若しくは2種以上の混合物として用いることができる。

0013

(B)成分は、上記式(2)で表されるケイ素原子及び水酸基含有単量体であって、(A)成分を溶解すると共に他の(メタ)アクリレートをも相溶させ、特に、コンタクトレンズの酸素透過性の付与にも寄与する成分である。
(B)成分は、例えば、(メタ)アクリル酸と相当するケイ素原子含有エポキシ化合物との付加反応させる方法等の公知の合成方法で得ることができ、通常異性体の混合物として得られる。これら異性体は分子式が同じであるが沸点は若干異なりガスクロマトグラフ上では分離して検出される。しかし、工業的手法においてこれらを分離することは困難である。
上記式(2)中、R4は水素原子又はメチル基を示し、R5は-CH2CH(OH)CH2-又は-CH(CH2OH)CH2-を示し、pは1〜10の整数を示す。rは2又は3、qは0又は1であり、r+q=3である。pが10を超える場合、若しくはr及びqが上記条件を満たさない場合には、分子内に占めるシロキサン基の割合いが低下することにより、酸素透過性の低下の恐れがある。

0014

(B)成分としては、例えば、1−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1−メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1−ジメチル(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン等が挙げられ、これらは異性体が存在するが、いずれの異性体及びその混合物も同様の効果が期待され同様に用いることができる。(B)成分は、単独、若しくは2種以上の混合物として用いることができ、相溶性、入手性の容易さの理由から、1−メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンを含むことが好ましい。

0015

本発明の組成物において、(A)成分の含有割合は、組成物全量基準で5〜20質量%、好ましくは10〜15質量%であり、(B)成分の含有割合は、組成物全量基準で10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは20〜80質量%であって、且つ(A)成分の含量は、(B)成分の含量に対して50質量%以下の含量である。
(A)成分の含量が5質量%未満であると(A)成分に基づく効果が発現しにくいので、耐タンパク汚染性を付与できない。(A)成分の含量が20質量%より多いと、その他単量体に溶解しないか、溶解させることができても時間の経過に伴って結晶析出するか、得られる重合体中に分離して透明感がなくなるため透明で均質硬化物が得られない。
(B)成分の含量が10質量%未満の場合、また、(A)成分の含量が、(B)成分の含量に対して50質量%を超える場合は、(A)成分を十分量溶解できない。

0016

(C)成分は、架橋性単量体であって、本発明の組成物を共重合によりで架橋し、得られる硬化物、例えば、ソフトコンタクトレンズ等の形状を保持し、加工に適度な機械的強度、破壊伸び復元性を付与する成分である。
(C)成分としては、通常1分子内に2個以上の重合性官能基を有する単量体が挙げられ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3'−(メタ)アクリロイルオキシ−2'−ヒドロキシプロピルオキシ)エタン等の多官能性(メタ)アクリレートが好ましく挙げられ、少量でその効果が認められる理由からはエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。使用に際しては、単独若しくは2種以上の混合物として用いることができる。
(C)成分の含有割合は、組成物全量基準で0.1〜2質量%、好ましくは0.2〜1質量%である。0.1質量%未満では硬化物、例えば、コンタクトレンズの形状の保持と適度な復元性を与えることができない。一方、2質量%を超える場合には、例えば、コンタクトレンズに求められる柔軟性が失われ脆くなる。

0017

本発明の組成物には、必要に応じて上記(A)〜(C)成分以外の他の単量体を含有させることができる。他の単量体としては、例えば、(D)分子内に水酸基又はアミド基を有する親水性単量体が挙げられる。該(D)成分は、即ち、水酸基含有単量体又はアミド基含有単量体である。
前記水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。親水性、入手性の容易さの理由からは、(D)成分として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。

0018

前記アミド基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、モルフリル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。入手性の容易さ、更には得られるソフトコンタクトレンズ等に親水性を付与すると共に柔軟性、機械的強度を付与する点の理由からは、(D)成分として、N−ビニル−2−ピロリドン及び/又はN,N−ジメチルアクリルアミドを含むことが好ましく、この場合、N−ビニル−2−ピロリドン及び/又はN,N−ジメチルアクリルアミドの含有割合は、組成物全量基準で20〜39.9質量%であることが好ましい。
本発明の組成物において、(D)成分を含有させる場合の含有割合は、組成物全量基準で、通常0.1〜75質量%、好ましくは1〜50質量%である。
(D)成分を含有させる場合の含量が0.1質量%未満の場合には、得られるコンタクトレンズの含水率、柔軟性、破壊強度、破壊伸びの更なる改善効果が得られない恐れがあり、75質量%を超える場合には、酸素透過性が低下する恐れがある。

0019

本発明の組成物において前記他の単量体としては、(D)成分の他に、(B)成分と共重合可能単官能単量体、例えば、上記式(3)で表わされる(E)ケイ素原子含有単量体も挙げられる。
式(3)中、R6は水素原子又はメチル基を示し、pは1〜10の整数を示す。rは2又は3、qは0又は1であり、r+q=3である。pが10を超える場合、若しくはr及びqが上記条件を満たさない場合には、分子内に占めるシロキサン基の割合いが低下することにより、酸素透過性の低下の恐れがある。

0020

(E)成分としては、例えば、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、1−メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、1−ジメチル(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、単独若しくは2種以上の混合物として使用することができる。酸素透過性、入手性の容易さの理由からは、(E)成分としてトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
本発明の組成物において、(E)成分を含有させる場合の含有割合は、組成物全量基準で、通常0.1〜50質量%であり、且つ(B)成分と(E)成分との含量の和が組成物全量中50質量%以上、好ましくは60質量%以上である。(B)成分と(E)成分との含量の和が50質量%未満の場合には、例えば、ソフトコンタクトレンズとした際に、連続装用に可能な酸素透過性の向上効果が低くなる恐れがある。

0021

本発明の組成物においては、例えば、所望する耐タンパク汚染性、酸素透過性、親水性、柔軟性を損なわない限りにおいて、更に他の単量体を含有させることができる。例えば、アルキル(メタ)アクリレート、FMA、ポリジメチルシロキサンジ(メタ)アクリレート等が挙げられるがこれに限定されない。これら他の単量体の含有割合は、その目的等を案して適宜決定することができる。

0022

本発明のコンタクトレンズは、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を上述の特定割合で含むコンタクトレンズ用単量体組成物を共重合させ硬化させることにより得ることができる。また、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分、必要に応じて(E)成分を上述の特定割合で含むコンタクトレンズ用単量体組成物を共重合させ硬化させることにより、特に、耐タンパク汚染性、高酸素透過性、親水性、更に装用感を向上させる柔軟性等に優れるソフトコンタクトレンズ等を得ることができる。
本発明のコンタクトレンズは、通常酸素透過性が25×10-11[cc(STP)cm]/[cm2・sec・mmHg]以上である。また、前記(A)成分が2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、前記(B)成分が1−メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、前記(C)成分がエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、前記(D)成分が2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種、前記(E)成分がトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートであって、上述の特定割合で含むコンタクトレンズ用単量体組成物を共重合させ硬化させたコンタクトレンズの場合には、通常酸素透過性が50×10-11[cc(STP)cm]/[cm2・sec・mmHg]以上、含水率が35〜50%、且つ弾性率が1MPa以下であるコンタクトレンズとすることができる。

0023

本発明のコンタクトレンズの製造は、上述の本発明のコンタクトレンズ用組成物の他に、例えば、重合率、寸法安定性の向上、ソフトコンタクトレンズの洗浄性の向上、重合後の鋳型からの離型性の向上等を鑑み、必要に応じて溶媒を使用して製造することができる。
溶媒としては、例えば、水や、エチルアルコールイソプロピルアルコールブタノール等の脂肪族アルコールジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒クロロホルム等の塩素系溶剤オクタン酸オレイン酸等の脂肪酸、又はこれらの2種以上の適当な混合溶媒等が挙げられる。また、溶媒には適宜、ノニオンカチオン等の界面活性剤を使用することもできる。中でも特に、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが好適に使用できる。
溶媒の使用量は、その種類等に応じて適宜選択することができるが、コンタクトレンズ用単量体組成物100質量部に対して、通常、30質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以下である。該使用量が30質量部を超えるとコンタクトレンズの重合率、寸法安定性が低下し、更に溶媒が残留し易くなる。

0024

本発明のコンタクトレンズの製造にあたっては、得られるコンタクトレンズの所望の効果を損なわない範囲で、色素染料顔料等の着色料紫外線吸収剤等を適量用いることができる。
着色料としては、例えば、青色201号、青色204号、紫色201号、赤色404号、緑色202号、青色404号等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ)ベンゾトリアゾール、2−(ヒドロキシ)ベンゾフェノン等が好ましく挙げることができる。

0025

本発明のコンタクトレンズの製造において重合方法は、一般的なラジカル重合開始剤を使用するラジカル重合法によって実施される。例えば、塊状重合等の公知の技術によって行うことができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル過酸化ラウロイルジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシジイソブチレートアゾビスイソブチロニトリルアゾビスジメチルバレロニトリル、又はこれら適当な混合物等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、本発明のコンタクトレンズ単量体組成物の全単量体100質量部に対して、通常0.01〜5質量部、好ましくは0.05〜2質量部である。

0026

本発明のコンタクトレンズの製造は、例えば、コンタクトレンズ用単量体組成物とラジカル重合開始剤と、必要に応じて溶媒、各種添加剤を、所定の型枠注入し、加熱或いは光照射による鋳型重合によって直接コンタクトレンズを成形する方法、試験管等の適当な容器の中で共重合させ、丸棒(ロッド)又はブロックを得た後、切削研磨等の機械的加工によりコンタクトレンズに成形する方法、加熱或いは光照射を行いながらキャストする方法、予めラジカル重合法等で重合物を製造した後、重合物を適当な溶剤に溶解し、キャスト法により溶剤を除去する方法等により行うことができる。尚、本発明のコンタクトレンズは、例えば、含水している状態でも機械的強度に優れるため、上記方法の中でも、上記鋳型重合によって直接コンタクトレンズを成形する方法が好適である。

0027

以下、本発明を具体例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例の表に用いた略号は次の通りである。
<(A)成分>
MPC;2-メタクリロイルオキシエチル-2'-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート
MEPC;2-メタクリロイルオキシエトキシエチル-3'-(トリメチルアンモニオ)プロピルホスフェート
MTPC;2-メタクリロイルオキシテトラエトキシエチル-2'-(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート
<(B)成分>
MSMP;1-メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ-3-メタアクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロパン
TSMP;1-トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルオキシ-3-メタアクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロパン
<(C)成分>
EDMA;エチレングリコールジメタクリレート、TGDM;トリエチレングリコールジメタクリレート
<(D)成分>
HEMA;2-ヒドロキシエチルメタクリレート、HBMA;4-ヒドロキシブチルメタクリレート、NVP;N-ビニルピロリドン、DMA;N,N-ジメチルアクリルアミド
<(E)成分>
TRIS;トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート
MBIS;メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート

0028

<その他単量体>
SiDM;下記化学式で示されるケイ素原子含有化合物(式中nはおよそ40である)

0029

F17MA;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート
FMBM;1-(パーフルオロ-3'-メチルブチル)-3-メタアクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロパン、MMA;メチルメタクリレート

0030

実施例1
HEMA30質量部にMPC5質量部を混合溶解した。得られた混合物に更にMSMP20質量部、DMA44.7質量部、EDMA0.3質量部及びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5質量部を溶解したところ、光学的に透明で均一な配合物が得られた。この配合物を厚さ0.2mmのテフロン登録商標)製のシートスペーサーとしてガラス板ポリエステルフィルムの間に挟みこんだセル内に流し込み、オーブン内の窒素置換を行った後、65℃で3時間、80℃で8時間加熱した。加熱終了後硬化シートを型から取り出し大量のエチルアルコールに12時間浸漬し、更に大量のイオン交換水に12時間浸漬した。硬化シートをイオン交換水から取り出し目視によって透明性を評価したところ得られたシートは透明であった。このシートから所定の形状のテストピースを作製し、以下に示す各物性を評価した。結果を表1に示す。

0031

1.蛋白質吸着量の測定
アルブミン0.39%(W/V)、リゾチーム0.17%(W/V)、γ−グロブリン0.105%(W/V)の生理食塩水溶液に、サイズが10mm×10mm×0.2mmのテストピースを浸せき後、生理食塩水で軽くすすいだ。次いで、1質量%のドデシル硫酸ナトリウム界面活性剤水溶液を用いてテストピースから蛋白質剥離させ、その溶液に蛋白質定量用の試薬を注入し、テストピースに吸着した蛋白質の定量を行った。
蛋白質吸着量(μg/cm2)=単位面積あたりのテストピースから蛋白質を剥離して測定した蛋白質の量を測定結果とした。
2.酸素透過性の測定
製科研式フィルム酸素透過測定装置(理化精機工業製、K−316)を用いて、35℃のイオン交換水中酸素透過係数を求めた。表中の酸素透過性(Dk値)の単位は、10-11cc(STP)・cm/cm2・sec・mmHgである。

0032

3.含水率の測定
幅25mm、長さ50mmの含水したシートを、イオン交換水中に浸漬して飽和含水状態とした後質量を測定し、次にオーブン中で70℃で2時間減圧乾燥させ質量を測定した。下記式により含水率を算出した。表中の含水率の単位は%である。
含水率(%)=[(W1−W2)/W1]×100(W1:飽和含水時の質量、W2:乾燥質量)
4.弾性率の測定
含水したシートから長さ15mm、幅2mmの短冊20枚を切り出し、引っ張り試験機(山電株式会社製、レオナーRe-3305)を用いて含水した短冊の弾性率を測定した。表中の弾性率の単位はMPaである。

0033

実施例2〜15
実施例1と同様にして表1に示す単量体組成物を用いて重合体を得た後、含水シート及びテストピースを得た。得られた含水シート及びテストピースについて実施例1と同様に物性の測定を行った。結果を表1に示す。

0034

0035

比較例1
HEMA30質量部にMPC5質量部を混合溶解した。得られた混合物に更にTRIS20質量部、DMA45質量部及びAIBN0.5質量部を溶解したところ上下2層に分離した配合組成物が得られた。結果を表2に示す。

0036

比較例2〜12
比較例1と同様にして表2の単量体組成物を用いて配合組成物を得、該組成物が透明な均一溶液であったものについては、実施例1と同様にして重合体を得た後、含水シート及びテストピースを得た。得られた含水シート及びテストピースについて実施例1と同様に物性の測定を行った。結果を表2に示す。

0037

0038

以上の結果より、本発明の単量体組成物は、均一透明であることがわかる。また、単量体組成物を重合してなる実施例の含水シートは、比較例に比べて、耐タンパク汚染性、酸素透過性の両方に優れ、更には親水性及び柔軟性を有するソフトコンタクトレンズに好適であることがわかる。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ