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技術 金属母材の複合材料でできたインサートを有する管状構成部品の製造方法

出願人 サフラン・エアクラフト・エンジンズ
発明者 ジヤン-ミシエル・フランシエジル・クランアガト・ブナール
出願日 2006年5月26日 (14年5ヶ月経過) 出願番号 2006-146182
公開日 2007年1月18日 (13年10ヶ月経過) 公開番号 2007-007727
状態 特許登録済
技術分野 圧接、拡散接合 レーザ加工 複合金属又は合金の製造 圧接、拡散接合 抵抗溶接 スポット溶接
主要キーワード 回転ボビン 環状蓋 中空金属管 追加シート マンドレル周り 方向ストップ モノリシック層 汚染要素
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2007年1月18日)のものです。
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図面 (11)

課題

複合材料でできたインサートを含む、ターボマシンロータシャフトなどの管状の構成部品を製造できる方法を提供する。

解決手段

内部にセラミック繊維が延び、かつ金属母材の複合材料でできたインサートを有する、管状構成部品を製造する方法であって、このプロセスは、被覆されたフィラメント接合されたシート21を、金属マンドレル24の周りドレーピングし、各フィラメントは、金属シースで覆われたセラミック繊維を含み、フィラメントは、スポット溶接で接合される、ドレーピング工程を含むことを特徴とする。

概要

背景

特に航空の分野において、不断の目的の1つは、最小質量および最小サイズのために構成部品の強度を最適化することである。したがって、ある特定の構成部品は、今後、金属母材複合材料でできたインサートを含む可能性がある。このような複合材料は、例えば炭化ケイ素(SiC)セラミック繊維などの繊維が、内部を延びるチタン(Ti)合金などの金属合金母材を含む。このような繊維は、チタンの引っ張り強度よりもはるかに大きな引っ張り強度を有する(典型的には、1000MPaと比べて4000MPa)。したがって、負荷を担うのは繊維であって、金属合金母材は、構成部品の残りとの結合剤の機能と、さらに相互に接触してはならない繊維を保護および隔離する機能とを果たしている。さらに、セラミック繊維は、耐腐食性を有するが、必ず金属で補強されなければならない。

これらの複合材料は、例えばブレードなどモノリシックな構成部品用の補強材など、ディスクシャフトラム本体、ケーシング、およびスペーサを製造するのに使用できる。

このような複合材料インサートを得るために、「被覆されたフィラメント」と呼ばれる、金属によって被覆されたセラミック繊維を含むフィラメントが、予め形成される。金属は、フィラメントに必要な弾性と可撓性を与え、フィラメントの取扱いを容易にする。好ましくは、微細カーボンまたはタングステンフィラメントが、繊維の中心に、繊維の軸に沿って存在し、このカーボンフィラメントは、炭化ケイ素で被覆される。一方、繊維に付着される液状金属が冷却されるときに発生する熱緩和相違の際に、拡散隔壁緩衝機能を提供するために、繊維と金属との間にカーボン薄膜が置かれる。

複合材料フィラメントまたは被覆されたフィラメントの製造は、例えば、電界中での金属蒸着によって、金属粉末を用いた電気泳動によって、または液状金属浴でのセラミック繊維の浸漬被覆によってなどの、種々の方法で実行できる。セラミック繊維を液状金属に浸漬するこのような被覆プロセスが、本出願人名義の欧州特許第0931846号で提示されている。このプロセスによるフィラメントの製造は、短時間で可能である。このようにして、構成部品に含まれる複合材料インサートの製造の基礎として作用する、複合材料フィラメント、または被覆されたフィラメントが得られる。

金属合金母材の複合材料でできたインサートを備えた構成部品を得るための知られているプロセスにおいては、被覆されたフィラメントは、次に、プリフォーム(preform)と呼ばれる加工品から形成される。このようなプリフォームは、中心のマンドレル周りに延びる2つの金属保持フランジ間に、被覆されたフィラメントを巻きつけることによって得られる。巻きつけは、螺旋状に行われ、得られるプリフォームはディスク形状で、その厚さは、プリフォームを構成する被覆されたフィラメントの厚さである。プリフォームを確実に結合するために、保持フランジは、例えばアクリル樹脂など結合機能を与える材料が噴射される開口を含んでいる。

図1は、複合材料インサートを有する構成部品の一実施形態を概略的に示している。それぞれがディスク形の複数のプリフォーム1が、全体形状円筒形容器2内に積み重ねられている。容器は環状空洞3を有し、この空洞3の容器の軸4を横断する断面形状は、プリフォーム1の断面形状である。プリフォーム1は、空洞3の全高さが埋まるまで積み重ねられる。このようにして、典型的には80個のプリフォームが積み重ねられる。この操作は手作業である。

次に、結合剤の除去作業、続いてガス抜きが実行され、それによって例えばアクリル樹脂などの結合剤がプリフォーム1から除去される必要がある。これは、冷間および熱間のときに、汚染要素が、圧縮段階の間においてチタンと接触状態を維持してはならないためである。

環状空洞と相補的であるが軸方向寸法が小さい形状の突起部6を有する環状蓋5が、容器2の上部に置かれている。突起部6は、上部プリフォーム1と接触しており、蓋5は、例えば電子ビーム溶接によって容器2に溶接される。好ましくは、このアセンブリ真空内に置かれる。その後の工程において、このアセンブリは、熱間等静圧圧縮される。この作業の間、並置され被覆されたフィラメントで構成されるインサートが、圧縮され、被覆されたフィラメントの金属シースが、一体に溶接され、拡散によって容器2の空洞3の壁に溶接され、これにより、その内部でセラミック繊維(例えばSiC繊維)が環状に延びる、金属合金(例えばチタン合金)で構成された密なアセンブリを形成する。

積み重ねられたプリフォーム1を小型化した結果、複合材料でできたインサートを含む円筒形の構成部品が得られる。この構成部品は、任意に応力緩和処理されて、アセンブリが冷却されるとき、セラミック繊維とそれらが埋め込まれる金属との間の膨張差補償することができる。

次に、構成部品は、通常、最終的な構成部品を得るために機械加工される。

複合材料インサートを有する構成部品を製造するこのプロセスには、多くの欠点があり、長さ、複雑性、およびその工程が必要とする高精度の理由から、工業規模での利用を困難にしている。

第1に、セラミック繊維は脆いため、被覆されたフィラメントの操作が、特にフィラメント間の接触を防止しなければならず、被覆されたフィラメントの溶接は、従来は想定されていなかった。

さらに、結合剤除去およびガス抜き作業は、時間を要するだけでなく、結合剤を全て除去できる確実性がない。詳細には、チタン合金の適正な後続の作用に必要な、結合剤の完全な除去を保証するために、いくつかの結合剤除去およびガス抜き工程が必要である。これは、そのプロセスの総継続時間を長くし、全体のコストを増大させる。

さらに、フィラメントが2つのフランジ間に巻き付けられている間に破損した場合、新しいプリフォームを形成しなければならないが、現在に至るまで、この問題を解決し、巻き付けを再開する手段は何ら存在していない。

さらに、被覆されたフィラメントプリフォームを容器内に位置付けする工程は、現在、手作業である。それによって作業コストおよび特に作業の精度が、影響を受ける。現在、容器内での被覆されたフィラメントの位置付けは、それが複合材料の性能を決定する限りにおいては、製造工程の重要な要素であり、構成部品の主応力によってセラミック繊維の向きの影響を極めて強く受ける。被覆されたフィラメントの位置付けは、さらに、構成部品の製造の種々の工程の間に、セラミック繊維の完全性を保つことによって、複合材料の品質も決定する。最後に、繰り返すが、被覆されたフィラメントを位置付けする作業は比較的長く、手作業で行われるため、被覆されたフィラメントの位置付けが、構成部品の最終的なコストを決定する。したがって、容器内でのフィラメントの位置付けが、改良に役立つ。

複合材料でできたインサートを備えた構成部品の製造に関する従来の技術では、ロータディスクなどの環状の構成部品の製造が提案されている。複合材料でできたインサートを備えた管状の構成部品、特にロータシャフトを製造することが考えられているが、大きな技術的困難性が、そのような製造の工業的実現を妨げていた。シースの中に、シースを形成する2つのマンドレル間長手方向に延びる、相互に平行な被覆されたフィラメントをシースにすべり込ませ、次にアセンブリ全体に熱間等静圧圧縮を施すことを提案するプロセスが考えられてきた。不可能ではないにしても、被覆されたフィラメントの場合に、高密度の被覆されたフィラメントを得ることが望まれる場合、被覆されたフィラメントを挿入することが、極めて時間を要することは明らかである。さらに、フィラメントを適切に位置付けできないことは、フィラメントを損傷し、結果的に構成部品の不適切な作用を生じる危険性が高くなる。被覆されたフィラメントのプリフォームをシースの全長にわたって積み重ねることも考えられてきたが、このような積み重ねの欠点は先に述べた。さらに、力の効果的な利用のためには、セラミック繊維は構成部品を横切って延びないことが望ましい。
欧州特許第0931846号明細書

概要

複合材料でできたインサートを含む、ターボマシンのロータシャフトなどの管状の構成部品を製造できる方法を提供する。内部にセラミック繊維が延び、かつ金属母材の複合材料でできたインサートを有する、管状構成部品を製造する方法であって、このプロセスは、被覆されたフィラメントの接合されたシート21を、金属マンドレル24の周りでドレーピングし、各フィラメントは、金属シースで覆われたセラミック繊維を含み、フィラメントは、スポット溶接で接合される、ドレーピング工程を含むことを特徴とする。

目的

特に航空の分野において、不断の目的の1つは、最小質量および最小サイズのために構成部品の強度を最適化することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

内部にセラミック繊維が延び、かつ金属母材複合材料でできたインサートを有する、管状構成部品を製造する製造方法であって、被覆されたフィラメント接合されたシート(21)を金属マンドレル(24)の周りドレーピングし、各フィラメントが、金属シースで覆われたセラミック繊維を含み、フィラメントが、スポット溶接で接合される、ドレーピング工程を含むことを特徴とする、管状構成部品を製造する製造方法。

請求項2

シートの斜めにされた端部が、マンドレル(24)の一端の周りに巻き付けられ、次にシートが、マンドレルの周囲に螺旋状にドレーピングされる、請求項1に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

請求項3

すでにドレーピングされているシートの周りに、被覆されたフィラメントの接合されたシートを配置する少なくとも1つの追加工程を含む、請求項1または2に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

請求項4

マンドレル(24)と被覆されたフィラメントの接合された1つ以上のシート(21)とが、金属シースに挿入され、アセンブリ全体が、熱間等静圧圧縮によって小型化される、請求項1から3のいずれか一項に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

請求項5

熱間等静圧圧縮の前に、マンドレルの各端部が、金属円板溶接される、請求項4に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

請求項6

接合された1つ以上のシート(21)が、シートを製造する方法によって形成され、該シートを製造する方法において、被覆されたフィラメント(8)が、ワーピングされ、かつ駆動モジュールによってレーザ溶接装置(13)を通過して並べて駆動され、レーザ溶接装置(13)が、隣接フィラメント間スポット溶接点(19)を形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

請求項7

2つの電極(33、34)間の接触溶接方法中間周波数電流通過とを用いて、シートがマンドレルまたはすでにドレーピングされたシートに固定され、1つの電極がシートに付けられ、1つの電極がその支持体に付けられ、電流を流すことにより、固体状態拡散による溶接を誘導する、請求項1から6のいずれか一項に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

請求項8

シートが、ドレーピングの開始時と終了時の両方においてシートの両端で固定される、請求項7に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

請求項9

シートが、長手方向方向の帯部に沿って固定されている、請求項7または8に記載の管状構成部品を製造する製造方法。

技術分野

0001

本発明は、金属母材複合材料でできたインサートを含む管状構成部品の製造に関する。

背景技術

0002

特に航空の分野において、不断の目的の1つは、最小質量および最小サイズのために構成部品の強度を最適化することである。したがって、ある特定の構成部品は、今後、金属母材の複合材料でできたインサートを含む可能性がある。このような複合材料は、例えば炭化ケイ素(SiC)セラミック繊維などの繊維が、内部を延びるチタン(Ti)合金などの金属合金母材を含む。このような繊維は、チタンの引っ張り強度よりもはるかに大きな引っ張り強度を有する(典型的には、1000MPaと比べて4000MPa)。したがって、負荷を担うのは繊維であって、金属合金母材は、構成部品の残りとの結合剤の機能と、さらに相互に接触してはならない繊維を保護および隔離する機能とを果たしている。さらに、セラミック繊維は、耐腐食性を有するが、必ず金属で補強されなければならない。

0003

これらの複合材料は、例えばブレードなどモノリシックな構成部品用の補強材など、ディスクシャフトラム本体、ケーシング、およびスペーサを製造するのに使用できる。

0004

このような複合材料インサートを得るために、「被覆されたフィラメント」と呼ばれる、金属によって被覆されたセラミック繊維を含むフィラメントが、予め形成される。金属は、フィラメントに必要な弾性と可撓性を与え、フィラメントの取扱いを容易にする。好ましくは、微細カーボンまたはタングステンフィラメントが、繊維の中心に、繊維の軸に沿って存在し、このカーボンフィラメントは、炭化ケイ素で被覆される。一方、繊維に付着される液状金属が冷却されるときに発生する熱緩和相違の際に、拡散隔壁緩衝機能を提供するために、繊維と金属との間にカーボン薄膜が置かれる。

0005

複合材料フィラメントまたは被覆されたフィラメントの製造は、例えば、電界中での金属蒸着によって、金属粉末を用いた電気泳動によって、または液状金属浴でのセラミック繊維の浸漬被覆によってなどの、種々の方法で実行できる。セラミック繊維を液状金属に浸漬するこのような被覆プロセスが、本出願人名義の欧州特許第0931846号で提示されている。このプロセスによるフィラメントの製造は、短時間で可能である。このようにして、構成部品に含まれる複合材料インサートの製造の基礎として作用する、複合材料フィラメント、または被覆されたフィラメントが得られる。

0006

金属合金母材の複合材料でできたインサートを備えた構成部品を得るための知られているプロセスにおいては、被覆されたフィラメントは、次に、プリフォーム(preform)と呼ばれる加工品から形成される。このようなプリフォームは、中心のマンドレル周りに延びる2つの金属保持フランジ間に、被覆されたフィラメントを巻きつけることによって得られる。巻きつけは、螺旋状に行われ、得られるプリフォームはディスク形状で、その厚さは、プリフォームを構成する被覆されたフィラメントの厚さである。プリフォームを確実に結合するために、保持フランジは、例えばアクリル樹脂など結合機能を与える材料が噴射される開口を含んでいる。

0007

図1は、複合材料インサートを有する構成部品の一実施形態を概略的に示している。それぞれがディスク形の複数のプリフォーム1が、全体形状円筒形容器2内に積み重ねられている。容器は環状空洞3を有し、この空洞3の容器の軸4を横断する断面形状は、プリフォーム1の断面形状である。プリフォーム1は、空洞3の全高さが埋まるまで積み重ねられる。このようにして、典型的には80個のプリフォームが積み重ねられる。この操作は手作業である。

0008

次に、結合剤の除去作業、続いてガス抜きが実行され、それによって例えばアクリル樹脂などの結合剤がプリフォーム1から除去される必要がある。これは、冷間および熱間のときに、汚染要素が、圧縮段階の間においてチタンと接触状態を維持してはならないためである。

0009

環状空洞と相補的であるが軸方向寸法が小さい形状の突起部6を有する環状蓋5が、容器2の上部に置かれている。突起部6は、上部プリフォーム1と接触しており、蓋5は、例えば電子ビーム溶接によって容器2に溶接される。好ましくは、このアセンブリ真空内に置かれる。その後の工程において、このアセンブリは、熱間等静圧圧縮される。この作業の間、並置され被覆されたフィラメントで構成されるインサートが、圧縮され、被覆されたフィラメントの金属シースが、一体に溶接され、拡散によって容器2の空洞3の壁に溶接され、これにより、その内部でセラミック繊維(例えばSiC繊維)が環状に延びる、金属合金(例えばチタン合金)で構成された密なアセンブリを形成する。

0010

積み重ねられたプリフォーム1を小型化した結果、複合材料でできたインサートを含む円筒形の構成部品が得られる。この構成部品は、任意に応力緩和処理されて、アセンブリが冷却されるとき、セラミック繊維とそれらが埋め込まれる金属との間の膨張差補償することができる。

0011

次に、構成部品は、通常、最終的な構成部品を得るために機械加工される。

0012

複合材料インサートを有する構成部品を製造するこのプロセスには、多くの欠点があり、長さ、複雑性、およびその工程が必要とする高精度の理由から、工業規模での利用を困難にしている。

0013

第1に、セラミック繊維は脆いため、被覆されたフィラメントの操作が、特にフィラメント間の接触を防止しなければならず、被覆されたフィラメントの溶接は、従来は想定されていなかった。

0014

さらに、結合剤除去およびガス抜き作業は、時間を要するだけでなく、結合剤を全て除去できる確実性がない。詳細には、チタン合金の適正な後続の作用に必要な、結合剤の完全な除去を保証するために、いくつかの結合剤除去およびガス抜き工程が必要である。これは、そのプロセスの総継続時間を長くし、全体のコストを増大させる。

0015

さらに、フィラメントが2つのフランジ間に巻き付けられている間に破損した場合、新しいプリフォームを形成しなければならないが、現在に至るまで、この問題を解決し、巻き付けを再開する手段は何ら存在していない。

0016

さらに、被覆されたフィラメントプリフォームを容器内に位置付けする工程は、現在、手作業である。それによって作業コストおよび特に作業の精度が、影響を受ける。現在、容器内での被覆されたフィラメントの位置付けは、それが複合材料の性能を決定する限りにおいては、製造工程の重要な要素であり、構成部品の主応力によってセラミック繊維の向きの影響を極めて強く受ける。被覆されたフィラメントの位置付けは、さらに、構成部品の製造の種々の工程の間に、セラミック繊維の完全性を保つことによって、複合材料の品質も決定する。最後に、繰り返すが、被覆されたフィラメントを位置付けする作業は比較的長く、手作業で行われるため、被覆されたフィラメントの位置付けが、構成部品の最終的なコストを決定する。したがって、容器内でのフィラメントの位置付けが、改良に役立つ。

0017

複合材料でできたインサートを備えた構成部品の製造に関する従来の技術では、ロータディスクなどの環状の構成部品の製造が提案されている。複合材料でできたインサートを備えた管状の構成部品、特にロータシャフトを製造することが考えられているが、大きな技術的困難性が、そのような製造の工業的実現を妨げていた。シースの中に、シースを形成する2つのマンドレル間長手方向に延びる、相互に平行な被覆されたフィラメントをシースにすべり込ませ、次にアセンブリ全体に熱間等静圧圧縮を施すことを提案するプロセスが考えられてきた。不可能ではないにしても、被覆されたフィラメントの場合に、高密度の被覆されたフィラメントを得ることが望まれる場合、被覆されたフィラメントを挿入することが、極めて時間を要することは明らかである。さらに、フィラメントを適切に位置付けできないことは、フィラメントを損傷し、結果的に構成部品の不適切な作用を生じる危険性が高くなる。被覆されたフィラメントのプリフォームをシースの全長にわたって積み重ねることも考えられてきたが、このような積み重ねの欠点は先に述べた。さらに、力の効果的な利用のためには、セラミック繊維は構成部品を横切って延びないことが望ましい。
欧州特許第0931846号明細書

発明が解決しようとする課題

0018

本発明の主題は、複合材料でできたインサートを含む、ターボマシンのロータシャフトなどの管状の構成部品を製造できる方法であり、前記方法は、工業規模で実施できる。

課題を解決するための手段

0019

本発明によれば、金属母材の複合材料でできたインサートを含み、かつ内部でセラミック繊維が延びる、管状の構成部品を製造する方法は、被覆されたフィラメントの接合されたシートを、金属マンドレルの周りでドーピングしまたは覆い、各フィラメントは、金属シースで覆われたセラミック繊維を有し、フィラメントは、スポット溶接で接合される、ドレーピング(draping)工程を含んでいることを特徴とする。

0020

添付の図面を参照する以下の説明を読むことにより、本発明はより明確に理解され、他の特徴が明らかになろう。

発明を実施するための最良の形態

0021

被覆されたフィラメントの接合されたシートを製造する方法を最初に説明する。

0022

最初に、複数の被覆されたフィラメントが、知られている技術のうちの1つによって、好ましくはセラミック繊維が液状金属浴に浸漬される被覆プロセスによって、形成される。これらのフィラメントは、それぞれボビンに巻き付けられている。各フィラメントの直径は、例えば0.2mmから0.3mmである。

0023

図2を参照すると、それぞれの周囲に被覆されたフィラメント8が巻き付けられた複数のボビン7が、ボビン7のモジュール9に配置されている。このモジュール9によって、以下に示すように、フィラメント8を互いに交差させずに、ボビン7をワーピングモジュールの方向に巻き戻すことができるように配置することができる。この場合、ボビンモジュール9は、ボビン7のうち半分は三角形一辺に沿って、残り半分は三角形の他辺に沿って支持する、二等辺三角形の形状の構造を有する。三角形の頂点は、ボビン7から、ボビンモジュール9の構造を形成する三角形の対称軸上に位置する点の方向に、フィラメント8が巻き戻される辺に向いている。

0024

別の実施形態では、各ボビン7は、被覆されたフィラメントの束またはアレイを支持してもよい。したがって、100本の被覆されたフィラメントのシートを形成するには、周囲に巻き付けられた10本の被覆されたフィラメントの束を有する、10個のボビン7を使用してよい。

0025

被覆されたフィラメント8は、ワーピングモジュール10の方向に巻き戻される。ワーピングモジュール10が、その構造が当業者には理解できるため、概略的に簡単にここに示されている。ワーピングモジュール10は、織物の分野で用いられるワーピングモジュールに類似するものである。ワーピングモジュール10は、互いに接触して相互に重なることなく、同一平面の層として、フィラメント8を相互に平行に延ばすことができる、案内手段を含む。目的は、相互に接触する平行なフィラメント8の平坦なシートを形成することである。

0026

このようにワーピングされたフィラメント8が、レーザ溶接モジュール11内に導かれる。このモジュールは、その上方でフィラメント8が移動する平坦な支持体12を含み、この支持体の上方に、レーザ溶接装置13が取り付けられている。したがって、フィラメント8は、レーザ溶接装置13を通過して駆動される。好ましくは、アセンブリ全体が、不活性雰囲気内、例えばノズルを介して注入されるアルゴン雰囲気内に収容される。レーザ溶接装置13は、例えばネオジウム(Nd)がドープされたYAG(イットリウムアルミニウムガーネットレーザを備えてもよい。このYAGレーザは、その出力およびそのレーザビーム照射点に関して高精度であるという利点を有し、きわめて細いビームを有するという利点もある。好ましくは、この場合のレーザは、2Wから5Wの間の出力を有する。

0027

レーザ溶接モジュール11の下流側で、フィラメント8が、モジュール17によって駆動され、フィラメント8はボビンモジュール9から支持体12の上に移動するように引き出される。この駆動モジュール17は、この場合、その周りにフィラメント8が巻きつけられる回転ボビン17’を含む。ボビン17’は、矢印18で示すように回転する。このように、フィラメント8は、駆動モジュール17によって、ボビンモジュール9の各ボビン7から、ワーピングモジュール10およびレーザ溶接モジュール11に沿って駆動され、アセンブリ全体は、被覆されたフィラメント8の接合されたシートを形成する装置55を形成する。接合されたシートは、駆動モジュールのボビン17’に巻き付けられる。

0028

図5は、2つのフィラメント8を一体に溶接するレーザ溶接装置11において、フィラメント8が移動する方向と交差する面における断面図を示している。溶接は、レーザ溶接装置13を用いたスポット溶接により実行される。各フィラメント8は、複数のスポット溶接点によってその隣接フィラメントと接合される。各フィラメント8は、すでに理解されるように、例えばTi合金でできたシースなど、金属シース15で覆われたセラミック繊維14を含む。レーザビームは、矢印16で示されるように、支持体12に沿って駆動されるフィラメント8の軸全てを含む面と垂直に、2つの連続したフィラメント8間の接触点の方向に向けられる。これにより、フィラメントの金属シース15を局所的に溶解する。レーザは、低出力で使用されるが、高度に集束しているため、セラミック繊維14は、この局所的な溶解によって影響を受けない。金属シース15の最小の体積が溶解される。これは、フィラメント8が、この点で一体に接合されていることを保証するのに十分である。溶接パラメータは、金属の溶解から生じる溶解プール流れ出ないように最適化される。

0029

レーザビームは、2つのフィラメント8と重なる点領域に沿って、フィラメント8の面に垂直に向けられることが重要であり、それによってレーザビームが、セラミック繊維14を損傷せず、その完全性は、複合材料インサートを有する構成部品の製造の用途において、レーザビームに割り当てられる作用に必要な条件である。

0030

スポット溶接の強度は、あまり大きくなくてもよい。スポット溶接の機能は、単に、接合されたシートを形成する目的で、フィラメント8を全体に結合し、または相互に保持することを保証するだけでよい。この結合は、例えば、複合材料のインサートを有する構成部品を形成するために、シートを扱い、場合によっては巻き付けたり、巻き戻したりすることができるのに十分な強度だけあればよい。したがって、溶接は、単にフィラメント8を一体に保持するだけである。

0031

図3および図4は、12本の被覆されたフィラメント8を有するシートを形成する場合における、レーザ溶接モジュール11の2つの考えられる動作モードを概略的に示している。

0032

図3の動作モードにおいては、被覆されたフィラメント8が、レーザ溶接装置13の下に位置する場合、駆動モジュール17が停止して、フィラメント8を静止状態にする。次に、溶接装置13は、フィラメントが、溶接装置13の下で移動する方向に垂直なセグメントに沿って、隣接するフィラメント8間で一連のスポット溶接点を形成する。この目的のために、溶接装置13は、図5を参照して上記で説明したように、2つのフィラメント8間で第1のスポット溶接点19を形成する。次に、溶接装置は、2つのフィラメント8間の次の接触点と一致するように、フィラメント8の移動方向と垂直に停止および移動され、全てのフィラメント8がこの移動部分に沿って一体に接合されるまで、第2のスポット溶接点19(および後続の溶接点)で溶接される。したがって、溶接装置13は、溶接装置13の下のフィラメント8の移動方向に垂直なスポット溶接19のセグメントを形成する。次に、駆動モジュール17が作動されて、フィラメント8を、溶接装置13を過ぎて長さ「L」分だけ移動させ、その後、最初のセグメントと平行な別のセグメントでこの動作が繰り返される。

0033

図4で示す動作モードでは、フィラメント8が、矢印20で示す移動の方向および向きに連続して駆動され、この移動は、駆動モジュール17によってなされる。溶接装置13は、先と同じ動作、すなわち溶接動作を実行し、その後フィラメント8が、第1のフィラメント8から最後のフィラメントまで移動方向20と垂直な経路などに沿って次の点の方向に移動し、次に逆方向に移動する。フィラメント8の移動速度が十分に遅い場合、移動する2つのフィラメント8間のスポット溶接19が可能である。したがって一連のスポット溶接点19が、フィラメント8間で形成され、この溶接点は、フィラメント8によって形成されたシート上でジグザグ形状を形成する。

0034

各スポット溶接点19を溶接する際に、駆動モジュール17を停止することによって、ジグザグ形状のスポット溶接点19のこのような分布を得ることもできる。駆動モジュール17は、溶接装置13が移動している間に、フィラメント8を、各スポット溶接点19間の短い距離「l」にわたり駆動する。

0035

さらに、スポット溶接点19を形成する瞬間に、フィラメント8の移動速度だけを遅くなるように作動することもできる。

0036

スポット溶接点19をこのように分布する利点は、フィラメント8によって形成されるシートの表面全体にわたり、優れた均一性が得られることである。

0037

どのような場合にも、レーザ溶接モジュール11を出ると、フィラメント8は、保持しているスポット溶接点19でフィラメント8が一体に接合される、接合されたシートの形状となる。シートは、駆動モジュール17のボビン17’に巻き付けられる。

0038

被覆されたフィラメント8の接合されたシートを製造するプロセスの準備段階は、ここでは参照していない。設定段階は、当業者が自由に構成することができる。設定段階は、例えば、プロセスの開始時に、フィラメント8をボビン17’に一体に接合することなく、したがってシート形状でない最後に巻かれたシートの最も内側の部分を巻き付けることによって、あるいは、例えば、別の駆動装置を用いて、プロセスの開始時にフィラメントを駆動し、フィラメントがシート形状になり始めると、それらをボビン17’に接続させることによって、構成できる。

0039

図3に示す部分構成におけるスポット溶接点19のセグメント間の距離「L」、または図4に示すジグザグ形状の2つの連続したスポット溶接点19間の長手方向距離「l」は、被覆されたフィラメント8のシートの所望の剛性によって定められる。したがって、固いシートについては、スポット溶接点19が互いに接近され、柔軟なシートについては、スポット溶接点19はより離れる。スポット溶接点19の分布の別の構成も、当然考えられる。スポット溶接点19の構成および間隔は、接合されたシートの意図する用途に応じて選択され、特に、シートを巻き付け、捩れ等にする必要がある場合、最小限の空間を考慮することにより、用途の定められた条件の下でのアセンブリ全体の接合を保証する。スポット溶接点19の分布構成に関する仕様は、プロセス自体によって決まるというよりむしろ、被覆されたフィラメント8のシートの意図する用途によって決まる。

0040

これまで説明してきたプロセスを実現するために、レーザ溶接の実行速度とその精度のもたらす結果として、一体に接合される被覆されたフィラメント8の接合されたシートを、自動システムにおいて工業規模で製造できる。したがって、大量の被覆されたフィラメント8のシートが、様々な方法で利用可能な形状で高速に得られる(数キロメートル同一シートを形成することができる)。さらに、シートは、フィラメント8の金属シース15を溶解することによって、したがって材料を追加せずに、特に接着剤などの結合剤を追加せずに一体に接合され、それによって、一般には、被覆されたフィラメントを用いて複合材料インサートを有する構成部品を形成するプロセスにおいて、全ての結合剤を除去する工程を無くすることができる。

0041

次に、本発明による、金属母材複合材料でできたインサートを有する管状構成部品を製造する方法を述べる。

0042

図6を参照すると、被覆されたフィラメント8のシート21が、結果として形成され、前記シートは、ここでは、図3で示されるシートを形成する方法によって、一体に固定された14の相互に平行なフィラメントを含む。このように、相互に平行な、シート21の全体軸23に垂直な(すなわち、フィラメントが直線状に延びているときの、フィラメント8の軸に垂直に)セグメント22に沿って延びるスポット溶接点によって、フィラメント8は一体に接合される。幅「D」のシート21の末端セグメント26、27を得るために、シート21の両端が斜めにされ、シート21の軸23に対して角度「α」を形成する。

0043

図7を参照すると、このように斜めにされたシート21は、円筒形マンドレル24の周りにドレーピングされるかまたは配置される。このマンドレル24は、中空金属管で、ここではチタン合金であり、好ましくは、被覆されたフィラメント8のセラミック繊維が被覆される金属と同一金属で作られる。マンドレルは、円形の外周を有し、その値は、シート21の斜めにされた両端の幅「D」の値と同一である。ドレーピングの前に、シート21が、マンドレル24の一端の周りに、その末端セグメント26の1つにより巻き付けられ、その後マンドレル24の周りに螺旋状にドレーピングされる。螺旋状のドレーピングは、シート21の軸23と、シート21の斜めにされた両端を形成するセグメント26、27との間、特にマンドレル24の一端の周りに予め巻き付けられているセグメント26との間の角度αのために可能である。シート21の長手方向の縁部は、マンドレル24の軸25に対して角度β(ここで、β=π/2−α)を形成する。シート21は、マンドレル24の周囲に全てドレーピングされ、シート21の被覆されたフィラメント8を相互に重ねずに、マンドレルの外面を完全に覆う。シート21の長手方向の縁部は、ドレーピングの各巻き付けに続いて相互に接触する。最後に、シート21は、その末端セグメント26、27が、その寸法がマンドレル24の展開面積に一致するように設計され、斜めにされる。

0044

最終構成部品において望まれる金属母材の複合材料でできたインサートの厚みに応じて、マンドレル24の周りに複数のシート21を次々にドレーピングできる。好ましくは、1枚のシートが、先のシート21の周りにドレーピングされると、マンドレル24の端部の最初の位置は、新しいシートがドレーピングされ終わると、その被覆されたフィラメント8は、それぞれ先行のシートの2つの被覆されたフィラメント8の間に交互に延び、それによってアセンブリをさらに小型にする。さらに、シート21を、角度を付けてずらすことにより、さらにシートの長手方向の縁部が、それに沿って接合する曲線が相互にずれ、好ましくは可能な限り離れてずれるようにする(2つの長手方向の縁部間の接触を形成する各曲線は、例えば、先行シートの2つの隣接曲線から等距離に位置してもよい)。各新しいシート21の寸法は、すでにドレーピングされたシート21の数によって調節しなければならないことは言うまでもない。個々のフィラメントの寸法と、マンドレルの周辺長さと、すでにドレーピングされた層の数とを知ることにより、各追加シートを形成するフィラメントの数は、容易に計算できる。好ましくは、シート21が最初に配置されかつ巻き付けられるマンドレル24の端部は、シート21の総数の厚みと同一かこれよりも大きい半径方向寸法の、軸方向ストップを形成するリムを有する。同じことは他端にも適用できる。

0045

角度αは、最終構成部品が受ける応力および種々の応力モード(遠心力、引張り力ねじれ、圧縮など)に応じて、当業者により決定される。力を受けるのは、主にセラミック繊維で、それらの向きおよび分布が、構成部品の性質に重要な影響を有する。したがって、当該用途に応じて、角度α、被覆されたフィラメント8の直径、セラミック繊維の直径などを適合させることができる。ここで考慮される特定の場合においては、αは45°に設定される。

0046

任意に、多数のシート21が、マンドレル24の周りにドレーピングされる場合、種々の角度αが、これらシート21に与えられてもよい。しかし、この場合には、その金属シースがより厚い被覆されたフィラメント8を用いて、被覆されたフィラメント内にあるセラミック繊維を適切に保護することが推奨される。

0047

シート21をドレーピングするために、シート21の端部26が、マンドレル24または先行のシートの端部周りに巻き付けられるとき、ドレーピングの開始時に、シートが最初のシート21である場合には、シートはマンドレル24に固定され、あるいはシートが最後のシート21である場合には、先行のシートに固定される。ドレーピングが続行され、シート21の他端が、同様の方法でアセンブリ全体に固定される。好ましくは、2つの電極間の接触と中間周波数電流通過による、接触溶接方法が用いられ、後で示されるように、シート21の端部の細い帯部を溶接する。任意の別の方法を採用してもよい。

0048

実施の別の方法によれば、シート21は、マンドレル24に対して長手方向の線に沿って、好ましくは、後述するように、2つの電極の接触と中間周波数の電流通過とによる接触溶接方法を用いて、マンドレル24または先行のシートに溶接されてもよい。

0049

所望の数のシート21が、マンドレル24の周囲にドレーピングされ終わると、アセンブリ全体が、このアセンブリの外径と等しい内径を有するシース内に挿入される。好ましくは、このシースは、被覆されたフィラメント8の繊維を被覆する金属合金と同一の金属合金、ここではチタン合金で作製される。好ましくは金属円板によって両端のそれぞれに差し込まれるアセンブリが、均一かつ円筒形状になるように、シースは、マンドレル24の軸方向ストップを形成するリムと相補的である。円板およびシースは、好ましくは、電子ビーム溶接によって溶接されて、密封された容器を形成する。これらの円板は、チタン合金で作製されるのが好ましい。電子ビーム溶接によって、シース内部に予め真空を生成できる。形成されたアセンブリは、次に熱間等静圧圧縮によって小型化される。

0050

例えば圧力1000bar、950℃で実施される熱間等静圧圧縮の間において、チタン合金は拡散させられ、内部でセラミック繊維が延びる複合材料の金属母材を作製するように形成される。チタン合金は、高温粘性があるため、金属母材を形成する間、セラミック繊維を損傷せずに、材料の良好な拡散フローを可能にする。したがって、当該の特定の場合においては、マンドレル24に対応する内側のチタン合金厚みと、セラミック繊維が螺旋状に延びるチタン合金母材を有する複合材料でできた中心のインサートと、シースに対応する外側のチタン合金厚みとを有する、シャフトが得られる。

0051

このシャフトは、所望の最終構成部品に一致するように機械加工できる。好ましくは、金属板と、シートに対する1つまたは両方の任意の軸方向ストップリムとを備えたシャフトの両端を除去して、全長に渡って均一なシャフトを得ることができる。このようなシャフトは、複合材料インサートによる力に対して優れた抵抗力を有する利点があり、それによってシャフト壁全厚みを、従来のシャフトの全厚みよりも大幅に薄くすることができる。この薄い厚みは、大幅な軽量化とは別に、サイズが小さいことを意味し、これは多くの同軸シャフトの存在を必要とする用途において有用である。シャフトは、そのベースの構成要素が、ここではチタン合金であるため、極めて優れた耐腐食性も示し、その耐腐食性は、例えばスチールの耐腐食性より優れている。ただし、セラミック繊維が存在しない場合は、チタン合金は、力に対して十分な抵抗力を有さない。

0052

上述のプロセスは、その実行の簡単さおよび高信頼性の理由から、工業規模で実現可能であり、以下に述べるレーザスポット溶接および電極接触溶接によってシートを形成する方法を用いる場合には、さらにこれが言える。レーザ溶接によって形成されたシートは、すでに理解されたように、強度が大きく、さらに可変強度であり、取扱いが容易であり、接着剤など何らかの追加材料が不要であるという利点を有する。これによって、結合剤除去およびガス抜き操作がなくなり、Ti合金とセラミック繊維のみを含んだシートを、直接ドレーピングすることを可能にする。

0053

複合材料インサートを有する管状構成部品を製造する上述のプロセスにおいては、少なくともプロセスの最初と最後に、シートを上に巻き付ける金属支持体か、または底部の層のシートのどちらかに、シートを固定することが有利である。

0054

これまで、被覆されたフィラメントを固定するプロセスは、フィラメント上に接着剤を噴射することを提示してきたが、これの欠点は上に述べた。さらに、シートを溶接する工程を含むプロセスは、多くの実行困難性に直面するため通常は避けられる。最大の困難性は、被覆されたフィラメント内にあるセラミック繊維が損傷を受けないようにしなければならないことである。これらの繊維の直径は、100μmから200μmまたはそれ以上であり、曲げおよび剪断力に特に脆い。被覆されたフィラメントのセラミック繊維に対するあらゆる損傷は、このフィラメントに固有の利点を無効にする。

0055

以下に、被覆されたフィラメント、または接合されたシートまたは被覆されたフィラメントの束を、金属支持体に局所的に溶接するプロセスおよび装置を説明する。なお、支持体は、厳密な意味では金属支持体か、別の被覆されたフィラメントか、別のシートまたは被覆されたフィラメントの束のいずれかであることを理解されたい。このプロセスおよびこの装置によって、フィラメント内にあるセラミック繊維の完全性を保ちながら、フィラメントまたはシートまたは束を支持体に固定することができる。このプロセスおよび装置は、さらに、巻き付けまたは配置プロセス中に破損した場合に、フィラメントを修復することもできる。

0056

図8を参照すると、図は、例えば、シートを形成するための上述のプロセスによって形成された被覆されたフィラメント8のシート29が、マンドレル24に接合されることを示す。このため、巻き付けの開始時に、マンドレル24にシート29を固定することが望ましい。これを実行するために、2つの電極間を溶接し、中間周波数電流を通す接触溶接装置31が用いられる。被覆されたフィラメント8が、マンドレル24の外周に沿って延びる。シート29は、ここでは10本のフィラメントを有する。

0057

電極溶接装置31は、正電極33と負電極34とに接続される中間周波数発生器32を含む。図8に示す実施形態においては、正電極33と負電極34とは、マンドレル24の軸に沿って延びる。これらの電極の断面形状は、幅全体にわたり均一である。

0058

例えば銅またはタングステンで形成された正電極33は、斜めにされた端部37を有する。この端部37の形状は、電流ライン最大限収束することにより、正電極33と被覆されたフィラメント8のシート29との間の可能な限り狭い、接触線または接触帯部に沿って通過するような形状に形成される。この端部37は丸くされ、フィラメント8を剪断し損傷する危険性のないようにされる。この端部37の半径は、電流ラインが可能な最大の収束を得るが、小さ過ぎず、フィラメント8を剪断しないよう選ばれる。

0059

負電極34の形状もまた、シート29を溶接しなければならないマンドレル24との接触領域を最小限にすることにより、電流ライン38を可能な限り狭い線または帯部に沿って収束させるような形状に形成される。ここでは管状であるマンドレル24の幾何形状は、円筒形の負電極34を使用でき、これによって、電流ラインの収束に好適な発生器への接触領域を低減することを意味している。

0060

電極33、34をこのように配置することによって、シート29を、極めて狭い帯部に沿ってマンドレル24に溶接することを保証する。この帯部における電流の集中は、一定である。

0061

電極溶接プロセスは、シート29の金属の加熱を、シート29を押し付ける電極33、34によって得られるわずかな鍛造効果と組み合わせるという特別な特徴を含む。有利には、加熱および押し付けの力と継続時間を制御し、最小の金属の加熱とその鍛造効果を得て、これにより固体溶接を可能にする。

0062

シート29は、正電極33と負電極34との間で、シート29とマンドレル24を通る電流流れによって加熱され、中間周波数発生器32によって発生された電流が制御される。圧力が、シートを押し付ける正電極33によって、ここでは、シート29に印加され、このように正電極は第2の機能、すなわち押し付けの機能を有する。シート29のフィラメント8は剪断されてならないため、シートの端部37の丸みを帯びた形状が、この機能にとって重要であることが大前提である。

0063

図9は、時間tの関数として、破線曲線56として、電極33、34間を通る電流の強度の変化を示し、x軸上の実線曲線57として、正電極33によって加えられる圧力の変化を示す、グラフである。さらに、x軸の下には、シート29の圧縮を表す実線曲線58が示されている。

0064

次に、電極溶接プロセスの実行を、以下に説明する。上述のとおり、これは固体溶接プロセスである。正電極33と負電極34とは、被覆されたフィラメント8のシート29とマンドレル24の内面とにそれぞれ接触するようにされる。第1段階においては、2つの電極33、34間で圧力のみが被覆されたフィラメント8に印加される。圧力は値P1とされ、この圧力が時間t1まで維持される。好ましくは、P1は50Wから100Wである。この「冷間」圧縮成形段階の機能は、被覆されたフィラメント8間と、マンドレル24の壁面との両方に、被覆されたフィラメント8が良好に接触することを保証することである。被覆されたフィラメント8のうち少なくとも2つの層が、一体に溶接される、後に試験される場合においては、この段階の間における目的は、当該の全フィラメントを確実に相互に接触させることである(フィラメントの一層が、残りの層に対する支持体の役割を果たしている)。この良好な接触によって、次の段階の間における電流の適正な流れを保証する。

0065

第2段階においては、時間t1で、圧力はP1に一定値を維持するが、電流は値I1まで増加する。好ましくは、I1は500Aから1500Aの間である。これによって被覆されたフィラメント8のセラミック繊維を被覆する金属が加熱され、溶接プロセスが開始される。

0066

第3段階においては、時間t2で、圧力はP1よりも大きい値P2まで増加し、シート29の被覆されたワイヤ8の追加的な鍛造を実行する。追加の鍛造のため、すなわち電流の流れ(したがって加熱)と増加した圧力の作用の組み合わせのために、時間t2までわずかであり均一であったシート29の圧縮が、増加することが、曲線58から分かる。次に溶接がなされる。

0067

第4段階において、時間t3の後に、圧力が値P1にまで戻される。

0068

第5段階において、圧力が値P1に復帰した時間t4から、電流はゼロにリセットされ、一方で、圧力は値P1に維持されて、電極33、34によって加えられる圧力をゼロまで低減して、プロセスを完了する最終段階の開始である時間t5まで、溶接部が冷却するときに溶接部を適正な位置に保持する。

0069

曲線58から、第4、第5、および最終段階の間に、シート29の圧縮が、弾性効果によってわずかに低減される(すなわち、シートの厚みが再びわずかに増す)ことが、分かる。圧縮は、通常0.05mmから0.15mmの範囲にある。

0070

したがって、2つの電極間のこの接触溶接プロセスにより、被覆されたフィラメント8の金属シースは、局所的に加熱および溶接され、これにより、正電極33の端部37とシート29との間の接触領域の狭い帯部に沿って、マンドレル24の外面について示した場合には、シース間で、それらの支持体との接合を形成する。この溶接は、セラミック繊維を損なうことなくなされる。より詳細には、中間周波数の電流を通すことによって、局部的温度上昇を発生させて、被覆されたフィラメント8のシースの構成材料は、固体状態を維持するが、材料を溶接(および鍛造)する温度範囲に到達して、材料の融点には到達しないようにする。電極によって印加される力(典型的には10DaNのオーダー)によって、溶接を作動できる。このように、この帯部に沿って、内部にセラミック繊維が位置する金属のモノリシックな厚みが得られ、前記繊維は、溶接作業によって損なわれない。

0071

このように、シート29がマンドレル24に固定されると、配置プロセスを開始できる。この固定はそれ程強くなくてもよく、意図される用途、ここでは被覆されたフィラメント8のシート29をマンドレル24に配置することに対して、十分な溶接保持帯部である。

0072

図10を参照すると、同じ動作が配置の終了時に実行され、これにより、シート29の端部を、その真下に位置するシート29の底部層に溶接する。用いられる接触溶接プロセスは同様である。中間周波数発生器32で発生された電流と、正電極33によって加えられる圧力が、好ましくは、シート29の2つの最も外側の層だけが一体に溶接されて、溶接帯部に沿って、2列のセラミック繊維が狭い幅にわたって位置するモノリシック層であるように形成されるように、最適化される。シート29の複数の層を一体に溶接することは排除されない。これは必ずしも欠点を伴わない。この理由は、配置が、1つの構成部品内に1つのインサートを形成するよう意図されている場合には、アセンブリ全体は、いずれにせよ、その後小型化されるからである。それにもかかわらず、エネルギーレベルを制御して、シートの溶接深さを制御する。電流は、正電極33からシート29の全ての層とマンドレル24とを通って負電極34に流れる。「冷間」押し付け段階によって、電流を適切に流すための、層間の接触を確実に行なう。

0073

装置を横断方向に利用することによって、マンドレル24の軸を横切る溶接帯部を形成することもできる。次に、正電極33の斜めにした端部37を凹形状として、溶接帯部をその端部の全周辺周りに形成するように、マンドレル24が回転されることができる。

0074

1つまたは複数の被覆されたフィラメントを溶接する接触溶接プロセスによって、フィラメントまたはシートまたはフィラメントの束が、巻き付けられまたはドレーピングされている間に破損した場合、それらを修復することも考えられる。従来技術においては、フィラメントが巻き付けられていた場合、それが破損すると、巻き付けプロセスを停止し、巻き付けプロセスを新しく開始しなければならず、巻き付けられかつ破損したフィラメントが失われることを意味していた。接触溶接プロセスによって、フィラメントまたはシートの破損した端部を一体に溶接することができ、巻き付けまたはドレーピングを再開することができる。

図面の簡単な説明

0075

従来技術の複合材料インサートを有する構成部品を得るための操作の概略斜視図である。
被覆されたフィラメントの接合されたシートを製造する装置の概略図である。
図2の装置の第1の動作モードによって形成されたシートの上方からの概略図である。
図2の装置の第2の動作モードによって形成されたシートの上方からの概略図である。
2つのフィラメントを一体に溶接するための、図2の装置のレーザ溶接モジュールにおいて、被覆されたフィラメントが移動する方向を横切る平面における断面概略図である。
複合材料でできたインサートを有する管状構成部品を製造するプロセスを実行するための、斜めにされた両端を有する被覆されたフィラメントのシートの概略斜視図である。
マンドレル周り図6のシートを配置する概略斜視図である。
マンドレル上へのシートの巻き付け開始時に、金属支持体に被覆されたフィラメントのシートを溶接する電極溶接装置の第1の実施形態の概略斜視図である。
本発明の用途において述べた支持体に被覆されたフィラメントのシートを溶接する電極溶接プロセスにおいて、時間の関数として、電極間を流れる電流の強度の変化と、電極によって加えられる圧力の変化と、シートの小型化の変化を概略的に示すグラフである。
マンドレル上へのシートの巻き付け終了時における、図8の装置の断面を概略的に示す図である。

符号の説明

0076

7ボビン
8被覆されたフィラメント
9 ボビンモジュール
10ワーピングモジュール
11レーザ溶接モジュール
12平坦な支持体
13レーザ溶接装置
14セラミック繊維
15金属シース
17駆動モジュール
17’回転ボビン
19スポット溶接点
21、29シート
22セグメント
23 全体軸
24円筒形マンドレル
25 軸
26、27末端セグメント
31電極溶接装置
32中間周波数発生器
33正電極
34負電極
37 端部
38 電流ライン

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