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技術 キトサン微粒子

出願人 大日精化工業株式会社
発明者 山南隆徳土田真也家田和重関光孝小林誠幸伊勢浩志小林丘
出願日 2005年6月24日 (14年8ヶ月経過) 出願番号 2005-184805
公開日 2007年1月11日 (13年2ヶ月経過) 公開番号 2007-002123
状態 特許登録済
技術分野 多糖類及びその誘導体
主要キーワード ポリラップ 低分子量化処理 新タイプ 取り込み回数 機能性高分子化合物 原料キチン 複合化材料 キトサン微粒子
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重要な関連分野

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課題

他の高分子化合物などとの複合化材料として有用なキトサン微粒子経済的に提供すること。

解決手段

原料生物から一回も溶解工程を経ずに製造された脱アセチル化度60%以上、1質量%溶液粘度が1.5mPa・s以上1,000mPa・s以下かつ粒径100μm以下の粒子が90%以上であることを特徴とするキトサン微粒子。

概要

背景

キトサンは、天然に存在することが知られている多糖であるが、工業的にはエビカニなどの甲殻類から分離されるキチン脱アセチル化することによって生産されている。このキトサンは生分解性高分子化合物植物活性調整剤として実用されている。

また、キトサンは製膜性、抗菌性保水性および凝集能などの機能を有する機能性高分子化合物として各方面で実用されており、特に、最近では各種基材に、これら機能を付与することができる安全な機能付与剤としての応用が進んでいる。例えば、実際に、各種フィルム、不織布、繊維製品への抗菌性、脱臭性付与コーティング材として広範に利用されている。現在、キトサンの最大の用途は所謂サプリメント用であり、80メッシュパス粒径約200μm)粉末流通している。

キトサンは、キチンと同様に高分子化合物の中でも特に難粉砕性物質であり、現状市販されている乾式粉砕機では、サプリメント用に流通している80メッシュパス程度に粉砕することが限度であり、高分子化合物との複合化に好適である粒径100μm以下のキトサン微粒子を得ることは極めて困難であった。

キトサンの機能付与を目指した複合化方法に、キトサン粒子と他の高分子化合物との複合化がある。この複合化方法は、キトサンを一旦溶液にしなければならないという制約がなく、汎用性に優れている。例えば、低融点ポリエチレン溶融物中にキトサン粒子を混合することによって簡便にキトサン・ポリエチレン複合体を得ることができる。また、高分子化合物溶液にキトサン粒子を混合した溶液から常法に従ってキトサン粒子含有粒子、繊維、膜などを得ることができる。
特開平9−221502号公報
特開昭63−20302号公報
特開昭55−133401号公報

概要

他の高分子化合物などとの複合化材料として有用なキトサン微粒子を経済的に提供すること。原料生物から一回も溶解工程を経ずに製造された脱アセチル化度60%以上、1質量%溶液粘度が1.5mPa・s以上1,000mPa・s以下かつ粒径100μm以下の粒子が90%以上であることを特徴とするキトサン微粒子。 なし

目的

また、経口的に人体内に入る可能性のある用途、例えば、食品用途がキトサン粒子においても最終製品の最も重要な用途であることを考え合わせると、キチン含有生物原料からキトサン微粒子まで、一貫してキチンまたはキトサンを溶解することなく、キトサン微粒子を製造することが好ましい。また、この方が経済的である場合が多い。
従って、本発明の目的は、他の高分子化合物などとの複合化材料として有用なキトサン微粒子を経済的に提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

原料生物から一回も溶解工程を経ずに製造された脱アセチル化度60%以上、1質量%溶液粘度が1.5mPa・s以上1,000mPa・s以下かつ粒径100μm以下の粒子が90%以上であることを特徴とするキトサン微粒子

請求項2

粒径50μm以下の粒子が90%以上である請求項1に記載のキトサン微粒子。

請求項3

粒径50μm以下の粒子が90%以上かつ1μm以下の粒子が10%以下である請求項1に記載のキトサン微粒子。

請求項4

ジェットミルあるいはボールミルによって粉砕して得られた請求項1〜3の何れか1項に記載のキトサン微粒子。

請求項5

ボールミルあるいはジェットミルによる粉砕原料が、ボールミルあるいはジェットミル以外の少なくとも1種の粉砕機で粉砕したキトサン粉末である請求項4に記載のキトサン微粒子。

請求項6

粉砕原料が、1質量%溶液粘度が1,000mPa・s以下のキトサンである請求項4または5に記載のキトサン微粒子。

技術分野

0001

本発明は、キトサン微粒子に関し、特にキトサン以外の高分子化合物との複合化に有用なキトサン微粒子に関する。

背景技術

0002

キトサンは、天然に存在することが知られている多糖であるが、工業的にはエビカニなどの甲殻類から分離されるキチン脱アセチル化することによって生産されている。このキトサンは生分解性高分子化合物植物活性調整剤として実用されている。

0003

また、キトサンは製膜性、抗菌性保水性および凝集能などの機能を有する機能性高分子化合物として各方面で実用されており、特に、最近では各種基材に、これら機能を付与することができる安全な機能付与剤としての応用が進んでいる。例えば、実際に、各種フィルム、不織布、繊維製品への抗菌性、脱臭性付与コーティング材として広範に利用されている。現在、キトサンの最大の用途は所謂サプリメント用であり、80メッシュパス粒径約200μm)粉末流通している。

0004

キトサンは、キチンと同様に高分子化合物の中でも特に難粉砕性物質であり、現状市販されている乾式粉砕機では、サプリメント用に流通している80メッシュパス程度に粉砕することが限度であり、高分子化合物との複合化に好適である粒径100μm以下のキトサン微粒子を得ることは極めて困難であった。

0005

キトサンの機能付与を目指した複合化方法に、キトサン粒子と他の高分子化合物との複合化がある。この複合化方法は、キトサンを一旦溶液にしなければならないという制約がなく、汎用性に優れている。例えば、低融点ポリエチレン溶融物中にキトサン粒子を混合することによって簡便にキトサン・ポリエチレン複合体を得ることができる。また、高分子化合物溶液にキトサン粒子を混合した溶液から常法に従ってキトサン粒子含有粒子、繊維、膜などを得ることができる。
特開平9−221502号公報
特開昭63−20302号公報
特開昭55−133401号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記キトサン粒子を使用する複合方法は、基本的に複合する相手に対する制約が少なく、汎用性が広い点で大きなメリットはあるが、複合化されたキトサン粒子と相手の高分子化合物との間に充分な化学的な結合がなく、単に物理的、電気的な力で複合化されているに過ぎないことが多い。このため複合材の表面に存在するキトサン粒子の脱落が問題になる。

0007

また、キトサン粒子含有コーティング材においては、サプリメント用に流通している80メッシュパス程度のキトサン粉末を使用すると、コーティング皮膜表面があまりにも凹凸化してしまうため、特に皮膜表面を凹凸を有する表面としたい場合などの極めて限られた用途にしか使用できない。

0008

また、経口的に人体内に入る可能性のある用途、例えば、食品用途がキトサン粒子においても最終製品の最も重要な用途であることを考え合わせると、キチン含有生物原料からキトサン微粒子まで、一貫してキチンまたはキトサンを溶解することなく、キトサン微粒子を製造することが好ましい。また、この方が経済的である場合が多い。
従って、本発明の目的は、他の高分子化合物などとの複合化材料として有用なキトサン微粒子を経済的に提供することである。

課題を解決するための手段

0009

上記目的は以下の構成の本発明によって達成される。
1.原料生物から一回も溶解工程を経ずに製造された脱アセチル化度60%以上、1質量%溶液粘度が1.5mPa・s以上1,000mPa・s以下かつ粒径100μm以下の粒子が90%以上であることを特徴とするキトサン微粒子。
2.粒径50μm以下の粒子が90%以上である前記1に記載のキトサン微粒子。
3.粒径50μm以下の粒子が90%以上かつ1μm以下の粒子が10%以下である前記1に記載のキトサン微粒子。

0010

4.ジェットミルあるいはボールミルによって粉砕して得られた前記1〜3の何れか1項に記載のキトサン微粒子。
5.ボールミルあるいはジェットミルによる粉砕原料が、ボールミルあるいはジェットミル以外の少なくとも1種の粉砕機で粉砕したキトサン粉末である前記4に記載のキトサン微粒子。
6.粉砕原料が、1質量%溶液粘度が1,000mPa・s以下のキトサンである前記4または5に記載のキトサン微粒子。

発明の効果

0011

本発明によれば、他の高分子化合物などとの複合化材料として有用なキトサン微粒子を経済的に提供することができる。
すなわち、本発明者らは、前記複合材からのキトサン粒子の脱落防止、コーティング皮膜表面の平滑化について種々検討したところ、粒径100μm以下の粒子が90%以上であるキトサン微粒子がその目的に最適であり、キチン含有生物原料からキトサン微粒子まで一貫してキチンまたはキトサンを溶解することなく、以上のような粒径のキトサン得るためには、微粉化前のキトサンの1質量%溶液粘度1,000mPa・s以下であることが望ましく、さらにキトサン本来の機能保持にはキトサンの脱アセチル化度が60%以上であることが重要であることを見出した。

発明を実施するための最良の形態

0012

次に好ましい実施形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
現状工業的に生産されているキチンは、カニ、エビ、シャコなどの甲殻、あるいはイカを原料としている。本発明者らは、キチンを一旦塩酸硫酸などで酸加水分解してこれらキチン含有生物原料中に存在するキチンより多少でも低分子量化したキチンとし、このキチンを出発物質に、過酸化水素次亜塩素酸などの酸化剤で酸化分解する方法;塩酸、硫酸などで酸加水分解する方法;電子線照射方法ピンミルハンマーミル、ボールミル、ジェットミルなどの各種粉砕機で機械的応力を付加する方法などの単独または組み合わせで低分子量化して得られたキチンであって、これを脱アセチル化してキトサンとしたもののうちで、1質量%溶液粘度が1.5mPa・s以上1,000mPa・s以下であるキトサンが、低分子量化前のキトサンより格段に粉砕性に優れていることを見出し、さらに1質量%溶液粘度が1.5mPa・s以上500mPa・s以下であるキトサンが特に生分解性および生理活性などに優れていることを見いだした。

0013

このことは前記キチンから得た低分子量化キトサン、あるいは上記低分子量化処理をしないキチンから脱アセチル化した従来の比較的高分子量のキトサンに上記キチン低分子量化方法と同様な方法を施し、低分子量化したキトサンについても同様である。キチン並びにキトサンはともに難粉砕性物質でこれまで原料中のキチンから目的のキトサンまで、該キチンまたはキトサンを溶解する工程を経ずにキトサン微粒子を製造することは困難であった。

0014

特に原料中のキチンから目的のキトサンまで、該キチンまたはキトサンを溶解する工程を経ずに粒径100μm以下の粒子が90%以上であるキトサン微粒子乾燥粉体、その中でも粒径50μm以下の粒子が50%以上であるキトサン微粒子乾燥粉体を製造することは極めて困難であった。

0015

これに対し上記方法で低分子量化したものを粉砕原料とし、これをボールミルあるいはジェットミルを使用することにより粒径50μm以下の粒子が90%以上であるキトサン微粒子乾燥粉体が得られた。さらにジェットミルでは平均粒子径3.6μm、粒径10μm以下100%であり、粒径1μm以下の粒子が5%以内の極微粒子キトサン乾燥体粉末を得ることができた。このキトサンの1質量%溶液粘度は3mPa・sであった。また、粘度測定後のキトサン溶液ガラス板状に流延し乾燥したところ、高分子化合物の1指標となるフィルムが得られた。得られたキトサン微粒子は脱臭剤として脱臭速度および能力とも従来のキトサン粒子より明らかに優れていた。

0016

ジェットミル、ボールミル以外の例えばハンマーミル、ピンミルなどの衝撃型粉砕機では、粒径50μm以下の粒子が90%以上である微粒子キチン乾燥粉体を効率よく得ることはできなかった。キトサン粉体中に粒径100μm以上の粒子が10%以上あると、他の高分子化合物との複合体を形成した場合、その表面の平滑性欠ける点が大きくなり、商品価値が低下する。また、1μmの粒子が5%以上あるところまで粉砕することは経済的ではない。

0017

キチンは、カニ、エビなどの甲殻類の甲殻、微生物細胞壁キノコなど、自然界に広く分布する多糖であり、本来的にはキチン含有生物中のキチンの何れも本発明の対象となり得るが、実際的には収穫のしやすさなどの理由から、カニ、エビ、シャコなどの甲殻、あるいはイカの甲が原料として使用されており、本発明においてもこれらを使用する。また、従来知られている例えばEDTAを使用する方法、タンパク分解酵素を使用する方法、ハックマンの方法あるいはその改良法によって単離したキチンの何れも使用可能である。キチンの単離純度も必ずしも100%である必要はなく、目的に応じてキチン含有生物中キチンと共存するタンパク質無機物を残したものでもよい。場合によってはこれらキチン含有生物からキチンを単離せず、そのまま処理してキチン含有微粒子とすることもできる。

0018

本発明では、キチンを脱アセチル化してキトサンとする。この場合、脱アセチル化度は60%以上が好ましい。キトサンを脱臭剤として使用する場合など、キトサンのアミノ基の量が多い方がよいことは言うまでもなく、また、脱アセチル化度60%以下の脱アセチル化物は、希酢酸水溶液に容易に溶解しないなど、キトサンの特徴を表さなくなる。

0019

本発明では、キチンを脱アセチル化して得たキトサンが低分子量化していなかったり、低分子量化が不十分である場合、得られたキトサンを微粒子に粉砕することが困難である。

0020

通常キチンを水酸化ナトリウム水溶液の中に浸漬すれば脱アセチル化が起こる。脱アセチル化度60%以上のキトサンを効率よく製造するにはキチンを約40質量%以上の水酸化ナトリウム水溶液の中に浸漬し、室温以上で攪拌する。

0021

具体例を示せば、電気伝導度1μS以下のイオン交換水および試薬特級グレード水酸化ナトリウムを使用して42質量%水酸化ナトリウム水溶液を調製する。この42質量%水酸化ナトリウム水溶液500gを500mlの4つ口セパラブルガラスフラスコに入れ、4つの口にガラス羽根攪拌棒温度計窒素導入管導入管の先端がフラスコ内溶液表面から少なくとも1/3以上液中に浸漬するようセットする)およびコンデンサーをセットし、流量約2L/分の窒素気流下、100〜150回転/分にて攪拌しながら100℃まで加熱し、10〜20分間100〜105℃に保持した後、20℃まで冷却する。窒素は終始流したまま、キチン20gを加え、流量約2L/分の窒素気流下、20℃にて100〜150回転/分にて1時間攪拌した後、約1時間かけて60℃まで昇温し、温度60〜65℃で16時間攪拌する。その後、速やかに内容物(キトサン)と水酸化ナトリウム水溶液とをろ別し、ろ別したキトサンを10〜15℃のイオン交換水1Lに加え10分間攪拌した後、キトサンをろ別する。この操作を15回繰り返す。その後真空乾燥機中で減圧下50℃で16時間乾燥して含水率10%以下の乾燥キトサンを得ることができる。

0022

キトサンの溶液粘度を測定する場合には、使用するキトサンの蒸発分補正のために、キトサンを105℃、24時間乾燥し、乾燥減量(A質量%)を求め、蒸発残分「(100−A)%」を計算しておく。溶液粘度は、測定可能粘度範囲があるので、一台の粘度計で対応するため、測定溶液の濃度を2種類とする。低分子量キトサンの測定は、キトサン蒸発残分「(100−A)%」濃度1質量%、酢酸濃度1質量%とし、比較的高分子量のキトサンの場合は、キトサン蒸発残分「(100−A)%」濃度0.5質量%、酢酸濃度0.5質量%とする。

0023

さらに具体的には、200mlガラスビーカーに電気伝導度1μS以下のイオン交換水約150gを取り、20℃とする。これに上記で得た乾燥キトサンの蒸発残分質量で2.0g(1質量%溶液)、あるいは1.0g(0.5質量%溶液)を入れ、長さ約50mm、太さ約8mmの樹脂コーティングした回転子にて20〜22℃、約1分間低速で攪拌する。次に試薬特級グレード酢酸2.0g(1質量%溶液)、あるいは1.0g(0.5質量%溶液)を加え、さらに電気伝導度1μS以下のイオン交換水を加えて、最終的に液量が200.0gになるよう調整した後、20〜22℃で攪拌する。ビーカー上部をラップ類などで蓋をした後、溶液粘度の上昇に合わせて液表面の中心部が1〜2mm程度へこむ程度に回転数を調整し温度20〜22℃で攪拌を3時間続ける。その後攪拌を止め温度20〜22℃で10時間静置する。その後、温度20〜22℃で液表面の中心部が1〜2mm程度へこむ程度に回転数を調整し攪拌を1時間続けた後、20℃で回転粘度計(東機産業(株) TV−10M型)にて粘度測定を行う。粘度計の回転数30rpm、測定時間1分とし、溶液粘度が2〜20mP・sのときはローターナンバー19のローター、溶液粘度が20〜200mP・sのときはローターナンバー20のローター、溶液粘度が100〜1,000mP・sのときはローターナンバー21のローター、溶液粘度が400〜4,000mP・sのときはローターナンバー22のローターを使用する。

0024

キトサンの脱アセチル化度は以下のコロイド滴定法で測定する。
1.キトサンの蒸発残分
1)恒量にした秤量瓶試料1.5gを正確に測り採り、質量A(g)を記録する。
2)秤量瓶の蓋を外した状態で105℃送風乾燥機に入れ、1.5時間加熱する。
3)送風乾燥機中で秤量瓶に蓋をした後、シリカゲルデシケーターに取り出して放冷する。
4)質量を測定し、下記計算式[1]に従って蒸発残分を計算する。
キトサンの蒸発残分(%)={加熱・放冷後の(秤量瓶+試料)質量(g)−秤量瓶風袋の恒量(g)}÷試料質量A(g)×100…[1]

0025

2.キトサン/酢酸水溶液の調製
1)200mlガラスビーカーに上記1)の蒸発残分換算質量1.00gを正確に測り採る。
2)水198.0gを加え、マグネットスターラーで攪拌、分散する。
3)酢酸1mlをメスピペットで測り採り、上記分散溶液滴下する。
4)ビーカーにポリラップ登録商標)で蓋をして、20〜25℃で約4時間、十分に攪拌の後に攪拌を止め、20〜25℃の室内に一晩(約16時間)静置する。
5)静置の後、再び20〜25℃で約2時間、十分に攪拌する。

0026

3.コロイド滴定
1)200mlガラスビーカーに、上記1)で溶解した水溶液20.00gを正確に測り採り、水180.0gを加えてポリラップで蓋をし、マグネットスターラーで1時間攪拌する。
2)攪拌の後、200mlコニカルビーカーに溶液10.00gを正確に測り採り、水50mlと0.1%トルイジンブルー水溶液2〜3滴を加えて混合する。
3)コロイド滴定試薬N/400ポリビニル硫酸カリウム水溶液でコロイド滴定を行う。終点は、水溶液の着色が青色から赤紫色に変わる点とする。

0027

4.脱アセチル化度の計算方法
下記計算式[2]に従ってキトサンの脱アセチル化度を計算する。
脱アセチル化度(%)=(遊離アミノ基)÷{(遊離アミノ基)+(結合アミノ基)}×100…[2]
=(X/161)÷{(X/161)+(Y/203)}×100
ここで、X=キトサン中の遊離アミノ基質量=1/400×1/1000×F×161×(V−B)、Y=キトサン中の結合アミノ基質量=0.5×1/100−X
161:グルコサミン残基当量分子
203:N−アセチルグルコサミン残基の当量分子量
F:N/400ポリビニル硫酸カリウム水溶液のファクター
V:N/400ポリビニル硫酸カリウム水溶液の試料での滴定値(ml)
B:N/400ポリビニル硫酸カリウム水溶液の空試験での滴定値(ml)

0028

「試薬」
(1)酢酸:試薬特級
(2)N/400ポリビニル硫酸カリウム水溶液:和光純薬 Lot.YPG8290 F=1.01 2004年11月16日購入(N/400ポリビニル硫酸カリウム水溶液は2004年に新タイプ発売された。ここでは改善された新タイプを使用するとする。)
(3)トルイジンブルー指示薬溶液:和光純薬 Lot.YLK9939

0029

キトサン微粒子の粒度は以下の方法で測定する。
粒度分布の測定は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置〔(株)堀場製作所製LA−300(レーザー光波長;650nm)〕を用いて行い、キトサン微粒子30〜50mgを試薬特級グレードのメタノール100mlと混合し、超音波バス(出力300W、周波数40kHz)で1分間分散させた後、バッチ式セルにセットし、透過率が70〜95%の範囲内になるよう試料濃度を調整した後測定した。測定条件としては、データ取り込み回数10回、反復回数30回、屈折率は1.50−0.00iの値を入力し、粒度分布は体積基準として計算を行った。

0030

本発明の好ましい実施形態では、キチンを先ず塩酸、硫酸などのプロトン酸で低分子量化する。キチン単離の際の塩酸による脱炭酸カルシウム工程で同時に低分子量化を行うと好都合である。例えば、カニ殻1質量部を水30質量部に分散させておき、これに1質量部以上の塩酸を加え、20℃以上で好ましくは30℃以上で5時間以上攪拌する。これによって得られたキチンをキトサン化したときの0.5質量%溶液粘度が700mPa・s以下にまで低分子量化したキチンが得られる。

0031

このキチンを過酸化水素、次亜塩素酸などの酸化剤で酸化分解する方法;塩酸、硫酸などで酸加水分解する方法;電子線照射方法;ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミルなどの各種粉砕機で機械的応力を付加する方法によって低分子量化する。上記の方法は何れも基本的には使用可能であるが、それぞれ一長一短があり、また、最終目的物がキトサン微粒子であるので、単独でもよいが、目的に応じて上記方法を組み合わせて低分子量化を実施することが好ましい。但しキチンの段階で最終目的粒径の粒子まで粉砕してしまうと、その後の脱アセチル化の際のろ過が難しくなり、また、損失も大きくなるので好ましくない。このように脱アセチル化のことを考えると、目開き1mm程度のを90%程度通過する程度の粉砕にとどめておくことが好ましく、このキチンを脱アセチル化してキトサンとし、このキトサンを必要に応じてキチンの場合と同様の方法を適用して低分子量化してもよい。

0032

キチンまたはキトサンの低分子量化は、例えば、電子線照射方法が操作としては最も簡便であり、これと粉砕機との組み合わせが有効であるが、電子線照射物は食品用途には使用できないという制限がある。一方、キチンまたはキトサンの化学分解は、通常水中反応であるので、この方法での低分子量化では、得られた分解物微粉砕前に乾燥する必要がある。この意味からは脱アセチル化後の低分子量化は特に粉砕機による方法が最も有効であり、特に粒径100μm以下の粒子が90%以上であるキトサン微粒子乾燥粉体、その中でも粒径50μm以下の粒子が50%以上であるキトサン微粒子乾燥粉体を得るためには、ジェットミルあるいはボールミルが有効であるが、低分子量化していないキチン含有原料生物そのまま、あるいはキトサンにしたときの0.5質量%溶液粘度が700mPa・s以上であって、必要な低分子量化をしていないキチンまたはキトサンを使用した場合、粉砕機単独で目的の粒度にすることはできない。そこで最終的にジェットミルあるいはボールミルで粉砕する前にジェットミル以外のハンマーミル、ピンミル、ボールミル、振動ミル遊星運動ミルなど、衝撃またはずり応力付加型のキチンまたはキトサンの低分子量化を引き起こす能力を持った粉砕機で低分子量化することが望ましい。

0033

低分子量化並びに粉砕条件は、目的とするキトサン微粒子乾燥粉体の希望粒度、分子量、脱アセチル化度、それぞれの組み合わせに応じて適切に選択すればよい。得られたキトサン微粒子乾燥粉体は水分を含んでいてもよく、特に再乾燥しなくてもよいが、粉砕後の水分量が10質量%以上であって、水分をそれ以下にする必要がある場合は粉砕後乾燥してもよい。

0034

次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、脱アセチル化度および粒度以外の「部」または「%」は質量基準である。
実施例1
目開き4mmの篩を通過させた粗砕カニ殻1部を水30部に分散させておき、これに1部以上の塩酸を加え、20℃以上で好ましくは30℃以上で5時間以上攪拌する。その後、脱カルシウムカニ殻をろ別し、水30部中に再分散した後、ろ別する。この操作を10回繰り返した後、水30部中に再分散し、水酸化ナトリウム3部を加え、70℃まで加熱攪拌を3時間した後、キチンをろ別し、水30部中に再分散した後、ろ別する。この操作を10回繰り返した後、50℃の温風にて20時間乾燥して原料キチンを得た。このキチンをキトサンとし、0.5%の溶液粘度を測定したところ500mPa・sであった。

0035

このキチン100部を水2,000部に分散し、炭酸ナトリウム2.5部を加えた後、亜臭素酸ナトリウム0.15部を加え室温で6時間攪拌した。キチンをろ別し、水30部中に再分散した後、ろ別する。この操作を5回繰り返した後、50℃の温風にて20時間乾燥してキチンを得た。このキチンを脱アセチル化してキトサンとし、1.0%の溶液粘度を測定したところ480mPa・sであった。このキトサンをハンマーミルで粉砕し、目開き400μmの篩を通過させた。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ120mPa・sであった。

0036

さらにこのキトサンをボールミルにて48時間粉砕してキトサン微粒子(A−1)を得た。このキトサン微粒子の粒度分布を測定したところ粒度分布の中心が10μmであり、100μm以下の微粒子が90%以上であった。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ8mPa・sであった。

0037

さらにこのキトサンをジェットミルで粉砕してキトサン微粒子(B−1)を得た。このキトサン微粒子の粒度分布の中心が4.5μmであり、10μm以下の微粒子が100%であった。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ4mPa・sであった。

0038

さらにこのキトサンをジェットミルで粉砕してキトサン微粒子(B’−1)を得た。このキトサン微粒子の粒度分布の中心が3.2μmであり、10μm以下が100%であり、1〜10μmが99%の粒子を得た。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ2mPa・sであった。このものの脱アセチル化度は87%であった。

0039

実施例2
実施例1の原料キチンを脱アセチル化して脱アセチル化度66%のキトサンを得た。これをピンミルで粗砕後、遊星運動ミルで粉砕し、目開き200μmの篩を通過するキトサン粒子を得た。これを2つに分け、一方をボールミルで粉砕してキトサン微粒子(A−2)を得た。このキトサン微粒子の粒度分布の中心が32μmであり、100μm以下が90%以上の粒子を得た。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ340mPa・sであった。

0040

もう一方のキトサンをジェットミルで粉砕してキトサン微粒子(B−2)を得た。このキトサン微粒子の粒度分布の中心は5.8μmであり、10μm以下が75%であり、100μm以下が90%以上であった。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ9mPa・sであった。このものの脱アセチル化度は66%であった。

0041

比較例1
目開き4mmの篩を通過させた粗砕カニ殻1部を氷水30部に分散させておき、さらに外部からも氷冷する。これに0.8部の塩酸を、攪拌下、内温が3℃以上にならないよう少量ずつ滴下した。滴下終了後内温が3℃以下で5時間以上攪拌する。その後、脱カルシウムカニ殻をろ別し、水30部中に再分散した後、ろ別する。この操作を10回繰り返した後、窒素気流下、水30部中に再分散し、水酸化ナトリウム3部を加え、40℃まで加熱攪拌3時間した後、キチンをろ別し、水30部中に再分散した後、ろ別する。

0042

上記操作を10回繰り返した後、減圧下40℃にて20時間乾燥してキチンを得た。このキチンを脱アセチル化して脱アセチル化度72%のキトサンとし、0.5%の溶液粘度を測定したところ、2,500mPa・sであった。これを冷凍粉砕し目開き300μmの篩を通過するキトサン粒子を得た。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ1,340mPa・sであった。このものをジェットミルで粉砕したが、度々オーバーロードして機械ストップしてしまった。僅かに粉砕されたもの顕微鏡観察をしたところ、50μmの粒径の粒子も観察されたが、200〜300μmの繊維状のものが多くあり、目的の粒径のキトサン微粒子は得られなかった。

0043

実施例3
比較例1の冷凍粉砕品100部を水2,000部に分散し、過酸化水素10部を加え攪拌下、60℃、5時間酸化分解した。キトサンをろ別し、水30部中に再分散した後、ろ別する。この操作を2回繰り返した後、減圧下40℃にて20時間乾燥してキトサンを得た。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ54mPa・sであった。

0044

これを2つに分け一方をボールミルで粉砕してキトサン微粒子(A−3)を得た。このキトサン微粒子の粒度分布の中心が25μmであり、100μm以下が90%以上であった。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ、16mPa・sであった。

0045

もう一方のキトサンを再度脱アセチル化して脱アセチル化度99%とした後、ジェットミルで粉砕してキトサン微粒子(B−3)を得た。このキトサン微粒子の粒度分布の中心が4.8μmであり、10μm以下が75%であり、100μm以下が90%以上であった。このキトサンの1.0%の溶液粘度を測定したところ、5mPa・sであった。

0046

以上の実施例および比較例の粉砕後のキトサンの粒径、粘度および脱アセチル化度を下記表1に纏めた。

0047

使用例
前記B’−1のキトサン粒子、A−2のキトサン粒子、比較例1のキトサン粒子を使用し、融点140℃のポリエチレンペレットに対し、それぞれ1質量%加え、粉体ブレンドした後、インジェクションプレート作成用試験機投入し、内温160℃、滞留時間30秒として80mm×50mm、厚さ1mmのインジェクションプレートを作製した。B’−1のキトサン粒子から作成したインジェクションプレートは目視的に表面均質で指で触れると滑らかで、摩擦による脱落も観察されなかった。A−2のキトサン粒子から作成したインジェクションプレートは目視的に表面均質で指で触れると僅かに凹凸を感じるが、殆ど問題にならない程度ではあり、全体として滑らかで、摩擦による脱落も観察されなかった。これに対し比較例1のキトサン粒子を使用して作製したインジェクションプレートにははっきりとキトサン粒子が観察され、また、触診によっても粒子の存在が確認された。その部分を強く摩擦すると粒子の脱落も起こった。

0048

以上の如き本発明によれば、他の高分子化合物などとの複合化材料として有用なキトサン微粒子を経済的に提供することができる。

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