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技術 高効率永久磁石ブラシレスモーター

出願人 コルモーゲンコーポレイション
発明者 ブルースター,ジェフリー,ティー.ブラウン,ジェラルド,ダヴリュー.
出願日 2004年7月20日 (17年3ヶ月経過) 出願番号 2006-521191
公開日 2006年12月14日 (14年10ヶ月経過) 公開番号 2006-528481
状態 拒絶査定
技術分野 ブラシレスモータ 永久磁石型同期機
主要キーワード ダイレクトドライブモーター 三相モーター 追加スロット 循環小数 ピッチ係数 電気的周波数 関連費用 性能品質
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

本発明により、従来設計がなされた同サイズのモーターと比較して、トルクを増加することができる最適化されたモーター設計が可能となる。さらに本発明により、スムーズで、リプルがなく、低速動作可能なモーターが得られる。上記の利点を備えたスロット磁極比率を開示することを通じて、これらの進歩を提供する。

概要

背景

高効率化は、常にあらゆるモーター設計の重要な目標とされている。理想的にモーターは、小型で、低トルクリプルを有しつつ強力で、安価で、そしてエネルギー効率が高いことが望ましい。しかし、この理想状態には到達し得ない。実際の設計においては、トレードオフが生じ、目標に優先順位をつける必要がある。

高性能サーボモーターの設計において、パワー性能品質と比較して、コスト、エネルギー効率及びサイズは、優先度が低くなることがある。一般的にサーボモーターは、長時間に渡る連続動作においても短時間のピーク動作においても全速度域コギングトルクリプル速度リプルがなく、スムーズかつパワフルトルク特性を生じなければならない。さらに、多くのサーボ用途では、特に低速においてスムーズな高いトルク特性が必要とされる。

概要

本発明により、従来設計がなされた同サイズのモーターと比較して、トルクを増加することができる最適化されたモーター設計が可能となる。さらに本発明により、スムーズで、リプルがなく、低速動作可能なモーターが得られる。上記の利点を備えたスロット磁極比率を開示することを通じて、これらの進歩を提供する。

目的

従来のサーボモーターは、特定の駆動用途で必要となる適正トルクと速度の組み合わせを提供するために、変速装置と組み合わせて高速モーターを用いることで、上述の問題を解決する。このモーターは、コギング、速度リプル及びトルクリプルが深刻な問題とならない高速度領域において、効率的に動作するように設計がなされる。変速装置は、モーターの高速動作をその被駆動装置が必要とする低速/高トルク動作に変換するために用いられる。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

永久磁石ブラシレスモーターであって、スロットを備えた導磁性のある薄板積層構造から成る巻線アセンブリと、電気相を提供すべくスロット内で巻回された被覆銅線と、導磁性構造と、該構造上に配置された少なくとも20個の磁極から成る界磁アセンブリと、から成り、前記巻線アセンブリと前記界磁アセンブリが、前記巻線アセンブリの電気相が励起される際、原動力を生み出すように配置されていることと、さらに、前記巻線アセンブリが備えるスロット数が、前記界磁アセンブリが備える磁極数よりも多いこと、を特徴とする永久磁石ブラシレスモーター。

請求項2

36個のスロットと46個の磁極を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石ブラシレスモーター。

請求項3

30個のスロットと38個の磁極を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石ブラシレスモーター。

請求項4

前記巻線アセンブリが回転し前記界磁アセンブリは回転しないことを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石ブラシレスモーター。

請求項5

永久磁石ブラシレスモーターであって、内部にスロットが形成された巻線アセンブリと、電気相を提供すべくスロット内で巻回された被覆銅線と、導磁性構造と、該構造上に配置された永久磁石による磁極から成る界磁アセンブリと、から成り、前記巻線アセンブリと前記界磁アセンブリが、前記巻線アセンブリの電気相が励起される際、原動力を生み出すように配置されていることと、さらに、前記磁極数に対するスロット数の比率が0.75よりも小さいこと、を特徴とする永久磁石ブラシレスモーター。

請求項6

永久磁石ブラシレスモーターであって、内部にスロットが形成された巻線アセンブリと、電気相を提供すべくスロット内で巻回された被覆銅線と、導磁性構造と、該構造上に配置された永久磁石による磁極から成る界磁アセンブリと、から成り、前記巻線アセンブリと前記界磁アセンブリが、前記巻線アセンブリの電気相が励起される際、原動力を生み出すように配置されていることと、さらに、前記磁極数に対するスロット数の比率が0.75よりも大きく1.0よりも小さいこと、を特徴とする永久磁石ブラシレスモーター。

請求項7

前記磁極数に対するスロット数の比率が0.90よりも小さいことを特徴とする、請求項6に記載の永久磁石ブラシレスモーター。

請求項8

内部にスロットが形成された巻線アセンブリと、電気相を提供すべくスロット内で巻回された被覆銅線と、導磁性構造と、該構造上に配置された少なくも20個の永久磁石による磁極から成る界磁アセンブリと、から成り、前記巻線アセンブリと前記界磁アセンブリが、前記巻線アセンブリの電気相が励起される際、原動力を生み出すように配置されていることと、さらに、前記磁極数に対するスロット数の比率が0.5よりも大きく1.0よりも小さいこと、を特徴とする低速かつ高トルクな永久磁石ブラシレスサーボモーター。

請求項9

平衡巻線を形成するようにスロット/磁極比率が選択されていることを特徴とする、請求項8に記載のモーター

請求項10

最適なコギング特性が得られるようにスロット/磁極比率が選択されていることを特徴とする、請求項8に記載のモーター。

請求項11

巻線アセンブリの高効率な機械巻線を可能とするようにスロット/磁極比率が選択されていることを特徴とする、請求項8に記載のモーター。

請求項12

低い全高調波歪が得られるようにスロット/磁極比率が選択されていることを特徴とする、請求項8に記載のモーター。

請求項13

最適なコギング特性を備えた平衡巻線を形成することと、前記巻線アセンブリの高効率機械巻線を可能にすること、を目的としてスロット/磁極比率が選択されていることを特徴とする、請求項8に記載のモーター。

技術分野

0001

本発明は、永久磁石モーターであって、特に、低コギングトルク要素と低起磁力(MMF高調波トルク要素の双方を併せ備えてトルクリプルが低く、高トルクを効率的に発生し得るサーボモーターに関する。

背景技術

0002

高効率化は、常にあらゆるモーター設計の重要な目標とされている。理想的にモーターは、小型で、低トルクリプルを有しつつ強力で、安価で、そしてエネルギー効率が高いことが望ましい。しかし、この理想状態には到達し得ない。実際の設計においては、トレードオフが生じ、目標に優先順位をつける必要がある。

0003

高性能サーボモーターの設計において、パワー性能品質と比較して、コスト、エネルギー効率及びサイズは、優先度が低くなることがある。一般的にサーボモーターは、長時間に渡る連続動作においても短時間のピーク動作においても全速度域コギング、トルクリプル、速度リプルがなく、スムーズかつパワフルトルク特性を生じなければならない。さらに、多くのサーボ用途では、特に低速においてスムーズな高いトルク特性が必要とされる。

発明が解決しようとする課題

0004

サーボモーターとサーボ駆動電子機器から成るサーボシステム中のサーボモーターから生じるトルクリプルには、様々な原因がある。一般的に、その主要因コギングトルク、起磁力(MMF)高調波トルク及び電流高調波トルクである。コギングトルクは、モーターへの電流供給がない状態で回転子が回されるときに、回転子磁石に見られる導磁度(permeance)の変化により生じる。通常、巻線は個別のスロット内に配置されるので、起磁力(MMF)高調波トルクは、固定子にぐるりと囲うように巻回されている巻線の非正弦関数的な分布に起因する。電流高調波トルクは、生成される不均一な三相電流及び/または非正弦波三相電流の結果による。

0005

従来のサーボモーターは、特定の駆動用途で必要となる適正トルクと速度の組み合わせを提供するために、変速装置と組み合わせて高速モーターを用いることで、上述の問題を解決する。このモーターは、コギング、速度リプル及びトルクリプルが深刻な問題とならない高速度領域において、効率的に動作するように設計がなされる。変速装置は、モーターの高速動作をその被駆動装置が必要とする低速/高トルク動作に変換するために用いられる。

0006

しかしながら、この解決方法は、主として変速装置が必要となること自体が非効率的である。変速装置は高価で、非効率で、騒々しくかつトルクリプルの発生要因となり、追加の維持費を要する傾向がある。さらに変速装置の使用は、必要となる接続部(coupling)や変速装置自身におけるギアガタ(backlash)や低ねじれ共振のために、モーターと駆動回路の小集積化を妨げる。このことは、変速装置の格納に必要な余分な領域を備えた物理的に大規模なシステム全体の性能を低下させ、システムの能力的余地を下げてしまう。

0007

変速装置の非効率性は、例えば米国特許番号6,577,036に見られるダイレクトドライブカートリッジモーターを用いることで回避される。ダイレクトドライブモーターは、被駆動装置に直接接合され得る。このことにより、機械簡潔さ、機械的強固さ及び効率性が高度に実現される。それに応じて、ダイレクトドライブシステムは、変速装置、それによるシステム制限及び関連費用を省略する。しかし、変速装置の省略は、その機能的な利点をも失ってしまう。その利点とは、すなわちモーターを最も効率が高い速度で動作させること、及び必要な速度で必要なトルクを発生するように伝動することである。結果として、ダイレクトドライブモーターは、被駆動装置の要求速度において、最適に動作し得るように設計されなければならない。故に、上述したような低速/高トルクが必要となる用途においては、変速機を用いた方法と比較して、より大型のモーターが必要となる。また、低速動作しているモーターでは、コギング、速度リプル及びトルクリプルはより深刻な問題となる。もちろん、比較的大型の高価なモーターが必要となることで、変速装置を省略することによって達成したコスト利益を、少なくとも部分的に打ち消してしまう。

課題を解決するための手段

0008

先に述べた問題は、永久磁石ブラシレスモーター設計において、最適なスロット/磁極比率を用いた高効率モーター設計の提供により解決され、技術的な進歩が達成される。

発明の効果

0009

1より小さく0.5より大きいスロット/磁極比率を備えることで、本発明独自の利点が得られる。このスロット/磁極比率により、高いトルク効率を可能とする。

0010

さらに本発明の側面は、優れたコギング特性を有するスロット/磁極の組を提供することにある。

0011

さらに本発明の側面は、平衡した巻線(balanced winding)を備えるスロット/磁極の組を提供することにある。

0012

さらに本発明の側面は、低い全高調波歪を有するスロット/磁極の組を提供することにある。

0013

さらに本発明の側面は、自動巻線機で製造しやすいモーターをもたらすスロット/磁極の組を特定することにある。

0014

本発明により、従来設計がなされた同サイズのモーターと比較して、トルクを増加できる最適化されたモーター設計が可能となる。さらに本発明により、低速で、スムーズかつリプルがないトルク動作可能なモーターが得られる。これらの進歩は、従来技術にはない独自の効率的なモーター設計トポロジにより提供される。

発明を実施するための最良の形態

0015

添付図に、本発明の独自形態が最もよく現されている。本発明の典型的な実施例を図1に示す。このモーターは、従来の永久磁石ブラシレスモーターの多くの特徴をも有している。巻線アセンブリ1は、スロット5を備えた導磁性のある薄板を重ね合わせたもの(permeable lamination)から成り、被覆銅線は前記スロット中に巻回されている。前記被覆銅線は一歯長に渡って巻回されコイルとなる。すなわち各コイルは、一歯の周りに形成される。界磁アセンブリ10は、導磁性構造17上に配置された磁極15を備える。

0016

本発明は、開示されるスロット数磁極数の組の選択により最適設計を可能にし、非常に有利な結果をもたらす。従来の永久磁石モーター設計において、機械中のスロット数は磁極数よりも常に多い。この歴史的結果は、ほぼ全ての三相巻線誘導機向けに製作されてきたことによる。磁極は固定子と回転子巻線間の結合で形成されるので、スロットよりも多くの磁極を備えた誘導モーターは製作できない。三相ブラシレスモーター巻線の開発は、誘導機の伝統に倣ったものであった。

0017

本発明は、永く受け容れられていた慣習逆転させることで、有益なトルク効率の増加を実現する。具体的には、スロットよりも多くの磁極を備えるように設計されたモーターは、所定の消費電力に対するモータートルクを増大するであろうことが分かった。これは、所定の磁極数に対して、スロット数をより少なくすることは、より大きなスロット領域をもたらすことに起因する。スロット領域が広いことは、空いているスロット領域において所要スロット壁絶縁体と相絶縁体の占める割合が低く、被覆銅線を配置するためのより多くの余地が残っていることを意味する。故に、開示されるスロット/磁極の組の選択により設計を始めることで、本質的により良いモーターが実現できることが分かった。さらに上記メリットは、スロット/磁極比率と、モーターの巻線アセンブリと界磁アセンブリの関係に基づくスロット/磁極比率の効果とによりもたらされるジオメトリに純粋に由来するものである。

0018

本発明のスロット/磁極比率は、設計自由度を増すことにより、幾つかの点で追加的な効果をもたらす。(1)歯長/歯幅は増加されるスロット幅に比例して小さくなるので、より多くの使用される磁極数が可能となる。しかしながら、歯長/歯幅比率は、トルクロールオフ(torque rolloff)とインダクタンスの増加に起因するクロススロット(cross slot)漏れ磁束の増加により結局制限されてしまう。この漏れ磁束は、スロット幅の減少によっても悪化する。(2)磁極数の増加は、短いエンドターン(end turn)長とそれに伴うコイル抵抗の低下の結果、さらなるトルクをもたらす。エンドターンが短くなったことで、エンドターン長を含む同じ全長の範囲内で、さらなる積み重ね(stack)をすることができる。(3)歯を広くすることにより、歯長/歯幅が小さくなるため、広範囲固定子内径外径(ID/OD)が可能となる。

0019

本発明の利点は、優れたスロット/磁極の組を特定することによって得られる。もちろん、特定モーターに最適な特定のスロット/磁極の組は、導磁性のある薄板を積み重ねたものの外径、導磁性のある薄板の積み重ね長等のような、所定の設計に向けた特定のパラメーターに依存する。言い換えれば、本発明で特定したスロット/磁極の組を使用することで、所望の特定サイズ、速度のモーターのための恩恵が得られる。特定された組により、所望の特定モーターのパラメーターのための最適なスロット/磁極の組が容易に導かれる。例えば、特定されたスロット/磁極の組を用いると、高トルク効率が得られる。本発明は、その他の特性であって、本発明に係るモーター設計を、所定用途の他の特定要求へ調整せしめる特性の範囲をも特定する。

0020

図2A〜2Dは、本発明に係る典型的なスロット/磁極設計のための各種パラメーターを示した表(さらなる具体的な一例は付録図2A−D1〜図2A−D47)に示す)である。表中に示されたスロット/磁極の組は、所望の特定用途合致したモーター設計で用いられ得る有利な出発点となる。有利なスロット/磁極比率が1未満である場合、これらの組み合わせは一歯のコイル長仮定する。しかし、最終的なモーター設計のために、最も重要な特性は、特定用途の要求により決定されるであろう。例えばある用途では、コギング特性を犠牲にして若干悪くしても、若干大きいトルクが必要となるかもしれない。図2A〜2D及び図2A−D1〜図2A−D47は、設計者にとって巻線バランス(winding balance)、コギングトルク、全高調波歪(total harmonic distortion:THD)といった多くの設計特性適合するように、スロット/磁極の組を選択する指針となる。それは、特定の設計に対する最適なスロット/磁極の組を提示するだけでなく、回避すべき悪いスロット/磁極の組をも明らかにする。

0021

特定モーター設計のために、例えば磁極数は、所望の速度特性に適するように選択されるかもしれない。あらゆるモーター設計において、磁極数の選択は基本的な決定のひとつである。主にこの選択は、モーターが動作すべき最高回転数と、電源が供給し得る最大周波数に依存する。一般に、他の同様設計のモーターにとっては、磁極数が多いほど、連続動作とピーク動作の両方において、発生し得るトルクは大きくなる。しかし、磁極数が多くなるにつれて、所定の電源最大周波数に対するモーターの最大速度は低くなる。例えば、通常、最大速度が低い用途で使われるダイレクトドライブモーターでは、磁極数は多い方が有利であろう。

0022

設計者は、他の所要なパラメーターに適合するスロット/磁極の組を選択するために、選択された磁極数と共に、図2A〜2Dまたは図2A−D1〜図2A−D47を使うことができる。より磁極数を多くすることで、スロット/磁極の組の選択肢が広がる。故に本発明に係る設計は、磁極数が増加(例えば20個以上)するほど特に有利となる。

0023

前述したように、スロット/磁極比率が1未満であるモーターにより、最適トルク効率が実現される。スロット/磁極比率が1未満のモーターの特性は、スロット/磁極比率が1よりも大きい従来のモータートポロジで実現され得る特性よりも優れている。一例として、45個のスロットと40個の磁極を有するモーター(スロット/磁極比率は1.125)がテストされ、現在のところ実現可能な最も優れたトルク効率特性のひとつを示した。しかし、本発明により設計された同程度の大きさで36個のスロットと46個の磁極を有するモーターは、45個のスロットと40個の磁極を有するモーターよりも36%高いトルク効率を示す。スロット/磁極比率をより下げることによる恩恵は、無制限に続かない。スロット/磁極比率を下げる恩恵の多くは、比率が0.5に近づくにつれて特性の打ち消し合いにより、失われてしまった。例えば、24個のスロットと46個の磁極を有するモーターと比較して、36個のスロットと46個の磁極を有するモーターは2.3倍高いトルク特性を示す。

0024

本発明に係る設計を通じて、最適トルクの一因となる多くの要素を得ることができる。これらの要素は、(設計によって異なる)最大トルクが得られるスロット/磁極比率をもたらすが、最大トルクは、スロット/磁極比率が0.5よりも大きく1よりも小さい設計により生じるはずである。この最適化は、次のような動機によってなされる。

0025

第一に、スロット数を少なくすると、磁極毎により多くの空きスロット領域ができる。これは、スロット壁とスロット内にある別位相のコイル間で用いられる、所要の絶縁体が一定の厚みを持つためである。故に、スロットが少ない設計においては、全スロット領域のうち絶縁体が占める割合は低くなる。これは、(トルクを発生させる)巻線アセンブリ中における銅線に、かなり多くの利用可能な領域を残す。この効果は、巻線アセンブリ中の銅線に利用可能な空間が縮小されるので、巻線アセンブリが回転子に保たれている設計において特に有益となる。最終的には、所定の磁極数に対するスロット数を減らすことの恩恵は、コイルにより長さが定まるより長いスロット間距離と、巻線のエンドターンに必要となるワイヤー長の関連した増加とに起因する抵抗増加よりも重要となる。エンドターン中で用いられるワイヤーの割合の増加は、モーターのトルクを減少させてしまう。これは、エンドターンワイヤーが、モータートルクへの寄与なしに、モーターの位相に余分な抵抗を加え、トルクを生み出すのに使用され得る薄板の積み重ね長を制限することによる。

0026

第二に、スロット/磁極比率が小さくされるにつれて、モーター巻線はよりオーバーピッチ(over pitch)となる。言い換えれば、スロット/磁極比率が小さくされるにつれて、各コイルのピッチ長(spanned pitch)が歯ひとつ分のままで変化しない一方、磁極ピッチは減少し、その結果ピッチ係数Kpも減少させられる。Kpはsin(1−(pitch Pu−1)*90・0)に等しく、出力トルク正比例する。ここで、pitch Pu=(スパンピッチ/磁極ピッチ)である。ブラシレスモーターのトルクは次のように表される。

T=m*(dΨ/dt)*I
ここで、m=比例定数、Ψ=Kp*f(ジオメトリ,材料特性)、I=実効相電流

0027

よって、モータートルクは係数Kpに正比例する。図2A〜2D及び図2A−D1〜図2A−D47に、各々のスロット/磁極の組に対するKpを表記する。しかし、正に上で議論した抵抗損失の増加のように、モーターピッチの増加に起因するトルク損失の相殺によって、モーターのスロット/磁極比率の低下による恩恵は抑えられる。

0028

実現可能な最大トルクについての他に、特定のスロット/磁極設計がサーボモーターに適するか適しないかについて、多くの考察がなされるであろう。コギングを極小まで下げることは、高性能サーボモーター設計において最も重要な要素のひとつである。ダイレクトドライブモーターは、動作時の電気的周波数が若干低いので、コギング問題がより問題となる。本発明に係る設計がなされたモーターは、コギング特性のために選別可能なスロット/磁極の組により、このダイレクトドライブモーターにおける問題を補償することができる。モーターのコギング特性を決定する最初のアプローチは、スロットと磁極の比率が非循環小数かどうかにある。スロットと磁極の比率は、有限小数や循環小数であるより非循環小数である方が、より優れたコギング特性を有する。例えば、36個のスロットと48個の磁極を有し、その比が0.750となるモーターは、36個のスロットと46個の磁極を有し、その比が0.7826086957…となるモーターよりもコギング特性が劣っている。

0029

他のアプローチでは、コギング値(CT)を表す計算式を用いて、特定のスロット/磁極設計の特性を決定づけるための定量的な結果が得られる。図2A〜2D及び図2A−D1〜図2A−D47に、各々のスロット/磁極の組に対するCTを表記する。CTはメリットを客観的に示す数であり、様々なスロット/磁極の組における相対的なコギング特性の決定に使用できる。CTは、CT=pQS/Ncで決定される。変数は次の通りである。(1)p:モーター磁極数。(2)QS:スロット数。(3)Nc:スロット数と磁極数の最小公倍数(つまりスロット数と磁極数の両方の倍数の中で最小、かつゼロではない数)。定まった磁極数について、スロット数を選択することによってCT値は決定されうる。所定のスロット/磁極の組にとって、CT値が低いほど、最終的なモーターのコギング特性は良くなる。

0030

CTは、所望の磁極数を盛り込んだ多様なスロット/磁極の組のために決定され得る。意外なことに、スロット/磁極比率が正確に0.75であるモーターは、他の利用可能なスロット/磁極の組であってその比が1未満のものと比較して、かなりCTが高い。例えば図2A−D1〜図2A−D47に示されているように、16個の磁極と12個のスロット(比:0.75)を有している設計では、CTは4となる。このCTは、スロット/磁極比率が1未満で16個の磁極を有するモーターの中では最も高いものである。他の条件、32個の磁極と24個のスロットでCT=8、40個の磁極と30個のスロットでCT=10、44個の磁極と33個のスロットでCT=11、48個の磁極と36個のスロットでCT=12、52個の磁極と39個のスロットでCT=13においても同様の傾向がある。これらの場合、比が0.75に近い(正確に0.75ではない)設計においては、より良好なコギング特性が得られる。0.75スロット/磁極比率設計では、スキューのようなコギングを減らす他の技術を用いることができるが、通常そういった技術は、低CT値となるスロット/磁極比率を有する同型モーターにより実現される低コギングトルクを実現するために、より多くの労力や大掛かりなコギング除去技術を要する。

0031

図3は、製造公差がモーターのコギング特性に及ぼす影響を示す。ここで見られるように、0.75スロット/磁極比率モーターは、本質的に不十分なコギング特性を有するだけでなく、高度な製造精度をも要する。これは、あらゆる0.75モーター構造における微妙な欠点が、CTが低いモーターにおける同様の(製造)差異と比較して、非常に大きいコギングトルクに帰着するからである。このように、0.75スロット/磁極比率による設計においてコギング特性の要求レベルを達成することは、CTが低いスロット/磁極比率による設計に比べて、本質的に困難である。

0032

図3に見られるように、0.75組でも低コギング値の実現は可能である。それは、中心に関して最適化された半径内の理想磁石位置にある磁石を用いることで達成され得る。その中心とは、空隙に面した磁石側にある回転子の中心ではない。この半径は、回転子中心からちょうど磁石を取り囲む半径よりも小さい。この方法で磁石に係る半径を規定することは、平均空隙が増加させられているために、全回転子磁束を減らす。これは、一定に保たれている他の変数によりモータートルク効率が減じられたことを意味する。

0033

図3から分かるように、30個のスロットと40個の磁極の組に係るコギング特性は、より装置ジオメトリ変化に対して敏感である。この場合、磁極のひとつが空隙中へ0.005だけずれると、36個のスロットと46個の磁極の組におけるコギング特性は1.59倍増加し、それは30個のスロットと40個の磁極の組による増加分である1.9倍よりも小さい。加えて、回転子外径研磨されてジオメトリ変化を減少させる(.005″突出した磁石を取り除く)ような場合、それはコギングを9倍以上増加させるであろう。これに反して、既に円形の回転子では、コギングは減少するであろう。

0034

36個のスロットと46個の磁極の組のような0.75組のコギングを減少させる他の選択肢として、スキューがある。スキューには次の2つの欠点がある。(1)一定に保たれている他の変数によって、モーターのトルク効率を減少させてしまうこと。(2)機械巻線がさらに困難になり得ること。

0035

0.75設計の本質的に不十分なコギング特性とパラメーター変化に対するより高い感度に起因して、前記0.75設計は、ほぼ等しい比率であってより低いCTを有するものと比較して、さほど望ましくないスロット/磁極の組となっている。

0036

これから先もなお、所望のモーターを実現するために、さらなる設計的検討に取り組まねばならない。図2A〜2D中に説明されたスロット/磁極の組は、最大平行パス経路)を有するモーターを特定する。最大平行経路が1であるスロット/磁極の組は、コイルあたりの巻数が少なく、配線でスロットを所定の割合まで埋めるために、2以上の平行経路を有する巻線よりも太い配線寸法を要するであろう。これは、モーターの種類によって決まる自動巻線機を用いたモーターの配線巻がより困難となることに帰着する。これは、自動巻線機がより太い配線を引かなければならないことと、モーターのトルク効率を低下させてしまう配線を通し、配置するためのより大きなスロット開口を要することによる。従って、これが心配であるならば、設計者はこれらのスロット/磁極の組を回避すべきである。

0037

スロット/磁極の組は、なるべく、形成されるべき適切な数の磁極を備えた平衡巻線が得られるようにも選択され得る。図2A〜2D及び図2A−D1〜図2A−D47に、平衡巻線を生じる全スロットが埋まったスロット/磁極の組を表記する(表中、ゼロ値で示す)。非平衡巻線は次の結果をもたらすであろう。(1)通常動作により生じる平衡正弦波電流が供給された際の、深刻なトルクリプル。(2)動作中のモーターの不規則発熱。(3)巻線がデルタ結線されている際の循環電流。スロットをQS個(QSは3の倍数)備えた三相モーターは、各相にQS/3個ずつのコイルを備えるであろう。次の2つの基準を満たすように、固定子周辺の所定のスロット位置に、各相のコイルを配置することが、平衡三相巻線の実現における目標となる。(1)三相のそれぞれを構成しているコイルの、直列並列の組み合わせにより発生する全電圧が等しい。(2)当該電圧は、時相中で電気角120°ずらされる。これは、綿密な調査作表手法、またはコンピュータプログラムにより達成され得る。ほぼ平衡な巻線であって、スロット数が3で分割できないものも形成可能である。これは1個ないし2個の追加スロットと追加歯を備えることで達成されるかもしれないが、これら追加の歯周辺にはコイル巻線は存在しない。

0038

図2A〜2D及び図2A−D1〜図2A−D47に、全てのスロットが埋められることを必要とせずに平衡巻線を形成するスロット/磁極の組をも示す。理論的に完全な平衡ではないが、それらの巻線は実際には有効なほど十分に平衡に近い。他のスロット/磁極巻線の組み合わせには、しかしながら、各相が電気的に平衡を欠く(electrically unbalanced phase to phase)ものも存在する。それほど望ましくないか非常に不十分な特性を引き起こすいずれかの場合、これらの組は、やや非平衡なものから大きく位相非平衡なものまで変化するであろう。表の平衡巻線の列において、これらの組はゼロ値をとったであろうが、リストからは省略した。このため、0.5より大きく1.0より小さい全てのあり得る組が、表中に示されている訳ではない。

0039

巻線選択に関するさらなる検討のひとつは、巻線に完全な三相正弦波電流が供給された際に、巻線によって生成される起磁力(MMF)波形である。これは、磁束の完全な正弦波源が用いられている際に、巻線に発生した電圧波形を観察とすることと等価である。三相正弦波電流源でモーターを使用するにあたっては、高調波がなく正弦波の生成された電圧波形を得ることが目標となる。スロット付き固定子でコイル毎の巻数が等しい場合、高調波ゼロの目標を達成することは困難で、目標に近づくことさえも困難である。全高調波歪すなわちTHDは、この目標の指針となる。THDは次式で定義される。

THD=√((V2/V1)2+(V3/V1)2+(V4/V1)2+(V5/V1)2+(V6/V1)2+(V7/V1)2…)/V1 [%]

0040

ここで、V1、V2、V3は生成波形の基本高調波及び高次高調波である。THDを図2に示す。より低い値が望ましいことは明確である。これは所望の巻線を選択する際に使用する、他の重要な基準となる。

0041

上述のように、本発明に係る設計は、特に高トルクで低速のモーターに非常に適している。本発明で開示された手法に従い、2つの典型的なモーターの設計、製造、テストがなされた。第一のモーターは、12.5”の固定子積層薄板外径、8.1”の積み重ね長、及び0.045”の空隙を有する36個のスロットと46個の磁極で設計がなされている。第二のモーターは、8.6”の固定子積層薄板外径、5.8”の積み重ね長、及び0.040”の空隙を有する30個のスロットと38個の磁極で設計がなされている。完成したモーターは、それぞれKmが23.9と6.73であった。Kmは客観的な電動モーターの長所を示したものであり、モーターにより発生したトルクと、パワー損失の比率を表す。モーターから放散される熱伝導(すなわちパワー損失)が一定であるとき、Kmはモーターの連続トルクと等価である。そのため、Kmが大きいことは、モーターの効率が高いことを示す。Kmは次式で定義される。

Km=T/√((I2)*R) [Nm/√Watt]

前述した本発明に係る設計がなされたモーターのKm特性は、同サイズのモーターにおいては最も優れている。

0042

詳細な明細書により、本発明の多くの特徴と利点は明らかである。従って付属の請求項により、本発明の真の精神と意図の範囲内にある本発明の特徴と利点が全てカバーされることを意図している。

0043

さらに、当業者は多くの改良や変形を容易に想像できるので、本発明は、正にここに図示または記載された使用方法や動作に限定されるものではない。従って、用いられるであろう全ての適当な改良や相当物が、請求項の範囲内にあると意図されている。

図面の簡単な説明

0044

本発明の有利な実施例に係るモーターの断面図である。
本発明に係る典型的なスロット/磁極設計用の多様なパラメーターを示す表の一部分である。
本発明に係る典型的なスロット/磁極設計用の多様なパラメーターを示す表の一部分である。
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本発明に係る典型的なスロット/磁極設計用の多様なパラメーターの、より具体的な一例を示す表である。
本発明に係る典型的なスロット/磁極設計用の多様なパラメーターの、より具体的な一例を示す表である。
本発明に係る典型的なスロット/磁極設計用の多様なパラメーターの、より具体的な一例を示す表である。
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本発明に係る典型的なスロット/磁極設計用の多様なパラメーターの、より具体的な一例を示す表である。
異なった製造公差を有する多様なスロット/磁極の組み合わせにおける、コギングを比較する表である。

符号の説明

0045

1巻線アセンブリ
5スロット
10界磁アセンブリ
15磁極
17 導磁性構造

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