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技術 燐酸溶液中の珪素濃度測定装置及び測定方法

出願人 アプリシアテクノロジー株式会社
発明者 渡津はるる伊豆田信彦矢田秀雄
出願日 2006年5月16日 (14年7ヶ月経過) 出願番号 2006-136134
公開日 2006年12月28日 (14年0ヶ月経過) 公開番号 2006-352097
状態 特許登録済
技術分野 電気的手段による材料の調査、分析 ウェットエッチング
主要キーワード 液温測定 一次関数式 加温ヒーター 温度低下速度 高温高濃度 加水分解ユニット 導電率センサー 管理された状態
関連する未来課題
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課題

エッチング処理循環使用している高温高濃度燐酸溶液中珪素濃度を前処理することなく、連続的に、簡易に且つ安価に測定し、エッチング装置を常に良好な処理が行える状態に管理可能とする測定装置及び測定方法の提供。

解決手段

半導体基板処理装置稼働中にエッチング液として使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を測定するための装置であって、少なくとも反応槽濃度測定槽とを有してなり、上記反応槽は、前記半導体基板処理装置から抜き出された一定量の燐酸溶液弗化水素酸を加えることで弗化珪素化合物を生じさせ、更に該弗化珪素化合物を蒸発させる反応ユニットを有し、且つ、上記濃度測定槽は、反応槽からの蒸発した弗化珪素化合物を脱イオン水通気させて加水分解する加水分解ユニットと、通気した後の脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定する測定ユニットとを有する燐酸溶液中の珪素濃度測定装置。

概要

背景

エッチング装置半導体シリコン基板上の珪素化合物膜を除去する場合には、通常、高温且つ高濃度燐酸溶液で珪素化合物膜をエッチング処理することが行われている。この際に使用されるエッチング薬液(燐酸溶液)は、多数回にわたり循環利用されており、それぞれのエッチング処理後珪素成分は、不揮発性珪素化合物として燐酸溶液中残留し、この状態で次のエッチングが行われる。このため、燐酸溶液中に珪素化合物として含まれる珪素濃度は、エッチング処理毎に変動することになる。これに対し、下記に述べるように、エッチング薬液中の珪素濃度の変動に伴って、エッチング対象となる珪素化合物膜のエッチング特性に変動を生じる。

先ず、燐酸溶液中の珪素濃度が上昇すると、珪素化合物膜のエッチングレートは低下する。これに対して、エッチングレートの低下を抑制するため、エッチング処理に使用している燐酸溶液中の溶解物(珪素成分)を集中的に析出させて除去し、燐酸溶液の液寿命延長させることが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。

更に、本発明者らの検討によれば、上記したエッチングレートの低下は、エッチング対象となる珪素化合物膜の膜種によって、その低下率が大きく異なる場合がある。例えば、窒化珪素膜酸化珪素膜を比較した場合には下記のような違いがある。即ち、あるエッチング処理条件において、燐酸溶液中の珪素濃度が0ppmから50ppmに増加した場合、窒化珪素膜のエッチングレートは10〜20%程度の低下であるのに対して、酸化珪素膜のエッチングレートでは、75〜85%と大幅に低下する。従って、エッチング装置でエッチング薬液として使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を的確に把握し、珪素濃度を管理(制御)することは、均一なエッチング処理を行う上で非常に重要である。

従来より行われている稼働中のエッチング装置に使用されている燐酸溶液に対する管理方法は、循環使用している燐酸溶液をロット毎に定期的に交換することである。即ち、燐酸溶液を定期的に交換することで、エッチング処理に使用される燐酸溶液中の珪素濃度が許容範囲を超えるのを防いでいる。しかしながら、上記管理方法において基礎となる薬液寿命は、経験則から導き出されたものであり、本来の意味での管理、つまり、エッチング処理に使用されている燐酸溶液中の珪素濃度の管理がなされているわけではない。

上記で述べたエッチング処理方法は、珪素をあまり含まない燐酸溶液を用いてエッチングを行う方法であるが、この手法とは対照的に、多層膜処理におけるエッチング選択性を向上させる目的で、エッチング薬液に、珪素化合物膜のついたウェーハを用いて故意に珪素を溶け込ませ、当初より珪素を含む燐酸溶液を用いてエッチングするエッチング処理方法も存在する。このエッチング処理方法の場合も、上記した管理手法の場合と同様に、使用するエッチング薬液の寿命の管理は経験則によるものである。更に、このエッチング処理方法の場合における当初に燐酸溶液中に溶け込ませる珪素濃度も、上記したような方法で、経験から導き出された条件にて燐酸溶液中に珪素を溶け込ませている。即ち、このエッチング処理方法の場合においても、エッチング処理が、使用中の燐酸溶液中に所望する量の珪素が実際に溶け込んでいるか否かを管理しながら行っているわけではない。

これに対し、珪素化合物膜の燐酸溶液によるエッチング処理工程において循環使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を逐次測定すれば、本来の意味での燐酸溶液中の珪素濃度の管理(制御)が可能となる。そして、このエッチング薬液として使用されている燐酸溶液中に実際に含まれている珪素濃度を管理することは、前記した通り、エッチングレート及びエッチング選択性の管理に直結することになる。

特開2002−299313公報
特開平11−293479号公報

概要

エッチング処理で循環使用している高温高濃度の燐酸溶液中の珪素濃度を前処理することなく、連続的に、簡易に且つ安価に測定し、エッチング装置を常に良好な処理が行える状態に管理可能とする測定装置及び測定方法の提供。半導体基板処理装置の稼働中にエッチング液として使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を測定するための装置であって、少なくとも反応槽濃度測定槽とを有してなり、上記反応槽は、前記半導体基板処理装置から抜き出された一定量の燐酸溶液に弗化水素酸を加えることで弗化珪素化合物を生じさせ、更に該弗化珪素化合物を蒸発させる反応ユニットを有し、且つ、上記濃度測定槽は、反応槽からの蒸発した弗化珪素化合物を脱イオン水通気させて加水分解する加水分解ユニットと、通気した後の脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定する測定ユニットとを有する燐酸溶液中の珪素濃度測定装置。

目的

従って、本発明の目的は、エッチング液に燐酸溶液を用いるエッチング装置において有効に使用できる、通常のエッチング処理に循環使用されている高温且つ高濃度の燐酸溶液中における珪素濃度を、何らの前処理することなしに、連続的に(経時的に)、しかも、簡易に且つ安価に測定することが可能となる測定装置並びに測定方法を提供することにある。更に、本発明の目的は、エッチング装置に使用されている燐酸溶液中における珪素濃度を、常に良好なエッチング処理が行える状態に管理(制御)できるようにすることで、優れた性能の半導体基板を安定して、効率的に製造することに寄与することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

半導体基板処理装置稼働中にエッチング液として使用されている燐酸溶液中珪素濃度を測定するための装置であって、少なくとも反応槽濃度測定槽とを有してなり、上記反応槽は、前記半導体基板処理装置から抜き出された一定量の燐酸溶液弗化水素酸を加えることで弗化珪素化合物を生じさせ、更に該弗化珪素化合物を蒸発させる反応ユニットを有し、且つ、上記濃度測定槽は、反応槽からの蒸発した弗化珪素化合物を脱イオン水通気させて加水分解する加水分解ユニットと、通気した後の脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定する測定ユニットとを有することを特徴とする燐酸溶液中の珪素濃度測定装置

請求項2

前記反応槽が、反応槽中の燐酸溶液を70〜180℃の温度範囲内に管理された状態で弗化水素酸を添加する手段と、該燐酸溶液中の珪素化合物気体の弗化珪素化合物として燐酸溶液中から蒸発させる手段とを有する請求項1に記載の燐酸溶液中の珪素濃度測定装置。

請求項3

前記反応槽が、反応槽の下部から、弗化水素酸を加えることで弗化珪素化合物を生じさせている燐酸溶液に不活性ガスを供給して、反応槽の上部から反応槽内のガスのみを排出する手段を有する請求項1又は2に記載の燐酸溶液中の珪素濃度測定装置。

請求項4

前記濃度測定槽が、脱イオン水中の珪素濃度の変率を導電率計を用いて測定する手段を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の燐酸溶液中の珪素濃度測定装置。

請求項5

前記反応槽に、更に、反応槽内の燐酸溶液を70〜180℃の温度範囲内に制御するための加温手段が設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載の燐酸溶液中の珪素濃度測定装置。

請求項6

稼働中の半導体基板処理装置においてエッチング液として循環使用されている燐酸溶液中の珪素濃度の測定方法であって、前記半導体基板処理装置から一定量の燐酸溶液を抜き出し、該一定量の燐酸溶液に弗化水素酸を添加して両者間の反応により弗化珪素化合物を生じさせ、更に、該一定量の燐酸溶液から該弗化珪素化合物を蒸発させる工程と、蒸発した弗化珪素化合物を脱イオン水に通気して加水分解を行い、更に、該脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定する工程とを有することを特徴とする燐酸溶液中の珪素濃度の測定方法。

請求項7

前記燐酸溶液と弗化水素酸との反応を、液温を70〜180℃にて管理した該一定量の燐酸溶液中に弗化水素酸を添加することで行って、該一定量の燐酸溶液中の珪素化合物を気体の弗化珪素化合物として該一定量の燐酸溶液中から蒸発させる請求項6に記載の燐酸溶液中の珪素濃度の測定方法。

請求項8

前記脱イオン水中の珪素濃度の変率の測定を、該脱イオン水の導電率を測定することで行う請求項6又は7に記載の燐酸溶液中の珪素濃度の測定方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体基板処理装置(以下、エッチング装置という)の稼働中にエッチング液として循環使用されている燐酸溶液中珪素濃度を測定するための測定装置及び測定方法に関する。本発明は、半導体シリコン基板上に形成された珪素化合物膜を、当初より珪素溶け込ませた燐酸溶液エッチングする手法にも有用な、循環使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を測定するための測定装置及び測定方法に関する。

背景技術

0002

エッチング装置で半導体シリコン基板上の珪素化合物膜を除去する場合には、通常、高温且つ高濃度の燐酸溶液で珪素化合物膜をエッチング処理することが行われている。この際に使用されるエッチング薬液(燐酸溶液)は、多数回にわたり循環利用されており、それぞれのエッチング処理後珪素成分は、不揮発性珪素化合物として燐酸溶液中に残留し、この状態で次のエッチングが行われる。このため、燐酸溶液中に珪素化合物として含まれる珪素濃度は、エッチング処理毎に変動することになる。これに対し、下記に述べるように、エッチング薬液中の珪素濃度の変動に伴って、エッチング対象となる珪素化合物膜のエッチング特性に変動を生じる。

0003

先ず、燐酸溶液中の珪素濃度が上昇すると、珪素化合物膜のエッチングレートは低下する。これに対して、エッチングレートの低下を抑制するため、エッチング処理に使用している燐酸溶液中の溶解物(珪素成分)を集中的に析出させて除去し、燐酸溶液の液寿命延長させることが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。

0004

更に、本発明者らの検討によれば、上記したエッチングレートの低下は、エッチング対象となる珪素化合物膜の膜種によって、その低下率が大きく異なる場合がある。例えば、窒化珪素膜酸化珪素膜を比較した場合には下記のような違いがある。即ち、あるエッチング処理条件において、燐酸溶液中の珪素濃度が0ppmから50ppmに増加した場合、窒化珪素膜のエッチングレートは10〜20%程度の低下であるのに対して、酸化珪素膜のエッチングレートでは、75〜85%と大幅に低下する。従って、エッチング装置でエッチング薬液として使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を的確に把握し、珪素濃度を管理(制御)することは、均一なエッチング処理を行う上で非常に重要である。

0005

従来より行われている稼働中のエッチング装置に使用されている燐酸溶液に対する管理方法は、循環使用している燐酸溶液をロット毎に定期的に交換することである。即ち、燐酸溶液を定期的に交換することで、エッチング処理に使用される燐酸溶液中の珪素濃度が許容範囲を超えるのを防いでいる。しかしながら、上記管理方法において基礎となる薬液寿命は、経験則から導き出されたものであり、本来の意味での管理、つまり、エッチング処理に使用されている燐酸溶液中の珪素濃度の管理がなされているわけではない。

0006

上記で述べたエッチング処理方法は、珪素をあまり含まない燐酸溶液を用いてエッチングを行う方法であるが、この手法とは対照的に、多層膜処理におけるエッチング選択性を向上させる目的で、エッチング薬液に、珪素化合物膜のついたウェーハを用いて故意に珪素を溶け込ませ、当初より珪素を含む燐酸溶液を用いてエッチングするエッチング処理方法も存在する。このエッチング処理方法の場合も、上記した管理手法の場合と同様に、使用するエッチング薬液の寿命の管理は経験則によるものである。更に、このエッチング処理方法の場合における当初に燐酸溶液中に溶け込ませる珪素濃度も、上記したような方法で、経験から導き出された条件にて燐酸溶液中に珪素を溶け込ませている。即ち、このエッチング処理方法の場合においても、エッチング処理が、使用中の燐酸溶液中に所望する量の珪素が実際に溶け込んでいるか否かを管理しながら行っているわけではない。

0007

これに対し、珪素化合物膜の燐酸溶液によるエッチング処理工程において循環使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を逐次測定すれば、本来の意味での燐酸溶液中の珪素濃度の管理(制御)が可能となる。そして、このエッチング薬液として使用されている燐酸溶液中に実際に含まれている珪素濃度を管理することは、前記した通り、エッチングレート及びエッチング選択性の管理に直結することになる。

0008

特開2002−299313公報
特開平11−293479号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、前記したように、現状では、燐酸溶液の寿命の管理(燐酸溶液中の珪素濃度の管理)は、専ら経験則によって行われている。これは、半導体シリコン基板上に形成された珪素化合物膜を高温の燐酸溶液でエッチングするエッチング装置に対して、オンラインにて使用することが可能な(即ち、自動管理に使用できる)循環使用中の燐酸溶液中に存在している珪素濃度を測定する方法或いは装置が知られてないことに起因している。以下に、現状について述べる。

0010

燐酸溶液中の珪素濃度の分析を行う場合の一般的な手法としては、JIS−K0116に準拠したICP−AES(誘導結合プラズマ原子発光分析)やJIS−K0121に準拠した原子吸光分析といった分光分析法が挙げられる。そして、これらの分析手法を用いれば非常に高精度で正確な分析が可能である。

0011

しかしながら、これらの手法を採用した場合には、分析対象物発光させるための発光装置、その光を分光する分光器、分光された光を検出する検出器等が必要であり、複雑で、且つ、大型な装置が必要となる。又、測定対象であるエッチング装置でエッチング液として使用されている燐酸溶液は、その濃度が高く、しかも高温であるため、上記したような分析手法を用いる場合には、測定前に常温付近にまで冷却し、その後に希釈する等の、測定用試料についての前処理を行うことが必要となる。このため、上記したような分析装置エッチング処理装置に組み込んで、連続的(経時的)な測定を行うのは非常に難しい。更に、価格面においてもこれらの装置は、装置自体の価格及び維持費共に高価であり、この点でも問題がある。

0012

従って、本発明の目的は、エッチング液に燐酸溶液を用いるエッチング装置において有効に使用できる、通常のエッチング処理に循環使用されている高温且つ高濃度の燐酸溶液中における珪素濃度を、何らの前処理することなしに、連続的に(経時的に)、しかも、簡易に且つ安価に測定することが可能となる測定装置並びに測定方法を提供することにある。更に、本発明の目的は、エッチング装置に使用されている燐酸溶液中における珪素濃度を、常に良好なエッチング処理が行える状態に管理(制御)できるようにすることで、優れた性能の半導体基板を安定して、効率的に製造することに寄与することにある。

課題を解決するための手段

0013

上記の目的は、下記の本発明により達成される。即ち、半導体基板処理装置の稼働中にエッチング液として使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を測定するための装置であって、少なくとも反応槽濃度測定槽とを有してなり、上記反応槽は、前記半導体基板処理装置から抜き出された一定量の燐酸溶液に弗化水素酸を加えることで弗化珪素化合物を生じさせ、更に該弗化珪素化合物を蒸発させる反応ユニットを有し、且つ、上記濃度測定槽は、反応槽からの蒸発した弗化珪素化合物を脱イオン水通気させて加水分解する加水分解ユニットと、通気した後の脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定する測定ユニットとを有することを特徴とする燐酸溶液中の珪素濃度測定装置である。

0014

又、本発明の別の実施形態は、稼働中の半導体基板処理装置においてエッチング液として循環使用されている燐酸溶液中の珪素濃度の測定方法であって、前記半導体基板処理装置から一定量の燐酸溶液を抜き出し、該一定量の燐酸溶液に弗化水素酸を添加して両者間の反応により弗化珪素化合物を生じさせ、更に、該一定量の燐酸溶液から該弗化珪素化合物を蒸発させる工程と、蒸発した弗化珪素化合物を脱イオン水に通気して加水分解を行い、更に、該脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定する工程とを有することを特徴とする燐酸溶液中の珪素濃度の測定方法である。

発明の効果

0015

本発明によれば、従来の燐酸溶液中の珪素濃度を測定する方法に比べて格段に簡便な手法によって、連続的(経時的)に、安価に、しかもエッチング装置の稼働中に循環使用されている高温且つ高濃度の燐酸溶液中における珪素濃度を、何らの前処理することなしに測定することが可能となる。又、本発明によれば、簡易な手法で、高温の燐酸溶液を用いた珪素化合物膜のエッチング処理においてプロセス性能の向上が図れるとともに、エッチング液である燐酸溶液を効率よく使用することができるようになる。このため、燐酸廃液量の低減にも繋がり、この点からも経済的に良好なエッチングを行うことができ、エッチングの高効率化が達成される。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明にかかる燐酸溶液中の珪素濃度の測定方法における測定原理の概略は、以下の通りである。先ず、燐酸溶液がエッチング液として使用されている半導体基板処理装置から一定量の燐酸溶液を抜き出し、該燐酸溶液に弗化水素酸を加えて反応させて弗化珪素化合物を生じさせる。次に、この弗化珪素化合物を蒸発させ、蒸発したガス状の弗化珪素化合物を脱イオン水に通気して加水分解を行う。最後に、通気後の脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定し、これによって、エッチング液として使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を管理する。脱イオン水中の珪素濃度の変率の測定に有用な安価な装置としては、導電率計超音波濃度計イオンメーター等が存在するが、本発明者らの検討によれば、特に、導電率計を用いて測定することが好ましい結果を与える。以下、導電率計を用いた場合を代表例として説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。

0017

上記の測定原理を実現し得る本発明にかかる測定装置は、エッチング装置の稼働中にエッチング液として循環使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を、簡易且つ経済的に測定することが可能である。本発明にかかる測定装置は、基本的に、反応槽と濃度測定槽と、これらに設けられた配管系とからなる。反応槽には、稼働中のエッチング装置で循環使用している燐酸溶液の一部が取り出されて供給される。そして、反応槽に供給された燐酸溶液は、反応槽内で弗化水素酸と反応させられる。この結果、反応槽内では、燐酸溶液中の珪素成分から弗化珪素化合物が生成する。

0018

本発明にかかる測定装置では、更に、この反応によって生じた弗化珪素化合物を蒸発させて、反応槽から送られるガスに含めて隣接している濃度測定槽へと導入する。濃度測定槽では、反応槽から送られてくる蒸発した弗化珪素化合物を含むガスを脱イオン水中に通気させ、これによって、弗化珪素化合物を加水分解させる。そして、更に、この反応槽から送られるガスを通気した後の濃度測定槽内における脱イオン水中の珪素濃度の変率を測定する。この際のガスを脱イオン水中に通気する時間は、抜き出す、即ち、サンプリングする燐酸溶液の量、珪素濃度の変率を測定する方法等にもよるので特に限定されない。従って、通気時間は、サンプリング条件反応条件等に応じて適宜に決定すればよい。例えば、サンプリングする燐酸溶液の量を300〜500mLとし、導電率計を用いて珪素濃度の変率を測定する場合には、ガスを脱イオン水中に通気する時間は、3〜10分程度であれば十分である。これらの一連の操作によって、エッチング装置の稼働中に循環使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を知ることができる。

0019

上記したような構成を有する本発明にかかる測定装置において好ましく行われる燐酸溶液中の珪素濃度の分析手法について、順を追って更に詳細に説明する。先ず、エッチング装置の燐酸溶液の循環ラインから一定量の燐酸溶液を抜き出して反応槽に供給し、該燐酸溶液に弗化水素酸を添加して反応させる。本発明においては、燐酸溶液を70〜180℃の温度範囲内に管理した状態で弗化水素酸を添加することが好ましい。通常のエッチング処理では、85%程度の濃度の燐酸溶液が150〜160℃の液温にて循環使用される。このような燐酸溶液の循環ラインから反応槽へと供給された燐酸溶液は、その過程で液温が低下する。本発明者らの検討によれば、反応槽に設けた加温手段によって燐酸溶液の液温が130℃程度となるまで昇温させることが最も好ましい。しかし、更なる検討によれば、エッチング装置から反応槽に供給した燐酸溶液の液温が70℃以上であれば、燐酸溶液中の珪素濃度を測定することは可能である。従って、この場合には特に反応槽内に加温手段を設ける必要がなくなるので、より簡便な装置とできる。但し、測定精度は燐酸溶液の液温の低下に伴って低下する傾向があるので、燐酸溶液の液温を70℃以上に温度管理した状態で弗化水素酸を添加することが好ましい。

0020

上記したようにして反応槽中の燐酸溶液に弗化水素酸を添加すると、燐酸溶液中の珪素化合物と弗化水素酸が反応して、燐酸溶液中の珪素化合物は、四弗化珪素ガスとなる。本発明では、この四弗化珪素ガスを、例えば、窒素ガス等の不活性ガス媒体として燐酸溶液中から蒸発させて濃度測定槽へと送り、これらのガスを濃度測定槽内の脱イオン水中に通気することで、ガス中四弗化珪素を加水分解してヘキサフルオロ珪酸とする。上記のようにして四弗化珪素ガスを燐酸溶液中から脱イオン水中に送って通気させる操作中においては、反応槽内の燐酸溶液の温度を一定に保つことが好ましい。例えば、反応槽に設けた前記した加温手段によって一定に保つことが好ましい。一方、反応槽に加温手段が設けられていない場合には、測定環境温度を一定に保つことで、燐酸溶液の温度低下速度を一定とするのが好ましい。本発明では、最後に、導電率計を用いて上記のようにして得られるヘキサフルオロ珪酸溶液(通気後の脱イオン水)の導電率計測する。この結果、エッチング装置で循環使用している燐酸溶液中に含まれる珪素濃度を間接的に測定することが可能となる。

0021

上記した一連の操作は、自動的に行うことが可能である。従って、エッチング装置の燐酸溶液の循環ラインから、該燐酸溶液を一定間隔でサンプリングすることができるような状態にし、本発明にかかる測定装置をエッチング処理システム中に組み込めば、稼働するエッチング装置で使用している燐酸溶液中に含まれる珪素濃度を継続的に監視し、管理することができるようになる。

0022

尚、濃度測定槽における導電率の測定において、液体の導電率は温度によっても変動するが、この変動は簡易な計算式にて補正可能であるため、濃度測定槽における温度変化による導電率変化補償できる。

0023

反応槽から不活性ガスを媒体として濃度測定槽へと移送されてくるガス状物質中には、前記した四弗化珪素のみではなく、水及び弗化水素も含まれる。しかしながら、下記に述べるように、本発明においては、これらの影響は無視することができる。先ず水は、電気伝導度を持たない物質であり、濃度測定槽に移送される量も槽内に供給されている脱イオン水量と比較すると非常に少ないため、無視することができる。又、弗化水素酸は、電気伝導度はあるものの、強2塩基性であるヘキサフルオロ珪酸と比較してその導電率は小さい。更に、本発明者らの検討によれば、反応槽中の燐酸溶液に添加させる弗化水素酸の量を一定量とし、且つ温度等の反応条件を一定とした場合には、濃度測定槽に移送されてくる物質量は、反応槽での四弗化珪素の生成量に依存して変化する。このことは、一定反応条件下においては、濃度測定槽内における脱イオン水の導電率変化は、ヘキサフルオロ珪酸濃度、即ち、燐酸溶液中からの珪素濃度が支配的であり、弗化水素の影響は無視できることを意味している。

0024

以下、本発明の方法を実現し得る本発明にかかる測定装置の一例を、図面を参照しながら説明する。図1に装置の概略図を示したが、図1に示したように、本発明にかかる測定装置は、その主たる構成要素として反応槽1と濃度測定槽7とが設けられてなる。これらの反応槽1及び濃度測定槽7は、いずれも、本発明にかかる測定装置による測定操作中において、密閉された状態とできる構造のものである。反応槽1は、エッチング装置の稼働中にエッチング薬液として循環使用されている燐酸溶液から引き抜かれた一定量の燐酸溶液が供給されて、該燐酸溶液中に含まれる珪素成分を弗化珪素化合物として蒸発させる反応ユニットを有するものであれば、いずれの構造のものであってもよい。一方の濃度測定槽7は、反応槽1で蒸発した弗化珪素化合物を含むガスが導入され、該ガスを脱イオン水に通気して加水分解する加水分解ユニットと、該脱イオン水の珪素濃度の変率を測定する測定ユニットを有するものであれば、いずれの構造のものであってもよい。以下、これらのユニットについて説明する。

0025

エッチング装置の稼働中にエッチング薬液として用いられている燐酸溶液は、エッチング装置内の燐酸溶液循環ラインLを介して循環使用されている。図1に例示した装置では、このエッチング装置内の燐酸溶液循環ラインLと、反応槽1とを結ぶ供給ライン2が設けられており、この循環ラインLから燐酸溶液の一部を引き抜いて、反応槽1へと一定量の燐酸溶液が供給される。

0026

更に、反応槽1には、反応槽1に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給ライン3に接続された状態で、弗化水素酸溶液を反応槽1内の燐酸溶液に添加できる構造を有する弗化水素酸溶液の供給ライン4が設けられている。更に、図示した反応槽1には、反応槽1内への一定量の液の供給を可能とするための液レベルセンサー15A、供給された燐酸溶液を必要に応じて加温するためのヒーター11、反応槽1内の液温を測定するための液温測定用の熱伝対12Aが設置されている。

0027

一方、濃度測定槽7は、上記の通り加水分解ユニットと、測定ユニットとを有することを要する。このため、反応槽1と濃度測定槽7との間には、図1に示したように、反応槽1からの弗化珪素化合物が含有されたガスを濃度測定槽7内に供給するためのガス供給ライン6が設けられている。更に、濃度測定槽7には、脱イオン水供給ライン8と、排気ライン9及び廃液ライン10が接続されている。又、濃度測定槽7には、槽内への脱イオン水の一定量の供給を可能とするための液レベルセンサー15B、濃度測定槽7内の脱イオン水の温度測定用の熱伝対12B、濃度測定槽7内の脱イオン水の導電率センサー13が設置されている。この導電率センサー13は、図1に示したように、導電率モニター14に繋がっている。

0028

図1中に示した16は、燐酸溶液の供給ライン2及び反応槽1、更には、ガス供給ライン6を水洗するための脱イオン水供給ラインである。又、17は、この水洗後に、パージを行うための不活性ガス供給ラインである。

0029

次に、以上のような構成からなる測定装置の運転例を概説するが、これはあくまでも例示であって、本発明は当該運転例に限定されるものではない。先ず、稼動中のエッチング装置から反応槽1に、150〜160℃の液温にて循環使用されている85%燐酸溶液を、供給ライン2を介して350mL供給する。それと同時に、濃度測定槽7には、脱イオン水供給ライン8を介して脱イオン水を400mL供給する。尚、反応槽1内及び濃度測定槽7内に供給されるこれらの液の液量は、液レベルセンサー15A及び15Bによって制御することができる。

0030

反応槽1内に供給された燐酸溶液の温度は、上記した供給操作時における熱量損失によって110〜130℃となっているため、液温測定用の熱伝対12Aで反応槽1内の液温を測定しながら、ヒーター11にて加温する。そして、反応槽1内の燐酸溶液が130℃となったところで、不活性ガス供給ライン3及び弗化水素酸溶液の供給ライン4を介して、窒素ガスをキャリアーとして50%弗化水素酸溶液を2mL燐酸溶液中に添加する。次に、不活性ガス供給ライン3から5L/minの窒素ガスにて燐酸溶液を5分間バブリングする。ここで、窒素ガスによるバブリング中も、ヒーター11による加温によって燐酸溶液の温度を130℃に保つようにする。

0031

上記した弗化水素酸溶液の添加及び窒素ガスの供給が開始されるとほぼ同時に、反応槽1から濃度測定槽7へと、反応生成物である弗化珪素化合物ガスを含んだガスの移送がガス供給ライン6を介して開始する。このガス中に存在するガス状の弗化珪素化合物は、移送されたガスを濃度測定槽7中の脱イオン水中に通気した際に加水分解され、珪酸として脱イオン水中に取り込まれる。本発明では、このガス供給ライン6を介しての濃度測定槽7へのガス状の弗化珪素化合物の供給中、濃度測定槽7内の溶液(脱イオン水)温度及び導電率を、液温測定用の熱伝対12B、及び導電率センサー13に繋がっている導電率モニター14でモニタリングするように構成することが好ましい。

0032

下記に、反応槽1内或いは濃度測定槽7内において生じると考えられる反応を式で示した。尚、ここに示した化学式はあくまで仮定であり、本発明を何ら制限するものではない。又、燐酸溶液中の珪素化合物は多種存在するため、下記化学式では、総称してX−Siと記す。

0033

0034

上記の(1−1)式及び(1−2a)式は、燐酸溶液中における珪素化合物と弗化水素酸との反応を示している。燐酸溶液中の珪素化合物は、添加した弗化水素酸と反応して四弗化珪素ガスとなる。それを示したのが(1−1)式である。又、それと同時にヘキサフルオロ珪酸も生成される。それを示したのが(1−2a)式である。ここで生成されたヘキサフルオロ珪酸は、その後、溶解している燐酸溶液が高温であるため、気体の四弗化珪素ガスと弗化水素酸ガスに分解する。それを示したのが(1−2b)式である。反応槽1にて生成された四弗化珪素ガスは、不活性ガスを媒体として脱イオン水の入った濃度測定槽7へと移送され、(2−1)式にて示した通り、加水分解してヘキサフルオロ珪酸及びオルト珪酸となる。このとき生成されるオルト珪酸は、(2−2)式に示した通り、反応槽1から四弗化珪素と一緒に移送される弗化水素によってヘキサフルオロ珪酸となる。本発明では、先に述べたように、このヘキサフルオロ珪酸を含む溶液の導電率を計測することで、燐酸溶液中に含まれる珪素濃度を間接的に測定する。

0035

次に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。しかし、実施例はあくまで一つの事例であり、本発明は、これらの実施例によって何ら制限されるものではない。

0036

<実施例1>
図1に示した構成の実験装置を用い、前記した運転例と同様の条件及び手順にて、珪素濃度が、0、23、46、69ppmと既知である4種類の85%燐酸溶液の標準サンプルについて導電率測定を行った。この導電率値は、温度補償されたものである。

0037

上記の濃度を有する各燐酸溶液サンプルを反応槽1へ350mL供給後、ヒーター11で加温して液温を130℃とした。次に、前記したと同様にして反応槽1内の燐酸溶液中に、図1に示したライン3からの窒素ガスをキャリアーとして50%弗化水素酸溶液を2mL添加した。その後、不活性ガス供給ライン3から5L/minの窒素ガスを送って5分間バブリングして、反応槽1内から濃度測定槽7内の400mLの脱イオン水中へと、ガス供給ライン6を介して反応槽1内のガスを移送した。このようにして、燐酸溶液中への弗化水素酸溶液の添加から5分間通気した後における濃度測定槽7内の脱イオン水の導電率値を導電率センサー(875EC−JIF(商品名)、FOXBORO社製)によって測定した。尚、上記した操作の間、ヒーター11で加温して、反応槽1内の燐酸溶液の液温を130℃に保った。表1に、各燐酸溶液サンプル中の既知の珪素濃度[ppm]と、濃度測定槽7内における通気された脱イオン水(溶液)の導電率値をそれぞれ示した。

0038

0039

又、図2に、得られた導電率値Gと、対応する燐酸溶液中の珪素濃度C1との関係をグラフ化して示した。これらの結果から、少なくとも、上記試験で使用した燐酸溶液中の珪素濃度範囲内においては、燐酸溶液中の珪素濃度C1の増加に伴って導電率値Gも増加する傾向にあり、しかも、その関係を一次関数式にて表すことが可能であることが確認された。

0040

更に、上記試験で用いたそれぞれの燐酸溶液中の珪素濃度C1と、濃度測定槽7内の対応する溶液の導電率値Gとの関係が、標準サンプルとして用いた各燐酸溶液中における珪素濃度の違いに起因した必然的なものであるか否かについて、下記の方法で検証した。上記試験で行った弗化水素酸溶液の添加から5分後の濃度測定槽7内のそれぞれの溶液について、ICP−AES分析(誘導結合プラズマ発光分光分析;Inductively Coupler Plasma Atomic Emission Spectroscopy)を用いて珪素濃度の分析を行った。得られた結果を表2に示した。尚、表2中に、濃度測定槽7内の各溶液の導電率値Gを併せて示した。

0041

0042

又、図3に、試験に用いた各標準サンプルの既知の珪素濃度C1と、反応槽1から移送したガスを脱イオン水中に5分間通気した後における濃度測定槽7内の溶液について、ICP−AES分析により測定して得られた珪素濃度C2との関係をグラフ化して示した。又、図3中に、該珪素濃度C2と、先に測定した、反応槽1から移送したガスを脱イオン水中に5分間通気した後における濃度測定槽7内の溶液の導電率値Gとの関係をグラフ化して示した。

0043

これらの結果から、反応槽1に供給された時の燐酸溶液中の珪素濃度C1又は反応槽1内の燐酸溶液中への弗化水素酸の添加から一定時間後(5分後)の濃度測定槽7の溶液中の珪素濃度(C2)と導電率値は、その関係を一次関数式にて表すことができることが確認できた。又、上記検討により、濃度測定槽7中の珪素濃度C2と、反応槽1に供給された時の燐酸溶液中の珪素濃度C1とは比例関係にあることが確認できた。

0044

上記の通り確認できた関係から、反応槽1に供給された時の燐酸溶液中の珪素濃度C1、反応槽1への弗化水素酸添加から一定時間後の濃度測定槽7内の溶液中の珪素濃度C2、その際の濃度測定槽7内の溶液の導電率Gの間には、以下の(A−1)式及び(A−2)式が成り立つことがわかった。これらの式中の、a、b及びcは、実験値より導いた定数である。又、これらの2式から(B)式が導き出される。そして、(B)式は、反応槽1に供給された時の燐酸溶液中の珪素濃度C1は、濃度測定槽7内の対応する溶液の導電率Gを測定することで得ることができることを意味している。

0045

0046

図3に示したグラフより、式中の定数a、b及びcは、それぞれa=0.973、b=64.5、c=−65.9と導き出される。これらを上記した(B)式に当てはめると、C1=f(G)=62.8G−64.1となることがわかる。そして、この式は、図2に示したグラフにおける一次関数式であるC1=62.7G−63.8とほぼ一致する。このことから、反応槽1に供給された燐酸溶液中の珪素濃度と、濃度測定槽7内の溶液についての導電率との関係は必然的なものであると言える。そして、反応槽1に供給される燐酸溶液、即ち、エッチング装置に使用されている燐酸溶液中の珪素濃度は、濃度測定槽7内の溶液の導電率を測定することにより導くことが可能であることがわかる。

0047

<実施例2>
実施例1は、測定装置の反応槽内の燐酸溶液に対する加温手段(例えば、ヒーター)が設けられている場合の例であるが、本実施例は、加温手段を設けない場合或いは加温手段を使用しない場合の実施例である。図1に示した構成と同様の実験装置を用い、実施例1とほぼ同様の条件及び手順にて実験を行った。本実施例においては、反応槽1内の燐酸溶液に対する加温手段であるヒーター11を用いず、反応槽1に供給された燐酸溶液の温度が、後述する任意の温度まで低下したと同時に弗化水素酸溶液を添加し、不活性ガス供給ライン3からの窒素ガスによるバブリングを開始し、5分後に終了させた。上記した一連の測定を24〜26℃の常温雰囲気下で行うことにより、バブリング中の燐酸溶液の温度低下速度が一定となるようにした。本実施例では、反応槽1内に供給する燐酸溶液の容積を150mLとし、濃度測定槽7内の脱イオン水の容積を80mLとした。その他の実験手順及び条件は実施例1と同様とした。

0048

上記した試験条件において、珪素濃度が0ppm及び69ppmの既知である2種類の85%燐酸溶液の標準サンプルを用い、弗化水素酸の添加時における燐酸溶液の液温を変化させて、実施例1で使用した液温よりも低い液温での測定の可能性について検討を行った。具体的には、弗化水素酸の添加時における燐酸溶液の液温を70、80、90及び100℃の4種類に変化させた場合について、それぞれ濃度測定槽7内の溶液の導電率の測定を行った。この導電率は、温度補償されたものである。得られた結果を表3に示した。

0049

0050

図4に、各珪素濃度における、弗化水素酸の添加温度の変化に伴う導電率値の変化をグラフ化して示した。この結果から、弗化水素酸の添加温度が70〜100℃である範囲においては、バブリング中の反応槽内の燐酸溶液に対して加温を行わない場合においても、燐酸溶液中の珪素濃度の違いにより導電率値が変化することがわかった。このことから、これらの条件下においても前記した燐酸溶液中での珪素化合物と弗化水素酸との反応による四弗化珪素ガスの発生があったといえる。又、このことは本発明における反応槽内の燐酸溶液を加温しない測定手法での燐酸溶液中の珪素濃度の測定が可能であることを意味する。

0051

上記の結果は、本発明にかかる測定装置又は方法を用いれば、エッチング装置の稼働中に循環使用されている高温且つ高濃度の燐酸溶液中における珪素濃度を、何らの前処理することなしに測定できることを示している。更には、稼働中のエッチング装置で循環使用されている燐酸溶液の一部を、例えば、10〜20分毎に引き抜いてサンプリングして反応槽1に供給し、且つ、濃度測定槽7中の溶液の導電率を一定間隔でモニタリングするように本発明にかかる測定装置又は方法を構成すれば、前記燐酸溶液中の珪素濃度の状態を容易に知ることができる。又、モニタリングしている濃度測定槽7中の溶液の導電率の値によって、使用している燐酸溶液の取り替え時期を設定するようにしたり、燐酸溶液中へ珪素を溶け込ませる量を増加させたりすることができる。

0052

この結果、エッチング処理に使用されている燐酸溶液中の珪素濃度を、前記燐酸溶液として珪素濃度が薄い燐酸溶液を使用する場合も、前記燐酸溶液として当初より珪素を溶け込ませた燐酸溶液を用いる場合も、常に良好なエッチング処理が行える状態に管理(制御)できるようになるため、本発明にかかる測定装置及び方法は高性能の半導体基板を安定して、効率的に製造することに寄与できる。

図面の簡単な説明

0053

本発明を適用した測定装置例を模式的に示す構成図である。
反応槽に供給した燐酸溶液中の珪素濃度C1と、ガスを一定時間通気した後の濃度測定槽内の溶液の導電率Gとの関係を示すグラフである。
濃度測定槽内の溶液中の珪素濃度C2と、濃度測定槽内の溶液の導電率値Gとの関係を示すグラフである。
燐酸溶液中の珪素濃度及び弗化水素酸の添加温度の変化に伴う導電率値変化を示すグラフである。

符号の説明

0054

1:反応槽
2:燐酸溶液(エッチング液)の反応槽への供給ライン
3:不活性ガス供給ライン
4:弗化水素酸供給ライン
5:廃液ライン
6:ガス供給ライン
7:濃度測定槽
8:脱イオン水供給ライン
9:測定槽排気ライン
10:測定槽廃液ライン
11:加温ヒーター
12A、12B:熱伝対
13:導電率センサー
14:導電率モニター
15A、15B:液レベルセンサー
16:装置内洗浄用脱イオン水供給ライン
17:装置内パージ用不活性ガス供給ライン
L:エッチング装置内の燐酸溶液循環ライン

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