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図面 (8)

課題

透明性、反射性、およびフェールセーフに優れる調光構造体を提供する。

解決手段

透明電極30、フォトニック結晶5、および透明電極30がこの順序で積層されてなる調光構造体であって、前記フォトニック結晶5は規則配列したセル11を有する透明構造体10と前記セルに充填された液晶材料20とからなり、前記液晶材料20は屈曲構造を有する液晶分子を含むことを特徴とする調光構造体。

概要

背景

車室内への光および熱の侵入経路としては、サンルーフウィンドシールドリアガラスフロントサイドガラス、およびリアサイドガラス等の窓が挙げられる。従来の車両では熱的機能を空調設備のみに頼っていることから、車内に光エネルギーおよび熱エネルギーが窓から多量に侵入すると、車内環境を快適にするために空調設備を作動させなくてはならず、燃料消費が増大する。

建築物においても同様の問題が検討されており、窓を通じての光エネルギーおよび熱エネルギーの流入によって、建築物内の空調設備への負荷および人体への負荷が大きくなる。車両の場合と同様に、多量のエネルギーの流入は空調設備の燃費の増大を招き、巨視的にみれば環境への悪影響も懸念される。

このような問題を解決すべく、近年、車内や建築物内に流入する光エネルギーおよび熱エネルギーを遮蔽し、室内の温度上昇および空調設備への負荷を低減させる技術が提案されており、解決策の一例として調光機能を有する材料を用いた窓が提案されている。窓に用いる材料としての透明性、および日射エネルギー遮断のための熱線反射・吸収性の双方の特性を有し、必要に応じてスイッチングできる機能を有していれば、必要なときに必要な光量を室内に侵入させることが可能である。そのような制御が可能であれば、人体や冷房装置にかかる負荷を低減できるほか、省エネルギーの観点からも有益である。

材料に調光機能を付与するための具体的手段としては、エレクトロクロミック素子(以下「EC素子」という)、および液晶素子が知られているが、EC素子は、日射エネルギーを吸収するため、室内外隔てる材料に用いた場合には、その吸収されたエネルギーが室内に再放出され、室内温度の上昇を招いてしまう。

液晶素子は、電圧によって配列が変化する材料からなり、液晶の配列によって光の透視性を変更させる材料である。液晶素子としては、曲線的な配列相のネマティック液晶素子(特許文献1)、相分離法により得られる液晶素子(特許文献2)などが知られている。これらの液晶素子は、以下の原理に基づいて動作する。

安価なポリマー中液晶物質小滴を分散させた液晶素子は、電圧を印加しない状態では、ポリマー壁曲面に沿って液晶が配列する。これにより、光路がねじ曲げられ、また、ポリマー液晶滴との界面において光が反射して散乱し、乳白色に見える。一方、液晶素子に電圧を印加した場合、液晶滴内の液晶は外部電界により電界方向に配列する。このとき、液晶の常光屈折率noとポリマーの屈折率npとをこれらが一致するように選択することにより、液晶素子面に垂直に入射した光を、液晶とポリマーとの界面で反射することなく通過させることができ、液晶素子は透明となる。
特表昭58−501631号公報
特開昭60−502128号公報

概要

透明性、反射性、およびフェールセーフに優れる調光構造体を提供する。透明電極30、フォトニック結晶5、および透明電極30がこの順序で積層されてなる調光構造体であって、前記フォトニック結晶5は規則配列したセル11を有する透明構造体10と前記セルに充填された液晶材料20とからなり、前記液晶材料20は屈曲構造を有する液晶分子を含むことを特徴とする調光構造体。

目的

本発明は、透明性、反射性、およびフェールセーフに優れる調光構造体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

透明電極フォトニック結晶、および透明電極がこの順序で積層されてなる調光構造体であって、前記フォトニック結晶は規則配列したセルを有する透明構造体と前記セルに充填された液晶材料とからなり、前記液晶材料は屈曲構造を有する液晶分子を含むことを特徴とする調光構造体。

請求項2

前記液晶材料は、前記屈曲構造を有する液晶分子と直線構造を有する液晶分子とからなることを特徴とする請求項1に記載の調光構造体。

請求項3

前記屈曲構造を有する液晶分子の屈曲部位は非環状多重結合または芳香族化合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶分子。

請求項4

前記屈曲部位が前記非環状多重結合からなる場合に、前記非環状多重結合が、C、N、SおよびPからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3に記載の液晶分子。

請求項5

前記屈曲部位が前記芳香族化合物からなる場合に、前記芳香族化合物は、芳香族炭化水素、または、N、SおよびPからなる群より選択される少なくとも1種を含む複素芳香族化合物であることを特徴とする請求項3に記載の液晶分子。

請求項6

前記透明構造体が逆オパール構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の調光構造体。

請求項7

前記透明電極および前記透明構造体が可視光を70%以上透過することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の調光構造体。

請求項8

前記透明構造体が樹脂からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の調光構造体。

請求項9

請求項10

前記樹脂が光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項8または9に記載の調光構造体。

請求項11

前記透明構造体がシリカまたはチタニアからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の調光構造体。

請求項12

前記透明構造体がガラスからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の調光構造体。

請求項13

前記ガラスがソーダ石灰ガラスホウケイ酸ガラス鉛ガラス石英ガラス、および無アルカリガラスからなる群より選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項12に記載の調光構造体。

請求項14

表面層、前記透明電極、前記フォトニック結晶、前記透明電極、および裏面層がこの順序で積層されてなることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の調光構造体。

請求項15

前記表面層および前記裏面層がガラスからなることを特徴とする請求項14に記載の調光構造体。

請求項16

前記表面層および前記裏面層が樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項14に記載の調光構造体。

請求項17

請求項16に記載の調光構造体とガラス基板とからなることを特徴とする調光材料

請求項18

請求項1〜16のいずれかに記載の調光構造体または請求項17に記載の調光材料を、フロントガラスサイドガラスリアガラス、またはサンルーフに用いたことを特徴とする車両。

技術分野

0001

本発明は、液晶を用いた調光構造体に関する。

背景技術

0002

車室内への光および熱の侵入経路としては、サンルーフウィンドシールドリアガラスフロントサイドガラス、およびリアサイドガラス等の窓が挙げられる。従来の車両では熱的機能を空調設備のみに頼っていることから、車内に光エネルギーおよび熱エネルギーが窓から多量に侵入すると、車内環境を快適にするために空調設備を作動させなくてはならず、燃料消費が増大する。

0003

建築物においても同様の問題が検討されており、窓を通じての光エネルギーおよび熱エネルギーの流入によって、建築物内の空調設備への負荷および人体への負荷が大きくなる。車両の場合と同様に、多量のエネルギーの流入は空調設備の燃費の増大を招き、巨視的にみれば環境への悪影響も懸念される。

0004

このような問題を解決すべく、近年、車内や建築物内に流入する光エネルギーおよび熱エネルギーを遮蔽し、室内の温度上昇および空調設備への負荷を低減させる技術が提案されており、解決策の一例として調光機能を有する材料を用いた窓が提案されている。窓に用いる材料としての透明性、および日射エネルギー遮断のための熱線反射・吸収性の双方の特性を有し、必要に応じてスイッチングできる機能を有していれば、必要なときに必要な光量を室内に侵入させることが可能である。そのような制御が可能であれば、人体や冷房装置にかかる負荷を低減できるほか、省エネルギーの観点からも有益である。

0005

材料に調光機能を付与するための具体的手段としては、エレクトロクロミック素子(以下「EC素子」という)、および液晶素子が知られているが、EC素子は、日射エネルギーを吸収するため、室内外隔てる材料に用いた場合には、その吸収されたエネルギーが室内に再放出され、室内温度の上昇を招いてしまう。

0006

液晶素子は、電圧によって配列が変化する材料からなり、液晶の配列によって光の透視性を変更させる材料である。液晶素子としては、曲線的な配列相のネマティック液晶素子(特許文献1)、相分離法により得られる液晶素子(特許文献2)などが知られている。これらの液晶素子は、以下の原理に基づいて動作する。

0007

安価なポリマー中液晶物質小滴を分散させた液晶素子は、電圧を印加しない状態では、ポリマー壁曲面に沿って液晶が配列する。これにより、光路がねじ曲げられ、また、ポリマー液晶滴との界面において光が反射して散乱し、乳白色に見える。一方、液晶素子に電圧を印加した場合、液晶滴内の液晶は外部電界により電界方向に配列する。このとき、液晶の常光屈折率noとポリマーの屈折率npとをこれらが一致するように選択することにより、液晶素子面に垂直に入射した光を、液晶とポリマーとの界面で反射することなく通過させることができ、液晶素子は透明となる。
特表昭58−501631号公報
特開昭60−502128号公報

発明が解決しようとする課題

0008

従来技術の液晶素子は電圧印加時には透視性となり、電圧未印加時には非透視性となるが、電圧未印加時に液晶素子に入射した光の殆どが入射側とは反対側に散乱するため、電圧印加時と比較しても日射透過量は殆ど減少せず、室内に日射ネルギーが多量に侵入してしまう。また、電圧未印加時には非透視性となるため、事故故障などにより電圧を印加することができなくなる事態を想定すると、運転中に視界が遮られるおそれがあり非常に危険である。

0009

また、液晶分子配向させるためには電圧印加が必要であるが、従来技術では高電圧を印加しないと液晶材料全体が配向しない場合があり、この場合、高電圧であるほど消費電力が大きくなるため不経済であった。

0010

本発明は、透明性、反射性、およびフェールセーフに優れる調光構造体を提供することを目的とする。

0011

また、本発明は、低電圧でも反射性を実現することのできる調光構造体を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者等は、屈曲構造を有する液晶分子を透明構造体の空隙に充填したフォトニック結晶を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。

0013

すなわち、透明電極、フォトニック結晶、および透明電極がこの順序で積層されてなる調光構造体であって、前記フォトニック結晶は規則配列したセルを有する透明構造体と前記セルに充填された液晶材料とからなり、前記液晶材料は屈曲構造を有する液晶分子を含むことを特徴とする調光構造体により上記課題を解決する。

発明の効果

0014

本発明の調光構造体は、電圧未印加時には光を透過させることができ、電圧印加時には光を反射させることができるため、透明性、反射性およびフェールセーフに優れる。

0015

また、本発明の調光構造体は、低電圧でも光を反射させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0016

本発明の第一は、透明電極、フォトニック結晶、および透明電極がこの順序で積層されてなる調光構造体であって、前記フォトニック結晶は規則配列したセルを有する透明構造体と前記セルに充填された液晶材料とからなり、前記液晶材料は屈曲構造を有する液晶分子を含むことを特徴とする調光構造体である。

0017

フォトニック結晶とは屈折率の異なる物質周期的に配列させた構造体のことを指す。
フォトニック結晶を透明構造体と電圧応答性を有する液晶材料とで構成し、電圧未印加時と電圧印加時とで液晶材料が相転移を起こして屈折率が変動することを利用し、電圧により液晶材料と透明構造体との屈折率差を変動させて、フォトニック結晶を透明にしたり、反射性を有するようにしたりすることができる。

0018

本発明ではフォトニック結晶を、規則配列したセルを有する透明構造体と屈曲構造を有する液晶分子を含む液晶材料とで構成したところに特徴がある。前記フォトニック結晶を調光構造体として用いることにより電圧未印加時には光を透過させることができ、電圧印加時には光を反射させることができるためフェールセーフに優れる。さらに、屈曲構造を有する液晶分子を含む液晶材料を用いることにより低電圧でも光を反射させることができるため経済性に優れる。

0019

この仕組みについて図1を用いて説明すると、本発明の調光構造体は透明構造体の空隙中に屈曲構造を有する液晶分子が含まれる液晶材料を充填したものであるため、電圧未印加時には符号Aに示すように屈曲構造を有する液晶分子21が等方相転移点よりも低い温度、つまり、本来ならば液晶相を示す低い温度で等方相を形成しているために電圧印加時には容易に符号Bに示すように屈曲構造を有する液晶分子21の分子構造の一部が電界方向に対して配列する。この際、透明構造体10の屈折率と等方相を形成した液晶材料との屈折率差が好ましくは0.02以下、より好ましくは0となるように液晶分子と透明構造体10とを選択することにより、フォトニック結晶を電圧未印加時には透明とすることができ、透明構造体10の屈折率と液晶相を形成した液晶材料との屈折率差が0.1超となるように液晶分子と透明構造体10とを選択することにより電圧印加時に透明構造体10と液晶材料との界面で光を反射させることができる。図1において符号11はセル、符号30は透明電極を示す。

0020

また、屈曲構造を有する液晶分子は屈曲構造を有さない液晶分子と比較して、本来液晶相を形成する温度で等方相を形成していることから、低電圧でも大部分の液晶分子が配向することができ、このため本発明は経済性にも優れる。また、上述したように本発明の調光構造体に含まれる液晶材料は電圧未印加時に等方相を形成していることから、透明性に角度依存性が無い。

0021

図1の符号C〜Dに示すように屈曲構造を有する液晶分子を含まず、直線構造を有する液晶分子22のみからなる液晶材料と透明構造体とを用いて調光構造体を作製した場合、液晶分子22を適宜選択することにより、常温で等方相を形成する液晶にしたり、電圧印加時に透明構造体との屈折率差が大きくなり、大きな反射機能を得ることが可能であるが、等方相状態では1000V以上もの非常に大きな電圧が必要となることや、3〜200Vでの電圧駆動が可能な液晶の場合、電圧未印加時の液晶の状態が常に一定にならない。

0022

以下、本発明の調光構造体の構成要素について詳細に述べる。

0023

(液晶材料)
本発明の液晶材料は、屈曲構造を有する液晶分子のみから構成してもよいし、屈曲構造を有する液晶分子と屈曲構造を有さない液晶分子とから構成してもよい。液晶材料を屈曲構造を有する液晶分子と屈曲構造を有さない液晶分子とから構成する場合、図1の符号A〜Bに示すように屈曲構造を有さない液晶分子として直線構造を有する液晶分子22を用いることが好ましい。液晶材料を、屈曲構造を有する液晶分子と直線構造を有する液晶分子とで構成すると、強い外部刺激(電圧(電界)、磁界、光、熱)を受けていない時でも、液晶分子はメソゲン基に従って一定方向に整列する。しかし、一定方向に配列することで、屈折率異方性発現し、透明構造体との屈折率のマッチングが困難となる。そこで、屈曲構造を有する液晶分子をその組成に含めることにより、その構造由来立体障害により、整列状態が乱され、等方相状態となる。さらに、上述したように従来の液晶材料は高温で等方相を形成するため、外部刺激対する応答による配列がほとんど機能しなくなるが、本発明における液晶材料では、高温にすることなく、通常では液晶相を示す温度で等方相を形成しているため、当方相であるにもかかわらず、外部刺激に対する応答性が得られる、という点に優れる。

0024

屈曲構造を有する液晶分子と直線構造を有する液晶分子との質量比は10:90〜70:30が好ましく、より好ましくは15:85〜50:50である。前記質量比が10:90〜70:30であると前記外部刺激を加えたときの応答性に優れる。

0025

液晶材料において屈曲構造を有する液晶分子は1種以上用いてもよいし、直線構造を有する液晶分子を含む場合には直線構造を有する液晶分子も1種以上用いてよい。液晶分子の具体例については後述する。

0026

屈曲構造を有する液晶分子の屈曲部位は非環状多重結合芳香族化合物または脂環式化合物からなることが好ましく、より好ましくは非環状多重結合、または芳香族化合物からなることである。これは、液晶材料の屈折率を電圧未印加時と電圧印加時とでそれぞれ一定に保つために屈曲構造を有する液晶分子が熱、光または電圧などの外部刺激が与えられない状態で、自らの分子運動において変化しない構造であることが望ましいためである。

0027

非環状多重結合としては、C、N、SおよびPからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。具体的には、C=C、C=S、C=Si、N=N、N=P、およびS=Siなどが好ましく挙げられる。

0028

芳香族化合物とは分子内にベンゼン環を含む有機化合物を指し、炭素水素とからなる芳香族炭化水素、または、炭素と水素とからなる環の一部をN、SおよびPからなる群より選択される少なくとも1種で置換した複素芳香族化合物が好ましく挙げられる。具体的には芳香族炭化水素としては、フェニレン基オルト体(屈曲構造)、メタ体(屈曲構造)またはパラ体(直線構造)などが挙げられ、複素芳香族化合物としては、ピリジレン基のオルト体(屈曲構造)、メタ体(屈曲構造)またはパラ体(直線構造)などが挙げられる。

0029

屈曲構造を有する液晶分子と直線構造を有する液晶分子とは、異性体を用いてもよいし、異なる分子構造からなるものを用いてもよい。異性体としては、1−(4’−プロピルシクロヘキシル)−2−(4’’−1’’’−プロペニルシクロヘキシル)−エチレンシス体(屈曲構造)およびトランス体(直線構造)、N−(p−ブチルフェニル)−(p−メトキシフェニルイミンのシス体およびトランス体、1−(1−メトキシシクロヘキシル)−4−メチルシクロヘキサンのシス体およびトランス体、ならびに1−(1−シアノ−1−プロピルシクロヘキシル)−4−ペンチルシクロヘキサンのシス体およびトランス体などの屈曲部位として非環状多重結合を介してシス体(屈曲構造)とトランス体(直線構造)とに変化することができるものや、2−(4’−シアノフェニル)−4−ペンチピリジンおよび2−(4’−シアノフェニル)−5−ペンチルピリジン、ならびにp−ペンチル安息香酸(p‘−シアノ)フェニル及びp−ペンチル安息香酸(m‘−シアノ)フェニルなどの屈曲部位として芳香族化合物を介してオルト体(屈曲構造)、メタ体(屈曲構造)、またはパラ体(屈曲構造)を形成しているものなどが好ましく挙げられる。

0030

シス体およびトランス体を有する異性体を用いて、屈曲構造を有する液晶分子と直線構造を有する液晶分子とを上述した好ましい質量比で混在させる方法としてはシス体が比較的安定に存在できる条件で取り扱うことが挙げられる。

0031

上述のシス体もしくはトランス体、またはオルト体、メタ体もしくはパラ体を形成することの可能な液晶分子の他の、屈曲構造を有する液晶分子としては、4に示すp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(m’−ペンチル−p−フルオロ)フェニルおよびp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(o’−ペンチル−p−フルオロ)フェニルなどが好ましく挙げられる。

0032

屈曲構造を有する液晶分子は分子構造の末端に、電界方向と垂直方向に配向し易い官能基を有していてもよいし、電界方向と平行方向に配向し易い官能基を有していてもよいし、または、片方の末端に電界方向と垂直方向に配向し易い官能基を有し、残りの末端に電界方向と平行方向に配向し易い官能基を有していてもよい。

0033

直線構造を有する液晶分子としては特に限定されないが、下記化学式1に示すように、環(R1、R2)、前記環に結合した側方置換基(L1、L2)、末端基(T1、T2)、および連結基(B)からなる構造を基本構造とする棒状液晶が好ましい。ただし、化学式1は基本構造であり、L1、L2およびBを含まない構造のものなど、様々な構造の液晶分子が本発明に含まれる。

0034

0035

R1、R2としては、ベンゼン環、シクロヘキサン環シクロヘキセン環ピリミジン環ジオキサン環、およびピリジン環等が単独または2〜4つ結合したものが挙げられる。L1、L2、T1およびT2としては、シアノ基フルオロ基アルキル基アルケニル基アルコキシ基などが挙げられ、好ましくはシアノ基およびフルオロ基である。Bとしては、エステル結合アセチレン結合エタン結合エチレン結合エチルエーテル結合、ジアセチレン結合、アゾメチン結合アゾ結合、およびアゾキシ結合などが挙げられる。直線構造を有する液晶分子の具体例としては、4−ペンチル−4’−シアノビフェニル、もしくは4−プロピル−4’−シアノビフェニルまたは上述した異性体のトランス体、もしくはパラ体などが好ましく挙げられる。L1、L2、T1またはT2がシアノ基またはフルオロ基であると、電圧印加時に電界方向と垂直な方向に配列しやすくなる。

0036

(透明構造体)
透明構造体に形成されたセルは、面方向に規則配列していればよいが、セル同士中心間距離が一定であると好ましい。これは、セル同士の中心間距離が一定であると反射率が高くなるためである。前記中心間距離は2μm以下が好ましく、より好ましくは1.5μm以下である。中心間距離が2μm超であると可視光波長域の光を反射しないおそれがある。本発明において面方向とは、透明電極とフォトニック結晶とが接する面と平行な方向を指す。

0037

透明構造体には厚み方向に複数のセルが配置されていてもよいし、単数のセルが配置されていてもよいが、厚み方向に複数のセルが配置されているほうがより好ましい。本発明において厚み方向とは、上述の面方向に対して垂直な方向を指す。

0038

透明構造体に形成されるセルの大きさは、反射させたい光の波長に応じて適宜選択することができ、セルが大きいほど長波長の光を反射でき、逆にセルが小さいほど短波長の光を反射できる。調光構造体を車両や建築物の窓に適用することを考慮すると、セルの面方向の最長部分は1μm以下が好ましく、より好ましくは150〜500nmである。セルの面方向の最長部分が1μm以下であると、調光構造体に電圧を印加した際に、可視光を入射側に反射することができる。

0039

透明構造体に形成されるセルの形状としては、特に限定されず球、半球円柱、または角柱など適宜選択することができるが、好ましくは球および角柱であり、更に好ましくは球である。セルが球状であると低電圧での透明性・反射性の切り替えを最も効果的に行うことができるため好ましい。

0040

セルの形状および配置に関して図2に示すようなウッドパイル構造または逆オパール構造を有することが望ましく、より望ましくは逆オパール構造を有することである。本発明において、逆オパール構造とは均一な径を有する球状のセルが面方向に最密充填していることを指す。透明構造体がウッドパイル構造または逆オパール構造を有することにより反射率が高くなる。図3に示すように厚み方向に複数のセルが配置された逆オパール構造の場合、厚み方向にも最密充填していることが好ましい。このようなセルの配置としては、立方最密充填構造、または六方最密充填構造が好ましく挙げられる。図3において符号5はフォトニック結晶を示す
また、図4のA、Bに例示するように、逆オパール構造を有する透明構造体を2層以上積層し、かつ層ごとのセルの粒径が異なっていると日射エネルギーの反射量を増加させられるため好ましい。これは、異なる粒径のセルを複数配置することで反射できる波長帯を増やすことができるためである。

0041

透明構体可視光透過性を有しているものであれば有機材料無機材料、またはこれらのハイブリッド材料など適宜用いることができるが、可視光透過性を70%以上有するものであると好ましい。

0042

透明構造体が有機材料である場合には、樹脂を好ましく用いることができる。

0043

樹脂としては炭素鎖を主鎖として、前記主鎖の一部をカルボニル結合エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合スルホン結合スルホキシド結合スルフィド結合スルホンエステル結合、メルカプトエステル結合、アミド結合、もしくはイミド結合で置換したもの、または、前記炭素鎖または前記結合の一部にエステル基脂環式炭化水素基ハロゲン基を付加したものなどが好ましく挙げられる。これらの官能基を有する樹脂は可視光透過性に優れる。

0045

上述の樹脂の中では特にポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、およびポリエーテルエーテルケトン樹脂が好ましく、これらの樹脂は加工性、経済性、市場入手性、およびリサイクル性等に優れる。

0046

ポリアミド樹脂としては、ナイロン66登録商標)などが好ましく挙げられ、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンイソフタレートPBI)、またはポリ(εカプロラクトン)(PCL)などが好ましく挙げられる。これらの樹脂は、一部を置換されていてもよく、例えば、PETのエチレングリコール部分を他のグリコール成分で置換したポリヘキサメチレンテレフタレート(PHT)、PHTのテレフタル酸部分を他の異なる2塩基酸成分で置換したポリヘキサメチレンイソフタレート(PHI)またはポリヘキサメチレンナフタレート(PHN)など好ましく用いることができる。

0047

また、セルの形状が複雑な場合や、厚み方向に複数のセルが配置される場合や、逆オパール構造を有する透明構造体を用いる場合などに、上記樹脂として光硬化性樹脂が好ましく用いられる。光硬化性樹脂を用いることにより、緻密な構造の透明構造体を作製することができる。光硬化性樹脂としては、可視光透過性樹脂または紫外線硬化性樹脂が好ましく、より好ましくは紫外線硬化性樹脂である。透明構造体の製造方法については後述する。

0048

透明構造体が無機材料である場合には、シリカチタニア、またはガラスが好ましく用いられる。

0049

シリカまたはチタニアを用いると、緻密な構造の透明構造体を作製することができるため好ましい。

0050

ガラスを用いると、可視光透過性に優れるため好ましい。ガラスとしてはソーダ石灰ガラスホウケイ酸ガラス鉛ガラス石英ガラス、および無アルカリガラスからなる群より選択される少なくとも一種を含むガラスが挙げられる。これらのガラスを目的に応じて、硬質ガラス軟質ガラス色ガラス感光性ガラスUVカットガラス、耐熱ガラス熱線吸収ガラス強化ガラスクリスタルガラス等に加工したものを用いることもできる。

0051

透明構造体には光安定剤酸化防止剤、または紫外線吸収剤などの添加物が含まれていてもよい。

0052

(透明電極)
本発明で用いられる透明電極としては、特に限定されないが、可視光を70%以上透過させるものが好ましい。これは、上述したように、道路交通法の規定により車両のフロントガラスおよびサイドガラスに用いる材料は、可視光透過率が70%以上でなくてはならないためである。このような透明電極としてITOなど従来公知のものを適宜用いることができる。

0053

表面層裏面層
図5に示すように本発明では、上述の調光構造体を表面層40および裏面層41で挟持したものを調光構造体としてもよい。表面層および裏面層としては透明であれば特に限定されないが、樹脂またはガラスを好ましく用いることができる。

0054

表面層および裏面層としてガラスを用いる場合には、上述の透明構造体の項に記載したものを好ましく用いることができる。

0055

表面層および裏面層として樹脂を用いる場合には、上述の透明構造体の項に記載したものを好ましく用いることができる。

0056

透明構造体として柔軟性のある樹脂を用い、表面層および裏面層としてフィルム状の樹脂を用いた調光構造体は、調光フィルムとして用いることができる。自動車用フロントガラスには、2枚の板ガラスの間にフィルムを挟みこんだ合わせガラスを用いることが法律により義務付けられているが、前記表面層および前記裏面層を適宜選択することにより、上述した合わせガラス用のフィルムとして本発明の調光フィルムを用いることもできる。また、調光フィルムを用いることにより既存の窓などに調光機能を付与することもできる。

0057

調光フィルム用の表面層および裏面層としては、上述の透明構造体の項に記載した樹脂の中でフィルム状に加工できるものでもよいし、ポリビニルブチラールPVB)などの合わせガラスの中間層に用いられるものでもよい。

0058

(製造方法)
本発明の透明構造体の製造方法としては、インプリントリソグラフィエッチング、または、セルと同形状の物質の周囲に透明構造体を形成してから前記物質を除去することにより透明構造体中にセルを形成する方法などがある。

0059

インプリント、リソグラフィ、およびエッチングを用いることにより、セルを微細に形成することができる。インプリントは、目的のセルに対応する形状の凸部を有するモールドを、ガラス転移温度まで加熱された基材押し付けることにより、基材にセルを形成する方法である。モールドの材質、モールドを押し付ける時間、圧力などは適宜決定することができる。エッチングは、基材表面を化学的腐食することにより基材にセルを形成する方法であり、ドライエッチングウェットエッチング電解エッチングなどがあるが、本発明ではいずれも好ましく用いることができる。リソグラフィは、電磁波などを含む放射線を基材に照射して基材に凹部を形成する方法であり、光源の違いにより光リソグラフィ電子ビームリソグラフィイオンビームリソグラフィ、およびX線リソグラフィなどがあるが、本発明はいずれも好ましく用いることができる。

0060

インプリント、リソグラフィ、およびエッチングを用いて球形のセルを有する透明構造体を形成する方法や、厚み方向に複数のセルを有する透明構造体を形成する方法としては、図6のA〜Dに示すように、セルの一部を形成した透明構造体を積層する方法などがある。透明構造体同士を結着させるための方法としては、光硬化性樹脂を用いる方法が好ましく挙げられる。

0061

セルと同形状の物質の周囲に透明構造体を形成してから前記物質を除去することにより透明構造体中にセルを形成する方法は、逆オパール構造を有する透明構造体を形成する際に特に有効である。以下に、逆オパール構造を有する透明構造体を含む調光構造体の製造方法について例示する。

0062

表面層の片面に透明電極を形成して、前記表面層を粒子を分散させたコロイド溶液に浸してからゆっくりと引き上げることにより、透明電極上に前記粒子が周期的に配列したオパール構造体が形成される。次に、透明構造体形成材料溶媒に分散させた混合液を作製する。前記混合液に、オパール構造体および透明電極を積層した表面層を浸漬し、ゆっくりと引き上げることにより、オパール構造体の空隙が透明構造体形成材料で満たされる。次に、透明構造体形成材料の硬化と、前記粒子の除去とを行うことにより、透明構造体が透明電極上に形成される。裏面層の片面に透明電極を形成し、透明電極と透明構造体が隣接するように裏面層を積層して積層体を作製する。次に、積層体を液晶に浸けると、毛細管現象により逆オパール構造体のセルに液晶が浸潤し、調光構造体を形成することができる。

0063

透明電極の形成方法としては、表面層または裏面層に透明電極を蒸着する方法が好ましく挙げられる。

0064

オパール構造体を作製するための粒子としては、後工程で除去の可能なものを用いる必要があり、例えば、耐薬品性が低く溶媒に溶解し易い材料や、燃焼速度が速く加熱による除去が可能な材料などが好ましく用いられる。

0065

前記コロイド溶液から、表面層を引き上げる速度としては0.1〜50μm/sが好ましく、より好ましくは0.5〜10μm/sであり、更に好ましくは1μm/sである。引き上げる速度が速すぎると、オパール構造体が形成されないおそれがある。また、コロイド溶液から表面層を引き上げる方法の他に、表面層を浸漬した状態でコロイド溶液の溶媒を気化させる方法も、オパール構造体の形成方法として有効である。

0066

前記透明構造体形成材料としては、透明構造体の項に記載した樹脂、シリカまたはチタニアを好ましく用いることができる。これらを溶解または分散させるための溶媒としては、前記粒子を溶解しないものであれば特に限定されない。

0067

前記混合液から、表面層を引き上げる速度としては1〜200μm/sが好ましく、より好ましくは5〜100μm/sであり、更に好ましくは10μm/sである。引き上げる速度が速すぎると、シリカやチタニアが空隙に十分に充填されないおそれがある。

0068

透明構造体形成材料の硬化方法と前記粒子を除去する方法としては、前記透明構造体形成材料として紫外線硬化性樹脂を用い、前記粒子として耐薬品性の低いものを用いた場合には、紫外線を照射して透明構造体を形成した後に、前記粒子を溶解させることのできる薬液で透明構造体を洗浄する方法が有効である。また、前記透明構造体形成材料として熱硬化性を有するものを用い、前記粒子として燃焼速度の速いものを用いた場合には、加熱が有効である。

0069

オパール構造体を鋳型として作製された逆オパール構造体のセルは、粒子状の空隙同士の接点が貫通しているため、毛細管現象により液晶を逆オパール構造の隅々にまで浸潤させることができる。この場合、球状の空隙が集合して一つのセルを形成しているとはみなさず、セルの項で述べたセル同士の中心間距離や、セルの面方向の最長部分などは、前記オパール構造体の粒子の配置や粒子の粒径に依存する。

0070

本発明の第二は上述の調光フィルムとガラス基板とからなることを特徴とする調光材料である。

0071

ガラス基板上に調光フィルムを貼り付けた調光材料や、調光フィルムをガラス基板で挟み込んだ調光材料などは、上述したように自動車用のフロントガラスとして好ましく用いることができる。

0072

本発明の第三は上述の調光構造体または上述の調光材料を、フロントガラス、サイドガラス、リアガラス、またはサンルーフに用いたことを特徴とする車両である。

0073

本発明の調光構造体を車両のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、またはサンルーフに適用すると、空調設備への負荷の軽減、フェールセーフおよび経済性に優れる点で好ましい。

0074

本発明の調光材料が用いられうる車両は多岐渡り、例えば、セダン(日産自動車株式会社:スカイライン(登録商標)V35)コンパクトカー(日産自動車株式会社:マーチ(登録商標)K12)、ミニバン(日産自動車株式会社:セレナ(登録商標)C24)、ワゴン(日産自動車株式会社:プリメーラワゴン(登録商標)WP11)、スポティーカー(日産自動車株式会社:フェアレディZ(登録商標)Z33)などの各種車型に適用されうる。その他にも、軽自動車クーペ、SUV、1BOX、2BOX、バントラック等の車両にも、勿論適用されうる。

0075

本発明における日射反射率(Re)、日射透過率(Te)、可視光反射率(Rv)、および可視光透過率(Tv)は、JIS R 3106:1998に準ずる。本発明における屈折率は、20℃で波長589.3nmの光を照射した際の屈折率を指す。

0076

次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。

0077

(実施例1)
片面に厚さ2mmのITO(Tv:79%)からなる透明電極を形成した厚さ2mm、大きさ50mm×10mmのクリアガラス(Tv:94%)を表面層として用意し、粒径200nmのシリカ粒子エタノール中に分散させたコロイド溶液(日産化学工業株式会社製、製品番号2040)に浸してから、1μm/sで引き上げることにより透明電極上にシリカ粒子が周期的に配列したオパール構造体を形成した。

0078

次に、ポリスチレン樹脂をトルエンに溶解した溶液に浸漬してから、10μm/sで引き上げ、シリカ同士の隙間にポリスチレン樹脂溶液を充填した。次に、乾燥することによちポリスチレン樹脂を硬化させた。次に、濃度5%のフッ酸溶液にオパール構造体が形成された表面層を浸し、シリカを除去して、ポリスチレン樹脂からなる逆オパール構造体が片面に形成された表面層を得た。ポリスチレン樹脂の屈折率は1.60であり、Tvは90%であった。

0079

片面に厚さ2mmのITO(Tv:79%)からなる透明電極を形成した厚さ2mm、大きさ50mm×10mmのクリアガラス(Tv:94%)を裏面層として用意し、透明電極に紫外線硬化樹脂NORLAND社製、NOA60)を塗布した後、透明電極と逆オパール構造体とが隣接するように表面層を積層し、紫外線を照射して積層体を得た。

0080

前記積層体を液晶を満たした容器に浸けて、毛細管現象により逆オパール構造体のセル中に液晶材料を導入し、調光構造体を得た。

0081

液晶材料としては下記化学式2に示すcis−1−(4’−プロピルシクロヘキシル)−2−(4’’−1’’’−プロペニルシクロヘキシル)−エチレン(屈曲構造)と、下記化学式3に示すtrans−1−(4’−プロピルシクロヘキシル)−2−(4’’−1’’’−プロペニルシクロヘキシル)−エチレン(直線構造)とを質量比で50:50となるように混合したものを用いた。シス体とトランス体との質量比は混合前に計量することにより調整した。

0082

0083

液晶材料は、電圧未印加時の屈折率が1.60、電圧印加時の屈折率が1.70となるように調製した。

0084

(実施例2)
ポリアクリル樹脂(屈折率1.50、Tv91%)を用い、ドライエッチングによりラインスペースが共に230nm、アスペクト比が1.0のウッドパイル構造の透明構造体を形成した。透明構造体のセルに液晶材料を導入してフォトニック結晶を作製した。片面に厚さ2mmのITO(Tv:79%)からなる透明電極を形成した厚さ2mm、大きさ50mm×10mmのクリアガラス(Tv:94%)2枚を表面層および裏面層として用意し、透明電極に紫外線硬化樹脂(NORLAND社製、NOA60)を塗布した後、透明電極とフォトニック結晶とが隣接するようにフォトニック結晶を挟持し、紫外線を照射して調光構造体を得た。

0085

液晶材料としては下記化学式4に示すp−(4−プロピル)−シクロヘキシル−安息香酸(m’−ペンチル−p−フルオロ)フェニル(屈曲構造)と、下記化学式5に示す4−ペンチル−4’−シアノビフェニル(直線構造)とを質量比で15:85となるように混合したものを用いた。

0086

0087

液晶材料は、電圧未印加時の屈折率が1.50、電圧印加時の屈折率が1.64となるように調製した。

0088

(実施例3)
片面に厚さ2mmのITO(Tv:79%)からなる透明電極を形成した厚さ2mm、大きさ50mm×10mmのクリアガラス(Tv:94%)を表面層として用意し、粒径300nmのシリカ粒子(日産化学工業株式会社製、製品番号3040)をエタノール中に分散させたコロイド溶液に浸してから、1μm/sで引き上げることにより透明電極上にシリカ粒子が周期的に配列したオパール構造体を形成した。

0089

次に、ポリメルカプトエステル樹脂をトルエンに溶解した溶液に浸漬してから、10μm/sで引き上げ、シリカ同士の隙間にポリメルカプトエステル樹脂溶液を充填した。次に、乾燥することによちポリメルカプトエステル樹脂を硬化させた。次に、濃度5%のフッ酸溶液にオパール構造体が形成された表面層を浸し、シリカを除去して、ポリメルカプトエステル樹脂からなる逆オパール構造体が片面に形成された表面層を得た。ポリメルカプトエステル樹脂の屈折率は1.56であり、Tvは85%であった。

0090

片面に厚さ2mmのITO(Tv:79%)からなる透明電極を形成した厚さ2mm、大きさ50mm×10mmのクリアガラス(Tv:94%)を裏面層として用意し、透明電極に紫外線硬化樹脂(NORLAND社製、NOA60)を塗布した後、透明電極と逆オパール構造体とが隣接するように表面層を積層し、紫外線を照射して積層体を得た。

0091

前記積層体を液晶を満たした容器に浸けて、毛細管現象により逆オパール構造体のセル中に液晶材料を導入し、調光構造体を得た。

0092

液晶材料としては下記化学式6に示すcis−N−(p−ブチルフェニル)−(p−メトキシフェニル)イミン(直線構造)と、下記化学式7に示すtrans−N−(p−ブチルフェニル)−(p−メトキシフェニル)イミン(屈曲構造)とを質量比で65:35となるように混合したものを用いた。シス体とトランス体との質量比は混合前に計量することにより調整した。

0093

0094

液晶材料は、電圧未印加時の屈折率が1.56、電圧印加時の屈折率が1.70となるように調製した。

0095

(実施例4)
液晶材料とし下記化学式8に示す2−(4’−シアノフェニル)−4−ペンチルピリジン(屈曲構造)と、下記化学式9に示す2−(4’−シアノフェニル)−5−ペンチルピリジン(直線構造)とを質量比で40:60となるように混合したものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして調光構造体を得た。

0096

0097

液晶材料は、電圧未印加時の屈折率が1.60、電圧印加時の屈折率が1.70となるように調製した。

0098

(比較例1)
特表昭58−501631号の実施例1に記載の液晶構造体を作製した。作製方法は以下に示すとおりである。直線構造の液晶分子のみからなる液晶(アメリカン・リキッドクリスタルケミカルコーポレーション社製、製品番号8250、)0.2リットルを7%PVA溶液1リットルと混合し、10リットルの純水に添加した。得られた混合物コーンギャップを0.1mm(4ミル)に設定したコロイドミルに入れて、4分間乳化した。得られた乳液材料に含まれる粒子の大きさは3μmであった。

0099

平方インチ当り200オーム酸化スズ層が片面に塗布されたマイラー薄板(シエラシン社製)を2枚用意し、酸化スズ層側に得られた乳液材料をドクターブレード法で塗布し、乾燥することにより厚さ20μm(0.8ミル)の調光材料の層を形成した。次に、調光材料の層同士が接するようにこれらを重ね合わせてサンプルを得た。

0100

(比較例2)
トルエンに溶解したポリスチレン樹脂の代わりにジクロロメタンに溶解したポリアクリル樹脂を用いたことと、液晶材料として上記化学式5に示す4−ペンチル−4’−シアノビフェニル(直線構造)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして調光構造体を得た。

0101

性能評価試験
実施例1〜4および比較例1〜2の調光構造体を用いて性能評価試験を行った結果を下記表1に示す。性能評価試験方法の詳細を以下に記す。

0102

図7のAに示すように調光構造体1に、直線型光ファイバ100を通じてタングステンハロゲン光源波長域360〜1900nm)200に接続された投光器210から投射光50を照射し、調光構造体1を通過した透過光51を、直線型光ファイバ100を通じて受光器220に接続されたマルチチャンネル光検出器230を用いて測定し、可視光透過率(Tv)を求めた。可視光透過率は電圧印加時および電圧未印加時の調光構造体1から求め、電圧印加時には60Vの電圧をかけた。

0103

また、図7のBに示すように調光構造体1に、Y型光ファイバ110を通じてタングステン−ハロゲン光源(波長域360〜1900nm)200と接続された投受光器240から投射光50を照射し、調光構造体1から反射された反射光52を、Y型光ファイバ110を通じて投受光器240に接続されたマルチチャンネル光検出器230を用いて測定し、日射反射率(Re)を求めた。日射反射率は、電圧印加時および電圧未印加時のサンプルから求め、電圧印加時には、60Vの電圧をかけた。可視光透過率および日射反射率は35℃で測定を行った。

0104

0105

(実施例5)
実施例3においてITOを蒸着したクリアガラスの代わりに、ITOを蒸着した厚さ125μmのPETフィルムを用いて、調光フィルムを作製した。得られた調光フィルムを一対のガラスで挟み込み、これを日産自動車製スカイライン(V35)のフロントガラスとして用いたところ、電圧未印加時の可視光透過率は82%であり、前方の視界は十分に確保された。

0106

調光フィルム装備した車両と、装備していない車両とを用意し、調光フィルムを装備した車両には電圧を印加して外気温35℃、晴天屋外に5時間放置しておいたところ、調光フィルムを装備していない車両の車室温度が65℃であったのに対し、調光フィルムを装備した車両の車室温度は40℃であった。

図面の簡単な説明

0107

符号A〜Bは本発明の調光構造体の一部を示す断面概略図であり、符号C〜Dは比較のための調光構造体の一部を示す断面概略図である。
ウッドパイル構造の一例を示す俯瞰図である。
透明構造体として逆オパール構造を用いた調光構造体の断面概略図である。
透明構造体として逆オパール構造を用いた調光構造体の断面概略図である。
表面層および背面層を含む調光構造体の断面概略図である。
本発明の透明構造体の形成方法の一例を示す図である。
Aは可視光透過率の測定方法を示す図であり、Bは日射反射率の測定方法を示す図である。

符号の説明

0108

1調光構造体、
5フォトニック結晶、
10 透明構造体、
11セル、
20液晶材料、
21屈曲構造を有する液晶分子、
22直線構造を有する液晶分子、
30透明電極、
40表面層、
41裏面層、
50投射光、
51透過光、
52反射光、
100直線型光ファイバ、
110 Y型光ファイバ、
200タングステン−ハロゲン光源、
210投光器、
220受光器、
230マルチチャンネル光検出器、
240投受光器。

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