図面 (/)

技術 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 島田明川井康裕寺本杏一相馬孝夫
出願日 2005年6月6日 (15年5ヶ月経過) 出願番号 2005-165539
公開日 2006年12月14日 (13年11ヶ月経過) 公開番号 2006-337926
状態 未査定
技術分野 電子写真における感光体
主要キーワード 間接接触 エリミネーター ラバーヒーター 気泡除去装置 カゼイン樹脂 ウネリ ゼラチン樹脂 塗布液固形分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年12月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

漬塗布において引上げ速度が速く、かつ得られる電子写真感光体膜厚均一性が高い電子写真感光体の製造方法を提供する。

解決手段

結着樹脂溶媒とを含有しかつ粘度が1000mPa・s未満の塗布液被塗布体上に浸漬塗布し、該被塗布体の引上げ速度が300mm/min以上である浸漬塗布工程を有する電子写真感光体の製造方法において、該溶媒に含まれる溶剤のうち沸点が100℃以上の溶剤の割合が、該溶媒の全質量に対して90質量%以上であり、該溶媒中の該溶媒の全質量に対して20質量%以上を占める主溶剤のうち沸点が最も高い主溶剤の沸点bh[℃]と沸点が最も低い主溶剤の沸点bl[℃]との差(bh−bl[℃])が40℃未満であり、該浸漬塗布工程における該被塗布体の温度T[℃]が、bh−80[℃]を超えbl−40[℃]未満であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

概要

背景

近年、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。

電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に形成された感光層とから構成されている。また、支持体は円筒状のものが用いられることが多く、感光層は電荷発生物質を含有する電荷発生層電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型機能分離型)感光層とすることが一般的である。

支持体上の各層は、各層用塗布液を、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法スピンナーコーティング法ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法により塗布し、塗膜被塗布体に塗布された塗布液)を乾燥および/または硬化することにより形成することが一般的である。そして、上記塗布方法の中でも、支持体が円筒状である場合、すなわち円筒状の電子写真感光体を作製しようとする場合には、量産性の観点から、一度に複数本の塗布が容易にできる浸漬塗布法が採用されることが多い。

一般に、浸漬塗布において所望量の膜厚を得るために、塗料の粘度および被塗布体の塗布液からの上昇速度(以下、引上げ速度と呼ぶ)を制御する。例えば、塗布液の粘度が高いほど浸漬塗布において被塗布体に載る塗料の量は多くなり、得られる膜厚は厚くなる。また、引上げ速度が速いほど、被塗布体に載る塗料の量は多くなり、得られる膜厚は厚くなる。従って、生産効率の面から引上げ速度を優先的に上げる必要がある場合、塗膜の膜厚を過剰にしないために塗布液の粘度を下げる方法がとられる。塗布液粘度を下げる最も代表的な方法は、塗布液固形分を下げること、すなわち適当な溶媒によって塗布液を希釈する方法である。しかし、塗布液の固形分を過度に下げると、被塗布体に載る塗布液中の溶媒量が多いために乾燥固化するまでの時間が余計にかかり、塗膜上端近傍の膜厚の変化(塗膜上端から下方に向けて膜厚が徐々に厚くなる現象で、「膜厚ダレ」と呼ばれる。)を引き起こす。

電子写真感光体における感光層の膜厚均一性は重要であり、例えば電荷輸送層の膜厚が不均一であると、電子写真感光体の帯電特性が不均一になり、出力画像濃度が不均一になる。すなわち、電荷輸送層の膜厚が薄い部分は電子写真感光体表面暗部電位が低くなり、厚い部分は暗部電位が高くなるため、これが出力画像濃淡となって現れる。

従来、膜厚ダレを抑制するために、様々な工夫がなされてきた。例えば、浸漬塗布速度を制御して、膜厚が薄くなってしまう上端部分にあらかじめタレる分を余計に付着させる方法や、塗布液中の溶剤として低沸点溶剤を用いることで、塗布液を浸漬塗布した後の乾燥および/または硬化の時間を短縮する方法などが挙げられる。

しかしこれらの方法は、膜厚ダレ抑制に一定の効果があるものの、浸漬塗布速度を制御する方法の場合は膜厚のウネリが発生し、低沸点溶剤を用いる方法の場合はブラッシング(表面の白化)が発生するという問題がある。

また、塗布液を被塗布体に塗布した後、塗膜上端近傍を加温することによって塗膜の乾燥および/または硬化の時間を短縮する方法が開示されている(特許文献1、2参照)。

また、浸漬塗布の際、被塗布体を塗布液から引上げるときに、塗膜にガスフローする方法が開示されている(特許文献3参照)。また、支持体内部の空気温度を制御する方法が開示されている(特許文献4参照)。これら塗布液若しくは被塗布体の温度制御を行う方法は、温度によって溶媒の揮発速度を速める効果に加え、塗布液の固形分をあまり下げることなく粘度だけ下げることも可能であるため、乾燥時間の短縮効果は大きく、その結果としてある程度のダレ抑制の効果はある。しかしながら、充分な効果を得るために塗布液若しくは被塗布体の温度を過度に上昇させると、塗布液によっては塗膜にユズ肌乱れを生じる場合があり充分な方法とはいえない。

また、塗布液に使用する樹脂材料から制御する例として、電荷輸送層塗布液中の結着樹脂として重量平均分子量200000以上のポリカーボネート樹脂を用いる方法が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、この方法は、結着樹脂が溶剤に溶解しにくい、塗布液の粘度が高くなりすぎて扱いにくい、などの問題がある。また、このような製法観点からの材料選定により感光体の特性に応じた材料選定の自由度が狭くなる方法は好ましくない。

つまり、電子写真感光体の感光層塗布方法に浸漬塗布法を採用した場合、上記従来の技術では、充分な引上げ速度を確保しつつ、ダレのない均一な塗膜を得ることは困難であった。
特公平05−055034号公報
特開昭63−305964号公報
特開平07−241509号公報
特開昭61−149272号公報
特許第3232786号公報

概要

浸漬塗布において引上げ速度が速く、かつ得られる電子写真感光体の膜厚均一性が高い電子写真感光体の製造方法を提供する。結着樹脂と溶媒とを含有しかつ粘度が1000mPa・s未満の塗布液を被塗布体上に浸漬塗布し、該被塗布体の引上げ速度が300mm/min以上である浸漬塗布工程を有する電子写真感光体の製造方法において、該溶媒に含まれる溶剤のうち沸点が100℃以上の溶剤の割合が、該溶媒の全質量に対して90質量%以上であり、該溶媒中の該溶媒の全質量に対して20質量%以上を占める主溶剤のうち沸点が最も高い主溶剤の沸点bh[℃]と沸点が最も低い主溶剤の沸点bl[℃]との差(bh−bl[℃])が40℃未満であり、該浸漬塗布工程における該被塗布体の温度T[℃]が、bh−80[℃]を超えbl−40[℃]未満であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。なし

目的

本発明の目的は、浸漬塗布において引上げ速度が速く、かつ膜厚均一性が高い電子写真感光体が製造可能な電子写真感光体の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、該製造方法により製造された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも結着樹脂と1種または2種以上の溶剤からなる溶媒とを含有しかつ粘度が1000mPa・s未満の塗布液被塗布体上に浸漬塗布する浸漬塗布工程を有する電子写真感光体の製造方法であって、該浸漬塗布工程における該被塗布体の引上げ速度が300mm/min以上である電子写真感光体の製造方法において、該溶媒に含まれる1種または2種以上の溶剤のうち沸点が100℃以上の溶剤の割合が、該溶媒の全質量に対して90質量%以上であり、該溶媒中の該溶媒の全質量に対して20質量%以上を占める主溶剤のうち沸点が最も高い主溶剤の沸点bh[℃]と沸点が最も低い主溶剤の沸点bl[℃]との差(bh−bl[℃])が40℃未満であり、該浸漬塗布工程における該被塗布体の温度T[℃]が、bh−80[℃]を超えbl−40[℃]未満であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。

請求項2

前記塗布液がさらに電荷輸送物質を含有し、かつ、前記塗布液が電荷輸送層用の塗布液である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。

請求項3

前記結着樹脂が、粘度平均分子量が20000〜50000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂である請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。

請求項4

前記溶剤が、モノクロロベンゼントルエンキシレンおよびジオキサンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。

請求項5

前記被塗布体が円筒状支持体を有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。

請求項6

前記浸漬塗布工程が、前記被塗布体を内側から加温しながら前記塗布液を前記被塗布体上に浸漬塗布する工程である請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。

請求項7

前記被塗布体を内側から加温する際に熱媒体として液体を用いる請求項6に記載の電子写真感光体の製造方法。

請求項8

前記浸漬塗布工程における前記円筒状支持体の温度の最大値最小値との差が5℃以下である請求項5〜7のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。

請求項9

請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真感光体。

請求項10

請求項9に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ

請求項11

請求項9に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置

技術分野

0001

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。

背景技術

0002

近年、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体(有機電子写真感光体)の研究開発が盛んに行われている。

0003

電子写真感光体は、基本的には、支持体と該支持体上に形成された感光層とから構成されている。また、支持体は円筒状のものが用いられることが多く、感光層は電荷発生物質を含有する電荷発生層電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型機能分離型)感光層とすることが一般的である。

0004

支持体上の各層は、各層用塗布液を、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法スピンナーコーティング法ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法により塗布し、塗膜被塗布体に塗布された塗布液)を乾燥および/または硬化することにより形成することが一般的である。そして、上記塗布方法の中でも、支持体が円筒状である場合、すなわち円筒状の電子写真感光体を作製しようとする場合には、量産性の観点から、一度に複数本の塗布が容易にできる浸漬塗布法が採用されることが多い。

0005

一般に、浸漬塗布において所望量の膜厚を得るために、塗料の粘度および被塗布体の塗布液からの上昇速度(以下、引上げ速度と呼ぶ)を制御する。例えば、塗布液の粘度が高いほど浸漬塗布において被塗布体に載る塗料の量は多くなり、得られる膜厚は厚くなる。また、引上げ速度が速いほど、被塗布体に載る塗料の量は多くなり、得られる膜厚は厚くなる。従って、生産効率の面から引上げ速度を優先的に上げる必要がある場合、塗膜の膜厚を過剰にしないために塗布液の粘度を下げる方法がとられる。塗布液粘度を下げる最も代表的な方法は、塗布液固形分を下げること、すなわち適当な溶媒によって塗布液を希釈する方法である。しかし、塗布液の固形分を過度に下げると、被塗布体に載る塗布液中の溶媒量が多いために乾燥固化するまでの時間が余計にかかり、塗膜上端近傍の膜厚の変化(塗膜上端から下方に向けて膜厚が徐々に厚くなる現象で、「膜厚ダレ」と呼ばれる。)を引き起こす。

0006

電子写真感光体における感光層の膜厚均一性は重要であり、例えば電荷輸送層の膜厚が不均一であると、電子写真感光体の帯電特性が不均一になり、出力画像濃度が不均一になる。すなわち、電荷輸送層の膜厚が薄い部分は電子写真感光体表面暗部電位が低くなり、厚い部分は暗部電位が高くなるため、これが出力画像濃淡となって現れる。

0007

従来、膜厚ダレを抑制するために、様々な工夫がなされてきた。例えば、浸漬塗布速度を制御して、膜厚が薄くなってしまう上端部分にあらかじめタレる分を余計に付着させる方法や、塗布液中の溶剤として低沸点溶剤を用いることで、塗布液を浸漬塗布した後の乾燥および/または硬化の時間を短縮する方法などが挙げられる。

0008

しかしこれらの方法は、膜厚ダレ抑制に一定の効果があるものの、浸漬塗布速度を制御する方法の場合は膜厚のウネリが発生し、低沸点溶剤を用いる方法の場合はブラッシング(表面の白化)が発生するという問題がある。

0009

また、塗布液を被塗布体に塗布した後、塗膜上端近傍を加温することによって塗膜の乾燥および/または硬化の時間を短縮する方法が開示されている(特許文献1、2参照)。

0010

また、浸漬塗布の際、被塗布体を塗布液から引上げるときに、塗膜にガスフローする方法が開示されている(特許文献3参照)。また、支持体内部の空気温度を制御する方法が開示されている(特許文献4参照)。これら塗布液若しくは被塗布体の温度制御を行う方法は、温度によって溶媒の揮発速度を速める効果に加え、塗布液の固形分をあまり下げることなく粘度だけ下げることも可能であるため、乾燥時間の短縮効果は大きく、その結果としてある程度のダレ抑制の効果はある。しかしながら、充分な効果を得るために塗布液若しくは被塗布体の温度を過度に上昇させると、塗布液によっては塗膜にユズ肌乱れを生じる場合があり充分な方法とはいえない。

0011

また、塗布液に使用する樹脂材料から制御する例として、電荷輸送層塗布液中の結着樹脂として重量平均分子量200000以上のポリカーボネート樹脂を用いる方法が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、この方法は、結着樹脂が溶剤に溶解しにくい、塗布液の粘度が高くなりすぎて扱いにくい、などの問題がある。また、このような製法観点からの材料選定により感光体の特性に応じた材料選定の自由度が狭くなる方法は好ましくない。

0012

つまり、電子写真感光体の感光層塗布方法に浸漬塗布法を採用した場合、上記従来の技術では、充分な引上げ速度を確保しつつ、ダレのない均一な塗膜を得ることは困難であった。
特公平05−055034号公報
特開昭63−305964号公報
特開平07−241509号公報
特開昭61−149272号公報
特許第3232786号公報

発明が解決しようとする課題

0013

本発明の目的は、浸漬塗布において引上げ速度が速く、かつ膜厚均一性が高い電子写真感光体が製造可能な電子写真感光体の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、該製造方法により製造された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明は、少なくとも結着樹脂と1種または2種以上の溶剤からなる溶媒とを含有しかつ粘度が1000mPa・s未満の塗布液を被塗布体上に浸漬塗布する浸漬塗布工程を有する電子写真感光体の製造方法であって、該浸漬塗布工程における該被塗布体の引上げ速度が300mm/min以上である電子写真感光体の製造方法において、
該溶媒に含まれる1種または2種以上の溶剤のうち沸点が100℃以上の溶剤の割合が、該溶媒の全質量に対して90質量%以上であり、
該溶媒中の該溶媒の全質量に対して20質量%以上を占める主溶剤のうち沸点が最も高い主溶剤の沸点bh[℃]と沸点が最も低い主溶剤の沸点bl[℃]との差(bh−bl[℃])が40℃未満であり、
該浸漬塗布工程における該被塗布体の温度T[℃]が、bh−80[℃]を超えbl−40[℃]未満である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。

0015

ここで塗布液の粘度は、単一円筒型回転粘度計ビスメトロンVS−A1型浦システム(株)製)により、室温24℃において測定した値である。

0016

また、本発明は、上記製造方法により製造された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置である。

発明の効果

0017

本発明によれば、浸漬塗布において、引上げ速度を高く設定することが可能であり、高速の塗布によって形成されたにも関わらず膜厚均一性が高い電子写真感光体が製造可能で、特に膜厚均一性が高い感光層によって均一性の高い画像を出力することができる電子写真感光体が製造可能な電子写真感光体の製造方法を提供することができる。また、該製造方法により製造された電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0018

本発明における浸漬塗布法とは、図1に示すように、被塗布体101の被塗布部1012を塗布液102に浸漬し、その後、引上げることによって、被塗布体101の被塗布部1012に塗膜103を形成する方法である。この塗膜103は、通常、乾燥および/または硬化することによって層103’となる。図1中、1011は被塗布体101の下端(=被塗布体101が有する円筒状支持体の下端)であり、1031は塗膜103の上端であり、1031’は層103’の上端である。

0019

なお、図1では層103’の下部は被塗布体101の下端(円筒状支持体の下端)1011まで及んでいるが、層103’(塗膜103)の下部を除去して用いる場合は、これを乾燥および/または硬化の前に除去してもよいし、乾燥および/または硬化の後に除去してもよい。

0020

本発明の製造方法は、電荷輸送層、電荷発生層、中間層、導電層など電子写真感光体におけるいかなる層の浸漬塗布においても適用できるが、特に所望膜厚が厚く、従って塗布時における塗料の必要載せ量が多い電荷輸送層において大きな効果を発揮する。

0021

本発明の製造方法においては、被塗布体の温度を常温より高めに制御することにより、被塗布体近傍における塗布液の粘度を下げ、その結果引上げ速度を速くすることができる。ただし、塗料の温度が上昇し乾燥速度が速まるために塗布液の溶媒中の溶剤に沸点の低いものを用いると、塗膜にユズ肌等の異常を引き起こす。従って、沸点100℃以上を有する溶剤が、全溶媒中の90質量%以上を占める必要がある。また、沸点100℃以上の溶剤を複数種混合して用いる場合、その中での溶媒の全質量に対して20質量%以上を占める主溶剤のうち最高沸点である主溶剤の沸点bh[℃]と最低沸点である主溶剤の沸点bl[℃]の差が40℃未満である必要がある。さらに、浸漬塗布時において塗布液から引上げる時の被塗布体の温度T[℃]を、bh−80<T<bl−40の関係式成立つように制御する。Tがbh−80以下の場合、膜厚ダレの程度が大きくなる。一方、Tがbl−40以上の場合、塗膜表面にユズ肌などの乱れが生じやすくなる。

0022

本発明において、被塗布体の温度T[℃]とは、次のようにして得られた温度を意味する。

0023

すなわち、まず、被塗布体の内側に支持体の回転軸方向に均等に5箇所に熱電対を貼り付けた。次に、各熱電対で被塗布体の引上げ開始から引上げ終了までの被塗布体の温度を0.2秒間隔で連続的に測定し、熱電対それぞれで測定された温度の平均値T1[℃]、T2[℃]、T3[℃]、T4[℃]およびT5[℃]を算出した。T1、T2、T3、T4およびT5の平均値を被塗布体の温度T[℃]とした。

0024

浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引上げるときの被塗布体の温度T[℃]を制御する方法としては、例えば、赤外線ヒーターランプ系ヒーターラバーヒーターなどの発熱体を被塗布体に近接または直接接触もしくは間接接触させて被塗布体を加熱することで被塗布体の温度T[℃]を制御する方法や、誘導加熱により被塗布体を非接触加熱することで被塗布体の温度T[℃]を制御する方法なども挙げられるが、安全性、装置構成簡易性、温度制御性などの観点から、液体熱媒体)を用いて被塗布体を内側から加温することで被塗布体の温度T[℃]を制御する方法が好ましい。

0025

図3に、液体(熱媒体)を用いて被塗布体を内側から加温する装置の概略構成の一例を示す。

0026

被塗布体301の内面に沿った形状とサイズを有する熱媒体容器302を被塗布体301の内面301に接触させ、熱媒体容器302内に温度制御された液体(熱媒体)303を循環させることによって被塗布体の温度を迅速、均一かつ安全に制御することができる。

0027

熱媒体として用いる液体としては、例えば、水、シリコーンオイルなどが挙げられる。

0028

熱媒体容器の材質としては、熱伝導性機械的強度耐久性、被塗布体の内面に接触しやすい柔軟性を有するものが好ましく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属や、シリコーン樹脂などの樹脂や、ゴムなどが挙げられる。

0029

また、浸漬塗布の際に被塗布体を塗布液から引上げるときの被塗布体の温度はムラが小さいほど膜厚均一性が高くなるため好ましく、具体的には、被塗布体の温度の最大値最小値との差が5℃以下であることが好ましく、特には3℃以下であることがより好ましい。

0030

また、浸漬塗布の前の被塗布体の温度T0[℃]と浸漬塗布の際に被塗布体を塗布液から引上げるときの被塗布体の温度T[℃]との差は小さいほうが好ましく、具体的には、T0[℃]とT[℃]との差が5℃以下であることが好ましく、特には3℃以下であることがより好ましい。

0031

また、浸漬塗布の頻度、時間、塗布液の熱容量などによっては、塗布液の温度が徐々に上昇し、被塗布体の温度に影響を及ぼす場合がある。塗布液の温度を平衡に保つために、塗布液の温度を制御してもよい。具体的には、28〜50℃の範囲で温度制御することが好ましく、特には30〜40℃の範囲で温度制御することがより好ましい。

0032

塗布液を被塗布体に浸漬塗布する際、塗布液の成分偏析を防ぎ均一性を維持するため、一般には図5に示すように浸漬容器501の塗布液をオーバーフローさせる。オーバーフローした塗布液は、液受け506を経由して塗布液タンク502に移動しここで攪拌されつつ、ポンプ503により浸漬容器501に戻され、浸漬容器501と塗布液タンク502の間を循環する。塗布液の循環に用いるポンプ503としては、特に制限はないがダイアフラムポンプマグネットポンプ等、浸漬容器501における塗布液液面の振れを極力小さくできるものが好ましい。また、循環塗布中の塗布液にホコリ等の異物、若しくは気泡混入すると、これらが被塗布体に塗布され不良の原因となるため、異物が塗布液に混入しない製造環境、および塗布液の管理が必要となる。具体的には、クラス10000以下、好ましくは5000以下のクリーン環境下において塗布を行うことが好ましい。また、塗布液の管理としては、図5に示すように塗布液の循環配管系の中に目開き1μm〜100μmのフィルター504を組み込む方法がとられる。さらに、循環配管系に気泡除去装置505を組み込んでもよい。気泡除去装置としては特に制限はないが、例えばバブルエリミネーター(オーパシステム(株)製)、クイックトロン(新日本石油(株)製)などを用いることができる。

0033

次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。

0034

本発明の電子写真感光体としては、円筒状支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を有する、いわゆる積層型感光層を有する電子写真感光体が挙げられる。積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。

0035

円筒状支持体(以下、単に「支持体」ともいう。)としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛ステンレスバナジウムモリブデンクロムチタン、ニッケル、インジウム、金、白金などの金属製(合金製)の支持体を用いることができる。また、これら金属(合金)を真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体プラスチックポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリエチレンテレフタレート樹脂アクリル樹脂など)製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック酸化スズ粒子酸化チタン粒子銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。

0036

また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理粗面化処理アルマイト処理などを施してもよい。

0037

支持体と電荷発生層もしくは電荷輸送層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。

0038

導電層は、カーボンブラック、金属粒子金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。

0039

導電層の膜厚は、1〜40μmであることが好ましく、特には2〜20μmであることがより好ましい。

0040

また、支持体または導電層と電荷発生層または電荷輸送層との間には、バリア機能接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。

0041

中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂アルキッド樹脂エチルセルロース樹脂エチレンアクリル酸コポリマーエポキシ樹脂カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂フェノール樹脂ブチラール樹脂ポリアクリレート樹脂ポリアセタール樹脂ポリアミドイミド樹脂ポリアミド樹脂ポリアリルエーテル樹脂ポリイミド樹脂ポリウレタン樹脂ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂ポリスルホン樹脂ポリビニルアルコール樹脂ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。また、中間層には、金属、合金、それらの酸化物塩類界面活性剤などを含有させてもよい。

0042

中間層の膜厚は0.05〜7μmであることが好ましく、特には0.1〜2μmであることがより好ましい。

0043

電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、加熱および/または放射線照射などにより乾燥および/または硬化することによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー超音波分散機ボールミルサンドミルロールミル振動ミルアトライター、液衝突高速分散機などを用いた方法が挙げられる。

0044

電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴチオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノンピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩およびチアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルルアモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0045

電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレンブタジエンコポリマー、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。

0046

電荷発生層中の結着樹脂の割合は、電荷発生層全質量に対して90質量%以下であることが好ましく、特には50質量%以下であることがより好ましい。

0047

電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、特には0.01〜1μmであることがより好ましい。

0048

また、電荷発生層には、種々の増感剤酸化防止剤紫外線吸収剤可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。

0049

電荷輸送層用塗布液に含有させる電荷輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物ヒドラゾン化合物スチリル化合物スチルベン化合物ピラゾリン化合物オキサゾール化合物チアゾール化合物トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら電荷輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。

0050

電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、電荷輸送層全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることがより好ましい。従って、電荷輸送層用塗布液には、電荷輸送層形成後の電荷輸送物質の割合が上記範囲になるように電荷輸送物質を含有させることが好ましい。

0051

電荷輸送層用塗布液に含有させる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。さらに、本発明による塗布においては、粘度平均分子量20000以上50000以下を有するビスフェノールZ型ポリカーボネートを用いる場合に顕著な効果が見られる。ビスフェノールZ型ポリカーボネートとしては、下記一般式(I)で表わされるものが好ましい。式(I)中、R1〜R8は水素ハロゲン置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基および置換基を有してもよいアリール基を示す。nは正の整数を示す。

0052

0053

これらの結着樹脂は単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。

0054

電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、5:1〜1:5(質量比)の範囲が好ましい。

0055

また、電荷輸送層には、すなわち電荷輸送層用塗布液には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。

0056

電荷輸送層(順層型感光層の場合)または電荷発生層(逆層型感光層の場合)上には、これを保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、上述した各種結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、加熱および/または放射線の照射などにより乾燥および/または硬化することによって形成することができる。

0057

また、本発明の電子写真感光体の表面層には、潤滑剤を含有させてもよい。潤滑剤としては、例えば、ケイ素原子フッ素原子を含むポリマーモノマーおよびオリゴマーなどが挙げられる。具体的には、N−(n−プロピル)−N−(β−アクリロキシエル)−パーフルオロオクチスルホン酸アミド、N−(n−プロピル)−(β−メタクリロキシエル)−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロカプリル酸、N−n−プロピル−n−パーフルオロオクタンスルホン酸アミドエタノール、3−(2−パーフルオロヘキシルエオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミドなどが挙げられる。また、ポリテトラフルオロエチレンポリクロロトリフルオロエチレンポリフッ化ビニリデンポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などのフッ素原子含有樹脂粒子なども挙げられる。これらは単独または混合して1種または2種以上用いることができる。また、潤滑剤の数平均分子量は、3000〜5000000であることが好ましく、特には10000〜3000000であることがより好ましい。潤滑剤が粒子である場合、その平均粒径は0.01〜10μmであることが好ましく、特には0.05〜2.0μmであることがより好ましい。

0058

また、本発明の電子写真感光体の表面層には、抵抗調整剤を含有させてもよい。抵抗調整剤としては、例えば、SnO2、ITO、カーボンブラック、銀粒子などが挙げられる。また、これらに疎水化処理を施したものを用いてもよい。抵抗調整剤を添加した場合の表面層の抵抗は109〜1014Ω・cmであることが好ましい。

0059

なお、保護層を設ける場合は保護層が電子写真感光体の表面層であり、保護層を設けない場合であって感光層が順層型感光層の場合は電荷輸送層が電子写真感光体の表面層であり、保護層を設けない場合であって逆層型感光層の場合は電荷発生層が電子写真感光体の表面層である。

0060

上述した塗布液に用いる溶剤としては、沸点が100℃以上の有機溶剤が好ましく、例えば、モノクロロベンゼンジオキサントルエンキシレン、N−メチルピロリドンシクロヘキサノンメトキシプロパノールメチルセロソルブなどが挙げられる。一方沸点が100℃未満の溶剤としては、ジクロロメタンテトラヒドロフランメチラールメチルアルコールエチルアルコールメチルエチルケトン酢酸エチルなどが挙げられるが、沸点が100℃未満の溶剤の割合が高すぎると、塗膜表面にユズ肌などの乱れが生じやすくなるため、全溶媒に占める割合を10質量%以下に抑える必要がある。

0061

図4に、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。

0062

図4において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。

0063

回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:帯電ローラーなど)3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光レーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。

0064

電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。

0065

トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物プリントコピー)として装置外プリントアウトされる。

0066

トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図4に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。

0067

上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機レーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図4では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。

0068

以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。

0069

また、実施例において、感光層の膜厚とは図2に示すように、感光層の上端から円筒状支持体の下端までの長さをL[mm]としたとき、感光層の上端から0.5L[mm]下の箇所の感光層の膜厚t0.5L[μm]のことを意味する。また、感光層の上端から20[mm]下の箇所の感光層の膜厚t20[μm]とt0.5Lの差が小さいほど、膜厚ダレが小さいことを意味する。ここでこれらの膜厚は、断面の顕微鏡観察により測定した値である。図2中、201は支持体を有する被塗布体(支持体以外は不図示)であり、2011は支持体(被塗布体)の下端であり、203’は感光層であり、2031’は感光層の上端であり、2032’は感光層の下部であって、電子写真感光体として用いる前に除去する場合もあるが、少なくとも浸漬塗布直後には存在する部分である。

0070

(実施例1)
直径30mm、長さ254mmのアルミニウムシリンダーを支持体(円筒状支持体)とした。

0071

次に、酸化スズコート処理酸化チタン10部、酸化チタン10部、フェノール樹脂10部、シリコーンオイル0.001部、メタノール15部およびメチルセロソルブ15部をサンドミル装置で3時間分散して、導電層用塗布液を調製した。

0072

この導電層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、140℃で30分乾燥・硬化して、膜厚が15μmの導電層を形成した。

0073

次に、ポリアミド樹脂(商品名:アミランCM−8000、東レ(株)製)10部を、メタノール100部/イソプロパノール90部の混合溶剤に溶解して、中間層用塗布液を調製した。

0074

この中間層用塗布液を、支持体上に浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚が1μmの中間層を形成した。

0075

次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)9部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名エスレックBX−1、積水化学(株)製)3部、および、テトラヒドロフラン100部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散した後、これに酢酸ブチル200部を加えて希釈して、電荷発生層用塗布液を調製した。

0076

この電荷発生層用塗布液を、中間層上に浸漬塗布し、80℃で15分間乾燥して、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。

0077

次に、下記式で示される構造を有するアミン化合物10部、

0078

および、下記式で表わされるポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ−200、粘度平均分子量22000、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン(沸点132℃)32部に溶解して、電荷輸送層用塗布液を調製した。調製した電荷輸送層用塗布液の粘度は300mPa・sであった。

0079

(nは正の整数を示す。)

0080

この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布する際、電荷輸送層用塗布液の浸漬塗布は、図3に示す構成の被塗布体加温装置を用いて被塗布体(支持体上に導電層、中間層および電荷発生層を形成したもの)を加温しながら行った。被塗布体を加温するための液体(熱媒体)としては、85℃に温度制御したシリコーンオイルを用いた。浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引上げるときの被塗布体の温度(平均)T[℃]は84.0℃であり(最大値85.1℃、最小値82.8℃)、被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引上げ速度は520mm/minであった。被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引上げた後、120℃で60分間乾燥して、所望する膜厚22μm(=t0.5L[μm])の電荷輸送層を形成した。電荷輸送層の上端から支持体の下端までの長さL[mm]は250mmであった。このようにして、表面層が電荷輸送層である電子写真感光体を作製した。

0081

(比較例1)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布する際に被塗布体の加温をしない以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し評価した。なお、浸漬塗布の際に被塗布体を電荷輸送層用塗布液から引上げるときの被塗布体の温度(平均)T[℃]は24.0℃であった(最大値24.2℃、最小値23.9℃)。

0082

(比較例2)
比較例1において、被塗布体の引上げ速度を110mm/minとした以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し評価した。

0083

(評価1)
実施例1および比較例1、2で作製した電子写真感光体の電荷輸送層の膜厚を、浸漬塗布の際に上下させた方向に測定した。測定結果を表1に示す。

0084

0085

比較例1では所望の膜厚22.0μmより厚くなる。所望の膜厚とするためには、比較例2のように引上げ速度を実施例1よりも大幅に遅くせざるを得ない。また、比較例はいずれも膜厚ダレが見られるのに対して、実施例1の電子写真感光体は、膜厚ダレが少なく良好である。

0086

(評価2)
実施例1および比較例2で作製した電子写真感光体の表面性を評価した。また、これら電子写真感光体を、キヤノン(株)製レーザービームプリンターLBP−SX(商品名)用のプロセスカートリッジに組み込み、このプロセスカートリッジをLBP−SXに装着して、ハーフトーン画像の出力を6000枚行って出力画像の評価および電子写真感光体の耐久性の評価を行った。評価結果を表2に示す。

0087

0088

実施例1の電子写真感光体は、電荷輸送層の膜厚均一性が高く、帯電特性が安定しているため、出力画像濃度が均一であったが、比較例2の電子写真感光体は、実施例1に比べて電荷輸送層の膜厚均一性が低く、出力画像濃度が不均一であった(濃度勾配があった)。

0089

(実施例2、3、比較例3、4)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の被塗布体の温度および引上げ速度を表3に示すようにした(電荷輸送層用塗布液は実施例1と同じ)以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表3に、評価結果を表4に示す。

0090

0091

0092

(実施例4)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の溶媒をモノクロロベンゼン(沸点132℃)40部とした以外は実施例1と同様にして、電荷輸送層塗布液を調製した。電荷輸送層用塗布液の粘度は280mPa・sであった。この電荷輸送層用塗布液の浸漬塗布において、被塗布体の温度および引上げ速度を表5のようにし、実施例1と同様にして表面層が電荷輸送層である電子写真感光体を作製した。なお、各塗布液の塗布は図5に示すような塗布液循環型塗布装置を用いた。ここでポンプ503はダイアフラムポンプ(イワキ(株)製)を用い、気泡除去装置505としては、クイックトロン(新日本石油(株)製)を用いた。

0093

このようにして作製した電子写真感光体を、実施例1と同様にして評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表5に、評価結果を表6に示す。

0094

0095

(比較例5)
実施例1において、電荷輸送層用塗布液の溶剤をモノクロロベンゼン(沸点132℃)27部、およびメチラール(沸点42.5℃)6部とした以外は実施例1と同様にして、電荷輸送層塗布液を調製した。電荷輸送層用塗布液の粘度は310mPa・sであった。この電荷輸送層用塗布液の浸漬塗布を被塗布体の温度および引上げ速度を表7に示したようにした以外は、実施例1と同様にして表面層が電荷輸送層である電子写真感光体を作製した。このようにして作製した電子写真感光体を、実施例1と同様にして評価した。電荷輸送層の膜厚の測定結果を表7に、評価結果を表8に示す。

0096

0097

0098

図面の簡単な説明

0099

浸漬塗布法を説明するための図である。
電荷輸送層の膜厚を説明するための図である。
液体(熱媒体)を用いて被塗布体を内側から加温する装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
浸漬塗布における塗布液循環装置の概略構成の一例を示す図である。

符号の説明

0100

1電子写真感光体
2 軸
3帯電手段
4露光光
5現像手段
6転写手段
7クリーニング手段
8定着手段
9プロセスカートリッジ
10 案内手段
P転写材
101被塗布体
1012 被塗布部
102塗布液
103塗膜
103’ 層
1031 塗膜の上端
1031’ 層の上端
201支持体を有する被塗布体
2011 支持体
203’電荷輸送層
2031’ 電荷輸送層の上端
2032’ 電荷輸送層の下部
301 被塗布体
302熱媒体容器
303液体
501 浸漬容器
502塗布液タンク
503ポンプ
504フィルター
505気泡除去装置
506 液受け

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 富士電機株式会社の「 電子写真用感光体の製造方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】長期使用時にも摩耗が少なく、フィルミングの発生もなく、安定した画像を実現できる電子写真用感光体、その製造方法および電子写真装置を提供する。【解決手段】導電性基体1と、導電性基体上に順次形成され... 詳細

  • 株式会社リコーの「 画像形成装置および画像形成方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】トナーのより高いレベルの低温定着性と像担持体の長寿命化とを両立できる画像形成装置を提供する。【解決手段】像担持体と、像担持体表面に形成された潜像をトナーで可視化する現像手段とを備え、像担持体は... 詳細

  • 富士ゼロックス株式会社の「 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】感光体寿命の低下が抑制されるとともに、前画像の履歴が残ることで生じる残像現象の発生が抑制される電子写真感光体の提供。【解決手段】導電性基体4と、前記導電性基体4上に設けられ、フッ素樹脂粒子、フ... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ