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技術 光電変換素子

出願人 三菱製紙株式会社
発明者 高岡和千代
出願日 2005年5月25日 (16年5ヶ月経過) 出願番号 2005-152702
公開日 2006年12月7日 (14年11ヶ月経過) 公開番号 2006-332265
状態 未査定
技術分野 光起電力装置 光起電力装置
主要キーワード ポリマー溶解液 導電性グラファイト キャリヤー濃度 吸着官能基 固体色素 n型半導体 金属リード線 ホール伝導性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年12月7日)のものです。
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図面 (1)

課題

解決手段

アノード集電体色素によって増感された多孔質型酸化物半導体層ホール移動層及びカソード側集電体によって構成された全固体色素増感型光電変換素子において、特定構造の色素とホール移動剤ポリチオフェンであることを特徴とする全固体色素増感型光電変換素子。

概要

背景

石油原子力に依らず、無限有害物質を発生しない太陽光の有効な利用は人類全体が精力的に取り組まなければならない課題である。例えば太陽光を電気エネルギーに変換する光電変換素子はこの代表的な例である。

太陽光利用を光電変換素子で利用する試みは、現在、単結晶シリコン多結晶シリコンアモルファスシリコンおよびテルル化カドミウムセレン化インジウム銅等の無機太陽電池が挙げられる。しかしながら、これらの太陽電池に主に用いられているシリコンは、高度な精製過程が必要な高純度品が求められ、かつ、多層pn接合による構造の為に製造工程は複雑でプロセス数も多く、高いコストで、太陽光等を利用した光電変換素子の普及には、より簡易的で製造工程の簡素な素子の開発が待たれている。

無機材料を用いた光電変換素子の改良が進められている一方、より簡素な素子として有機材料を用いた光電変換素子の研究も地道ではあるが進められている。例えば、1986年にはTangらによってn型の有機色素であるペリレンテトラカルボン酸誘導体とp型の有機色素である銅フタロシアニン接合させた、pn接合型の有機光電変換素子報告されている(非特許文献1)。

有機光電変換素子において、弱点であると考えられている励起子拡散長の短さと空間電荷層の薄さを改良する為に、単に有機薄膜を積層するpn接合部の面積を大きく増大させ、電荷分離関与する有機色素数を充分に確保しようという試みがその結果を出しつつある。一つは例えばn型の電子伝導性の有機材料とp型のホール伝導性ポリマーを膜中で複合させることによりpn接合部分飛躍的に増大させて、膜中全体で電荷分離を行う手法である。Heererらは1995年に共役高分子をp型の導電性ポリマーとし、電子伝導材料としてフラーレンを混合させた光電変換素子を提案した(非特許文献2)。これらの光電変換素子は次第にその特性を向上させてはいるが、高い変換効率のまま安定して挙動するところまでには至っていない。

しかし、1991年にGraetzelは、酸化チタン上に吸着した色素増感光電流の膨大で詳細な実験の集大成として、酸化チタンを多孔質化し、その電荷分離の面積(電荷分離に寄与する分子数)を充分に確保することによって、安定動作し高い変換効率を有する光電変換素子の作製に成功した(非特許文献3)。この光電変換素子ではホール移動剤ヨウ素が用いられており、従って電解液が必要である。この光電変換素子は酸化チタンの安定と相まって、優れた再現性を有しており、研究開発裾野も大きく広がり、この光電変換素子も色素増感型太陽電池と呼ばれて、大きな期待と注目を浴びている。

太陽光を有効に利用しようとする当初の目的には、受光部の大面積化屋外用モジュールの作製が不可欠であるが、色素増感型太陽電池は先述のとおり電解液を用いて動作するために、電解液やヨウ素の保持や流出・散逸を防ぐ別の機構が必要となる。電解液を有する他の電気化学素子の代表例としては、鉛蓄電池リチウム電池などが代表的ではあるが、コンパクトモジュール化されたこれらの電気化学素子でさえ100%回収され、リサイクルされている訳ではなく、散逸した化学種が新たに環境に蓄積された場合に、二次的な問題を誘起するのは自明である。

このような電解液の問題を回避し、さらに色素増感型太陽電池の良さを引き継いだ、全固体色素増感型太陽電池の開発も進んでいる。この分野では吸着色素にルテニウム色素、ホール移動剤にポリピロールを用いたもの(非特許文献4)、同じく吸着色素にルテニウム色素、ホール移動剤にポリチオフェン誘導体を用いたもの(非特許文献5)、アモルファス性有機ホール移動剤を用いたもの(非特許文献6)やホール移動剤にヨウ化銅を用いたもの(非特許文献7)などが知られているが、未だ充分な光電変換効率や安定的に動作するレベルに至っていない。
C.W.Tang:Applied Physics Letters, 48,183(1986).
G.Yu,J.Gao,J.C.Humelen,F.Wudl and A.J.Heerger: Science,270,1789(1996).
B.O'Regan and M.Gratzel: Natuer,353,737(1991).
K.Murakoshi,R.Kogure,Y.Wada and S.Yanagida:Chemistry Letters,471(1997).
D.Gebeyehu,C.J.Brabec,F.Padinger,T.Fromherz,S.Spiekermann,N.Vlachopoulos, F.Keinberger,H.Schindler and N.S.Sariciftci:Synthetic Mateals,121, 1549(2001).
U.Bach,D.Lupo,P.Comte,J.E.Moser,F.Weissortel,J.Salbeck,H.Spreitzer and M.Gratzel:Nature,395,584(1989).
G.R.A.Kumara,S.Kaneko,M.Okuya,A.Konno and K.Tennakone:Key Engineering Matterals,119,228(2002).

概要

光電変換特性に優れた全固体色素増感型光電変換素子を提供すること。アノード集電体、色素によって増感された多孔質型酸化物半導体層ホール移動層及びカソード側集電体によって構成された全固体色素増感型光電変換素子において、特定構造の色素とホール移動剤がポリチオフェンであることを特徴とする全固体色素増感型光電変換素子。 なし

目的

本発明の目的は高い光電変換効率を有し、安定に挙動する全固体色素増感型の光電変換素子を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

アノード集電体色素によって増感された多孔質型酸化物半導体層ホール移動層及びカソード側集電体によって構成された全固体色素増感型光電変換素子において、該色素が下記一般式(1)で示される化合物であり、かつホール移動層に含まれるホール移動剤ポリチオフェンであることを特徴とする全固体色素増感型光電変換素子。(一般式(1)においてR1はアルキル基アラルキル基アルケニル基アリール基ヘテロ環残基を示し、それぞれ置換基を有していてもよい。R2、R3はアルキル基を示し、閉環されていてもよい。R4、R5は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シアノ基を示し、mは0から2の整数である。Zは一価の置換基であって、少なくとも一個カルボキシル基を有する。)

請求項2

ホール移動剤であるポリチオフェンが溶剤可溶性ポリチオフェンであることを特徴とする請求項1の全固体色素増感型光電変換素子。

技術分野

0001

本発明は、一般式(1)に示される色素光電変換材料として用いた全固体型光電変換素子に関するものである。

背景技術

0002

石油原子力に依らず、無限有害物質を発生しない太陽光の有効な利用は人類全体が精力的に取り組まなければならない課題である。例えば太陽光を電気エネルギーに変換する光電変換素子はこの代表的な例である。

0003

太陽光利用を光電変換素子で利用する試みは、現在、単結晶シリコン多結晶シリコンアモルファスシリコンおよびテルル化カドミウムセレン化インジウム銅等の無機太陽電池が挙げられる。しかしながら、これらの太陽電池に主に用いられているシリコンは、高度な精製過程が必要な高純度品が求められ、かつ、多層pn接合による構造の為に製造工程は複雑でプロセス数も多く、高いコストで、太陽光等を利用した光電変換素子の普及には、より簡易的で製造工程の簡素な素子の開発が待たれている。

0004

無機材料を用いた光電変換素子の改良が進められている一方、より簡素な素子として有機材料を用いた光電変換素子の研究も地道ではあるが進められている。例えば、1986年にはTangらによってn型の有機色素であるペリレンテトラカルボン酸誘導体とp型の有機色素である銅フタロシアニン接合させた、pn接合型の有機光電変換素子報告されている(非特許文献1)。

0005

有機光電変換素子において、弱点であると考えられている励起子拡散長の短さと空間電荷層の薄さを改良する為に、単に有機薄膜を積層するpn接合部の面積を大きく増大させ、電荷分離関与する有機色素数を充分に確保しようという試みがその結果を出しつつある。一つは例えばn型の電子伝導性の有機材料とp型のホール伝導性ポリマーを膜中で複合させることによりpn接合部分飛躍的に増大させて、膜中全体で電荷分離を行う手法である。Heererらは1995年に共役高分子をp型の導電性ポリマーとし、電子伝導材料としてフラーレンを混合させた光電変換素子を提案した(非特許文献2)。これらの光電変換素子は次第にその特性を向上させてはいるが、高い変換効率のまま安定して挙動するところまでには至っていない。

0006

しかし、1991年にGraetzelは、酸化チタン上に吸着した色素の増感光電流の膨大で詳細な実験の集大成として、酸化チタンを多孔質化し、その電荷分離の面積(電荷分離に寄与する分子数)を充分に確保することによって、安定動作し高い変換効率を有する光電変換素子の作製に成功した(非特許文献3)。この光電変換素子ではホール移動剤ヨウ素が用いられており、従って電解液が必要である。この光電変換素子は酸化チタンの安定と相まって、優れた再現性を有しており、研究開発裾野も大きく広がり、この光電変換素子も色素増感型太陽電池と呼ばれて、大きな期待と注目を浴びている。

0007

太陽光を有効に利用しようとする当初の目的には、受光部の大面積化屋外用モジュールの作製が不可欠であるが、色素増感型太陽電池は先述のとおり電解液を用いて動作するために、電解液やヨウ素の保持や流出・散逸を防ぐ別の機構が必要となる。電解液を有する他の電気化学素子の代表例としては、鉛蓄電池リチウム電池などが代表的ではあるが、コンパクトモジュール化されたこれらの電気化学素子でさえ100%回収され、リサイクルされている訳ではなく、散逸した化学種が新たに環境に蓄積された場合に、二次的な問題を誘起するのは自明である。

0008

このような電解液の問題を回避し、さらに色素増感型太陽電池の良さを引き継いだ、全固体色素増感型太陽電池の開発も進んでいる。この分野では吸着色素にルテニウム色素、ホール移動剤にポリピロールを用いたもの(非特許文献4)、同じく吸着色素にルテニウム色素、ホール移動剤にポリチオフェン誘導体を用いたもの(非特許文献5)、アモルファス性有機ホール移動剤を用いたもの(非特許文献6)やホール移動剤にヨウ化銅を用いたもの(非特許文献7)などが知られているが、未だ充分な光電変換効率や安定的に動作するレベルに至っていない。
C.W.Tang:Applied Physics Letters, 48,183(1986).
G.Yu,J.Gao,J.C.Humelen,F.Wudl and A.J.Heerger: Science,270,1789(1996).
B.O'Regan and M.Gratzel: Natuer,353,737(1991).
K.Murakoshi,R.Kogure,Y.Wada and S.Yanagida:Chemistry Letters,471(1997).
D.Gebeyehu,C.J.Brabec,F.Padinger,T.Fromherz,S.Spiekermann,N.Vlachopoulos, F.Keinberger,H.Schindler and N.S.Sariciftci:Synthetic Mateals,121, 1549(2001).
U.Bach,D.Lupo,P.Comte,J.E.Moser,F.Weissortel,J.Salbeck,H.Spreitzer and M.Gratzel:Nature,395,584(1989).
G.R.A.Kumara,S.Kaneko,M.Okuya,A.Konno and K.Tennakone:Key Engineering Matterals,119,228(2002).

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は高い光電変換効率を有し、安定に挙動する全固体色素増感型の光電変換素子を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、アノード集電体、色素によって増感された多孔質型酸化物半導体層ホール移動層及びカソード側集電体によって構成された全固体色素増感型光電変換素子において、該色素が下記一般式(1)で示される化合物であり、かつホール移動層に含まれるホール移動剤がポリチオフェンであることを特徴とする全固体色素増感型光電変換素子、



(一般式(1)においてR1はアルキル基アラルキル基アルケニル基アリール基ヘテロ環残基を示し、それぞれ置換基を有していてもよい。R2、R3はアルキル基を示し、閉環されていてもよい。R4、R5は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、シアノ基を示し、mは0から2の整数である。Zは一価の置換基であって、少なくとも一個カルボキシル基を有する。)
ホール移動剤であるポリチオフェンが溶剤可溶性ポリチオフェンであることを特徴とする請求項1の全固体色素増感型光電変換素子を見いだした。

発明の効果

0011

特定の色素とポリチオフェンを組み合わせることによって、良好な変換効率を有する固体型の光電変換素子を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明における色素はn型酸化物半導体に吸着するカルボン酸に代表される酸性基を有し、光を吸収して電荷分離を引き起こし、n型酸化物半導体へ電子を、ホール移動剤にホールを受け渡す色素であって、代表例として以下の化合物を挙げることができる。

0013

0014

0015

0016

0017

本発明の光電変換素子は、アノード側集電体、アノード側集電体上に設置した色素によって増感されたn型酸化物半導体層、ホール移動層及びカソード側集電体からなる。アノード側集電体は、インジウム−スズ複合酸化物(ITO)、フッ素ドーピングした酸化スズ等の金属酸化物(FTO)等などの透明導電性ガラスを用いるのが好ましい。透明導電性ガラス基板抵抗下げる目的で、金属リード線を用いてもよい。金属リード線の材質アルミニウム、銅、銀、金、白金ニッケル等の金属が好ましい。金属リード線は、透明基板蒸着スパッタリング等で設置し、その上にITOやFTOを設けたり、あるいは透明導電層上に金属リード線を設置する方法がある。

0018

n型酸化物半導体としては、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステンジルコニウムハフニウムストロンチウム、インジウム、セリウムイットリウムランタンバナジウムニオブ、あるいはタンタル酸化物などがあるが、特に酸化チタンは化学的にも光化学的にも安定であり、製造方法も多様であって、各種粒径微粒子を製造できることから最も好ましい。一般に酸化チタンの合成方法としては、硫酸チタニル熱分解して得る方法、四塩化チタン大気中で燃焼させて得られる方法、有機チタネート水熱分解して得る方法などが知られている。

0019

本発明の光電変換素子ではn型酸化物半導体は多孔質状態で用いられる。酸化チタンの粒子は径が6〜7nm以上のものであれば比較的自由に設計することが可能であって、これを一旦溶媒中で分散させ、粒子状態で塗設、成膜させ、表面水を除き粒子同士を接触させると多孔質体となる。多孔質状態で粒子間の電子伝導性を充分に確保しようとする場合には、粒界での接合性を向上させる必要があり、400℃以上の加熱処理を行うことが一般的である。

0020

酸化チタンの粒子径を小さくすると比表面積が増大し、吸着色素量が増加するが、多孔質n型酸化物半導体中の粒子の密度が増大して、ホール移動剤との接合が阻害され、また加熱成膜時に膜収縮現象を引き起こす場合もあり、主たる微粒子は15nm以上であることが好ましい。更に形成されたn型酸化物半導体層は0.1μmから20μmが好ましい。あまり薄いと吸着色素量が充分ではなく、入射光を変換できずに効率は低下し、あまり厚いとカソードまで距離が大きくなり、内部抵抗が上昇して、やはり光電変換効率は低下する。この為に、多孔質層の厚みは、0.1から2μmがより好ましい。

0021

本発明における色素を多孔質n型酸化物半導体上に吸着させる方法としては、溶液中に色素を分散溶解させて、該多孔質n型酸化物半導体を浸漬させる方法が一般的である。色素は吸着官能基を有しており、酸化物半導体特に酸化チタンの場合は、溶液中多孔質内を拡散しながら、酸化物表面に密に吸着する。この時、色素の吸着状態や酸化物表面の未吸着点を保護するために、共吸着剤を併用しても構わない。

0022

本発明における光電変換素子には、ホール移動剤としてポリチオフェンが用いられる。特に3位のアルキル置換体トルエンクロロホルムテトラヒドロフランなどの有機溶剤に可溶であることから、取り扱いが容易で、かつ優れた成膜性を有する為に、本発明には有効なホール移動剤である。また、3位に反応性官能基を有する3−チオフェンメタノール、3−チフェンエタノール、3−チオフェンアルデヒド出発物質として長鎖アルキルなどの感応基を導入したポリチオフェンも利用可能である。

0023

3位にアルキル置換体を有するポリチオフェン誘導体としては、具体的にポリ(3−ブチルチオフェン−2、5−ジイル)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2、5−ジイル)(以下P3HTと略す)、ポリ(3−オクチルチオフェン−2、5−ジイル)、ポリ(3−デシルチオフェン−2、5−ジイル)、ポリ(3−ドデシルチオフェン−2、5−ジイル)、ポリ(3−シクロヘキシル−4−メチルチオフェン−2、5−ジイル)、ポリ(3−シクロヘキシルチオフェン−2、5−ジイル)、ポリ(3−フェニルチオフェン−2、5−ジイル)などが挙げられる。

0024

これらのホール移動剤は溶剤に溶解させた後、色素の吸着した多孔質n型半導体層上へ、ディップコート法あるいはスピンコート法などにより塗布し、乾燥・成膜させホール移動層として用いる。ポリマー溶解液多孔質状の層に浸透させる必要があるので、あまり高い濃度で塗布すると、浸透性に問題が出る場合があり、また、あまり低い濃度で塗布するとピンホール等の形成の問題があるので、0.5質量%から2質量%程度で塗布するのが好ましい。ホール移動層中にはキャリヤー濃度コントロールする為に、ドーパントを導入することも可能である。

0025

ホール移動層が形成された後、カソード側集電体として、蒸着法などによって、金属膜が形成される。カソード側集電体に用いる材料の具体例としては、白金、金、銀等の貴金属や、グラファイト系導電性カーボン電極を用いることができる。金属やカーボン電極真空中で蒸着などして作製することができるが、カーボン電極は導電性グラファイトであるアセチレンブラック等の微粒子を分散塗布して作製することもできる。

0026

次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。

0027

酸化チタン(日本アエロジル社製P−25S6)をエタノール・イソプロパノール混合溶剤体積比1:1)中で分散し、分散液を作製した。この分散液に硝酸を加え、FTOガラス基板上にスピンコートして膜厚1.2μmの分散粒子層を作製し、450℃で1時間焼成して、多孔質酸化チタン層を作製した。

0028

例示化合物(Dye−2)で示した色素を約0.5mmol/Lの濃度でt−ブタノールアセトニトリル混合溶剤(体積比1:1)中に溶解させ、この溶液中に多孔質酸化チタン層を浸漬して、30℃にて色素を吸着させた。吸着時間は2時間であった。この時、酸化チタン上に吸着した色素の吸収スペクトル図1に示す。

0029

次にホール移動剤P3HT(Aldrich製)固形分濃度1.5質量%にてトルエンに溶解させ、色素吸着後の多孔質酸化チタン層上にスピンコートし、ホール移動層を形成した。更に真空蒸着法により金を蒸着し、カソード側集電体を作製した。電極形状正方形、面積は1cm2であった。

0030

ここに、透明導電性電極側から山下電装ソーラーシュミレーターSS−E40を用いてAM1.5、100mWの疑似太陽光照射し、この時の電池特性電工ファンクションジェネレータHB−111とポテンシオスタットHA−151を用いて測定した。この結果、光照射時の開回路電圧0.88V、短絡電流密度2.1mA/cm2、フィルファクター0.58、変換効率1.07%と良好な値を示した。

0031

更に、同一の光源UVカットフィルター(HOYA製 L39 2.5mm厚)を挿入し、経時による光電流の変化を測定したところ測定初期値(2.0mA/cm2)に対し、30分後の値は1.94mA/cm2、1時間後の値は1.98mA/cm2と安定した挙動を示した。

0032

(比較例1)
例示化合物(Dye−2)を、ルテニウム系色素(シス−ジチオシアノ−N、N´−ビス2,2´−ビピリジル−4、4´—ジカルボン酸ルテニウム(II)錯体)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、評価した。その結果、開回路電圧0.45V、短絡光電流密度1.84mA/cm2、フィルファクター0.257、変換効率0.213%と充分な変換効率は得られなかった。

0033

(比較例2)
例示化合物(Dye−2)を、クマリン系色素(Dye−R1)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、評価した。その結果、開回路電圧0.722V、短絡光電流密度0.4mA/cm2、フィルファクター0.519、変換効率0.15%と充分な変換効率は得られなかった。

0034

0035

(比較例3)
例示化合物(Dye−2)を、トリフェニルアミン系色素(Dye−R2)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、評価した。その結果、開回路電圧0.75V、短絡光電流密度0.67mA/cm2、フィルファクター0.55、変換効率0.28%と充分な変換効率は得られなかった。

0036

0037

(比較例4)
例示化合物(Dye−2)を、カルバゾール系色素(Dye−R3)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、評価した。その結果、開回路電圧0.74V、短絡光電流密度0.66mA/cm2、フィルファクター0.52、変換効率0.25%と充分な変換効率は得られなかった。

0038

0039

(比較例5)
例示化合物(Dye−2)を、ベンゾチゾール系色素(Dye−R4)に変更した以外は実施例1と同様にして素子を作製し、評価した。その結果、開回路電圧0.69V、短絡光電流密度0.60mA/cm2、フィルファクター0.48、変換効率0.20%と充分な変換効率は得られなかった。

0040

0041

(比較例6)
実施例において例示化合物(Dye−2)を吸着させた後、色素を吸着した多孔質酸化チタン層を、過硫酸アンモニムとピロール等モル濃度のアセトニトリル・水の混合溶液に浸漬させて、化学重合法によってポリピロール膜を形成させた。このセルをアセトニトリルと水で十分に洗浄したのち、カソード電極として金電極を蒸着して素子を作製し、評価した。しかし、素子は短絡しており、評価できなかった。

図面の簡単な説明

0042

酸化チタン上に吸着したDye−2の吸収スペクトル

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