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技術 入射角度推定装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 草場克也岡村敦
出願日 2005年5月23日 (15年7ヶ月経過) 出願番号 2005-149856
公開日 2006年12月7日 (14年0ヶ月経過) 公開番号 2006-329671
状態 拒絶査定
技術分野 方向探知
主要キーワード アルゴリズム適用 素子間間隔 時間因子 サンプル平均 位相差方 超分解能 角度推定値 電波監視装置
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図面 (9)

課題

必要最小限の素子アンテナを広い素子間隔で配置したアレーアンテナを用いて測角精度を確保し、かつその際発生する虚像を排除して受信電波唯一入射角度推定値を求める。

解決手段

複数個の素子アンテナを、受信電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してアレーアンテナを構成し、入射角度推定処理部により、素子アンテナのそれぞれから得られる受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出し、一方、粗測角値算出部により、受信データの任意の一対に基づいて対応する素子アンテナ間における受信電波の到来時間差推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出し、粗測角値算出部において、入射角度推定値の中から粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する。

概要

背景

電波監視装置などで使用されている一般的な入射角度推定装置(例えば、特許文献1参照)では、基本的に図8に示すような構成で波動入射角度推定する処理を行っている。図において、素子アンテナ11と12は素子間隔dを持つ2素子アレーを構成している。これら素子アンテナ11,12では電波wを受信するとアナログ電気信号に変換する。各素子アンテナ11,12からの電気信号のそれぞれは、対応する受信器31,32内のミキサ送信周波数から中間周波数ダウンコンバージョンされ、さらに中間周波数のアナログ信号はそれぞれA/D変換されてデジタル信号として取り出される。その後、デジタル信号である受信データに対して、入射角度推定処理部4で測角処理が行われ、電波の入射角度が推定される。

この場合、入射角度推定処理部4では、2つの受信データの位相差に基づいて、次のように入射角度を推定する。電波が角度θから入射する場合の素子アンテナ11,12の受信データx1(l)、x2(l)はそれぞれ次式で表される。



ここで、dは素子アンテナの間隔、λは信号の波長、fは信号の搬送周波数、lはデジタル信号の時間因子、Tはサンプリング周期、A1、A2は所望信号振幅、n1(l)、n2(l)は受信機雑音を表す。

位相差方探処理においては、まず2個の素子アンテナ11,12の入力信号について相関を計算する。



ここで、Lは時間平均サンプル平均演算を、*は複素共役を表す。
信号対雑音電力比が高く、相関を計算する時間サンプル数が十分大きければ、式(3)は第2項、第3項、第4項はいずれも0となるので、次式のように展開することにより、電波の入射角度θを推定できる。



ここでarg( )は位相角を表す。

上述したようにアレーアンテナを用いて位相差方探処理を行うときには、素子間隔dが大きくなると角度値偽像が発生する。偽像とは、素子間隔dが大きくなると経路長差dsinθが位相差πを超え、同相となる位相差φ±2πにおいても本来の位相差φと同様に応答してしまう現象のことである。このような偽像を回避するためには素子間隔dを、d<λ/2にして配列する方法がよく用いられる。
また、アレーの素子間隔は、要求される測角精度により決定される。しかし、要求される測角精度が高くなり素子間隔dを広げ、λ/2を超えると、求めた入射角度に偽像が発生してしまうため、従来は素子アンテナの中間に別途素子を挿入することによって最小の素子間隔dがλ/2以下になるような配列にしていた。

特開平10−253730号公報

概要

必要最小限の素子アンテナを広い素子間隔で配置したアレーアンテナを用いて測角精度を確保し、かつその際発生する虚像を排除して受信電波唯一入射角度推定値を求める。複数個の素子アンテナを、受信電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してアレーアンテナを構成し、入射角度推定処理部により、素子アンテナのそれぞれから得られる受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出し、一方、粗測角値算出部により、受信データの任意の一対に基づいて対応する素子アンテナ間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出し、粗測角値算出部において、入射角度推定値の中から粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する。

目的

この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、必要最小限の素子アンテナを広い素子間隔で配置したアレーアンテナを用いて測角精度を確保し、かつその際発生する虚像を排除して受信電波の唯一の入射角度推定値を求める入射角度推定装置を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
7件
牽制数
0件

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請求項1

複数個素子アンテナを、受信電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してなるアレーアンテナと、前記素子アンテナのそれぞれから得られる受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する入射角度推定処理部と、前記受信データの任意の一対に基づいて対応する素子アンテナ間における受信電波の到来時間差推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出する粗測角値算出部と、前記算出された入射角度推定値の中から前記粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する角度値判定部とを備えたことを特徴とする入射角度推定装置

請求項2

請求項1において、入射角度推定処理部として、各受信データに基づいて超分解能アルゴリズムにより受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する手段を適用したことを特徴とする入射角度推定装置。

請求項3

請求項2において、粗測角値算出部として、受信データの一つに基づいて、超分解能アルゴリズムにより複数の受信電波の素子アンテナ間の到来時間差をそれぞれ推定し、当該推定された各到来時間差に基づいて前記複数の受信電波の各粗測角値を算出する手段を適用し、角度値判定部は、入射角度推定処理部で算出された前記複数の受信電波のそれぞれの入射角度推定値の中から、対応する受信電波の粗測角値と最も近接する値をそれぞれの受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしたことを特徴とする入射角度推定装置。

請求項4

それぞれ所定数の素子アンテナからなる複数のサブアレーアンテナを、位相中心間を受信電波の1/2波長より広い間隔となるように配列してなるアレーアンテナと、前記サブアレーアンテナ毎各素子アンテナから得られる受信データをデジタルビームフォーミングして合成するそれぞれのDBF処理部と、合成された受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する入射角度推定処理部と、前記合成された受信データの任意の一対に基づいて対応するサブアレーアンテナの位相中心間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出する粗測角値算出部と、前記算出された入射角度推定値の中から前記粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する角度値判定部とを備えたことを特徴とする入射角度推定装置。

請求項5

請求項4において、入射角度推定処理部として、合成された受信データに基づいて超分解能アルゴリズムにより受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する手段を適用したことを特徴とする入射角度推定装置。

請求項6

請求項4において、入射角度推定処理部として、合成された受信データに基づいて、サブアレーアンテナの位相回転量を推定することで測角を行う超分解能アルゴリズムにより複数の受信電波のそれぞれの虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する手段を適用し、粗測角値算出部として、合成された受信データの一つに基づいて、超分解能アルゴリズムにより前記複数の受信電波のサブアレーアンテナ間の到来時間差をそれぞれ推定し、当該推定された各到来時間差に基づいて前記複数の受信電波の各粗測角値を算出する手段を適用し、角度値判定部は、前記複数の受信電波のそれぞれの入射角度推定値の中から、対応する受信電波の粗測角値と最も近接する値をそれぞれの受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしたことを特徴とする入射角度推定装置。

技術分野

0001

この発明は、媒質中伝搬する波動到来方向である、設定されたアレーアンテナに対しての波動の入射角度推定する入射角度推定装置に関するものである。

背景技術

0002

電波監視装置などで使用されている一般的な入射角度推定装置(例えば、特許文献1参照)では、基本的に図8に示すような構成で波動の入射角度を推定する処理を行っている。図において、素子アンテナ11と12は素子間隔dを持つ2素子アレーを構成している。これら素子アンテナ11,12では電波wを受信するとアナログ電気信号に変換する。各素子アンテナ11,12からの電気信号のそれぞれは、対応する受信器31,32内のミキサ送信周波数から中間周波数ダウンコンバージョンされ、さらに中間周波数のアナログ信号はそれぞれA/D変換されてデジタル信号として取り出される。その後、デジタル信号である受信データに対して、入射角度推定処理部4で測角処理が行われ、電波の入射角度が推定される。

0003

この場合、入射角度推定処理部4では、2つの受信データの位相差に基づいて、次のように入射角度を推定する。電波が角度θから入射する場合の素子アンテナ11,12の受信データx1(l)、x2(l)はそれぞれ次式で表される。



ここで、dは素子アンテナの間隔、λは信号の波長、fは信号の搬送周波数、lはデジタル信号の時間因子、Tはサンプリング周期、A1、A2は所望信号振幅、n1(l)、n2(l)は受信機雑音を表す。

0004

位相差方探処理においては、まず2個の素子アンテナ11,12の入力信号について相関を計算する。



ここで、Lは時間平均サンプル平均演算を、*は複素共役を表す。
信号対雑音電力比が高く、相関を計算する時間サンプル数が十分大きければ、式(3)は第2項、第3項、第4項はいずれも0となるので、次式のように展開することにより、電波の入射角度θを推定できる。



ここでarg( )は位相角を表す。

0005

上述したようにアレーアンテナを用いて位相差方探処理を行うときには、素子間隔dが大きくなると角度値偽像が発生する。偽像とは、素子間隔dが大きくなると経路長差dsinθが位相差πを超え、同相となる位相差φ±2πにおいても本来の位相差φと同様に応答してしまう現象のことである。このような偽像を回避するためには素子間隔dを、d<λ/2にして配列する方法がよく用いられる。
また、アレーの素子間隔は、要求される測角精度により決定される。しかし、要求される測角精度が高くなり素子間隔dを広げ、λ/2を超えると、求めた入射角度に偽像が発生してしまうため、従来は素子アンテナの中間に別途素子を挿入することによって最小の素子間隔dがλ/2以下になるような配列にしていた。

0006

特開平10−253730号公報

発明が解決しようとする課題

0007

従来の入射角度推定装置では、高い測角精度を得るために素子間隔を広げた場合、素子アンテナ11,12の中間に別途素子を挿入することによって最小の素子間隔dがλ/2以下になるようにして偽像が発生しないようにしていたが、その場合には挿入する素子やその受信器等を増やす必要があるため不経済な構成となっていた。また、偽像を排除するために、複数回の方探処理を組み合わせ、二通りないしそれ以上の入射角度推定値の比較を行い、詳細な素子位置の検討を行わなければならなかった。

0008

この発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、必要最小限の素子アンテナを広い素子間隔で配置したアレーアンテナを用いて測角精度を確保し、かつその際発生する虚像を排除して受信電波唯一の入射角度推定値を求める入射角度推定装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

この発明に係る入射角度推定装置は、複数個の素子アンテナを、受信電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してなるアレーアンテナと、素子アンテナのそれぞれから得られる受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する入射角度推定処理部と、受信データの任意の一対に基づいて対応する素子アンテナ間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出する粗測角値算出部と、算出された入射角度推定値の中から粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択する角度値判定部とを備えたものである。

発明の効果

0010

この発明によれば、アレーアンテナを広い素子間隔で構成して測角精度を確保し、そのアレーアンテナを用いて位相差方探により入射角度推定値を求める一方、受信電波の到来時間差を推定することにより入射角度の粗測角値を求め、上記広い素子間隔に起因して位相差方探で偽像が混入する入射角度推定値の中から、粗測角値に最も近接する値を真の測角値として抽出するので、偽像をすべて排除することができ、従来のように対策として素子数を増やすことがなく、必要最小限の構成により高精度な入射角度推定値を得ることができる効果がある。

発明を実施するための最良の形態

0011

実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による入射角度推定装置の構成を示す図である。
この入射角度推定装置は、少なくとも2つの受信用の素子アンテナ11,12、それぞれの受信器31,32、入射角度推定処理部4、粗測角値算出部5、角度値判定部6を備えている。ここで、素子アンテナ11,12の素子間隔dは半波長以上あるものと仮定する。また、これらの素子アンテナ11,12にはアジマスθの角度で受信電波wが入射するものと仮定する。

0012

次に、動作について説明する。
素子アンテナ11,12は受信電波wを受信するとアナログ電気信号に変換する。各素子アンテナ11,12からの信号のそれぞれは、対応する受信器31,32において、ミキサにより送信周波数から中間周波数にダウンコンバージョンした後、中間周波数の信号をそれぞれA/D変換してデジタルの受信データx1,x2を得る。これらの受信データx1,x2は、入射角度推定処理部4と粗測角値算出部5に入力される。
入射角度推定処理部4では、従来の技術に関して前述した位相差方探処理の式(3)および式(4)を用いて、受信データx1,x2から入射角度推定値を求める。ただし、この発明では、素子間隔を半波長以上であると仮定しているため、真の位相に対して2nπ(nは整数)を加算した位相値毎に同位相となり、入射角度推定値としては偽像を含めてθs1,θs2,…,θspのように複数個が得られる。これらの入射角度推定値は角度値判定部6に入力される。

0013

一方、受信データx1,x2が入力された粗測角値算出部5では、信号の到来時間差を推定して、これを基にもう一つの入射角度推定値である、受信電波の粗測角値を算出する処理を行う。
受信データx1,x2をLサンプル用いて次式の相関処理を行い、f(τ)が最大となるτを到来時間差推定値τ’とする。



次に、到来時間差推定値τ’に伝播速度cを乗じて経路長差を求め、受信電波の粗測角値θ’を算出する。



|τ’|は入射角度が−90≦θ≦90[deg]の場合、|d/c|を超える値にはなりなえないため、受信電波の粗測角値θ’は唯一の値が必ず求められる。

0014

角度値判定部6は、偽像を含めた入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から唯一の入射角度推定値θsを選択する手段である。その処理原理を、図2に基づいて説明する。
素子間隔が半波長以上である場合、入射角度推定処理部4から得られる入射角度推定値θs1,θs2,…,θspでは、真の位相に対して2nπ(nは整数)を加算した位相値毎に同位相となり、図に示すように入射角度推定値に偽像θs1,θs3が生じる。これらの偽像を含めた入射角角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、式(6)で得られた受信電波の粗測角値θ’に最も近い値を唯一の測角値θsとして選択する。このことにより、偽像を排除することが可能になる。

0015

以上のように、この実施の形態1によれば、2個の素子アンテナを、受信する電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してアレーアンテナを構成し、入射角度推定処理部において、素子アンテナのそれぞれから得られる2つの受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出し、一方、粗測角値算出部において、2つの受信データに基づいて対応する素子アンテナ間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出し、角度値判定部において、算出された上記入射角度推定値の中から上記粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしている。したがって、素子間隔を1/2波長より広くして測角精度を確保すると共に、この素子間隔に起因して入射角度推定処理部の出力として混入する入射角度推定値の偽像を排除することができるため、必要最小限の素子アンテナで構成されたアレーアンテナを用いて高精度な入射角度推定値を得ることができる。

0016

実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2では、アレーアンテナは2以上の素子アンテナ11,12,…,1Mで構成され、素子数に応じたチャネル分の受信器31,32,…,3Mが設けられ、入射角度推定処理部4では超分解能アルゴリズムを用いて処理するようにしている。この場合にも、アレーアンテナの素子間間隔によっては入射角度推定値θs1,θs2,…,θspに偽像が含まれる。そこで、入射角度推定処理部4から得られる入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、粗測角値算出部5で算出された粗測角値を用いて唯一の測角値θsを選択する構成としている。

0017

超分解能アルゴリズムとして、例えばMUSIC(MUltiple SIgnal Classication)アルゴリズムを用いた場合、素子間隔が半波長以下となる素子配列が含まれていないと入射角度推定値には偽像が現れる。また、各受信データx1,x2,…,xMが等間隔リニアアレーにおける受信データと同様に表現可能な場合には、ESRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotation Invariance Techniques)アルゴリズムが適用できる。このとき、ESPRITアルゴリズム適用のために構成するサブアレーアンテナ間位相回転量が本来の位相差φを超え位相差φ±2πとなる。すなわち、サブアレー間の間隔が半波長を超える場合には角度推定値に偽像が含まれる。したがって、入射角度推定処理部4より得られる偽像を含めた入射角度推定値θs1,θs2,…,θspが得られるが、この実施の形態2では、角度値判定部6において、これらの入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、式(6)を用いた粗測角値算出部5で得られた受信電波の粗測角値θ’に最も近い入射角度推定値を唯一の測角値θsとして選択する。このことにより、偽像を排除することが可能となる。なお、図3では、粗測角値算出部5で算出する到来時間差は素子アンテナ11と1Mの素子対に対して求めているが、どの素子対から求めてもよい。

0018

以上のように、この実施の形態2によれば、2個以上の素子アンテナを、受信する電波の1/2波長より広い素子間隔で配列してアレーアンテナを構成し、入射角度推定処理部では、各受信データに基づいて超分解能アルゴリズムにより虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出するようにしているので、素子アンテナの数が多い場合においても、素子間隔を1/2波長より広くして測角精度を確保すると共に、この素子間隔に起因して入射角度推定処理部の出力として混入する入射角度推定値の偽像を排除することができるため、従来のように素子やその受信器等を増やす必要がなく、高精度な入射角度推定値を得ることができる。

0019

実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
上記実施の形態2の粗測角値算出部5で用いる式(5)の方法では、受信電波の帯域幅によって決定される分解能以下の到来時間差は観測できないことが考えられる。また、処理しようとする同一帯域内に複数の受信電波が存在するような場合にも、到来時間差が観測できなくなることが考えられる。そこで、この実施の形態3では、粗測角値算出部5において粗測角値を算出するための到来時間差推定にも超分解能アルゴリズムを用いる。

0020

ここでは、受信電波が複数、すなわちK波入射しているものとする(ただし、素子数MはK+1以上とする)。粗測角値算出部5は、素子11からの受信データx1に対して周波数掃引し(掃引する周波数ポイントはK+1以上)、その受信データx1に基づいて超分解能アルゴリズム(例えばMUSICアルゴリズム)により到来時間差推定値τ’を求める。到来時間差推定値τ’に伝播速度cを乗じて経路長差を求め、これを式(6)に適用して各受信電波の粗測角値θs1’,…,θsK’を求める。次に、角度値判定部6において、入射角度推定処理部4でMUSICアルゴリズム等の超分解能アルゴリズムにより得られた各受信電波の入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、粗測角値算出部5で得られた各受信電波の粗測角値θs1’,…,θsK’とそれぞれ最も近接する入射角度推定値を各受信電波の唯一の測角値θs1,…,θsKとして選択する。このことにより、偽像の排除を行うことができる。

0021

以上のように、この実施の形態3によれば、上記実施の形態2に対し、超分解能アルゴリズムを用いる粗測角値算出部を適用し、受信データの一つに基づいて複数の受信電波の素子アンテナ間の到来時間差をそれぞれ推定し、当該推定された各到来時間差に基づいて上記複数の受信電波の各粗測角値を算出するようにし、角度値判定部により、入射角度推定処理部で算出された上記複数の受信電波のそれぞれの虚像を含む可能性のある入射角度推定値の中から、対応する受信電波の粗測角値と最も近接する値をそれぞれの受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしている。したがって、素子アンテナの数が多い場合においても、素子間隔を1/2波長より広くして測角精度を確保すると共に、この素子間隔に起因して入射角度推定処理部の出力として混入する各受信電波の入射角度推定値の偽像をすべて排除することができるため、従来のように素子やその受信器等を増やす必要がなく、高精度な入射角度推定値を得ることができる。また、特に、到来する電波が複数となった場合にも対応できる。すなわち、入射角度推定処理部で得られた複数の受信電波の入射角度推定値のそれぞれに対応して偽像が発生するが、複数の受信電波の粗測角値を得ることにより、偽像が現れる角度値をも考慮してそれぞれの真の入射角度推定値を測角値として求めることができる。

0022

実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態4では、アレーアンテナは2個のサブアレーアンテナ101,102を持ち、各サブアレーアンテナはそれぞれが2個の素子アンテナからなる。これらの素子アンテナ111,112,121,122に対応してそれぞれ受信器311,312,321,322が設けられている。また、サブアレーアンテナ101,102毎に各受信器からの受信データに対してデジタルビームフォーミング(以下、DBFとする)を行うDBF処理部71,72を備えている。PH101,PH102はサブアレーアンテナ101,102の位相中心である。サブアレーアンテナ101,102は、この位相中心間を受信電波の1/2波長より広い間隔となるように配列してアレーアンテナを構成する。
DBF処理部71,72において、サブアレーアンテナ101,102毎に受信器で得られる各受信データをDBF処理し、合成した受信データx1,x2を入射角度推定処理部4に与える。入射角度推定処理部4では、これらの合成された受信データx1,x2に基づいて位相差方探処理により受信電波の入射角度推定値θs1,θs2,…,θspを求める。この場合、各サブアレーアンテナの位相中心PH101,PH102がλ/2以上離れている場合、入射角度推定処理部4で得られた入射角度推定値には偽像が含まれる。

0023

また、粗測角値算出部5では、合成された受信データx1,x2から位相中心PH101,PH102における到来時間差推定値τ’を求める。次に到来時間差推定値τ’に伝播速度cを乗じて経路長差を求め、これを式(6)に適用して唯一の受信電波の粗測角値θ’を求める。次に、角度値判定部6において、入射角度推定処理部4で得られた入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、粗測角値算出部5で得られた受信電波の粗測角値θ’に最も近接する入射角度推定値を唯一の測角値θsとして選択する。このことにより、偽像の排除を行うことができる。

0024

以上のように、この実施の形態4によれば、それぞれ2個の素子アンテナからなる2個のサブアレーアンテナを、位相中心間を受信電波の1/2波長より広い間隔となるように配列してアレーアンテナを構成し、それぞれのDBF処理部において、サブアレーアンテナ毎に各素子アンテナから得られる受信データをデジタルビームフォーミングして合成し、入射角度推定処理部により、2つの合成された受信データに基づいて位相差方探処理により受信電波の虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出し、一方、粗測角値算出部において、上記2つの合成された受信データに基づいて対応するサブアレーアンテナの位相中心間における受信電波の到来時間差を推定し、当該推定された到来時間差に基づいて受信電波の粗測角値を算出し、角度値判定部において、算出された上記入射角度推定値の中から上記粗測角値に最も近い値を受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしている。したがって、サブアレーアンテナの間隔を1/2波長より広くして測角精度を確保すると共に、このサブアレーアンテナ間隔に起因して入射角度推定処理部の出力として混入する入射角度推定値の偽像を排除することができるため、必要最小限で構成されたアレーアンテナを用いて高精度な入射角度推定値を得ることができる。

0025

実施の形態5.
図6はこの発明の実施の形態5による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態5のアレーアンテナは、実施の形態2の図3の素子アンテナ11,12,…,1Mからなるアレーアンテナの代わりに、それぞれがm個の素子アンテナからなるサブアレーアンテナをM個配列した構成としている。また、これらの素子アンテナ11,…,1Mmにはアジマスθの角度で受信電波wが入射するものと仮定する。DBF処理部71,72,…,7Mは、サブアレーアンテナ201,…,20M毎にそれぞれの受信器からの受信データをDBF処理し、合成した受信データx1,x2,…,xMを入射角度推定処理部4に与える。この実施の形態5の入射角度推定処理部4では、合成した受信データx1,x2,…,xMから超分解能アルゴリズム(例えばMUSICアルゴリズム)により入射角度推定値θs1,θs2,…,θspを算出する。このときの各サブアレーアンテナの位相中心PH201,PH202…,PH20M間の間隔が全てλ/2以上離れている場合、入射角度推定処理部4で得られた入射角度推定値θs1,θs2,…,θspには偽像が含まれている。

0026

また、粗測角値算出部5には、DBF処理後の合成された受信データの任意の一対(例えばx1とxM)が与えられおり、これらに基づいて対応するサブアレーアンテナの位相中心(例ではPH201,PH20M)における受信電波の到来時間差推定値τ’を位相差方探処理の式(3)および式(4)を用いて求め、到来時間差推定値τ’に伝播速度cを乗じて経路長差を求め、これを式(6)に適用して唯一の受信電波の粗測角値θ’を求める。次に、角度値判定部6において、入射角度推定処理部4で得られた入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、粗測角値算出部5で得られた受信電波の粗測角値θ’に最も近接する入射角度推定値を唯一の測角値θsとして選択する。このことにより、偽像の排除を行うことができる。

0027

以上のように、この実施の形態5によれば、2個以上のサブアレーアンテナを、位相中心間を受信電波の1/2波長より広い間隔となるように配列してアレーアンテナを構成し、入射角度推定処理部では、各合成された受信データに基づいて超分解能アルゴリズムにより虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出するようにしているので、サブアレーアンテナの間隔を1/2波長より広くして測角精度を確保すると共に、このサブアレーアンテナ間隔に起因して入射角度推定処理部の出力として混入する入射角度推定値の偽像を排除することができるため、必要最小限で構成されたアレーアンテナを用いて高精度な入射角度推定値を得ることができる。

0028

実施の形態6.
図7はこの発明の実施の形態6による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。ここでは、受信電波が複数、すなわちK波入射しているものとする(ただし、素子数MはK+1以上とする)。
この実施の形態6アレーアンテナは、実施の形態3の図4の素子アンテナ31,32,…,3Mからなるアレーアンテナの代わりに、m個の素子アンテナからなるサブアレーアンテナをM個配列した構成としている。各サブアレーアンテナの位相中心PH201,PH202…,PH20Mの間隔は全てλ/2以上離れて設定されているものとする。

0029

DBF処理部71,72,…,7Mは、サブアレーアンテナ201,…,20M毎に各受信器からの受信データをDBF処理し、合成した受信データx1,x2,…,xMを入射角度推定処理部4に与える。入射角度推定処理部4では、受信データx1,x2,…,xMを超分解能アルゴリズムに適用し入射角度推定値θs1,θs2,…,θspを求める。この場合に適用する超分解能アルゴリズムとして、例えばMUSICアルゴリズムがある。また、各サブアレーアンテナの位相中心PH201,PH202…,PH20Mが等間隔リニアアレーにおける受信データと同様に表現可能な場合には、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotation Invariance Techniques)アルゴリズムが適用できる。このESPRITアルゴリズムは、位相中心PH201,PH202…,PH20Mに対してサブアレーを構成して測角を行う場合、サブアレー間の位相回転量が2nπを超えている、すなわちサブアレーの間隔が半波長以上はなれている場合、得られた入射角度推定値には偽像が含まれてしまう。この発明では、各サブアレーアンテナの位相中心の間隔が全てλ/2以上離れて設定されているから、したがって、入射角度推定処理部4で得られた各受信電波の入射角度推定値θs1,θs2,…,θspには偽像が含まれることになる。

0030

また、粗測角値算出部5において、1つの合成された受信データx1に対して周波数を掃引し(掃引する周波数ポイントはK+1以上)、その受信データに基づいて超分解能アルゴリズムにより各受信電波の到来時間差推定値τ’を求める。到来時間差推定値τ’に伝播速度cを乗じて経路長差を求め、これを式(6)に適用し各受信電波の粗測角値θ’1,…,θ’Kを求める。次に、角度値判定部6において、入射角度推定処理部4で得られた各受信電波の入射角度推定値θs1,θs2,…,θspの中から、粗測角値算出部5で得られた各受信電波の粗測角値θ’1,…,θ’Kとそれぞれ最も近接する入射角度推定値を各受信電波の唯一の測角値θ’s1,…,θ’sKとして選択する。このことにより、偽像の排除を行うことができる。

0031

以上のように、実施の形態6によれば、上記実施の形態5に対し、合成された受信データに基づいて、サブアレーアンテナの位相回転量推定することで測角を行う超分解能アルゴリズムにより複数の受信電波のそれぞれの虚像を含む可能性のある入射角度推定値を算出する入射角度推定処理部を適用し、また、合成された受信データの一つに基づいて、超分解能アルゴリズムにより複数の受信電波のサブアレーアンテナ間の到来時間差をそれぞれ推定し、当該推定された各到来時間差に基づいて複数の受信電波の各粗測角値を算出する粗測角値算出部を適用し、角度値判定部により、入射角度推定処理部で算出された複数の受信電波のそれぞれの入射角度推定値の中から、対応する受信電波の粗測角値と最も近接する値をそれぞれの受信電波の求めるべき測角値として選択するようにしている。したがって、サブアレーアンテナの数が多い場合においても、サブアレーアンテナ間隔を1/2波長より広くして測角精度を確保すると共に、この間隔に起因して入射角度推定処理部の出力として混入する各受信電波の入射角度推定値の偽像をすべて排除することができるため、従来のように構成を複雑する必要がなく、高精度な入射角度推定値を得ることができる。また、特に、到来する電波が複数となった場合にも対応できる。すなわち、入射角度推定処理部で得られた複数の受信電波の入射角度推定値のそれぞれに対応して偽像が発生するが、複数の受信電波の粗測角値を得ることにより、偽像が現れる角度値をも考慮してそれぞれの真の入射角度推定値を測角値として求めることができる。

図面の簡単な説明

0032

この発明の実施の形態1による入射角度推定装置の構成を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る角度値判定部における処理原理を表す説明図である。
この発明の実施の形態2による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態3による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態4による射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態5による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態6による入射角度推定装置の構成を示すブロック図である。
従来の入射角度推定装置の基本構成を示すブロック図である。

符号の説明

0033

11〜1M,111,112,121,122素子アンテナ、31〜32,311,312,321,322受信器、4入射角度推定処理部、5 粗測角値算出部、6角度値判定部、71〜7MDBF処理部、101,102,201〜20Mアレーアンテナ。

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