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技術 コイル部品及びその製造方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 西村誠一
出願日 2005年5月19日 (15年1ヶ月経過) 出願番号 2005-146588
公開日 2006年11月30日 (13年7ヶ月経過) 公開番号 2006-324492
状態 未査定
技術分野 コイルの絶縁 通信用コイル・変成器 コア、コイル、磁石の製造
主要キーワード 導電性下地 同一金属材料 低抵抗部材 多重コイル 下地導電膜 蚊取り線香 最適化設計 コイル形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2006年11月30日)のものです。
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図面 (15)

課題

複数本配線からなる複数個コイルを内蔵してなるコイル部品の小型化は難しかった。

解決手段

絶縁樹脂102の中に第1の配線104と第2の配線106が互いに重なり有った多重コイルバイファイラーコイル等)を第1のビア110や第2のビア112を用いて多層に形成し、更に前記絶縁に一部が埋め込まれた複数の端子電極100と、前記第1の配線104や第2の配線106を前記絶縁樹脂102の内部で接続することで、複数個のコイルが内蔵されてなる小型で高性能のコイル部品を提供する。

概要

背景

従来、様々なコイル部品が提案されていた。中でも複数本配線が重なるようにコイル状もしくは螺旋状に形成されたコイルは、バイファイラー(バイは2本の意味で、2本の配線が重なるように巻かれたもの)、トリファイラートリは3本の意味で、3本の配線が重なるように巻かれたもの)として、バランコモンモード用として使われている。

図12は従来の平面型のバイファイラーコイルの上面図である。図12において、2は配線であり、配線2の両端には端部4が形成され、端部4は端子電極(図12において端子電極は図示していない)に接続されている。このように図12において、基板6の上に複数本の配線2(図12においては2本)が、同一平面上に形成されている。また配線2や端部4は、保護層(図12において保護層は図示してない)で覆われている。
特開平9−270355号公報

概要

複数本の配線からなる複数個のコイルを内蔵してなるコイル部品の小型化は難しかった。絶縁樹脂102の中に第1の配線104と第2の配線106が互いに重なり有った多重コイル(バイファイラーコイル等)を第1のビア110や第2のビア112を用いて多層に形成し、更に前記絶縁に一部が埋め込まれた複数の端子電極100と、前記第1の配線104や第2の配線106を前記絶縁樹脂102の内部で接続することで、複数個のコイルが内蔵されてなる小型で高性能のコイル部品を提供する。

目的

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、複数の配線が互いに絶縁された状態でコイル状に形成することで、より小型で高性能のコイル部品を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

感光性樹脂からなる絶縁樹脂の中に、複数本配線ビアを介して螺旋状に形成されてコイルパターンを形成し、更に前記配線は、前記感光性樹脂にその一部が埋め込まれた端子電極に接続されているコイル部品

請求項2

前記配線の断面は、略四角形である請求項1に記載されたコイル部品。

請求項3

配線が形成する螺旋パターンは、略四角形である請求項1に記載されたコイル部品。

請求項4

配線と絶縁樹脂の界面の少なくとも1面以上には、厚み0.01μm以上5μm未満の銅、ニッケルクロムチタン、金もしくはこれら合金が形成されている請求項1に記載されたコイル部品。

請求項5

複数の配線は、少なくともその一部が互いに同一平面に隣接された状態で形成されている請求項1に記載されたコイル部品。

請求項6

複数の配線は、少なくともその一部が同一垂直面で隣接された状態で形成されている請求項1に記載のコイル部品。

請求項7

コイル部品はコモンモードチョークコイルである請求項1に記載されたコイル部品。

請求項8

コイル部品は、バランである請求項1に記載されたコイル部品。

請求項9

コイル部品は、平衡不平衡変換機である請求項1に記載されたコイル部品。

請求項10

第1の配線が形成する第1のコイルと、第2の配線が形成する第2のコイルの一部は、少なくとも1層以上で内側と外側の線路長が略等しくなる請求項1記載のコイル部品。

請求項11

感光性樹脂で第1のパターンを形成した後、前記第1のパターンを覆うように金属を形成し、前記金属の不要部を除去する工程を必要回数繰り返すことで、前記感光性樹脂の内部に互いに絶縁された複数の配線と、前記配線に接続された複数の端子電極を形成するコイル部品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、携帯電話小型携帯端末等に使われる電子部品に関するものであり、その中でも回路基板等の上に実装されるコイル部品及びその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、様々なコイル部品が提案されていた。中でも複数本配線が重なるようにコイル状もしくは螺旋状に形成されたコイルは、バイファイラー(バイは2本の意味で、2本の配線が重なるように巻かれたもの)、トリファイラートリは3本の意味で、3本の配線が重なるように巻かれたもの)として、バランコモンモード用として使われている。

0003

図12は従来の平面型のバイファイラーコイルの上面図である。図12において、2は配線であり、配線2の両端には端部4が形成され、端部4は端子電極図12において端子電極は図示していない)に接続されている。このように図12において、基板6の上に複数本の配線2(図12においては2本)が、同一平面上に形成されている。また配線2や端部4は、保護層(図12において保護層は図示してない)で覆われている。
特開平9−270355号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、前記従来の構成では、コイルの特性アップのために、その巻き数を増やしたり配線の断面積を増加したりすることが難しいという課題を有していた。

0005

次に図13を用いて、複数のパターンを平面上で微細化する際の課題について詳しく説明する。

0006

図13は、感光性レジストを使ってコイルパターンを形成する様子を説明する断面図である。図13において、8は下地導電膜、10は感光性レジストである。まず図13(A)に示すように、基板2の表面に下地導電膜8を形成する。次に図13(B)に示すように、下地導電膜8の上に、感光性レジスト10を用いて所定パターンを形成する。次に図13(C)に示すように、下地導電膜8の導電性を利用して、電気めっき等の手法で電極4を形成する。こうして感光性レジスト10から下地導電膜8から露出した部分に電極4を選択的に形成できる。最後に、感光性レジスト10を除去することで、下地導電膜8の表面に電極4を残す。こうして複数本の電極4を一括して同一平面上に形成できる。しかし、図13(D)に示すように、この状態では、複数の電極4の間は、下地導電膜8によって電気的に接続されている。

0007

次に図14を利用して、複数の電極4の間を絶縁する様子を示す。図14は、複数の電極4の間を絶縁する様子を説明する断面図である。図14(A)において、矢印12は電極4や導電性下地8をエッチングする様子を示す。図14(A)において、矢印12はエッチングの方向を示す(図14(A)においてエッチング液等は図示していない)。図14(B)は、エッチング途中の様子を示す。図14(B)において点線14は元の位置であり、図14(A)の電極4や下地導電膜8の元の厚み(もしくは元の位置)に相当する。図14(B)に示すように、図14(A)の状態から、矢印12に示すように、電極4や下地導電膜8が細っている。図14(C)は、露出していた下地導電膜8が除去された後の状態を示す。図14(C)において、下地導電膜8は、電極4の直下にしか残っていない。

0008

しかしこのような従来の方法では、図14(C)に示すように、電極4の幅や厚み(あるいはどの断面積)が、点線14で示すように細ってしまう。そのため図12に示した複数本の配線からなるコイル部品を作成する場合、配線の高密度化、コイル性能の向上に課題があった。

0009

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、複数の配線が互いに絶縁された状態でコイル状に形成することで、より小型で高性能のコイル部品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

前記従来の課題を解決するために、本発明は上記課題を解決するために、本発明は、感光性樹脂を主成分とする絶縁樹脂の中に、複数の配線が互いに絶縁された状態でコイル状に形成されたコイル部品を提供するものである。

発明の効果

0011

本発明の電子部品は、複数本の配線が形成する複数個のコイルを、感光性樹脂からなる絶縁樹脂の中にビアで接続された三次元的なコイルを複数個形成することで、高性能で小型のコイル部品を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態について、本発明の特に請求項1、5、10の発明について図面を参照しながら説明する。

0013

図1は本発明のコイルの外観図である。図1(A)はその外観図、図1(B)は内部構造を示す図である。図1(A)において、100は端子電極、102は絶縁樹脂である。図1(B)は絶縁樹脂102の内部に形成されたコイルパターンの一例を示す斜視図(透過図)であり、104は第1の配線、106は第2の配線であり、互いに絶縁されている。また108は点線であり、点線108は図2において第1の配線104と第2の配線106の水平面での位置関係を示すためのものである。なお図1(B)において端子電極100や絶縁樹脂102は図示していない。そして図1(B)に示すように第1の配線104と第2の配線106は互いに絶縁樹脂102(図1(B)では図示していない)で絶縁された状態で、3次元的なコイル(もしくは螺旋)を形成している。実施の形態1では第1の配線104や第2の配線106が組み合わされてなる複雑な3次元配線が、図1(B)に示すように絶縁樹脂102の内部にコイル形状で形成し、そしてその一部が図1(A)に示すような端子電極100に接続される。

0014

次に図2を用いて、第1の配線と第2の配線の位置関係について説明する。図2図1の点線108における平面断面図である。図2(A)は図1の点線108a(最上層の水平面)における平面断面図、図2(B)は図1の点線108b(上から2番目の層の水平面)における平面断面図である。図2において110は第1のビア、112は第2のビア、114は矢印である。そして図2(A)における第1の配線104aの一端は第1のビア110を介して、図2(B)の第1の配線104bに接続している。同様に図2(A)における第2の配線106aは第2のビア112を介して、図2(B)の第2の配線106bに接続している。図2における矢印114は第1の配線104aと第1の配線104bが第1のビア110で、第2の配線106aと第2の配線106bが第2のビア112で接続されている様子を説明するものである。

0015

このように複数の配線は、少なくともその一部が互いに同一平面で隣接された状態で形成することで、コイル部品を小型化できる。

0016

また図2(A)、図2(B)に示すように、第1の配線104と第2の配線106を、互いにそのコイルが内側/外側(あるいは大/小)と交互になるように設計することができる。このように第1の配線104が形成する第1のコイルと、第2の配線106が形成する第1のコイルのその一部を、少なくとも1層以上で内側と外側(あるいは大/小)と入れ替えることで、内側と外側の配線の線路長を略等しくすることができる。こうして第1コイルと第2のコイルのインダクタンスを互いに近づけられる。そして複数の配線を同一平面に並べた状態で、同心状のコイルを多層に形成する場合、コイルの形状を入れ替えることで、複数のコイル同士の特性マッチング性を高められる。

0017

このように実施の形態1では、複数本の配線を互いに絶縁した状態で、同一平面で左右に並べ、所定のビアを用いて多層化することができる。このように図1図2に示すように、複数の配線からなる複雑なコイルであっても三次元化できるため、コイル部品の小型化が可能になる。

0018

なお第1の配線104や第2の配線106が形成するコイル状としては、その平面構造(あるいは平面形状)が、図2(A)、(B)に示した形状(カタカナのコの字状)、図12に示した渦巻き形状(もしくは蚊取り線香状)であっても良い。そしてこれらのコイルを必要に応じて、図2(A)、図2(B)に示すようにして多層化しても良い。つまり図2(A)、図2(B)に示すように第1のビア110、第2のビア112等を用いて三次元的なコイルを形成できる。このように本実施の形態では、複数本の配線によって形成された複数のコイル機能を、一つのコイル部品に高密度に内蔵することができる。

0019

また配線が形成する螺旋パターン図2(A)、図2(B)に相当する)は、略四角形が望ましい。配線が形成する螺旋パターンを丸型(例えば、蚊取り線香のような丸型)にした場合、コイルの有効面積(コイル内部の磁界の通る断面積等)を有効活用しにくい場合がある。そのため配線が形成する螺旋パターンは丸型よりも、図2のような形(カタカナのコの字)のような四角形にすることで、第1の配線104a、104b、あるいは第2の配線106a、106bによる磁界を有効に制御できる。

0020

(実施の形態2)
次に実施の形態2について、特に請求項2、3、11の発明について説明する。実施の形態2は、実施の形態1で説明したコイルの製造方法の一例である。

0021

図3から図4は、本発明のコイル製造方法の一例を説明する断面図である。図3(A)はベース板の上に感光性レジスト等を用いて所定パターンを形成する様子を示す断面図であり、116はベース板、118は感光性レジストである。まず図3(A)のようにして、ベース板116の上に感光性レジスト118を用いて所定パターンを形成する。図3(B)において120は金属であり、図3(B)に示すように感光性レジスト118を金属120で覆う。次に図3(C)に示すようにして、感光性レジスト118の上を覆った金属120を表面研磨する。図3(C)において122は矢印であり、感光性レジスト118の表面を覆った金属120が、矢印122の方向に研磨もしくは除去している様子を示す。ここで所定のCMP(化学研磨)方法を用いることができる。そして研磨液研磨装置を用いることで、感光性レジスト118の上を覆っていた金属120を高精度に除去できる。次に図3(D)に示すようにこの研磨した上に、更に感光性レジスト118を用いて所定パターンを形成する。なおここで感光性レジストとしてはネガ型レジスト露光によって硬化不溶化するレジストの様式)を用いることが望ましい。これはポジ型レジスト(露光によって分解するレジストの様式)を用いた場合、絶縁樹脂102の信頼性が低下するためである。なおここでベース板116としては、シリコン基板金属板ガラス板樹脂板等を使うことができる。

0022

こうして図3(D)に示したように感光性レジスト118で所定の三次元形状を作成した後、図3(E)に示すように、これら感光性レジスト118よりなるパターンを覆うように金属120をめっき等の手法で形成する。その後図3(F)に示すようにして不要部分の金属120を研磨もしくはエッチングして除去する。

0023

実施の形態2では、図3(C)や図3(F)の工程によって、金属120が互いに絶縁され、最後に端子電極100や第1の配線104、第2の配線106等を形成することになる。

0024

次に図4を用いて更に詳しく説明する。図4(A)は図3(F)で示した研磨面の上に、更に感光性レジスト118を用いて所定パターンを形成した様子を示す断面図である。次に図4(B)に示すように、感光性レジスト118を覆うように金属120を形成する。なお図3(B)、図3(E)等同様、金属120の形成方法としては銅等の電気めっき技術を用いることができる。そして図4(C)に示すように、感光性レジスト118上に残った不要となる金属120を、矢印122の方向に除去する。このようにして、端子電極100、第1の配線104、第2の配線106、第1のビア110、第2のビア112に相当する部分を3次元的に形成する。また本実施の形態における感光性レジストを永久レジストとすることで、図1に示した絶縁樹脂102となることは言うまでもない。そしてこういう工程を複数回繰り返すことで、図1図2で示したような複雑な3次元形状を有するコイル部品を感光性レジスト118の中に作りこむことができる。

0025

図3(F)や図4(C)に示すように、感光性樹脂118からなるパターンの中に金属120を形成することで、金属120からなる第1の配線110や第2の配線112等の断面を略四角形とすることができる。そしてコイルを形成する配線の断面を略四角形とすることで、断面が丸の配線に比べて配線間隔を詰められるため、コイル部品の小型化が可能になる。このように配線の断面を略四角形とすることで配線と配線の隙間(上下方向、左右方向共に)や、配線間のピッチ(上下方向、左右方向共に)も縮められる。このように配線の断面積を有効活用できるため、コイルの配線抵抗を低くできコイルのQ値(Q値は、Quality Factorと呼ばれるコイル特性を示す値であり、より大きな値が望ましい)を高くできる。

0026

また図3図4等の工程を必要に応じて複数回繰り返した後、ベース板116を除去することで、感光性レジスト118に覆われた電極の一部を露出できる。そしてこの露出した電極を端子電極100とすることができる。こうして、端子電極の一部を感光性樹脂からなる絶縁樹脂に埋め込み、その一部を前記感光性樹脂からなる絶縁樹脂から露出することで、第1の配線104、第2の配線106の形成と同時に複数の端子電極を高精度に形成できる。

0027

(実施の形態3)
実施の形態3では、本発明の特に請求項6の発明について図面を参照しながら説明する。

0028

実施の形態3では、複数の配線は、互いにその一部が同一垂直面で隣接された状態で形成されている場合について、図面を参照しながら説明する。

0029

図5図6は第1の配線と第2の配線が互いに上下関係にある場合について説明する斜視図である。図5において、124は矢印である。実施の形態1と実施の形態3の違いは、第1の配線と第2の配線の並び方であり、実施の形態3では図5に示すように第1の配線104と第2の配線106は上下に隣接して並んでいる。

0030

図6を用いて更に説明する。図6図5を矢印124の方向から見た正面図である。実施の形態3では、図5図6に示すように第1の配線104と第2の配線106が上下に並んで複数個のコイルを形成することになる。なお図5図6共に絶縁樹脂102や端子電極100は図示してない。

0031

このように複数の配線が、少なくともその一部が同一垂直面で隣接された状態で形成されることで、コイル部品を小型化できる。

0032

特に複数のコイルを上下に並べることで、そのコイル中央部の磁力線が流れる部分の面積を広げられるため、インダクターとしての特性を高められる。特にコイルの巻き数(あるいはターン数)を増加させる場合、実施の形態3のように厚み方向にコイルを積層することで、チップサイズ(特に実装面積)を増やすことなく特性アップが可能となる。

0033

(実施の形態4)
実施の形態4では、本発明の特に請求項4について詳しく説明する。実施の形態4では、更に第1の配線と第2の配線を絶縁する様子について、図面を参照しながら説明する。

0034

図7図8は第1の配線と第2の配線を絶縁する様子を示す断面図である。図7において126は下地導電膜である。まず図7(A)に示すように、ベース板116の表面に感光性レジスト118を用いて所定パターンを形成する。なおここで感光性レジスト118としてはネガレジスト(光によって硬化するもの)を用いることが望ましい。ポジレシストの場合、取り扱いは容易であるが、光で分解(もしくは低分子化)するため、永久レジスト(つまり図1で示す絶縁樹脂102)として配線や端子電極部分を保護することが難しく、また機械的強度も低い。

0035

図7(B)において下地導電膜126は、ベース板116及び感光性レジスト118の表面を覆うように形成されている。なお下地導電膜126の形成方法としては、無電解めっき以外に薄膜スパッタ等)を用いることで、下地となる感光性レジスト118やベース板116の密着性を高められる。なお下地導電膜126としては、ニッケル、銅のような導電体を使うことで、この後に電気めっきを行うことができる。なお下地導電膜126の厚みは0.01μm以上5μm未満が望ましい。厚みが0.01μm未満の場合、下地導電膜126の抵抗値が増加するため、電気めっきの下地としては使いにくい場合がある。また厚みが5μmを超える場合は、下地導電膜126の形成コストが増加したり、その内部応力によって下地導電膜126自身が剥離する場合がある。なおこの中でも下地導電膜126の厚みとしては、工程安定性を考慮した場合0.5μm以上が望ましい。

0036

図7(C)において金属120は下地導電膜126の導電性を利用することで、電気めっき等の手法で、安価にかつ高速、高膜厚で形成されたものである。こうした用途に銅の電解めっき等の技術を使える。また必要に応じて銀めっき技術も使える。ここで金属120の厚みやめっき方法を選ぶことで、図7(C)に示すように感光性レジスト118の有無による段差を埋めることができる。

0037

図8は下地導電膜の上に形成された金属を加工する様子を説明する断面図であり、130は点線である。図8(A)は加工途中、図8(B)は加工が終了した状態に相当する。図8(A)では、下地導電膜126の上に厚く、銅や銀といった低抵抗部材が金属120として形成されている。図8(B)に示すように、研磨や化学エッチング等の手法を選ぶことで金属120の厚みを、当初(点線130の位置)から、容易に薄くできる。

0038

図8(B)は加工が終了した状態であり、感光性レジスト118を覆っていた下地導電膜126も除去されている。このように金属120を除去すると同時に(もしくはその工程の最後に)下地導電膜126を除去することで、金属120が感光性レジスト118の間に絶縁された金属120となる。こうして複数の金属120は互いに絶縁させられることで、第1の配線104や第2の配線106、第1のビア110、第2のビア112、端子電極100となる。そして、こうした工程を複数回繰り返すことで、高性能のコイル電子部品を製造できる。

0039

また本実施の形態のように下地導電膜126を使うことで、金属120の3面(左右と底の面)に下地導電膜126を残すことができる。そのため例えば下地導電膜126として、感光性レジストに密着性の良い材料(例えば、Cr、Ti等の酸化されやすい金属部材は下地への密着性が高い)を選べる。またAgやCuと言った抵抗値の低い部材を下地導電膜126として選んだ場合、出来上がったコイルの表面部分の抵抗値を低下させられるため、特に高周波領域での表皮効果による低抵抗化が可能となる。またニッケル、金等の耐マイグレーション性等の優れた部材を用いた場合、電極120にマイグレーションしやすい、あるいは酸化されやすい金属材料を選んだ場合でも高信頼性が得られる。このように金属120の1面以上に下地導電膜126を保護層、あるいは密着層として形成することで、各種用途に対応できる。こうしたことで更に第1の配線104と第2の配線106の間での絶縁性、信頼性を高められる。

0040

なお図3図4で示したようなビルドアップ工法(ベース板の上に配線等を積み重ねて形成する工法)を使うことで、第1の配線104や第2の配線106、端子電極100、感光性レジスト118からなる絶縁層と共に一括して作製できるため、複数本の配線からなる複雑なコイル電子部品であっても高精度に形成できる。

0041

なお第1の配線104や第2の配線106は共に金属120で構成されており、この金属120と下地導電膜126は同一金属材料であっても異なる金属であっても良い。例えばサンプルの断面をXMA(X線マイクロアナライザー)等の分析装置を使えば、これら金属元素判別が可能である。しかし金属120と、下地導電膜126が同じ金属材料(例えば銅と銅)である場合、サンプルの断面をXMAで分析しても元素的には判別が難しい。このような場合では化学的な手法を使えば判別可能である。例えば、過酸化水素(H2O2)と硫酸(H2SO4)からなるエッチング液でサンプルの表面をエッチングすれば簡単に判る。例えば、下地導電膜126として薄膜(スパッタ等の真空を使った物理的手法)を、金属120としてめっき(湿式化学的手法)を使っているような場合でも、出来上がった膜質に差があるため、こうした差がエッチング速度の差やエッチング面の表面粗さ等として表れるためである。

0042

このようにして感光性樹脂で覆われたコイル電子部品のような複雑で微細な内部構造を有する電子部品であってもその設計通りのものを高精度、高歩留まりで提供できる。

0043

なお感光性樹脂としては、アクリル樹脂エポキシ樹脂ポリイミド樹脂のいずれかまたはこれらの複合樹脂から形成されていることが望ましい。こうした樹脂は電子部品としての信頼性や強度に優れ、取り扱いやすい利点がある。またこうした樹脂に感光性を持たせることで、目的とする形状が複雑な3次元形状であっても容易に対応できるため、設計通りの特性が得られる電子部品を高歩留まりで得られる。

0044

以上のように、配線と絶縁樹脂の界面の少なくとも一面以上(あるいは図7図8に示すように複数面に)に、銅、ニッケル、クロムチタン、金もしくはこれらの合金が形成されることにより、高精度で密着性良く所定の配線を形成できる。また端子電極と絶縁樹脂の界面も同様な構成とすることで、同様な効果が得られることはいうまでもない。

0045

(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態について、本発明の特に請求項7について図面を参照しながら説明する。

0046

図9は、コモンモードのチョークコイルに応用した例を説明する回路図である。

0047

図9において、132は第3の配線、134は第4の配線である。図9では第3の配線132と第4の配線134は複数個のコイルとして並列結線している。図9に示すように結線することで、信号ラインあるいは電源ライングランド間で発生するノイズコモンモードノイズ)を除去するフィルタを製造できる。そしてこのフィルタを各種電子機器に使うことで、データ信号波形の歪を最小限に抑え、優れた伝送波形品質を維持できる効果が得られる。

0048

(実施の形態7)
以下、本発明の実施の形態について、特に本発明の請求項8について図面を参照しながら説明する。

0049

実施の形態7では携帯電話等に使われるバランに応用した例について説明する。

0050

図10は、バランに応用した例を示す回路図である。図10において、136は第5の配線、138は第6の配線である。図10に示すように、第3の配線132と第4の配線は第1のコイルを形成する。また第5の配線136と第6の配線138は第2のコイルを形成する。そして図10に示すように、第3の配線は一端が端子電極100(図10では図示していない)に接続され、そして第1のコイルを形成した後、その一端が第5の配線136に接続され第2のコイルに接続される。そして第1のコイルを形成する第4の配線の一端は第5の配線136に、もう一端は第6の配線138に接続され、端子電極100(図10では図示していない)に接続されている。

0051

以上のように、図10に示すような複雑な回路図であっても、図3から図4、あるいは図7から図8で説明したようにして、小型で高性能のコイルを3次元的に形成できる。特に本発明の場合、配線は立体的に形成できるため、図10のように複数の配線の引き回しにおいても特に制限を受けない。

0052

従来の工法で複雑な配線パターンを形成する場合、配線の線路長が長くなるため、コイルのQ値(Quality Factorと呼ばれる配線抵抗が関係する係数。Q値は高い方が望ましい)が影響を受ける可能性もあるが、本発明の場合、図7図8で説明したようにコイルを形成する配線を太くできるため、小型で高特性のバランを提供できる。

0053

そのため、携帯電話を初めとする各種機器信号源不平衡平衡を変換する場合において、特に小型高性能でインピーダンスマッチング用途に使いやすい高性能の電子部品を提供できる。

0054

(実施の形態8)
以下、本発明の実施の形態について、特に本発明の請求項9について図面を参照しながら説明する。

0055

図11は平衡−不平衡の変換機に応用した例を説明する図である。

0056

実施の形態8では、高周波電力伝送する際に平衡回路不平衡回路接続点で不要輻射不整合などで発生しやすい損失を除くための平衡−不平衡変換部品への応用例を示す。なお実施の形態8と実施の形態7の違いは、一個部品に内蔵されるコイルの数である。

0057

特に本発明の場合、第3の配線132、第4の配線134、第5の配線136等からなる複雑なコイル形状であっても、図3から図4、あるいは図7から図8に示したようにして、各層を高精度に成形することで、高歩留まりで求める特性のコイル部品を製造できる。また本発明では、内蔵されるコイルの数、その配線の引き回し、端子電極100の形成位置に設計自由度があるため、ユーザーニーズや用途に応じて最適化設計できることは言うまでもない。

0058

本発明によれば、複数の配線からなるコイル部品を感光性レジストの内部に埋め込むようにしながら、三次元的な電気回路として形成することで、より小型で高性能のコイル部品の製造が可能である。

図面の簡単な説明

0059

本発明のコイルの外観図
図1の点線における平面断面図
本発明のコイル製造方法の一例を説明する断面図
本発明のコイル製造方法の一例を説明する断面図
第1の配線と第2の配線が互いに上下関係にある様子について説明する斜視図
第1の配線と第2の配線が互いに上下関係にある様子について説明する正面図
第1の配線と第2の配線を絶縁する様子を示す断面図
第1の配線と第2の配線を絶縁する様子を示す断面図
コモンモードのチョークコイルに応用した例を示す図
バランに応用した例を説明する図
平衡−不平衡の変換機に応用した例を説明する図
従来の平面型のバイファイラーコイルの上面図
コイルパターンの形成方法を示す断面図
複数の電極間を絶縁する様子を説明する断面図

符号の説明

0060

100端子電極
102絶縁樹脂
104 第1の配線
106 第2の配線
108点線
110 第1のビア
112 第2のビア
114 矢印
116ベース板
118感光性レジスト
120 金属
122 矢印
124 矢印
126下地導電膜
128 矢印
130 点線

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